JP4318333B2 - 電波吸収建材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電波吸収建材に関し、特に、電波反射層と誘電体層と抵抗膜層とからなる電波吸収材において、誘電体層として無機質建材を用いた場合に、無機質建材の含水率の変化によって生じる電波吸収性能の変化を防止し、湿気や水分に影響されない安定した電波吸収性能を得るための新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より提案されてきたこの種の電波吸収建材としては、第1従来例としての特開平7−202472号公報に開示された構成は、無機質マトリクスに補強繊維とフェライト粉とを混合させてなる電波吸収体と電波反射体とを一体成型した電磁波シールド材であり、第2従来例としての特開平9−223890号公報に開示された構成は、抵抗膜とポリ(β−ヒドロキシプチレート)又はその共重合体からなる誘電体層とからなる抵抗膜型電波吸収体であり、第3従来例としての特開平8−307088号公報に開示された構成は、可視光線を透過する抵抗膜、可視光線を少なくとも一部透過する誘電体及び反射層からなる抵抗膜型電波吸収体であり、さらに、第4従来例としての特開平9−260886号公報に開示された構成は、炭素繊維を長さ方向に配列させてなる抵抗膜層と誘電体層(セメント、モルタル)と反射層とからなる建築物用電波吸収体である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電波吸収建材は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。すなわち、第1従来例の場合、無機マトリクス中に補強繊維とフェライト粉とを混合させてなる電波吸収体は多孔質であることから、湿度の変化や水分の付着等により含水率が変化し、電波吸収性能に変動を生じる危険がある。
第2従来例の場合、厚みのある誘電体層を構成する物質が有機物であることから、建材として使用した場合に、火災時の耐火性等に問題がある。第3従来例の場合、誘電体層はプラスチックからなるスペーサにより構成されているため、第2従来例と同様、火災時の耐火性等に問題がある。
さらに、第4従来例の場合、誘電体層に相当するコンクリート又はセメントモルタルに撥水剤を混合することにより、含水率の変化を低下させる技術が開示されている。コンクリート又はセメントに撥水剤を混合すれば、確かに含水率の変化は少なくなるものの十分とはいえず、実用上問題がある。
【0004】
従って本発明の目的は、耐火性に優れ、且つ湿度変化や外界の水分の影響により電波吸収性能に変動を受けない電波吸収建材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明による電波吸収建材は、金属箔又は金属板からなる電波反射層の上に、誘電体層として無機質建材に導電性物質が内添されてなり透湿率が2.0×10−8g/Pa・s・m以下でかつ両面に防水部が形成され多孔質の無機質建材層が設けられ、前記防水部は防水シート、又は、塗料を層状に施すか、又は、防水剤を含浸させることにより形成され、かつ前記無機質建材層の前記防水部の上には有機質バインダー中にカーボン粉またはカーボン繊維のうちの少なくとも1種類からなる導電性物質を分散させた構成で膜厚が10μm〜200μmで面抵抗が100Ω以上2000Ω以下である抵抗膜層が形成され、前記電波反射層及び抵抗膜層が、前記無機質建材層の両面の防水部を兼ねる構成であり、また、金属箔、金属板、穴あき金属板、金属メッシュの何れかからなる電波反射層の両面に、誘電体層として無機質建材に導電性物質が内添されてなり透湿率が2.0×10−8g/Pa・s・m以下でかつ前記電波反射層(3)と接する面とは反対側の面に防水部が形成され多孔質の無機質建材層が設けられ、前記防水部は防水シート、又は、塗料を層状に施すか、又は、防水剤を含浸させることにより形成され、前記各無機質建材層の前記防水部の上には有機質バインダー中にカーボン粉またはカーボン繊維のうちの少なくとも1種類からなる導電性物質を分散させた構成で膜厚が10μm〜200μmで面抵抗が100Ω以上2000Ω以下である抵抗膜層が形成され、前記各抵抗膜層が防水部を兼ねている構成である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による電波吸収建材の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本発明になる電波吸収建材の第1の実施形態を示したものである。図1において符号1で示されるものは、繊維補強セメント板、ケイ酸カルシウム板又は石膏板等の無機質建材により構成される無機質建材層である。この無機質建材層1は、建材としての軽量化のため多孔質であり、必要に応じてフェライト粉、金属粉、カーボン粉、カーボン繊維等の導電性物質内添することができる。前記無機質建材層1は、電波の入射方向に対し無機質建材層1の厚さをλ/4√εとし、その背後に電波反射層3を形成することにより、表面の入力インピーダンスは無限大となる。この無機質建材層1の表面に抵抗膜層2を形成することにより、抵抗膜層2の表面の入力インピーダンスは空間のインピーダンスと同じになる。これにより、無反射状態となり電波を吸収する。但し、λは電波の波長、εは無機質建材層1の誘電率である。この無機質建材層1の含水率が湿度変化や外界の水分の影響等により変化すると、誘電率が変化し電波吸収性能を変動させてしまうことから、前記無機質建材層1の含水率を一定に保つことが重要である。そのため、本発明において無機質建材層1の透湿率が2.0×10−8g/Pa・s・m以下(後述の各実施例で示される実験等により判明)であり、かつその両面に防水層又は防水材からなる防水部(図示せず)が設けられている。これにより、湿度変化や外界からの水分の影響による無機建材層1の含水率の変化を、電波吸収建材としての実用上問題を生じない範囲にとどめることができる。無機質建材層1の両面に防水部を設けることは、外界の水分の影響を防止するうえで必須要件である。また、無機質建材層1の透湿率が2.0×10−8g/Pa・s・mよりも大きいと、無機質建材層1の両面に防水部を設けたとしても、小口部からの吸放水により、小口部及びその近傍の含水率が変化し、電波吸収性能に変動を生じる危険がある。更に、建材の施工は施工現場において切断加工を伴うことから、例え電波吸収建材の製造時に小口に対して防水処理を行ったとしても十分ではない。従って、無機質建材層1は透湿率が2.0×10−8g/Pa・s・m以下であり、かつその両面に防水層を設けることが安定した電波吸収性能を得るうえで重要である。なお、無機質建材層1の両面に設けられる防水部は、防水シート、又は、塗料を層状に施すか、又は、防水剤を含浸させることにより形成される。
【0007】
前記無機質建材層1に電波が入射する側の第1面1aには、電気抵抗が面抵抗で10〜5000Ωである抵抗膜層2が形成される。ここでいう抵抗膜層とは、ある一定の面抵抗を有する被膜であり、面抵抗が10Ωを下回ると、抵抗膜層表面でうず電流が発生し、入射した電波が反射するという問題があり、5000Ωを上回ると、抵抗膜層が電波に対して透明な層として働き、抵抗膜型電波吸収体としての機能をなさないという問題がある。また面抵抗が10Ω以上の場合は、抵抗膜層表面でうず電流が発生し入射した電波が反射するという問題は大幅に低下し、実用上の問題はほぼ無くなるが、100Ω未満であると前記の問題点が完全に解消されるわけではなく、一方5000Ω以下であれば、抵抗膜層が電波に対して透明な層として働き抵抗膜型電波吸収体としての機能をなさないという問題はほぼ無くなるが、2000Ωを上回ると前記の問題点が完全に解消されるわけではない。従って抵抗膜層のより望ましい面抵抗は100Ω以上2000Ω以下である。
【0008】
前記抵抗膜層2は、有機バインダー中にカーボン粉、カーボン繊維、金属粉、金属繊維等の導電性物質を分散させた構成、あるいは、有機フィルム上に例えばITO(酸化インジュウム錫)をスパッタリング等で成膜して導電性膜を形成した構成からなる。前者の場合、その膜厚は1μm〜1000μm、更に好ましくは10μm〜200μmである。膜厚が1μmを下回ると、製造上膜厚の制御が困難になり、面抵抗のバラツキが大きくなるという問題があり、1000μmを上回ると、有機物占有量が増加し、建材として用いた場合の耐火性能が低下するという問題があることから好ましくなく、1μm以上の場合は、製造上膜厚の制御が困難になり面抵抗のバラツキが大きくなるという問題は大幅に低下し実用上の問題はほぼ無くなるが、10μm未満であると前記の問題点が完全に解消されるわけではなく、一方1000μm以下であれば、有機物占有量が増加し建材として用いた場合の耐火性能が低下するという問題はほぼ無くなるが、200μmを上回ると前記の問題点が完全に解消されるわけではない。次に後者の場合、導電性膜の厚さは、10Å以上1000Å以下、更に好ましくは100Å以上500Å以下である。すなわち膜厚が10Åを下回ると、製造上膜厚の制御が困難になり、面抵抗のバラツキが大きくなるという問題があり、1000Åを上回ると、面抵抗の減少により導電膜となり入射した電波が反射してしまうという問題があることから好ましくなく、10Å以上の場合は、製造上膜厚の制御が困難になり面抵抗のバラツキが大きくなるという問題は大幅に低下し実用上の問題はほぼ無くなるが、100Å未満であると前記の問題点が完全に解消されるわけではなく、一方1000Å以下であれば、面抵抗の減少により導電膜となり入射した電波が反射してしまうというという問題はほぼ無くなるが、500Åを上回ると前記の問題点が完全に解消されるわけではない。なお、導電性膜を成膜するための基材となる有機フィルムの厚さは特に限定されるものではないが、耐火性を考慮すれば1000μm以下が望ましい。また、前記電波反射層3は、金属箔、金属板、穴あき金属板、金属メッシュ等の何れかが使用される。
【0009】
なお、前述の抵抗膜層2が防水部を兼ねる場合、電波反射層3が防水部を兼ねる場合、抵抗膜層2が壁紙やその他の装飾用表面材を兼ねる場合も前述と同じ作用及び効果を得ることができる。尚、この場合、電波反射層3は防水用として前記金属箔及び金属板を用いることができる。
【0010】
図2は、本発明になる電波吸収建材の第2の実施形態を示したものである。図2において、電波反射層3の両面には無機質建材層1がそれぞれ設けられ、前記のそれぞれの無機質建材層1において電波反射層3と接する面とは反対側の面には防水部が設けられ、その上には抵抗膜層2が設けられている。これにより、両面から入射する電波に対して電波吸収が可能となる。なお、無機質建材層1、無機質建材層1に設けられる防水部、抵抗膜層2及び電波反射層3は、いずれも前記第1の実施形態と同一である。但し、無機質建材層1の電波反射層3と接する側の面に対しては、防水層を設ける必要はない。また、前述の抵抗膜層2が防水部を兼ねる場合、抵抗膜層2が壁紙やその他の装飾用表面材を兼ねる場合も前述と同じ作用及び効果を得ることができる。尚、この場合、前記電波反射層3は防水の必要はないため、前記金属箔、金属板の他に、前記穴あき金属板及び金属メッシュの何れかを用いることができる。
【0011】
【実施例】
(実施例1)
無機質建材層として抄造法により形成された厚さ8mmで、ASTM E96に準じて測定した透湿率が2.3×10−9g/Pa・s・mのケイ酸カルシウム板を用い、この両面に防水剤としてシリコーン系シラン化合物の浸透型吸水防止剤(商品名:アクアシール、住友精化 製)を100g/m2塗布した後乾燥し、防水部を形成した。この時ケイ酸カルシウム板の含水率は、室内放置した時の平衡含水率とほぼ等しい3.8%であった。次ぎに前記ケイ酸カルシウム板に片面に電波反射層として厚さ50μmのアルミ箔を接着した。また、もう一方の面に、ポリイミド樹脂に黒鉛粉を均一分散させカレンダーロールにてシート化した、厚さ100μmで表面抵抗値が500Ωとしたシートを接着して抵抗膜層を形成し、主として5.2GHz帯の電波を吸収することを目的とした電波吸収建材を得た。得られた電波吸収建材について、ホーンアンテナ法を用いて電波の反射損失を求めることにより電波吸収性能を測定した。その結果を図3に示す。次ぎに前記の電波吸収建材を、温度20℃−湿度90%の条件下において48時間放置したところ、無機質建材層であるケイ酸カルシウム板の含水率は小口部周辺において4.3%となった。この状態における小口部周辺の電波吸収性能は図3の通りであり、電波吸収性能が最大となる周波数帯は、平衡含水率時と比較して、やや低周波数帯側に移動したものの、5.2GHzでの電波吸収性能は22.5dBであり、実用上十分な電波吸収性能を有していた。
【0012】
(実施例2)
無機質建材層として加圧脱水法により形成された厚さ8mmで、ASTM E96に準じて測定した透湿率が1.2×10−9g/Pa・s・mのケイ酸カルシウム板を用いた。このケイ酸カルシウム板はMn−Zn系フェライト粉を30重量%及びカーボン繊維を0.2重量%含有しており、含水率は室内放置した時の平衡含水率とほぼ等しい2.2%であった。電波反射層として厚さ1mmのアルミニウム板を用い、この電波反射層の両面に、それぞれ前記ケイ酸カルシウム板を接着した。次ぎにそれぞれのケイ酸カルシウムの、電波反射層が接着されている面と反対側の面に、防水層を兼ねた変成シリコーンポリマー樹脂系接着剤(商品名:ボンドMPX−1、コニシボンド 製)を使用して、実施例1で抵抗膜層を形成するために用いたシートと同一の方法で製造された厚さ63μmで表面抵抗値が800Ωとしたシートを接着して抵抗膜層を形成し、2.45GHz帯の電波吸収を目的とした電波吸収建材を得た。得られた電波吸収建材の電波吸収性能を図4に示す。次ぎに前記の電波吸収建材を、温度20℃−湿度90%の条件下において48時間放置したところ、無機質建材層であるケイ酸カルシウム板の含水率は木口部周辺において2.5%となった。この状態における小口部周辺の電波吸収性能は図4の通りであり、電波吸収性能が最大となる周波数帯は、平衡含水率時と比較して、やや低周波数帯側に移動したものの、2.45GHzでの電波吸収性能は20dBであり、実用上十分な電波吸収性能を有していた。この電波吸収建材は、電波反射層を中心として面対称であり、吸収しようとする電波がどちら側から入射しても、同一の電波吸収性能を有していることを確認した。
【0013】
(実施例3)
実施例2の電波吸収建材の片側を、実施例1の構成によって形成し、電波反射層を中心として非対称の電波吸収建材を作製した。この非対称型の電波吸収建材は、実施例1の構成からなる側から入射する電波に対しては5.2GHz帯に対する電波吸収建材として作用し、実施例2の構成からなる側から入射する電波に対しては、2.45GHz帯に対する電波吸収建材として作用することを確認した。また湿度変化の影響についても、実施例1及び2と同様、実用上問題を有しないことを確認した。
【0014】
(実施例4)
無機質建材層として厚さ9.5mmで、ASTM E96に準じて測定した透湿率が1.3×10−8g/Pa・s・mの石膏ボードを用い、この両面に実施例1と同一の処理を行うことにより防水部を形成した。この時石膏ボードの含水率は、室内放置した時の平衡含水率とほぼ等しい0.5%であった。次ぎに前記石膏ボードの片面に電波反射層として厚さ50μmのアルミ箔を接着した。また、もう一方の面に、ポリイミド樹脂に黒鉛粉を均一分散させカレンダーロールにてシート化した、厚さ100μmで表面抵抗値が440Ωとしたシートを接着して抵抗膜層を形成し、主として5.2GHz帯の電波を吸収することを目的とした電波吸収建材を得た。得られた電波吸収建材の電波吸収性能を図5に示す。次ぎに前記の電波吸収建材を、温度20℃−湿度90%の条件下において48時間放置したところ、無機質建材層である石膏ボードの含水率は小口部周辺において0.7%となった。この状態における小口部周辺の電波吸収性能は図5の通りであり、電波吸収性能が最大となる周波数帯は、平衡含水率時と比較して、やや低周波数帯側に移動したものの、5.2GHzでの電波吸収性能は21dBであり、実用上十分な電波吸収性能を有していた。
【0015】
(比較例)
厚さが8mmで、ASTM E96に準じて測定した透湿率が2.8×10−8g/Pa・s・mのケイ酸カルシウム板を用い、実施例1と同一条件にて試験体を作製した。ただし、前記ケイ酸カルシウム板の含水率は3.8%であった。得られた電波吸収建材の電波吸収性能を図6に示す。次ぎに前記の電波吸収建材を、温度20℃−湿度90%の条件下において48時間放置したところ、無機質建材層であるケイ酸カルシウム板の含水率は小口部周辺において5.2%となった。この状態における小口部周辺の電波吸収性能は図6の通りであり、電波吸収性能が最大となる周波数帯は、平衡含水率時と比較して低周波数帯側に移動すると共に、5.2GHzでの電波吸収性能は4dBであり、平衡含水率時と比較して明らかな低下が認められた。前述の実施例においては5.2GHz帯域での場合について述べたが、無機質材層1の厚さ及び/もしくは誘電率を変更することにより、所望の周波数帯の電波を吸収することができることは述べるまでもないことである。
【0016】
【発明の効果】
本発明による電波吸収建材は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。すなわち、透湿率が2.0×10−8g/Pa・s・m以下でかつ両面に防水部が形成された無機質建材層の下面に電波反射層が、その上面には抵抗膜層が形成されているため、外部湿度や外部から何らかの形で与えられる水分による無機質建材層の含水率変動(増加)を防止し、かつ、その誘電率変動(増加)を防ぐことができ、これによって外部湿度の変動に無関係な安定した電波吸収特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による電波吸収建材の第1の実施形態を示す構成図である。
【図2】 本発明による電波吸収建材の第2の実施形態を示す構成図である。
【図3】 本発明の実施例1の電波吸収性能を示す特性図である。
【図4】 本発明の実施例2の電波吸収性能を示す特性図である。
【図5】 本発明の実施例4の電波吸収性能を示す特性図である。
【図6】 比較例の電波吸収性能を示す特性図である。
【符号の説明】
1 無機質建材層
2 抵抗膜層
3 電波反射層

Claims (2)

  1. 金属箔又は金属板からなる電波反射層(3)の上に、誘電体層として無機質建材に導電性物質が内添されてなり透湿率が2.0×10−8g/Pa・s・m以下でかつ両面に防水部が形成され多孔質の無機質建材層(1)が設けられ、前記防水部は防水シート、又は、塗料を層状に施すか、又は、防水剤を含浸させることにより形成され、かつ前記無機質建材層(1)の前記防水部の上には有機質バインダー中にカーボン粉またはカーボン繊維のうちの少なくとも1種類からなる導電性物質を分散させた構成で膜厚が10μm〜200μmで面抵抗が100Ω以上2000Ω以下である抵抗膜層(2)が形成され、前記電波反射層(3)及び抵抗膜層(2)が、前記無機質建材層(1)の両面の防水部を兼ねることを特徴とする電波吸収建材。
  2. 金属箔、金属板、穴あき金属板、金属メッシュの何れかからなる電波反射層(3)の両面に、誘電体層として無機質建材に導電性物質が内添されてなり透湿率が2.0×10−8g/Pa・s・m以下でかつ前記電波反射層(3)と接する面とは反対側の面に防水部が形成され多孔質の無機質建材層(1)が設けられ、前記防水部は防水シート、又は、塗料を層状に施すか、又は、防水剤を含浸させることにより形成され、前記各無機質建材層(1)の前記防水部の上には有機質バインダー中にカーボン粉またはカーボン繊維のうちの少なくとも1種類からなる導電性物質を分散させた構成で膜厚が10μm〜200μmで面抵抗が100Ω以上2000Ω以下である抵抗膜層(2)が形成され、前記各抵抗膜層(2)が防水部を兼ねていることを特徴とする電波吸収建材。
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