JP5806502B2 - 鳥害防止具と間接活線工法による着脱方法 - Google Patents
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Description
本願発明は、鳥害防止具を、間接活線工法用の絶縁工具によって簡単に取り付け、取り外しすることができる鳥害防止具の着脱方法の提供を目的とする。
(全体の構成)
留まり止め12は、電線dに沿って伸びる棒状の水平部19と、水平部19から上方に伸びる多数の針状体20とを備える。水平部19は断面略十字状であるが、円筒状、角柱状など多数の針状体20を電線dに沿って配列させるものであればよく適宜変更できる。針状体20は長いものと短いものとが交互に16mm間隔で配列されているが、全てが同じ長さでもよく3種以上の異なる長さでもよい。針状体20同士の間隔は、鳥が針状体20間に入り込めない程度の大きさとし、目的とする鳥の大きさや針状体20の長さ等によって適宜変更できる。針状体20の伸びる方向は、全て上方としているが、斜め上など、複数方向に伸ばしてもよい。また針状体20を設けず水平部19のみで実施してもよい。針状体20の代わりに、平板を用いたりしてもよく、両端の支柱間に針金等を渡すようにしてもよい。
第一部15は、電線dに引っ掛けられる部分であって、環状部13の軸心方向から見て約4分の3円弧に形成されている。この第一部15の上部には前記の留まり止め12が設けられており、環状部13の軸心方向(電線dの長手方向)から見て、環状部13の中央に留まり止め12が設けられている。第一部15は、この中央から左右方向の一方側(図2(B)では左方側)に短く(約4分の1円弧)伸ばされ、他方側(図2(B)では右方側)に長く(約2分の1円弧)伸ばされている。上記の短い一方側の端にヒンジ18を介して第二部16が回動可能に接続されている。上記の長い他方側の端に受容部22と、重心部14の延設部21が設けられている。
重心部14は、環状部13(この例では第一部15)の下端寄りから下方に伸びる延設部21を備えるもので、下端には、錘17が設けられている。この錘17は金属などの重量の大きなものを採用すればよいが、磁石を用いてもよい。重心部14は錘17を環状部13の中心直下に配置するように延設部21から屈曲して伸びる折曲部24を備える(図2(B)参照)ものであるが、全体を斜めに伸びる直線状の部材としてもよい。また折曲部24は環状部13の中心軸方向(図1の左右方向)にも曲がっている。この例では、環状部13が2個設けられており、重心部14も2個設けられているが、折曲部24で互いに近づくように曲げられており、両重心部14の先端間を結んだ長さは水平部19の長さよりも短く設定されている。
受容部22は第一部15の下端に設けられたもので、第二部16の下端に向けて開口した筒状をなす部分である。詳しくは、上面25と下面26との間に挿入部23を受容するもので、下面26には係止部27として係止穴が形成されている。
鳥害防止具11は、電線dに対して回動可能であるとともに長さ方向に摺動可能である。鳥害防止具11を長さ方向に動かさないために、クリップ71を用いる。
つぎに間接活線工法に用いる絶縁工具51を説明する。この絶縁工具51は公知のもので、主桿53の先端に開閉可能な一対の指を持った挟み部52が設けられ、挟み部52の一方の指に副桿54の先端が接続されている。主桿53の基端には握り55が取り付けられ、握り55に副桿54の基端が接続されることで、握り55を握ることで挟み部52が開閉して物を摘むことができる。この絶縁工具51を用いることで、作業者は、活線から離れた位置から絶縁状態を保った状態で、安全に作業を行うことができる。
2本の絶縁工具51を用いて鳥害防止具11を電線dに装着する方法について説明する。
(a1)一方の絶縁工具51で電線dを挟んで静止させる。
(a2)留まり止め12を他方の絶縁工具51で挟んで、開いた環状部13に電線dを挿入し、第一部15に電線dを引っ掛ける。その際、図示は省略するが、留まり止めの水平部の中央に前方に突出する被挟持片を設けておくと、バランスよく、留まり止め12を挟持することができる。
(a3)一方の絶縁工具51で、延設部21と挿入部23とを挟んで、受容部22に挿入部23を挿入し、係止部27に係合部32が嵌り込みむまでさらに強く挟む(図3(B)の矢印a−a)。なお、延設部21と挿入部23とを別々の絶縁工具51で挟んでもよい。
(a4)両方の環状部13について(a2)(a3)を行い、取り付けが完了する。
(a5)複数の鳥害防止具11ごとに、クリップ71を取り付ける。
(a6)一方の絶縁工具51で第一部材72の下方グリップ72aを掴み、他方の絶縁工具51で第二部材73の下方グリップ73aを弱く叩くか押すようにして接近させ、仮止め用の突起78aを係止片80に係止する。
(a7)一方の絶縁工具51で、第一部材72の下方グリップ72aと、第二部材73の下方グリップ73aを挟んで、突起78を係止片80に係止させる。
保守点検交換のために、2本の絶縁工具51を用いて鳥害防止具11を電線dから取り外す方法について説明する。
(b1)一方の絶縁工具51で重心部14を挟んで、他方の絶縁工具51で操作部33を下から斜め上に押し上げる(図3(D)の矢印b)。これにより係止部27が係合部32から外れるとともに、受容部22から挿入部23が抜けて、環状部13が開く。係止部27が係合部32から外れるために必要な操作部33への上方への動きと、環状部13を開くための動き(ヒンジ18を中心に第二部16を上方へ回動させる動き)とが、共に上方への動きであるため、一つの操作で、2つの動き(係止部27を係合部32から外す動きと環状部13を開く動き)が達成できて、素早い作業が実現する。この操作は、図示絶縁工具51のような挟み部52を持ったものでなくとも、1本のフック状の先端を持った絶縁工具(図示せず)でも簡単に行なうことができる。なお、押し上げるかわりに、ヒンジ18と操作部33を絶縁工具51挟んで同様の作業を行なってもよい(図3(D)の矢印c−c)。
(b2)両方の環状部13について(b1)を行い、留まり止め12を絶縁工具51で挟んで、開いた環状部13から電線dを取り出し、鳥害防止具11の取り外しが完了する。
(b3)クリップ71については、一方の絶縁工具51で第一部材72を挟んだ状態で、他方の絶縁工具51で突片77先端と第二部材73の下端を挟んで、両絶縁工具51を互いに遠ざけて第一部材72と第二部材73とを開く。
(b4)一方の絶縁工具51で第一部材72を挟んだまま、電線dからクリップ71を取り外す。
上記の実施の形態に示すもののほか、本願発明は種々変更して実施することができる。
例えば、留まり止め12については、図示実施の形態は単なる一例に過ぎず、前述の各特許文献に示されたものなどに変更して実施することもできる。
上記の(b1)のように、操作部33を下から斜め上に押し上げるだけで、受容部22から挿入部23が抜けるようにするためには、ヒンジ18、係止部27、係合部32及び操作部33が半円内にあること(言い換えれば、図6(A)に示すように、ヒンジ18と、環状部13の中心と、係止部27とのなす角度αが180度以下であり、ヒンジ18と、環状部13の中心と、係合部32とのなす角度αが180度以下であり、ヒンジ18と、環状部13の中心と、操作部33とのなす角度が180度以下であること)が望ましいが、これに限るものではなく、図6(B)に示すように180度を越えるものでも実施することができる。
12 留まり止め
13 環状部
14 重心部
15 第一部
16 第二部
17 錘
18 ヒンジ
19 水平部
20 針状体
21 延設部
22 受容部
23 挿入部
24 折曲部
25 上面
26 下面
27 係止部
28 固定部
29 内腕
30 折り返し端
31 外腕
32 係合部
33 操作部
51 絶縁工具
52 挟み部
53 主桿
54 副桿
55 握り
71 クリップ
72 第一部材
73 第二部材
74 第一半円部
75 第二半円部
76 ヒンジ
77 突片
78 突起
79 挿入開口
80 係止片
81 径調整部材
82 弧状片
83 標示
84 取り付け突起
85 固定穴
d 電線
Claims (5)
- 鳥が電線に留まることを防止する留まり止めと、この留まり止めを電線に取り付ける環状部とを備え、
上記環状部は第一部と第二部とが両者の基端側を中心に開閉可能に設けられたものであり、
上記電線が通電状態の活線に対して上記第一部と上記第二部とを絶縁工具を用いて開閉するようにした間接活線工法用の鳥害防止具と、
上記活線の長手方向に移動不能に取り付けられることにより、上記鳥害防止具の長手方向への移動を防止するクリップとを備えた鳥害防止具の取り付け構造において、
上記第一部と上記第二部とのいずれか一方の先端側に弾性変形可能な挿入部が設けられ、上記第一部と上記第二部とのいずれか他方の先端側に上記挿入部を挿入する受容部が設けられ、
上記挿入部は係合部を備え、上記受容部は上記係合部を係止する係止部を備え、
上記受容部に上記挿入部が挿入された状態で、上記係合部と上記係止部とが係止されることにより、上記電線を通した状態で上記第一部と上記第二部とが固定され、
上記挿入部を弾性変形させることで、上記係合部と上記係止部との係止が解除され、上記挿入部を上記受容部から抜くことができ、
上記挿入部は、内腕と、上記内腕の外側に間隔を隔てて配置された外腕と、操作部とを備え、
上記第一部と上記第二部とが絶縁工具によって互いに接近するように操作されて、上記係合部が上記係止部に係止される際、上記間隔が変化するように上記内腕と上記外腕とが弾性変形し、
上記外腕と上記内腕との間隔が小さくなるように、上記操作部が上記絶縁工具によって押し上げられることにより上記係止部が上記係合部から外れるとともに、上記受容部から上記挿入部が抜けて、上記環状部が開くように構成され、
上記クリップは、回動可能に接続された第一部材と第二部材とを備え、上記第一部材と上記第二部材の夫々には径調整部材が配置され、
両径調整部材を弾性変形させた状態で、両径調整部材間に電線を挟むものであり、
上記径調整部材は、大きさが順次変化する複数の弧状片を回動可能に接続し、これらの複数の弧状片を折りたたんで重ねたものであることを特徴とする鳥害防止具の取り付け構造。 - 鳥が電線に留まることを防止する留まり止めと、この留まり止めを電線に取り付ける環状部とを備え、
上記環状部は第一部と第二部とが両者の基端側を中心に開閉可能に設けられたものであり、
上記電線が通電状態の活線に対して上記第一部と上記第二部とを絶縁工具を用いて開閉するようにした間接活線工法用の鳥害防止具と、
上記活線の長手方向に移動不能に取り付けられることにより、上記鳥害防止具の長手方向への移動を防止するクリップとを備えた鳥害防止具の取り付け構造において、
上記第一部と上記第二部とのいずれか一方の先端側に弾性変形可能な挿入部が設けられ、上記第一部と上記第二部とのいずれか他方の先端側に上記挿入部を挿入する受容部が設けられ、
上記挿入部は係合部を備え、上記受容部は上記係合部を係止する係止部を備え、
上記受容部に上記挿入部が挿入された状態で、上記係合部と上記係止部とが係止されることにより、上記電線を通した状態で上記第一部と上記第二部とが固定され、
上記挿入部を弾性変形させることで、上記係合部と上記係止部との係止が解除され、上記挿入部を上記受容部から抜くことができ、
上記挿入部は、固定部と、上記固定部から先端方向に伸びる内腕と、上記内腕の先端の折り返し端と、上記折り返し端から折り返して基端方向に伸びる外腕とを備え、
上記外腕は上記内腕の外側に間隔を隔てて配置され、
上記外腕の外側に上記係合部が設けられ、
上記外腕の基端に曲がった操作部を備え、
上記第一部と上記第二部とが絶縁工具によって互いに接近するように操作されて、上記係合部が上記係止部に係止される際、上記間隔が変化するように上記内腕と上記外腕とが弾性変形し、
上記外腕と上記内腕との間隔が小さくなるように上記操作部が絶縁工具によって操作され、上記係合部と上記係止部との係止が外されるよう構成され、
上記クリップは、回動可能に接続された第一部材と第二部材とを備え、上記第一部材と上記第二部材の夫々には径調整部材が配置され、
両径調整部材を弾性変形させた状態で、両径調整部材間に電線を挟むものであり、
上記径調整部材は、大きさが順次変化する複数の弧状片を回動可能に接続し、これらの複数の弧状片を折りたたんで重ねたものであることを特徴とする鳥害防止具の取り付け構造。 - 上記操作部は、下方に向けて湾曲する半円状をなすことを特徴とする請求項1又は2記載の鳥害防止具の取り付け構造。
- 開閉する挟み部を有する上記絶縁工具を用いて、通電状態の活線に対して、請求項1〜3の何れかに記載の鳥害防止具の取り付け構造における上記操作部を操作して鳥害防止具の着脱をなすことを特徴とする鳥害防止具の着脱方法。
- 上記クリップは、第一半円部を備えた上記第一部材と、第二半円部を備えた上記第二部材と、係止手段とを備え、
上記係止手段は、上記第一部材と上記第二部材とを閉じた状態に保つものであり、
上記第一半円部と上記第二半円部の夫々には上記径調整部材が配置され、
両径調整部材を弾性変形させた状態で、両径調整部材間に電線を挟むものであることを特徴とする請求項4記載の鳥害防止具の着脱方法。
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