JP3595823B2 - 金属部分膜の形成装置およびその形成方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は金属部分膜の形成装置およびその形成方法に関するものであり、更に詳しくは、酸化され易い金属の部分膜を、マスキングやエッチングを行なうことなく、基板状へ直接に形成させる装置およびその形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】
基板上に金属膜を形成させる方法として、厚膜ペースト法、スパッタ法、真空蒸着法、メッキ法等がある。これらの方法において、必要な個所にのみ金属膜を形成させるには、すなわち、金属部分膜を形成させるには、基板上の不必要な個所を遮蔽(スクリーン)して、換言すればマスキングを行なって膜形成を行なうか、又は基板上の全面に膜を形成させた後に、必要な個所にレジスト膜を形成させ、レジスト膜を形成させなかった不必要な個所の膜をエッチングして除去することが行なわれている。このように金属部分膜の形成にはマスキング、又はエッチングなどの工程を必要とし、かつ、マスキングを行なう場合にはマスキング材料が、またエッチングを行なう場合にはレジスト膜が使い捨てである。
【0003】
また、厚膜ペースト法、メッキ法は1回の適用で厚さ1μm以上の厚膜を得やすいが、スパッタ法や真空蒸着法は膜厚形成速度、すなわち成膜レートが小さく、厚膜を得るには非常に時間を要して適切でない。そのほか、メッキ法は水溶性の薬品を使用するので、最後には水洗し乾燥する工程が必要であり、設備が大がかりとなる。
【0004】
また、厚膜を形成させる場合、酸化されない金や白金は高価であるため、一般的な銅、ニッケルなどを使うことが多いが、これら酸化され易い金属を厚膜ペースト法やメッキ法で形成させると酸化が生起して比抵抗が増大し、膜形成後に還元処理を必要とする場合がある。更には、これらの膜は経時的にも酸化が進行して比抵抗が増大するので、これらの金属厚膜を使用した電気部品は信頼性に劣り、長期の寿命を期待し難い。
【0005】
その他の厚膜を形成させる方法として、本願出願人による特許第1531607号、特開平5−295525号、特開平5−295550号、特開平6−93430号、特開平6−101026号、特開平6−128728の各公報、および特願平5−34184号において開示されているガスデポジション装置を使用する方法がある。何れも蒸発させた金属蒸気からの超微粒子を搬送ガスと共に基板上へ噴射させて厚膜を形成させ得るが、これらの装置においては搬送ガスの循環は行なわれておらず、また酸化され易い金属を使用する金属膜の形成については言及されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、マスキングやエッチングの如き工程を要さずに、基板上へ直接に金属部分膜を形成させる装置を提供することを目的とする。
【0007】
また、酸化され易い金属材料を使用して経時的に比抵抗が増大しない耐湿性に優れた金属部分膜の形成方法を提供することを目的とする。
【0008】
【問題点を解決するための手段】
以上の目的は、金属を蒸発させる蒸発源および搬送ガスの導入部が設けられた超微粒子生成室と、入口部が前記超微粒子生成室にあって前記蒸発源の直上方に配設され、生成された超微粒子を前記搬送ガスと共に搬送する搬送管と、該搬送管の出口部と該出口部に接続されたノズルと該ノズルに対向して配置された基板が設けられた膜形成室と、前記超微粒子生成室内の前記搬送管の入口部より上方に一端側が前記搬送管と同軸心的に配設され、他端側は前記超微粒子生成室の外にあって前記搬送管より大径の吸引管と、前記膜形成室内の前記搬送ガスを排気する第1真空ポンプ、および前記吸込管と前記搬送管との間の環状空間から前記超微粒子生成室内の前記搬送ガスを排気する第2真空ポンプと、前記第1真空ポンプおよび前記第2真空ポンプから排出される前記搬送ガスを前記超微粒子生成室の前記導入部へ戻すリサイクル機構とからなり、前記超微粒子生成室内には前記超微粒子の搬送を断続させるシャッタ機構が設けられ、前記膜形成室内には前記基板をその面内の少なくともX軸方向とY軸方向とに走査させる走査機構が設けられており、金属部分膜の形成に際し、前記シャッタ機構の開閉時には前記走査機構の移動を停止させ、前記金属部分膜の形成開始点では、前記シャッタ機構を開としてから前記超微粒子が前記ノズルの先端から噴射され始めるまでの時間を待って前記走査機構の移動を開始し、前記金属部分膜の形成終了点では、前記シャッタ機構を閉としてから前記搬送管内の前記超微粒子が空になるまでの時間を待って前記走査機構の移動を開始するように制御されていることを特徴とする金属部分膜の形成装置、によって達成される。
【0009】
また以上の目的は、金属を蒸発させる蒸発源および搬送ガスの導入部が設けられた超微粒子生成室と、入口部が前記超微粒子生成室にあって前記蒸発源の直上方に配設され、生成された超微粒子を前記搬送ガスと共に搬送する搬送管と、該搬送管の出口部と該出口部に接続されたノズルと該ノズルに対向して配置された基板が設けられた膜形成室と、前記超微粒子生成室内の前記搬送管の入口部より上方に一端側が前記搬送管と同軸心的に配設され、他端側は前記超微粒子生成室の外にあって前記搬送管より大径の吸引管と、前記膜形成室内の前記搬送ガスを排気する第1真空ポンプ、および前記吸込管と前記搬送管との間の環状空間から前記超微粒子生成室内の前記搬送ガスを排気する第2真空ポンプと、前記第1真空ポンプおよび前記第2真空ポンプから排出される前記搬送ガスを前記超微粒子生成室の前記導入部へ戻すリサイクル機構とからなり、前記超微粒子生成室内には前記超微粒子の搬送を断続させるシャッタ機構が設けられ、前記膜形成室内には前記基板をその面内の少なくともX軸方向とY軸方向とに走査させる走査機構が設けられている金属部分膜の形成装置によって金属部分膜を形成するに際し、前記シャッタ機構の開閉時には前記走査機構の移動を停止させ、前記金属部分膜の形成開始点では、前記シャッタ機構を開としてから前記超微粒子が前記ノズルの先端から噴射され始めるまでの時間を待って前記走査機構の移動を開始し、前記金属部分膜の形成終了点では、前記シャッタ機構を閉としてから前記搬送管内の前記超微粒子が空になるまでの時間を待って前記走査機構の移動を開始するように制御することを特徴とする金属部分膜の形成方法、によって達成される。
【0010】
【作用】
超微粒子生成室内において蒸発源から蒸発される金属は超微粒子となり、搬送ガスによって搬送管内を搬送され、膜形成室内においてノズルから基板上へ噴射されるが、超微粒子形成室に設けたシャッタ機構によって超微粒子の搬送が断続され、かつ膜形成室内において基板が少なくともX軸方向とY軸方向とに走査されるので、マスキングやエッチングを行なうことなく、基板上に金属部分膜が形成される。
【0011】
また、上記の金属部分膜の形成において、搬送ガスに純度99.99%またはそれ以上の不活性ガスを使用して酸化され易い金属を蒸発源から蒸発させ超微粒子とすることにより、経時的に比抵抗の増大しない耐湿性に優れた金属部分膜が形成される。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の実施例による金属部分膜の形成装置およびその形成方法について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は実施例による金属部分膜の形成装置の全体を示す概略図である。同装置は概しては、超微粒子生成室1と、膜形成室2と、これらを結ぶ搬送管3と、膜形成室2および超微粒子生成室1内のHe(ヘリウム)ガスを超微粒子生成室1の底部へ戻し供給するための真空ポンプ15、16とHeガス・リサイクル機構17とからなっている。
【0014】
超微粒子生成室1内には、蒸発源としてカーボン・ルツボ6(内径5mmφ、外径15mmφ、高さ10mm)が配設され、蒸発材料22としてCu(銅)が収容されている。カーボン・ルツボ6の周囲には誘導加熱のためのコイル7Cが巻装され、その両端は超微粒子生成室1の外側に設けた高周波電源(150kHz)7に接続されている。なお、ここで高周波誘導加熱方式を採用しているのは次の理由による。すなわち、抵抗加熱方式ではルツボをジュール熱で加熱し、内部の蒸発材料はルツボからの伝熱によって加熱される。溶けた金属が対流することはあっても粘度は高く、加熱が不均一で突沸することがあるほか、生成される超微粒子の粒径分布が大きい。これに対し、高周波誘導加熱方法はルツボと蒸発材料とに渦電流を発生させて加熱するので、加熱が均一で、生成される超微粒子の粒径分布も均一なためである。
【0015】
カーボン・ルツボ6の直上方には垂直状とした搬送管3(内径1/4インチ)の下端が配置され、その下端の上方には搬送管3と軸心を共有する大径の吸込管5が設けられている。そして、吸込管5と搬送管3との間の環状空間はバルブ13を介して真空ポンプ16の吸気側に接続されている。この吸込管5はカーボン・ルツボ6の直上部以外の超微粒子生成室1内に滞留する超微粒子を吸い込ませるべく設けられている。また、カーボン・ルツボ6の底部を支持してシャッタ機構9が設けられている。シャッタ機構9は図2を参照し、図2のAに示すように、カーボン・ルツボ6が搬送管3の直下となる位置と、この位置から矢印aで示す方向に30mm程度移動させて、図2のBに示すように、カーボン・ルツボ6が吸込管5による環状空間の直下となる位置との2位置間をプログラムされた図示しないコントローラによって移動させて開閉が行なわれる。すなわち、カーボン・ルツボ6からの金属蒸気が雰囲気のキャリヤとしてのHeガスに冷却され、超微粒子となっての立ち昇り23が図2のAの開時には搬送管3へ吸込まれ、図2のBの閉時には吸込管5へ吸込まれる様子を示している。更には、超微粒子生成室1には圧力計1Gが設けられている。
【0016】
膜形成室2内には搬送管3の上端部と、それに取り付けたノズル4が挿入されており、ノズル4の先端に近接して(0.1〜2.0mmの範囲内で可変)ガラス基板8が配置されている。ガラス基板8は走査可能な基板ホールダ10に取り付けられており、図示しないデジタル・プログラマブル・コントローラによって水平なガラス基板8の面内におけるX軸方向とこれに直角なY軸方向に0.01〜2mm/secの速度で走査可能とされている。なお、搬送管3は容積を有しているので、超微粒子は吸い込まれてからノズル4の出口に達するまでに0.1秒単位の時間を要する。従って、ガラス基板8の走査は、ある地点で停止してシャッタ機構9を閉とし次の地点へ移るに際しても、超微粒子が搬送管3から出つくす迄の時間を経過してから次の地点へ移るようにプログラムされている。すなわち、形成される金属部分膜が尾を引かないようにしている。次の地点に達してシャッタ機構9を開とする場合も、超微粒子がノズル4の先端から噴射されてくるまでの時間が経過してから移動が開始される。また基板ホールダ10内には、ガラス基板8を加熱するためのヒータ・ユニットが内蔵されており、ガラス基板8に取り付けた熱電対11からの温度信号によってガラス基板8を所定の温度に保持するようになっている。膜形成室2はバルブ14を介して真空ポンプ15の吸気側と接続されており、膜形成室2には真空計2Gが設けられている。
【0017】
真空ポンプ15と真空ポンプ16の排気側の配管は1本にまとめられ、バルブ19を介してHeガス・リサイクル機構17と接続され、更には、バルブ12を介して、超微粒子生成室1の底部と接続されて、キャリヤとしてのHeガスを送り込むようになっている。また、バルブ12には、バルブ21を介して純度99.99%のHeガスボンベ18が接続されている。なお、真空ポンプ15、16とバルブ19との中間には、バルブ19に近接して、バルブ20を備えた枝管が設けられている。
【0018】
本実施例の金属部分膜の形成装置は以上のように構成されるが、次にその作用、すなわち、金属部分膜の形成方法について説明する。
【0019】
(実施例1)図1を参照し、バルブ12、13、14、20を開、バルブ19、21を閉として、超微粒子生成室1、膜形成室2を含む全系を真空ポンプ15、16によって圧力10−4Paまで排気する。次いで、真空ポンプ15、16の運転は継続したままバルブ20を閉、バルブ19、21を開として、Heガスボンベ18から純度99.99%の所定量のHeガスを導入し、バルブ21を閉とする。これによってキャリヤとしてのHeガスの矢印で示す方向の循環が開始されるが、バルブ13の開度を調節して、超微粒子生成室1内は圧力2kg/cm2 、膜形成室2内は圧力約1torrの真空として、両室間に約2kg/cm2 の差圧を生起させる。
【0020】
この状態において、Heガスは超微粒子生成室1から搬送管3へ約10SLM(1分間当りの標準状態リットル数)、吸込管5へは約30SLMに配分されて流れる。吸込管5への流量を大にしているのは、搬送管3へ吸い込まれずに超微粒子生成室1内に滞留する超微粒子が存在すると、これらは滞留中に凝集体となり、何時かは搬送管3を経由し搬送されて形成中の膜に悪影響を与えるので、その凝集体の搬送を防ぐためである。
【0021】
上記の状態が整った後、カーボン・ルツボ6を予め収容されている蒸発材料22、すなわちCuと共に高周波誘導加熱し、Cuを約1500°Cとして溶融させ蒸発させる。Cuの蒸気はキャリヤとしてのHeガスと衝突し、冷却凝縮されて超微粒子となる。生成したCuの超微粒子の大部分は搬送管3内へHeガスと共に吸い込まれ、ノズル4からガラス基板8上へ噴射される。ガラス基板8は予めヒータ・ユニットによって250°Cに加熱されており、その面上に超微粒子によるCu膜が形成される。
【0022】
この時のCuの成膜レート、すなわち膜厚形成速度は約10μm/secであり、成膜巾はノズル4とガラス基板8との間の距離によって異なるが、800〜1200μmである。そして、ガラス基板8はその面内のX軸方向とY軸方向へ走査され得るので、シャッタ機構9の作動によるCu超微粒子の搬送の断続と組み合わせることにより、ガラス基板8上の任意の箇所から任意の箇所に至る任意のパターンの部分膜を形成させることができる。この方法によって巾0.8mm、長さ20mm、厚さ10μmのCu部分膜(A)を形成させた。
【0023】
上記で得たCu部分膜(A)について耐湿テストを行ない、比抵抗の変化を観測した結果を図3に示した。耐湿テストは温度50°C、相対湿度95%RHの条件で行ない、比抵抗は四端子法で測定した。Cu部分膜(A)の形成直後の比抵抗はCuバルク(純Cu塊)の約1.7倍であり、その後1000時間以上(40日間以上)経過しても比抵抗に変化は認められなかった。
【0024】
(実施例2)カーボン・ルツボ6に収容する蒸発材料22をNi(ニッケル)とした以外は実施例1と同様にキャリヤに純度99.99%のHeガスを使用し、ガラス基板8上に巾0.8mm、長さ20mm、厚さ10μmのNi部分膜を形成させた。
【0025】
このNi部分膜についても実施例1と同様、温度50°C、相対湿度95%RHの条件での耐湿テストを行ない、図4に示す結果を得た。すなわち、Ni部分膜の形成直後の比抵抗はNiバルクの約2.6倍であり、その後1000時間以上(40日間以上)経過しても比抵抗に変化は認められなかった。
【0026】
(比較例)カーボン・ルツボ6に蒸発材料22としてCuを収容し、キャリヤとして純度99.9%のHeガスを使用し、実施例1と同様にして、ガラス基板8上に初期比抵抗の異なる4種のCu部分膜(B)を形成させた。これらのCu部分膜(B)について、一般的な外気に相当する温度20°C、相対湿度60%RHの条件で行なった耐湿テストの結果を図5に示した。4種のCu部分膜(B)の形成直後の比抵抗はCuバルクの30〜90倍を示し、テスト期間40日でCuバルクの60〜230倍に増大したが、その後も更に増大を続けた。
【0027】
以上、実施例1と比較例とから明らかなように、キャリヤとしてのHeガスの純度が99.99%の場合(実施例1のCu部分膜(A))と、Heガスの純度が99.9%の場合(比較例のCu部分膜(B))とで、耐湿性は極度に異なるが、このような事実は従来知られておらず、全く予期し難い現象であった。また、この事実は純度99.99%以上純度100%までのHeガスも有効であることを推測させる。これを確認するべく、純度99.9999%のHeガスを使用し、それ以外は実施例1と全く同様にして、耐湿性に優れたCu部分膜(C)を得た。
【0028】
(実施例3)Sn(錫)、及び鉄ニッケル合金と鉄コバルト合金のそれぞれを蒸発材料22としてカーボン・ルツボ6に収容し、キャリヤとして純度99.99%のHeガスを使用して実施例1と同様にそれぞれの部分膜を形成させた。
【0029】
これらの錫部分膜、鉄ニッケル合金部分膜、鉄コバルト合金部分膜はいずれも50°C、95%RHでの1000時間以上の耐湿テストで比抵抗が変化せず、優れた耐湿性を持つことを示した。
【0030】
以上本発明の実施例について説明したが、勿論、本発明はこれらに限られることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0031】
例えば、各実施例において、キャリヤとして純度99.99%のHeガスを使用したが、同じく純度99.99%またはそれ以上のAr(アルゴン)ガス、またはNe(ネオン)ガスを使用してもよい。
【0032】
また、各実施例においてシングルのノズル4を採用したが、複数本のマルチノズルを使用してもよい。
【0033】
また、各実施例においてはシャッタ機構9としてカーボン・ルツボ6を移動させる方式を採用したが、搬送管3をフレキシブルなものとして、その下端部を曲げてカーボン・ルツボ6の直上から変位させることにより閉、元へ戻すことにより開とするような方式としてもよい。
【0034】
また、各実施例においてはカーボン・ルツボ6を採用したが、これ以外の誘導加熱され得る材料、例えば窒化ボロンのルツボとしてもよい。
【0035】
また、各実施例においてはガラス基板8を採用したが、これ以外の一般に使用される基板、例えばシリコンやセラミックスの基板であってもよい。
【0036】
また、各実施例では搬送管3、ノズル4を加熱していないが、これらを約300°Cの温度に加熱すると、その内壁への超微粒子の沈着、凝集体の形成が抑制されるので、より好ましい金属部分膜が得られる。
【0037】
また、各実施例においてはカーボン・ルツボ6を1個としたが、ルツボを2個として異なる2種の金属を蒸発させ、生成する2種の超微粒子を混合した部分膜を形成させることも可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の金属部分膜の形成装置およびその形成方法によれば、マスキングやエッチングなどの処理を必要とせずに、基板上の任意の箇所へ任意のパターンの金属部分膜を形成させることができるので、金属部分膜の形成コストを大巾に削減させ得る。また、キャリヤとして純度99.99%またはそれ以上の不活性ガスを使用するので、酸化され易い金属の部分膜であっても高湿度下において比抵抗が変化せず極めて優れた耐湿性を示す。従って、例えばこの方法で得たCu部分膜からなる厚膜回路を使用した電気部品は信頼性が極めて高い。また、本発明の金属部分膜の形成装置及びその形成方法によれば、基板上において導電性の金属部分膜を形成させ得るだけでなく、電気回路の補修、任意の箇所での電極の形成、リード線のボンディング、ないしは各種のシーリングが可能である。更には、この金属部分膜の形成方法は化学薬品を使用するエッチングを必要としないので環境を汚染させない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による金属部分膜形成装置の全体を示す概略図である。
【図2】同装置におけるシャッタ機構の作用を示す図であり、Aは開、Bは閉の状態である。
【図3】本発明の実施例1によって形成されたCu部分膜(A)についての耐湿テストの結果を示す図である。
【図4】本発明の実施例2によって形成されたNi部分膜についての耐湿テストの結果を示す図である。
【図5】本発明の比較例としての初期比抵抗の異なる4種のCu部分膜(B)についての耐湿テストの結果を示す図である。
【符号の説明】
1 超微粒子生成室
2 膜形成室
3 搬送管
4 ノズル
5 吸込管
6 カーボン・ルツボ
7 高周波電源
7C コイル
8 ガラス基板
9 シャッタ機構
10 基板ホールダ(走査機構)
15 真空ポンプ
16 真空ポンプ
17 Heガス・リサイクル機構
22 蒸発材料(酸化され易い金属)
Claims (6)
- 金属を蒸発させる蒸発源および搬送ガスの導入部が設けられた超微粒子生成室と、入口部が前記超微粒子生成室にあって前記蒸発源の直上方に配設され、生成された超微粒子を前記搬送ガスと共に搬送する搬送管と、該搬送管の出口部と該出口部に接続されたノズルと該ノズルに対向して配置された基板が設けられた膜形成室と、前記超微粒子生成室内の前記搬送管の入口部より上方に一端側が前記搬送管と同軸心的に配設され、他端側は前記超微粒子生成室の外にあって前記搬送管より大径の吸引管と、前記膜形成室内の前記搬送ガスを排気する第1真空ポンプ、および前記吸込管と前記搬送管との間の環状空間から前記超微粒子生成室内の前記搬送ガスを排気する第2真空ポンプと、前記第1真空ポンプおよび前記第2真空ポンプから排出される前記搬送ガスを前記超微粒子生成室の前記導入部へ戻すリサイクル機構とからなり、前記超微粒子生成室内には前記超微粒子の搬送を断続させるシャッタ機構が設けられ、前記膜形成室内には前記基板をその面内の少なくともX軸方向とY軸方向とに走査させる走査機構が設けられており、金属部分膜の形成に際し、前記シャッタ機構の開閉時には前記走査機構の移動を停止させ、前記金属部分膜の形成開始点では、前記シャッタ機構を開としてから前記超微粒子が前記ノズルの先端から噴射され始めるまでの時間を待って前記走査機構の移動を開始し、前記金属部分膜の形成終了点では、前記シャッタ機構を閉としてから前記搬送管内の前記超微粒子が空になるまでの時間を待って前記走査機構の移動を開始するように制御されている
ことを特徴とする金属部分膜の形成装置。 - 前記シャッタ機構が前記蒸発源を水平面内で移動させて、直上方の前記搬送管の入口部と前記蒸発源との相対位置をずらせ、戻すことによって前記超微粒子の搬送を断続させるように構成されている請求項1に記載の金属部分膜の形成装置。
- 前記走査機構が前記基板を下向きに保持して、前記基板の面内でX軸方向とY軸方向に走査させ、垂直状に設置されている前記搬送管の上端部に取り付けられたノズルから前記超微粒子を前記搬送ガスと共に上向きに噴射させるものである請求項1または請求項2に記載の金属部分膜の形成装置。
- 前記搬送ガスが純度99.99%以上の不活性ガスである
請求項1から請求項3までの何れかに記載の金属部分膜の形成装置。 - 金属を蒸発させる蒸発源および搬送ガスの導入部が設けられた超微粒子生成室と、入口部が前記超微粒子生成室にあって前記蒸発源の直上方に配設され、生成された超微粒子を前記搬送ガスと共に搬送する搬送管と、該搬送管の出口部と該出口部に接続されたノズルと該ノズルに対向して配置された基板が設けられた膜形成室と、前記超微粒子生成室内の前記搬送管の入口部より上方に一端側が前記搬送管と同軸心的に配設され、他端側は前記超微粒子生成室の外にあって前記搬送管より大径の吸引管と、前記膜形成室内の前記搬送ガスを排気する第1真空ポンプ、および前記吸込管と前記搬送管との間の環状空間から前記超微粒子生成室内の前記搬送ガスを排気する第2真空ポンプと、前記第1真空ポンプおよび前記第2真空ポンプから排出される前記搬送ガスを前記超微粒子生成室の前記導入部へ戻すリサイクル機構とからなり、前記超微粒子生成室内には前記超微粒子の搬送を断続させるシャッタ機構が設けられ、前記膜形成室内には前記基板をその面内の少なくともX軸方向とY軸方向とに走査させる走査機構が設けられている金属部分膜の形成装置によって金属部分膜を形成するに際し、前記シャッタ機構の開閉時には前記走査機構の移動を停止させ、前記金属部分膜の形成開始点では、前記シャッタ機構を開としてから前記超微粒子が前記ノズルの先端から噴射され始めるまでの時間を待って前記走査機構の移動を開始し、前記金属部分膜の形成終了点では、前記シャッタ機構を閉としてから前記搬送管内の前記超微粒子が空になるまでの時間を待って前記走査機構の移動を開始するように制御する
ことを特徴とする金属部分膜の形成方法。 - 前記搬送ガスとして純度99.99%以上の純度の不活性ガスを使用する請求項5に記載の金属部分膜の形成方法。
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