JP2001358490A - 電波吸収体及びその製造方法 - Google Patents

電波吸収体及びその製造方法

Info

Publication number
JP2001358490A
JP2001358490A JP2000176241A JP2000176241A JP2001358490A JP 2001358490 A JP2001358490 A JP 2001358490A JP 2000176241 A JP2000176241 A JP 2000176241A JP 2000176241 A JP2000176241 A JP 2000176241A JP 2001358490 A JP2001358490 A JP 2001358490A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radio wave
layer
wave absorber
absorption layer
absorbing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000176241A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichi Higuchi
洋一 日口
Yoichi Takahashi
洋一 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2000176241A priority Critical patent/JP2001358490A/ja
Publication of JP2001358490A publication Critical patent/JP2001358490A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 家屋壁面あるいは天井に電波吸収機能を盛り
込んだ建材において表面化粧を施しても充分な蒸気浸透
性を保った透湿型電波吸収体を得ること。さらに高周波
(1GHz〜70GHz)対応の電波吸収体において、
なるべく薄く、軽量・安価で、高効率、広帯域の電波吸
収能を持つとともに、施工の容易さをも実現すること。 【解決手段】 電波及び/または電磁波を吸収するため
の電波吸収層単層からなる電波吸収体であって、電波吸
収層に孔径0.001μm〜5mmの微細な孔が設けら
れていることを特徴とする電波吸収体を構成した。電波
及び/または電磁波を吸収するための電波吸収層と、熱
伝達変換層とから構成された電波吸収体であって、少な
くとも電波吸収層に孔径0.001μm〜5mmの微細
な孔が設けられていることを特徴とする電波吸収体を構
成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は室内LAN対応、レ
ーダ偽像防止、無線障害防止、およびElectro
Magnetic Interference(EM
I)対策分野で使用される電波吸収体及びその製造方法
に関するものである。特にミリ波を含む高周波電波吸収
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子機器の発達により種々な
電子機器が事務所、工場、研究所、店舗、一般家庭等の
あらゆる場所に導入されて使用される様に成って来た
が、これら電子機器に起因する電波障害の問題が多く発
生し、その防止策として電磁波シールド材を壁材として
用いたり、シールドルームを設けたりしている。
【0003】この様な電磁波シールド材に就いては種々
提案されており、また、電波吸収材と電波反射材との複
合材に就いても種々提案されている。斯様な電磁シール
ド材の一例として、例えば特開昭64−86595号公
報記載のものを列挙することが出来る。
【0004】併し乍ら、シールドルームの設置には多額
の費用が掛かる等の問題が有り、また、電磁波シールド
材を壁材として使用するものでは、室内を金属材料でシ
ールドしたシールド・ビルが知られているが、この様な
シールド・ビルに用いられる金属系のシールド材は電波
をほゞ100%反射することによって機能するために、
反射された電波が更に他に悪影響を及ぼす等の問題や、
無線LAN等のOA化に対しても十分でない等の問題が
見られる。即ち、電磁波シールドの場合、基本的には入
射される不要電磁波に対して反射作用を利用して、電子
機器筐体内に電磁波が侵入されるのを防ぐ事となる。そ
のためこの場合には、利用空間内に対して電磁波は何ら
かの意味で存在していることになり、2次的ノイズのも
とになってしまう。
【0005】一方、従来の電磁波吸収体の場合は、設計
段階から完全反射体である金属板からの反射レベルに対
して、幾何学的に同面積の電波吸収体層からの反射レベ
ルがどの程度低下するか、つまりは入射電磁波に対して
どの程度吸収されるかを考慮して製造される。そのため
この場合には、利用空間内に対して入射された電磁波は
存在しなくなる。そのため不要電磁波に対する根本的な
解決となり両者はその作用・構成等において明確に区別
される。
【0006】この電磁波吸収体としては、最も基本的な
ものとして構造的に単純な金属で裏打ちした1層型電波
吸収体がある。一般にはゴム材料に炭素粒子を混入した
1層型ゴムシート電波吸収体が多い。さらには、表面層
と吸収層を有する2層型電波吸収体がある。これは、グ
ラファイト含有発泡スチロールや炭化ケイ素FRPを用
いた電波吸収体が多い。
【0007】さらには、電波暗室に使用する電波吸収体
のように広帯域性を必要とする多層型電波吸収体があ
る。これは構造形態より、ピラミッド形のものやウエッ
ジ形のものに区分される。薄膜多層構造電磁波吸収体と
しては、例えば日本エネシス株式会社の「フレクステ
ル」(商品名)がある。これは、15種類を超える素材
を施工状況から組み合わせを決定し製造する。さらに各
層は特殊な熱可塑性接着剤で強固に結合させるものであ
り、施工後の修正あるいはその場での修正は不可能であ
る。また、周波数に応じた形態にならざるをえず、構成
材料を別にそれぞれ用意しておく必要が生じる。また、
最近は携帯電話を中心としたミリ波帯を意識した電波の
需要が急速に進み、それに伴ないミリ波帯(特に60G
Hz、90GHz)における電波吸収体の研究開発も盛
んに行なわれている。この場合一般には抵抗皮膜型電波
吸収体が多くある。
【0008】一方、無線LANの進展に伴い建物全体を
無線障害より保護するための工夫がなされたインテリジ
ェントビルや各家庭におけるパーソナルコンピュータ同
士を無線で接続するに従って、混信や無線乱反射を何ら
かの手段によって防ぐ工夫が必要となる。その一つの策
として、家屋ボード壁面あるいは天井や窓に電波吸収機
能を盛り込んだ建材が必要となる。建材ボードの場合に
は表面に化粧紙が施され、意匠性を高める目的がある。
その下地に直接あるいは間接的に電波吸収体を施工する
場合には、従来は充分な湿度を保てず、むれによって壁
面に黴を発生させてしまうなどのクレームとなってい
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、家屋壁面あるいは天井に電波吸収機能を盛
り込んだ建材において表面化粧を施しても充分な蒸気浸
透性を保った透湿型電波吸収体を得ることである。さら
に高周波(1GHz〜70GHz)対応の電波吸収体に
おいて、なるべく薄く、軽量・安価で、高効率、広帯域
の電波吸収能を持つとともに、施工の容易さをも実現す
ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の「電波吸収体」は、 (1) 電波及び/または電磁波を吸収するための電波
吸収層単層からなる電波吸収体であって、電波吸収層に
孔径0.001μm〜5mmの微細な孔が設けられてい
ることを特徴とする電波吸収体。 (2) 電波及び/または電磁波を吸収するための電波
吸収層と、電波吸収層で吸収された電波や電磁波を熱エ
ネルギーに変換する役目をする熱伝達変換層とから構成
された電波吸収体であって、少なくとも電波吸収層に孔
径0.001μm〜5mmの微細な孔が設けられている
ことを特徴とする電波吸収体。 (3) 電波及び/または電磁波を吸収するための電波
吸収層単層からなる電波吸収体であって、電波吸収層に
孔径0.01μm〜1mmの微細な孔が設けられている
ことを特徴とする電波吸収体。 (4) 電波及び/または電磁波を吸収するための電波
吸収層と、熱伝達変換層とから構成された電波吸収体で
あって、少なくとも電波吸収層に孔径0.01μm〜1
mmの微細な孔が設けられていることを特徴とする電波
吸収体。 (5) 電波及び/または電磁波を吸収するための電波
吸収層と、熱伝達変換層とから構成された電波吸収体で
あって、前記電波吸収層を2層以上とし、各層間に易接
着層を設け、且つ少なくとも前記電波吸収層に孔径0.
001μm〜5mmの微細な孔が設けられていることを
特徴とする電波吸収体。 (6) 熱伝達変換層が有機繊維や無機繊維を用いた高
熱伝導性樹脂シートであることを特徴とする(2)、
(4)または(5)に記載の電波吸収体。 (7) 電波吸収層に使用している固定層材料が溶けに
くい溶媒に溶解する塩結晶を予め固定層材料に分散ある
いは練り込んだものを電波吸収層として成形した後に、
溶媒で溶解させて孔径0.001μm〜5mmの微細な
孔を少なくとも電波吸収層に設けることを特徴とする
(1)、(2)、(3)、(4)、(5)または(6)
に記載の電波吸収体の製造方法。としたのである。本発
明で製造した電波吸収層は単層で用いても良いし、電波
吸収特性の異なる各種電波吸収層を易接着層を介して複
数積層させて用いても良い。吸収効率と電磁波周波数に
応じて、各層に機能分離するほうがより有利であり、こ
れにより帯域も広がり高周波全域を無駄無く吸収するこ
とが可能となる。
【0011】また、本発明の「電波吸収体」は、上記構
成において更に、熱伝達変換層が有機繊維や無機繊維を
用いた高熱伝導性樹脂シートから成る構成としても良
い。熱伝達変換層は、一般にはアルミニウムや銅などの
金属板、金属ネット、アルミホイルを複合加工して製品
としているが、軽量かつ放熱性および熱伝導率の点から
炭素繊維等の有機繊維等を用いた高熱伝導性樹脂シート
を用いても良い。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電波吸収体につい
て、実施の形態を説明する。
【0013】先ず本発明の電波吸収体の典型的な構造を
図1、図2及び図3を引用して説明する。図1は本発明
の電波吸収体の一実施例の断面図である。図1の電波吸
収体7は、微細な孔9が設けられた電波吸収層8と熱伝
達変換層5とを易接着層2を介して積層された構成であ
り、接着剤層10を介して化粧紙11と積層されている
建材用途の一例である。図2は本発明の電波吸収体の一
実施例の断面図である。図2の電波吸収体7は、微細な
孔9が設けられた電波吸収層8単独からなる構成であ
り、接着剤層10を介して化粧紙11と積層されている
建材用途の一例である。図1、図2において、意匠性に
問題が無ければ、電波吸収体7だけでも良く、わざわざ
電波吸収体7に接着剤層10を介して化粧紙11を積層
しなくても良い。また、図3は本発明の電波吸収体の一
実施例の分解した構成を示す斜視図である。図3の電波
吸収体は、微細な孔9が設けられた電波吸収層A1と微
細な孔9が設けられた電波吸収層B3と微細な孔9が設
けられた電波吸収層C4と熱伝達変換層5とをそれぞれ
易接着層2を介して積層された構成である。電波吸収層
A1と電波吸収層B3と電波吸収層C4はいずれも、角
部を切断され、剥離用切り込み6が形成されている。
【0014】以下、これら各層について更に詳述する。
【0015】(電波吸収層)電波及び/または電磁波を
吸収するための電波吸収層は、軽量化を意識した材料を
用いるのが好ましい。すなわち、一般にはフェライトを
中心とした磁性金属類が用いられるが、ここではさらな
る軽量化を実現するために、カーボン粉体(カーボンブ
ラック)あるいは希土類粉体または磁性スピンを有する
Co、Feなどを中心金属とした有機金属錯体類などを
用いる。これらを固定させ電波吸収層を作製する方法に
は、主に圧延ロール法とホットプレス法がある。ここで
は、実験室レベルで簡便で、異方性の生じにくいホット
プレス法によった。
【0016】ホットプレス法は、ゴムなどの結着用材料
に対するカーボンブラック及び岩塩等の塩結晶、トルエ
ン等の有機溶剤の混合比を変化させ混入し、これをペイ
ントロールで混合した後、スペーサで厚みを各種調整し
てホットプレスすることにより製作する。もちろんカー
ボンブラックの代わりに希土類粉体または磁性スピンを
有するCo、Feなどを中心金属とした有機金属錯体類
などを結着用材料に分散、練り込んでも良い。また分
散、混合する代わりにカーボンブラックあるいは希土類
粉体または磁性スピンを有するCo、Feなどを中心金
属とした有機金属錯体類を結着用材料で含浸させ硬化結
着させる方法や含浸させ硬化結着させながら、スペーサ
で厚みを各種調整してホットプレスや圧延ロールにより
製作することもある。
【0017】結着用材料としては、エポキシ変性ウレタ
ンゴム等の各種ゴム類、シリコーン、各種の合成樹脂が
用いられる。例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン
樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリブテン樹脂、エチ
レン−プロピレン共重合樹脂、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重
合樹脂等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート
樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン
ナフタレート、エチレン−テレフタレート−イソフタレ
ート共重合樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー
等のポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチ
ル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エチル樹脂、ポリ(メ
タ)アクリル酸ブチル樹脂、(メタ)アクリル酸メチル
−(メタ)アクリル酸ブチル共重合樹脂等のアクリル樹
脂、ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリア
ミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、セロファン、ポリス
チレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹
脂、ポリイミド樹脂、エポキシフェノール樹脂、エポキ
シ樹脂、エポキシウレタン変性樹脂、又はフェノール樹
脂等である。上記の内、エポキシ変性ウレタンゴム、シ
リコーン、エポキシフェノール樹脂、エポキシウレタン
変性樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂などを用いる
のが好ましい。
【0018】混合、分散するための分散機は、前記した
ペイントロール以外にもペイントシェーカ、ビーズミ
ル、アトライターなどを用いても良い。スペーサで設計
厚みに調整してホットプレスによって作製する際、例え
ば、設計数値等に関しては橋本修等の論文を参考に分散
調合を決定していった。(橋本修等:電子情報通信学会
論文誌 B Vol.J82−B No.3 pp.4
69−475 1999年3月)
【0019】電波吸収層に孔径0.001μm〜5mm
の微細な孔を多数設ける意味は、建材ボードの場合には
表面に化粧紙が施され、意匠性を高める必要がある。表
面は紙であるので蒸気通過性能が保持されているが、そ
の下地に直接あるいは間接的に電波吸収体を施工した場
合その層間で蒸気が溜まり、むれの状態が存在すること
で湿度の高まる日本の梅雨に黴が発生するという結果と
なってしまう。そこで充分な蒸気通過性能を電波吸収体
自身に保持させるために工夫した。一方、蒸気通過性能
を持たせるためには何らかの方法で孔を設ける必要があ
るが、孔が5mmより大きい場合は、孔を通過する漏れ
電流(電波)や共振構造が保てず電波吸収能が阻害され
る。さらに、孔が0.001μmより小さい場合には充
分な蒸気通過性能が保持されず結果的に孔を設けない場
合と同等の機能となってしまう。その孔の最適径が0.
01μmから1mmである。次に、孔を設ける方法であ
るが、これは紙おむつやフィルター作製に使用されてい
る方法を電波吸収体への加工へ応用展開する事を考え
た。すなわち、電波吸収層に使用している固定層材料の
水に対する溶解差が充分にとれる塩結晶を予め固定層樹
脂に分散あるいは練り込んだ後に成形加工後、水槽に浸
透あるいは水蒸気圧溶解させて孔径0.001μm〜5
mmの微細な孔を多数設けることによって製造する。孔
径は微結晶の種類や結晶径、または分散処理時の時間や
ミーリング処理によって、また、成形後の水槽へ漬け込
む時間や水蒸気圧またはその処理時間によって制御可能
である。言うまでもないが、樹脂に水溶性のものを使用
した場合は塩に有機溶媒溶解性の高い塩を用い、浸透処
理する溶媒も有機溶媒を用いればよい。
【0020】カーボンブラックあるいは希土類粉体また
は磁性スピンを有するCo、Feなどを中心金属とした
有機金属錯体類などの種類や混合比や電波吸収層の厚み
や孔の大きさによって、電波吸収特性の異なる各種電波
吸収層を作製できる。さらにこのようにして製造した電
波吸収特性の異なる各種電波吸収層は用途に応じて施工
場所に適切な電波吸収特性の電波吸収層単層で用いる場
合と、易接着層2を介して電波吸収特性の異なる各種電
波吸収層を複数積層させて用いる場合とがある。吸収効
率と電磁波周波数に応じて、各層に機能分離するほうが
より有利であり、これにより一層帯域も広がり高周波全
域を無駄無く吸収することが可能となる。
【0021】(熱伝達変換層)熱伝達変換層5は、一般
にはアルミニウムや銅などの金属板、金属ネット、アル
ミホイル、を複合加工して製品としている。その他、軽
量かつ放熱性および熱伝導率の点から、有機繊維または
無機繊維を用いた高熱伝導性樹脂シートを用いると良
い。
【0022】これは炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊
維等の特殊な繊維の繊維方向を制御して高濃度で整列さ
せエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂で硬
化させることによって得られる。例えば、日機装株式会
社の商品名 MATELIGHT(炭素繊維強化プラス
チック、アラミド繊維強化プラスチック、ガラス繊維強
化プラスチック)やポリマテック株式会社の繊維配向複
合材などを使用するのがよい。この炭素繊維は、レーヨ
ン系、ポリアクリロニトリル(PAN)系、フェノール
樹脂系、石炭ピッチ系、石油ピッチ系など、各種の炭素
繊維が使用でき、そして、通常、繊維直径が2〜30μ
m程度、平均繊維長さが0.1〜10mm程度のものを
使用するのが好ましい。
【0023】ここで炭素繊維、アラミド繊維(芳香族ポ
リアミド繊維)、ガラス繊維等の特殊な繊維の繊維方向
を制御しないでエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬
化性樹脂で硬化させても良い。熱硬化性樹脂は、例え
ば、エポキシ樹脂、BMI系樹脂(フェノール樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂など)、ポリイミド
樹脂等の一般の熱硬化性樹脂であり、特に限定されるも
のではない。なお、熱硬化性樹脂には、必要に応じて、
硬化剤等の配合剤を配合することができる。また、エポ
キシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂の代わり
に、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサル
ファイド等の熱可塑性樹脂を使用しても良い。特殊な繊
維としては綿、麻、竹、木等の植物原料から得た繊維
(セルロースパルプを含む)等の天然有機繊維、または
炭化珪素繊維、金属繊維、セピオライト、石綿等の天然
乃至は人造無機繊維や、ポリエステル、ポリアクリロニ
トリル、ポリビニールアルコール、ポリプロピレン、ポ
リアミド繊維等の人造有機繊維も使用できる。
【0024】さらに、本発明では電波吸収層に孔があい
ているのは当然ですが、熱伝達変換層5にも孔が開いて
いるほうが透湿性が確実に確保できるので有利である。
熱伝達変換層に孔を開ける場合の孔径は、電波吸収層の
孔径の範囲と同等にすれば良い。孔の開口率は60%以
下、最適には30%程度で60%を超えると熱変換効率
が落ちる。
【0025】また、請求項5の発明の「電波吸収体」
は、図3におけるように、微細な孔9が設けられた電波
吸収層A〜Cと熱伝達変換層5の各層間に易接着層2を
もたせたものでも良く、これにより施工場所における電
磁波到達度合いに応じて最適な電磁波吸収面を、剥離用
切り込み6を指標に剥離することで容易に作り出すこと
が可能となる。
【0026】易接着層2の一例としては、信越化学株式
会社製のアクリルシリコーンエマルジョン溶液を溶媒
(トルエンとアセトンの1:1混合溶媒)で5%に希釈
したものをメイヤーバーや各種コーティング法によって
1〜25μmの厚さに塗布して形成する。また、易接着
層2の材料としての樹脂(バインダー)には、ポリビニ
ルアルコール単独あるいはその部分ケン化品(商品名
ポバール)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体を使用でき、接着力の強弱を調
整するためシリコーン油等のシリコーン類を数%含有す
ればよい。さらには、シリコーン油のみならず、シラン
カップリング剤単独あるいはその加水分解物を数%含有
させても良い。(東芝シリコン株式会社製) 各層を積層して貼り合わせ電波吸収体7を構成させる。
さらに施工現場において、電波吸収層A1を剥離用切り
込み6に従って剥離したが、容易に剥離でき、電波吸収
層B3を最表面に持ってくることもできた。
【0027】
【実施例】以下、本発明について、実施例により更に説
明する。
【0028】(実施例1)図1の如き構成の電波吸収体
7を次の様にして作製した。エポキシ変性ウレタンゴム
100g当たりにカーボンブラック3.09g、岩塩1
5g及び混練粘度を調整するためトルエンを添加してペ
イントロールで混合した後、スペーサで厚みを1.91
mmに調整してホットプレスによって作製したものを電
波吸収層とした 。この電波吸収層(膜)全体を水槽中
に約6時間沈め岩塩を充分に溶解させた。孔に関しては
目視で表面変化を確認した。さらに、顕微鏡観察によっ
て0.1mmから1mm程度の微細な孔9を観察し、か
つ蒸気浸透性能は電波吸収層(膜)にした状態で蒸気浸
透試験法に従って行ない確認した。
【0029】熱伝達変換層5は、アルミホイル0.3m
m厚さをそのまま用いた。微細な孔9が設けられた電波
吸収層8と熱伝達変換層5との層間には易接着層2を設
けた。易接着層2は、信越化学株式会社製のアクリルシ
リコーンエマルジョン溶液を溶媒(トルエンとアセトン
の1:1混合溶媒)で5%に希釈したものをメイヤーバ
ーによって5μmの厚さに塗布して形成した。両層を積
層して貼り合わせ電波吸収体7を構成させた。
【0030】電波吸収特性はアドバンテスト法によって
行なった。この電波吸収体で構成の場合には1GHz〜
20GHz(測定限界のため)においてほぼフラットに
−20dBの吸収損失を確認した。微細な孔9が設けら
れていない場合と電波吸収特性を比較したが、特性に遜
色はなく電波吸収能を阻害することはなかった。
【0031】(実施例2)図3の如き構成の電波吸収体
を次の様にして作製した。エポキシフェノール樹脂10
0g当たりにカーボンブラック3.09g、岩塩15g
及び混練粘度を調整するためトルエンを添加してペイン
トロールで混合した後、スペーサで厚みを1.91mm
に調整してホットプレスによって作製したものを電波吸
収層A1とした 。エポキシフェノール樹脂100g当
たりにカーボンブラック2.08g、岩塩15g及び混
練粘度を調整するためトルエンを添加してペイントロー
ルで混合した後、スペーサで厚みを3.31mmに調整
してホットプレスによって作製したものを電波吸収層B
3とした 。エポキシフェノール樹脂100g当たりに
カーボンブラック2.68g、岩塩15g及び混練粘度
を調整するためトルエンを添加してペイントロールで混
合した後、スペーサで厚みを2.01mmに調整してホ
ットプレスによって作製したものを電波吸収層C4とし
た 。電波吸収層A〜Cの角部を斜めに切断して剥離用
切り込み6を設けた。これら電波吸収層A〜C(膜)全
体を水槽中に約6時間沈め岩塩を充分に溶解させた。孔
に関しては目視で表面変化を確認した。さらに、顕微鏡
観察によって0.1mmから1mm程度の微細な孔9を
観察し、かつ蒸気浸透性能は電波吸収層(膜)にした状
態で蒸気浸透試験法に従って行ない確認した。
【0032】熱伝達変換層5は、日機装株式会社の商品
名 MATELIGHT COMPOSITE(炭素繊
維強化プラスチック)0.3mm厚さをそのまま用い
た。微細な孔9が設けられた電波吸収層A〜Cと熱伝達
変換層5の各層間には易接着層2を設けた。易接着層2
は、信越化学株式会社製のアクリルシリコーンエマルジ
ョン溶液を溶媒(トルエンとアセトンの1:1混合溶
媒)で5%に希釈したものをメイヤーバーによって5μ
mの厚さに塗布して形成した。各層を積層して貼り合わ
せ電波吸収体7を構成させた。さらに電波吸収層A1を
剥離用切り込み6に従って剥離したが、容易に剥離で
き、電波吸収層B3を最表面に持ってくることができ
た。
【0033】電波吸収特性はアドバンテスト法によって
行なった。電波吸収層A、B、Cで構成の場合には1G
Hz〜20GHz(測定限界のため)においてほぼフラ
ットに−20dBの吸収損失を確認した。さらに、電波
吸収層B、Cの場合には5GHz〜20GHz(測定限
界のため)においてほぼフラットに−25dBの吸収損
失を確認した。さらに、電波吸収層Cの場合には15G
Hz〜20GHz(測定限界のため)において鋭い吸収
ピークが見られ、−35dBの吸収損失を確認した。微
細な孔9が設けられていない場合と電波吸収特性を比較
したが、特性に遜色はなく電波吸収能を阻害することは
なかった。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば新規な構成となる電波吸収体を提供できる。この発明
をすることで、蒸気通過性能を保持した軽量・安価で広
帯域化と施工の容易さを実現しうる電波吸収体を提供す
ることが可能になる。 この発明をすることで、家屋壁面あるいは天井に電波
吸収機能を盛り込んだ建材において化粧紙等の表面化粧
を施しても充分な蒸気浸透性を保った透湿型電波吸収体
の利用が可能となり、梅雨の時期においても建材壁面に
黴が発生することがない。さらには、同一ロットで製造
ができ、安価な電波吸収体を提供することが容易にな
る。同一ロットで構成されているので製造工程を一括管
理できる。 特に請求項5の発明では、施工場所における電磁波到
達度合いに応じて最適な電磁波吸収面を容易に作り出す
ことが可能となる。例えば屋内壁面への施工の場合に
は、窓面からの入射と天井面では電磁波の散乱・反射度
合いが異なる。その様な状況に対しても周波数等の電波
測定後に最適な電波吸収面まで剥離してその場で施工す
ればよい。また、施工面積にもよるが、壁面の様な場合
には予め大きさは規格化されているので不要の電波吸収
層は巻き取り回収することで再利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電波吸収体の一実施例の断面図であ
る。
【図2】本発明の電波吸収体の一実施例の断面図であ
る。
【図3】本発明の電波吸収体の一実施例の構成を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 電波吸収層A 2 易接着層 3 電波吸収層B 4 電波吸収層C 5 熱伝達変換層 6 剥離用切り込み 7 電波吸収体 8 電波吸収層 9 微細な孔 10 接着剤層 11 化粧紙

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電波及び/または電磁波を吸収するため
    の電波吸収層単層からなる電波吸収体であって、電波吸
    収層に孔径0.001μm〜5mmの微細な孔が設けら
    れていることを特徴とする電波吸収体。
  2. 【請求項2】 電波及び/または電磁波を吸収するため
    の電波吸収層と、熱伝達変換層とから構成された電波吸
    収体であって、少なくとも電波吸収層に孔径0.001
    μm〜5mmの微細な孔が設けられていることを特徴と
    する電波吸収体。
  3. 【請求項3】 電波及び/または電磁波を吸収するため
    の電波吸収層単層からなる電波吸収体であって、電波吸
    収層に孔径0.01μm〜1mmの微細な孔が設けられ
    ていることを特徴とする電波吸収体。
  4. 【請求項4】 電波及び/または電磁波を吸収するため
    の電波吸収層と、熱伝達変換層とから構成された電波吸
    収体であって、少なくとも電波吸収層に孔径0.01μ
    m〜1mmの微細な孔が設けられていることを特徴とす
    る電波吸収体。
  5. 【請求項5】 電波及び/または電磁波を吸収するため
    の電波吸収層と、熱伝達変換層とから構成された電波吸
    収体であって、前記電波吸収層を2層以上とし、各層間
    に易接着層を設け、且つ少なくとも前記電波吸収層に孔
    径0.001μm〜5mmの微細な孔が設けられている
    ことを特徴とする電波吸収体。
  6. 【請求項6】 熱伝達変換層が有機繊維や無機繊維を用
    いた高熱伝導性樹脂シートであることを特徴とする請求
    項2、4または5に記載の電波吸収体。
  7. 【請求項7】 電波吸収層に使用している固定層材料が
    溶けにくい溶媒に溶解する塩結晶を予め固定層材料に分
    散あるいは練り込んだものを電波吸収層として成形した
    後に、溶媒で溶解させて孔径0.001μm〜5mmの
    微細な孔を少なくとも電波吸収層に設けることを特徴と
    する請求項1、2、3、4、5または6に記載の電波吸
    収体の製造方法。
JP2000176241A 2000-06-13 2000-06-13 電波吸収体及びその製造方法 Withdrawn JP2001358490A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000176241A JP2001358490A (ja) 2000-06-13 2000-06-13 電波吸収体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000176241A JP2001358490A (ja) 2000-06-13 2000-06-13 電波吸収体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001358490A true JP2001358490A (ja) 2001-12-26

Family

ID=18677981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000176241A Withdrawn JP2001358490A (ja) 2000-06-13 2000-06-13 電波吸収体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001358490A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110702581A (zh) * 2019-10-23 2020-01-17 山东省科学院海洋仪器仪表研究所 一种强非均质多孔介质的多尺度渗透率计算方法
CN115304307A (zh) * 2022-08-19 2022-11-08 北京环境特性研究所 一种宽频吸波材料及其制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110702581A (zh) * 2019-10-23 2020-01-17 山东省科学院海洋仪器仪表研究所 一种强非均质多孔介质的多尺度渗透率计算方法
CN110702581B (zh) * 2019-10-23 2022-06-10 山东省科学院海洋仪器仪表研究所 一种强非均质多孔介质的多尺度渗透率计算方法
CN115304307A (zh) * 2022-08-19 2022-11-08 北京环境特性研究所 一种宽频吸波材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8573358B2 (en) Multilayer sound absorbing structure comprising mesh layer
JP6177110B2 (ja) 電波吸収体
JP2007299907A (ja) 電磁波を伝導又は吸収する特性を有する構造体
JP2002164690A (ja) 電磁波吸収吸音板
JP4371426B2 (ja) 室内用木質系磁性電波吸収ボード
JP2001358490A (ja) 電波吸収体及びその製造方法
JPH08274492A (ja) 電磁波シールド材
JP3076473B2 (ja) 積層型電波反射防止体及び電波反射防止方法
JP4318333B2 (ja) 電波吸収建材
JP3159558B2 (ja) 電波反射防止体及び電波反射防止方法
JP4879077B2 (ja) 電波吸収体
JP4195400B2 (ja) 電磁波吸収体の製造方法
CN213485520U (zh) 一种聚丙烯吸波片材
JP2002164688A (ja) 電波吸収体
JP4004096B2 (ja) 電波吸収体
CN210725890U (zh) 一种具有遮光效果的电磁屏蔽膜
JP2002084089A (ja) 電波吸収体
JP2002057486A (ja) 電波吸収体
JP2002026571A (ja) 電波吸収体
CN207638006U (zh) 三维电磁超材料
JP3287936B2 (ja) 電磁波シールド材
JP2001223492A (ja) 電波吸収体
JP2005167179A (ja) 電波吸収体用木質ボードおよびそのボードを用いた電波吸収体
JP2004134571A (ja) 吸音電磁波吸収材
JP2002026569A (ja) 電波吸収体

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070904