JP2000509970A - ヒトカヘキシー関連タンパク質 - Google Patents

ヒトカヘキシー関連タンパク質

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、乳房腫瘍ライブラリーから単離された、ヒトカヘキシー(悪液質)関連タンパク質(HCAP)を同定し、コードするポリヌクレオチドを提供する(大文字の略号及び小文字の略号の意味は明細書に記載されている)。本発明は、HCAPをコードする核酸配列を含む、遺伝子工学的処理をなされた発現ベクター及び宿主細胞を提供する。本発明はまた、重度のまたは中程度の肥満症の治療における精製HCAPの治療的使用、及び腫瘍誘導性カヘキシーの治療におけるアンチセンス分子、抗体、アゴニスト、またはインヒビターの治療的使用を提供する。本発明はまた、このポリヌクレオチドやそのフラグメント、若しくはこのポリペプチドに特異的に結合する抗体を含む診断用組成物を利用する診断アッセイについても記述している。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒトカヘキシー関連タンパク質 技術分野 本発明は分子生物学の分野に属するものであり、本発明は特に、ヒトカヘキシ ー関連タンパク質の核酸及びアミノ酸配列に関するものである。 背景技術 癌に関連する特性食欲減退は、カヘキシーとして知られている。体重減少の原 因は、癌に起因する、味覚及び嗅覚の問題、消化管の機能障害、必要エネルギー 量を満たすに不十分な栄養摂取量を含むいくつかの寄与因子が関係してきた。グ ルコースでなく脂肪酸の酸化のような生化学的異常によって嫌気性グルコース代 謝が高まり、また酸化的リン酸化の減少が認められた。しかし、これらの知見の 何れもが、門段の大きさを説明するものではない。 典型的には、癌患者は十分な食物を摂取せず、非嗜好性、吐き気、及び肉類の 嫌悪を訴える。経腸または静脈内経路による栄養補給法は、たとえ悪性疾患の経 過には影響を及ぼさないものであっても、良性疾患の好適な管理方法であった。 栄養補給は、外科手術手順または化学療法を受けている食欲不振の患者における 救命手段である。 現在までに、炎症細胞及び腫瘍細胞から放出される発熱性サイトカインは、カ ヘキシーの一因となっていると考えられていた。実際には、実験動物に与えると 、サイトカイン、腫瘍壊死因子(TNF)またはカケクチンが、カヘキシーの実 験モデルを作り出す。 現在、TNFαがインスリンのような他の分子とともに、関連タンパク質、癌 悪液性因子(CCF;Todorov Pらの論文、 (1996)Nature379:739-742)の活性を媒介することが明らかになった。CCFは 、脂質移動因子(McDivitt TMら(1995)Cancer Res55:1458-63)として特徴付 けらたもので、初めに同定され精製された24kDのタンパク質である。CCF は、マウスの腺癌(MAC16)細胞から単離された。そしてCCFは血流に分 泌され、筋肉異化の誘発によりカヘキシーを誘発する。CCFがマウスに投与さ れると、定常の食物と水を摂取しているにも関わらず体重が減少し、除脂肪体重 の減少を超える脂肪組織の減少がみられ、かつ顕著な低血糖が生じる。CCFの 導入の一日前に抗CCF抗体をマウスに投与すると、るいそう(wasting)が寛 解される。 CCFは、プロテナーゼ、キモトリプシン、トリプシン、及びペプシンによる タンパク分解に対する耐性を有する。ウェスタンブロットにおいて、マウス抗C CF抗体はまた、カヘキシーを伴う癌患者の尿において24kDのヒトタンパク 質を認識する。この24kDバンドは、健常者の被験者、カヘキシーを発症して いたに患者、または非るいそう性MAC13腫瘍をもつマウスの尿においては存 在しなかった。 ここに開示する新規なヒトカヘキシー遺伝子の発見は、癌誘発性カヘキシーの 研究や介入のための機会を与えてくれる。この核酸配列を用いて、臨床的徴候が 出てくる前にるいそう(wasting)の発症を診断するのに役立つPCR法に基づ くアッセイを設計することができる。このタンパク質のアンチセンス分子やイン ヒビターを与えることによってるいそうを寛解させられるが、これは外科的処置 や化学療法を受けている癌患者の健康に著しい効果を及ぼす手段となる。 発明の開示 本発明は、その核酸配列が乳房腫瘍ライブラリー(BRSTTUT01)に 由来するポリヌクレオチドのなかから同定された新規なヒトカヘキシー関連タン パク質に関するものである。本発明はまた、疾病の研究、診断、予防、及び治療 における、そのポリヌクレオチド(記号は小文字のhcap)及びポリペプチド (記号は大文字のHCAP)の使用にも関する。 ヒトカヘキシー関連タンパク質をコードするこの新規なポリヌクレオチドは、 インサイト社クローンNO.607227において、コンピュータサーチにより始めに 同定された。このコンピュータサーチでは、マウスの癌悪液性因子(CCF)に 由来する既知の20個のN末端アミノ酸残基と、翻訳されたインサイト社配列と のアミノ酸アライメントを探した。hcapのコード化領域は、90個のアミノ 酸からなる成熟タンパク質(配列番号:2)をコードする。hcapヌクレオチ ド配列の顕著な特徴は、2つの潜在性開始コドン(一方はA55から始まり他方は A64から始まる)及びG387の停止コドンの存在である。この新規なHCAPは 、16〜19個のアミノ酸残基(M1またはM4からC18またはA19まで)をコー ドするシグナル配列と、Y20からA39までのアミノ酸残基とマウスCCF(Todo rov Pらの論文、(1996)Nature379:739-742)との、2点N32及びC34の2点を 除いた一致またはアライメントとにより特徴付けられる。シグナル配列の分泌及 び切断の終了後、C34残基は、約24kDのポリペプチドを生成するための二量 体化に関与している可能性がある。 本発明及びその使用は、HCAPがCCFタンパク質の既知の部分に類似性を 有するという事実に部分的に基づいている。その使用はまた、ヒト乳房腫瘍ライ ブラリー(BRSTTUT01)におけるhcap転写物の存在にも基づいている。 hcap核酸配列、そのオリゴヌクレオチド、フラグメント、部分、またはア ンチセンス分子は、hcapの発現を検出するための体液また は生検組織の診断アッセイにおいて使用され得る。例えば、hcap配列を用い て、実際にるいそうが発症する前に癌患者におけるmRNA転写物の存在を検出 したり、治療の際にhcapレベルを監視することができる。 本発明はまた、HCAPをコードする核酸を含む発現ベクター及び宿主細胞に も関する。このようなトランスフェクト宿主細胞は、HCAPの産生及び回収に 役立つ。本発明は、重症または中程度の肥満症の治療のため、高度に制御された 条件の下で、抗体の産生及びアンタゴニスト及びインヒビターの選別のために精 製HCAPを用いることも、その範囲に含む。 本発明は更に、自然発生HCAPの検出のための診断キットを提供する。また 本発明によれば、ポジティブコントロールとして精製HCAPを使用し、例えば 尿や血液やHCAPが発現される生検組織の抽出物のような体液におけるHCA Pレベルを監視するために抗HCAP抗体を使用する。更に、カラム式ろ過装置 に付着した抗HCAP抗体は、腎臓透析の限外濾過に類似した方式で患者の血液 からHCAPを除去することができる。 本発明はさらに、HCAPの発現が関与する状態や疾病の治療のための方法を 含む。これらの方法では特に、HCAPによる筋肉るいそう効果を治療するため に、例えばアンチセンス配列、抗体、アンタゴニスト、及びインヒビターのよう な医薬品組成物を投与する過程を含む。 本発明は、hcapを生成する腫瘍に送達され得るアンチセンス配列を含むベ クターを含む医薬品組成物を提供する。例えば、hcap結合配列はアデノウイ ルスに導入され得、その表面に腫瘍標的分子を備えたリポソームを用いて特定の 腫瘍に送達され得る。これらの結合配列の効果的なトランスフェクション及び発 現は、翻訳の前にhcap転写を不 活化するか、下方制御することができる。他の医薬品組成物には、分泌されたH CAPの存在を低減または除去するために血管を通して循環され得る抗体、アン タゴニスト、インヒビターが含まれる。 図面の簡単な説明 第1A図及び第1B図は、ヒト乳房腫瘍に由来するカヘキシー関連タンパク質 (HCAP)の核酸配列(配列番号:1)及び予測アミノ酸配列(配列番号:2 )を示した図である。核酸及びアミノ酸のアライメントは、MacDNAsis(日立エ ンジニアリング社製)を用いて作成された。 第2図は、マウスの癌悪液性因子(CCF;Todorov Pらの論文、(1996)Natu re379:739-742)の既知の20個のアミノ酸残基とHCAP(配列番号:2)と のアミノ酸配列アライメントを示した図である。配列は、DNASTARソフトウェア (DNASTAR社、Madison WI)のマルチシーケンスアライメントプログラム(mul tisequence alignment program)を用いてアライメントが作成された。 発明の実施の形態 本発明は、その核酸配列が乳房腫瘍ライブラリー(BRSTTUTO1)に由来するポ リヌクレオチドのなかから同定された新規なヒトカヘキシー関連タンパク質に関 するものである。本発明はまた、疾病の研究、診断、予防、及び治療における、 そのポリヌクレオチド(記号は小文字のhcap)及びポリペプチド(記号は大 文字のHCAP)の使用にも関する。 ペプチドシークエンシングを用いて決定された24kDのマウスのCCF(To dorov Pらの論文、(1996)Nature379:739-742)に由来する20個のN末端アミ ノ酸残基を用いて、インサイト社のデータベースを検 索した。インサイト社クローンNo.607227(第1A図及び第1B図)の翻訳物 は、それらのアミノ酸配列と90%以上の類似性を有しており、続けて行われた 分析により、予測されたシグナル配列をコードする、適当な距離だけ上流に存在 する潜在性翻訳開始部位が同定された。インサイト社クローンNo.607227が、 ポリヌクレオチドの予測された同じ5’位置においてCCFと90%の相同性を 有しているという事実は、インサイト社クローンNo.607227がマウスのCCF のヒトホモログを表していることを示している。乳房腫瘍組織から調製されたラ イブラリーにおいてこのクローンが同定されたことがこのことを支持している。 更に、乳癌患者に由来する一致した非腫瘍性サンプルから調製されたcDNAラ イブラリーにおいてこの配列が存在しないことが、このことを支持している。 インサイト社クローンNo.607227において見出されたhcap分子のコード 化領域は、90個のアミノ酸からなる成熟タンパク質(配列番号:2)をコード する。hcapヌクレオチド配列の顕著な特徴は、2つの潜在性開始コドン(一 方はA55から始まり他方はA64から始まる)及びG387の停止コドンの存在であ る。この新規なHCAPは、16〜19個のアミノ酸残基(M1またはM4からC18 またはA19まで)をコードするシグナル配列と、Y20からA39までのアミノ酸 残基とマウスCCF(Todorov Pらの論文、(1996)Nature379:739-742)との、 2点N32及びC34の2点を除いた一致またはアライメントとにより特徴付けられ る。シグナル配列の分泌及び切断の終了後、C34残基は、約24kDのポリペプ チドを生成するための二量体化に関与している可能性がある。 本発明及びその使用は、HCAPが、マウスCCFタンパク質の既知の部分に 対して類似性を有するという事実に、部分的に基づいている。 本発明の使用は、ヒト乳房腫瘍ライブラリー(BRSTTUT01)のみにおけるhca p転写物の存在にも、部分的にその基礎を置いている。 hcap核酸配列、そのオリゴヌクレオチド、フラグメント、部分、またはア ンチセンス分子は、hcapの発現を検出するための体液または生検組織の診断 アッセイにおいて使用され得る。例えば、hcap配列を用いて、実際にるいそ うが発症する前に癌患者におけるmRNA転写物の存在を検出したり、治療の際 にhcapレベルを監視することができる。 本発明はまた、HCAPをコードする核酸を含む発現ベクター及び宿主細胞に も関する。このようなトランスフェクト宿主細胞は、HCAPの産生及び回収に 役立つ。本発明は、重症または中程度の肥満症の治療のため、高度に制御された 条件の下で、抗体の産生及びアンタゴニスト及びインヒビターの選別のために精 製HCAPを用いることも、その範囲に含む。 本発明は更に、自然発生HCAPの検出のための診断キットを提供する。また 本発明によれば、ポジティブコントロールとして精製HCAPを使用し、例えば 尿や血液やHCAPが発現される生検組織の抽出物のような体液におけるHCA Pレベルを監視するために抗HCAP抗体を使用する。更に、カラム式ろ過装置 に付着した抗HCAP抗体は、腎臓透析の限外濾過に類似した方式で患者の血液 からHCAPを除去することができる。 本発明はさらに、HCAPの発現が関与する状態や疾病の治療のための方法を 含む。これらの方法では特に、HCAPによる筋肉るいそう効果を治療するため に、例えばアンチセンス配列、抗体、アンタゴニスト、及びインヒビターのよう な医薬品組成物を投与する過程を含む。 本発明は、hcapを生成する腫瘍に送達され得るアンチセンス配列 を含むベクターを含む医薬品組成物を提供する。例えば、hcap結合配列はア デノウイルスに導入され得、その表面に腫瘍標的分子を備えたリポソームを用い て特定の腫瘍に送達され得る。これらの結合配列の効果的なトランスフェクショ ン及び発現は、翻訳の前にhcap転写を不活化するか、下方制御することがで きる。他の医薬品組成物には、分泌されたHCAPの存在を低減または除去する ために血管を通して循環され得る抗体、アンタゴニスト、インヒビターが含まれ る。 本明細書における「核酸配列」なる用語は、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチ ドまたはポリヌクレオチド配列、及びそのフラグメントまたは一部分の配列を意 味し、且つ、一本鎖または二本鎖でありセンス鎖かアンチセンス鎖の何れかを表 すゲノムのまたは合成のDNAかRNAを意味する。同様に、本明細書における アミノ酸配列とは、オリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク 質配列を意味する。 (P5F)本明細書における「ペプチド核酸配列」とは、リジンのようなアミ ノ酸残基やアミノ基が加えられたオリゴマーを含む分子を意味する。これらの小 分子は抗遺伝子剤とも称され、それらに対する核酸の相補的(鋳型)鎖と結合す ることによって転写物伸長を停止させる(Nielsen PE et al.(1993)Anticance r Drug Des 8:53.63)。 本明細書において、HCAPとは、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、好ましくはヒ トを含む任意の種、特に哺乳類から得られるHCAPを意味する。HCAPは自 然発生形態であるか、或いは天然、合成、半合成、又は組換え体何れかの源に由 来するHCAPである。ここで、「天然または自然発生」とは、天然に見出され るアミノ酸配列を意味する。 本発明は、その範囲にHCAP変異体を含む。好適なHCAP変異体は、HC APアミノ酸配列(配列番号:2)に対して少なくとも80%のアミノ酸配列の 類似性を有するものであり、より好ましい変異体は9 0%のアミノ酸配列の類似性を有するものであり、最も好ましいのは95%の類 似性を有する変異体である。HCAPの「変異体」は、1または2個所以上のア ミノ酸の「置換」によって異なるアミノ酸配列を有し得る。変異体は、例えばロ イシンからイソロイシンへの置換のような、構造的または化学的特性が類似した アミノ酸で置換される「保存的」変化を有し得る。頻度はより少ないが、変異体 は、例えばグリシンからトリプシンへの置換のような、「非保存的」変化を有し 得る。類似したマイナーな変異体は、アミノ酸の欠失や挿入、或いはその双方を 含み得る。例えばDNASTARsoftwareのような従来のコンピュータ プログラム技術を用いて、生物学的或いは免疫学的活性を損なわずに、置換、挿 入、または除去できるアミノ酸の数を決定する方法がわかっている。 「生物学的に活性」なる用語は、自然発生HCAPの構造的な、調節の、また は生化学的機能を有するHCAPを意味する。同様に、「免疫学的活性」とは、 天然、組換体、または合成HCAP、またはその任意のオリゴペプチドの、適当 な動物や細胞における特定の免疫反応を誘発し、特定の抗体に結合する能力とし て定義される。 本明細書において「誘導体」なる用語は、HCAPまたはコード化されたHC APの化学的修飾を意味する。このような修飾の例には、水素からアルキル基、 アシル基、またはアミノ基への置換がある。HCAP誘導体は、天然HCAPの 必要不可欠な生物学的特性を保持しているポリペプチドをコードしている。 本明細書において「精製」なる用語は、その天然の環境から取り除かれ、天然 にはそれが結びついて存在する少なくとも1つの他の成分から単離または分離さ れた核酸配列またはアミノ酸配列を有する分子を意味する。 HCAPコーディング配列 HCAPの核酸配列及び予測アミノ酸配列を第1A図〜第1B図に示す。本発 明によれば、HCAPのアミノ酸配列をコードする任意の核酸配列を用いて、H CAPを発現する組換え分子を生成することができる。ここに開示する特定の実 施例では、HCAPの部分的配列が、ヒト乳房腫瘍ライブラリー(BRSTTUT01) に由来するインサイト社クローンNo.607227の中から初めに単離された。前記 ライブラリーについては、1995年11月15日に出願された、Stuart Sら による“Polynucleotides and Polypeptides Derived from Human Breast”なる 名称の米国特許出願第60/006,810号に記載されており、本明細書と一 体に参照されたい。 DNA配列決定のための方法は周知であり、例えばDNAポリメラーゼI,S equenase(商標)のクラノウフラグメント(USBiochemical社,Clevel and OH)、Taqポリメラーゼ(Perkin elmer社,Foster City CA)、熱安 定性T7ポリメラーゼ(Amersham社,Chicago IL)、或いはGibco BRL(Gaith ersburg MD)Methods社から市販されているELONGASE増幅システムの ような組換えポリメラーゼとプルーフリーディングエキソヌクレアーゼとの組み 合わせのような酵素を使用する。 対象となるDNAテンプレートにアニールされたオリゴヌクレオチドプライマ からDNAを延長する方法は、一本鎖テンプレート及び二本鎖テンプレートとの 両方に対して開発されてきている。連鎖終了反応の生成物は電気泳動を用いて分 離され、それに組み込まれた標識された前駆体を介して検出される。最近の機械 化反応調製、配列決定並びに解析における改善によって、1日当たりに決定でき る配列数が増えた。好適にはこの処理は、Hamilton Micro La b2200 (Hamilton社,Reno NV)、Peltier Thermal Cycler (PTC200;MJ Reserch社,Watertown MA)並びにApplied B iosystems(Perkin Elmer)、及びCatalyst800及び37 7及び373DNAシーケンサのような装置を用いて自動化される。 特定のcDNAライブラリの品質は、cDNAのパイロットスケール分析を実 行することにより、さらにはクローン含有ベクター、λ或いはE.coli D NA、ミトコンドリア或いは反復DNA、並びに公的データベースに厳密に一致 、或いは相同的に一致するクローンのパーセンテージを検査することにより決定 される。 ポリヌクレオチド配列の延長 ポリヌクレオチド配列hcapは、部分的なヌクレオチド配列と、プロモータ 及び調節エレメントのような上流配列を検出するための当業者には周知の様々な 方法とを用いて延長することができる。Gobinda等(1993;PCR Methods Appli c 2:318-22)は既知の部位に隣接する未知の配列を検索するために汎用プライマ ーを用いる直接的な方法として「制限部位」ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を 開示している。ここでは、まずゲノムDNAが、既知の領域に対して特異的なプ ライマー及びリンカー配列に対するプライマーの存在下で増幅される。増幅され た配列は、その同じリンカープライマー及び最初のプライマーの内部に含まれる 別の特異的プライマーを用いてPCRの2巡目にかけられる。PCRの各回の生 成物は、適切なRNAポリメラーゼを用いて転写され、逆転写酵素を用いて配列 決定される。 逆PCR法は、既知領域に基づく分岐プライマーを用いて配列を増幅、または 延長するために用いることができる(Triglia等(1988)Nucleic Acids Res 16:8186)。プライマーは、Oligo4.0(National Bioscience s社,Plymouth MN)或いは別の適切なプログラムを用いて設計され、長さが2 2−30ヌクレオチドで、50%以上のGC含有率を有し、かつ約68−72℃ の温度で標的配列にアニールする。この方法ではいくつかの制限酵素を用いて、 遺伝子の既知領域における適切なフラグメントを生成する。次いでこのフラグメ ントは分子内ライゲーションにより環状にされ、PCR鋳型として使用される。 キャプチャPCR法(Lagerstrom M等(1991)PCR Methods Applic 1:111 -19)は、ヒト及び酵母菌人工染色体(YAC)DNA内の既知の配列に隣接す るDNAフラグメントのPCR増幅をするための方法である。またキャプチャP CRでは、多数の制限酵素の消化及びライゲーションによってPCR前にDNA 分子の未知の部分に、工学的処理をなされた二本鎖配列を配置する必要がある。 Parker JD等(1991;Nucleic Acids Res 19:3055-60)は、歩行PCR、すな わち未知の配列の検索ができる標的遺伝子歩行のための方法を教示している。P romoterFinder(登録商標)、Clontech社(Palo Alto CA)から入 手できる新しいキットでは、PCR、入れ子状(nested)プライマ一並びにプロ モータファインダライブラリーを用いて、ゲノムDNA内を歩行させる。この過 程は、ライブラリーをスクリーニングする必要がなく、イントロン/エクソン接 合部を探し出すのに有用である。 別のPCR方法としては、Guebler等による1995年6月7日出願の米国特 許第08/487,112号「Improved Method for Obtaining Full Lengthc D NA Sequences」に開示されたものがあり、この明細書を本明細書と一体に参照さ れたい。この方法では、XL−PCR(登録商標)(Perkin lmer社,Foster Cit y CA)を用いて、ヌクレオチド配 列を増幅、並びにまた延長する。 完全長cDNAをスクリーニングするための好適なライブラリーは、サイズ選 択された、より大きなcDNAを含むライブラリーである。またランダムに初回 刺激を与えられた(primed)ライブラリーは、遺伝子の5’及び上流領域を含むよ り多くの配列を含むという点で好適である。ランダムに初回刺激を与えられたラ イブラリーは、オリゴd(T)ライブラリーが完全長cDNAを生成しない場合 、特に有用ある。ゲノムライブラリーは、プロモータ結合領域の5’を延長する ために有用である。 サイズがどのくらいかを分析したり、或いは配列決定やPCR処理の産物のヌ クレオチド配列を確認するための新しい方法はキャピラリー電気泳動法である。 迅速な配列決定のためのシステムは、Perkin elmer社、Beckman Instruments社 (Fullerton CA)並びに他の企業から入手できる。キャピラリー電気泳動法で は、電気泳動分離のための流動性ポリマー、レーザで活性化される4つの異なる 蛍光色素(各ヌクレオチドに対して1つ)を使用し、CCDカメラによる放射線 の波長の検出を行う。出力/光強度は適切なソフトウエア(例えばPerkin elmer 社製のGenotyper(登録商標)及びSequence Navigator(登録商標))を用いて 電気信号に変換され、サンプルのロードからコンピュータ解析及び電子データ表 示までの全過程がコンピュータ制御される。キャピラリー電気泳動法は特定のサ ンプルの限定された量の中に存在するDNAの小片の配列決定に特に適している 。この方法により30分間でM13ファージDNAの350bpを再現可能な形 で配列決定できたことが報告されている(Ruiz-Martinez MC等(1993)Anal C hem65:2851-8)。 ヌクレオチド配列の発現 本発明に従って、HCAP、そのポリペプチドのフラグメント、融合タンパク 質或いはその機能的等価物をコードするポリヌクレオチド配列を、適切な宿主細 胞内でのHCAPの発現を誘導する組換えDNA分子を生成するために用いるこ とができる。遺伝子コードの固有の縮重のために、概ね同一か或いは機能的に等 価なアミノ酸配列をコードする他のDNA配列も、HCAPのクローン化や発現 のために用いることができる。当業者には理解できるように、非自然発生コドン を有するHCAPコード化ヌクレオチド配列を生成することは有益であり得る。 特定の原核宿主或いは真核宿主において好適なコドン(Murray E等(1989);Nu cleic Acids Res 17:)を、例えば、HCAP発現率を高めたり、或いは自然発 生配列から生成された転写産物より長い半減期のような望ましい特性を有する組 換えRNA転写産物を生成したりするように選択することができる。 また本発明の範囲に含まれるものとして、中程度から最高度の厳密性の条件の 下で、第1A図及び第1B図のヌクレオチド配列とハイブリッド形成可能なポリ ヌクレオチド配列がある。ハイブリダイゼーション条件は、Berger及びKimmel( 1987,Guid et Molecular Cloning Techniques,Methods in Enzymology, Vol 152,Academic Press,San Diego CA)により教示され、ここで引用して組み 込んでいるように、核酸結合複合体の融点(Tm)に基づいており、以下に説明 するように、定義された「厳密性」を与える。 「最高度の厳密性」は典型的に約Tm5℃(プローブのTmより5℃下)で発 生し、「高度の厳密性」はTmの約5〜10℃下で発生し、「中程度の現密性」 はTmの約10〜20℃下で発生し、「低度の現密性」はTmの約20〜25℃ 下で発生する。当業者には理解できるように、最高度に厳密なハイブリダイゼー ションは、同一のポリヌクレオチド配 列を同定、すなわち検出するために用いることができるが、一方中程度(或いは 低度)に厳密なハイブリダイゼーションは類似の、すなわち近縁なポリヌクレオ チド配列を同定、すなわち検出するために用いられる。ここで用いるような用語 「ハイブリダイゼーション」は「核酸の鎖が塩基対合を介して相補鎖と結合する 過程」(CoombeJ(1994)Dictionary of Biotechnology,StocktonPress社,Ne w York)を含む概念である。従って定義により、ハイブリダイゼーションは、ポ リメラーゼ連鎖反応(PCR)技術で実行されるような増幅のプロセスを含むも のである。このPCR技術についてはDieffenbach CW and GSD veksler(1 995,PCR Primer,a Laboratory Manual,Cold,Springk_arborPress社,New york)の論文に記載されており、本明細書と一体に参照されたい。 本明細書において「欠失」とは、1または2以上のヌクレオチド若しくはアミ ノ酸残基が欠ける、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列における変化として定 義される。 本明細書において「挿入」或いは「付加」とは、天然HCAPに比べて、結果 的に1または2以上のヌクレオチド或いはアミノ酸残基の加わるようなヌクレオ チド配列或いはアミノ酸配列の変化を指す。 本明細書において「置換」とは、1または2以上のヌクレオチド或いはアミノ 酸を異なるヌクレオチド或いはアミノ酸に置換することによって生ずる変化を指 す。 本発明において用いられ得る変化したhcapポリヌクレオチド配列は、異な るヌクレオチド残基の欠失、挿入並びに置換を含み、結果的に同一の、または機 能的に等価のHCAPポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとなる。その タンパク質も、サイレント変化を生ずるアミノ酸残基の欠失、挿入並びに置換を 含み、結果的に機能的に等価なHCAPとなる。慎重なアミノ酸置換は、HCA Pの生物学的活性が保持さ れる限りにおいて、残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性並びにまた両親 媒性についての類似性に基づいてなされ得る。例えば負に荷電したアミノ酸には アスパラギン酸及びグルタミン酸が含まれ、正に荷電したアミノ酸にはリジン及 びアルギニンが含まれ、同じ親水値を持つ帯電しない極性頭基を有するアミノ酸 には、ロイシン、イソロイシン、バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、 グルタミン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン並びにチロシンが含まれる 。 本発明の範囲に含まれるものとして、hcapのアレルがある。ここで用いる 「アレル」或いは「アレル配列」とは、hcapの別の形態である。アレルは変 異、すなわち核酸配列の変化に起因し、一般に変化したmRNA或いはポリペプ チドを生成し、そのmRNA或いはポリペプチドの構造或いは機能は変更される 場合もあれば、されない場合もある。遺伝子によっては、アレル形態がないもの 、1つあるもの、或いは多数存在するものがある。アレルを生じる変異は一般に 、アミノ酸の欠失、付加並びに置換に起因する。このタイプの変化はそれぞれ単 独で、或いは他の遺伝子の組み合わせで、与えられた配列内一回またはそれ以上 の回数生じ得る。 本発明のヌクレオチド配列は、様々な理由によりHCAPコーディング配列を 変更するために遺伝子工学的処理をなされ得、限定はしないが遺伝子生成物のク ローニング、プロセッシング並びにまた発現を変更する別形態を含む。例えば、 変異は、当業者には周知の技術、例えば特定部位突然変異誘発を用いて導入され 、新しい制限部位の挿入、グリコシル化パターンの変更、コドン選好の変化等を もたらすことができる。 本発明の別の実施例では、変更hcap或いは組換えhcapが、異種の配列 に結合され、融合タンパク質をコードする配列となる。例えば、HCAP活性の インヒビターを選び出すべくペプチドライブラリをスク リーニングするために、市販の抗体により認識される異種のペプチドを発現する キメラHCAPタンパク質をコード化することが役立つことがある。融合タンパ ク質はHCAP配列と異種のタンパク質配列との間の位置に切断部位を包含する ように設計することもでき、これによってHCAPを切断して、異種の部分から 分けて精製することが可能となる。 本発明の別の実施例では、HCAPコード化配列は、当業者によく知られた化 学的方法を用いて、(Caruthers等(1980)Nuc Acids Res Symp Ser 7:215-223、C rea,Horn(1980)Nuc Acids Res 9:2331、Matteucci,Caruthers(1980)Tetrahe dron Lett 21:719、Chow,Kempe(1981)Nuc Acids Res9:2807-2817参照)全体 的に、或いは部分的に合成することができる。別法では、HCAPアミノ酸配列 を、全体的に或いは部分的に合成する化学的方法を用いてタンパク質自体を生成 することができる。例えば、ペプチド合成は、様々な固相技術(Roberge JY等 (1995)Science 269:202-204)を用いて実行できるが、自動化した合成も、例 えば、Applied Biosystems 431Aペプチド合成器を用い て、製造者により提供される使用説明書に従って達成される。新たに合成された ペプチドは、分離のための高速液体クロマトグラフィにより精製することができ る(例えばCreighton(1983)Proteins Structure And Molecular Principles, WH Freeman and Co,New york参照)。合成されたペプチドの構成は、アミノ酸 解析或いは配列決定処理により確認することができる(例えばthe Edman degrad ation procedure; Creighton,上述)。さらにHCAPのアミノ酸配列、或いは その任意の部分を、その直接の合成の際に変更したり、また他の細胞内メディエ ータ或いはその任意の部分に由来する配列と化学的方法を用いて結合して、変異 体ポリペプチドを生成することができる。 発現系 生物学的に活性のHCAPを発現するために、HCAPコード化ヌクレオチド 配列、或いはその機能的等価物は、適切な発現ベクター、すなわち挿入されたコ ード化配列の転写及び翻訳に必要不可欠な要素を含むベクターに挿入される。 HCAPコード化配列及び適切な転写や翻訳の制御要素を含む発現ベクターを 構成するために当業者に周知の方法が用いられる。これらの方法には、in vitro 組換えDNA技術、合成技術、並びにin vivo組換え即ち遺伝子組換え技術が含 まれる。このような技術は、Maniatis等(1989)Molecular Cloning,A Labora tory Manual,Cold Spring Harbor Press,Planview NY及びAusubel FM等Cur rent Protocol in Molecular Biology,John Wilky &Sons,New John Wilky &S ons,New Yorkに記載されている。 種々の発現ベクター/宿主系が、HCAPコード化配列を保持し発現するため に利用される。このようなものには、限定はされないが、組換えバクテリオファ ージ、プラスミド或いはコスミドDNA発現ベクターで形質転換したバクテリア 、酵母菌発現ベクターで形質転換した酵母菌、ウイルス発現ベクター(例えばバ キュロウイルス)を感染させた昆虫細胞系、ウイルス発現ベクター(例えばカリ フラワーモザイクウイルスCaMV、タバコモザイクウイルスTMV)をトラン スフェクトした、或いはバクテリア発現ベクター(例えばTi、或いはpBR3 22プラスミド)で形質転換した植物細胞系、或いは動物細胞系を含む。 これらの系の「制御エレメント」或いは「調節配列」は、その力及び特異性は 様々で、ベクターの非翻訳領域、エンハンサ、プロモータ及び3’非翻訳領域で あり、これらは転写及び翻訳を実行するために宿主細胞のタンパク質と相互作用 する。利用されるベクター及び宿主に応じて、 構成的及び誘導性プロモータを含む、任意の数の適切な転写及び翻訳エレメント が用いられ得る。例えば、バクテリア系においてクローニングする際には、Blue script(商標)phagemid(Stratagene社,LaJolla CA)のhybrid lac Zプロモータ及びptrp−lac hybrid並びに同様の誘導性プロモー タが用いられる。バキュロウイルスポリヘドリンプロモータは昆虫細胞において 用いられる。植物細胞のゲノム(例えば熱ショック,RUBISCO及びストレ ージタンパク質遺伝子)に由来する、或いは植物ウイルス(例えばウイルス性プ ロモータ或いはリーダ配列)に由来するプロモータ或いはエンハンサはベクター にクローン化され得る。哺乳動物細胞では、哺乳動物遺伝子或いは哺乳動物ウイ ルス由来のプロモータが最適である。hcapの多数の複製を含む株細胞を生成 する必要がある場合には、SV40或いはEBVに基づくベクターを、適切な選択 マーカーと共に用いる。 細菌系では、HCAPを発現するための用途に応じて多数の発現ベクターが選 択され得る。例えば抗体を誘発するために大量のHCAPが必要とされる場合は 、容易に精製される融合タンパク質の高レベルの発現を可能とするベクターが望 まれる。そのようなベクターには、限定はしないが、E.coilクローニング及び発 現ベクターBluescript(商標)(このベクターにおいて、HCAPコード化配列 が、アミノ基末端メチオニン及び後続のβ−ガラクトシダーゼの7残基の配列を 用いてフレーム内においてベクターに結合されてハイブリッドタンパク質が生成 される)や、pINベクター(Van Heeke&Schuster(1989)J Biol Chem 264:550 3-5509)等が含まれる。またpGEXベクター(Promage社、Madison W1)もグルタ チオンS−トランスファーゼ(GST)を有する融合タンパク質として異種ポリ ペプチドを発現するため用いられる。一般に、そのような融合タンパク質は可溶 性であり、グルタチオンアガロ ースビーズへの吸着に続き、遊離グルタチオンの存在下における溶出により溶解 した細胞から容易に精製できる。その系において生成されたタンパク質はへパリ ン、トロンビン或いはXA因子プロテアーゼ切断部位を含むように設計され、対 象となるクローン化ポリペプチドは随意にGST部分から放出され得る。 酵母菌、サッカロミセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)では、α因 子、アルコールオキシダーゼ及びPGHのような構成的或いは誘導性プロモータ を含む多数のベクターが用いられる。再検討する場合には、Ausubel等(前出) 及びGrant等(1987)Methods Enzymol 153:516-544を参照されたい。 植物発現ベクターを用いる場合には、HCAPコード化配列の発現は、多数の 任意のプロモータにより推進される。例えばCaMVの35S及び19Sプロモータ(Br isson等(1984)Nature 310:511.514)のようなウイルス性プロモータは、単独 で、或いはTMV(Takamatsu等(1987)EMBO J6:307-311)からのオメガ−リ ーダー配列と共に用いられる。別法では、RUBISCO(Coruzzi等(1984)EMBO J 3:1671-1680)、Broglie等(1984)Science 224:838-843)の小サブユニット 、或いは熱ショックプロモータ(Winter J及びSinibaldi RM(1991)Results Probl Cell Differ 17:85-105)のような植物プロモータが用いられる。これら の構成は直接DNA形質転換或いは病原体媒介トランスフェクションにより植物 細胞内に導入される。そのような技術を再検討する場合には、Hobbs S及びMurr y LE,.McGraw Yearbook of Science and Technology(1992)McGraw Hill N Y,pp191-196及びWeissbach and Weissbach(1988)Methods for Plant Molecula rBiology,Academic Press NY,pp421-463を参照されたい。 HCAPを発現するために用いることができる別の発現系は昆虫系で ある。そのような系の一つでは、Autographa californica核多角体病ウイルス( AcNPV)がベクターとして用いられ、Spodoptera frugiperrdq細胞或いはTr ichoplusia の幼虫において外来遺伝子を発現する。HCAPコード化配列は、ポ リヘドリン遺伝子のような、ウイルスの非必須領域にクローニングされ、ポリヘ ドリンプロモータの制御下に置かれる。hcapの挿入が成功した場合には、ポ リヘドリン遺伝子を不活性にし、コートタンパク質膜が欠如した変異体ウイルス を生成する。変異体ウイルスはそれからS.frugiperda細胞或いはTrichoplusia の幼虫への感染させるために用いられ、その中でHCAPが発現される(Smith 等(1983)J Virol 46:584、Engelhard EK等(1994)Proc Nat Acad Sci91:32 24-7)。 哺乳類宿主細胞では、多数のウイルス性発現系を利用することができる。発現 ベクターとしてアデノウイルスが用いられる場合には、HCAPコード化配列は 、後期プロモータ及び三連リーダ配列からなるアデノウイルス転写/翻訳複合体 内に結合される。ウイルス性ゲノムの非必須E1或いはE3領域における挿入により 、結果的に感染した宿主細胞におけるHCAPを発現することができる生存可能 なウイルスになる(Logan及びShenk(1984)Proc Nat Acad Sci 81:3655-3659) 。さらにラウス肉腫ウイルス(RSV)エンハンサのような転写エンハンサを哺 乳類宿主細胞内の発現を増加させるために用いることができる。 また、挿入されるhcap配列の効率的な翻訳のためには、特定の開始信号も 必要である。これらの信号には、ATG開始コドン及び隣接の配列が含まれる。 hcap及びその開始コドン及び上流配列が適切な発現ベクター内に挿入される 場合には、追加の翻訳制御信号は不要である。しかしながらコード化配列、或い はその一部のみが挿入される場合には、ATG開始コドンを含む外来の翻訳制御 信号が与えられなければならな い。さらに、開始コドンは正確なリーディングフレーム内部にある必要があり、 全インサートの転写を確実に行わなければならない。外来転写素子及び開始コド ンは、自然及び合成両方の様々な起源に由来するものであり得る。発現の効果は 、その細胞系に適切なエンハンサを含めることにより強められる(Scharf等(19 94)Results Probl Cell Differ 20:125-62、Bitter等(1987)Methods Enzymol 153:516-544)。 さらに宿主細胞株は、望ましい形に、挿入された配列を変更したり、発現した タンパク質のプロセシングを行う能力を求めて選択される。このようなポリペプ チドの修飾は、限定はしないが、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、 リン酸化、脂質化(リピデーション)並びにアシル化を含む。またタンパク質の プレプロ形態を切り離す翻訳後プロセッシングは、正確な挿入、折り畳み、並び にまた機能を正しく発揮するために重要である。CHO,HeLa,MDCK,293 ,WI38等のような異なる宿主細胞は、そのような翻訳後活性のための特定の細 胞機構及び特徴的な機構を有しており、導入される外来タンパク質の修飾やプロ セシングを確実に実行するべく選択される。 長期的で高収率の変異体タンパク質の生産を確保するためには、安定した発現 が望ましい。例えばHCAPを安定的に発現する株細胞は、ウイルス由来の複製 物、或いは内在性発現エレメント及び選択マーカー遺伝子を含む発現ベクターを 用いて形質転換される。ベクターの導入に続いて、細胞は、選択培地に切り替え られる前に、濃縮培地内で1〜2日間成長させられる。選択マーカーは選択物へ の耐性を与え、導入された配列をDNA内に安定的に結合する細胞を同定できる ようにする。細胞の耐性凝集塊はその細胞型に適切な組織培養技術を用いて増殖 することができる。 形質転換された細胞株を回収するために任意の数の選択系を用いるこ とができる。限定はしないが、選択系は単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ (Wigler等(1977)Cell 11:223)及びアデニンフォスフォリボシルトランスフ ェラーゼ(Lowy等(1980)Cell 22:817)遺伝子を含み、それぞれtk-及びaprt- 細胞において用いられる。また代謝拮抗物質、抗生物質或いは除草剤への耐性を 選択の基礎として用いることができる。例えばdhfrはメトトレキセートに対 する耐性を与え(Wigler等(1980)Natl Acad Sci 77:3567)、nptはアミノグ リコシッド剤、ネオマイシン及びG−418に対する耐性を与え(Colberre-Gar apin等(1981)J Mol Biol 150:1)、als或いはpatはクロルスルフロン (chlorsulfuron)、フォスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(phosp hinotricin acetyltransferase)に対する耐性を与える(上記Murry)。さらに 選択可能な遺伝子として、例えば細胞がトリプトファンの代わりにインドールを 利用できるようにするtrpB、細胞がヒスチジンの代わりにヒスチノール(hi stinol)を利用できるようにするhisDが記載されている(Hartman及びMullig an(1988)Proc Nalt Acad Sci 85:8047)。最近になって、形質転換体を同定する ためばかりではなく、特定ベクター系が要因となる一過性の或いは安定なタンパ ク質発現の量を定量するために広く用いられるβ−グルクロニダーゼ、アントシ アニン及びルシフェリンのような標識を用いる、可視標識が非常によく用いられ るようになった(Rhodes CA等(1995)Methods Mol Biol 55:121-31)。 本発明のポリヌクレオチド配列を含む形質転換体の同定 標識遺伝子発現の存在/不在は、対象の遺伝子も存在することを示唆するが、 その存在及び発現の確認はすべきである。例えばもしhcapが標識遺伝子配列 内に挿入されるなら、hcapを含む組換え細胞が標 識遺伝子の機能の存在により同定できる。別法では標識遺伝子は、単一プロモー タの制御下でhcap配列と直列に配置することができる。誘導または選択に応 じての標識遺伝子の発現は、直列に配置されたhcapの発現をも示す。 この他、HCAPのコード化配列を含み、さらにHCAPを発現する宿主細胞 が、当業者には周知の様々な手順により同定できる。これらの手順は、限定はし ないが、DNA−DNA或いはDNA−RNAハイブリダイゼーション及び、核 酸及びタンパク質の検出並びにまた定量するための膜、溶液或いは破片ベース技 術を含むタンパク質バイオアッセイ或いはイムノアッセイを含む。 hcapポリヌクレオチド配列の存在は、hcapのプローブ、一部、或いは フラグメントを用いるDNA−DNA或いはDNA−RNAハイブリダイゼーシ ョン或いは、増幅により検出することができる。核酸増幅に基づくアッセイでは 、hcap配列に基づくオリゴヌクレオチド或いはオリゴマーを使用し、hca pDNA或いはRNAを含む形質転換体を検出する。本明細書において「オリゴ ヌクレオチド」或いは「オリゴマー」とは、プローブ或いはアンプリマー(ampl imer)として用いることができる、少なくとも10ヌクレオチド、多い場合には 60ヌクレオチド、好適には15〜30ヌクレオチド、より好適には20〜25 ヌクレオチドの核酸配列を指す。 精製HCAPの活性は、メスのマウスにおいてアッセイされ得る。このアッセ イは、Todorovら(前出)の論文に記載のように、1.5時間間隔で、150μ lのリン酸塩緩衝化生理食塩水に懸濁された7μgのHCAPを静脈内投与する 過程を含む。通常どおりの食物や水の摂取にもかかわらず24時間で体重が減少 するのは、HCAPが活性でカヘキシーを発症していることを示す。 タンパク質に特異的なポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体のいずれか を用いて、HCAPポリペプチドの発現を検出し、測定するための種々のプロト コルが当業者には周知である。このようなプロトコルの例としては、酵素結合免 疫検定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)及び蛍光表示式細胞 分取器法(FACS)を含む。HCAPポリペプチド上で2つの非干渉なエピト ープに対して反応するモノクローナル抗体を利用する二部位モノクローナル用イ ムノアッセイ(two-site,monoclonal-based immunoassay)は好適ではあるが、 競合的結合アッセイも用いられる。これらアッセイの並びに他のアッセイは、Ha mpton R等(1990,Serologivcal Methods,a Laboratory Manual,APS Press,St Paul MN)及びMaddox DE等(1983,I Exp Med 158:1211)等に記載されている 。 さらに多くの標識及び結合技術は当業者には周知であり、種々の核酸及びアミ ノ酸検査法において用いることができる。hcapに関連する配列を検出するた めの標識されたハイブリダイゼーション或いはPCRプローブを生成するための 手段には、オリゴ標識化、ニックトランスレーション法、末端標識化或いは標識 されたヌクレオチドを用いるPCR増幅などがある。別法では、hcap配列、 或いはその任意の部分が、mRNAプローブの生成のためにベクターにクローニ ングされる。そのようなベクターは当分野では周知であり、市販されており、T 7,T3或いはSP6並びに標識されたヌクレオチドのような適切なRNAポリ メラーゼの付加により、in vitroでのRNAプローブ合成のために用いることが できる。 Pharmacia Biotech社(Piscataway NJ)、Promega社(Madison WI)並び にUS Biochemical社(Cleveland OH)のようないくつかの企業がこれらの手 順に対する商用のキット及びプロトコルを提供している。 適切なリポーター分子、すなわち標識には、放射性核種、酵素、蛍光性、化学ル ミネセンス或いは色素性因子及び基質、補助因子、インヒビター、磁気粒子或い はそれに類似のものが含まれる。そのような標識の使用を教示する特許には、米 国特許第3,817,837号、第3,850,752号、第3,939,35 0号、第3,996,345号、第4,277,437号、第4,275,14 9号並びに第4,336,241号がある。また、組換え免疫グロブリンが米国 特許第4,816,567号に示されており、本明細書とともに参照されたい。 HCAPの精製 HCAPヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞は、細胞培地からコード 化タンパク質を発現及び回収するために適切な条件下で培養される。組換え細胞 により生成されるタンパク質は、用いられる配列並びにまたベクターに応じて、 細胞内に分泌、つまり含有されるようにすることができる。hcapを含む発現 ベクターは、原核細胞か、真核細胞の細胞膜を通してのHCAPを分泌を誘導す るシグナル配列を含むように設計される。他の組換え構成物では、hcapを、 可溶性タンパク質の精製を容易にするポリペプチドドメインをコードするヌクレ オチド配列に結合することができる(Kroll DJ等(1993)DNA Cell Biol 12:4 41-53、融合タンパク質を含むベクターに関する上記論議も参照されたい)。 またHCAPは、タンパク質精製を容易にするために加えられた1または2以 上の付加的なポリペプチドドメインを備えた組換えタンパク質として発現される 。そのような精製を容易にするドメインには、限定はしないが、固定化金属上で の精製を可能にするヒスチジントリプトファンモジュールのような金属キレート ペプチド(Porath J(1992)Protain Expr Purif 3:263-281)、固定化免疫グ ロブリン上での精製を可能にす るプロテインAドメイン、並びにFLAGS延長/アフィニティ精製システムに おいて用いられるドメイン(Immunex社、Seattle WA)が含まれる。精製ドメ イン及びHCAP間の第XA因子或いはエンテロキナーゼのような切断可能なリ ンカー配列を含めるのは精製を容易にするのに役立つ。 HCAPの使用 HCAP配列の診断及び治療的な使用の原理は、核酸及びアミノ酸配列、それ らのマウスCCF(Todorovら、前出)の既知の20個のアミノ酸に対する相同 性、及びBRSTTUT01cDNAライブラリーにおけるhcapの存在に基づいてい る。 第1A図及び第1B図に提示された核酸配列、その相補配列、フラグメントま たはオリゴマー、及び抗HCAP抗体を診断用組成物として用いて、hcapの 発現用の生物学的サンプルの抽出物または体液をアッセイすることができる。精 製ポリヌクレオチド及びポリペプチドを、hcapの発現の確認及び定量のため の、それらの各核酸またはタンパク質を基礎とするアッセイにおけるポジティブ コントロールとして用いることができる。精製核酸配列、アンチセンス分子、P NA、精製タンパク質、抗体、アンタゴニストまたはインヒビターを、医薬品組 成物として使用することができる。 核酸配列、その相補配列、フラグメント又はオリゴマー、及び抗HCAP抗体 は、るいそうを引き起こす腫瘍の同定やカヘキシーの診断において役立つ。これ らの同じ分子を、カヘキシー性の「るいそう」と、拒食症、胃及び膵臓疾患、副 腎皮質刺激ホルモン欠乏症や甲状腺中毒症を含む内分泌機能障害、及び吸収不良 症候群を含む代謝障害のような他の原因による「るいそう」とを区別するための アッセイにおいて用いるこ とができる。 このタンパク質の発現及び精製は、定量のためのアッセイにおけるポジティブ コントロールとしての使用や、肥満症の治療のための医薬品組成物としてのその 使用を考慮している。除脂肪筋肉質量より大きい脂肪組織の減少を示したマウス モデルの研究から、重症の或いは中程度の肥満症に、HCAPを制御しつつ投与 することは、非外科手術的な体重減少のための手段となり、且つ食事療法(又は カロリー不足)に伴う重症の不安症や鬱を避けることができる。HCAPは、一 般的な消化管酵素による分解に対してかなりの耐性を有しているため、上述の抗 HCAP抗体を用いた診断アッセイは、体内のHCAP量を監視したり、除脂肪 筋肉組織に対する脂肪組織の減少を強調するレベルに治療を調節するための手段 となる。 抗HCAP抗体、HCAPのアンタゴニスト又はインヒビターは又、癌患者の 腫瘍で作られるHCAP又はその効果を抑制するための治療においても役立つ。 癌患者が化学療法を受けている間或いはその前後において通常通りの食事をし定 常体重を維持する能力は、生存のために明らかに有益である。特定の抗体、アン タゴニスト、又はインヒビター療法や薬物投与の効果は、血液や尿のような体液 における遊離HCAPの量を測定することにより監視され得る。 抗HCAP抗体の別の用途は、患者の血液の血漿分離又は精製における使用で ある。この場合、中和医薬品組成物を患者に投与するのでなく、HCAP分子が 腎臓透析に類似した方法で血液から除去される。抗HCAP抗体はミニろ過カラ ムにおいて安定化処理され、患者の血液がカラムを通されて、そこで血液が患者 に戻る前にHCAPが除去される。 HCAP及びそのインヒビターの治療目的の発現や送達については、医薬品組 成物の項でさらに説明する。治療法は、関与する器官や組織、 状態の特異的診断、及び患者の状態をモニタする外科医によって変わる。 HCAPの抗体 HCAPに対する抗体の生成のために、当分野においてよく知られる手順が用 いられる。このような抗体には、限定はしないが、ポリクローナル抗体、モノク ローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖、Fabフラグメント並びにFab発現ライ ブラリにより生成されるフラグメントが含まれる。中和抗体、すなわちHCAP ポリペプチドの生物活性を抑制する抗体は、特に診断及び治療に好適である。 抗体を生成するために、ヤギ、ウサギ、ラット、マウス等を含む種々の宿主は 、免疫学的特性を保持するHCAPポリペプチド或いはその任意の部分、フラグ メント或いはオリゴペプチドを注入することにより免疫することができる。宿主 種に応じて、種々のアジュバントが免疫学的反応を促進するために用いられる。 そのようなアジュバントには、限定はしないが、フロイントアジュバント、水酸 化アルミニウムのような無機質ゲルアジュバント、リゾレシチンのような表面活 性物質アジュバント、プルロニックポリオルアジュバント、ポリアニオンアジュ バント、ペプチドアジュバント、油性乳剤アジュバント、キーホールリンペット ヘモシニアンアジュバント並びにジニトロフェノールアジュバントが含まれる。 BCG(カルメット‐ゲラン杆菌)及びコリネバクテリウムパルヴムは潜在的に 有用なヒトアジュバントである。 HCAPに対するモノクローナル抗体は、培地中の連続株細胞による抗体分子 の産生を行うための任意の技術を用いて調製される。これらは、限定はしないが 、Koehler及びMilstein(1975,Nature 256:495-497)に当初掲載されたハイブ リドーマ技術、ヒトB−細胞ハイブリドーマ技術(Kosbor等(1983)Immunol To day 4:72、Cote等(1983)Proc Natl Acad Sci 80:2026-2030)及びEBV−ハイブリドーマ技術(Cote等(1985)Mon oclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R Liss Inc,pp77-96)を含む。 さらに、適切な抗原特異性並びに生物活性を有する分子を得るための「キメラ 抗体」の生成、即ちヒト抗体遺伝子へのマウス抗体遺伝子のスプライシングのた めに開発された技術が用いられる(Morrison等(1984)Proc Natl Acad Sci 81: 6851-6855)、Neuberger等(1984)Nature 312:604.608、Takeda等(1985)Nat ure 314:452.454)。別法では、一本鎖抗体の生成のために記載された技術(米 国特許第4,946,778号)が、HCAP特異的一本鎖抗体を生成するため に適用される。 また抗体は、リンパ球集団におけるin vivo生成を誘導することにより、或い はOrlandi等(1989,Proc Natl Acad Sci 86:3833-3837)並びにWinter G及びM ilstein C(1991,Nature 349:293-299)に開示されているような組換え免疫グ ロブリンライブラリー或いは高度に特異的な結合試薬のパネルをスクリーニング することによっても生成することができる。 HCAPに対する特異結合部位を含む抗体フラグメントも生成することができ る。例えばこのようなフラグメントには、限定はしないが、抗体分子のペプシン 消化により生成することができるF(ab’)2フラグメント及びF(ab’)2 フラグメントのジスルフィド架橋を減らすことにより生成することができるFa bフラグメントが含まれる。別法では、所望の特異性を有するモノクローナルF abフラグメントを迅速に、しかも容易に同定できるように、Fab発現ライブ ラリーが構築される(Huse WD等(1989)Science 256:1275-1281)。 HCAP特異的抗体は、HCAPポリペプチドの発現が関連する状態 及び疾患の診断のために有用である。確立された特異性を有するポリクローナル 抗体或いはモノクローナル抗体のいずれかを用いる競合的結合アッセイ或いは免 疫放射定量測定法のための種々のプロトコルが当分野ではよく知られている。そ のようなイムノアッセイでは、一般に、HCAPとその特異的抗体(或いは類似 のHCAP結合分子)との間の複合体の形成、並びに複合体形成の測定が行われ る。特異的HCAPタンパク質上の2つの非干渉性エピトープに対して反応する モノクローナル抗体を利用する二部位モノクローナル用イムノアッセイが好適で はあるが、競合結合アッセイも用いられる。これらの検査法はMaddox DE等(19 83,J Exp Med 158:1211)に記載されている。 HCAP特異的抗体を用いる診断アッセイ 特定のHCAP抗体は、HCAPの発現の誘発により特徴付けられる状態或い は疾患の診断や、HCAPで治療された患者のモニタのためのアッセイに役立つ 。HCAPの診断アッセイは、ヒトの体液、細胞、組織或いはそのような組織の 切片または抽出物において、HCAPを検出するための抗体或いは標識を利用す る方法を含む。本発明のポリペプチド及び抗体は、修飾の有無に拘わらず用いる ことができる。多くの場合、ポリペプチド及び抗体は、共有結合、或いは非共有 結合かのいずれかでそれらをリポーター分子と結合することにより標識される。 非常に多くのリポーター分子が周知となっており、そのいくつかについては上述 した。 それぞれのタンパク質に対して特異的なポリクローナル抗体或いはモノクロー ナル抗体を用いて、HCAPポリペプチドを測定するための種々のプロトコルが 当分野では周知である。その例として、酵素結合免疫測定法(ELISA)、ラ ジオイムノアッセイ(RIA)並びに蛍光 表示式細胞分取器法(FACS)がある。HCAPポリペプチド上の2つの非干 渉性エピトープに対して反応するモノクローナル抗体を利用する二部位モノクロ ーナル用イムノアッセイは好適ではあるが、競合的結合アッセイも用いられる。 これらのアッセイは、他にもあるが、Maddox DE等(1983,I Exp Med 158:121 1)に記載されている。 カヘキシーの診断の基礎を提供するために、HCAP発現についての通常値、 すなわち標準値が確立されなければならない。これは複合体形成のために適切な 条件下で、ヒト或いは動物どちらでもよいが、正常の被験者から得られる体液或 いは細胞抽出物と、HCAPに対する抗体とを結合することにより得ることがで きる。これは当分野ではよく知られた技術である。標準的な複合体形成量は、一 連のポジティブコントロールの希釈系とそれを比較することにより定量され、抗 体の既知の量が既知の濃度の精製HCAPと結合される。その後正常サンプルか ら得られた標準値を、腫瘍誘導性カヘキシー(tumor induced cachexia)による 影響を潜在的に受けた被験者からのサンプルから得られた値と比較する。標準値 と被験値との偏差によって疾患状態の存在を確認できる。 薬物スクリーニング HCAP、その触媒作用性または免疫原性フラグメント或いはオリゴペプチド は、種々の任意の薬物スクリーニング技術において治療用化合物のスクリーニン グのために用いることができる。そのような試験において用いられるフラグメン トは、溶液、固体支持体への付着、細胞表面への付着、或いは細胞内への定着に おいて制限はない。HCAPと試験される薬剤との間の触媒活性、すなわち結合 複合体形成の低下が測定される。 薬物スクリーニングのための別の方法は、HCAPポリペプチドへの 安定的な結合親和性を有する化合物の高スループットスクリーニングを提供する ものであり、1984年9月13日公告の欧州特許出願第84/03564号( Guysen)に詳細に記載されており、本明細書に一体に引用されている。概要とし ては、多数の別々の小ペプチド試験用化合物をプラスチックピン或いはいくつか の他の表面のような、固体基質上で合成する。ポリペプチド試験化合物をHCA Pフラグメントと反応させ、洗浄する。次いで結合HCAPを当分野で周知の方 法により検出する。また精製HCAPを前述の薬物スクリーニング技術において 使用するために、プレート上に直接コーティングすることもできる。別法では、 ペプチドを捕捉し、固形支持体上にペプチドを固定するために非中和抗体を用い る。 また本発明は、HCAPに結合し得る中和抗体特性が、HCAPとの結合につ いて特に試験化合物と競合する競合的薬物スクリーニングアッセイの使用も意図 している。このようにして、抗体を用いて1または2以上の抗原性決定基をHC APと共通に有する任意のペプチドの存在を検出することができる。 HCAPコード化ポリヌクレオチドの使用 ポリヌクレオチドhcap、或いはその一部が診断並びにまた治療目的で用い られる。診断目的の場合、本発明のhcapは、HCAP活性が関係する状態や 疾病における遺伝子発現を検出し、かつ定量するために用いられる。この診断ア ッセイは、腫瘍誘導性カヘキシーによる「るいそう(wasting)」と、拒食症、 胃及び膵臓疾患、副腎皮質刺激ホルモン欠乏症や甲状腺中毒症を含む内分泌機能 障害、及び吸収不良症候群を含む代謝障害のような他の原因による「るいそう」 とを区別するのに役立つ。本発明の範囲には、オリゴヌクレオチド配列、アンチ センスR NA及びDNA分子、PNAが含まれる。 本発明の別の側面は、HCAPまたは近縁な分子をコードする、ゲノム配列を 含むポリヌクレオチド配列を検出できるハイブリダイゼーションプローブ或いは PCRプローブを提供することである。そして、そのプローブの特異性、すなわ ち非常に高い保存領域(例えば5’調節領域における10個の独特のヌクレオチ ド)に由来するのか、或いは低度に保存的な領域(例えば特に3’領域における システイン残基の間の領域)に由来するのかということや、ハイブリダイゼーシ ョン或いは増幅の(高度の、中程度の或いは低度の)厳密性によって、そのプロー ブが天然hcapのみを同定するものであるか、或いはアレル配列や近縁な配列 も同定するものであるかが決まってくる。 診断 HCAPコード化ポリヌクレオチド配列を、HCAPの発現がるいそう(wast ing)引き起こす状態や疾病の診断や、治療のモニタ用として使用することがで きる。例えば、HCAPをコードするポリヌクレオチド配列を、hcap発現を 検出するための生検から得られた組織や体液の、ハイブリダイゼーションアッセ イ或いはPCRアッセイにおいて用いることができる。そのような定性的及び定 量的方法の形態は、サザンブロット法或いはノーザンブロット法、ドットブロッ ト法或いは他の膜用技術、PCR技術、浸漬法、ピン或いはチップ技術及びEL ISA技術を含む。これらの技術は全て、当分野ではよく知られており、実際に 市販されている多くの診断キットの基礎となっている。 このようなアッセイは、特定の治療行為の有効性を評価するために修正され、 動物実験、臨床試験、或いは個々の患者の治療をモニタする際に用いることがで きる。疾患を診断するための基礎を与えるために、H CAP発現に対する正常な或いは標準的なプロフィールが確立されなければなら ない。これは、正常な被験者、すなわち動物或いはヒトから得られる体液或いは 細胞抽出物を、ハイブリダイゼーション或いは増幅に適切な条件下で、hcap 或いはその一部と結合することにより達成される。標準的なハイブリダイゼーシ ョンの定量は、正常被験者に対して得られる値と、既知の精製hcap量が用い られる同一の実験におけるポジティブコントロール希釈系列で得られる値とを比 較することにより定量することができる。正常なサンプルから得られた標準値は 、hcap発現により影響を受けている被験者からのサンプルから得られる値と 比較される。標準値と被験者値との偏差からカヘキシーの存在、またはそれが存 在することを示す数値の範囲が確立される。 カヘキシーの存在が確立された場合は、現存する治療用薬剤が投与され、治療 プロファイル或いは数値が生成される。最終的にアッセイは、その数値が正常、 すなわち標準パターンに進むか、或いは戻るかを評価するために規則的に繰り返 される。治療プロファイルは治療の有効性を示すために用いられ、数日間或いは 数ヶ月の期間に渡って継続される。 米国特許第4,683,195、4,800,195並びに4,965,18 8号に記載のあるようなPCR法により、HCAP配列に基づくオリゴヌクレオ チドのための追加の使用法が提供される。このようなオリゴマーは一般には化学 的に合成されるが、酵素を用いて発生させたり、或いは組換えソースから生成す ることもできる。一般にオリゴマーは、通常特定の遺伝子或いは状態を同定する ために最適な条件下で用いられる2つのヌクレオチド配列、即ちセンス方向(5 ’→3’)のヌクレオチド及びアンチセンス方向(3’←5’)のヌクレオチド からなる。同一の2つのオリゴマー、入れ子状のオリゴマーの組、或いはオリゴ マーの縮重プールでさえ、近縁なDNAまたはRNA配列の検出や定量の ためのより低い厳密性の条件下であっても用いることができる。 さらに特定の分子の発現を定量するための方法には、放射性標識(radiolabel ing)(Melby PC等1993 J Immunol Methods 159:235-44)或いはビオチン標識 (Duplaa C等1993 Anal Biochem 229-36)ヌクレオチドの利用、制御核酸の同 時増幅(coamplification)の利用、並びに実験結果を補完して書かれた標準的 なグラフ曲線の利用が含まれる。多数のサンプルの定量は、ELISA形式のア ッセイを実行することにより迅速に行うことができ、対象のオリゴマーが様々な 希釈溶液中に現れ、分光光度分析或いは比色分析反応により迅速に定量すること ができる。例えば、リウマチ様滑膜から取出された体液におけるHCAPの量の 増加は、活性化リンパ液の存在と組織破壊の進行を示している。このタイプの確 定的診断により、健康の専門家が患者を治療したり病状の悪化を防ぐことが可能 となる。同様に、当業者に周知のアッセイを用いて、患者の病状の進行を治療の 際にモニタすることができる。 治療 ここに開示するポリヌクレオチドは、様々な状態や疾病の治療に役立ち得る。 アンチセンス分子(抗hcap)を癌性細胞に導入することによって、HCAP 発現を低減、あるいは無くす遺伝子治療が可能となる。このような例では、アン チセンス分子を含む細胞が溢れることにより、アミノ酸配列の翻訳が抑止される 。 レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペス或いはワクシニアウイルスに由来 する発現ベクター、或いは細菌性プラスミドに由来する発現ベクターは、標的の 器官、組織、または細胞群へのヌクレオチド配列の送達のために用いられる。当 業者によく知られた方法は、HCAPを発現する組換えベクターを構築するため に用いることができる。例えば Maniatis等(上記)及びAusubel等(上記)に記載された技術を参照されたい。 完全長cDNA配列、並びにまたその調節エレメントを含むポリヌクレオチド により、研究者は遺伝子機能のセンス調節(Youssoufian H及び HF Lodish 199 3 Mol Cell Biol 13:98-104)、或いはアンチセンス調節(Eguchi等(1991)Ann u Rev Biochem 60:631.652)の調査用のツールとしてhcapを用いることがで きる。このような技術は、現在当分野ではよく知られており、センス或いはアン チセンスオリゴヌクレオチド、或いはより大きなフラグメントを、コーディング 領域或いは制御領域に沿った様々な位置から設計することができる。 必要な断片を高レベルで発現する発現ベクターを細胞または組織にトランスフ ェクトすることにより、HCAPをコードする遺伝子の機能を停止させることが できる。このような作製物は、翻訳不可能なセンス或いはアンチセンス配列とと もに細胞から溢れ出し得る。DNAへの組み込みがない場合ですら、このような ベクターは、全ての複製物が内在性ヌクレアーゼにより分解されるまで、RNA 分子を転写し続ける。このような過渡的発現は、非複製ベクター(Mettler I,p ersonal communication)でも1ヶ月以上、適当な複製エレメントがベクター系 の一部である場合には更に長い期間継続し得る。 上述のように、hcapの制御領域、例えばプロモータ、エンハンサ或いはイ ントロンに対するアンチセンス分子、DNA、RNAまたはPNAを設計するこ とにより遺伝子発現を修飾することができる。転写開始部位、例えばリーダ配列 の+10〜−10領域の間に由来するオリゴヌクレオチドが好適である。またア ンチセンス分子は、転写産物がリボソームへの結合するのを防止することにより 、mRNAの翻訳を阻止するように設計される。同様に、抑制は、「三重らせん 」塩基対合として も知られる、Hogeboom塩基対合方法論を用いて達成することができる。 三重らせん対合は、二重らせんがポリメラーゼ、転写因子、或いは調節分子を結 合するために十分に開放する機能を抑制する。三重らせんDNAを用いた最近の 治療法は、Gee JEら(Huber BE and BI Carr(1994) Molecular and Immun ologic Approaches,Futura Publishing Co,Mt KiscoNY)により再検討され ている。 リボザイムはRNAの特異的切断を触媒することができる酵素性RNA分子で ある。リボザイム作用の機構は、相補的標的RNAへのリボザイム分子の配列特 異的ハイブリダイゼーションが行われ、その後エンドヌクレアーゼによる切断( endonucleolytic cleavage)がなされる。発明の範囲内には、hcapのエンド ヌクレアーゼによる切断を、特異的に及び効果的に引き起こす工学的に処理され たハンマーヘッド状モチーフ(hammerhead motif)リボザイム分子も含まれてい る。 任意の潜在的なRNA標的内の特異的なリボザイム切断部位の最初の同定は、 配列GUA、GUU並びにGUCが後続するリボザイム切断部位に対する標的分 子を走査することにより行われる。一度同定されると、切断部位を含む標的遺伝 子の領域に対応する15〜20個のリボヌクレオチドの間の短いRNA配列は、 そのオリゴヌクレオチドの機能を停止させる2次構造の特徴について評価される 。また候補の標的の適切性の評価は、リボヌクレアーゼ保護アッセイを用いて相 補的なオリゴヌクレオチドとのハイブリッド形成に対する接触性を試験すること により行われる。 本発明のアンチセンス分子及びリボザイムは、RNA分子を合成するのための 当分野で周知の方法により調製することができる。これらの技術には、固相ホス ホラミダイト(phosphoramidite)化学合成のような化学的合成オリゴヌクレオ チドの技術が含まれる。別法では、RNA分 子を、HCAPをコードするDNA配列のin vivo及びin vitro転写により生成 することができる。このようなDNA配列は、T7或いはSP6のような適切な RNAポリメラーゼプロモータを有する多種のベクターに組み込まれる。別法で は、構造的に或いは誘導的にアンチセンスRNAを合成するアンチセンスcDN A構成物が、株細胞、細胞或いは組織内に導入される。 RNA分子は細胞内安定性を高め及び半減期を長くするために修飾することが できる。実行可能な修飾には、限定はしないが、その分子の5’並びにまた3’ 末端のフランキング配列の付加、或いは分子のバックボーン内にホスホジエステ ラーゼ連鎖ではなくホスホロチオネート(phosphorothioate)或いは2’O−メ チルを使用することを含む。このコンセプトは、PNAの産生において固有のも のであり、内在性エンドヌクレアーゼにより容易に認識されないアデニン、グア ニン、シチジン、及びウリジンのアセチル−、メチル−、チオ−、及び類似の修 飾形態とともに、イノシン、クエオシン(queosine)、及びワイブトシン(Wybu tosine)のような非伝統的な塩基を含めることによって、これら全ての分子に拡 張することができる。 細胞或いは組織内にベクターを導入するための方法には、以下に議論される方 法が含まれ、これらの方法は、in vivo、in vitro、及びex vivo治療法に対して も適切なものである。ex vivo治療法の場合には、患者から採取された幹細胞に ベクターを導入し、自家移植のためにクローンとして増殖して同じ患者に戻す方 法が、ここで引用により開示されている米国特許第5,399,493号及び第5,437,994 号に記載されている。トランスフェクションによる、またはリポソームによる送 達は、従来より周知の技術である。 更に、ここに開示するhcapのヌクレオチド配列は、新技術、即ち、 限定はしないが、それがトリプレット遺伝暗号及び特異的塩基対合相互作用のよ うな特性を含む、現在周知のヌクレオチド配列の特性に依存する技術であれば、 まだ開発されていない分子生物学的技術においても用いることができる。 近縁なポリヌクレオチド配列の検出及びマッピング hcapの核酸配列は、天然ゲノム配列のマッピングのためのハイブリダイゼ ーションプローブを生成するために用いることができる。この配列は、よく知ら れる技術を用いて、特定の染色体或いはその染色体の特定領域に対してマッピン グすることができる。このような技術には、拡散させた染色体(chromosomal sp reads)に対するin situハイブリダイゼーション(Verma等(1988)Human Chrom osomes:A Manual of Basic Technique,Pergamon Press,New York)、フロー ソート(now-sorted)染色体調製法、或いは酵母菌人工染色体(YACs)、細 菌性人工染色体(BACs)、細菌性P1構造体或いはPrice CM(1993;Blood Rev 7:127-34)及びTrask BJ(1991;Trends Ganet 7:149-54)に概要が示され ている単染色体cDNAライブラリのような人工染色体構造が含まれる。 染色体調製物のin situハイブリダイゼーション及び確定された染色体マーカ ーを用いる連鎖解析のような物理的地図作成技術は、遺伝子地図を延長する際に 大変重要である。ヒトゲノムのSTSに基づく地図の最近の例は、Whitehead-MI T Center for genomic Reserch(Hudson TJら(1995)Science 270:1945-1954) から最近出版されている。多くの場合、特定のヒト染色体の数或いは腕が知られ ていなくても、マウスのような別の哺乳動物種の染色体上の遺伝子の配置から、 関連する標識を明らかにすることができる。新しい配列は、染色体の腕、或いは その一部 への物理的マッピングにより割当てることができる。これは位置クローニング或 いは他の遺伝子発見技術を用いて疾患遺伝子を調査する研究者に貴重な情報を提 供する。ひとたび毛細血管拡張性運動失調(AT)のような疾患或いは症候群が 、特定のゲノム領域、例えばAT〜11q22−23への遺伝子連鎖により粗く 局所化されれば、その領域にマッピングされる任意の配列は、さらなる研究のた めの関連する遺伝子、或いは調節遺伝子を表すことができる(Gatti等(1988)N ature 336:577-580)。本発明のヌクレオチド配列は、正常者、保菌者或いは感 染した個体間の転座、逆位等による染色体位置の違いを検出するために用いるこ ともできる。 医薬品組成物 本発明は、ヌクレオチド、タンパク質、抗体、アンタゴニスト、インヒビター を、単独で、或いは安定化化合物のような少なくとも1つの他の薬剤とともに含 んでいる医薬品組成物を、その範囲に含む。この医薬品組成物は、任意の無菌の 生体適合性担体に含めて投与されるが、このような担体には、限定はしないが、 生理食塩水、緩衝食塩水、ブドウ糖或いは水が含まれる。これらの分子は、患者 に対して、単体で、或いは他の薬品やホルモンと結合して、医薬品添加物或いは 製薬学的に許容される担体と混合される他の薬品組成物に入れて投与され得る。 本発明の一実施例では、製薬学的に許容される担体とは、製薬学的に不活性なも のである。 医薬品組成物の投与 医薬品組成物は経口投与、或いは非経口投与される。非経口投与の方法には、 局所的投与、動脈内(腫瘍への直接の)投与、筋肉内投与、皮 下投与、髄内投与、くも膜下内投与、脳室内投与、静脈内投与、腹腔内投与或い は鼻腔内投与を含む非経口投与を含む。活性成分に加えて、これらの薬品組成物 は、薬学的に用いられ得る調合物内への活性化合物の処理を容易にする賦形剤及 び補助剤を含む適切な製薬学的に許容される担体を含み得る。調合或いは投与に 関する技術の詳細は、「Remington's Pharmaceutical Sciences」(Mack Publis hing Co,Easton PA)の最新版において見出すことができる。 経口投与用の薬品組成物は、当分野でよく知られる製薬学的に許容される担体 を用いて適切な剤形に製剤される。このような担体により、薬品組成物は、治療 を受ける患者による経口及び鼻腔摂取のための、錠剤、丸剤、カプセル剤、液体 剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤或いは類似の剤形として処方され る。 経口投与するための製薬調製は、活性化合物と固形の賦形剤とを結合すること によって得ることができるが、所望に応じて、必要なら適切な補助剤を添加した 後、得られた混合物を粉砕し、顆粒の混合物を処理して、錠剤或いは糖衣剤核を 得ることができる。適切な賦形剤は、ラクトース、サクロース、マンニトール或 いはソルビトールを含む砂糖のような糖質或いはタンパク質充填剤、とうもろこ し、小麦、米、じゃがいも等からのでんぷん、メチルセルロース、ヒドロキシプ ロピルメチルセルロース或いはカルボキシルメチルセルロースナトリウムのよう なセルロース、アラビアゴム或いはトラガカントのようなゴム、並びにゼラチン 或いはコラーゲンのようなタンパク質である。必要ならば、クロスリンクしたポ リビニルピロリドン、寒天、アルギン酸ナトリウムのようなアルギン酸或いはア ルギン酸ナトリウムのようなその塩のような、崩壊剤或いは可溶化剤が加えられ る。 糖衣剤核は、濃縮砂糖溶液のような適切な錠皮を与えられるが、溶液 はアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポルゲル剤、ポリエチ レングリコール並びにまた二酸化チタン、ラッカー溶液及び適切な有機溶剤或い は溶剤混合物が含み得る。錠剤の識別のため、すなわち活性化合物の量、すなわ ち投与量を特徴付けるために染料或いは色素が錠剤或いは糖衣錠皮に加えられて もよい。 経口投与可能な製剤は、ゼラチンからなるプッシュフィットカプセル及びゼラ チンからなる柔らかい、密封されたカプセル、並びにグリセロール或いはソルビ トールのような錠皮を含む。プッシュフィットカプセルは、ラクトース或いはで んぷんのような充填剤或いは結合剤、タルク或いはステアリン酸マグネシウムの ような潤滑剤、並びに付加的には安定剤と混合された活性処方組成物を含み得る 。柔らかいカプセルでは、活性化合物は、安定剤があるなしにかかわらず、脂肪 油、液体パラフィン、液体ポリエチレングリコールのような適切な液体に溶解或 いは懸濁される。 非経口投与用の剤形は、水溶性の活性化合物の水溶液を含む。注射用として、 本発明の薬品組成物を水溶液、好適にはハンクの溶液、リンガー溶液或いは生理 緩衝食塩水のような生理学的に適合性の緩衝液に入れて製剤することができる。 水性の注入懸濁剤は、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール 或いはデキストランのような懸濁剤の粘性を増加する物質が含み得る。更に、活 性成分の懸濁液は、適切な油性注入懸濁剤として調製される。適切な親油性の溶 媒或いは媒介物は、胡麻油のような脂肪油や、オレイン酸エチル、トリグリセリ ド或いはリポソームのような合成脂肪酸エステルを含む。また懸濁剤は、所望に 応じて、それにより溶解度を増加し、非常に濃縮された溶液の調製ができるよう になる適切な安定剤或いは薬剤を含んでもよい。 局所的投与用には、浸透される特定の障壁に対して適切な浸透剤を用 いて調合が行われる。このような浸透剤は、従来より周知である。 製造と保管 本発明の薬品組成物は周知の方法、例えば従来の混合処理、溶解処理、顆粒化 処理、糖衣形成処理、研和処理、乳化処理、封入処理(entrapping)処理或いは凍 結乾燥処理により製造される。 この医薬品組成物は塩類として提供されることもあり、限定はしないが、塩酸 、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等を含む、多くの酸とともに 形成することができる。塩は、対応する遊離塩基形態である水性或いはプロトニ ック溶剤において、より可溶性が高くなる傾向がある。他の場合には、好適な製 剤は、1mM−50mMのヒスチジン、0.1%−2%のショ糖、使用前に緩衝 剤と結合させたpH範囲4.5−5.5にある2%−7%のマンニトールにおけ る凍結乾燥粉末である。 製薬学的に許容される担体内に製剤された本発明の化合物を含む組成物は、調 製された後、適切な容器内に入れられて、さらに提示した疾病状態の治療のため にラベル付けされる。HCAPの投与の場合、このようなラベルには、投与の量 、頻度、方法が表示される。 治療上効果的な投与量 本発明において使用するために適切な医薬品組成物は、活性成分を所望の目的 を達成するに効果的な量だけ含む組成物である。効果的な投与量の決定は、当業 者の能力の範囲内で行うことができる。 任意の化合物の場合、治療的に有効な投与量は、初めに、新生物細胞、或いは 通常マウス、ウサギ、イヌ、ブタのような動物モデルの何れかの細胞培地のアッ セイから推定される。次いで、このような情報を用いて、 ヒトにおいて効果的な投与量や投与経路を決定することができる。 治療的に有効な投与量とは、疾病状態を寛解するタンパク質、その抗体、アン タゴニスト、またはインヒビターの量である。そのような化合物の毒性及び治療 有効性は例えばLD50(個体郡の50%の致死投与量)及びED50(個体群 の50%において治療的に効果のある投与量)を決定するための、細胞培地或い は実験動物における標準的な製薬学的手順により決定することができる。毒性と 治療有効性との間の投与量比は治療指数であり、比LD50/ED50として表 すことができる。大きな治療指数を示す医薬品組成物が好ましい。これらの細胞 培地のアッセイ及び付加的な動物研究から得られるデータは、ヒトへの使用に対 する投与量の範囲を決める際に用いることができる。そのような化合物の投与量 は、毒性がほとんど或いは全くなく、ED50を達成する循環濃度の範囲内にあ ることが望ましい。投与量は、用いられる剤形、患者の感受性並びに投与経路に 応じてこの範囲内で変化する。 正確な投与量は治療されるべき患者を考慮して個々の医師により選択される。 投与量及び投薬量は、十分なレベルの活性部分を与え、かつ所定の効果を維持す るために調整される。考慮すべき付加的な要因は、疾患状態の重症度、または患 者の年齢、体重並びに性別、食事、投与の時間及び頻度、併用する薬剤、反応感 受性、並びに治療への耐性/反応を含む。長期的に作用する薬品組成物は3〜4 日毎に、1週間毎に、或いは半減期及び特定の処方のクリアランス速度に応じて 2週間に1度、投与してもよい。 通常の投与量は0.1〜100,000μgの範囲にあって、全投与量は最大 約1gであり、投与経路に応じて変化する。特定の投与量或いは供給の方法に関 するガイダンスは、文献において見出すことができる。米国特許第4,657, 760、5,206,344或いは5,225, 212号を参照されたい。当業者は、ヌクレオチドに対しては、タンパク質やそ のインヒビター用の剤形とは異なる財形を採用するであろう。同様に、ポリヌク レオチドまたはポリペプチドの送達は、細胞、状態、位置等によって決まってく る。 HCAPを、重症、あるいは中程度の肥満症の患者において発現させるか、適 切な剤形で送達することが企図されている。臨床設定では、HCAPレベルの硬 直的監視により、担当外科医が、脂肪組織の減少を促進し、筋肉質量には最小限 の影響しか与えないような範囲にHCAPレベルを調節することが可能となる。 同様に、癌患者へのHCAPのアンタゴニストまたはインヒビターの東洋、及び 治療状態の監視により、腫瘍誘導性カヘキシーを最小限に抑えることができる。 以下に本発明の実施例を示す。但し、以下の実施例は単なる例示であって、本 発明をこの実施例に限定しようとするものではない。 産業上の応用 1 BRSTTUT01 cDNAライブラリーの構築 BRSTTUT01 cDNAライブラリーを、う55歳の女性から切除された乳房腫 瘍(lot#0005;Mayo Clinic,Rochester MN)から構築した。冷凍組織を、Brin kmann Homogenaizer Polytron-PT3000(Brinkmann Instruments社、WestburyN Y)を用いて即座に破砕し、グアニジウムイソチオシアネートを含む緩衝液に溶 解した。可溶化液を5.7Mの塩化セシウムクッションに負荷し、Beckman L8-7 0M Ultracetrifuge(Beckman Instruments社)においてBeckman SW28ロータを 用いて、周囲温度で25000rpmの回転数で18時間遠心分離した。RNA を一度はpH4.0の酸性フェノールで、一度はpH8.0のフェノールクロロ ホルムで抽出し、0.3Mの酢酸ナトリウムと2.5倍量 のエタノールを用いて沈殿させ、そのRNAを水に再懸濁し、37℃で15分間 DNアーゼ処理した。そして、Qiagen Oligotex kit(QIAGEN社、Chatsworth CA )を用いてRNAを単離し、cDNAライブラリーを構築した。 このRNAは、Gibco/BRLのcatalog#18248-013のSuperScript Plasmid System for cDNA Synthesis and Plasmid Cloningにおいて、その推奨プロトコルにし たがって処理した。cDNAはSepharose CL4Bカラム(catalog#275105,Pharmac ia)上で分画化し、これらのcDNAで400bpを超えるものはをpSport I にリゲートした。次いで、このファスミドpSport IをDH5a(商標)コンピテン ト細胞(catalog#18258-012,Gibco/BRL)に入れて形質転換させた。 2 cDNAクローンの単離及び配列決定 プラスミドDNAは細胞から放出され、Miniprep Kit(Cat#77468;Advanced Genetic Technology社,Gaithersbung MD)を用いて精製した。このキットは 960精製のための試薬を有する96穴ブロックからなる。以下の変更点を除い て、推奨プロトコルを用いた。1)96個の穴には、25mg/Lのカルベニシ リン及び0.4%のグリセロールを有する無菌のTerrific Broth(Cat#22711,LI FE TECHNOLOGIES(登録商標),Gaithersbung MD)の1mlのみをそれぞれ充 填した。2)その細菌は、その穴に接種し、溶解緩衝剤の60μlを用いて分離 した後、24時間培養した。3)ブロックの中味が一次フィルタプレートに加え られる前に、Beckman GS-6Rを用いて2900rpmで5分間の遠心分離を行っ た。4)イソプロパノールをトリス緩衝液に加える付加的な過程は定例的に実施 しなかった。プロトコルの最終過程後、サンプルを、貯蔵のためにBeckman 96 穴ルブロックに移した。 cDNAは、4つのPeltier Thermal Cycler(PTC200;MJ Research社,Watert own MA)及びApplied Biosystems377或いは373DNA Sequencing Systems(P erkin Elmer社)を組み合わせてHamilton Micro Lab2200(Hamilton社,Reno N V)を用いる、Sanger F及びAR Coulson(1975;J Mol Biol 94:441f)の方法に より配列決定され、リーディングフレームが画定された。 3 cDNAクローン及び推定タンパク質の相同性検索 各cDNAを、ABI INHERIT(商標)670配列解析システム(Perkin Elmer)に 組み込まれた検索アルゴリズムを用いて、GenBankの配列と比較した。このアル ゴリズムでは、Pattern Specification Language(TRW社、LosAngeles CA )を用いて相同な領域を決定していた。配列の比較をどのように行うかを決定す る3つのパラメータは、ウィンドウサイズ、ウィンドウオフセット、及び誤差許 容度であった。これら3つのパラメータの組を用いて、対象の配列に対して相同 な領域を含む配列をDNAデータベースから検索し、適切な配列には、初期値と ともにスコアが付けられた。これによって、これらの相同な領域をドットマトリ クスホモロジーブロット法を用いて検定し、相同な領域と偶然の一致とを区別し た。相同性検索の結果は、Smith-Watermanアライメントを用いて表示した。 ペプチド及びタンパク質配列の相同性は、INHERIT670配列解析システムをDN A配列の相同性検索で用いたのと同様に用いて確かめた。Pattern Specificatio n Language及びパラメータウィンドウを用いて、タンパク質データベースから相 同性領域を含む配列を検索し、その結果には初期値とともにスコアを付けられた 。ドットマトリクスホモロジーブロット法を用いて検定し、有意な相同性を有す る領域と偶然の一致と を区別した。 BLASTは、Basic Local Alignment Search Tool(Altschul SF(1993)J Mol Evol36: 290−300;Altschul,SF等(1990)J Mol Biol 215:403−10)を表しており、これを用いて局部的な配列アライメント を検索した。BLASTはヌクレオチド及びアミノ酸配列の両方のアライメント を生成して配列類似性を求める。そのアライメントの局所性のために、BLAS Tは厳密な一致を求める際に、すなわちホモログを求める際に特に有効である。 BLASTは間隙を含まない一致を求めるのに役立つ。BLASTアルゴリズム 出力の基本的な単位は、High−scoring Segment Pair (HSP)である。 HSPは2つの配列フラグメントからなり、両フラグメントは任意ではあるが 、そのアライメントが局所的に最大となっている等しい長さものであり、そのア ライメントスコアはユーザにより設定された閾値すなわちカットオフスコアを満 足、即ち、カットオフスコアを超えている。BLASTアプローチは問い合わせ 配列とデータベース配列との間のHSPを見つけ出すものであり、見出された任 意の一致の統計的有意性を評価し、そのユーザが設定した有意性の閾値を満足す る一致のみを報告するものである。パラメータEはデータベース配列一致を知ら せるための統計的に有意な閾値を確定するパラメータである。Eは全データベー ス検索の情況においてHSP(或いはHSPの組)の発生の機会の期待される頻 度の上側の境界として解釈される。その一致がEを満足する任意のデータベース 配列がプログラム出力において報告される。 BLASTを用いて、マウスCCFの20個の既知のN末端アミノ酸を、LI FESEQ(商標)データベースから検索した。インサイト社 クローンNo.607227の翻訳物は、これらのアミノ酸と90%以上の類似 性を有していた。そして、後に行った分析により、予測シグナル配列をコードす る領域から上流の適当な距離の位置において、潜在性翻訳開始部位が同定された 。インサイト社クローンNo.607227が、ポリヌクレオチドの同じ予測位 置において殆ど同一のアミノ酸配列を有しているという事実は、インサイト社ク ローンNo.607227がマウスCCFに近いヒトホモログを表していること を示している。 4 調節エレメントを回復するまでのHCAPの延長 完全長hcapの核酸配列(配列番号:1)は、ゲノムライブラリから5’配 列を得るためのオリゴヌクレオチドプライマーを設計するために用いることがで きる。一方のプライマーはアンチセンス方向(XLR)の延長を開始するために 合成され、他方のプライマーはセンス方向(XLF)に配列を延長するために合 成される。これらのプライマーにより、周知のHCAP配列を「外側に」延長し 、対象の制御領域の新しい未知のヌクレオチド配列を含むアンプリコンを生成で きるようになった。初期プライマーは、Oligo4.0(National Bioscienc es社、Plymouth MN)、或いは他の適切なプログラムを用いて、長さが22− 30ヌクレオチドで50%以上のGC含有率を有し、かつ約68〜72℃の温度 で標的配列にアニールするように設計することができる。結果的にヘアピン構造 及びプライマー−プライマー二量体化を生じる任意のヌクレオチドのストレッチ の延長は避けられる。 腫瘍ライブラリーはhcapのコード領域を延長または検証するのに適してお り、また5’上流配列を延長し増幅するためにはヒトゲノムライブラリを用いる 。必要なら、既知領域をさらに延長するためにプライマーの第2の組が設計され る。 XL−PCRキット(Perkin Elmer社)の指示に従って、酵素と反応混合物と を完全に混合することにより、高い忠実度の増幅が得られる。40pmolの各 プライマと、推奨された濃度のキットの他の全ての成分とから増幅を開始する場 合、PCRはPeltier Thermal Cycler(PTC200; MJ Reserch社、Watertown MA)を用いて、以下のパラメータで実行される。 ステップ1 94℃で1分間(初期変性) ステップ2 65℃で1分間 ステップ3 68℃で6分間 ステップ4 94℃で15秒間 ステップ5 65℃で1分間 ステップ6 68℃で7分間 ステップ7 ステップ4〜6をさらに15サイクル反復 ステップ8 94℃で15秒間 ステップ9 65℃で1分間 ステップ10 68℃で7分15秒間 ステップ11 ステップ8〜10を12サイクル反復 ステップ12 72℃で8分間 ステップ13 4℃(その温度を保持) 反応混合物の5〜10μlのアリコットを、低濃度(約0.6〜0.8%)ア ガロースミニゲルにおける電気泳動で解析して、反応物が配列を延長することに 成功したか否かを決定する。最も大きな生成物或いはバンドを選択して、ゲルか ら切り出した。さらなる精製には、QIAQuick(登録商標)(QIAGEN社) のような市販のゲル抽出法を用いる。DNA回収の後、クレノウ酵素を用いて一 本鎖ヌクレオチドの延び出しを切り取り、再結合及びクローニングを容易にする 平滑末端を作 った。 エタノール沈殿の後、生成物を13μlのリゲーション緩衝液内に再溶解し、 1μlのT4−DNAリガーゼ(15単位)及び1μlのT4ポリヌクレオチド キナーゼを加えて、その混合物を、室温で2〜3時間、或いは16℃で一昼夜イ ンキュベートする。コンピテントなE.coli細胞(40μlの適切な溶媒内 にある)を、3μlのリゲーション混合物を用いて形質転換し、80μlのSO C培地(Sembrook J等、上記)で培養する。37℃で1時間のインキュベーシ ョンの後、全ての形質転換混合物を、2xCarbを含むLuria Bert ani(LB)寒天上にのせる。後日、いくつかのコロニーを各プレートから無 作為に選択し、適切な市販の無菌の96穴マイクロタイタープレートの個々のウ ェル内に入れられた150μlの液状LB/2xCarb培地で培養する。さら に後日、5μlの各オーバーナイト培養物を非無菌96穴プレート内に移し、水 で1:10に希釈した後、各5μlのサンプルをPCRアレイ内に移す。 PCR増幅の場合、rTthDNAポリメラーゼの4単位を含む18μlの濃 縮PCR反応混合物(3.3x)、ベクタープライマー、並びに延長反応に用い られる遺伝子特異的プライマーの一方或いは両方を各ウェルに加える。増幅は以 下の条件に従って行う。 ステップ1 94℃で60秒間 ステップ2 94℃で20秒間 ステップ3 55℃で30秒間 ステップ4 72℃で90秒間 ステップ5 ステップ2〜4をさらに29サイクル反復 ステップ6 72℃で180秒間 ステップ7 4℃(そのまま保持) PCR反応物のアリコットを、分子量マーカーと共にアガロースゲル上で移動 させる。PCR生成物のサイズを元の部分的なcDNAと比較して、適切なクロ ーンを選択し、プラスミドに結合して、配列決定を行う。 5 ハイブリダイゼーションプローブの標識付け 配列番号:1に由来するハイブリダイゼーションプローブは、cDNA,mR NA並びにゲノムDNAをスクリーニングするために用いられる。約20の塩基 対からなるオリゴヌクレオチドの標識付けについて特に記すが、大きなcDNA フラグメントの場合でも概ね同じ手順を用いる。オリゴヌクレオチドを、50p molの各オリゴマと、250mCiの[γ‐32P]アデノシン三リン酸(Amersh am社,Chicago IL)及びT4ポリヌクレオチドキナーゼ(DuPont NEN(商 標)、Boston MA)とを組み合わせて用いてラベルする。標識付けられたオリ ゴヌクレオチドを、SephadexG−25超精細樹脂カラム(Pharmacia社 )を用いて精製する。それぞれ毎分107カウントを含む各部分を、以下のエン ドヌクレアーゼ(Asel,BglII,EcoRI,PstI,Xba1或い はPvuII;DuPont NEN(商標))の1つを用いて消化されるヒトゲノム DNAの典型的な膜ハイブリダイゼーション解析において用いる。 各消化物からのDNAを、0.7%アガロースゲル上で分画化して、ナイロン 膜(Nytran Plus,Schleicher&Schuell,Durham NH)に移す。ハイブリダイゼ ーションは40℃で16時間かけて行う。非特異的シグナルを取り除くために、 ブロットは、0.1xクエン酸ナトリウム食塩水及び0.5%ドデシル硫酸ナト リウムまで段階的に厳密性が増す条件下で、室温にて順次洗浄される。XOMA T AR(登録商標)フィル ム(Kodak,Rochester NY)を、数時間かけてPhosphoimager cassette(Molecular Dynamics,Sunnyvale CA)においてブロットに 露光された後、ハイブリダイゼーションパターンが視覚的に比較される。 6 アンチセンス分子 hcap配列或いはその任意の一部は、天然hcapのin vivo発現を抑制す るために用いることができるアンチセンス分子の設計のための基礎となる。約2 0塩基対からなるアンチセンスオリゴマーの使用について特に記すが、大きなc DNAフラグメントの場合でも概ね同じ手順を用いることができる。hcapの 5’コード化配列または非翻訳リーダ配列に基づく相補的なオリゴヌクレオチド を用いて、天然hcapの発現を抑制することができる。この相補的なオリゴヌ クレオチドは、プロモーターか結合するのを防ぐことにより転写を抑制したり、 リボソームが転写物に結合するのを防ぐことにより転写物の翻訳を抑制するよう に設計される。 7 HCAPの発現 HCAPの発現は、cDNAを適切なベクター内にサブクローニングし、その ベクターを宿主細胞にトランスフェクトすることによって行われる。クローニン グ用のpSportベクターを、コンピテントE.coliにおいてHCAPを発現す るのに用いる。lacZクローニング部位の上流に、このベクターはlacI遺伝子及 びプロモータを含む。標準的な方法を用いて単離され、IPTGをトランスフェ クトされたコンピテント菌株の誘導により、HCAPが産生される。増殖を容易 にするため、HCAPの成長培地への分泌を誘導するために細菌シグナル配列を 加え てもよい。 8 HCAP活性 精製HCAPの活性は、メスのマウスにおいてアッセイされる。7μgのHC APを、150μlのリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)に懸濁し、Todorovら (前出)の論文に記載のように、1.5時間間隔で尾の静脈に4回静脈内投与す る。ネガティブコントロールには、PBSのみを投与する。各投与の前の各動物 の体重を測定し、通常の食物と水の摂取にもかかわらず24時間で体重の低下が 見られた場合、それはHCAPが活性で、カヘキシーを発症させるカロリー不足 が生じていることを示している。 9 HCAP特異的抗体の産生 標準的なプロトコルを用いたウサギの免疫化には、PAGE電気泳動法(Mani atis上述)を用いて精製されたHCAPを用いるが、モノクローナル法の方がよ り簡単に利用することができる。HCAPから翻訳されたアミノ酸配列をDNA STARソフトウエア(DNASTAR社)を用いて解析して免疫抗原性の高い領域を 決定し、対応するオリゴペプチドを当業者には周知の手段により合成して、当業 者に周知の方法で抗体をを産生するために用いる。C末端付近の、或いは隣接す る親水性領域内のエピトープのような、適切なエピトープを選択するための解析 は、Ausubel FM等(上記)の論文に記載されている。 通常、約15残基の長さを有するオリゴペプチドを、fmoc−chemis tryを用いるApplied Biosystemsのペプチドシンセサイザ ーModel 431Aを用いて合成し、M−マレイミドベンゾイル−N−ヒド ロキシスクシンイミドエステル(MBS: Ausubel FM等、上記)を用いた反応によりキーホールリンペットヘモシニアン (KLH、Sigma)に結合する。フロイントの完全アジュバントにおけるオリゴ ペプチド−KLH複合体を用いてウサギを免疫する。得られた抗血清の抗ペプチ ド活性を検査するには、例えばペプチドをプラスチックに結合し、1%BSAを 用いてブロックし、ウサギ抗血清と反応させて洗浄し、さらに放射性ヨウ素標識 されたヤギ抗ウサギIgGを用いて反応させる。 8 特異的抗体を用いるHCAPの精製 天然HCAP或いは組換えHCAPは、HCAPに対する特異的な抗体を用い るイムノアフィニティークロマトグラフィにより精製することができる。イムノ アフィニティーカラムは、CnBr−activated Sepharose (Pharmacia Biotech社)のような活性化クロマトグラフ樹脂とHCAP抗体と を共有結合させることにより構成される。結合後、その樹脂を製造者の指示に従 って、ブロックし洗浄する。 HCAPを含む培地をイムノアフィニティーカラムに通し、そのカラムをHC APを優先的に吸収できる条件下(例えば界面活性剤の存在下での高イオン強度 緩衝剤)で洗浄する。このカラムを、抗体/HCAP結合を切るような条件下( 例えばpH2〜3の緩衝剤、或いは高濃度の尿素またはチオシアン酸塩イオンの ようなカオトロピックイオン)で溶離させ、HCAPを回収する。 9 HCAPと相互作用する分子の同定 HCAP、或いはその生物学的に活性なフラグメントを、125I ボルトンハ ンター試薬を用いて標識する(Bolton,AE及びHunter,WM(1973)Biochem J 133:529)。96穴プレートのウェル内に前に入れ ておいた候補分子を、標識したHCAPとともに培養し、洗浄し、標識したHC AP複合体を有する任意のウェルをアッセイする。異なる濃度のHCAPを用い て得られるデータを用いて、候補分子とHCAPとの会合の数、アフィニティー 並びに会合度の値を計算する。 上記のすべての刊行物及び特許明細書は、本明細書と一体に参照されたい。本 発明の記載した方法及びシステムの種々の変更例及び変形例は、本発明の範囲及 び精神から逸脱しないことは当業者には明らかであろう。本発明は特に好適な実 施例に関連して記載されているが、本発明の請求の範囲は、そのような特定の実 施例に不当に制限されるべきではないことを理解されたい。実際には、本発明を 実施するために記載された方法の種々の変更例は、分子生物学或いは関連する分 野の当業者には明らかなように、以下の請求項の範囲内に含まれるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61K 39/395 N 45/00 45/00 48/00 48/00 C07K 16/18 C07K 16/18 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/08 5/10 C12Q 1/68 A 15/02 G01N 33/15 Z C12P 21/08 33/53 D C12Q 1/68 33/566 G01N 33/15 C12N 5/00 A 33/53 15/00 C 33/566 5/00 B A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AT,AU,BR,CA ,CH,CN,DE,DK,ES,FI,GB,IL, JP,KR,MX,NO,NZ,RU,SE,SG,U S 【要約の続き】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.配列番号:2に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする精製ポリ ヌクレオチド。 2.前記核酸配列が、配列番号:1の配列または、それに相補的な配列からなる ことを特徴とする請求項1に記載のポリヌクレオチド。 3.腫瘍誘導性カヘキシーの診断のための試験方法であって、 a)ハイブリダイゼーション複合体の形成に適切な条件の下で、生物学的サン プルと、請求項1のポリヌクレオチドまたはそのフラグメントとを結合させる過 程と、 b)前記生物学的サンプルにおいて前記ハイブリダイゼーション複合体を検出 する過程であって、前記複合体の検出がカヘキシーの診断となる、該過程とを含 むことを特徴とする診断のための試験方法。 4.請求項1のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。 5.請求項4の発現ベクターで形質転換された宿主細胞。 6.配列番号:2に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドを生成する方法であっ て、 a)前記ポリペプチドの発現に適切な条件の下で、請求項5の宿主細胞を培養 する過程と、 b)前記宿主細胞の培地からポリペプチドを回収する過程とを含むことを特徴 とするポリペプチドの生成方法。 7.配列番号:2のアミノ酸配列を含む精製ポリペプチド。 8.請求項7のポリペプチド及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬品組成物 。 9.患者に請求項8の医薬品組成物を効果的な量だけ投与する過程を含む重症ま たは中程度の肥満症の患者の治療方法。 10.請求項1のポリヌクレオチドの少なくとも一部に対して相補的な核酸配列 を含むアンチセンス分子。 11.請求項10のアンチセンス分子及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬 品組成物。 12.患者に、請求項11の医薬品組成物を効果的な量だけ投与する過程を含む 、配列番号:1のポリヌクレオチドの誘発及び発現が関係する腫瘍誘導性カヘキ シーの患者の治療方法。 13.請求項7の精製ポリペプチドに対して特異的な抗体。 14.請求項13の抗体及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬品組成物。 15.患者に請求項14の医薬品組成物を効果的な量だけ投与する過程を含む、 腫瘍誘導性カヘキシーの患者の治療方法。 16.カヘキシーが関係する状態または疾病の診断のための試験方法であって、 a)カヘキシー関連タンパク質を含み得る生物学的サンプルを準備する過程と 、 b)抗体がタンパク質に結合し抗体−タンパク質複合体を形成するに適切な条 件の下で、前記生物学的サンプルと請求項13の抗体とを結合させる過程とを含 むことを特徴とするカヘキシーが関係する状態または疾病の診断のための試験方 法。 17.前記状態または疾病が、腫瘍誘導性カヘキシーまたは肥満症からなる群か ら選択されたものであることを特徴とする請求項16に記載の方法。 18.請求項7の精製ポリペプチドに対して特異的なインヒビター。 19.請求項18のインヒビター及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬品組 成物。 20.患者に請求項19の医薬品組成物を効果的な量だけ投与する過程を含む、 腫瘍誘導性カヘキシーの患者の治療方法。
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