JP2001358241A - 電子部品収納用容器 - Google Patents

電子部品収納用容器

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JP2001358241A JP2000176773A JP2000176773A JP2001358241A JP 2001358241 A JP2001358241 A JP 2001358241A JP 2000176773 A JP2000176773 A JP 2000176773A JP 2000176773 A JP2000176773 A JP 2000176773A JP 2001358241 A JP2001358241 A JP 2001358241A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 封止温度の低温化のための銀燐酸系ガラスを
主成分とする封止材は、電気絶縁性が低く、配線導体層
が蓋体と絶縁基体との接合部をまたがる構造の電子部品
収納容器では、配線導体間の電気絶縁抵抗が低下し使用
できない。 【解決手段】 上面に電子部品3の搭載部1aを有する
絶縁基体1と、その搭載部1aを取り囲むように銀燐酸
系ガラスを主成分とする封止材6を介して接合される蓋
体2と、絶縁基体1の表面の搭載部1a近傍から蓋体2
との接合領域の外側にかけて形成され、搭載部1a側の
一端に電子部品3の電極が、他端に外部電気回路がそれ
ぞれ電気的に接続される配線導体層5とから成り、絶縁
基体1と蓋体2とから成る容器4内部に電子部品3を気
密に収容する電子部品収納用容器であって、配線導体層
5は、蓋体2との接合部が錫燐酸系ガラスを主成分とす
る電気絶縁層7で被覆されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体素子や圧電振
動子等の電子部品を気密に封止して収納するための電子
部品収納用容器に関し、特に封止材にガラスを用いて封
止を行う電子部品収納用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体集積回路素子をはじめとす
る半導体素子あるいは水晶振動子、弾性表面波素子とい
った圧電振動子等の電子部品を収容するための電子部品
収納用容器は、例えば酸化アルミニウム質焼結体等の電
気絶縁材料から成り、その上面の略中央部に電子部品を
搭載するための搭載部およびその周辺から下面にかけて
導出されたタングステンやモリブデン等の高融点金属か
ら成る複数個のメタライズ配線層を有する絶縁基体と、
それに対向する面の略中央部に電子部品を収容するため
の凹部を有する蓋体とから構成されている。
【0003】そして、電子部品が例えば圧電振動子の場
合には、絶縁基体の搭載部に圧電振動子の一端を導電性
エポキシ樹脂等から成る接着材を介して接着固定すると
ともに圧電振動子の各電極をメタライズ配線層に電気的
に接続し、しかる後、絶縁基体の上面に蓋体を低融点ガ
ラスから成る封止材を介して接合させ、絶縁基体と蓋体
とから成る容器内部に圧電振動子を気密に収容すること
によって最終製品としての電子部品装置と成る。
【0004】なお、絶縁基体に蓋体を接合させる封止材
としては、例えば酸化鉛56〜66重量%、酸化ホウ素4〜
14重量%、酸化珪素1〜6重量%、酸化亜鉛0.5〜3重
量%および酸化ビスマス0.5〜5重量%を含むガラス成
分に、フィラーとしてコージェライト系化合物を10〜20
重量%添加した鉛系ガラスが使用されている。
【0005】しかしながら、この従来の電子部品収納用
容器においては、絶縁基体に蓋体を接合させる封止材で
あるガラスの軟化溶融温度が400℃程度と高温であるこ
と、近時の電子部品は高密度化・高集積化に伴って耐熱
性が低下してきたこと等から、絶縁基体と蓋体とを封止
材を介して接合し、絶縁基体と蓋体とから成る容器内部
に電子部品を気密に収容した場合、封止材を溶融させる
熱が内部に収容する電子部品に作用して電子部品の特性
に劣化を招来させ、電子装置を正常に作動させることが
できないという問題点を有していた。
【0006】また、近年の地球環境保護運動の高まりの
中で、酸化鉛は環境負荷物質に指定されており、例えば
酸化鉛を含む電子装置が屋外に廃棄・放置され風雨に曝
された場合、環境中に鉛が溶けだし環境を汚染する可能
性があり、人体に対して有害である酸化鉛を用いない封
止材の開発が要求されるようになってきている。
【0007】このような問題点を解決するために、銀燐
酸系ガラスや錫燐酸系ガラスを主成分とする酸化鉛を含
まない低融点ガラスが検討されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在検
討されている銀燐酸系ガラスは、そのガラス軟化溶融温
度が350℃以下で封止工程での電子部品への熱負荷の面
では良好な特性を有するものの、室温での体積固有抵抗
値が105Ω・cm以下と電気絶縁性が低く、電子部品収
納用容器の薄型化を図る目的で、絶縁基体を平板状とし
絶縁基体上に配線導体層を配した、配線導体層が蓋体と
絶縁基体との接合部をまたがる構造の電子部品収納容器
では、配線導体間の絶縁抵抗値が低下してしまい、その
結果、封止材として使用できないという問題点を有して
いた。
【0009】また、錫燐酸系ガラスは、室温での体積固
有抵抗値が1010Ω・cm以上と電気絶縁性は良好である
が、そのガラス軟化溶融温度が400℃以上と高く、近時
の耐熱性の低下してきた電子部品には使用できないとい
う問題を有していた。
【0010】本発明は上記問題点に鑑み案出されたもの
で、その目的は、絶縁基体と蓋体とから成る容器の内部
に電子部品を気密に封止し、その特性に劣化を招来する
ことがなく、電子部品を長期間にわたり正常かつ安定に
作動させることができる電子部品収納用容器を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の電子部品収納用
容器は、上面に電子部品の搭載部を有する絶縁基体と、
その絶縁基体の上面に搭載部を取り囲むように銀燐酸系
ガラスを主成分とする封止材を介して接合される蓋体
と、絶縁基体表面の搭載部近傍から蓋体との接合領域の
外側にかけて形成され、搭載部側の一端に電子部品の電
極が、他端に外部電気回路がそれぞれ電気的に接続され
る配線導体層とから成り、絶縁基体と蓋体とから成る容
器内部に電子部品を気密に収容する電子部品収納用容器
であって、配線導体層は、蓋体との接合部が錫燐酸系ガ
ラスを主成分とする電気絶縁層で被覆されていることを
特徴とするものである。
【0012】また、本発明の電子部品収納用容器は、電
気絶縁層が五酸化燐35〜55重量%、一酸化錫20〜40重量
%、酸化亜鉛10〜20重量%、酸化アルミニウム2〜4重
量%、酸化珪素1〜3重量%および酸化硼素1〜6重量
%から成るガラス成分にフィラーとしてコージェライト
系化合物を外添加で16〜45重量%添加したものから成る
ことを特徴とするものである。
【0013】さらに、本発明の電子部品収納用容器は、
封止材が酸化銀20〜40重量%、ヨウ化銀5〜20重量%、
五酸化燐20〜30重量%、酸化ホウ素5〜15重量%および
酸化亜鉛1〜6重量%から成るガラス成分にフィラーと
して燐酸ジルコニウムと酸化ジルコニウムと酸化ニオブ
との固溶体を外添加で10〜30重量%添加したものから成
ることを特徴とするものである。
【0014】本発明の電子部品収納用容器によれば、絶
縁基体と蓋体とを銀燐酸系ガラスを主成分とする封止材
で接合したことから、その封止温度を350℃以下とする
ことができ、絶縁基体と蓋体とを封止材を介して接合さ
せ、絶縁基体と蓋体とから成る容器内部に電子部品を気
密に収容する際、封止材を溶融させる熱が内部に収容す
る電子部品に作用しても電子部品の特性に劣化を招来す
ることはなく、その結果、電子部品を長期間にわたり正
常、かつ安定に作動させることが可能となる。
【0015】また、本発明の電子部品収納用容器によれ
ば、配線導体層の封止材との接合部を室温での体積固有
抵抗値が1010Ω・cm以上の錫燐酸系ガラスを主成分と
する電気絶縁層で覆ったことから、銀燐酸系ガラスを主
成分とする封止材での電気絶縁性の問題が発生せず、電
子部品を長期間にわたり正常、かつ安定に作動させるこ
とが可能となる。
【0016】さらに、本発明の電子部品収納用容器によ
れば、電気絶縁層を形成するガラスの軟化溶融温度が43
0℃以下であり配線導体層を電気絶縁層で被覆する際の
熱で配線導体層の熱的な劣化を引き起こすこともなく、
電子部品を電気的に良好に接続することが可能であると
ともに電子部品を長期間にわたり正常かつ安定に作動さ
せることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明を添付の図面に基づ
き詳細に説明する。
【0018】図1は本発明の電子部品収納用容器の実施
の形態の一例を示す断面図である。この図においては電
子部品が水晶振動子等の圧電振動子であり、電子部品収
納用容器が圧電振動子収納用容器である場合の例を示し
ている。
【0019】この図において1は絶縁基体、2は蓋体で
あり、主にこれらで圧電振動子3を収容するための容器
4が構成される。
【0020】絶縁基体1は略長方形の平板で、その上面
の略中央部に圧電振動子3を搭載するための搭載部1a
が設けてある。この搭載部1aには圧電振動子3が樹脂
から成る接着材を介してに接着固定される。
【0021】絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体
やムライト質焼結体・窒化アルミニウム質焼結体・窒化
珪素質焼結体・炭化珪素質焼結体等の電気絶縁材料から
成り、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合で
あれば、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウ
ム・酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダ
・溶剤・可塑剤・分散剤等を添加混合して泥漿物を作
り、この泥漿物を従来周知のドクターブレード法やカレ
ンダーロール法等のシート成形法を採用しシート状に成
形してセラミックグリーンシート(セラミック生シー
ト)を得、しかる後、それらセラミックグリーンシート
に適当な打ち抜き加工を施すとともにこれを複数枚積層
し、約1600℃の高温で焼成することによって製作され
る。
【0022】接着材は、例えば導電性エポキシ樹脂等か
ら成り、絶縁基体1の搭載部1aに接着材を介して圧電
振動子3を載置し、しかる後、接着材に熱硬化処理を施
し、熱硬化させることによって圧電振動子3を絶縁基体
1に接着固定させる作用を成す。
【0023】また、絶縁基体1には搭載部1a近傍から
側面を経て下面にかけて複数個のメタライズ配線層5が
被着形成されている。このメタライズ配線層5の上面搭
載部1aに位置する部位には圧電振動子3の各電極が上
記の導電性エポキシ樹脂等から成る接着材を介して電気
的に接続され、また絶縁基体1の底面に導出された部位
には外部電気回路(図示せず)の配線導体が半田等のロ
ウ材を介して取着される。
【0024】なお、メタライズ配線層5は、タングステ
ン・モリブデン・マンガン等の高融点金属粉末に適当な
有機溶剤・溶媒・可塑剤等を添加混合して得た金属ペー
ストを従来周知のスクリーン印刷法等の厚膜手法を採用
して絶縁基体1となるセラミックグリーンシートにあら
かじめ印刷塗布しておき、これをセラミックグリーンシ
ートと同時に焼成することによって絶縁基体1の搭載部
1a近傍から下面にかけて所定パターンに被着形成され
る。
【0025】なお、メタライズ配線層5は、その表面に
ニッケル・金等の良導電性で耐蝕性およびロウ材との濡
れ性が良好な金属をめっき法により1〜20μmの厚みに
被着させておくと、メタライズ配線層5の酸化腐蝕を有
効に防止することができるとともにメタライズ配線層5
と圧電振動子3との導電性樹脂による接続およびメタラ
イズ配線層5と外部電極とのロウ付けを極めて強固とな
すことができる。
【0026】さらに、絶縁基体1の上面には蓋体2が封
止材6を介して接合され、これによって絶縁基体1と蓋
体2とから成る容器4の内部に圧電振動子3が気密に収
容される。
【0027】封止材6は、酸化銀20〜40重量%、ヨウ化
銀5〜20重量%、五酸化燐20〜30重量%、酸化ホウ素5
〜15重量%および酸化亜鉛1〜6重量%から成るガラス
成分にフィラーとして燐酸ジルコニウムと酸化ジルコニ
ウムと酸化ニオブとの固溶体を外添加で10〜30重量%添
加したものから成り、そのガラス軟化点が350℃以下と
低くことから、絶縁基体1と蓋体2とを封止材6を介し
て接合させ、絶縁基体1と蓋体2とから成る容器4内部
に圧電振動子3を気密に収容する際、封止材6を溶融さ
せる熱が内部に収容する圧電振動子3に作用してもその
特性に劣化を招来することはなく、その結果、圧電振動
子3を長期間にわたり正常、かつ安定に作動させること
が可能となる。
【0028】なお、封止材6のガラス成分は、酸化銀の
量が20重量%未満であるとガラスの軟化溶融温度が高く
なって、低温での容器4の気密封止が困難となる傾向が
あり、他方、40重量%を超えるとガラスの軟化溶融温度
が低下して、圧電振動子3を外部電気回路基板に実装す
る際の熱によって封止材6が軟化溶融して、容器4の気
密封止の信頼性が大きく低下してしまう傾向がある。し
たがって、酸化銀の量は20〜40重量%の範囲であること
が好ましい。
【0029】また、ヨウ化銀の量は5重量%未満である
とガラスの軟化溶融温度が高くなって、低温での容器4
の気密封止が困難となる傾向があり、他方、20重量%を
超えると、ガラスの耐薬品性が低下し、容器4の気密封
止の信頼性が大きく低下してしまう傾向がある。したが
って、ヨウ化銀の量は5〜20重量%の範囲であることが
好ましい。
【0030】五酸化燐の量が20重量%未満であるとガラ
スの軟化溶融温度が高くなって、低温での容器4の気密
封止が困難となる傾向があり、他方、30重量%を超える
とガラスの耐薬品性が低下し、容器4の気密封止の信頼
性が大きく低下してしまう傾向がある。したがって、五
酸化燐の量は20〜30重量%の範囲であることが好まし
い。
【0031】酸化ホウ素が5重量%未満であるとガラス
の結晶化が進み低温での容器4の気密封止が困難となる
傾向にあり、他方、15重量%を超えるとガラスの耐薬品
性が低下し、容器4の気密封止の信頼性が大きく低下し
てしまう傾向がある。したがって、酸化ホウ素の量は5
〜15重量%の範囲であることが好ましい。
【0032】酸化亜鉛が1重量%未満であるとガラスの
耐薬品性が低下し、容器4の気密封止の信頼性が大きく
低下してしまう傾向があり、他方、6重量%を超えると
ガラスの結晶化が進み低温での容器4の気密封止が困難
となる傾向にある。したがって、酸化亜鉛の量は1〜6
重量%の範囲であることが好ましい。
【0033】また、燐酸ジルコニウム・酸化ジルコニウ
ム・酸化ニオブ固溶体のフィラーは封止材6の熱膨張係
数を調整し、絶縁基体1および蓋体2に封止材6を強固
に接合させ、容器4の気密信頼性を大きく向上させると
ともに封止材6の機械的強度を向上させる作用をなす。
このフィラーの含有量が10重量%未満であると封止材6
の機械的強度が低下するとともに封止材6の熱膨張係数
が絶縁基体1および蓋体2の熱膨張係数に対して大きく
相違して封止材6を絶縁基体1および蓋体2に強固に接
合させることができなくなる傾向がある。他方、30重量
%を超えると封止材6の流動性が低下して、低温での気
密封止が困難と成る傾向にある。したがって、フィラー
の含有量は10〜30重量%の範囲であることが好ましい。
【0034】また、本発明では、配線導体層5の蓋体2
との接合部を電気絶縁層7で被覆することが重要であ
る。
【0035】電気絶縁層7は、その体積固有抵抗値が10
10Ω・cm以上と高く、銀燐酸系ガラスを主成分とする
封止材6を使用したとしても電気絶縁性の問題が発生す
ることはなく、電子部品を長期間にわたり正常、かつ安
定に作動させることが可能となる。
【0036】このような電気絶縁層7は、配線導体層5
の電気絶縁性を確保するために、配線導体層5の蓋体2
との接合部に配線導体層5の各辺よりも少なくとも0.2
mmを超える広いものとするとともに電気絶縁層7の上
面に被着形成される封止材6の各辺よりも少なくとも0.
2mmを超える広いものとすることが好ましく、0.2mm
未満であると配線導体層5の電気絶縁性を確保すること
が困難と成る傾向がある。また、電気絶縁層7の厚み
は、10〜100μmの厚みとなるように被覆することが好
ましく、10μmよりも薄いと配線導体層5の電気絶縁性
を確保することが困難と成る傾向があり、さらに、100
μmを超えると電気絶縁層7の強度が低下して、容器4
の気密封止の信頼性が低下する傾向がある。従って、電
気絶縁層7の厚みは10〜100μmの範囲とすることが好
ましい。
【0037】このような錫燐酸系ガラスを主成分とする
電気絶縁層7は、五酸化燐35〜55重量%、一酸化錫20〜
40重量%、酸化亜鉛10〜20重量%、酸化アルミニウム2
〜4重量%、酸化珪素1〜3重量%および酸化硼素1〜
6重量%から成るガラス成分にフィラーとしてコージェ
ライト系化合物を外添加で16〜45重量%添加したものか
ら成ることから、軟化溶融温度が430℃以下と低温であ
り配線導体層5を錫燐酸系ガラスを主成分とする電気絶
縁層7で被覆する際の熱で配線導体層5の熱的な劣化を
引き起こすことはなく、圧電振動子3を電気的に良好に
接続することが可能となり、電子部品を長期間にわたり
正常かつ安定に作動させることが可能となる。
【0038】なお、錫燐酸系ガラスを主成分とする電気
絶縁層7のガラス成分は五酸化燐の量が35重量%未満で
あるとガラスの軟化溶融温度が高くなり、低温でのガラ
ス溶着が困難になる傾向があり、他方55重量%を超える
とガラスの耐薬品性が劣化し、気密封止の信頼性が低下
してしまう傾向がある。したがって、五酸化燐の量は35
〜55重量%の範囲であることが好ましい。
【0039】また、一酸化錫の量が20重量%未満である
とガラスの軟化溶融温度が高くなり、低温でのガラス溶
着が困難になる傾向があり、他方40重量%を超えるとガ
ラスの耐薬品性が劣化し、気密封止の信頼性が低下して
しまう傾向がある。したがって、一酸化錫の量は20〜40
重量%の範囲であることが好ましい。
【0040】酸化亜鉛の量が10重量%未満であるとガラ
スの軟化溶融温度が高くなり、低温でのガラス溶着が困
難になる傾向があり、他方20重量%を超えるとガラスの
結晶化が進み、低温でのガラス溶着が困難になる傾向が
ある。したがって、酸化亜鉛の量は10〜20重量%の範囲
であることが好ましい。
【0041】酸化アルミニウムの量が2重量%未満であ
るとガラスの耐薬品性が劣化し、気密封止の信頼性が低
下してしまう傾向があり、他方4重量%を超えるとガラ
スの軟化溶融温度が高くなり、低温でのガラス溶着が困
難になる傾向がある。したがって、酸化アルミニウムの
量は2〜4重量%の範囲であることが好ましい。
【0042】酸化珪素の量が1重量%未満であるとガラ
スの熱膨張係数が大きくなり、絶縁基体および封止材と
の膨張の不整合により気密封止の信頼性が著しく低下す
る傾向があり、他方3重量%を超えるとガラスの軟化溶
融温度が高くなり、低温でのガラス溶着が困難になる傾
向がある。したがって、酸化珪素の量は1〜3重量%の
範囲であることが好ましい。
【0043】酸化硼素の量が1重量%未満であるとガラ
スの軟化溶融温度が高くなり、低温でのガラス溶着が困
難になる傾向があり、他方6重量%を超えるとガラスの
耐薬品性が劣化し、気密封止の信頼性が低下してしまう
傾向がある。したがって、酸化硼素の量は1〜6重量%
の範囲であることが好ましい。
【0044】また、コージェライト系化合物フィラーは
16〜45重量%の範囲で添加することが好ましく、フィラ
ーの含有量が16%未満であると絶縁基体1と封止材6と
の熱膨張量の不整合により気密封止の信頼性が著しく低
下する傾向があり、他方45重量%を超えるとガラスの低
温での流動性が悪くなり、低温でのガラス溶着が困難に
なる傾向がある。したがって、フィラーの含有量は16〜
45重量%の範囲であることが好ましい。
【0045】このような電気絶縁層7は、配線導体層5
を絶縁基体1に被着形成後、錫燐酸系ガラスを従来周知
のスクリーン印刷法等を採用して配線導体層5の蓋体2
との接合部に印刷し、錫燐酸系ガラスの軟化溶融温度で
焼成することにより、配線導体層5の蓋体2との接合部
に溶融被着させることにより形成される。
【0046】また、絶縁基体1と蓋体2との接合封止
は、上述の電気絶縁層7を溶融被着させた絶縁基体1の
蓋体2との接合領域に封止材6を従来周知のスクリーン
印刷法等を採用して予め被着させておき、封止材6の軟
化溶融温度で焼成し、絶縁基体1の蓋体2との接合領域
に溶融被着しておき、次に、絶縁基体1の搭載部1aに
圧電振動子3を接着材を介して接着固定し、しかる後、
絶縁基体1と蓋体2の接合面を貼り合わせて封止材6の
軟化溶融温度で接合することにより行なわれる。
【0047】なお、蓋体2は、酸化アルミニウム質焼結
体・窒化アルミニウム質焼結体・窒化珪素質焼結体・炭
化珪素質焼結体・ムライト質焼結体等の電気絶縁材料や
鉄−ニッケル−コバルト合金、鉄−ニッケル合金等の金
属材料から成り、蓋体2が、例えば酸化アルミニウム質
焼結体から成る場合、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸
化マグネシウム・酸化カルシウム等の原料粉末を所定の
プレス金型内に充填するとともに一定圧力で押圧して成
形し、しかる後、この成形品を約1500℃の温度で焼成す
ることによって製作される。
【0048】本発明においては、封止材6および電気絶
縁層7は、いずれも酸化鉛を含有していないことから地
球環境に負荷を与えることがない。
【0049】また、封止材6はガラス成分とフィラーと
から成り、耐湿性に優れていることから大気中に含まれ
る水分が封止材6を介して容器4の内部に侵入しようと
してもその水分の侵入は有効に阻止され、その結果、容
器4の内部に収容する圧電振動子3の表面電極が酸化腐
蝕されることはなく、圧電振動子3を正常に作動させる
ことも可能となる。
【0050】かくして本発明の電子部品収納用容器によ
れば、絶縁基体1の搭載部1aに圧電振動子3の一端を
導電性エポキシ樹脂等から成る接着材を介して接着固定
するとともに圧電振動子3の各電極をメタライズ配線層
5に電気的に接続させ、しかる後、絶縁基体1の搭載部
1aを覆うように蓋体2を封止材6を介して接合させ、
絶縁基体1と蓋体2とからなる容器4の内部に圧電振動
子3を気密に収容することによって最終製品としての圧
電振動装置が完成する。
【0051】なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であ
れば種々の変更は可能である。例えば上述の例では圧電
振動子を収容するための電子部品収納用容器を示した
が、本発明は圧電セラミック振動子や弾性表面波素子等
を収容するための電子部品収納用容器にも適用し得るも
のでる。
【0052】
【発明の効果】本発明の電子部品収納用容器によれば、
絶縁基体と蓋体とを銀燐酸系ガラスを主成分とする封止
材で接合したことから、その封止温度を350℃以下とす
ることができ、絶縁基体と蓋体とを封止材を介して接合
させ、絶縁基体と蓋体とから成る容器内部に電子部品を
気密に収容する際、封止材を溶融させる熱が内部に収容
する電子部品に作用しても電子部品の特性に劣化を招来
することはなく、その結果、電子部品を長期間にわたり
正常、かつ安定に作動させることが可能となる。
【0053】また、本発明の電子部品収納用容器によれ
ば、配線導体層の封止材との接合部を室温での体積固有
抵抗値が1010Ω・cm以上の錫燐酸系ガラスを主成分と
する電気絶縁層で覆ったことから、銀燐酸系ガラスを主
成分とする封止材での電気絶縁性の問題が発生せず、電
子部品を長期間にわたり正常、かつ安定に作動させるこ
とが可能となる。
【0054】さらに、本発明の電子部品収納用容器によ
れば、電気絶縁層を形成するガラスの軟化溶融温度が43
0℃以下であり配線導体層を電気絶縁層で被覆する際の
熱で配線導体層の熱的な劣化を引き起こすこともなく、
電子部品を電気的に良好に接続することが可能であると
ともに電子部品を長期間にわたり正常かつ安定に作動さ
せることが可能となる。
【0055】また、本発明の電子部品収納用容器によれ
ば、絶縁基体と蓋体とを接合させる封止材及び電気絶縁
層は、いずれも酸化鉛を含まないガラスで構成したこと
から、人体に害を与えたり地球環境に負荷を与えること
はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子部品収納用容器の実施の形態の一
例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・絶縁基体 1a・・・・・搭載部 2・・・・・・蓋体 3・・・・・・圧電振動子(電子部品) 4・・・・・・容器 5・・・・・・配線導体層 6・・・・・・封止材 7・・・・・・電気絶縁層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面に電子部品の搭載部を有する絶縁基
    体と、該絶縁基体の上面に前記搭載部を取り囲むように
    銀燐酸系ガラスを主成分とする封止材を介して接合され
    る蓋体と、前記絶縁基体表面の前記搭載部近傍から前記
    蓋体との接合領域の外側にかけて形成され、前記搭載部
    側の一端に前記電子部品の電極が、他端に外部電気回路
    がそれぞれ電気的に接続される配線導体層とから成り、
    前記絶縁基体と前記蓋体とから成る容器内部に前記電子
    部品を気密に収容する電子部品収納用容器であって、前
    記配線導体層は、前記蓋体との接合部が錫燐酸系ガラス
    を主成分とする電気絶縁層で被覆されていることを特徴
    とする電子部品収納用容器。
  2. 【請求項2】 前記電気絶縁層は、五酸化燐35〜55
    重量%、一酸化錫20〜40重量%、酸化亜鉛10〜2
    0重量%、酸化アルミニウム2〜4重量%、酸化珪素1
    〜3重量%および酸化硼素1〜6重量%から成るガラス
    成分にフィラーとしてコージェライト系化合物を外添加
    で16〜45重量%添加したものから成ることを特徴と
    する請求項1記載の電子部品収納用容器。
  3. 【請求項3】 前記封止材は酸化銀20〜40重量%、
    ヨウ化銀5〜20重量%、五酸化燐20〜30重量%、
    酸化ホウ素5〜15重量%および酸化亜鉛1〜6重量%
    から成るガラス成分にフィラーとして燐酸ジルコニウム
    と酸化ジルコニウムと酸化ニオブとの固溶体を外添加で
    10〜30重量%添加したものから成ることを特徴とす
    る請求項1または請求項2記載の電子部品収納用容器。
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