JP2012034707A - 鳥獣類排除構造及びその鳥獣類排除具 - Google Patents

鳥獣類排除構造及びその鳥獣類排除具 Download PDF

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Abstract

【課題】鳥獣の重みを受けて回転する鳥獣類排除具を改良し、より確実に鳥獣の排除が可能なものを提供する。
【解決手段】架空線kが挿通される状態で、架空線kの長手方向に互いに間隔を隔てて配位された複数の環状部材と、これらの環状部材間に渡された複数のバー部材3とを備えた鳥獣類排除具において、これらの環状部材の中央部分には、上記の架空線kが回動可能に挿通される挿通穴10を備え、これらの環状部材の周縁部分には、上記のバー部材3を支持する支持部が設けられ、上記のバー部材3には、多数の突起5が形成され、突起5に鳥獣の体重がかかった際に、この鳥獣類排除具が上記架空線を中心にして回動することにより、鳥獣を排除するようにしたことを特徴とする鳥獣類排除具を提供する。
【選択図】図1

Description

本願発明は、鳥獣類排除構造及びその鳥獣類排除具に関するものである。
特許第3919199号公報
配電線などの、架空線に鳥獣類が止まることを、防止する鳥獣類排除具として、例えば、上記特許文献1に見られる、鳥獣類排除具が提案されている。
この排除具は、架空線が挿通される状態で、架空線の長手方向へ互いに間隔を隔てて配位された複数の環状の支持部材5〜7と、これらの環状の支持部材の中央部分に渡された複数の複数の棒状連結部材と、鳥獣排除体として複数の線状体が棒状連結部材と共に、支持部材間に渡されている(特許文献1の図1、図10)。
このような排除具は、飛来して架空線に止まろうとする鳥獣を、架空線を取り囲む上記の鳥獣排除体にて、阻むことができる。
また、このように棒状連結部材を用いるものは、筒状体などで、架空線を完全に覆うことに比べて、軽量化でき更に排除具に雨水などが溜まる危惧がない点で有利である。
しかし、このような排除具は、小型の鳥獣によっては、回転する線状体や棒状連結部材に触れずに、並行する線状体や棒状連結部材の間から、架空線に止まることができ、十分な鳥獣の排除ができないとの危惧があった。
本願発明は、上記の問題を鑑み、上記の鳥獣の重みを受けて回転する鳥獣類排除具を改良し、より確実に鳥獣の排除が可能な鳥獣類排除具の提供を図る。
本願発明は、架空線が挿通される状態で、架空線の長手方向に互いに間隔を隔てて配位された複数の環状部材と、これらの環状部材間に渡された複数のバー部材とを備えた鳥獣類排除具において、これらの環状部材の中央部分には、上記の架空線が回動可能に挿通される挿通穴を備え、これらの環状部材の周縁部分には、上記のバー部材を支持する支持部が設けられ、上記のバー部材には、多数の突起が形成され、突起に鳥獣の体重がかかった際に、この鳥獣類排除具が上記架空線を中心にして回動することにより、鳥獣を排除するようにしたことを特徴とする鳥獣類排除具を提供する。
この、鳥獣類排除具の上記各バー部材には、その軸芯から見て、少なくとも3方向に伸びる突起が設けられており、この突起は、先端が基端よりも細い針状のものとすることができる。
本願発明の鳥獣類排除具は、各バー部材は、同一の形状及び寸法を備え、架空線の線芯から見て、輪になるように、間隔を開けて配列されたものであり、針状の突起は、1本の中央針と2本の左右針とを一組として、複数組設けられており、中央針は、バー部材の軸芯から見て左右針の間に配置されると共に、バー部材の軸方向に沿って、1本の中央針と2本の左右針とが等間隔に交互に設けられ、バー部材の一端には中央針が配置され、バー部材の他の一端には左右針が配置されたものであり、中央針が環状部材の挿通穴から見て放射状に配置され、環状部材の周縁部分の支持部に取り付けられた上記のバー部材について、隣り合うバー部材同士が、先端と後端とが逆向きに配置されることにより、両バー部材間において、一方のバー部材の左又は右針と、他の一方のバー部材の右又は左針とが、千鳥状に配位されたものとして実施することができる。
さらに、上記排除具の長手方向の前端或いは後端をなす環状部材の端面は、上記の挿通穴の周囲へ環状の突出部を備え、環状部材は、半割に形成された環構成部材を組み合わせることによって、環状にされるものであり、環状部材間に渡されたバー部材の軸方向について、バー部材の中間には、バー部材同士の間隔を保ち、架空線を挿通することができる環状の中間部材が設けられ、中間部材は、半割に形成された第1及び第2の二つの部材を組み合わせることによって、環状にされるものとして実施し得る。
またさらに、上記鳥獣類排除具と、架空線に取り付けることができるクリップ状のストッパーとを備え、複数の鳥獣類排除具は、夫々、架空線に対して、隣り合う排除具同士が回転可能に配列されたものであり、ストッパーは、第1構成片と第1構成片に対して開閉自在に設けられた第2構成片とを備え、第1構成片と第2構成片にて架空線を挟むことにより、架空線に固定できるものであり、ストッパーは、複数の排除具のうち、連続する2本以上の排除具群の前後において、架空線へ取り付けられた鳥獣類排除構造として実施することができる。
本願発明に係る鳥獣類排除具は、バー部材に止まろうとする鳥獣の重みにて回転し、鳥獣を止まらせないようにしたものであって、特に、バー部材に突起を設けることによって、並行するバー部材間の空間を遮り、バー部材間から、鳥獣が侵入して架空線に止まるといった事態を抑制した。
また、上記鳥獣類排除具は、少なくとも3方向に伸びる突起を備えることにより、より確実に、バー部材間への侵入を遮ることができる。
更に、突起を先端が基端よりも細い針状とすることにより、接触すれば、違和感を与えて、鳥獣の接近をより一層抑制することができる。
特に、上記鳥獣類排除具は、針状の突起が、千鳥状に配置されることにより、バー部材間への侵入をより困難なものとした。特に、バー部材の全てを同一の形状・寸法のもので、上記の千鳥状の配列を可能として、構成部品の種類を低減し、製造コストの低下に功を奏する。
また、上記鳥獣類排除構造は、架空線へ鳥獣類排除具を容易に取り付けることができる具体的手段を提供したものであり、特に、環状の突出部にて、架空線に複数の当該排除具を配置した場合に、隣り合う排除具との接触を、環状の突出部が一手に担い、排除具の端面全体が、隣接する排除具の端面と接触することを回避し、当該接触による摩擦抵抗を減らして、鳥獣が止まろうとした際の回転をより円滑に行うことができる。
(A)は本願発明に係る鳥獣類排除具の略側面図であり、(B)はその正面図であり、図1(C)はその要部分解正面図であり、図1(D)は当該要部の組み立て途中の状態を示す正面図である。 (A)は図1(C)の要部正面図であり、(B)及び(H)はその側面図であり、(C)は図1(C)の要部正面図であり、(D)及び(I)はその側面図であり、(E)は図1(A)の中間部材の平面図であり、(F)はその正面図であり、(G)は図1(A)の中間部材の正面図である。 (A)は図1(A)の排除具のバー部材の平面図であり、(B)はその側面図であり、(C)は(A)のX−X拡大断面図であり、(D)は(A)の一部切欠要部拡大図である。 (A)はこの排除具が有する別体に形成されたストッパーの開いた状態を示す正面図であり、(B)は当該ストッパーの閉じた状態を示す正面図であり、(C)は当該ストッパーの側面図である。 図5は、ストッパーを併設したこの排除具の使用状態を示す側面図である。
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態を説明する。
図1乃至図5へ、本願発明の一実施の形態を示す。
図1(A)は本願発明に係る鳥獣類排除具の略側面図であり、図1(B)はその正面図であり、図1(C)はその要部分解正面図であり、図1(D)は当該要部の組み立て途中の状態を示す正面図である。図2(A)は図1(C)の要部正面図であり、図2(B)(H)はその側面図であり、図2(C)は図1(C)の要部正面図であり、図2(D)(I)はその側面図であり、図2(E)は図1(A)の環状の中間部材の平面図であり、図2(F)はその正面図であり、図2(G)は図1(A)の環状の中間部材の正面図である。図3(A)は図1(A)の排除具のバー部材の平面図であり、図3(B)はその側面図であり、図3(C)は図3(B)のX−X拡大断面図であり、図3(D)は図3(B)の一部切欠要部拡大図である。図4(A)はこの排除具が有する別体に形成されたストッパーの開いた状態を示す正面図であり、図4(B)は当該ストッパーの閉じた状態を示す正面図であり、図4(C)は当該ストッパーの側面図である。図5は、ストッパーを併設したこの排除具の使用状態を示す側面図である。
尚、説明の便宜上、Fは排除具の前方を、Bは排除具の後方を示し、このF−Bは、架空線の長手方向と一致するものとする。
図1(A)へ示す通り、この鳥獣類排除具100は、先端側環状部材1と、後端側環状部材2と、両環状部材1,2間に渡される複数のバー部材3…3と、中間部材4とを備える。
以下各部の構成について、順に詳述する。
先端環状部材1と後端環状部材2との間に、上記のバー部材3…3が介されることにより、両環状部材1,2は、架空線kが挿通される状態で架空線kの長手方向に互いに間隔を隔てて配位されている。
この先端環状部材1及び後端環状部材2は、同様の構成を採るので、先端環状部材1を代表として、環状部材1とし、より具体的に説明する。
環状部材1は、図1(B)へ示す通り、架空線kの外径よりも、大きな内径を備えた挿通穴10を中央部分に備え、当該挿通穴10に、架空線kが遊嵌されることにより、架空線kを中心にして回動することができる。挿通穴10は、架空線kの直径の2倍以上の内径を有するものとするのが好ましい。
環状部材1の周縁部には、バー部材3…3を支持する複数の支持部13…13が設けられている。支持部13…13の夫々は、前後に貫通する装着孔14を備える。この装着孔14に、バー部材3の中央針5bを環状部材1の挿通穴10から放射状に配置するよう、バー部材3の端部51が嵌められ、環状部材1にバー部材3が固定される。この実施の形態において、支持部13…13は、図1(B)へ示す通り、環状部材1の周縁部に、6個、等間隔を開けて設けられている。但し、このような数は、取り付けるバー部材3の数に応じて、変更可能であり、支持部13を、4個としても、8個以上の偶数個としても実施できる。
排除具の前端或いは後端をなす環状部材1の端面には、上記挿通穴10の周囲に環状の突出部15が設けられている。
この環状の突出部15によって、架空線kに複数の排除具を装着した際に、隣り合う排除具の環状部材1同士の接触面積を低減し、排除具の円滑な回転を可能とする。
この実施の形態において、環状部材1は、図2(A)(B)(H)へ示す円筒を半割状にした環構成第1部材11と、図2(C)(D)(I)へ示す円筒を半割状にした環構成第2部材12とにて構成される。図2(A)(B)(H)及び図2(C)(D)(I)は、バー部材3…3が取り付けられる前の、各環構成部材を示している。
両環構成部材11,12を組み合わせることによって、中空部分(挿通穴10)に、架空線kが挿通可能な環状部材1が形成される。
詳しくは、弧状の環構成第2部材12の一端には、前後に突出する小突起16a,16aを備えた挿入部16が設けられている。環構成第1部材11には、上記挿入部16と対応する位置に、当該挿入部16を挿入する受容部17が設けられている。受容部17は、前後2枚の小片にて形成され、両小片の間に設けられた隙間に、挿入部16を収容する。当該小片の夫々には、挿入部16挿入の際に上記小突起16a,16aを案内し受容する切欠部17a,17aが設けられている。弧状の環構成第1部材11の他の一端は、前後に突出する小突起19a,19aを備えた挿入片19が設けられている。環構成第2部材12には、上記小突起19a,19aを備えた挿入片19と対応する位置に、当該挿入片19を挿入する受容凹部18が設けられている。受容凹部18は、前後2枚の小片にて形成され、両小片の間に設けられた隙間に、挿入片19を収容する。受容凹部18には、この挿入片19の受容凹部18への収容により、挿入片19の小突起19a,19aを受容する、受孔18a,18aが設けられている。
図1(C)へ示す通り、バー部材3…3を装着孔14へ取り付けた後、図1(D)へ示す通り挿入部16を受容部17へ挿入し、小突起16a,16aを中心として環構成第1部材11を回転させて、挿入片19を受容凹部18へ挿入し、小突起19aと受孔18aに嵌め合わせ、図1(B)へ示すように、環構成第1部材11を環構成第2部材12へ固定し、環状部材1を形成する。
尚、環状部材1は、上述の半割状の2つの環構成部材11,12に分割形成されたものを組み合わせて形成するものに限定するものではなく、当初より1つの環として形成され、架空線kの端部から通されるものとしても実施できる。また、3つ以上の環構成部材を組み合わせることによって、1つの環状部材1を形成するものとしても実施できる。
バー部材3は、バー状の部材、即ち棒状の部材である。バー部材3…3は、環状部材間へ偶数本、平行に渡される。
図1(A)(B)へ示す通り、この実施の形態では、排除具は、同一のバー部材3を、6本備える(図1(A)では、そのうち2本は手前のバー部材3に隠れて見えない)。環状部材の前記装着孔14…14は、挿通穴10の周囲に、等間隔を開けて輪(円)をなすよう配列されている。従って、当該装着孔14…14へ装着されたバー部材3…3は、図1(B)へ示す通り、架空線の線芯から見て、6本のバー部材3…3は、等間隔を開けて輪をなすように配列されている。
当該輪(円)自体は図示しないが、その直径は、5〜10cmとするのが好ましく、6〜8cmとするのがより好ましく、特に7cmとするのが好ましい。但しこのような数値は変更可能である。
個々のバー部材3の直径は、3mm〜10mmとするのが好ましく、5mm前後、特に4.5mmとするのが好ましい。また、バー部材3の長さは、20cm〜100cmとするのが好ましく、30cm〜80cmとするのがより好ましく、特に40cm〜60cmとするのが好ましく、約50cmとするのが最も好ましい。但しこのような数値は変更可能である。特に、後述する中間部材の数を変更することによって、バー部材3の長さを上記よりも更に長いものとすることができる。
バー部材3の数は、6本に限定するものではなく、4本或いは8本以上の偶数本でも実施可能である。
図3に、図1(A)の最上部に位置するバー部材3(3a)を代表として示す。
バー部材3の夫々には、図1及び図3(A)(B)へ示す通り、複数の突起5…5が設けられている。この突起に鳥獣の体重がかかった際に、この鳥獣類排除具が上記架空線を中心にして回動する。
具体的には、各バー部材3には、バー部材3の軸芯から見て、少なくとも3方向に伸びる突起5a,5b,5cが設けられており、この突起5a,5b,5cは、先端が基端よりも細い針状のものである。
詳しくは、針状の突起5…5は、1本の中央針5bと2本の左右針5a,5cとを一組として(図3(C)(D))、複数組設けられており(図3(A)(B))、中央針5bは、バー部材3の軸芯から見て左右針5a,5cの間に配置されると共に、バー部材3の軸方向に沿って、1本の上記中央針5bと2本の左右針5a,5cとが等間隔に交互に設けられることにより、上記3方向の針の組が等間隔に設けられたものである。そして、図3(A)(B)へ示す通り、バー部材3の一端(先端)には中央針が配置され、バー部材3の他の一端(後端)には左右針5a,5cが配置されたものである。
そして、隣接するバー部材3,3同士は、その向きが前後反対となるように環状部材へ取り付けられる。これによって、隣接する両バー部材間において、一方のバー部材の左又は右針と、他の一方のバー部材の右又は左針とが、千鳥状に配位されたものである(図1(A))。
例えば、排除具を正面視した状態において、上記最上部のバー部材3aと、当該バー部材3aの右隣に位置するバー部材3とについて見れば、当該右隣のバー部材3の左針5aと最上部のバー部材3aの右針5cとが、両バー部材3,3a間において、千鳥状に配位するものである。即ち、排除具を正面視した状態において、手前に当該右隣のバー部材3の左針5a、その後ろに最上部のバー部材3aの右針5c、更にその後ろに当該右隣のバー部材3の左針5aと、両バー部材3a,3の左右の針5a,5cが、千鳥状に配列される。
図3(A)(B)へ示すように、中央針5bと2本の左右針5a,5cは、バー部材3の軸方向と直角に設けられ、且つ、図3(C)へ示すように、バー部材3の軸芯から見た状態において、左針5aと中央針5bとがなす角度、及び、中央針5bと右針5cとがなす角度は、夫々直角である。
但し、左針5aと中央針5bとがなす角度、及び、中央針5bと右針5cとがなす角度は、夫々60〜100度の範囲にて上記直角以外の角度を採るものとしても実施できる。
前述の通り、架空線の線芯から見て(図1(B))、バー部材3…3は、輪をなすように配置されており、各バー部材3…3から中央針5b…5bが放射状に突き出るよう各バー部材3…3外周の向きが決められる。
各突起5(中央針5b、左右針5a,5c)は、夫々、1.5cm〜4cmの長さを有するのが好ましく、特に、2cmとするのが好ましい。但し、このような数値は、変更可能であり、バー部材3が配列された上記円周の直径や、バー部材3の本数によって、排除の対象となる鳥獣が侵入しにくい寸法に設定すればよい。各突起5の基端の直径は、2mm〜8mmとするのが好ましく、特に3mmとするのが好ましい。
そして、バー部材の軸方向について、1組の中央針5bと左右針5a,5cとの(先端間の)間隔は、1cm〜2cmとするのが好ましく、1.5cm前後、特に1.6cmとするのが好ましい。
また、バー部材の軸方向について、隣り合う中央針5b,5b間の(先端間の)間隔は、2〜4cmとするのが好ましく、3cm前後、特に3.2cmとするのが好ましい。但し、排除の対象となる鳥獣類によっては、上記の間隔を他の数値に変更して実施すればよい。
上記において、三方向へ伸びる針状の突起の組を複数備えるものとしたが、二方向に伸びる或いは4方向に伸びる突起の組を複数備えるものとしても、実施できる。
但し、上記三方向へ伸びるものが理想的である。
図1(A)へ示す通り、中間部材4は、バー部材3…3の軸方向の中間に設けられる。但し、バー部材3の長さによっては、一つの排除具について、2個以上の中間部材4を設けるものとしても実施できる。
詳しくは、中間部材4は、前後両端に配置される環状部材1,2の間に配置されて、バー部材3…3を保持する環状体であり、並列するバー部材3…3間の間隔を維持するものである。環状の中間部材4の中穴に、架空線kが通される。この中穴も、環状部材1,2の挿通穴10と同様、架空線kの直径の2倍以上の内径を有するのが好ましい。この実施の形態において、図3(A)〜(D)に示す通り、バー部材3…3は、夫々その両端から中間の位置に、バー部材3の側方へ突出する係合突起50が設けられている。
そして、上記中間部材4の周縁には、図1(A)へ示す通り、当該係合突起50と対応する位置に、複数の凸部43…43が放射状に設けられており、当該凸部43には、係合突起50を装着することができる受穴43a(図2(E)〜(G))が設けられている。
より具体的には、環状の中間部材7は、図2(E)(F)へ示す円筒を半割状にした第1部材41と、図2(G)へ示す同じく円筒を半割状にした第2部材42とを組み合わせることによって、形成される。第1部材41が呈する弧の一端に、凸状部46を有する第1舌片44が設けられ、第2部材42は当該第1舌片44と対応する端部に、嵌め穴47を有する第2舌片45が設けられている。凸状部46を嵌め穴47へ嵌めて、図3(A)〜図3(D)へ示す状態のバー部材3の係合突起50を、図2(E)〜(G)へ示す受穴43aへ嵌める。環状部材を図1(B)へ示す環状とすることにより、第1部材41と第2部材42とが合わされて環状の中間部材4を形成する。
尚、バー部材3の寸法によっては、中間部材4を設けずに実施することも可能である。
鳥獣類排除具100は、図5へ示す通り、架空線kに対して、複数本連続して装着されるものであり、隣り合う鳥獣類排除具100,100間のうち、複数本おきに、架空線kに固定されるクリップ状のストッパー7を備える。
ストッパー7は、図4(A)〜(C)ヘ示す通り、第1及び第2の、2つの構成片71,72にて構成されている。第1構成片71の一端は、取り付け部70にて、第2構成片72の一端へ開閉自在に取り付けられている。当該取り付け部70を中心として、両構成片71,72の他の一端側を握り73,74として、ストッパー7を開閉することができる。両構成片71,72の取り付け部70と夫々の握り73,74との間に、架空線kを挟持する挟持部75,75が設けられている。挟持部75,75は、ゴム或いは発泡ウレタンといった弾力性を有する素材にて形成されており、ストッパー7を閉じることによって、架空線kを挟みこむことができる穴を構成する、円弧状に左右に交代する凹部75a,75aが設けられている。
また、第2構成片72は、鉤部77を備えた係合片76が設けられており、第1構成片71には、係合片76を通し、鉤部77と係合する鉤掛部79を備えた挿通口78が設けられている。架空線kを挟んでストッパー7を閉じた際、図4(B)へ示す通り、鉤掛部79に鉤部77が係合し、ストッパー7は閉じた状態を維持する。このようにして、図5へ示すように、ストッパー7は、鳥獣類排除具100複数本毎に、隣接する当該鳥獣類排除具100,100間へ配置され、架空線kに対して鳥獣類排除具100…100の位置がずれないようにすることができる。
図5において、鳥獣類排除具1本おきにストッパー7を設けるものを示したが、2本おきとしても、3本おきとしてもよく、更に多くの本数をおいて、ストッパーを設けるものとしてもよい。
1 環状部材
2 環状部材
3 バー部材
4 中間部材
5 突起
本願発明は、鳥獣類排除構造及びその鳥獣類排除具に関するものである。
特許第3919199号公報
配電線などの、架空線に鳥獣類が止まることを、防止する鳥獣類排除具として、例えば、上記特許文献1に見られる、鳥獣類排除具が提案されている。
この排除具は、架空線が挿通される状態で、架空線の長手方向へ互いに間隔を隔てて配位された複数の環状の支持部材5〜7と、これらの環状の支持部材の中央部分に渡された複数の複数の棒状連結部材と、鳥獣排除体として複数の線状体が棒状連結部材と共に、支持部材間に渡されている(特許文献1の図1、図10)。
このような排除具は、飛来して架空線に止まろうとする鳥獣を、架空線を取り囲む上記の鳥獣排除体にて、阻むことができる。
また、このように棒状連結部材を用いるものは、筒状体などで、架空線を完全に覆うことに比べて、軽量化でき更に排除具に雨水などが溜まる危惧がない点で有利である。
しかし、このような排除具は、小型の鳥獣によっては、回転する線状体や棒状連結部材に触れずに、並行する線状体や棒状連結部材の間から、架空線に止まることができ、十分な鳥獣の排除ができないとの危惧があった。
本願発明は、上記の問題を鑑み、上記の鳥獣の重みを受けて回転する鳥獣類排除具を改良し、より確実に鳥獣の排除が可能な鳥獣類排除具の提供を図る。
本願発明は、架空線が挿通される状態で、架空線の長手方向に互いに間隔を隔てて配位された複数の環状部材と、これらの環状部材間に渡された複数のバー部材とを備えた鳥獣類排除具において、これらの環状部材の中央部分には、上記の架空線が回動可能に挿通される挿通穴を備え、これらの環状部材の周縁部分には、上記のバー部材を支持する支持部が設けられ、上記のバー部材には、多数の突起が形成され、突起に鳥獣の体重がかかった際に、この鳥獣類排除具が上記架空線を中心にして回動することにより、鳥獣を排除するようにしたことを特徴とする鳥獣類排除具を提供する。
この、鳥獣類排除具の上記各バー部材には、その軸芯から見て、少なくとも3方向に伸びる突起が設けられており、この突起は、先端が基端よりも細い針状のものとすることができる。
本願発明の鳥獣類排除具は、各バー部材は、同一の形状及び寸法を備え、架空線の線芯から見て、輪になるように、間隔を開けて配列されたものであり、針状の突起は、1本の中央針と2本の左右針とを一組として、複数組設けられており、中央針は、バー部材の軸芯から見て左右針の間に配置されると共に、バー部材の軸方向に沿って、1本の中央針と2本の左右針とが等間隔に交互に設けられ、バー部材の一端には中央針が配置され、バー部材の他の一端には左右針が配置されたものであり、中央針が環状部材の挿通穴から見て放射状に配置され、環状部材の周縁部分の支持部に取り付けられた上記のバー部材について、隣り合うバー部材同士が、先端と後端とが逆向きに配置されることにより、両バー部材間において、一方のバー部材の左又は右針と、他の一方のバー部材の右又は左針とが、千鳥状に配位されたものとして実施することができる。
さらに、上記排除具の長手方向の前端或いは後端をなす環状部材の端面は、上記の挿通穴の周囲へ環状の突出部を備え、環状部材は、半割に形成された環構成部材を組み合わせることによって、環状にされるものであり、環状部材間に渡されたバー部材の軸方向について、バー部材の中間には、バー部材同士の間隔を保ち、架空線を挿通することができる環状の中間部材が設けられ、中間部材は、半割に形成された第1及び第2の二つの部材を組み合わせることによって、環状にされるものとして実施し得る。
またさらに、上記鳥獣類排除具と、架空線に取り付けることができるクリップ状のストッパーとを備え、複数の鳥獣類排除具は、夫々、架空線に対して、隣り合う排除具同士が回転可能に配列されたものであり、ストッパーは、第1構成片と第1構成片に対して開閉自在に設けられた第2構成片とを備え、第1構成片と第2構成片にて架空線を挟むことにより、架空線に固定できるものであり、ストッパーは、複数の排除具のうち、連続する2本以上の排除具群の前後において、架空線へ取り付けられた鳥獣類排除構造として実施することができる。
本願発明に係る鳥獣類排除具は、バー部材に止まろうとする鳥獣の重みにて回転し、鳥獣を止まらせないようにしたものであって、特に、バー部材に突起を設けることによって、並行するバー部材間の空間を遮り、バー部材間から、鳥獣が侵入して架空線に止まるといった事態を抑制した。
また、上記鳥獣類排除具は、少なくとも3方向に伸びる突起を備えることにより、より確実に、バー部材間への侵入を遮ることができる。
更に、突起を先端が基端よりも細い針状とすることにより、接触すれば、違和感を与えて、鳥獣の接近をより一層抑制することができる。
特に、上記鳥獣類排除具は、針状の突起が、千鳥状に配置されることにより、バー部材間への侵入をより困難なものとした。特に、バー部材の全てを同一の形状・寸法のもので、上記の千鳥状の配列を可能として、構成部品の種類を低減し、製造コストの低下に功を奏する。
また、上記鳥獣類排除構造は、架空線へ鳥獣類排除具を容易に取り付けることができる具体的手段を提供したものであり、特に、環状の突出部にて、架空線に複数の当該排除具を配置した場合に、隣り合う排除具との接触を、環状の突出部が一手に担い、排除具の端面全体が、隣接する排除具の端面と接触することを回避し、当該接触による摩擦抵抗を減らして、鳥獣が止まろうとした際の回転をより円滑に行うことができる。
(A)は本願発明に係る鳥獣類排除具の略側面図であり、(B)はその正面図であり、図1(C)はその要部分解正面図であり、図1(D)は当該要部の組み立て途中の状態を示す正面図である。 (A)は図1(C)の要部正面図であり、(B)及び(H)はその側面図であり、(C)は図1(C)の要部正面図であり、(D)及び(I)はその側面図であり、(E)は図1(A)の中間部材の平面図であり、(F)はその正面図であり、(G)は図1(A)の中間部材の正面図である。 (A)は図1(A)の排除具のバー部材の平面図であり、(B)はその側面図であり、(C)は(A)のX−X拡大断面図であり、(D)は(A)の一部切欠要部拡大図である。 (A)はこの排除具が有する別体に形成されたストッパーの開いた状態を示す正面図であり、(B)は当該ストッパーの閉じた状態を示す正面図であり、(C)は当該ストッパーの側面図である。 図5は、ストッパーを併設したこの排除具の使用状態を示す側面図である。 本願発明の他の実施の形態に係る鳥獣類排除具を示すもので、(A)は同鳥獣類排除具の略側面図であり、(B)はその拡大正面図であり、(C)は開いた状態の拡大正面図であり、(D)は分解状態におけるY−Y線に沿う拡大断面図である。
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態を説明する。
図1乃至図5へ、本願発明の一実施の形態を示す。
図1(A)は本願発明に係る鳥獣類排除具の略側面図であり、図1(B)はその正面図であり、図1(C)はその要部分解正面図であり、図1(D)は当該要部の組み立て途中の状態を示す正面図である。図2(A)は図1(C)の要部正面図であり、図2(B)(H)はその側面図であり、図2(C)は図1(C)の要部正面図であり、図2(D)(I)はその側面図であり、図2(E)は図1(A)の環状の中間部材の平面図であり、図2(F)はその正面図であり、図2(G)は図1(A)の環状の中間部材の正面図である。図3(A)は図1(A)の排除具のバー部材の平面図であり、図3(B)はその側面図であり、図3(C)は図3(B)のX−X拡大断面図であり、図3(D)は図3(B)の一部切欠要部拡大図である。図4(A)はこの排除具が有する別体に形成されたストッパーの開いた状態を示す正面図であり、図4(B)は当該ストッパーの閉じた状態を示す正面図であり、図4(C)は当該ストッパーの側面図である。図5は、ストッパーを併設したこの排除具の使用状態を示す側面図である。
尚、説明の便宜上、Fは排除具の前方を、Bは排除具の後方を示し、このF−Bは、架空線の長手方向と一致するものとする。
図1(A)へ示す通り、この鳥獣類排除具100は、先端側環状部材1と、後端側環状部材2と、両環状部材1,2間に渡される複数のバー部材3…3と、中間部材4とを備える。
以下各部の構成について、順に詳述する。
先端環状部材1と後端環状部材2との間に、上記のバー部材3…3が介されることにより、両環状部材1,2は、架空線kが挿通される状態で架空線kの長手方向に互いに間隔を隔てて配位されている。
この先端環状部材1及び後端環状部材2は、同様の構成を採るので、先端環状部材1を代表として、環状部材1とし、より具体的に説明する。
環状部材1は、図1(B)へ示す通り、架空線kの外径よりも、大きな内径を備えた挿通穴10を中央部分に備え、当該挿通穴10に、架空線kが遊嵌されることにより、架空線kを中心にして回動することができる。挿通穴10は、架空線kの直径の2倍以上の内径を有するものとするのが好ましい。
環状部材1の周縁部には、バー部材3…3を支持する複数の支持部13…13が設けられている。支持部13…13の夫々は、前後に貫通する装着孔14を備える。この装着孔14に、バー部材3の中央針5bを環状部材1の挿通穴10から放射状に配置するよう、バー部材3の端部51が嵌められ、環状部材1にバー部材3が固定される。この実施の形態において、支持部13…13は、図1(B)へ示す通り、環状部材1の周縁部に、6個、等間隔を開けて設けられている。但し、このような数は、取り付けるバー部材3の数に応じて、変更可能であり、支持部13を、4個としても、8個以上の偶数個としても実施できる。
排除具の前端或いは後端をなす環状部材1の端面には、上記挿通穴10の周囲に環状の突出部15が設けられている。
この環状の突出部15によって、架空線kに複数の排除具を装着した際に、隣り合う排除具の環状部材1同士の接触面積を低減し、排除具の円滑な回転を可能とする。
この実施の形態において、環状部材1は、図2(A)(B)(H)へ示す円筒を半割状にした環構成第1部材11と、図2(C)(D)(I)へ示す円筒を半割状にした環構成第2部材12とにて構成される。図2(A)(B)(H)及び図2(C)(D)(I)は、バー部材3…3が取り付けられる前の、各環構成部材を示している。
両環構成部材11,12を組み合わせることによって、中空部分(挿通穴10)に、架空線kが挿通可能な環状部材1が形成される。
詳しくは、弧状の環構成第2部材12の一端には、前後に突出する小突起16a,16aを備えた挿入部16が設けられている。環構成第1部材11には、上記挿入部16と対応する位置に、当該挿入部16を挿入する受容部17が設けられている。受容部17は、前後2枚の小片にて形成され、両小片の間に設けられた隙間に、挿入部16を収容する。当該小片の夫々には、挿入部16挿入の際に上記小突起16a,16aを案内し受容する切欠部17a,17aが設けられている。弧状の環構成第1部材11の他の一端は、前後に突出する小突起19a,19aを備えた挿入片19が設けられている。環構成第2部材12には、上記小突起19a,19aを備えた挿入片19と対応する位置に、当該挿入片19を挿入する受容凹部18が設けられている。受容凹部18は、前後2枚の小片にて形成され、両小片の間に設けられた隙間に、挿入片19を収容する。受容凹部18には、この挿入片19の受容凹部18への収容により、挿入片19の小突起19a,19aを受容する、受孔18a,18aが設けられている。
図1(C)へ示す通り、バー部材3…3を装着孔14へ取り付けた後、図1(D)へ示す通り挿入部16を受容部17へ挿入し、小突起16a,16aを中心として環構成第1部材11を回転させて、挿入片19を受容凹部18へ挿入し、小突起19aと受孔18aに嵌め合わせ、図1(B)へ示すように、環構成第1部材11を環構成第2部材12へ固定し、環状部材1を形成する。
尚、環状部材1は、上述の半割状の2つの環構成部材11,12に分割形成されたものを組み合わせて形成するものに限定するものではなく、当初より1つの環として形成され、架空線kの端部から通されるものとしても実施できる。また、3つ以上の環構成部材を組み合わせることによって、1つの環状部材1を形成するものとしても実施できる。
バー部材3は、バー状の部材、即ち棒状の部材である。バー部材3…3は、環状部材間へ偶数本、平行に渡される。
図1(A)(B)へ示す通り、この実施の形態では、排除具は、同一のバー部材3を、6本備える(図1(A)では、そのうち2本は手前のバー部材3に隠れて見えない)。環状部材の前記装着孔14…14は、挿通穴10の周囲に、等間隔を開けて輪(円)をなすよう配列されている。従って、当該装着孔14…14へ装着されたバー部材3…3は、図1(B)へ示す通り、架空線の線芯から見て、6本のバー部材3…3は、等間隔を開けて輪をなすように配列されている。
当該輪(円)自体は図示しないが、その直径は、5〜10cmとするのが好ましく、6〜8cmとするのがより好ましく、特に7cmとするのが好ましい。但しこのような数値は変更可能である。
個々のバー部材3の直径は、3mm〜10mmとするのが好ましく、5mm前後、特に4.5mmとするのが好ましい。また、バー部材3の長さは、20cm〜100cmとするのが好ましく、30cm〜80cmとするのがより好ましく、特に40cm〜60cmとするのが好ましく、約50cmとするのが最も好ましい。但しこのような数値は変更可能である。特に、後述する中間部材の数を変更することによって、バー部材3の長さを上記よりも更に長いものとすることができる。
バー部材3の数は、6本に限定するものではなく、4本或いは8本以上の偶数本でも実施可能である。
図3に、図1(A)の最上部に位置するバー部材3(3a)を代表として示す。
バー部材3の夫々には、図1及び図3(A)(B)へ示す通り、複数の突起5…5が設けられている。この突起に鳥獣の体重がかかった際に、この鳥獣類排除具が上記架空線を中心にして回動する。
具体的には、各バー部材3には、バー部材3の軸芯から見て、少なくとも3方向に伸びる突起5a,5b,5cが設けられており、この突起5a,5b,5cは、先端が基端よりも細い針状のものである。
詳しくは、針状の突起5…5は、1本の中央針5bと2本の左右針5a,5cとを一組として(図3(C)(D))、複数組設けられており(図3(A)(B))、中央針5bは、バー部材3の軸芯から見て左右針5a,5cの間に配置されると共に、バー部材3の軸方向に沿って、1本の上記中央針5bと2本の左右針5a,5cとが等間隔に交互に設けられることにより、上記3方向の針の組が等間隔に設けられたものである。そして、図3(A)(B)へ示す通り、バー部材3の一端(先端)には中央針が配置され、バー部材3の他の一端(後端)には左右針5a,5cが配置されたものである。
そして、隣接するバー部材3,3同士は、その向きが前後反対となるように環状部材へ取り付けられる。これによって、隣接する両バー部材間において、一方のバー部材の左又は右針と、他の一方のバー部材の右又は左針とが、千鳥状に配位されたものである(図1(A))。
例えば、排除具を正面視した状態において、上記最上部のバー部材3aと、当該バー部材3aの右隣に位置するバー部材3とについて見れば、当該右隣のバー部材3の左針5aと最上部のバー部材3aの右針5cとが、両バー部材3,3a間において、千鳥状に配位するものである。即ち、排除具を正面視した状態において、手前に当該右隣のバー部材3の左針5a、その後ろに最上部のバー部材3aの右針5c、更にその後ろに当該右隣のバー部材3の左針5aと、両バー部材3a,3の左右の針5a,5cが、千鳥状に配列される。
図3(A)(B)へ示すように、中央針5bと2本の左右針5a,5cは、バー部材3の軸方向と直角に設けられ、且つ、図3(C)へ示すように、バー部材3の軸芯から見た状態において、左針5aと中央針5bとがなす角度、及び、中央針5bと右針5cとがなす角度は、夫々直角である。
但し、左針5aと中央針5bとがなす角度、及び、中央針5bと右針5cとがなす角度は、夫々60〜100度の範囲にて上記直角以外の角度を採るものとしても実施できる。
前述の通り、架空線の線芯から見て(図1(B))、バー部材3…3は、輪をなすように配置されており、各バー部材3…3から中央針5b…5bが放射状に突き出るよう各バー部材3…3外周の向きが決められる。
各突起5(中央針5b、左右針5a,5c)は、夫々、1.5cm〜4cmの長さを有するのが好ましく、特に、2cmとするのが好ましい。但し、このような数値は、変更可能であり、バー部材3が配列された上記円周の直径や、バー部材3の本数によって、排除の対象となる鳥獣が侵入しにくい寸法に設定すればよい。各突起5の基端の直径は、2mm〜8mmとするのが好ましく、特に3mmとするのが好ましい。
そして、バー部材の軸方向について、1組の中央針5bと左右針5a,5cとの(先端間の)間隔は、1cm〜2cmとするのが好ましく、1.5cm前後、特に1.6cmとするのが好ましい。
また、バー部材の軸方向について、隣り合う中央針5b,5b間の(先端間の)間隔は、2〜4cmとするのが好ましく、3cm前後、特に3.2cmとするのが好ましい。但し、排除の対象となる鳥獣類によっては、上記の間隔を他の数値に変更して実施すればよい。
上記において、三方向へ伸びる針状の突起の組を複数備えるものとしたが、二方向に伸びる或いは4方向に伸びる突起の組を複数備えるものとしても、実施できる。
但し、上記三方向へ伸びるものが理想的である。
図1(A)へ示す通り、中間部材4は、バー部材3…3の軸方向の中間に設けられる。但し、バー部材3の長さによっては、一つの排除具について、2個以上の中間部材4を設けるものとしても実施できる。
詳しくは、中間部材4は、前後両端に配置される環状部材1,2の間に配置されて、バー部材3…3を保持する環状体であり、並列するバー部材3…3間の間隔を維持するものである。環状の中間部材4の中穴に、架空線kが通される。この中穴も、環状部材1,2の挿通穴10と同様、架空線kの直径の2倍以上の内径を有するのが好ましい。この実施の形態において、図3(A)〜(D)に示す通り、バー部材3…3は、夫々その両端から中間の位置に、バー部材3の側方へ突出する係合突起50が設けられている。
そして、上記中間部材4の周縁には、図1(A)へ示す通り、当該係合突起50と対応する位置に、複数の凸部43…43が放射状に設けられており、当該凸部43には、係合突起50を装着することができる受穴43a(図2(E)〜(G))が設けられている。
より具体的には、環状の中間部材7は、図2(E)(F)へ示す円筒を半割状にした第1部材41と、図2(G)へ示す同じく円筒を半割状にした第2部材42とを組み合わせることによって、形成される。第1部材41が呈する弧の一端に、凸状部46を有する第1舌片44が設けられ、第2部材42は当該第1舌片44と対応する端部に、嵌め穴47を有する第2舌片45が設けられている。凸状部46を嵌め穴47へ嵌めて、図3(A)〜図3(D)へ示す状態のバー部材3の係合突起50を、図2(E)〜(G)へ示す受穴43aへ嵌める。環状部材を図1(B)へ示す環状とすることにより、第1部材41と第2部材42とが合わされて環状の中間部材4を形成する。
尚、バー部材3の寸法によっては、中間部材4を設けずに実施することも可能である。
鳥獣類排除具100は、図5へ示す通り、架空線kに対して、複数本連続して装着されるものであり、隣り合う鳥獣類排除具100,100間のうち、複数本おきに、架空線kに固定されるクリップ状のストッパー7を備える。
ストッパー7は、図4(A)〜(C)ヘ示す通り、第1及び第2の、2つの構成片71,72にて構成されている。第1構成片71の一端は、取り付け部70にて、第2構成片72の一端へ開閉自在に取り付けられている。当該取り付け部70を中心として、両構成片71,72の他の一端側を握り73,74として、ストッパー7を開閉することができる。両構成片71,72の取り付け部70と夫々の握り73,74との間に、架空線kを挟持する挟持部75,75が設けられている。挟持部75,75は、ゴム或いは発泡ウレタンといった弾力性を有する素材にて形成されており、ストッパー7を閉じることによって、架空線kを挟みこむことができる穴を構成する、円弧状に左右に交代する凹部75a,75aが設けられている。
また、第2構成片72は、鉤部77を備えた係合片76が設けられており、第1構成片71には、係合片76を通し、鉤部77と係合する鉤掛部79を備えた挿通口78が設けられている。架空線kを挟んでストッパー7を閉じた際、図4(B)へ示す通り、鉤掛部79に鉤部77が係合し、ストッパー7は閉じた状態を維持する。このようにして、図5へ示すように、ストッパー7は、鳥獣類排除具100複数本毎に、隣接する当該鳥獣類排除具100,100間へ配置され、架空線kに対して鳥獣類排除具100…100の位置がずれないようにすることができる。
図5において、鳥獣類排除具1本おきにストッパー7を設けるものを示したが、2本おきとしても、3本おきとしてもよく、更に多くの本数をおいて、ストッパーを設けるものとしてもよい。
図6は他の実施の形態を示すものである。先の実施の形態にあっては、先端環状部材1、後端環状部材2及び中間部材4と、バー部材3とが、別体に形成された後に一体化されたものであったが、この図6の実施の形態では、先端環状部材1、後端環状部材2及び中間部材4と、バー部材3とを一体に形成するものである。
また、先の実施の形態にあっては、バー部材3に対して、左針5a、中央針5b及び右針5cの3方向の針が設けられていたが、この図6の実施の形態では、中央針5bのみがバー部材3に設けられているものである。
さらにまた、先の実施の形態にあっては、中間部材4について、半割状にした第1部材41と、同じく円筒を半割状にした第2部材42と回動可能に接続し、両者の先端同士を突き合わせて、一つの円筒状の中間部材4となるようにしていたが、この実施の形態にあっては、図6(D)に示すように、第1部材41と第2部材42の先端には、凹凸の嵌合部41a、42aを設けて、これらの嵌合部41a、42aを嵌合させることによって、より強固な固定一体化を実現するものである。
1 環状部材
2 環状部材
3 バー部材
4 中間部材
5 突起

Claims (5)

  1. 架空線が挿通される状態で、架空線の長手方向に互いに間隔を隔てて配位された複数の環状部材と、これらの環状部材間に渡された複数のバー部材とを備えた鳥獣類排除具において、
    これらの環状部材の中央部分には、上記の架空線が回動可能に挿通される挿通穴を備え、
    これらの環状部材の周縁部分には、上記のバー部材を支持する支持部が設けられ、
    上記のバー部材には、多数の突起が形成され、
    突起に鳥獣の体重がかかった際に、この鳥獣類排除具が上記架空線を中心にして回動することにより、鳥獣を排除するようにしたことを特徴とする鳥獣類排除具。
  2. 各バー部材には、その軸芯から見て、少なくとも3方向に伸びる突起が設けられており、
    この突起は、先端が基端よりも細い針状のものであることを特徴とする請求項1記載の鳥獣類排除具。
  3. 各バー部材は、同一の形状及び寸法を備え、架空線の線芯から見て、輪になるように、間隔を開けて配列されたものであり、
    針状の突起は、1本の中央針と2本の左右針とを一組として、複数組設けられており、
    中央針は、バー部材の軸芯から見て左右針の間に配置されると共に、バー部材の軸方向に沿って、1本の中央針と2本の左右針とが等間隔に交互に設けられ、
    バー部材の一端には中央針が配置され、バー部材の他の一端には左右針が配置されたものであり、中央針が環状部材の挿通穴から見て放射状に配置され、
    環状部材の周縁部分の支持部に取り付けられた上記のバー部材について、隣り合うバー部材同士が、先端と後端とが逆向きに配置されることにより、両バー部材間において、一方のバー部材の左又は右針と、他の一方のバー部材の右又は左針とが、千鳥状に配位されたものであることを特徴とする請求項2記載の鳥獣類排除具。
  4. 排除具の長手方向の前端或いは後端をなす環状部材の端面は、上記の挿通穴の周囲へ環状の突出部を備え、
    環状部材は、半割に形成された環構成部材を組み合わせることによって、環状にされるものであり、
    環状部材間に渡されたバー部材の軸方向について、バー部材の中間には、バー部材同士の間隔を保ち、架空線を挿通することができる環状の中間部材が設けられ、
    中間部材は、半割に形成された第1及び第2の二つの部材を組み合わせることによって、環状にされるものであることを特徴とする請求項3記載の鳥獣類排除具。
  5. 架空線に配列された複数の上記請求項3又は4に記載の鳥獣類排除具と、架空線に取り付けることができるクリップ状のストッパーとを備え、
    複数の鳥獣類排除具は、夫々、架空線に対して、隣り合う排除具同士が回動可能に配列されたものであり、
    ストッパーは、第1構成片と第1構成片に対して開閉自在に設けられた第2構成片とを備え、第1構成片と第2構成片にて架空線を挟むことにより、架空線に固定できるものであり、
    ストッパーは、複数の排除具のうち、連続する2本以上の排除具群の前後において、架空線へ取り付けられたものであることを特徴とする鳥獣類排除構造。
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