JP2000029138A - 照明装置、偏光照明装置および投写型表示装置 - Google Patents

照明装置、偏光照明装置および投写型表示装置

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JP2000029138A
JP2000029138A JP10193321A JP19332198A JP2000029138A JP 2000029138 A JP2000029138 A JP 2000029138A JP 10193321 A JP10193321 A JP 10193321A JP 19332198 A JP19332198 A JP 19332198A JP 2000029138 A JP2000029138 A JP 2000029138A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 照明装置からの出射光を偏光ビームスプリッ
タで確実に偏光分離できるようにすること。 【解決手段】 照明装置1において、発光管4はその中
央に発光部5を有している。発光部5の内側輪部11の
形状は、直交平面(XY平面)に沿って切断した位置で
は円形をしており、同一部分の外側輪部12の形状は楕
円形をしている。この内側輪部11および外側輪部12
によって規定される両側に向かって厚くなっている発光
部断面のレンズ効果によって、発散光における直交平面
(XY平面)での光強度分布曲線Hは、X方向に長い非
円形形状となる。この照明装置1を用いれば、照明装置
1からの出射光を偏光ビームスプリッタで精度良く偏光
分離できる。また、偏光変換装置を備えた投写型表示装
置を高輝度化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光源ランプからの
発散光をリフレクタで反射することにより略平行な出射
光として出射する照明装置、偏光照明装置および投写型
表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】投写型表示装置としては、平行光を出射
する照明装置と、照明装置から出射された平行光を変調
する液晶ライトバルブ等の光変調素子と、この光変調素
子によって変調された光束を投写面上に拡大投写する投
写レンズとを有するものが知られている。中でも、反射
型液晶ライトバルブを光変調素子として用いた投写型表
示装置では、反射型液晶ライトバルブを照明する照明光
と、反射型液晶ライトバルブで変調され画像情報を含ん
だ投写光とを、偏光状態の違いを利用して空間的に合成
あるいは分離する必要があるため、一般的には大型の偏
光ビームスプリッタがその目的のために利用される。
【0003】さらに、光の利用効率を高めるために、液
晶ライトバルブで利用できない偏光光束を、当該液晶ラ
イトバルブで利用可能な偏光光束に変換するための偏光
変換装置が組み込まれることも多く、特に、透過型液晶
ライトバルブや反射型液晶ライトバルブを光変調素子と
して用いた投写型表示装置では一般的である。尚、偏光
変換装置にも、やはり偏光ビームスプリッタが使用され
る場合が多い。
【0004】図9には反射型液晶ライトバルブを用いた
投写型表示装置の典型的な例を示してある。この図に示
すように、投写型表示装置1000は、照明装置100
と、照明装置100から出射された照明光を反射型液晶
ライトバルブ200に導く偏光ビームスプリッタ300
と、反射型液晶ライトバルブ200によって変調された
光をスクリーン400に拡大投写する投写光学系500
とを有している。照明装置100は、光源ランプ110
と、この光源ランプ110からの発散光を反射するリフ
レクタ120とを備え、当該発散光をリフレクタ120
で反射することにより略平行な照明光を出射する。
【0005】投写型表示装置1000において、照明装
置100から出射された照明光は、偏光ビームスプリッ
タ300の偏光分離面300aに入射し、そこでP偏光
光束とS偏光光束に分離される。分離後の一方の偏光光
束(例えば、S偏光光束)は、その進行方向が90度折
り曲げられて反射型液晶ライトバルブ200に導かれ、
他方の偏光光束は偏光分離面300aを透過する。この
液晶ライトバルブ200に導かれた偏光光束は、そこで
画像情報に基づいて変調された後、同一の光路を戻り再
び偏光ビームスプリッタ300の偏光分離面300aに
入射する。反射型液晶ライトバルブ200で変調された
光は、変調時に偏光面の回転作用を受けて他方の偏光光
束(P偏光光束)に変化している。このため、この変調
された光は偏光分離面300aを透過して投写光学系5
00に到り、この投写光学系500によってスクリーン
400に拡大投写される。
【0006】ここで、偏光ビームスプリッタ300の偏
光分離面300aは、誘電体多層膜等から構成され、そ
の偏光分離特性は大きな入射角依存性を有している。図
10に拡大して示すように、この偏光分離面300aは
光路(Z方向)に対して45度傾斜した状態となるよう
に配置され、偏光分離面300aに入射した光のうち、
例えば、P偏光光束Pをそのまま透過し、S偏光光束S
を直角に反射する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ここで、照明装置の光
源は完全な点光源ではないので、照明装置からの出射光
は、完全な平行光ではなく、所定の拡がりをもった非平
行光となる。このため、投写型表示装置に組み込まれた
偏光ビームスプリッタ300の偏光分離面300aに
は、X方向(横方向)およびY方向(縦方向)に拡がり
を持つ光(非平行光)が入射することになる。このよう
な非平行光の入射に起因して次のような問題が発生す
る。
【0008】偏光分離面300aの偏光分離特性は一般
に光の入射角に依存する。特に、X方向における入射角
依存性は、偏光分離面300aとなる偏光分離膜の膜特
性を工夫することによってある程度小さくすることが出
来るが、Y方向における入射角依存性を小さくすること
は非常に難しい。その理由は、入射角がY方向に傾くに
従って、偏光分離面300aの法線と入射光によって規
定される平面と、偏光分離面300aとのなす角度が9
0度からずれるため、偏光分離面300aから出射され
る2つの直線偏光(P偏光光束PとS偏光光束S)の偏
光方向が回転するためである。これは偏光ビームスプリ
ッタ300の偏光分離面300aとそこに入射する光の
立体的な位置関係により決まる本質的な現象であり、偏
光分離膜の膜特性を工夫することでは回避出来ない現象
である。
【0009】このため、偏光分離面300aでは、特に
Y方向に広がりを持つ非平行光をP偏光光束PとS偏光
光束Sとに完全に偏光分離することができない。この結
果、偏光ビームスプリッタから出射されるP偏光光束P
およびS偏光光束Sには、それぞれS偏光成分およびP
偏光成分の光が混在する。このように偏光状態の分離が
不完全な偏光光束を投写型表示装置における画像形成用
の光として用いると、投写画像の明るさ及びコントラス
トが低下してしまう。
【0010】勿論、この現象は偏光ビームスプリッタを
用いて構成した偏光変換装置に対しても当てはまり、投
写画像の明るさを低下させる原因となる。
【0011】上記の点に鑑みて、本発明の課題は、偏光
ビームスプリッタによって偏光分離が精度良く行われる
形態の光束を出射可能な照明装置を提案することにあ
る。
【0012】また、本発明の課題は、偏光変換装置が組
み込まれた投写型表示装置において、光の利用効率が高
い照明装置を提案することにある。
【0013】さらに、本発明の課題は、この新規な構成
の照明装置を光源として備えた偏光照明装置および投写
型表示装置を提案することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明では、光源ランプと、この光源ランプの発散
光を反射して略平行光として出射するためのリフレクタ
とを有する照明装置において、前記発散光のランプ光軸
に直交する直交平面内における光強度の分布曲線は、前
記ランプ光軸を中心とする縦長あるいは横長の非円形形
状であり、前記光源ランプの発光管は、当該非円形形状
の光強度分布曲線が得られるように、前記直交平面に沿
って切断した場合の肉厚が当該発光管の円周方向に沿っ
て変化していることを特徴としている。
【0015】本発明の照明装置では、光源ランプの発光
管からは非円形形状の光強度分布曲線を持った光が発光
されるので、リフレクタで反射して得られる光の光強度
分布曲線も、ランプ光軸を中心とする縦長あるいは横長
の非円形形状となる。すなわち、本発明の照明装置によ
れば、従来の照明装置の出射光に比べ、所定の方向の拡
がりが大きく、その方向に直交する方向の拡がりが小さ
い光束を出射できる。従って、光の拡がりが大きな方向
(非円形形状の光強度分布曲線の長軸方向)と偏光ビー
ムスプリッタの偏光分離方向とが一致するように照明装
置を配置することによって、照明装置からの出射光を偏
光ビームスプリッタで2種類の偏光光束(S偏光光束と
P偏光光束)に精度良く偏光分離できる。また、本発明
の照明装置を、光の広がりが大きな方向と、偏光ビーム
スプリッタを用いて構成した偏光変換装置の偏光分離方
向とが一致するように配置することによって、偏光変換
装置において照明装置からの出射光を他の偏光成分の混
入が少ない一種類の偏光光束に変換できる。
【0016】ここで、前記発光部としては、当該発光部
を前記直交平面に沿って切断した場合に、その内側輪部
およびその外側輪部の一方の断面形状が円により実現さ
れ、他方の輪部の断面形状が楕円により実現されるもの
を採用できる。また、前記直交平面内に沿って切断した
場合の肉厚が均一な円形発光部と、この円形発光部の外
周面に取り付けられた肉厚調整部材とを備えたものであ
っても良い。
【0017】本発明の照明装置は、一種類の偏光光束の
みを出射可能な偏光照明装置の光源として利用すること
ができる。すなわち、照明装置と、この照明装置から出
射された光束をP偏光光束とS偏光光束とに分離し、前
記P偏光光束と前記S偏光光束のうちのいずれか一方の
偏光光束の偏光方向を他方の偏光光束の偏光方向に揃え
て出射する偏光変換装置とを有する偏光照明装置の照明
装置として利用できる。
【0018】この場合、本発明の照明装置を、前記非円
形形状の光強度分布曲線の長軸方向と前記偏光変換装置
の偏光分離方向とが一致するように配置すれば、前述し
たように、偏光変換装置において照明装置からの出射光
を他の偏光成分の混入が少ない一種類の偏光光束に変換
できる。
【0019】また、本発明の照明装置は、次の偏光照明
装置の光源として利用することも可能である。すなわ
ち、照明装置と、当該照明装置から出射された光束を複
数の中間光束に分割する第1の光学要素と、前記中間光
束が集束する位置付近に配置された第2の光学要素とを
有し、前記第2の光学要素は、前記中間光束のそれぞれ
をP偏光光束とS偏光光束とに分離し、前記P偏光光束
と前記S偏光光束のうちのいずれか一方の偏光光束の偏
光方向を他方の偏光光束の偏光方向に揃えて出射する偏
光変換装置と、それらの偏光光束を重畳結合させる結合
レンズとを備えている偏光照明装置の照明装置として利
用できる。
【0020】この場合においても、本発明の照明装置
を、前記非円形形状の光強度分布曲線の長軸方向と前記
偏光変換装置の偏光分離方向とが一致するように配置す
れば、偏光変換装置において照明装置からの出射光を他
の偏光成分の混入が少ない一種類の偏光光束に変換でき
る。
【0021】本発明の照明装置は、投写型表示装置の照
明装置として用いることが可能である。すなわち、照明
装置と、この照明装置から出射された光束をP偏光光束
とS偏光光束とに分離する偏光分離素子と、当該偏光分
離素子によって分離された一方の偏光光束を変調する反
射型光変調素子と、当該反射型光変調素子によって変調
された光束を投写面上に拡大投写する投写手段とを有す
る投写型表示装置の前記照明装置として本発明の照明装
置を用いることができる。
【0022】この場合、本発明の照明装置を、前記非円
形形状の光強度分布曲線の長軸方向と前記偏光分離素子
の偏光分離方向とが一致するように配置すれば、前述し
たように、照明装置からの出射光を偏光ビームスプリッ
タ(偏光分離素子)でP偏光光束とS偏光光束とに精度
良く偏光分離できる。このため、本発明の投写型表示装
置の光学系においては、他の偏光光束の混入の少ない高
精度のP偏光光束およびS偏光光束を得ることができ
る。これにより、これらの偏光光束を画像形成用の光と
して用いることが可能となるので、投写画像のコントラ
スト及び明るさを向上できる。
【0023】また、本発明の照明装置は、次の投写型表
示装置の照明装置として適用できる。その投写型表示装
置は、照明装置と、当該照明装置から出射された光束を
複数の中間光束に分割する第1の光学要素と、前記中間
光束が集束する位置付近に配置された第2の光学要素
と、前記第2の光学要素から出射された光束をP偏光光
束とS偏光光束とに分離する偏光分離素子と、前記偏光
分離素子によって分離された一方の偏光光束を変調する
反射型光変調素子と、前記反射型光変調素子によって変
調された光束を投写面上に拡大投写する投写手段とを有
し、前記第2の光学要素は、前記中間光束のそれぞれを
P偏光光束とS偏光光束とに分離し、前記P偏光光束と
前記S偏光光束のうちのいずれか一方の偏光光束の偏光
方向を他方の偏光光束の偏光方向に揃えて出射する偏光
変換装置と、それらの偏光光束を重畳結合させる結合レ
ンズとを備えたものである。
【0024】この場合、本発明の照明装置を、前記非円
形形状の光強度分布曲線の長軸方向と前記偏光変換装置
の偏光分離方向及び前記偏光分離素子の偏光分離方向と
が一致するように配置すれば、偏光変換装置によって分
離された偏光光束の双方を画像形成用の光として利用で
きるので、投写型表示装置における光の利用効率を向上
できる。
【0025】さらに、本発明の照明装置は、次の投写型
表示装置の照明装置としても適用可能である。その投写
型表示装置は、照明装置から出射された光束を複数の中
間光束に分割する第1の光学要素と、前記中間光束が集
束する位置付近に配置された第2の光学要素と、この光
学要素から出射された光を変調する透過型光変調素子
と、前記透過型光変調素子により変調が施された光束を
投写面上に拡大投写する投写手段とを有し、前記第2の
光学要素は、前記中間光束をP偏光光束とS偏光光束と
に分離し、前記P偏光光束、S偏光光束のうちのいずれ
か一方の偏光光束の偏光方向を他方の偏光光束の偏光方
向に揃えて出射する偏光変換装置と、それらの偏光光束
を重畳結合させる結合レンズとを備えたものである。
【0026】このような構成の場合も、本発明の照明装
置を、前記非円形形状の光強度分布曲線の長軸方向と前
記偏光変換装置の偏光分離方向とが一致するように配置
すると、前述したように、偏光変換装置で他の偏光成分
の混入が少ない一種類の偏光光束に変換できる。このた
め、この偏光光束を画像形成用の光として利用できるた
め、コントラストと明るさに優れた投写画像を得ること
ができる。
【0027】なお、第1および第2の光学要素を備えた
構成の投写型表示装置の場合、第1の光学要素と第2の
光学要素との間、あるいは第2の光学要素の内部に、集
光レンズアレイを配置することによって、偏光変換装置
における偏光変換効率を向上できる。
【0028】
【発明の実施の形態】(照明装置)以下に図面を参照し
て本発明を適用した照明装置を説明する。図1(A)は
照明装置の概略断面構成図であり、図1(B)は図1
(A)のA−A’線における断面図である。図1に示す
照明装置1は、光源ランプ2からの発散光をリフレクタ
3によって反射して、ランプ光軸Mに略平行な出射光と
して出射する形式のものである。なお、以下の説明にお
いては、特にことわりのない限り、互いに直交する3方
向を便宜的にX方向(横方向)、Y方向(縦方向)、Z
方向(ランプ光軸Mの方向)とする。
【0029】光源ランプ2としては、メタルハライドラ
ンプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ等を使用でき
る。光源ランプ2の発光管4は、その中央には断面が楕
円形状をした球状の発光部5が形成されている。この発
光部5の両側には外側(Z方向)に細長く直線的に伸び
る封止部6、7が一体形成されている。発光部5の内部
には、電極芯棒が所定の位置に配置されている。また、
例えば、沃化ジスプロシウム、沃化ネオジム、沃化セシ
ウム等の金属ハロゲン化物が封入されている。
【0030】リフレクタ3には、放物面状の反射面8が
備わっており、この反射面8の前端縁によって前面開口
9が規定されている。反射面8に照射された光源ランプ
2からの発散光はランプ光軸Mに略平行な出射光として
反射される。反射面8からはその背面側に向けて筒型の
ランプ取付け部10が延びている。このランプ取付け部
10に、光源ランプ2の一方の封止部7が挿入されてい
る。
【0031】なお、光源ランプ2は、封止部7に口金が
取り付けられ、この口金を介してランプ取付け部10に
挿入された後、耐熱性の接着剤等によって固定される。
また、光源ランプ2は、管軸とランプ光軸Mが水平とな
るようにリフレクタ3に取り付けられ、発光部5が取付
け部の底部中央から所定の量だけ前方に突き出た状態で
固定される。
【0032】ここで、発光部5から発光された発散光に
おけるランプ光軸Mに直交する直交平面(XY平面)で
の光強度の分布曲線は、ランプ光軸Mを中心としてX方
向に長い非円形形状をしている。発光管4の発光部5
は、当該非円形形状の光強度分布曲線が得られるよう
に、直交平面(XY平面)に沿って切断した場合の肉厚
が当該発光管4の円周方向に沿って変化している。
【0033】詳しく説明すると、発光部5の内側輪部1
1は、直交平面(XY平面)に沿って切断した場合の断
面形状が真円形をしている。また、発光部5の外側輪部
12は直交平面(XY平面)に沿って切断した場合の断
面形状がX方向に長い楕円形をしている。この内側輪部
11および外側輪部12によって規定されている肉厚部
分13の断面形状は、ランプ光軸Mから見て短軸方向
(Y方向)の厚さ13aが最も薄く、ランプ光軸Mから
見て長軸方向(X方向)の厚さ13bが最も厚くなるよ
うに徐々に変化する形状となっている。このような形状
をしている肉厚部分13にはレンズと同じ効果が生じ
る。
【0034】このような発光部5では、内部で発光した
光は、図1(B)に実線で示すように、肉厚部分13の
レンズ効果による屈折を受けて、その出射角度がY方向
からX方向にそのレンズ効果の程度に応じた角度だけ傾
く。この結果、図1(C)に示すように、発光部5から
の発散光における直交平面(XY平面)での光強度分布
プロファイルHは、ランプ光軸Mを中心としたX方向に
長い非円形形状となる。この強度分布曲線Hの意味する
ところは、照明装置1から出射される光の内、X軸の近
傍を通過する光線の割合が大きく(つまり光線密度が大
きい)、X軸から離れた位置を通過する光線の割合は小
さい(つまり光線密度が小さい)ということである。こ
の発散光は、リフレクタ3の反射面8に照射され、そこ
で反射されてランプ光軸Mに略平行な光に変換される。
【0035】照明装置1の出射光のプロファイルは、従
来の照明装置の出射光のそれに比べて、光線密度がX軸
の近傍に局在化したものとなる。従って、照明装置1で
光線密度の高い領域が分布する方向(X方向)と偏光ビ
ームスプリッタ(偏光分離素子)の偏光分離方向(横方
向)とが一致するように、照明装置1と偏光ビームスプ
リッタとを配置すれば、縦方向に大きな角度を伴って偏
光ビームスプリッタに入射する光が少なくなるため、偏
光ビームスプリッタから出射される2つの直線偏光(P
偏光光束PとS偏光光束S)の偏光方向が回転する程度
とその光束量を小さく抑え込むことが出来る。従って、
照明装置1からの出射光を偏光ビームスプリッタでP偏
光光束PおよびS偏光光束Sに精度良く偏光分離でき
る。また、当該照明装置1を、そこから出射される光の
光強度分布プロファイルにおける光線密度の高い領域が
分布する方向(X方向)と偏光変換装置の偏光分離方向
とが一致するように配置することにより、光量低下を招
くことなく、効率良く偏光変換を行うことが可能であ
る。
【0036】なお、偏光ビームスプリッタの偏光分離方
向とは、図10に示す偏光ビームスプリッタ300の入
射面300bにおける横方向(X方向)である。また、
偏光ビームスプリッタを用いて構成した偏光変換装置の
偏光分離方向も、偏光ビームスプリッタの入射面におけ
る横方向である。
【0037】照明装置1においては、発光管4の代わり
に、図2(A)に示すように、Y方向に長い楕円形断面
をした内側輪部14と、円形断面をした外側輪部15と
を備えた発光部5Aを有する発光管を採用することも可
能である。また、図2(B)に示すように、直交平面
(XY平面)に沿って切断した場合の肉厚が均一の円形
発光部16と、この円形発光部16の外周面に肉厚調整
部材17a、17bとを備えた構成の発光部5Bを有す
る発光管4であっても良い。肉厚調整部材17a、17
bとしては、例えば、円形発光部16の左右の側部に取
り付けた状態で発光部5Bの直交平面(XY平面)にお
ける断面形状が発光部5と同じ形状になるものを使用す
れば良い。
【0038】これらの発光部5A、5Bを備えた発光管
であっても、実質的な肉厚部分13は、前述した発光部
5を備えた発光管4と同様に、肉厚部分13の断面形状
は、ランプ光軸Mから見て短軸方向(Y方向)の厚さ1
3aが最も小さく、ランプ光軸Mから見て長軸方向(X
方向)の厚さ13bが最も大きくなるように徐々に変化
する形状となる。このため、肉厚部分13のレンズ効果
によって、発光管の発散光における直交平面(XY平
面)での光強度分布曲線は、図1(C)に示したような
非円形形状となる。
【0039】(偏光照明装置の第1の例)次に、この照
明装置1を備えた偏光照明装置を説明する。図3(A)
にはその偏光照明装置の一例を示してある。この図に示
す偏光照明装置1Aは、基本的には、照明装置1と、こ
の照明装置1から出射された光束をS偏光光束SとP偏
光光束Pとに分離する偏光分離素子としての2つの偏光
ビームスプリッタ35、36と、この偏光ビームスプリ
ッタ35、36によって分離された2つの偏光光束のう
ち、P偏光光束PをS偏光光束Sに変換する偏光変換素
子としてのλ/2位相差板39とから構成されている。
【0040】照明装置1から出射された光束のほぼ全成
分は2つの偏光ビームスプリッタ35、36の入射面3
5b、36bに入射する。各偏光ビームスプリッタ3
5、36はランプ光軸Mに対して45度傾斜した偏光分
離面35a、36aを備えており、これらの偏光分離面
35a、36aは互いに直交するように設定されてい
る。偏光ビームスプリッタ35、36の入射面35b、
36bに入射した照明装置1からの光束のうち、その光
束に含まれるP偏光光束Pはそれぞれの偏光分離面35
a、36aを透過し、S偏光光束Sはそれぞれの偏光分
離面35a、36aで外側に向けて折り曲げられる。こ
れらのS偏光光束Sは、偏光ビームスプリッタ35、3
6における出射面35c、36cから出射する。
【0041】出射面35cの外側には、偏光分離面35
aと平行な反射面を有する反射ミラー37が配置され、
出射面36cの外側には、偏光分離面36aと平行な反
射面を有する反射ミラー38が配置されている。出射面
35cから出射したS偏光光束Sは反射ミラー37で直
角に反射されて、ランプ光軸Mに平行な光束になる。ま
た、出射面36cから出射したS偏光光束Sは反射ミラ
ー38で直角に反射されて、ランプ光軸Mに平行な光束
になる。
【0042】各偏光分離面35a、36aを透過したP
偏光光束Pは入射面35b、36bと対峙している出射
面35d、36dから出射する。これらの出射面35
d、36dにはλ/2位相差板39が設置されている。
出射面35d、36dから出射したP偏光光束Pは、λ
/2位相差板39を通過する際に偏光面の回転作用を受
けS偏光光束Sへと変換される。この結果、照明装置1
から出射された光束は一種類の偏光光束(S偏光光束
S)に変換されて照明領域90を照射する。
【0043】ここで、図3(B)に示すように、偏光照
明装置1Aにおいては、照明装置1を、そこから出射さ
れる光の光の強度分布プロファイルにおける光線密度の
高い領域が分布する方向(X方向)が偏光ビームスプリ
ッタ35、36の偏光分離方向(X方向)に一致するよ
うに配置してある。照明装置1と偏光ビームスプリッタ
35、36をこのような配置関係にすると、前述したよ
うに、偏光ビームスプリッタ35、36において、照明
装置1からの出射光を他の偏光成分の混入の少ないS偏
光光束SおよびP偏光光束Pに偏光分離できる。この偏
光分離されたP偏光光束PにはS偏光成分がほとんど含
まれていないので、λ/2位相板39によって変換され
たS偏光光束SにもP偏光成分はほとんど存在しない。
このため、偏光照明装置1Aによって、他の偏光成分の
混入が少ない一種類の偏光光束(本例では、S偏光光
束)を得ることができる。
【0044】(偏光照明装置の第2の例)図4(A)に
は偏光照明装置の異なる例を示してある。この図に示す
偏光照明装置1Bは、照明装置1と、この照明装置1か
ら出射された光束を複数の中間光束に分割する第1の光
学要素61と、中間光束が集光する位置付近に配置され
た第2の光学要素62とを有している。
【0045】照明装置1は、ランプ光軸Mがシステム光
軸Nに対して一定の距離DだけX方向に平行シフトした
状態となるように配置されている。照明装置1から出射
された光束は、第1の光学要素61に入射する。
【0046】第1の光学要素61は、XY平面上で矩形
状の外形を有する複数の光束分割レンズ61aをマトリ
クス状に配列して構成されており、ランプ光軸Mが第1
の光学要素61の中心に来るように、照明装置1と第1
の光学要素61との位置関係が設定されている。第1の
光学要素61に入射した光は、光束分割レンズ61aに
より複数の中間光束61bに分割され、同時に光束分割
レンズ61aの集光作用により、システム光軸Nと垂直
な平面内(XY平面内)の中間光束が集束する位置に光
束分割レンズの数と同数の集光像61cを形成する。光
束分割レンズ61aのXY平面上における外形形状は、
照明領域90の形状と相似形をなすように設定される。
本例では、XY平面上でX方向に長い横長の照明領域9
0を想定しているため、光束分割レンズ61aのXY平
面上における外形形状も横長である。なお、この照明領
域90は、後述する投写型表示装置においては、その装
置内の液晶ライトバルブにおける画像形成領域に相当す
る。
【0047】集光像61cが形成される位置近傍には、
システム光軸Nに対して垂直な平面内(XY平面内)に
第2の光学要素62が配置されている。この第2の光学
要素62は、集光レンズアレイ63、遮光板64、偏光
変換装置68および結合レンズ67から大略構成される
複合体である。なお、第1の光学要素61に入射する光
束の平行性が極めて良い場合には、第2の光学要素62
から集光レンズアレイ63を省略した構成としても良
い。この第2の光学要素62は、中間光束61bのそれ
ぞれをP偏光光束とS偏光光束とに空間的に分離した
後、一方の偏光光束の偏光方向と他方の偏光光束の偏光
方向とを揃え、偏光方向がほぼ揃ったそれぞれの光束を
照明領域に導くような機能を有している。
【0048】集光レンズアレイ63は、第1の光学要素
61とほぼ同様な構成となっており、即ち、第1の光学
要素61を構成する光束分割レンズ61aと同数の集光
レンズ63aをマトリクス状に配列したものであり、そ
れぞれの中間光束61bを後述する偏光変換装置68の
偏光分離ユニットアレイ65の特定の場所に集光しなが
ら導く機能を有している。
【0049】従って、第1の光学要素61により形成さ
れた中間光束61bの特性に合わせて、また、偏光分離
ユニットアレイ65に入射する光はその主光線の傾きが
システム光軸Nと平行であることが理想的である点を考
慮して、各集光レンズ63aのレンズ特性は各々最適化
されることが望ましい。
【0050】ただし、一般的には、光学系の低コスト化
および設計の容易さを考慮して、第1の光学要素61と
全く同じものを集光レンズアレイ63として用いるか、
或いは、光束分割レンズ61aとXY平面での形状が相
似形である集光レンズを用いて構成した集光レンズアレ
イを用いても良いことから、本例の場合には、第1の光
学要素61を集光レンズアレイ63として用いている。
【0051】なお、集光レンズアレイ63が配置される
位置は第2の光学要素62の入射側には限定されず、遮
光板64や偏光変換装置68から離れた位置(第1の光
学要素61に近い側)に配置してもよい。また、集光レ
ンズアレイ63を結合レンズ67と一体化して偏光変換
装置68の出射側に配置することも可能である。
【0052】遮光板64は複数の遮光面64aと複数の
開口面64bが配列して構成されたものであり、遮光面
64aと開口面64bの配列の仕方は後述する偏光分離
ユニットの配列の仕方に対応している。遮光板64の遮
光面64aに入射した光束は遮られ、開口面64bに入
射した光束は遮光板64をそのまま透過する。従って、
遮光板64は、遮光板64上の位置に応じて透過する光
束を制御する機能を有しており、遮光面64aと開口面
64bの配列の仕方は、第1の光学要素61による集光
像61cが後述する偏光分離ユニットの偏光分離面上の
みに形成されるように設定されている。
【0053】遮光板64としては、ガラス板等の平板状
の透明体に、クロムやアルミニウム等からなる遮光性の
膜を部分的に形成したものや、アルミニウム板のような
遮光性の平板に開口部を設けたもの等を使用することが
できる。特に、遮光性を有する膜を利用する場合には、
遮光性を有する膜を集光レンズアレイ63や後述する偏
光分離ユニットアレイ65上に直接形成しても同様の機
能を発揮させることができる。
【0054】次に、偏光変換装置68は偏光分離ユニッ
トアレイ(偏光分離素子)65と、この偏光分離ユニッ
トアレイ65の出射面の側に取り付けられた選択位相差
板(偏光変換素子)66とを有している。
【0055】偏光分離ユニットアレイ65は、複数の偏
光分離ユニット65aがマトリクス状に配列した構成を
なしている。偏光分離ユニット65aの配列の仕方は、
第1の光学要素61を構成する光束分割レンズ61aの
レンズ特性およびそれらの配列の仕方に対応している。
本例においては、全て同じレンズ特性を有する同心系の
光束分割レンズ61aを用いて、それらの光束分割レン
ズ61aを直交マトリクス状に配列することで第1の光
学要素61を構成しているため、偏光分離ユニットアレ
イ65も全て同じ偏光分離ユニット65aを全て同じ向
きに直交マトリクス状に配列することにより構成されて
いる。
【0056】なお、Y方向に並ぶ同一列の偏光分離ユニ
ットが全て同じ偏光分離ユニットである場合には、Y方
向に細長い偏光分離ユニットをX方向に配列して構成し
た偏光分離ユニットアレイ65を用いた方が、偏光分離
ユニット間の界面における光損失を低減できると共に偏
光分離ユニットアレイの製造コストを低減できるという
利点がある。
【0057】偏光分離ユニット65aは内部に偏光分離
面65bと反射面65cを備えた四角柱状の構造体であ
り、偏光分離ユニット65aに入射する中間光束61b
のそれぞれをP偏光光束とS偏光光束とに空間的に分離
する機能を有している。偏光分離ユニット65aのXY
平面上における外観形状は、光束分割レンズ61aのX
Y平面上における外観形状と相似形をなしており、即
ち、横長の矩形状である。従って、偏光分離面65bと
反射面65cとは横方向(X方向)に並ぶように配置さ
れている。
【0058】ここで、偏光分離面65bと反射面65c
とは、偏光分離面65bがシステム光軸Nに対して約4
5度の傾きをなし、且つ、反射面65cが偏光分離面と
平行な状態をなし、さらに、偏光分離面65bがXY平
面上に投影する断面積(後述するP出射面の面積に等し
い)と反射面65cがXY平面上に投影する断面積(後
述するS出射面の面積に等しい)とが等しくなるように
配置されている。
【0059】従って、本例では、偏光分離面65bが存
在する領域のXY平面上での横幅と反射面が存在する領
域のXY平面上での横幅とは等しくなり、且つ、それぞ
れが偏光分離ユニットのXY平面上での横幅の半分にな
るように設定されている。なお、一般的に、偏光分離面
65bは誘電体多層膜で、また、反射面65cは誘電体
多層膜或いはアルミニウム膜で形成することができる。
【0060】偏光分離ユニット65aに入射した光は、
偏光分離面65bにおいて、進行方向を変えずに偏光分
離面65bを透過するP偏光光束と、偏光分離面65b
で反射され隣接する反射面65cの方向に進行方向を変
えるS偏光光束とに分離される。P偏光光束はそのまま
P出射面65dを経て偏光分離ユニットから出射され、
S偏光光束は再び反射面65cで進行方向を変え、P偏
光光束とほぼ平行な状態となって、S出射面65eを経
て偏光分離ユニットから出射される。
【0061】従って、偏光分離ユニットに入射したラン
ダムな偏光光束は偏光分離ユニットにより偏光方向が異
なるP偏光光束とS偏光光束の二種類の偏光光束に分離
され、偏光分離ユニットの異なる場所(P出射面65d
とS出射面65e)からほぼ同じ方向に向けて出射され
る。偏光分離ユニット65aは上記のような機能を有す
ることから、それぞれの偏光分離ユニット65aの偏光
分離面65bが存在する領域にそれぞれの中間光束61
bを導く必要があり、そのため、偏光分離ユニット内の
偏光分離面65bの中央部に中間光束61bが入射する
ように、それぞれの偏光分離ユニット65aとそれぞれ
の集光レンズ63aの位置関係やそれぞれの集光レンズ
63aのレンズ特性は設定されている。特に、本例の場
合には、それぞれの偏光分離ユニット内の偏光分離面6
5bの中央部にそれぞれの集光レンズの中心軸が来るよ
うに配置するため、集光レンズアレイ65は、偏光分離
ユニットの横幅の1/4に相当する距離Dだけ、偏光分
離ユニットアレイ65に対してX方向にずらした状態で
配置されている。
【0062】尚、偏光分離ユニットアレイにおいては、
その内部に上述した偏光分離面と反射面が規則的に形成
されたものであれば良く、上述した偏光分離ユニットを
基本的な構成単位として用いる必要は必ずしもない。こ
こでは、偏光分離ユニットアレイの機能を説明し易くす
るために、偏光分離ユニットという構成単位を導入した
に過ぎない。
【0063】遮光板64は偏光分離ユニットアレイ65
と集光レンズアレイ63との間にあって、遮光板64の
それぞれの開口面64bの中心とそれぞれの偏光分離ユ
ニット65aの偏光分離面65bの中心がほぼ一致する
ように配置され、また、開口面64bの開口横幅(X方
向の開口幅)は偏光分離ユニット65aの横幅の約半分
の大きさに設定されている。この結果、偏光分離面65
bを経ずして反射面65cに直接入射する中間光束61
bは、予め遮光板64の遮光面64aで遮られるためほ
とんど存在せず、遮光板64の開口面64bの通過した
光束はそのほとんど全てが偏光分離面65bに入射する
ことになる。従って、遮光板64の設置により、偏光分
離ユニット65aにおいて、直接反射面65cに入射
し、反射面65cを経て隣接する偏光分離面65bに入
射する光束はほとんど存在しないことになる。
【0064】偏光分離ユニットアレイ65の出射面側に
は、λ/2位相差板66aが規則的に配置された選択位
相差板66が設置されている。即ち、偏光分離ユニット
アレイ65を構成する偏光分離ユニット65aのP出射
面65dの部分にのみλ/2位相差板66aが配置さ
れ、S出射面65eの部分にはλ/2位相差板66aは
設置されていない。この様なλ/2位相差板66aの配
置状態により、偏光分離ユニット65aから出射された
P偏光光束は、λ/2位相差板66aを通過する際に偏
光方向の回転作用を受けS偏光光束へと変換される。一
方、S出射面65eから出射されたS偏光光束はλ/2
位相差板66aを通過しないので、偏光方向は変化せ
ず、S偏光光束のまま選択位相差板66を通過する。以
上をまとめると、偏光分離ユニットアレイ65と選択位
相差板66により、偏光方向がランダムな中間光束61
bは一種類の偏光光束(この場合はS偏光光束)に変換
されたことになる。
【0065】選択位相差板66の出射面の側には、結合
レンズ67が配置されており、選択位相差板66により
S偏光光束に揃えられた光束は、結合レンズ67により
照明領域(後述する投写型表示装置の液晶ライトバルブ
の画像形成領域)へと導かれ、照明領域上で重畳結合さ
れる。ここで、結合レンズ67は1つのレンズ体である
必要はなく、第1の光学要素61のように、複数のレン
ズの集合体であっても良い。
【0066】第2の光学要素62の機能をまとめると、
第1の光学要素61により分割された中間光束61b
(つまり、光束分割レンズ61aにより切り出されたイ
メージ面)は、第2の光学要素62により照明領域上で
重畳結合される。これと同時に、途中の偏光変換装置6
8により、ランダムな偏光光束である中間光束は偏光方
向が異なる二種類の偏光光束に空間的に分離され、その
分離された二種類の偏光光束が一種類の偏光光束に変換
される。ここで、偏光変換装置68の偏光分離ユニット
アレイ65の入射側には遮光板64が配置され、偏光分
離ユニット65aの偏光分離面65bにだけ中間光束が
入射する構成となっているため、反射面65cを経て偏
光分離面65bに入射する中間光束61bはほとんどな
く、偏光分離ユニットアレイ65から出射される偏光光
束の種類はほぼ一種類に限定される。従って、照明領域
は殆ど一種類の偏光光束でほぼ均一に照明されることに
なる。
【0067】ここで、図4(B)に示すように、偏光照
明装置1Bにおいては、照明装置1を、そこから出射さ
れる光の光強度分布プロファイルにおける光線密度の高
い領域が分布する方向(X方向)と偏光変換装置68に
おける偏光分離ユニットアレイ(偏光分離素子)65の
偏光分離方向(X方向)とが一致するように配置してあ
る。照明装置1と偏光分離ユニットアレイ65をこのよ
うな配置関係にすると、前述したように、偏光分離ユニ
ットアレイ65において、照明装置1からの出射光を他
の偏光成分の混入の少ないS偏光光束およびP偏光光束
に分離できる。この分離されたP偏光光束にはS偏光成
分がほとんど含まれていないので、選択位相差板66の
λ/2位相差板66aによって変換されたS偏光光束S
にもP偏光成分はほとんど含まれないことになる。すな
わち、他の偏光成分の混入が少ない一種類の偏光光束
(本例では、S偏光光束)を得ることができる。(投写
型表示装置の第1の例) 次に、この照明装置1を用いた投写型表示装置を説明す
る。図5(A)にはその一例として反射型液晶ライトバ
ルブ(反射型光変調素子)を用いた投写型表示装置の光
学系を示してある。
【0068】この図に示す投写型表示装置20は、前述
した照明装置1からの出射光を赤、緑、青の3色の色光
R、G、Bに分離し、分離した各色光R、G、Bに対し
て反射型液晶ライトバルブにより各色の画像信号に応じ
た変調を施し、変調後の各色光を再合成して投写面上に
拡大投写する形式のものである。
【0069】詳細に説明すると、照明装置1からの出射
光は、それに含まれるP偏光成分PおよびS偏光成分S
を空間的に分離する偏光ビームスプリッタ21に入射す
る。この偏光ビームスプリッタ21は、ランプ光軸Mに
対して45度傾斜した偏光分離面21aを備えており、
出射光に含まれるP偏光光束Pを透過し、S偏光光束S
を直交する方向に向けて反射することにより、空間的に
90度の角度で分離する。
【0070】この偏光ビームスプリッタ21におけるP
偏光光束Pの出射面31に対峙させて、ダイクロイック
プリズム22が配置されている。このダイクロイックプ
リズム22は上記の偏光分離面21aと略平行に赤色・
青色反射膜22aが形成されている。
【0071】ダイクロイックプリズム22に入射したP
偏光光束Pに含まれる緑色光Gは赤色・青色反射膜22
aを透過して当該ダイクロイックプリズム22の出射面
41から出射する。この出射面41に対峙させて、出射
した緑色光Gの光路に直交する状態で、反射型の緑色用
液晶ライトバルブ23Gが配置されている。従って、P
偏光光束Pから分離された緑色光Gは当該液晶ライトバ
ルブ23Gに入射して、緑色画像信号に対応した変調が
施される。P偏光光束Pに含まれる赤色光Rおよび青色
光Bはダイクロイックプリズム22の赤色・緑色反射膜
22aで反射される。
【0072】一方、偏光ビームスプリッタのS偏光光束
Sの出射面32の側には、ダイクロイックプリズム24
と、ダイクロイックプリズム24における偏光ビームス
プリッタ21からのS偏光光束Sが入射する入射面42
に形成された緑色反射ダイクロイックフィルタ25とが
設けられている。偏光ビームスプリッタ21から出射さ
れたS偏光光束Sは、緑色反射ダイクロイックフィルタ
25を通過する際に緑色成分が除去される。
【0073】そして、ダイクロイックプリズム24に入
射したS偏光光束Sは、偏光分離面21aとは直交する
方向に形成された青色反射膜24aによって青色光Bが
反射されて出射面43から出射する。この出射面43に
対峙させて、出射した青色光Bの光路に直交する状態
で、反射型の青色用液晶ライトバルブ23Bが配置され
ている。従って、S偏光光束Sから分離された青色光B
は当該液晶ライトバルブ23Bに入射して青色画像信号
に対応する変調が施される。青色反射膜24aを透過し
た赤色光Rは出射面44から出射する。この出射面44
に対峙させて、出射した赤色光Rの光路に直交する状態
で、反射型の赤色用液晶ライトバルブ23Rが配置され
ている。従って、S偏光光束Sから分離された赤色光R
は当該液晶ライトバルブ23Rに入射して赤色画像信号
に対応する変調が施される。
【0074】反射型の液晶ライトバルブ23R、23
G、23Bに入射した各色光R、G、Bは、それぞれに
供給されている各色の画像信号の画素信号に応じて各画
素電極毎に偏光面の回転を受け、反射光(変調光)とな
る。このようにして得られた変調光は、再度、同一光路
に沿って戻り、ダイクロイックプリズム22、24を通
り、偏光ビームスプリッタ21に至る。
【0075】ここで、P偏光光束Pが入射した緑色用液
晶ライトバルブ23Gからの反射光は偏光面の回転作用
を受けて部分的にS偏光光束となっており、このS偏光
成分のみが、当該偏光ビームスプリッタ21の偏光分離
面21aで反射されて、投写光学系を構成している投写
レンズ26に供給され、変調されなかった光は偏光面の
回転作用を受けずにP偏光光束のままであるので、その
残りのP偏光成分は光源の側に向けて戻っていく。
【0076】一方、S偏光光束Sが入射した青色用およ
び赤色用の液晶ライトバルブ23B、23Rからの変調
光は、偏光面の回転作用を受けて部分的にP偏光光束と
なっており、このP偏光成分のみが、当該偏光ビームス
プリッタ21の偏光分離面21aを透過して、投写レン
ズ26に供給され、残りのS偏光成分は反射されて光源
の側に戻っていく。
【0077】この結果、偏光ビームスプリッタ21の出
射面33からは各色の画像信号に応じて変調が施された
各色光(変調光)が再度合成されて出力される。この合
成光は投写レンズ26を介して、投写面27の上に拡大
投写される。
【0078】ここで、図5(B)に示すように、投写型
表示装置20においては、照明装置1から出射される光
の光強度分布プロファイルにおける光線密度が高い領域
が分布する方向(X方向)と偏光ビームスプリッタ21
の偏光分離方向(X方向)とが一致するように、照明装
置1と偏光ビームスプリッタ21とは配置されているの
で、前述したように、照明装置1から出射された光が偏
光ビームスプリッタ21でP偏光光束およびS偏光光束
に精度良く偏光分離される。従って、照明装置1を備え
た投写型表示装置20では、他の偏光成分の混入の少な
い高精度の偏光光束(本例では、S偏光光束S)を画像
形成用の光として利用できるので、コントラストと明る
さに優れた投写画像を得ることができる。
【0079】(投写型表示装置の第2の例)次に、図5
(A)とは異なる投写型表示装置の例を説明する。図6
(A)は、その投写型表示装置の光学系の要部を示す概
略構成図である。この図に示す投写型表示装置20A
は、前述した投写型表示装置20と同様に、照明装置1
からの出射光を3色の色光R、G、Bに分離し、分離し
た各色光R、G、Bに対して反射型液晶ライトバルブに
より各色の画像信号に応じた変調を施し、変調後の各色
光を再合成して投写面上に拡大投写する形式のものであ
る。
【0080】照明装置1からの出射光は、反射ミラー5
1において進行方向を90度折り曲げられ青光緑光反射
ダイクロイックミラー52に向かう。そして、この青光
緑光反射ダイクロイックミラー52において、赤色光R
が透過し、青色光Bおよび緑色光Gが反射する。赤色光
Rは、反射ミラー53で反射され、それに含まれるP偏
光成分PおよびS偏光成分Sを空間的に分離する偏光ビ
ームスプリッタ21Rに入射する。この偏光ビームスプ
リッタ21Rは、ランプ光軸Mに対して45度傾斜した
偏光分離面21aを備えており、赤色光Rに含まれるP
偏光光束Pを透過し、S偏光光束Sを直交する方向に向
けて反射することにより、2種類の偏光光束を空間的に
90度の角度で分離する。
【0081】この偏光ビームスプリッタ21Rにおける
S偏光光束Sの出射面32Rに対峙させて、出射した赤
色光RのS偏光光束Sの光路に直交する状態で、反射型
液晶ライトバルブ23Rが配置されている。従って、そ
のS偏光光束Sは当該液晶ライトバルブ23Rに入射し
て、赤色画像信号に対応した変調が施される。
【0082】一方、青光緑光反射ダイクロイックミラー
52で反射された青色光Bおよび緑色光Gは、緑反射ダ
イクロイックミラー54において、青色光Bが透過し、
緑色光Gが反射する。青色光Bおよび緑色光Gは、それ
らに含まれるP偏光成分PおよびS偏光成分Sを空間的
に分離する個別の偏光ビームスプリッタ21G、21B
にそれぞれ入射する。これらの偏光ビームスプリッタ2
1G、21Bは、上記の偏光ビームスプリッタ21Rと
同様に、偏光分離面21aを備えており、青色光Bおよ
び緑色光Gに含まれるP偏光光束Pを透過し、S偏光光
束Sを直交する方向に向けて反射することにより、2種
類の偏光光束を空間的に90度の角度で分離する。
【0083】これらの偏光ビームスプリッタ21G、2
1BにおけるS偏光光束Sの出射面32G、32Bに対
峙させて、出射した青色光B、緑色光GのS偏光光束S
の光路に直交する状態で、反射型液晶ライトバルブ23
B、23Gがそれぞれ配置されている。従って、青色光
BのS偏光光束Sは当該液晶ライトバルブ23Bに入射
して、青色画像信号に対応した変調が施される。また、
緑色光GのS偏光光束Sは当該液晶ライトバルブ23G
に入射して、緑色画像信号に対応した変調が施される。
【0084】反射型液晶ライトバルブ23R、23G、
23Bに入射した各色光R、G、BのS偏光光束Sは、
それぞれに供給されている各色の画像信号の画素信号に
応じて各画素電極毎に偏光面の回転を受け、反射光(変
調光)となる。この反射光は、再度、同一光路に沿って
戻り、それぞれの偏光ビームスプリッタ21R、21
G、21Bに達する。
【0085】ここで、変調が施された当該反射光はP偏
光光束Pに変換され、一方、変調が施されなかった当該
反射光はS偏光光束Sのままになっている。このため、
偏光ビームスプリッタ21R、21G、21Bに入射し
た各色光の内、変調が施され、P偏光光束Pに変換され
ている反射光は、偏光分離面21aを透過してクロスダ
イクロイックプリズム85に供給される。一方、変調が
施されず、S偏光光束Sのままの反射光は、偏光分離面
21aで反射され、さらに、同一光路を辿って照明装置
1に戻っていく。
【0086】クロスダイクロイックプリズム85に供給
された各色光R、G、Bの変調光は、ここで色合成さ
れ、投写光学系を構成している投写レンズ26に出力さ
れる。そして、この色合成された光は投写レンズ26を
介して、投写面の上に拡大投写される。
【0087】図6(B)に示すように、この投写型表示
装置20Aにおいても、照明装置1と偏光ビームスプリ
ッタ21R、21G、21Bとの配置関係を上述した投
写型表示装置20と同様に設定してある。このため、他
の偏光成分の混入が少ない一種類の偏光光束を画像形成
用の光として利用できるため、コントラストと明るさに
優れた投写画像を得ることができる。
【0088】(投写型表示装置の第3の例)次に、反射
型の液晶ライトバルブを備えた投写型表示装置に図4
(A)に示した偏光照明装置1Bを組み込んだ例を説明
する。図7は、その投写型表示装置の光学系の要部を示
す概略構成図である。この図に示す投写型表示装置20
Bは、偏光照明装置1Bから出射された一種類の偏光光
束を3色の色光R、G、Bに分離し、分離した各色光
R、G、Bに対して反射型の液晶ライトバルブにより各
色の画像信号に応じた変調を施し、変調後の各色光を再
合成して投写面上に拡大投写する形式のものである。
【0089】なお、図4(A)における照明領域90は
反射型液晶ライトバルブの画像形成領域に相当する。ま
た、図7に示す投写型表示装置20Bにおいて、前述し
た投写型表示装置20Aと共通する部分には同一符号を
付してある。
【0090】偏光照明装置1Bからの一種類の偏光光束
(本例では、S偏光光束S)は、X字状に配置された青
光緑光反射ダイクロイックミラー52および赤光反射ダ
イクロイックミラー86に入射する。S偏光光束Sに含
まれる赤色光Rは、赤光反射ダイクロイックミラー86
において、その進行方向を90度折り曲げられて反射ミ
ラー87に向かう。S偏光光束Sに含まれる青色光Bお
よび緑色光Gは、青光緑光反射ダイクロイックミラー5
2において、赤色光Rの進行方向とは反対方向に折り曲
げられて反射ミラー88に向かう。
【0091】赤色光Rは、反射ミラー87で反射され、
偏光ビームスプリッタ21Rに入射する。入射した赤色
光RはS偏光光束Sであるので、赤色光Rの略全てが偏
光ビームスプリッタ21Rの偏光分離面21rで直角に
折り曲げられて出射面32Rから出射する。この出射面
32Rから出射した赤色光Rは、反射型の液晶ライトバ
ルブ23Rに入射し、この液晶ライトバルブ23Rで赤
色画像信号に対応した変調が施される。
【0092】一方、青光緑光反射ダイクロイックミラー
52で反射された青色光Bおよび緑色光Gは、反射ミラ
ー88において、緑光反射ダイクロイックミラー54に
向けて反射される。緑光反射ダイクロイックミラー54
において、青色光Bが透過し、緑色光Gが反射する。
【0093】青色光Bおよび緑色光Gは、個別の偏光ビ
ームスプリッタ21G、21Bにそれぞれ入射する。青
色光Bおよび緑色光Gは共にS偏光光束Sであるので、
それらの略全てが各偏光ビームスプリッタ21G、21
Bの偏光分離面21g、21bで直交する方向に向けて
反射され、当該偏光ビームスプリッタ21G、21Bに
おける出射面32G、32Bから出射する。各出射面3
2G、32Bから出射した緑色光Gおよび青色光Bは、
反射型の液晶ライトバルブ23G、23Bに入射する。
緑色光Gは液晶ライトバルブ23Gで緑色画像信号に対
応した変調が施され、青色光Bは液晶ライトバルブBで
青色画像信号に対応した変調が施される。
【0094】反射型の液晶ライトバルブ23R、23
G、23Bに入射した各色光R、G、Bは、それぞれに
供給されている各色の画像信号の画素信号に応じて各画
素電極毎に偏光面の回転を受け、反射光(変調光)とな
る。この反射光は、再度、同一の光路に沿って戻り、そ
れぞれの偏光ビームスプリッタ21R、21G、21B
に到達する。
【0095】この後は、上述した投写型表示装置20A
と同様に、クロスダイクロイックプリズム85、投写光
学系を構成している投写レンズ26を介して投写面27
に拡大投写される。
【0096】ここで、投写型表示装置20Bには前述し
た偏光照明装置1Bが組み込まれている。特に、偏光照
明装置1Bに組み込まれている照明装置1から出射され
る光の光強度分布プロファイルにおける光線密度が高い
領域が分布する方向と、第2の光学要素62における偏
光分離方向および偏光ビームスプリッタ21R、21
G、21Bにおける偏光分離方向とが一致するように、
照明装置1と第2の光学要素62及び偏光ビームスプリ
ッタ21R、21G、21Bは配置されている。このた
め、投写型表示装置20Bでは、他の偏光成分の混入が
少ない一種類の偏光光束(S偏光光束S)を画像形成用
の光として利用されている。よって、コントラストと明
るさに優れた投写画像を得ることができる。
【0097】(投写型表示装置の第4の例)次に、透過
型の液晶ライトバルブを用いた投写型表示装置の一例を
説明する。図8はその投写型表示装置の光学系の要部を
示した概略構成図である。この図に示す投写型表示装置
20Cには光源として図4(A)に示した偏光照明装置
1Bが組み込まれている。すなわち、投写型表示装置2
0Cは偏光変換装置68が組み込まれたものである。な
お、図4(A)における照明領域90は透過型の液晶ラ
イトバルブの画像形成領域に相当する。
【0098】この投写型表示装置20Cは、偏光照明装
置1Bから出射された一種類の偏光光束を3色の色光
R、G、Bに分離し、分離した各色光R、G、Bに対し
て透過型の液晶ライトバルブにより各色の画像信号に応
じた変調を施し、変調後の各色光を再合成して投写面上
に拡大投写する形式のものである。
【0099】偏光照明装置1Bから出射された一種類の
偏光光束(本例では、S偏光光束S)は、まず青光緑光
反射ダイクロイックミラー71において、赤色光Rが透
過し、青色光Bおよび緑色光Gが反射する。赤色光R
は、反射ミラー72で反射され、赤色用の透過型液晶ラ
イトバルブ80Rに達する。一方、青色光Bおよび緑色
光Gのうち、緑色光Gは、緑光反射ダイクロイックミラ
ー73によって反射され、緑光用の透過型液晶ライトバ
ルブ80Gに達する。
【0100】ここで、青色光Bは、各色光のうちでその
光路の長さが最も長いので、青色光Bに対しては、入射
レンズ74、リレーレンズ75、および出射レンズ76
からなるリレーレンズ系で構成された導光手段79を設
けてある。即ち、青色光Bは、緑光反射ダイクロイック
ミラー73を透過した後に、まず、入射レンズ74を経
て反射ミラー77により反射されてリレーレンズ75に
導かれ、このリレーレンズ75に集束された後、反射ミ
ラー78によって出射レンズ76に導かれ、しかる後
に、青光用の透過型液晶ライトバルブ80Bに達する。
ここで、3ヶ所の透過型液晶ライトバルブ80R、80
G、80Bは、それぞれの色光を変調し、各色光に対応
した画像情報を含まれた後に、変調した色光をクロスダ
イクロイックプリズム85に入射させる。クロスダイク
ロイックプリズム85には、赤光反射の誘電体多層膜と
青光反射の誘電体多層膜とがX字状に形成されており、
それぞれの変調光束を合成しカラー画像を形成する。こ
こで形成されたカラー画像は、投写光学系である投写レ
ンズ26により投写面27上に拡大投影され、投写画像
を形成する。
【0101】この投写型表示装置20Cは、前述した投
写型表示装置20Bと同様に、偏光照明装置1Bが組み
込まれている。このため、投写型表示装置20Cでも、
他の偏光成分の混入が少ない一種類の偏光光束を画像形
成用の光として利用されているので、コントラストと明
るさに優れた投写画像を得ることができる。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の照明装置
は、光強度分布曲線がランプ光軸を中心とする縦長ある
いは横長の非円形形状をした光を出射する。換言すれ
ば、従来の照明装置の出射光に比べ、所定の方向の拡が
りが大きく、その方向に直交する方向の拡がりが小さい
光を出射できる。
【0103】従って、偏光分離素子が組み込まれた投写
型表示装置において、光の拡がりが大きな方向と偏光分
離素子(偏光ビームスプリッタ)の偏光分離方向とが一
致するように本発明の照明装置を配置すれば、偏光分離
素子の偏光分離方向における入射角依存性は比較的小さ
くできるので、全体として、照明装置からの出射光を偏
光分離素子で高精度に偏光分離できる。従って、偏光光
束を画像形成用の光として効率良く使用できるので、コ
ントラストと明るさに優れた投写画像を形成可能な投写
型表示装置を実現できる。
【0104】また、偏光変換装置が組み込まれた投写型
表示装置において、光の拡がりが大きな方向と偏光変換
装置の偏光分離方向とが一致するように本発明の照明装
置を配置すれば、光量低下を招くことなく、効率良く偏
光変換を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明を適用した照明装置の概略断面
構成図、(B)は(A)のA−A’線における断面図、
(C)は、発散光のランプ光軸に直交する直交平面での
光強度分布プロファイルを示す図である。
【図2】図1に示す発光部の変形例を示す断面図であ
る。
【図3】(A)は図1に示す照明装置を備えた偏光照明
装置の概略構成図、(B)は(A)の偏光照明装置にお
ける照明装置の配置関係を説明するための図である。
【図4】(A)は図3とは異なる例の偏光照明装置の概
略構成図、(B)は(A)の偏光照明装置における照明
装置の配置関係を説明するための図である。
【図5】(A)は、図1に示す照明装置を備えた投写型
表示装置の光学系の概略構成図、(B)は(A)の投写
型表示装置における照明装置の配置関係を説明するため
の図である。
【図6】(A)は図3とは異なる投写型表示装置の光学
系の例を示す概略構成図、(B)は(A)の投写型表示
装置における照明装置の配置関係を説明するための図で
ある。
【図7】図4に示す偏光照明装置を備えた投写型表示装
置の光学系の例を示す概略構成図である。
【図8】図7とは異なる投写型表示装置の光学系の例を
示す概略構成図である。
【図9】反射型液晶ライトバルブを用いた投写型表示装
置の光学系の概略構成図である。
【図10】偏光ビームスプリッタに入射する光の状態を
説明するための図である。
【符号の説明】
1 照明装置 1A、1B 偏光照明装置 2 光源ランプ 3 リフレクタ 4 発光管 5、5A、5B 発光部 11 内側輪部 12 外側輪部 13 肉厚部分 14 内側輪部 15 外側輪部 16 発光部 17a、17b 肉厚調整部材 20、20A、20B、20C 投写型表示装置 21、21R、21G、21B、35、36 偏光ビー
ムスプリッタ21a 偏光分離面23R、23G、23
B 反射型液晶ライトバルブ26 投写レンズ3 9 λ/2位相差板 61 第1の光学要素 62 第2の光学要素 63 集光レンズアレイ 64 遮光板 65 偏光分離ユニット(偏光分離素子) 66 選択位相差板(偏光変換素子) 67 結合レンズ 68 偏光変換装置 80R、80G、80B 透過型液晶ライトバルブ M ランプ光軸

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源ランプと、この光源ランプの発散光
    を反射して略平行光として出射するためのリフレクタと
    を有する照明装置において、 前記発散光のランプ光軸に直交する直交平面内における
    光強度の分布曲線は、前記ランプ光軸を中心とする縦長
    あるいは横長の非円形形状であり、 前記光源ランプの発光管は、当該非円形形状の光強度分
    布曲線が得られるように、前記直交平面に沿って切断し
    た場合の肉厚が当該発光管の円周方向に沿って変化して
    いることを特徴とする照明装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記発光管を前記直
    交平面に沿って切断した場合の断面形状は、その内側輪
    部および外側輪部の一方が円により実現され、他方の輪
    部が楕円により実現されたものであることを特徴とする
    照明装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記発光管は、前記
    直交平面に沿って切断した場合の肉厚が均一である円形
    発光部と、この円形発光部の外周面に取り付けられた肉
    厚調整部材とを備えており、前記発光管は、前記肉厚調
    整部材によって、前記直交平面に沿って切断した場合の
    肉厚が当該発光管の円周方向に沿って変化していること
    を特徴とする照明装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の照明装置と、当該照明
    装置から出射された光束をP偏光光束とS偏光光束とに
    分離し、前記P偏光光束と前記S偏光光束のうちのいず
    れか一方の偏光光束の偏光方向を他方の偏光光束の偏光
    方向に揃えて出射する偏光変換装置とを有し、 前記照明装置は、前記非円形形状の光強度分布曲線の長
    軸方向と前記偏光変換装置の偏光分離方向とが一致する
    ように配置されていることを特徴とする偏光照明装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の照明装置と、当該照明
    装置から出射された光束を複数の中間光束に分割する第
    1の光学要素と、前記中間光束が集束する位置付近に配
    置された第2の光学要素とを有し、 前記第2の光学要素は、前記中間光束のそれぞれをP偏
    光光束とS偏光光束とに分離し、前記P偏光光束と前記
    S偏光光束のうちのいずれか一方の偏光光束の偏光方向
    を他方の偏光光束の偏光方向に揃えて出射する偏光変換
    装置と、それらの偏光光束を重畳結合させる結合レンズ
    とを備えており、 前記照明装置は、前記非円形形状の光強度分布曲線の長
    軸方向と前記偏光変換装置の偏光分離方向とが一致する
    ように配置されていることを特徴とする偏光照明装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の照明装置と、当該照明
    装置から出射された光束をP偏光光束とS偏光光束とに
    分離する偏光分離素子と、当該偏光分離素子によって分
    離された一方の偏光光束を変調する反射型光変調素子
    と、当該反射型光変調素子によって変調された光束を投
    写面上に拡大投写する投写手段とを有し、 前記照明装置は、前記非円形形状の光強度分布曲線の長
    軸方向と前記偏光分離素子の偏光分離方向とが一致する
    ように配置されていることを特徴とする投写型表示装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の照明装置と、当該照明
    装置から出射された光束を複数の中間光束に分割する第
    1の光学要素と、前記中間光束が集束する位置付近に配
    置された第2の光学要素と、前記第2の光学要素から出
    射された光束をP偏光光束とS偏光光束とに分離する偏
    光分離素子と、前記偏光分離素子によって分離された一
    方の偏光光束を変調する反射型光変調素子と、前記反射
    型光変調素子によって変調された光束を投写面上に拡大
    投写する投写手段とを有し、 前記第2の光学要素は、前記中間光束のそれぞれをP偏
    光光束とS偏光光束とに分離し、前記P偏光光束と前記
    S偏光光束のうちのいずれか一方の偏光光束の偏光方向
    を他方の偏光光束の偏光方向に揃えて出射する偏光変換
    装置と、それらの偏光光束を重畳結合させる結合レンズ
    とを備えており、 前記照明装置は、前記非円形形状の光強度分布曲線の長
    軸方向と前記偏光変換装置の偏光分離方向及び前記偏光
    分離素子の偏光分離方向とが一致するように配置されて
    いることを特徴とする投写型表示装置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の照明装置と、当該照明
    装置から出射された光束を複数の中間光束に分割する第
    1の光学要素と、前記中間光束が集束する位置付近に配
    置された第2の光学要素と、前記第2の光学要素から出
    射された光を変調する透過型光変調素子と、前記透過型
    光変調素子により変調が施された光束を投写面上に拡大
    投写する投写手段とを有し、 前記第2の光学要素は、前記中間光束のそれぞれをP偏
    光光束とS偏光光束とに分離し、前記P偏光光束、S偏
    光光束のうちのいずれか一方の偏光光束の偏光方向を他
    方の偏光光束の偏光方向に揃えて出射する偏光変換装置
    と、それらの偏光光束を重畳結合させる結合レンズとを
    備えており、 前記照明装置は、前記非円形形状の光強度分布曲線の長
    軸方向と前記偏光変換装置の偏光分離方向とが一致する
    ように配置されていることを特徴とする投写型表示装
    置。
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