JP2001356302A - 照明光学系及びこれを備えるプロジェクタ - Google Patents

照明光学系及びこれを備えるプロジェクタ

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JP2001356302A
JP2001356302A JP2000179516A JP2000179516A JP2001356302A JP 2001356302 A JP2001356302 A JP 2001356302A JP 2000179516 A JP2000179516 A JP 2000179516A JP 2000179516 A JP2000179516 A JP 2000179516A JP 2001356302 A JP2001356302 A JP 2001356302A
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optical system
polarization conversion
polarization
polarized light
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Koichi Akiyama
光一 秋山
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 照明光学系を構成する光学要素の省略化、簡
略化を図る。 【解決手段】 光源から射出された非偏光な光を偏光方
向の揃えられたほぼ1種類の直線偏光光に変換する偏光
変換光学系の2つの偏光変換光学素子は、照明光学系の
中心光軸を含む所定の面に対して互いの偏光分離面およ
び反射面が対称となるとともに、互いの偏光分離面が隣
接するように配置される。2つの偏光分離面に入射する
光の偏光変換光学系の光入射面は、2つの偏光変換光学
素子が配列される方向に平行な所定の方向の大きさが光
照射面の所定の方向の大きさにほぼ等しくなるように構
成される。各偏光変換光学素子の光射出面の所定の方向
の大きさは、それぞれ光照射面の所定の方向の大きさに
ほぼ等しくなるように構成される。略平行な光線束を射
出する光源は、射出される光線束の所定の方向の大きさ
が、偏光変換光学系の光入射面の所定の方向の大きさに
ほぼ等しくなるように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の光照射面に
照明光を照射する照明光学系に関するものであり、光源
から射出された非偏光な光を所定の偏光方向を有する1
種類の直線偏光に変換して射出する照明光学系に関する
ものである。また、本発明は、この照明光学系を適用し
たプロジェクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロジェクタでは、「ライトバルブ」と
呼ばれる電気光学装置の光照射面に照射された照明光
を、表示させたい画像情報に応じて変調し、この変調光
をスクリーン上に投射して画像表示を実現している。こ
の電気光学装置としては、通常、液晶パネルを利用した
液晶ライトバルブが用いられている。
【0003】プロジェクタによって表示される画像は均
一で明るいことが好ましく、このためには、プロジェク
タ内に組み込まれた照明光学系から射出された照明光の
照度が均一、かつ、照明光の利用効率が高いことが望ま
しい。従来から、液晶ライトバルブの光照射面を均一に
照明する光学系としてインテグレータ光学系が利用され
ている。
【0004】また、プロジェクタに利用される液晶ライ
トバルブは、通常、1種類の直線偏光光のみが利用され
るため、非偏光な光を射出する照明光学系の場合、液晶
ライトバルブで利用されない偏光方向の光が存在する。
このため、照明光学系から射出された照明光の利用効率
が悪くなる。従来から、液晶ライトバルブにおける照明
光の利用効率を高めるために、光源から射出された非偏
光な光を1種類の直線偏光光に変換する偏光変換光学系
を用いた照明光学系が利用されている。
【0005】図8は、従来の照明光学系の要部を平面的
に示す概略構成図である。光の進行方向を+z方向(照
明光学系の光軸SXと平行な方向)とし、光の進行方向
に向かって12時の方向を+y方向(縦方向)とし、9
時の方向を+x方向(横方向)とする。この照明光学系
は、光源1110と、第1のレンズアレイ1120と、
第2のレンズアレイ1130と、偏光変換光学系114
0と、重畳レンズ1150とが光軸SXに沿って順に配
列された構成を有している。第1のレンズアレイ112
0は、複数の小レンズ1122を有している。第2のレ
ンズアレイ1130は、第1のレンズアレイ1120の
複数の小レンズ1122に対応するように複数の小レン
ズ1132を有している。
【0006】偏光変換光学系1140は、互いに平行な
偏光分離膜1142と反射膜1144とがx軸方向に沿
って複数組配列されている。これらの偏光分離膜114
2および反射膜1144は、z軸方向に対して一定の傾
きを有している。各偏光分離膜1142の射出面側に
は、それぞれλ/2位相差板1148が設けられてい
る。
【0007】光源1110から射出された略平行な光
は、第1のレンズアレイ1120の複数の小レンズ11
22によって複数の部分光線束に分割される。分割され
た複数の部分光線束は、第1のレンズアレイ1120及
び第2のレンズアレイ1130の各小レンズ1122,
1132の集光作用によって、偏光変換光学系1140
の偏光分離膜1142の近傍にそれぞれ集光される。光
源1110の光軸LXは、第1のレンズアレイ1120
から射出される複数の部分光線束が偏光変換光学系11
40の偏光分離膜1142に効率よくに入射するように
照明光学系の光軸SXに対して−x方向にずれ量Dp
(=Wp/2)だけずれて配置されている。なお、Wp
は偏光分離膜1142と反射膜1144との間隔を示し
ている。
【0008】偏光分離膜1142近傍に集光された光の
うち、一方の直線偏光成分(例えば、p偏光光)は偏光
分離膜1142をほとんど透過し、他方の直線偏光成分
(例えば、s偏光光)は偏光分離膜1142でほとんど
反射される。偏光分離膜1142を反射した他方の直線
偏光成分は、反射膜1144で反射し、重畳レンズ11
50に入射する。一方、偏光分離膜1142を透過した
一方の直線偏光成分は、λ/2位相差板1148に入射
して他方の直線偏光成分と同じ偏光方向の直線偏光光に
変換されて、重畳レンズ1150に入射する。重畳レン
ズ1150に入射した複数の部分光線束は、それぞれ照
明対象である液晶ライトバルブの光照射面LA上でほぼ
重畳される。以上のように、従来の照明光学系は、光源
から射出される光線束を複数の部分光線束に分割し、分
割された複数の部分光線束を光照射面LA上で重畳する
ことにより、光照射面LAを、ほぼ1種類の直線偏光光
でほぼ均一に照明することができる。
【0009】なお、液晶ライトバルブの光照射面LA側
の近傍には、通常、複数の部分光線束のそれぞれを略平
行な光に変換するコンデンサレンズが設けられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の照明光学系は、
上述したように、光照射面LAをほぼ1種類の直線偏光
光でほぼ均一に照明するために、複数のレンズアレイ1
120,1130と、重畳レンズ1150とで構成され
るインテグレータ光学系を利用している。しかし、照明
光学系に複数のレンズを有している場合、それぞれのレ
ンズに要求される特性上の制約から、装置の小型化や低
価格化が難しくなる場合がある。このため、プロジェク
タの小型化、低価格化のために、照明光学系を構成する
これらの光学要素の省略化、簡略化を図ることが望まれ
ている。
【0011】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、従来の照明光学
系に比べて、照明光学系を構成する光学要素の省略化、
簡略化を図ることが可能な技術を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第
1の装置は、所定の光照射面に照明光を照射する照明光
学系であって、略平行な光線束を射出する光源と、前記
光源から射出された非偏光な光を偏光方向の揃えられた
ほぼ1種類の直線偏光光に変換する2つの偏光変換光学
素子を含む偏光変換光学系と、前記2つの偏光変換光学
素子から射出される2つの略平行な光線束を前記光照射
面上で重畳するように偏向する偏向光学系と、を備え、
各偏光変換光学素子は、非偏光な光を2種類の直線偏光
光に分離する偏光分離面と、前記2種類の直線偏光光の
うち一方を反射する反射面と、前記2種類の直線偏光光
のいずれか一方の偏光方向を他方の偏光方向に揃える偏
光変換要素と、を備え、前記2つの偏光変換光学素子
は、前記照明光学系の中心光軸を含む所定の面に対して
互いの偏光分離面および反射面が対称となるとともに、
互いの偏光分離面が隣接するように配置されており、前
記隣接する2つの偏光分離面に入射する光の前記偏光変
換光学系の光入射面は、前記2つの偏光変換光学素子が
配列される方向に平行な所定の方向の大きさが、前記光
照射面の前記所定の方向の大きさにほぼ等しくなるよう
に構成され、前記各偏光変換光学素子の光射出面の前記
所定の方向の大きさは、それぞれ前記光照射面の前記所
定の方向の大きさにほぼ等しくなるように構成されてお
り、前記光源は、射出される光線束の前記所定の方向の
大きさが、前記偏光変換光学系の光入射面の前記所定の
方向の大きさにほぼ等しくなるように構成されているこ
とを特徴とする。
【0013】本発明の照明光学系は、光源から射出され
た非偏光な光を偏光方向の揃えられたほぼ1種類の直線
偏光光に変換し、2つの偏光変換光学素子から射出され
た2つの略平行な光線束のそれぞれを光照射面上に照射
する構成としている。また、各偏光変換光学素子の光射
出面の前記所定の方向の大きさが、それぞれ光照射面の
所定の方向の大きさにほぼ等しくなるように構成されて
いるおり、光源から射出された光が光照射面に照射され
るまでの間において、集光されることがない。このた
め、従来の照明光学系のように、光源から射出された光
を集光するレンズ等の光学要素を省略することができる
【0014】また、本発明の照明光学系は、照明光学系
の中心光軸を含む所定の面に対して互いの偏光分離面お
よび反射面が対称となるように配置された2つの偏光変
換光学素子から射出された2つの光線束を、偏向光学系
によってそれぞれ偏向して光照射面上で重畳するように
構成されている。このため、一方の偏光変換光学素子か
ら射出される光線束のうち明るい光と、他方の偏光変換
光学系から射出される光線束のうち暗い光とが同じ光照
射面上の位置で重畳され、一方の偏光変換光学系から射
出される光線束のうち暗い光と、他方の偏光変換光学系
から射出される光線束のうち明るい光とが同じ光照射面
上の位置で重畳される。これにより、本発明の照明光学
系は、光照射面を所定の方向に沿ってある程度均一に照
明することができる。
【0015】従って、本発明の照明光学系は、従来の照
明光学系に比べて、照明光学系を構成する光学要素の省
略化、簡略化を図ることが可能である。
【0016】ここで、前記光源は、放射光を射出する光
源ランプと、前記放射光を反射して所定の方向に集光光
として射出する楕円面鏡と、前記集光光を略平行光に変
換して射出するレンズと、を備えることが好ましい。
【0017】こうすれば、光源から射出される光線束の
所定の方向の大きさを、容易に、隣接する2つの偏光分
離面に入射可能な光入射面の所定の方向の大きさにほぼ
等しくなるようにすることができる。
【0018】また、本発明の第2の装置は、画像を投射
するプロジェクタであって、照明光を射出する照明光学
系と、前記照明光学系からの光を画像情報に応じて変調
する電気光学装置と、前記電気光学装置で得られる変調
光を投射する投射光学系と、を備え、前記照明光学系
は、略平行な光線束を射出する光源と、前記光源から射
出された非偏光な光を偏光方向の揃えられたほぼ1種類
の直線偏光光に変換する2つの偏光変換光学素子を含む
偏光変換光学系と、前記2つの偏光変換光学素子から射
出される2つの略平行な光線束を前記電気光学装置の光
照射面上で重畳するように偏向する偏向光学系と、を備
え、各偏光変換光学素子は、非偏光な光を2種類の直線
偏光光に分離する偏光分離面と、前記2種類の直線偏光
光のうち一方を反射する反射面と、前記2種類の直線偏
光光のいずれか一方の偏光方向を他方の偏光方向に揃え
る偏光変換要素と、を備え、前記2つの偏光変換光学素
子は、前記照明光学系の中心光軸を含む所定の面に対し
て互いの偏光分離面および反射面が対称となるととも
に、互いの偏光分離面が隣接するように配置されてお
り、前記隣接する2つの偏光分離面に入射する光の前記
偏光変換光学系の光入射面は、前記2つの偏光変換光学
素子が配列される方向に平行な所定の方向の大きさが、
前記光照射面の前記所定の方向の大きさにほぼ等しくな
るように構成され、前記各偏光変換光学素子の光射出面
の前記所定の方向の大きさは、それぞれ前記光照射面の
前記所定の方向の大きさにほぼ等しくなるように構成さ
れており、前記光源は、射出される光線束の前記所定の
方向の大きさが、前記偏光変換光学系の光入射面の前記
所定の方向の大きさにほぼ等しくなるように構成されて
いることを特徴とする。
【0019】本発明のプロジェクタは、上記発明の照明
光学系を適用しているので、従来の照明光学系を適用し
た場合に比べて、光学要素の省略化、簡略化を図ること
が可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を説明する。尚、以下の実施例においては、特に断
りのない限り、光の進行方向を+z方向(光軸と平行な
方向)とし、光の進行方向に向かって12時の方向を+
y方向(縦方向)とし、9時の方向を+x方向(横方
向)とする。
【0021】A.照明光学系:図1は、本発明の一実施
例としての照明光学系の要部を平面的に示す概略構成図
である。この照明光学系100は、光源ランプ110
と、凹レンズ120と、遮光板130と、偏光変換光学
系140と、偏角プリズム150とを備えている。光源
ランプ110と、凹レンズ120と、偏角プリズム15
0とは、それぞれの中心光軸が照明光学系100のシス
テム光軸SXにほぼ一致するように配置されている。偏
光変換光学系140は2つの偏光変換光学素子140
A,140Bを有している。2つの偏光変換光学素子1
40A,140Bは、システム光軸SXを含み、yz平
面に平行な面を挟んで対称に配置されている。また、後
述する偏光分離面145が互いに隣接するように配置さ
れている。
【0022】光源ランプ110は、発光管112と、楕
円面鏡114とを有している。発光管112から射出さ
れた放射光は、楕円面鏡114によっての所定の焦点位
置に集光する集光光に変換される。発光管112として
は、通常、メタルハライドランプや高圧水銀灯などが用
いられる。なお、楕円面鏡を放物面鏡に置き換えて発光
管から射出される光を略平行光とし、放物面鏡の開口部
近傍に凸レンズを配置することによって集光光とするよ
うにしてもよい。
【0023】凹レンズ120は、光源ランプ110から
射出された集光光をシステム光軸SXに略平行な光に変
換する。凹レンズ120のレンズ面は、集光光が略平行
光に変換されるような曲面形状を有している。
【0024】図2は、遮光板130の概略正面図であ
る。遮光板130の中心軸130ax(システム光軸S
Xに一致して配置されている)を中心とする開口部13
0aが設けられている。この開口部130aの幅Woお
よび高さLoは、図示しない略矩形状の光照射面LAの
幅および高さよりも小さくならない範囲でほぼ等しく設
定されている。なお、光照射面LAの幅をWd、高さを
Ldとする。従って、光源ランプ110から射出し、遮
光板130を通過した光線束は、光照射面LAにほぼ等
しい大きさの略平行光となる。
【0025】図1の遮光板130から射出された光線束
のうち、システム光軸SXよりも+x方向側の光線束は
第1の偏光変換光学素子140Aに入射し、−x方向が
側の光線束は第2の偏光変換光学素子140Bに入射す
る。
【0026】なお、光源ランプ110と、凹レンズ12
0と、遮光板130とが本発明の光源に相当する。な
お、遮光板130は省略することも可能である。
【0027】図3は、第1の偏光変換光学素子140A
について示す説明図であり、図3(A)は概略斜視図を
示し、図3(B)は、拡大した概略平面図を示してい
る。この偏光変換光学素子140Aは、偏光分離プリズ
ム142と、偏光分離プリズム142の+x方向側の側
面に隣接された反射プリズム143と、偏光分離プリズ
ム142の光射出面142b側に隣接されたλ/2位相
差板144とで構成されている。
【0028】偏光分離プリズム142は、2つの直角プ
リズムを貼り合わせることにより形成されたプリズム柱
であり、2つの直角プリズムが互いに貼り合わされる斜
面の一方に、誘電体多層膜を形成することにより偏光分
離面145が形成されている。反射プリズム143は直
角プリズムであり、直角プリズムの斜面に誘電体多層膜
あるいはアルミニウム膜を形成することにより反射面1
46が形成されている。偏光分離プリズム142および
反射プリズム143のx方向の幅Wpは、光照射面LA
の幅Wdの約1/2となるように設定されており、偏光
分離プリズム142および反射プリズム143のy方向
の高さLpは、光照射面LAの高さLdにほぼ等しく設
定されている。従って、偏光変換光学系140の光入射
面、すなわち、2つの偏光変換光学素子140A,14
0Bの光入射面の、x方向の幅は、光照射面LAの幅W
dにほぼ等しい。
【0029】偏光変換光学素子140Aは、偏光分離プ
リズム142に入射する光線束をほぼ1種類の直線偏光
光(例えば、s偏光光やp偏光光)に変換して射出する
機能を有する。図3(B)に示すように、偏光分離プリ
ズム142の光入射面142aから入射したs偏光成分
とp偏光成分とを含む非偏光光(ランダムな偏光方向を
有する入射光)は、偏光分離面145においてs偏光光
とp偏光光に分離される。p偏光光は、偏光分離面14
5をそのまま透過する。偏光分離面145を透過したp
偏光光の光射出面142bには、λ/2位相差板144
が配置されており、このp偏光光がs偏光光に変換され
て射出する。一方、s偏光光は、偏光分離面145にお
いて反射され、さらに、反射面146において反射され
て、偏光分離面145を透過したp偏光光とほぼ平行な
状態で、+x方向に距離Wp(≒Wd/2)だけ平行移
動されて反射プリズム143の光射出面143bから射
出される。これにより、偏光変換光学素子140Aを通
過した光は、そのほとんどがs偏光光となって射出され
る。なお、偏光変換光学系から射出される光をp偏光光
としたい場合には、λ/2位相差板144を、反射面1
46において反射されたs偏光光が射出する光射出面に
配置するようにすればよい。
【0030】第1の偏光変換光学素子140Aの光入射
面142aの全体に入射した略平行な光線束は、偏光分
離プリズム142の光射出面142bの全体から射出さ
れる光線束と、反射プリズム143の光射出面143b
の全体から射出される光線束に分離される。従って、偏
光変換光学素子140Aから射出される光線束は、x方
向の光線束の幅が、光入射面142aのx方向の幅Wp
(≒Wd/2)の2倍、すなわち、光照射面LAのx方
向の幅Wdにほぼ等しい略平行な光線束となる。
【0031】なお、λ/2位相差板144が本発明の偏
光変換要素に相当する。
【0032】第2の偏光変換光学系140Bは、上述し
たようにシステム光軸SXを含み、yz平面に平行な面
を挟んで第1の偏光変換光学系140Aに対称に隣接配
置されている点を除いて第1の偏光変換光学系140A
と同様の構成である。
【0033】図4は、偏光変換光学素子140Aの変形
例を示す説明図である。この偏光変換光学素子140
A’は、断面が平行四辺形の柱状の透光性部材147
に、断面が三角形の柱状の2つの透光性部材148が貼
り合わされた形状を有している。透光性部材147と透
光性部材148との界面には、偏光分離膜と反射膜とが
形成されている。偏光分離膜が形成された界面が偏光分
離面145として機能し、反射膜が形成された界面が反
射面146として機能する。λ/2位相差板144は、
偏光分離面145を透過した光が射出される部分、ある
いは、反射面146によって反射された光が射出される
部分に、選択的に貼り付けられる。この例では、偏光分
離面145の光の射出面のx方向の写像部分にλ/2位
相差板144を貼り付けている。なお、この偏光変換光
学素子140A’は、3枚の板ガラスを貼り合わせて、
所定の角度で斜めに切断することによって作製すること
ができる。なお、偏光変換光学系140Bも偏光変換光
学系140A’と同様の構成とすることができる。
【0034】2つの偏光変換光学素子140A,140
Bから射出され、システム光軸SXに略平行な光線束
は、それぞれ図1の偏角プリズム150に入射する。図
5は、偏角プリズム150の概略斜視図である。偏角プ
リズム150は、2つの偏光変換光学素子140A,1
40Bから射出された略平行な光線束の中心軸140A
C,140BCがそれぞれ光照射面LAの中心を通過す
るように(図1)、システム光軸SXに一致するように
配置されている中心光軸150axを含むyz平面に対
して2つの光射出面150a,150bが対称に傾いて
形成されている。なお、この偏角プリズム150が本発
明の偏向光学系に相当する。
【0035】図6は、偏角プリズム150の変形例を示
す概略斜視図である。この偏角プリズム150’は、第
1の偏光変換光学素子140Aの反射面146からの射
出光に対応する光射出面150arと、第1の偏光変換
光学素子140Aの偏光分離面145からの射出光に対
応する光射出面150atと、第2の偏光変換光学素子
140Bの偏光分離面145からの射出光に対応する光
射出面150btと、第2の偏光変換光学素子140B
の反射面146からの射出光に対応する光射出面150
brとがそれぞれ形成されている例を示している。この
場合、第1の光射出面150arは、第1の偏光変換光
学素子140Aの反射面146からの射出光が光照射面
LAの中心から+x方向側の半分を照射するように形成
され、第2の光射出面150atは、第1の偏光変換光
学素子140Aの偏光分離面145からの射出光が光照
射面LAの中心から−x方向側の半分を照射するように
形成されている。第3の光射出面150btは、第2の
偏光変換光学素子140Bの偏光分離面145からの射
出光が光照射面LAの中心から+x方向側の半分を照射
するように形成され、第4の光射出面150brは、第
2の偏光変換光学素子140Bの反射面146からの射
出光が光照射面LAの中心から−x方向側の半分を照射
するように形成されている。
【0036】以上説明したように、本実施例の照明光学
系100は、遮光板130から光照射面までの光路上を
通過する光を集光することなく、略平行光のままで、光
照射面LAを照明することができる。
【0037】ところで、一般に、光源ランプ110のよ
うな光源から射出される光の明るさは、光源光軸に近く
なるほど明るく、光源光軸から遠くなるほど暗くなる傾
向にある。従って、図1に示すように、光源ランプ11
0から射出される光の明るさも、システム光軸SXに一
致するように配置されている光源光軸付近が最も明る
く、x軸に沿って+x方向および−x方向に離れるに従
って暗くなり、かつ、y軸に沿って+y方向および−y
方向に離れるに従って暗くなる。また、この明るさの分
布は、通常、光源光軸を中心に対称である。なお、図1
では、説明を容易にするため、光源ランプ110から射
出される光のうち+x方向側の光の明るさを示す「明」
および「暗」の文字を丸で囲んで示している。
【0038】以上のような分布を有する光のうち、シス
テム光軸SXよりも+x方向側の光は、第1の偏光変換
光学素子140Aに入射し、明るさの分布を保ったま
ま、偏光分離面145を透過する光と、反射面146を
反射する光に分離されて射出される。この結果、第1の
偏光変換光学素子140Aから射出される光の明るさの
分布は、システム光軸SXから+x方向側に離れるに従
って、順に、明、暗、明、暗となる。このため、第1の
偏光変換光学素子140Aから射出された光によって照
明される光照射面LAの明るさは、光照射面LAに向か
って右側(−x方向側)から明、暗、明、暗と分布する
ことになる。一方,システム光軸SXよりも−x方向側
の光も、第2の偏光変換光学素子140Bに入射し、明
るさの分布を保ったまま、偏光分離面145を透過する
光と、反射面146を反射する光に分離されて射出され
る。この結果、第2の偏光変換光学素子140Bから射
出される光の明るさの分布も、システム光軸SXから−
x方向側に離れるに従って、順に、明、暗、明、暗とな
る。このため、第2の偏光変換光学素子140Bから射
出された光によって照明される光照射面LAの明るさ
は、光照射面LAに向かって右側から暗、明、暗、明と
分布することになる。
【0039】以上の説明からわかるように、第1の偏光
変換光学素子140Aから射出される光によって照明さ
れる光照射面LAの明るさの分布と、第2の偏光変換光
学素子140Bから射出される光によって照明される光
照射面LAの明るさの分布とは、明と暗とが逆に分布し
ており、互いの分布を打ち消しあう関係にある。このた
め、本実施例の照明光学系100は、従来の照明光学系
のようなレンズアレイや重畳レンズを有するインテグレ
ータ光学系を構成することなく、光照射面LAの明るさ
をx方向に沿ってある程度均一とすることができる。
【0040】以上説明したように、本実施例の照明光学
系100は、従来の照明光学系において必要であったレ
ンズアレイや重畳レンズのような複数の光学要素を省略
して、ある程度均一な照明光を射出することができる。
従って、従来の照明光学系に比べて照明光学系を構成す
る光学要素の省略化、簡略化を図ることが可能である。
【0041】なお、上記実施例は、直線で示されたシス
テム光軸SXに沿って、各光学要素が配置された構成を
有しているが、これに限定されるものではなく、各光学
要素の間のいずれかの位置に反射板を配置して、光の光
路を偏向する構成としてもよい。
【0042】B.プロジェクタ:図7は、本発明の照明
光学系を適用したプロジェクタを示す説明図である。こ
のプロジェクタ1000は、照明光学系100と、色光
分離光学系200と、リレー光学系220と、3枚の透
過型の液晶ライトバルブ(液晶パネル)300R,30
0G,300Bと、クロスダイクロイックプリズム52
0と、投射光学系540とを備えている。
【0043】照明光学系100は、上述したように、偏
光方向の揃えられた直線偏光光(上述の例では、s偏光
光)の照明光を射出する。照明光学系100から射出さ
れた光は、色光分離光学系200において赤(R),緑
(G)、青(B)の3色の色光に分離される。分離され
た各色光は、液晶ライトバルブ300R,300G,3
00Bの光照射面に照射され、それぞれの色光に対応す
る色信号(画像情報)に応じて変調される。液晶ライト
バルブ300R,300G,300Bにおいて変調され
た3色の変調光線束は、クロスダイクロイックプリズム
520で合成され、投射光学系540によってスクリー
ンSC上に投射される。これにより、スクリーンSC上
にカラー画像が表示されることになる。なお、図7に示
すようなプロジェクタの各部の構成および機能について
は、例えば、本願出願人によって開示された特開平10
−32594号公報に詳述されているので、本明細書に
おいて詳細な説明は省略する。
【0044】なお、従来の照明光学系を適用したプロジ
ェクタにおいては、液晶ライトバルブ300R,300
G,300Bの光照射面の前には、入射する複数の部分
光線束のそれぞれを、それぞれの部分光線束の中心軸に
略平行な光線束に変換する平行化レンズ(コンデンサレ
ンズ)が、通常、設けられている。しかしながら、実施
例の照明光学系100から射出される光線束は、上述し
たように、略平行光であるので、これらの平行化レンズ
も省略することができる。
【0045】このプロジェクタ1000は、従来の照明
光学系に比べて、光学要素の省略化、簡略化を図った照
明光学系100を適用しているので、装置を構成する光
学要素の省略化、簡略化を図ることができる。
【0046】なお、液晶ライトバルブ300R,300
G,300Bが、本発明における電気光学装置に相当す
る。
【0047】本発明は上記の実施例や実施形態に限られ
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種
々の態様において実施することが可能である。
【0048】上記プロジェクタでは、電気光学装置とし
て透過型の液晶ライトバルブを適用したプロジェクタを
例に示しているが、これに限定されるものではない。反
射型の液晶ライトバルブを適用するプロジェクタであっ
てもよく、特定の直線偏光光を照明光として利用する全
てのタイプの電気光学装置を適用するプロジェクタであ
ればよい。
【0049】上記実施例では、本発明の照明光学系をプ
ロジェクタに適用した場合を説明しているが、これに限
定されるものではない。本発明の照明光学系は、種々の
装置における照明光学系としても利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての照明光学系の要部を
平面的に示す概略構成図である。
【図2】遮光板130の概略正面図である。
【図3】第1の偏光変換光学素子140Aについて示す
説明図である。
【図4】偏光変換光学素子140Aの変形例を示す説明
図である。
【図5】偏角プリズム150の概略斜視図である。
【図6】偏角プリズム150の変形例を示す概略斜視図
である。
【図7】本発明の照明光学系を適用したプロジェクタを
示す説明図である。
【図8】従来の照明光学系の要部を平面的に示す概略構
成図である。
【符号の説明】
100…照明光学系 110…光源ランプ 112…発光管 114…楕円面鏡 120…凹レンズ 130…遮光板 130ax…中心光軸 130a…開口部 140…偏光変換光学系 140A,140B…偏光変換光学素子 142…偏光分離プリズム 142a…光入射面 142b…光射出面 143…反射プリズム 143b…光射出面 144…λ/2位相差板 145…偏光分離面 146…反射面 147…透光性部材 148…透光性部材 150…偏角プリズム 150ax…中心光軸 150a,150b…光射出面 150’…偏角プリズム 150’ax…中心光軸 150ar,150at,150bt,150br…光
射出面 200…色光分離光学系 220…リレー光学系 300R,300G,300B…液晶ライトバルブ(液
晶パネル) 520…クロスダイクロイックプリズム 540…投射光学系 1000…プロジェクタ 1110…光源 1120、1130…レンズアレイ 1122,1132…小レンズ 1140…偏光変換光学系 1142…偏光分離膜 1144…反射膜 1150…重畳レンズ SX…システム光軸 SC…スクリーン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の光照射面に照明光を照射する照明
    光学系であって、 略平行な光線束を射出する光源と、 前記光源から射出された非偏光な光を偏光方向の揃えら
    れたほぼ1種類の直線偏光光に変換する2つの偏光変換
    光学素子を含む偏光変換光学系と、 前記2つの偏光変換光学素子から射出される2つの略平
    行な光線束を前記光照射面上で重畳するように偏向する
    偏向光学系と、を備え、 各偏光変換光学素子は、 非偏光な光を2種類の直線偏光光に分離する偏光分離面
    と、 前記2種類の直線偏光光のうち一方を反射する反射面
    と、 前記2種類の直線偏光光のいずれか一方の偏光方向を他
    方の偏光方向に揃える偏光変換要素と、を備え、 前記2つの偏光変換光学素子は、前記照明光学系の中心
    光軸を含む所定の面に対して互いの偏光分離面および反
    射面が対称となるとともに、互いの偏光分離面が隣接す
    るように配置されており、 前記隣接する2つの偏光分離面に入射する光の前記偏光
    変換光学系の光入射面は、前記2つの偏光変換光学素子
    が配列される方向に平行な所定の方向の大きさが、前記
    光照射面の前記所定の方向の大きさにほぼ等しくなるよ
    うに構成され、 前記各偏光変換光学素子の光射出面の前記所定の方向の
    大きさは、それぞれ前記光照射面の前記所定の方向の大
    きさにほぼ等しくなるように構成されており、 前記光源は、射出される光線束の前記所定の方向の大き
    さが、前記偏光変換光学系の光入射面の前記所定の方向
    の大きさにほぼ等しくなるように構成されている、 照明光学系。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の照明光学系であって、 前記光源は、 放射光を射出する光源ランプと、 前記放射光を反射して所定の方向に集光光として射出す
    る楕円面鏡と、 前記集光光を略平行光に変換して射出するレンズと、を
    備える、 照明光学系。
  3. 【請求項3】 画像を投射するプロジェクタであって、 照明光を射出する照明光学系と、 前記照明光学系からの光を画像情報に応じて変調する電
    気光学装置と、 前記電気光学装置で得られる変調光を投射する投射光学
    系と、を備え、 前記照明光学系は、 略平行な光線束を射出する光源と、 前記光源から射出された非偏光な光を偏光方向の揃えら
    れたほぼ1種類の直線偏光光に変換する2つの偏光変換
    光学素子を含む偏光変換光学系と、 前記2つの偏光変換光学素子から射出される2つの略平
    行な光線束を前記電気光学装置の光照射面上で重畳する
    ように偏向する偏向光学系と、を備え、 各偏光変換光学素子は、 非偏光な光を2種類の直線偏光光に分離する偏光分離面
    と、 前記2種類の直線偏光光のうち一方を反射する反射面
    と、 前記2種類の直線偏光光のいずれか一方の偏光方向を他
    方の偏光方向に揃える偏光変換要素と、を備え、 前記2つの偏光変換光学素子は、前記照明光学系の中心
    光軸を含む所定の面に対して互いの偏光分離面および反
    射面が対称となるとともに、互いの偏光分離面が隣接す
    るように配置されており、 前記隣接する2つの偏光分離面に入射する光の前記偏光
    変換光学系の光入射面は、前記2つの偏光変換光学素子
    が配列される方向に平行な所定の方向の大きさが、前記
    光照射面の前記所定の方向の大きさにほぼ等しくなるよ
    うに構成され、 前記各偏光変換光学素子の光射出面の前記所定の方向の
    大きさは、それぞれ前記光照射面の前記所定の方向の大
    きさにほぼ等しくなるように構成されており、 前記光源は、射出される光線束の前記所定の方向の大き
    さが、前記偏光変換光学系の光入射面の前記所定の方向
    の大きさにほぼ等しくなるように構成されている、 プロジェクタ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010072136A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Nikon Corp 照明光学系及びこの照明光学系を用いたプロジェクタ装置
JP2010072138A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Nikon Corp 照明光学系及びこの照明光学系を用いたプロジェクタ装置
CN102377107A (zh) * 2010-07-28 2012-03-14 小约翰·P·唐宁 高稳定性的光源系统及制造方法

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