JP2001355374A - ゼンマイ式ワイヤーユニット - Google Patents

ゼンマイ式ワイヤーユニット

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JP2001355374A
JP2001355374A JP2000179827A JP2000179827A JP2001355374A JP 2001355374 A JP2001355374 A JP 2001355374A JP 2000179827 A JP2000179827 A JP 2000179827A JP 2000179827 A JP2000179827 A JP 2000179827A JP 2001355374 A JP2001355374 A JP 2001355374A
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JP
Japan
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wire
mainspring
reel
claw
locking claw
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Application number
JP2000179827A
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English (en)
Inventor
Kazukuni Akashi
和邦 明石
Yoshiyuki Ogawa
美行 小川
Ikuo Sonobe
郁雄 園部
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KYOKUTO KANAMONO KOGYO KK
Kyoei Kanamono Seisakusho KK
Original Assignee
KYOKUTO KANAMONO KOGYO KK
Kyoei Kanamono Seisakusho KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゼンマイを利用してワイヤーを引き戻すとい
う本来的な機能に加えて、ワイヤーの引く力を強める調
整と弱める調整が、簡単且つ確実に行え、しかもその調
整が工具なしで行え、取付後の使い勝手も極めて良好な
ワイヤー進退調節装置を提供することにある。 【解決手段】 ワイヤー4を巻回したワイヤーリール3
と、このワイヤーリール3のブラケット2と、ゼンマイ
6を内装したゼンマイリール5と、支持軸7と、係止爪
10等を組み付けて構成し、さらにゼンマイリール5の
周縁端近傍の1箇所において、所定間隔を以て2つの爪
部材10a,10bが一体形成されている係止爪10を
ブラケット2の前面に枢着し、この係止爪10一方を前
記多数の突起のうちの近接する1つに係止させてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゼンマイの巻き戻し
方向の復元力を利用してワイヤーリールから引き出した
ワイヤーを引き戻したり、ワイヤーを所望の長さまでゆ
っくりと引き延ばしたり、所望の引っ張り力で物を吊り
下げたりすることができるなど、ワイヤーの巻き戻し力
の調整が簡単にしかもトラブル無く行えるゼンマイ式ワ
イヤーユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】ゼンマイとワイヤーを装備したワイヤー
巻取装置は従来より各種のものが開発され、市販もされ
ている。
【0003】このうちワイヤーの巻き戻し力の調整が行
えるものとしては、例えば特開平11−241558号
公報に記載の出力調節式ゼンマイユニットが公知であ
る。
【0004】この出力調節式ゼンマイユニットは、ワイ
ヤー(索条体)を巻回したゼンマイリールがゼンマイ軸
によりブラケットに回転自在に保持され、該ブラケット
にゼンマイ軸を回転しうる大型カム板からなる嘴状カム
とこのカムに噛合う指作動爪が備えられたものである。
【0005】この出力調節式ゼンマイユニットの使用例
としては、例えば、同公報の図1に示すように、このユ
ニットを引き戸の開閉端上縁の前方のドア枠の内側に固
定させる一方、ゼンマイリールから引き出したワイヤー
の先端部を引き戸の開閉端上縁に係止させて引き戸を自
動的に閉める器具として使用するのに好適である。
【0006】その使用に伴う動きは、引き戸を手で開け
るときにワイヤーが長く引き出される力でゼンマイリー
ルが回転し、この回転に伴ってゼンマイが強く巻き付け
られてワイヤー軸にはゼンマイを解き戻す力、つまりワ
イヤーを巻き戻す力が働いている状態にあり、この状態
において引き戸から手を離すと、引き戸がワイヤーで引
っ張られて自然に閉じる方向に移動する。
【0007】ゼンマイの出力の調整、つまりワイヤーを
引っ張る力の調整は、ブラケットの外側面に位置してい
る嘴状カムを操作してゼンマイ軸を回して行う。ところ
がこの調整の操作を行うとき、嘴状カムにはゼンマイを
強く解き戻す方向の回転力が加わっているために、嘴状
カムの係止を一瞬でも外したりすると、この回転力が無
くなるまで嘴状カムが一瞬にして高速回転する恐れがあ
る。また所望の調整を終えるとこの嘴状カムの回転方向
の動きを固定させておく必要がある。このために嘴状カ
ムの外周縁をカム片にて形成し、このカム片に指操作爪
の先端を噛ませてその回転を係止させている他、その調
整後において嘴状カムが不用意に回転しないように、止
ネジ等の安全用止め部を用いて嘴状カムをブラケットに
固定させることができるようにしてある。
【0008】このように構成すると、ゼンマイの出力の
調整のうち、ワイヤーの引く力を強める調整は、安全用
止め部を外した状態にしておいて、ゼンマイをさらに強
く巻く方向に六角棒スパナなどの工具を用いて嘴状カム
を回せば良く、このときは指操作爪が嘴状カムのカム縁
に順次引っ掛かるので、嘴状カムは元に戻る方向に回転
しない。
【0009】これに対しワイヤーの引く力を弱める調整
は、安全用止め部を外した状態にしておいて、指操作爪
を指先で操作して嘴状カムとの係止を1カム片つずつ解
除させながら所望のカム数分になるまでゼンマイが弱ま
る方向に嘴状カムを回転させて行なえば良く、この方向
への回転はゼンマイによる解き戻す力が加わっているた
めに、指操作爪を1つずつ解除するだけで自然に行われ
る。
【0010】このようにゼンマイの出力の調整、つまり
ワイヤーを引っ張る力の調整が行えるようになると、こ
のゼンマイ式ワイヤーユニットをドアクローザーとして
使用すると、スライドドアの大きさや重さも考慮した上
で、所望の速度と強さで引き戸を閉じさせることができ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た出力調節式ゼンマイユニットによると、ワイヤーの引
く力を弱める調整を行なう際に、指操作爪の指操作部分
を指先で押してその先端部分を起こして嘴状カムとの係
止を解除させた後、すぐに指先による押操作を止める動
作を繰り返して、嘴状カムとの係止を1ピッチずつ順次
送るようにすれば、嘴状カムが一気に回転するのを防げ
る筈なのであるが、嘴状カムにはゼンマイによる強い回
転力が加わっているために、上述した素早い指先による
押操作を行なっても、それよりも早く嘴状カムが高速で
回転して指作動爪の先端がカムに係止できないままゼン
マイが大きく解き解かれるまで至り、ゼンマイリールに
巻かれているワイヤーも撓んでこのリールから外れたり
もつれたりするという、後の巻き戻しが極めて厄介な事
態になり易かった。
【0012】また上述した出力調節式ゼンマイユニット
によれば、ワイヤーの引く力を強める調整には六角棒ス
パナやドライバー等の工具が必要で、しかもその調整は
手間を要するものであった。
【0013】機能製品の開発及び製造業を営む本発明者
は、上述した従来技術の出力調節式ゼンマイユニットに
はこのような不具合を有していることを施工業者や金具
の卸業者等を通じて知り、そこでこのような不具合を解
消する新規なワイヤー進退調節装置の開発に着手した。
そして鋭意・検討を重ねてきた結果、遂に試作品を完成
するまでに至った。
【0014】このよう経緯を経て完成した本発明の目的
は、ゼンマイの力を利用してワイヤーを引き戻すという
本来的な機能に加えて、ワイヤーの引く力を弱める調整
を行う際に、係止爪がゼンマイリール側の突起を順次、
確実にとらえて係止しながらゼンマイリールを回転させ
て行うことができ、また、ワイヤーの引く力を強める調
整がゼンマイリールを手で回すだけという簡単な操作で
しかも工具なしで行うことができるなど、設置等の際に
おけるワイヤーの引っ張り力の調整が極めて簡単且つ確
実に行え、構造が簡単でコンパクトに設計でき、設置後
の使い勝手も極めて良好なゼンマイ式ワイヤーユニット
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】以上の目的な達成するた
めに提案される本発明に係るゼンマイ式ワイヤーユニッ
トは、ワイヤーを巻回したワイヤーリールとゼンマイを
内装しその周縁に多数の突起を形成したゼンマイリール
を支持軸を介してブラケットに組み付け、さらにゼンマ
イリールの周縁端近傍となるブラケット面の1箇所に、
ゼンマイリールの周縁端の一部に略沿うように一定の間
隔を設けて形成した2つの爪部分を有する係止爪を枢着
し、このうちの一方の爪部分を前記多数の突起のうちの
近接する1つに係止自在にさせてあり、前記ワイヤーの
引っ張り力を弱める調整が、該係止爪の他端を指先で押
操作することにより、前記一方の爪部分による係止が解
除されて他方の爪部分が突起に係止し、この指先による
押操作を繰り返すと、前記係止爪がシーソーの如き動き
を繰り返して、ゼンマイが解き戻される方向の力を受け
ているゼンマイリールが小刻みずつ回転することによっ
て行われ、前記ワイヤーの引っ張り力を強める調整が、
この回転方向と逆方向に前記ゼンマイリールを手で持っ
て回転させるだけで行えるように構成したことを特徴と
する。
【0016】本発明における構成の最大の特徴は、ゼン
マイリールの戻り方向の回転を係止させる突起を多数形
成したことと、この突起に係止する係止爪をシーソーの
如き回動自在に支持させてその両端に突起に係止する部
分を形成したことにある。
【0017】そしてその使用における最大の特徴は、ゼ
ンマイのバネ力を利用したワイヤーを巻き戻すという基
本的な機能に加えて、ワイヤーの引っ張り力を弱める調
整が、一方の爪による係止を解除させても直ちに他方の
爪を突起に確実に係止させることから、従来のように爪
の先端がカムに係止できないままゼンマイが大きく解き
解かれるまでゼンマイリールを高速回転させてしまうと
いう事態を防げるようになった点にある。
【0018】またその使用における大きな特徴として、
ワイヤーの引っ張り力を強める調整が、ゼンマイリール
を手で回す操作だけという、極めて簡単な操作で行える
ようになった点にある。
【0019】このため、その具体的な使用例としては、
引き戸を自動的に閉めるドアクローザーとして使用した
り、無重力に近い状態で物を吊り下げる場合には最適で
ある。本発明において使用されるワイヤーは、金属線、
金属細線を捩った線、樹脂製の線、樹脂細線を捩った線
などあらゆるものが対象となる。
【0020】このような特徴を発揮させるために必須の
構成要素となる係止爪は、その両端に爪部分を有してお
り、しかもその全体形状は両端の爪部分が確実に突起を
捉えることができるように、ゼンマイリールの外周縁の
一部に略沿った円弧形状又は弓型、或いは「く」の字形
状を有する。
【0021】この係止爪の両端の爪部分は何れもゼンマ
イリールの一方向の回転を係止させるものであり、その
回転方向はゼンマイが解き戻される方向である。
【0022】この係止爪の両端に爪部分を形成した理由
は、係止爪をシーソーのように操作させて、一方の爪部
分を突起から離しても瞬時に他方の爪部分が突起に係止
するようにして、ゼンマイリールを小刻みずつ回転させ
ながらワイヤーの引っ張り力を弱める調整が行うことが
できるようにするためである。
【0023】尚、このような操作を行っていない静止状
態においては、係止爪の両端の爪部分のうちの何れか一
方が常に突起に係止した状態にあり、この状態が確実に
行えるようにするための一つの方策として、係止爪の一
方の先端に重心を寄せたり、係止爪をバネで付勢するこ
とが考えられる。尚、バネで付勢する方策として、係止
爪の一部分にバネ部分を形成する場合と別途バネを取り
付ける場合が考えられ、これらいずれもが本発明の適用
の対象内にある。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の目的及び構成は以上の通
りであり、続いて本発明に係るゼンマイ式ワイヤーユニ
ットの具体的な構成を添付図面に示した実施例に基づい
て詳述する。尚、以下の説明において使用する、前、
後、左、右などの語句は、図面を基にしたものである。
【0025】図1乃至図5に示すように、本発明に係る
ゼンマイ式ワイヤーユニット1は、ワイヤー4を巻回し
たワイヤーリール3と、このワイヤーリール3のブラケ
ット2と、ゼンマイ6を内装したゼンマイリール5と、
支持軸7と、係止爪10等を組み付けて構成したもので
ある。
【0026】ワイヤーリール3は、図2,図4及び図5
に示すように、前後2枚の円板3A,3Bの一部を対向
方向に立ち上げたものを組み付けてワイヤー巻取部3a
と軸装部3bを形成したものからなり、このワイヤーリ
ール3にはワイヤー4の基部端を係止させて、ワイヤー
4の大部分を巻回してある。このワイヤー4の長さはそ
の使用目的によって異なるので限定はしない。
【0027】ブラケット2は、図1乃至図5に示すよう
に、前記ワイヤーリール3の前面及び後面部分を覆いそ
の中央部分から上部分を上方に向けて立ち上げ、さらに
その上端を対向方向に折曲させた2枚の金属板2Fa,
2Baを組み付けたのもので構成されており、その左右
上端近傍箇所において前後方向に折曲して形成した小面
部分2Fb,2Bbにはワイヤー4を通すための開孔2
1,21が形成されている。
【0028】ゼンマイリール5は、図1乃至図4に示す
ように、前記ワイヤーリール3と略同程度の大きさを有
する正面視円形の側板部分の周縁を後方に大きく立ち上
げ、さらにその立ち上げた周縁端5aに沿った箇所に多
数の突起5b・・・を均等間隔毎に形成したものからな
り、さらに該ゼンマイリール5の内側には渦巻き状のゼ
ンマイ6が内装され、該ゼンマイ6の外周端6bを前記
ゼンマイリール5の周縁の1箇所に形成したリブ5cに
係止させてある。
【0029】このようにして組み付けられたブラケット
2間に前記ワイヤーリール3を位置させ、さらに該ブラ
ケット2の前面にゼンマイリール5を位置させた状態
で、ゼンマイリール5の手前側から支持軸7を挿通して
これらが組み付けられるのであるが、このときに、ゼン
マイ6の内周端6aを該支持軸7のスリット部分7aに
突入させて係止させ、前記ワイヤーリール3もこのスリ
ット部分7aに係合させて支持させてから、前記ブラケ
ット2の後面側から前記ピン7の先端部内に向けて頭付
ネジ9を螺装させて、これらが抜け外れないようにして
ある。
【0030】ワイヤー4の先端4aはブラケット2の側
部に形成した前記左右の開孔21,21のうちの何れか
1つに挿通させて側方に引き出してあり、このワイヤー
4の先端4aに、使用時においてネジ止めをするための
リング形状の端子4Gを装着させてある。
【0031】このようにして各部材を組み付けると、支
持軸7はブラケット2に対して回転自在に支持され、ワ
イヤーリール3は該支持軸7に連動する状態で支持さ
れ、ゼンマイリール5は該支持軸7に回転自在に支持さ
れているが、前記ゼンマイ6の外周端6bがゼンマイリ
ール5に係止され、しかも該ゼンマイ6の内周端6aが
前記支持軸6に係止されていることから、ゼンマイ6を
図1に示す矢(ア)方向、つまりゼンマイ6を巻き付け
る方向にゼンマイリール5を手で回すと、ワイヤーリー
ル3は同方向に回転してワイヤー4を巻き付け、該ワイ
ヤー4先端部4aの端子4Gが前記開孔21縁に当たっ
て止まると、ワイヤーリール3の回転は停止する。
【0032】尚、そのままゼンマイリール5を同方向に
回すと、ゼンマイバネ6はさらに巻き付けられるが、こ
の状態のままでは、ゼンマイリール5から手を離すと、
ゼンマイ6がその弾発力で解き戻されてゼンマイリール
5は手で回した方向と反対方向に高速回転して停止す
る。
【0033】本実施例においては、このような構成から
さらに、前記ゼンマイリール5の周縁端近傍の1箇所、
さらに具体的には図3の(a)図に示すように、ゼンマ
イリール5の左上近傍箇所におけるブラケット2前面部
分に、係止爪10がピン11を用いて枢着されている。
【0034】この係止爪10は、ゼンマイリール5の周
縁に略沿った周辺を有する略円弧形状を有し、その右上
の一端と下側の一端に、それぞれ前記多数の突起5b・
・・のうちの近接する1つに係止する爪部分10a,1
0bが形成されたものであり、前記ピン11は係止爪1
0の中央部分に挿通させてある。またこの係止爪10の
上部には斜右上方に向けた分岐部分からなるバネ部10
cが形成されている。
【0035】このような構造を有する本実施例に係るゼ
ンマイ式ワイヤーユニット1は、前記ブラケット2の上
部左右の突出した面からそれぞれビス14,14を挿通
させて所望の取付箇所に装着される。
【0036】このような構成において、図1及び図3の
(a)図に示す静止状態においては、係止爪10の右上
の爪部分10aが前記ゼンマイリール5の1つの突起5
bに係止して、ゼンマイ6が解き戻される方向にゼンマ
イリール5が回転するのを阻止した状態になっている。
【0037】図3の(a)図に示すように、このように
右上の爪部分10aを安定した係止状態を維持させるた
めに、係止爪10の重心がこの爪部分10aに多少偏ら
せている。
【0038】この静止状態において、ゼンマイリール5
を図1に示す矢(ア)方向に手で回すと、図3の(a)
図を参照しつつ同(b)図に示すように、ゼンマイリー
ル5の突起5bは係止爪10の2つの爪部分10a,1
0bをシーソーのように交互に押し上げて回転し、この
ときゼンマイ6が巻き付けられる。つまりこの2つの爪
部分10a,10bはゼンマイリール5を矢(イ)方向
に回転しないようにするためにある。このようにしてゼ
ンマイリール5を回し続けると、ゼンマイ6による抵抗
が加わって回すのがある程度重たくなり、この感覚を参
考に所望の所で回すのを止める。ゼンマイリール5を矢
(ア)方向に回した後は、再び係止爪10の右上の爪部
分10aが下がって図3の(a)図に示すように、近傍
の突起5aに係止して、ゼンマイリール5は矢(イ)方
向に回らないようになる。
【0039】本実施例におけるゼンマイ式ワイヤーユニ
ット1の使用において、その左上側より突出している端
子4Gを持ってワイヤー4の先端4aを左側方に強く引
っ張ると、ワイヤー4が引き出されてワイヤーリール3
と支持軸7が回転するがゼンマイリール5は係止爪10
の右上の爪部分10aで係止されているために連れ回り
しない。このため、ゼンマイ6は次第に巻かれていく。
【0040】ワイヤー4の先端4aを引っ張るのを止め
ると、強く巻かれたゼンマイバネ6の復帰力によってワ
イヤーの先端4aを引き戻そうとする力が働き、このと
き手で持っている端子4Gを離すと、図3の(a)図に
示す状態になるまでワイヤー4が巻き込まれる。
【0041】本実施例によるゼンマイ式ワイヤーユニッ
ト1の好適な使用例の1つとして、このワイヤーの先端
4aを引き戻そうとする力を利用して、引き戸を自動的
に閉じさせるドアクローザーが挙げられる。
【0042】ところで、このゼンマイ式ワイヤーユニッ
ト1をドアクローザーとして使用する上で重要なこと
は、設置時にゼンマイリール5をどの程度まで巻いてお
くかということである。つまりワイヤー4の先端4aを
どの程度の強さで引くかということである。これは取り
付ける引き戸の重さや開閉の際の抵抗によって大きくこ
となり、実際にはこのゼンマイ式ワイヤーユニット1を
取りつけてみないと判らない。
【0043】本実施例におけるゼンマイ式ワイヤーユニ
ット1は、この取りつけ後におけるワイヤー4の先端4
aの引っ張り力の調整が簡単に行える。
【0044】ワイヤー4の先端4aの引っ張り力を強め
る調整は、図1に示すようにゼンマイリール5を手で持
って矢(ア)方向に回すだけでよい。このようにすると
前述したようにゼンマイ6がさらに強く巻かれてワイヤ
ー4の先端4aを引っ張る力が増す。
【0045】これに対して、ワイヤー4の先端4aの引
っ張り力を弱める調整は、図6に示すように、係止爪1
0の下の爪部分10bを指先で押すと、係止爪10の右
上の爪部分10aは突起5bから離れるが、この下の爪
部分10bが続いて突起5bに係止するため、ワイヤー
リール5は矢(エ)方向に1ピッチ分回転する。
【0046】このとき、係止爪10上部のバネ部10c
の先端がその上方のブラケット上面部分2Fcに接当し
て、このバネ部10cが多少撓(たわ)む。このため、
押していた指先を離すと、すぐに係止爪10は元の位置
に戻る。この指先による押操作を繰り返すと、係止爪1
0はシーソーのような動きをしながら、少しずつゼンマ
イバネ6が解き戻される方向に向けてゼンマイリール5
が小刻みずつ回転し、ゼンマイ6の復帰力が弱まる。つ
まりワイヤー4の先端4aの引っ張り力が弱まる。
【0047】このように本実施例によるゼンマイ式ワイ
ヤーユニット1は、引き出したワイヤー4の先端4aの
引っ張り力の調整が簡単に行えるようになっている。
【0048】このような構造を有する本実施例によるゼ
ンマイ式ワイヤーユニット1は、引き戸を自動的に閉じ
させるドアクローザーとして用いることができ、その取
付方法には2通りある。
【0049】その1つの取付方法は、図7に示すよう
に、このゼンマイ式ワイヤーユニット1を引き戸50内
の上部にビス止めにより装着し、ワイヤー4の先端を引
き戸4の開閉側の扉枠51の側端上部に固定させる。こ
のようにすると、引き戸50を開けるときにワイヤー4
が引き出され、開けた引き戸50から手を離すと、ワイ
ヤー4に引っ張り力が加わっているために引き戸50
は、自動的に静かに閉じる。
【0050】もう1つの取付方法は、図8に示すよう
に、引き戸4の開閉側の扉枠51の側端上部裏にゼンマ
イ式ワイヤーユニット1を装着し、引き戸4側にワイヤ
ー4の先端を固定させる方法である。ゼンマイ式ワイヤ
ーユニット1の動きは図7の場合と同様である。
【0051】なお、図示していないが、ゼンマイ式ワイ
ヤーユニット1の右側からワイヤー4を引き出すように
するためには、その設置前にワイヤーリールとゼンマイ
バネの取りつけ向きを逆に組み直せば良い。
【0052】この他の好適な使用例としては、例えば図
9に示すように、工場の製造ラインにおいてゼンマイ式
ワイヤーユニット1を利用して作業工具60を所望の高
さにおいて無重力に近い状態で吊り下げる吊下具として
使用することができる。このようにすると、吊り下げて
いる作業工具60を使用するときには、これを手で持っ
て下方に軽く引くだけで使用でき、その使用を終えると
この作業工具60から手を離すだけでこの作業工具60
は元の位置に戻る。このように作業工具60を吊るす
と、使い易く邪魔にならない。
【0053】この他、図10に示すように、物70をゆ
っくりを下ろしたりするときにも使用できる。尚、図9
及び図10に示すように使用する場合には、ブラケット
の形状もそれに合わせて、吊り下げ易い形状にしたり、
手で持ち易いようなグリップ形状にすることが望まし
い。
【0054】
【発明の効果】以上、説明した本発明に係るゼンマイ式
ワイヤーユニットによれば、バネ力を利用してワイヤー
を引きつけるという本来的な機能に加えて、ワイヤーの
引く力を弱める調整を行う際に、係止爪がゼンマイリー
ル側の突起を順次、確実にとらえて係止しながらゼンマ
イリールを回転させて行うことが出来、また、ワイヤー
の引く力を強める調整がゼンマイリールを手で回すだけ
という簡単な操作でしかも工具なしで行うことがで出来
るようになったのである。
【0055】このため、本発明に係るゼンマイ式ワイヤ
ーユニットを引き戸を自動的に閉じさせるドアクローザ
ーとして使用すると、引き戸の大きさや重み、開閉の抵
抗などによって異なる引き戸を閉じさせる力、つまりワ
イヤーの引く力を自由に、しかも簡単に調整することが
出来、その調整も失敗無く確実に行えるようになったの
である。
【0056】この他にも、本発明に係るゼンマイ式ワイ
ヤーユニットは、工場の作業ラインで工具を無重力に近
い状態でしかも取り出し自在に吊り下げたりすることが
出来るなど、その用途はあらゆる方面にわたる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例によるゼンマイ式ワイヤーユ
ニットの正面図である。
【図2】同じく右側面図である。
【図3】(a)図は、図2におけるBーB断面図であ
る。(b)図は、ゼンマイリールの突起が係止爪の爪部
分を交互に押し上げて回転する状態を示した部分図であ
る。
【図4】図1におけるAーA断面図である。
【図5】図2におけるCーC断面図である。
【図6】ワイヤーの引っ張り力を弱める調整している状
態での図2におけるBーB断面図である。
【図7】ゼンマイ式ワイヤーユニットをドアクローザー
として使用した1例を示した図である。
【図8】ゼンマイ式ワイヤーユニットをドアクローザー
として使用した他例を示した図である。
【図9】ゼンマイ式ワイヤーユニットを利用して作業工
具を無重力に近い状態で吊り下げた状態を示した図であ
る。
【図10】ゼンマイ式ワイヤーユニットを利用して物を
ゆっくりと降ろす状態を示した図である。
【符号の説明】
1 ゼンマイ式ワイヤーユニット 2 ブラケット 3 ワイヤーリール 4 ワイヤー 4a ワイヤーの先端 5 ゼンマイリール 5a 周縁端 5b 突起 6 ゼンマイ 7 支持軸 10 係止爪 10a,10b 爪部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 美行 大阪市生野区桃谷5丁目6番22号 株式会 社共栄金物製作所内 (72)発明者 園部 郁雄 大阪市生野区桃谷5丁目6番22号 株式会 社共栄金物製作所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤーを巻回したワイヤーリールとゼ
    ンマイを内装しその周縁に多数の突起を形成したゼンマ
    イリールを支持軸を介してブラケットに組み付け、さら
    にゼンマイリールの周縁端近傍となるブラケット面の1
    箇所に、ゼンマイリールの周縁端の一部に略沿うように
    一定の間隔を設けて形成した2つの爪部分を有する係止
    爪を枢着し、このうちの一方の爪部分を前記多数の突起
    のうちの近接する1つに係止自在にさせてあり、前記ワ
    イヤーの引っ張り力を弱める調整が、該係止爪の他端を
    指先で押操作することにより、前記一方の爪部分による
    係止が解除されて他方の爪部分が突起に係止し、この指
    先による押操作を繰り返すと、前記係止爪がシーソーの
    如き動きを繰り返して、ゼンマイが解き戻される方向の
    力を受けているゼンマイリールが小刻みずつ回転するこ
    とによって行われ、前記ワイヤーの引っ張り力を強める
    調整が、この回転方向と逆方向に前記ゼンマイリールを
    手で持って回転させるだけで行えるように構成したこと
    を特徴とするゼンマイ式ワイヤーユニット。
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