JP2001355063A - 膜形成装置及び膜形成方法 - Google Patents
膜形成装置及び膜形成方法Info
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Abstract
して搬送する構成において、好適に膜形成を可能とする
構成を実現する。 【解決手段】 膜材料生成室としての超微粒子生成室1
と、該超微粒子生成室1で生成した膜材料である超微粒
子がキャリアガスとともに導入される搬送管3と、該搬
送管3を通して搬送された超微粒子を内部に設置された
基板に付与する膜形成室と、超微粒子生成室1の内部雰
囲気にキャリアガスを導入するキャリアガス導入部12
のガス導入口と、該ガス導入口の位置及び該ガス導入口
から超微粒子生成室1の内部雰囲気へのキャリアガスの
導入方向を調整するためのレール14を含む調整機構と
を有する。
Description
及び装置に関するものである。
明する。ガスデポジション法は、図1に示すように、超
微粒子生成室1、膜形成室2、搬送管3等を備えて構成
された装置が用いられ、超微粒子生成室1において不活
性ガス雰囲気中でアーク電極5を用いて材料8を加熱す
るアーク加熱、抵抗加熱、高周波誘導加熱、レーザ加熱
等で生成された金属超微粒子を超微粒子生成室1と膜形
成室2の圧力差により搬送管3を通じて膜形成室2に導
き、ノズル4から高速噴射させることにより、直接パタ
ーンを描画する乾式成膜方法である(特許第25246
22号、特許第1595398号、特許第263240
9号に係る公報参照)。超微粒子生成室1内の蒸発源で
ある材料8から発生した蒸気原子は、超微粒子生成室1
内にボンベ7から導入される不活性ガスとの衝突で急冷
され、原子同士の結合で粒径が大きくなりながら超微粒
子となり、これが煙状となり搬送管3に吸い込まれ、不
活性ガスと共に搬送管3中を移動し、膜形成室2に導か
れノズル4を通して基板10上に堆積する。
8から生成される材料蒸気は、アーク電極5を用いたア
ーク溶解、高周波誘導加熱、抵抗加熱、電子ビーム、通
電加熱、プラズマジェット、レーザビーム加熱などによ
り生成される(超微粒子技術入門、一ノ瀬昇等、オーム
社)。なお、図中6は不活性ガス用ポンプである。
うとする膜材料の融点、蒸気圧などで決まる。特に、低
蒸気圧、高融点材料のZr等の超微粒子からなる膜を形
成しようとした場合、蒸発材料の加熱方式は、アーク加
熱が特に好適である(特開昭60−228609号公
報、特許第2596434号に係る公報参照)。レーザ
加熱も蒸発させることは可能であるが、アークに比較し
て蒸発源の温度を高温にするのが困難、かつ投入パワー
も大きいものとなる為、レーザ装置自体も大きくなる。
しかし、蒸発レートもアークと比較して遅い為、現状で
は未だアーク加熱方式の方が有利である。
シュフィルタや環状パイプを通して行われ、通常、蒸発
源の真下に置かれ、蒸発源に向かい上方に流される(特
開平11−152582号公報参照)。これにより、材
料上部に位置する搬送管に、ガスと同時に生成された超
微粒子が吸い込まれる。特に蒸発源が高周波誘導加熱方
式などの場合、発生した材料蒸気、超微粒子煙はルツボ
内からほぼ上方に立ち上がり、チャンバ内の熱対流に乗
り、搬送管に吸い込まれる為、このようなガス導入方法
は効果的である。
室で生成した膜材料を搬送管を介して搬送する構成にお
いて、好適に膜形成を可能とする構成を実現することを
課題とする。
膜形成装置の発明のひとつは以下のように構成される。
膜材料生成室と、該膜材料生成室で生成した膜材料がキ
ャリアガスとともに導入される搬送管と、該搬送管を通
して搬送された膜材料を内部に設置された基板に付与す
る膜形成室と、前記膜材料生成室内部雰囲気に前記キャ
リアガスを導入するキャリアガス導入口と、該キャリア
ガス導入口の位置もしくは該キャリアガス導入口から前
記材料生成室内部雰囲気への前記キャリアガスの導入方
向の少なくともいずれかを調整する調整機構とを有する
ことを特徴とする膜形成装置。
させた場合、それに応じてより好適な状態になるように
キャリアガスの導入状態を調整することができる。具体
的にはキャリアガスの導入口の位置を調整したり、キャ
リアガスの導入方向を調整することで搬送管への膜材料
の導入を好適に設定することができる。キャリアガスの
導入方向の調整は、キャリアガスの導入口から膜材料生
成室内部雰囲気へ出力されるキャリアガス原子もしくは
キャリアガス分子の運動エネルギの方向を調整すること
によって可能である。例えばキャリアガスの導入管を介
して導入口からキャリアガスを出力する場合はキャリア
ガスの導入管の方向を調整することによりキャリアガス
原子もしくはキャリアガス分子の運動エネルギの方向を
調整することができる。
の材料を加熱することによって生成されるものであると
好適である。膜材料の材料を加熱して膜材料を得る場
合、加熱方法としては抵抗加熱、高周波誘導加熱、レー
ザ加熱等を用いることができるが、発生条件の変化によ
って蒸発した材料の飛翔方向が大きく変化するアーク加
熱法を用いる場合において上記した発明は特に好適に適
用できるものである。
れる直前の前記膜材料は超微粒子であると好適である。
ここで超微粒子とは粒径1μm以下のものを言う。例え
ば膜材料の材料を加熱して膜材料を形成する場合、該材
料から発生した蒸気原子はキャリアガスとの衝突で冷却
され原子同士の結合で粒径が大きくなる。本発明におい
てはこの粒径が1μmを超えないものが望ましい。
ように構成される。膜材料生成室と、該膜材料生成室で
生成した膜材料がキャリアガスとともに導入される搬送
管と、該搬送管を通して搬送された膜材料を内部に設置
された基板に付与する膜形成室と、前記膜材料生成室内
部雰囲気に前記キャリアガスを導入するキャリアガス導
入口とを有する膜形成装置を用いて膜を形成する膜形成
方法であって、前記キャリアガス導入口の位置もしくは
該キャリアガス導入口から前記材料生成室内部雰囲気へ
の前記キャリアガスの導入方向の少なくともいずれかを
調整する調整工程を有することを特徴とする膜形成方
法。
に、不活性ガスの導入を例えば、特開平11−1525
82号公報に開示されているように、メッシュフィルタ
を通し、材料下部より上方に向かい流す方法で行うと、
アークパワーが弱く蒸発量が少ない時は、発生した超微
粒子及びガスは効率よく搬送管に吸い込まれる。しか
し、アークパワーを上げて蒸発量を増加させていくと、
図2に示すように、発生した超微粒子煙13はアーク電
極5と材料8を挟み相対する側に飛び、ある閾値を越え
ると搬送管3にほとんど吸い込まれなくなる。また発生
した超微粒子煙13の飛んでいく方向は、パワーを上げ
るほど搬送管3から離れた方向となる。図2における太
線は、Zrをアークで溶解して超微粒子とし、アーク電
流値を変えた場合の超微粒子煙13の模式図であり、左
側から電流値が40、60、70、80、90Aであ
る。このように、アーク加熱で材料8を溶解する場合、
電流値の差はあるものの、いずれの材料でも、ある一定
パワー以上では、超微粒子煙13の飛び出ていく力が搬
送管3による吸引する力に勝った場合、超微粒子煙13
は搬送管3に吸い込まれなくなる。
込ませる為には、この閾値を越えないようにアークパワ
ーを抑える必要がある。つまり、蒸発レートをある一定
以上は上げられないことになる。そのため、ノズルから
吐出される超微粒子量は限られ、特に厚膜を製作するに
は多大な時間を要するという問題があった。
微粒子煙を生成するガスポジション法において、材料の
蒸発量を稼ぐために、アークパワーを上げると、生成し
た超微粒子が搬送管に吸い込まれなくなる現象を解消
し、超微粒子を効率よく搬送管に導き、超微粒子煙の飛
んでいく方向を観察しながら制御することができ、より
効率的な超微粒子の捕集が可能な膜形成装置及び形成方
法を実現している。
リング状のメッシュフィルタを通して40l/sec.
の流量にて、Heのキャリアガスを流しながら、図2に
示すZrからなる材料8を、パワーを変えながらアーク
溶解し、膜材料となる超微粒子煙13を搬送管3で捕集
していった。
様子を目視確認したところ、60Aまでは搬送管3に煙
が吸い込まれたが、これ以上の電流値においては、煙は
搬送管3に入らず、余分粒子排気管に直接吸い込まれた
り、膜材料生成室である超微粒子生成室1のチャンバ内
を対流する現象が確認された(図2参照)。
は、図3に示すように、キャリアガスをフレキシブルパ
イプ15で超微粒子生成室1のチャンバ内に導入し、こ
れと接続したφ50mmの開口部(導入口)を持つガス
導入部12をチャンバ内に設置したレール14上に取り
付けた。また、レール14は、ガス導入部12が移動で
き、該ガス導入部12の導入口の位置もしくは方向の少
なくともいずれかを調整する調整機構を構成しており、
支持部材20で所定位置に支持配置されている材料8の
蒸発源を中心とする円弧に沿って湾曲し、ガス導入部1
2をこの円弧に沿って案内する。そして、ガス導入部1
2は、このレール14によって案内される範囲内で位置
及び方向を自由に変えることができるようになってい
る。
発源のほぼ真下より蒸発源に向かい、つまりチャンバ鉛
直方向に40l/sec.の流量にてHeキャリアガス
11を流しながらZr材料8にてアーク溶解を行い、生
成された膜材料である超微粒子を搬送管3で捕集してい
った。また、超微粒子生成室1の圧力は530Tor
r、膜形成室2の圧力は1.2Torrとした。この
時、搬送管3に超微粒子の煙を入れようとした場合、ア
ーク電極5と材料8との間に掛けられるパワーは60A
までであった。これ以上の電流値とすると、上記例と同
様に搬送管3に煙が入らなかった。
は超微粒子生成室1のチャンバの鉛直方向に対する角度
16を30度とし、蒸発源に向けHeキャリアガスを4
0l/sec.で流しながらアーク電極5と前述の同様
のZr材料8で放電、溶解を行った。このとき、電流値
を上げていきながら超微粒子煙を確認していったとこ
ろ、90Aまでは超微粒子の煙が搬送管3に吸い込まれ
ることが目視で確認できた。このように、移動可能なガ
ス導入部12によってキャリアガス11を導入する角度
を変えることによって、より多くの超微粒子煙が吸い込
まれるようになったのは、図5及び図6に示すように、
材料8からアーク電極5と相対する方向に飛び出した材
料原子18は、キャリアガス原子17と衝突し、両者の
ベクトルの和で原子の飛んでいく方向19が決まる為、
キャリアガス原子17をよりきつい角度で材料原子18
に当てている為であろうと思われる。
の下部から材料8に向けてキャリアガス11を流すこと
で、従来より大電流を流し、多量の超微粒子煙を生成さ
せても超微粒子煙を搬送管3に導くことが可能となっ
た。
装置は、ガス導入部12を、図3に示すように、超微粒
子生成室1のチャンバ内をチャンバの鉛直方向に対し0
度〜90度の範囲で装置外部からコントロールにより自
由に変えられる構造とした。ガス導入部12は、レール
14(ガイド)上をコントローラで動きが制御され、自
身の向きも外部からコントロールできる構成とした。ガ
ス導入部12のガス導入口は直径φ50mmとした。ガ
ス導入部12とチャンバ自体へのガス用ポートは、フレ
キシブルのパイプ15で接続されている為、ガス導入部
12は、材料8の蒸発源を中心とする円弧に沿って湾曲
しているレール14に案内されて、自由に移動できる構
成である。
ロールは、特にコントローラを使わなくても、直線導入
器、回転導入器、傾き導入器などを組み合わせてもよ
い。
てアークで溶融し、超微粒子煙を生成した。初めにガス
導入部12はチャンバのほぼ鉛直方向、蒸発源に向けガ
スを流した。ガス流量は40l/sec.であって、超
微粒子生成室1の圧力は530Torr、膜形成室2の
圧力は1.2Torr、とした。この時、アークパワー
は40Aまでは超微粒子煙が搬送管3に吸い込まれた
が、それ以上の電流値では吸い込まれなくなった。
まれない60Aとした。この状態で、ガス導入部12を
外部からの操作でチャンバ鉛直方向に対し傾けていった
ところ、この角度がおおよそ30度になったとき、これ
まで吸い込まれていなかった超微粒子煙が搬送管3に吸
い込まれるようになった。
で、アーク電流値を90Aまで上げ、再び超微粒子煙が
搬送管3に吸い込まれない状態とした。この状態で、ガ
ス導入部12を外部からの操作でチャンバ鉛直方向に対
し傾けていったところ、この角度がおおよそ45度にな
ったとき、これまで吸い込まれていなかった超微粒子煙
が搬送管3に吸い込まれるようになった。
粒子を生成するガスデポジション法において、ガス導入
部を超微粒子生成室の蒸発源の下部や側面に固定するも
のではなく、超微粒子生成室の空間の任意の位置に移動
可能とした。これにより、超微粒子からなる煙の飛んで
いく方向を任意の方向に制御できる。特に、ガス導入部
を図3に示すように、超微粒子生成室1のチャンバ内に
設置されたレール14上をチャンバ外部よりコントロー
ラ等で操作することにより、自由に移動できるものとし
たり、ガス導入部12を直線導入器、回転導入器、傾き
導入器などを組み合わせて手動または自動で自由に任意
の方向、任意の場所に位置させることができる構成にす
ることで、超微粒子からなる煙の飛んでいく方向を観察
しながら制御でき、効率よく搬送管3に導くことが可能
となる。
微粒子を生成し、生成された超微粒子を超微粒子生成室
と膜形成室のチャンバ間の差圧で膜形成室に導き、任意
の薄膜、ライン等を形成するガスデポジション法におい
て、ガス導入部を超微粒子生成室内の任意の場所に移動
可能な構成とすることで、生成した超微粒子を効率よく
搬送管に導くことが可能となる。特に、ガス導入部を外
部から手動または自動にて任意の位置に移動可能な構成
とすることで、超微粒子からなる煙の飛んでいく方向を
観察しながら制御でき、より効率的な超微粒子の捕集が
可能になる。
び膜形成方法を実現することができる。
スデポジション法で発生した超微粒子煙を表す側面図で
ある。
部がチャンバ内で移動可能となった構造を持つ超微粒子
生成室内部を示す模式図である。
30度傾いた様子を示す側面図である。
原子と衝突した後飛んでいく材料原子の方向(太線)を
示す図である。
吹き出したキャリアガス原子と衝突した後飛んでいく材
料原子の方向(太線)を示す図である。
ノズル、5:アーク電極、6:ポンプ、7:キャリアガ
スボンベ、8:蒸発材料、9:ステージ、10:基板、
11:キャリアガス、12:ガス導入部、13:超微粒
子煙、14:ガス導入部移動用レール、15:ガス用フ
レキシブルパイプ、16:ガス導入部の角度、17:キ
ャリアガス原子、18:材料原子、19:衝突後材料原
子の飛び出す方向、20:支持部材。
Claims (5)
- 【請求項1】 膜材料生成室と、該膜材料生成室で生成
した膜材料がキャリアガスとともに導入される搬送管
と、該搬送管を通して搬送された膜材料を内部に設置さ
れた基板に付与する膜形成室と、前記膜材料生成室内部
雰囲気に前記キャリアガスを導入するキャリアガス導入
口と、該キャリアガス導入口の位置、及び該キャリアガ
ス導入口から前記材料生成室内部雰囲気への前記キャリ
アガスの導入方向の少なくともいずれかを調整する調整
機構とを有することを特徴とする膜形成装置。 - 【請求項2】 前記膜材料は該膜材料の材料を加熱する
ことによって生成されるものである請求項1に記載の膜
形成装置。 - 【請求項3】 前記膜材料は該膜材料をアーク加熱法に
よって生成されるものである請求項1もしくは2に記載
の膜形成装置。 - 【請求項4】 前記搬送管に導入される直前の前記膜材
料は超微粒子である請求項1ないし3のいずれかに記載
の膜形成装置。 - 【請求項5】 膜材料生成室と、該膜材料生成室で生成
した膜材料がキャリアガスとともに導入される搬送管
と、該搬送管を通して搬送された膜材料を内部に設置さ
れた基板に付与する膜形成室と、前記膜材料生成室内部
雰囲気に前記キャリアガスを導入するキャリアガス導入
口とを有する膜形成装置を用いて膜を形成する膜形成方
法であって、前記キャリアガス導入口の位置もしくは該
キャリアガス導入口から前記材料生成室内部雰囲気への
前記キャリアガスの導入方向の少なくともいずれかを調
整する調整工程を有することを特徴とする膜形成方法。
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JP2000178692A JP4560177B2 (ja) | 2000-06-14 | 2000-06-14 | 膜形成装置及び膜形成方法 |
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JP2001355063A5 JP2001355063A5 (ja) | 2009-11-26 |
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2000
- 2000-06-14 JP JP2000178692A patent/JP4560177B2/ja not_active Expired - Fee Related
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