JP4097512B2 - 投写型映像表示装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、照明装置及び投写型映像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、大画面映像を表示する手段として、光源からの光束を照明光学系によって液晶パネルに導き、この液晶パネルで光を変調して映像光を生成し、この映像光を投写光学系にてスクリーン上に拡大投写する投写型映像表示装置が知られている。かかる装置の構成として照明装置には一般には1灯の光源が用いられるが、近年、明るさ向上のために多灯光源から成る照明装置が用いられるようになっている。このような照明装置としては、二つの光源から出射された略平行光を、二つの反射面を有する光路変更部材により合成するものがある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−21996号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の多灯式照明装置では、各々の光源からの光を照射対象(例えば、インテグレータレンズ)の全面に導くことはできず、各光源からの光束は分割されて照射対象に導かれることになる。このため、各光源において光量にばらつきがあると、たとえ、インテグレータレンズによる光インテグレートを行なったとしても、画面上での明るさにむらが生じてしまう。また、一方の光源が切れてしまうと、上記明るさのむらは更に大きくなる。
【0005】
この発明は、上記の事情に鑑み、複数光源の光軸を一致させつつこれらの光源の出射光を合成することができる照明装置及びこれを用いた投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の投写型映像表示装置は、第1の光源と、出射光が、第1の光源からの出射光と直交する位置に配置された第2の光源と、第1の光源から直に出射された平行光のうち第1成分の偏光を透過させて反射用面に導くと共に第2成分の偏光を90°反射させて出射面に導く一方、第2の光源から直に出射された平行光のうち第1成分の偏光を透過させて出射面に導くと共に第2の成分の偏光を90°反射させて反射面に導く偏光ビームスプリッタと、各光源と偏光ビームスプリッタとの間にそれぞれ設けられた1/4位相差板と、反射用面に対面にて設けられた反射体とから構成された照明装置と、照明装置の出射面に対面して設けられた一対のインテグレータレンズと、インテグレータレンズを経た光を第1成分の偏光あるいは第2成分の偏光に変換する偏光変換装置と、偏光変換装置を経た光を投写レンズを介して拡大投写する光学系とを備えていることを特徴とする。
【0007】
上記の構成であれば、第1の光源の第2の成分の偏光は偏光ビームスプリッタの光出射面に導かれて出射され、第1の成分の偏光は反射体にて反射して第1の光源側に戻り、第1の光源の反射部材に反射されて偏光ビームスプリッタへと戻るが、行きと戻の2回に渡って1/4位相差板を通り、第2の成分の偏光となって偏光ビームスプリッタに入射するため、光出射面に導かれて出射される。同様に、第2の光源の第1の成分の偏光は光出射面に導かれて出射され、第2の成分の偏光は反射体にて反射して第2の光源側に戻り、第2の光源の反射部材に反射されて偏光ビームスプリッタへと戻るが、行きと戻の2回に渡って1/4位相差板を通り、第1の成分の偏光となって偏光ビームスプリッタに入射するため、光出射面に導かれて出射される。これにより、二つの光源の光軸を一致させつつこれらの光源の出射光を合成することができる。
【0008】
また、この発明の投写型映像表示装置は、前記照明装置とインテグレータレンズとの間には、照明装置からの光を第1成分の偏光に揃える第2の偏光変換装置と、前記照明装置から出射される光と直交する光を出射する第3の光源と、第2の偏光変換装置を透過した照明装置からの第1成分の偏光を透過させて出射面に導くと共に、第3の光源からの第2成分の偏光を90°反射させて出射面に導く第2の偏光ビームスプリッタと、第2の偏光ビームスプリッタを透過した第3の光源からの第1成分の偏光を180°反射させる反射体と、第3の光源と第2の偏光ビームスプリッタとの間に設けられた1/4位相差板とが配置されていることを特徴とする。
【0009】
上記の構成であれば、第1の光源からの光については前述した第1の構成における作用と同様の作用にて光出射面から出射され、第2の光源からの光については偏光変換されて光出射面から出射されることになる。かかる構成において、第2の光源は前述した第1の構成の照明装置としてもよい。
【0010】
また、この発明の投写型映像表示装置は、前記照明装置とインテグレータレンズとの間には、照明装置からの光を第1成分の偏光に揃える第2の偏光変換装置と、前記照明装置から出射される光と直交する光を出射する、前記照明装置を90°回転させた位置関係により構成された第2の照明装置と、第2の照明装置からの光を第2成分の偏光に揃える第3の偏光変換装置と、第2の偏光変換装置により揃えられた第1成分の偏光を透過させて出射面に導くと共に、第3の偏光変換装置により揃えられた第2成分の偏光を90°反射させて出射面に導く第2の偏光ビームスプリッタとが配置されていることを特徴とする。
【0011】
上記の構成であれば、第1の光源からの光及び第2の光源からの光は偏光変換されて光出射面から出射されることになる。かかる構成において、前記第1の光源及び第2の光源のうちの少なくとも一方を上述した第1の構成の照明装置としてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態の照明装置及びこれを備える投写型映像表示装置を図1乃至図7に基づいて説明する。図1は投写型映像表示装置の光学系の説明図であり、図2は図1の投写型映像表示装置で用いられた照明装置の構成図であり、図3は照明装置の変形例を示した構成図であり、図4は図3の照明装置等に用いられる偏光変換装置の一例を示した説明図であり、図5乃至図7は照明装置の変形例を示した構成図である。
【0015】
図1に示しているように、かかる投写型映像表示装置において、照明装置1Aから出射された光はインテグレータレンズ2へと導かれる。インテグレータレンズ2は一対のレンズ群から成り、個々のレンズ対が照明装置1Aから出射された光を液晶ライトバルブ31,32,33の全面へ導くようになっている。インテグレータレンズ2を経た光は偏光変換装置3に導かれる。
【0016】
偏光変換装置3は、偏光ビームスプリッタアレイ(以下、PBSアレイと称する)によって構成されている。PBSアレイは、偏光分離膜と位相差板(1/2λ板)とを備える。PBSアレイの各偏光分離膜は、インテグレータレンズ2からの光のうち例えばP偏光を通過させ、S偏光を90°光路変更する。光路偏光されたS偏光は隣接の偏光分離膜にて反射されてそのまま出射される。一方、偏光分離膜を透過したP偏光はその前側(光出射側)に設けてある前記位相差板によってS偏光に変換されて出射される。すなわち、ほぼ全ての光はS偏光に変換されるようになっている。偏光変換装置3を経た光は集光レンズ4及びミラー5を経て第1ダイクロイックミラー6へと導かれる。
【0017】
第1ダイクロイックミラー6は、赤色波長帯域の光を透過し、シアン(緑+青)の波長帯域の光を反射する。第1ダイクロイックミラー6を透過した赤色波長帯域の光は、ミラー7にて反射されて光路を変更される。ミラー7にて反射された赤色光は赤色光用の透過型の液晶ライトバルブ31を透過することによって光変調される。一方、第1ダイクロイックミラー6にて反射したシアンの波長帯域の光は、第2ダイクロイックミラー8に導かれる。
【0018】
第2ダイクロイックミラー8は、青色波長帯域の光を透過し、緑色波長帯域の光を反射する。第2ダイクロイックミラー8にて反射した緑色波長帯域の光は緑色光用の透過型の液晶ライトバルブ32に導かれ、これを透過することによって光変調される。また、第2ダイクロイックミラー8を透過した青色波長帯域の光は、ミラー9,10(リレーレンズ等は図示せず)を経て青色光用の透過型の液晶ライトバルブ33に導かれ、これを透過することによって光変調される。
【0019】
液晶ライトバルブ31,32,33は、入射側偏光板と、一対のガラス基板(画素電極や配向膜を形成してある)間に液晶を封入して成るパネル部と、出射側偏光板とを備えて成る。液晶ライトバルブ31,32,33を経ることで変調された変調光(各色映像光)は、ダイクロイックプリズム21によって合成されてカラー映像光となる。このカラー映像光は、投写レンズ22によって拡大投写され、図示しないスクリーン上に投影表示される。
【0020】
照明装置1Aは、図2にも示すように、第1の光源11、第2の光源12、偏光ビームスプリッタ13、1/4λ板14,15、及びミラー16を備えて成る。第1の光源11は放物凹面鏡11aと発光部11bとから成り、略平行光を出射する。第2の光源12も同様に放物凹面鏡12aと発光部12bとから成っており、略平行光を出射する。前記発光部は超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等から成る。
【0021】
偏光ビームスプリッタ13は、第1の入射面から入射された第1の光源11からの光のうちP偏光を透過して反射用面に導きS偏光を偏光膜13aにて90°光路変更して光出射面に導く一方、第2の入射面から入射された第2の光源12からの光のうちP偏光を透過して光出射面に導きS偏光を90°光路変更して反射用面に導くようになっている。
【0022】
偏光ビームスプリッタ13の前記反射用面に対面してミラー16が設けられており、前記反射用面に到来した光を反射する。なお、ミラー16は偏光ビームスプリッタ13の反射用面に蒸着等により形成されるものでもよい。1/4λ板14,15は、それぞれ各光源11,12と各入射面との間に設けられている。
【0023】
上記照明装置1Aにおいては、第1の光源11のS偏光は偏光ビームスプリッタ13の光出射面に導かれて出射され、P偏光はミラー16にて反射して第1の光源11側に戻り、第1の光源11の放物凹面鏡11aに反射されて偏光ビームスプリッタ13へと戻るが、行きと戻の2回に渡って1/4λ板14を通り、S偏光となって偏光ビームスプリッタ13に入射するため、光出射面に導かれて出射される。同様に、第2の光源12のP偏光は光出射面に導かれて出射され、S偏光はミラー16にて反射して第2の光源12側に戻り、第2の光源12の放物凹面鏡12aに反射されて偏光ビームスプリッタ13へと戻るが、行きと戻りの2回に渡って1/4λ板15を通り、P偏光となって偏光ビームスプリッタ13に入射するため、光出射面に導かれて出射される。
【0024】
これにより、二つの光源11,12の光軸を一致させつつこれらの光源の出射光を合成することができる。そして、一つの光源においてランプ切れが生じたとしても、光軸が一致しているため、暗くはなるものの、明るさの偏りは防止されることになる。
【0025】
図3には照明装置1Bを示している。この照明装置1Bは、偏光ビームスプリッタ40の一方の入射面に前述した照明装置1Aを備える。照明装置1Aと入射面との間には偏光変換装置42が設けられている。偏光ビームスプリッタ40の他方の入射面には光源41が設けられている。光源41は放物凹面鏡41aと発光部41bとから成り、略平行光を出射する。この光源41と入射面との間には1/4λ板43が設けられている。そして、偏光ビームスプリッタ40の反射用面にはミラー16が設けられている。
【0026】
前記偏光変換装置42は、図4に示すように、偏光ビームスプリッタアレイ(以下、PBSアレイと称する)によって構成されている。PBSアレイは、偏光分離膜42aと位相差板(1/2λ板)42bとを備える。PBSアレイの各偏光分離膜42aは、照明装置1Aからの光のうち例えばP偏光を通過させ、S偏光を90°光路変更する。光路偏光されたS偏光は隣接の偏光分離膜42aにて反射され、前記位相差板42bによってP偏光に変換されて出射される。また、偏光変換装置42は偏光変換非有効利用部に反射体42cを備えている。反射体42cにて反射された光は照明装置1Aに戻り放物凹面鏡11a,12aにて反射して再び偏光変換装置42に至ることになるが、この再び到来した光のうち偏光変換有効利用部に到来した光は当該偏光変換装置42によって偏光変換されて偏光ビームスプリッタ40へと進むことになる。
【0027】
なお、かかる照明装置1Bにおける照明装置1Aに代えて、光源41を配置した構成としてもよい。
【0028】
図5には照明装置1Cを示している。この照明装置1Cは、偏光ビームスプリッタ40の一方の入射面及び他方の入射面の両方に前述した照明装置1Aを備える。照明装置1Aと入射面との間には前記偏光変換装置42と偏光変換装置44が設けられている。偏光変換装置44は偏光変換装置42と同様の構造を有するがS偏光に揃える機能を持つように構成される。
【0029】
図6には照明装置1Dを示している。この照明装置1Dは、偏光ビームスプリッタ40の一方の入射面及び他方の入射面の両方に前述した光源41を備えている。偏光変換装置42は光をP偏光に揃え、偏光変換装置44は光をS偏光に揃えることになり、光源41・41の光は合成されて偏光ビームスプリッタ40から出射される。
【0030】
図7には照明装置1Eを示している。この照明装置1Eは、偏光ビームスプリッタ40の一方の入射面及び他方の入射面の両方に光源45を備えている。光源45は楕円凹面鏡45aと発光部45bとから成り、集光を出射する。この集光はレンズ48によって平行光化されて偏光ビームスプリッタ40に至る。光源45とレンズ48との間の光路上には偏光変換装置46,47が設けられている。偏光変換装置46,47は各々一対のPBSを備えて構成されており、偏光変換装置46は光をP偏光に揃え、偏光変換装置47は光をS偏光に揃えるようになっている。これにより、光源45・45の光は合成されて偏光ビームスプリッタ40から出射される。なお、偏光変換装置46,47の偏光変換非有効利用部には遮光体を備えているが、この遮光体は無くてもよい。また、楕円凹面鏡に代えて、放物凹面鏡と集光レンズとを備える構成としてもよい。
【0031】
また、以上の例では凹面反射部材を有する光源を例示したが、平面鏡を備える平面光源を用いてもよいものである。
【0032】
また、この実施形態においては、透過型の液晶表示パネルを3枚用いた液晶プロジェクタとしたが、このような映像生成光学系に限るものではなく、他の映像生成光学系を用いる場合にも適用することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、複数光源の光軸を一致させつつこれらの光源の出射光を合成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態の投写型映像表示装置の光学系を示した図である。
【図2】図1の投写型映像表示装置で用いられた照明装置の構成図である。
【図3】照明装置の変形例を示した構成図である。
【図4】照明装置に用いられる偏光変換装置の一例を示した説明図である。
【図5】照明装置の変形例を示した構成図である。
【図6】照明装置の変形例を示した構成図である。
【図7】照明装置の変形例を示した構成図である。
【符号の説明】
1A 1B 1C 1D 1E 照明装置
11 12 41 45 光源
14 15 43 1/4λ板
42 44 46 47 偏光変換装置
13 40 偏光ビームスプリッタ
Claims (3)
- 第1の光源と、出射光が、第1の光源からの出射光と直交する位置に配置された第2の光源と、第1の光源から直に出射された平行光のうち第1成分の偏光を透過させて反射用面に導くと共に第2成分の偏光を90°反射させて出射面に導く一方、第2の光源から直に出射された平行光のうち第1成分の偏光を透過させて出射面に導くと共に第2の成分の偏光を90°反射させて反射面に導く偏光ビームスプリッタと、各光源と偏光ビームスプリッタとの間にそれぞれ設けられた1/4位相差板と、反射用面に対面にて設けられた反射体とから構成された照明装置と、照明装置の出射面に対面して設けられた一対のインテグレータレンズと、インテグレータレンズを経た光を第 1 成分の偏光あるいは第2成分の偏光に変換する偏光変換装置と、偏光変換装置を経た光を投写レンズを介して拡大投写する光学系とを備えていることを特徴とする投写型映像表示装置。
- 前記照明装置とインテグレータレンズとの間には、照明装置からの光を第1成分の偏光に揃える第2の偏光変換装置と、前記照明装置から出射される光と直交する光を出射する第3の光源と、第2の偏光変換装置を透過した照明装置からの第1成分の偏光を透過させて出射面に導くと共に、第3の光源からの第2成分の偏光を90°反射させて出射面に導く第2の偏光ビームスプリッタと、第2の偏光ビームスプリッタを透過した第3の光源からの第1成分の偏光を180°反射させる反射体と、第3の光源と第2の偏光ビームスプリッタとの間に設けられた1/4位相差板とが配置されていることを特徴とする請求項1記載の投写型映像表示装置。
- 前記照明装置とインテグレータレンズとの間には、照明装置からの光を第1成分の偏光に揃える第2の偏光変換装置と、前記照明装置から出射される光と直交する光を出射する、前記照明装置を90°回転させた位置関係により構成された第2の照明装置と、第2の照明装置からの光を第2成分の偏光に揃える第3の偏光変換装置と、第2の偏光変換装置により揃えられた第1成分の偏光を透過させて出射面に導くと共に、第3の偏光変換装置により揃えられた第2成分の偏光を90°反射させて出射面に導く第2の偏光ビームスプリッタとが配置されていることを特徴とする請求項1記載の投写型映像表示装置。
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