JP2019147995A - 膜付き部材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラズマ耐食性の向上を図ることが可能な膜付き部材の製造方法を提供する。【解決手段】膜付き部材Aの製造方法は、YOF又はY5O4F7を含有する蒸発源Dをレーザ照射装置15により蒸発させ、YOF又はY5O4F7を含有する微粒子を生成する微粒子生成工程STEP2と、微粒子を、超音速の気流に乗せて基材Bに向けて噴出して、基材B上に物理蒸着させて膜Cを形成する膜形成工程STEP3とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、膜付き部材及びその製造方法に関する。
従来より、各種のハロゲンガスやハロゲンが存在する環境下においてプラズマエッチング加工を行う半導体加工装置内の部材などの表面にコーティング膜を形成することにより、部材のプラズマ耐食性を向上させていた。
特許文献1には、半導体デバイスの製造に用いられるエッチング装置の腐食を防止するために、イットリウムのオキシフッ化物(YOF)を含む顆粒からなる溶射原料をプラズマ溶射することにより基材の表面に膜を形成することが開示されている。
なお、特許文献2には、セラミック微粒子を含むエアロゾルを高速で基材に吹き付けるエアロゾルデポジション(AD)法によって、緻密なセラミック膜を基材の表面に形成することが開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示の溶射では、高融点の溶射原料を溶融して吹き付けるので、溶射原料の溶融が不十分となりやすいため、高緻密な皮膜を形成することは困難であった。一方、特許文献2に記載のAD法では、数μm程度の大きさの微粒子を基材に衝突させて破砕することによって基板に膜を形成するので、大きな残留応力が膜に残るため、膜が剥離するおそれが高く、厚い膜を形成することが困難であった。
このように特許文献1,2のような従来の方法では高緻密かつ厚い膜が形成できないので、プラズマ耐食性が不十分であり、プラズマ環境化において長期間に亘って使用することができなかった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、プラズマ耐食性の向上を図ることが可能な膜付き部材及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の膜付き部材の製造方法は、YOF又はY5O4F7を含有する蒸発源を加熱手段により蒸発させ、YOF又はY5O4F7を含有する微粒子を生成する工程と、前記微粒子を、超音速の気流に乗せて基材に向けて噴出して、前記基材上に物理蒸着させて膜を形成する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の膜付き部材の製造方法によれば、超音速の気流に乗せて基材に向けて噴出される微粒子は、上記特許文献1,2の開示の技術で基材に噴射されるものと比較して非常に微細であるので、高緻密な膜を形成することが可能となると共に、膜に大きな残留応力が残存しないので、厚い膜を形成することが可能となる。これは、基材に向けて噴出される微粒子が常に微細であるため、膜が超微粒子の凝集体として構成されるからである。
本発明の膜付き部材は、基材と、前記基材上に形成されてYOF又はY5O4F7を含有する膜とを有する膜付き部材であって、前記膜は、平均結晶径が2nm以上30nm以下であって、最大結晶径が100nm以下の結晶体からなることを特徴とする。
本発明の膜付き部材によれば、膜が微細な結晶体からなり、上記特許文献1,2の開示の技術で形成される膜を構成する、結晶径が数μm程度の結晶体と比較して微細であるので、プラズマ耐食性の向上を図ることが可能となる。
本発明の実施形態に係る膜付き部材Aの製造方法について図1及び図2を参照して、説明する。なお、図2は、成膜装置100の構成を明確化するため、各構成要素はデフォルメされており、実際の比率を表すものではない。
本製造方法は、超音速フリージェットPVD( Physical Vapor Deposition:物理気相成長又は物理蒸着)法によって、基材Bの表面上に膜Cを形成する方法である。
まず、本方法で使用される成膜装置100について説明する。成膜装置100は、共に真空チャンバーである微粒子生成室10及び膜形成室20と、微粒子生成室10と膜形成室20とを連結する搬送管30とを備えている。
微粒子生成室10は、排気管11を介して真空ポンプP1が接続されている。微粒子生成室10は、真空ポンプP1の作動により内部が排気され、例えば、2×10-3Pa〜90kPa以下の真空雰囲気とされる。
微粒子生成室10は、さらに、流量制御装置12を介してガス供給源13に接続されており、所定流量のHe、Ar、N2などの不活性ガスが真空雰囲気とされた内部に連続的に供給される。これにより、微粒子生成室10は、所定の不活性ガス雰囲気となる。
微粒子生成室10には、図示しない駆動モーターによってX−Y駆動が可能なテーブル14が配置されており、このテーブル14の上に蒸発源(ターゲット)Dが載置される。
蒸発源Dは、純度99%以上のオキシフッ化イットリウム化合物(YOF又はY5O4F7)を含有するものであり、例えば、ホットプレス等によって作製した焼結体からなる塊である。
微粒子生成室10には、テーブル14上の蒸発源Dを加熱する加熱手段としてのレーザ照射装置15が付設されている。レーザ照射装置15は、例えば、図示しないレーザ光源と、このレーザ光源から出射されたレーザ光を導く光学系とを含む。レーザ光源から出射されたレーザ光は、レンズで集光され、微粒子生成室10に設けられた光照射窓16から内部に導かれ、蒸発源Dに照射されて、蒸発源Dを加熱する。
レーザとしては、例えば、Nd:YAGレーザ、CO2レーザ、エキシマレーザなどのレーザを用いることができる。レーザの出力及びレーザ照射面積などを調整することにより、蒸発源Dの蒸発により生成される超微粒子の平均粒径を制御することができる。レーザの出力は、例えば、0.1W〜5.0Wである。なお、加熱手段は、レーザによる加熱に限定されず、プラズマ、アーク加熱などの手段によって蒸発源Dを加熱するものであってもよい。
蒸発源Dはレーザ照射装置15によって加熱されることにより蒸発し、超微粒子が生成される。そして、この超微粒子が凝集することによりナノメートルオーダーの直径のオキシフッ化イットリウム化合物を含有する微粒子(以下、ナノ微粒子ともいう)が生成される。
膜形成室20は、排気管21を介して真空ポンプP2が接続されている。膜形成室20は、真空ポンプP2の作動により内部が排気され、例えば、0.4Pa〜5kPa以下の真空雰囲気とされる。
微粒子生成室10と膜形成室20との内部は搬送管30によって連通されているが、これらの間には圧力差が存在する。そのため、この圧力差によって微粒子生成室10内の雰囲気ガスがガス流となり、微粒子生成室10で生成されたナノ微粒子は、冷却されながらガス流に乗って搬送管30を介して膜形成室20に搬送される。
膜形成室20には、X−Yステージなどのステージ22が配置されており、このステージ22の上に基材Bが図示しない固定手段によって固定される。基材Bは、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属やアルミナなどのセラミックからなる板状材である。なお、ステージ22に固定された基材Bを加熱するための加熱手段が設けられていてもよい。
膜形成室20においては、搬送管30の先端に超音速ノズル23が設けられている。搬送管30を通る雰囲気ガスのガス流は、超音速ノズル23を介して噴出されるとき、微粒子生成室10で生成されたナノ微粒子と共にステージ22上に固定された基材Bの表面に向けて超音速のガス流として噴出される。なお、超音速ノズル23から噴射するナノ微粒子を加熱するための加熱手段が、超音速ノズル23の先端部の近傍に設けられていてもよい。
超音速ノズル23から噴出される超音速ガス流の流速は、例えば、350m/秒〜5000m/秒である。
超音速ノズル23は、圧縮性流体力学理論を基に不活性ガス種及び排気ポンプP2の排気能力などを考慮して設計されており、搬送管30の先端に接続されている、又は搬送管30の先端部分と一体に形成されている。超音速ノズル23は、内径が同一でない縮小・拡大管であり、音速以下のガス流を超音速ガス流にまで高速化することが可能な構成となっている。
上述した成膜装置100を用いた、本発明の実施形態に係る膜付き部材Aの製造方法は、オキシフッ化イットリウム化合物(YOF又はY5O4F7)を含有する蒸発源Dを加熱により蒸発させ、YOF又はY5O4F7を含有する微粒子を生成する微粒子生成工程STEP2と、微粒子を、超音速の気流に乗せて基材Bに向けて噴出して、基材B上に物理蒸着させて膜Cを形成する膜形成工程STEP3とを備えている。また、本方法は、準備工程STEP1も備えている。
準備工程STEP1においては、テーブル14に蒸発源Dを載置すると共に、ステージ22の上に基材Bを固定する。
次に、微粒子生成工程STEP2において、真空ポンプP1を作動させて、微粒子生成室10の内部を排気して、所定の真空雰囲気とすると共に、真空ポンプP2を作動させて、膜形成室20の内部を排気して、所定の真空雰囲気とする。その後、ガス供給源13に接続された流量制御装置12を制御することにより、所定の流量の不活性ガスを連続的に微粒子生成室10に供給し続けることで所定の不活性雰囲気とする。さらに、テーブル14を所定の速度で移動させながら、かつ、ステージ22を所定の速度で移動させながら、レーザ照射装置15によって、所定の出力のレーザ光を蒸発源Dに、所定の走査速度で照射することで、加熱により蒸発した蒸発源Dの原子が互いに凝集し、ナノメートルオーダーの直径の微粒子が得られる。
これにより、膜形成工程STEP3において、得られたナノ微粒子は粒子生成室10と膜形成室20との間の差圧により搬送管30を通して膜形成室20に搬送され、超音速ノズル23により加速される。超音速ガス流に乗ったナノ微粒子は、基材Bに向けて超音速で噴出され、基材Bの表面上に物理蒸着されて堆積する。この堆積によって、オキシフッ化イットリウム化合物を含有する膜Cが形成される。これにより、基材Bの表面上に膜Cが形成された本発明の実施形態に係る膜付き部材Aが完成する。
なお、超音速ガス流が吹き付けられる領域に膜Cが形成されるので、ステージ22の移動速度などを適宜制御することによって、膜Cの厚さなどを制御することができる。また、膜Cの上に超音速ガス流を噴出すれば、積層構造で膜Cの厚さを増大させることも可能である。膜Cの厚さは、例えば、2μm〜500μmである。
以下、本発明の実施例を具体的に挙げ、本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
まず、準備工程STEP1として、基材Bとして、アルミニウムからなる10mm×10mmの板状体を用意した。また、蒸発源Dとして、純度99%のYOFを含有する粉末をホットプレスすることによって作製した焼結体からなる直径50mmの円板状の塊を用意した。
まず、準備工程STEP1として、基材Bとして、アルミニウムからなる10mm×10mmの板状体を用意した。また、蒸発源Dとして、純度99%のYOFを含有する粉末をホットプレスすることによって作製した焼結体からなる直径50mmの円板状の塊を用意した。
そして、上記の成膜装置100を用意し、テーブル14に蒸発源Dを載置すると共に、ステージ22の上に基材Bを固定した。
次に、微粒子生成工程STEP2として、真空ポンプP1を作動させて、微粒子生成室10の内部を排気して、2×10-3Paの真空雰囲気とした。また、真空ポンプP2を作動させて、膜形成室20の内部を排気して、0.4kPaの真空雰囲気とした。その後、ガス供給源13に接続された流量制御装置12を制御することにより、流量の1〜20l/分のHeガスを連続的に微粒子生成室10に供給し、90kPaの不活性ガス雰囲気とした。さらに、テーブル14をX−Y方向に移動させながら、レーザ照射装置15によって、出力1.0Wのレーザ光を蒸発源Dに、0.2mm/秒の走査速度で照射させ、蒸発源Dを加熱し、蒸発した原子が互いに凝集したナノ微粒子体を得た。超音速ノズル23の先端から基材B表面までの距離は5mmであった。
膜形成工程STEP3において、得られたナノ微粒子を粒子生成室10と膜形成室20との間の差圧により搬送管30を通して膜形成室20に搬送し、このナノ微粒子は超音速ノズル23により加速され、超音速ガス流と共に基材Bに向けて噴出され、基材Bの表面上に物理蒸着膜が堆積された。これにより、1層分の膜Cが形成された。10層分の膜Cが形成されるまで、成膜を続けた。以上により、厚さ18.47μmの膜Cが形成された。なお、膜Cの断面SEM写真から膜Cの厚みを測定した。
膜Cの断面SEM写真を図3に示す。この写真から高緻密性の膜Cが基板Bの表面上に剥離部分が無く良好に形成されていることが分かる。また、結晶径はX線回析ピークの線幅からScherrer法により求めることができる。その際、測定したX線回析データに関して、YOFに対するPDF(Powder Diffraction File)カードを参照し、単相部分と一致するピークから結晶径を求め、その値の平均値を平均結晶径で表し、その最大値を最大結晶径と表した。Scherrer定数として0.9を使用して求められる膜Cの平均結晶径は4.72nmであり、最大結晶径は6.02nmであった。なお、PDFカードとしては、例えばYOFではNo.01−089−5167、No.01−080−6433が使用される。
さらに、膜付き構造部材A及び蒸発源Dに対して、X線回折装置(株式会社リガク製、MultiFlex)を用い、以下に示す条件でX線回折スペクトルを測定した。得られたX線回折スペクトルを図4に示した。
X線光源:Cu−Kα線(波長:1.54060Å)
スキャンステップ:0.02°
X線光源:Cu−Kα線(波長:1.54060Å)
スキャンステップ:0.02°
図4のX線回折スペクトルにおいて、1番上の線は基板Bに対する、上から2番目の線は後述する実施例3の膜Cに対する、上から3番目の線は後述する実施例2の膜Cに対する、上から4番目の線は本実施例1の膜Cに対する、1番下の線は蒸発源Dに対するものである。
図4から分かるように、膜Cのピークは蒸発源Dのピークと一致している割合が高く、膜Cは主としてYOFからなることが分かる。なお、Y2O3の存在を示すピークも存在し、膜Cは部分的にY2O3を有することが分かる。
実施例2,3は、微粒子生成室10内の圧力を除いて、実施例1と同様にして膜Cを形成した。微粒子生成室10内の圧力は、実施例2では60kPa、実施例3では30kPaであった。
これにより、実施例2の膜Cは、厚さが16.46μmであり、平均結晶径が3.95nmであり、最大結晶径が5.58nmであった。実施例3の膜Cは、厚さが18.76μmであり、平均結晶径が8.32nmであり、最大結晶径が17.8nmであった。実施例2,3の膜Cの断面SEM写真は示さないが、実施例1と同様に、高緻密性の膜Cが基板Bの表面上に剥離部分が無く良好に形成されていることが分かった。
実施例2,3の膜CのX線回折スペクトルは、上述したように、図4の上から2番目と3番目の線にそれぞれ示されている。これから分かるように、実施例1と同様に、実施例2,3の膜Cも主としてYOFからなり、部分的にY2O3を有することが分かる。
(実施例4)
実施例4は、膜Cを構成する層数の違いを除いて、実施例1と同様にして膜Cを形成した。
実施例4は、膜Cを構成する層数の違いを除いて、実施例1と同様にして膜Cを形成した。
これにより、実施例4の膜Cは、60層であり、厚さが100.3μmであり、平均結晶径が4.07nmであり、最大結晶径が5.87nmであった。
実施例4の膜Cの断面SEM写真を示す図5から分かるように、実施例4の膜Cも、実施例1と同様に、高緻密性の膜Cが基板Bの表面上に剥離部分が無く良好に形成されていることが分かった。
実施例4の膜Cは、X線回折スペクトルは示さないが、実施例1と同様に、主としてYOFからなり、部分的にY2O3を有することが分かった。
(実施例5)
実施例5は、純度99%のY5O4F7を含有する粉末をホットプレスすることによって作製した焼結体からなる直径50mmの円板状の塊を蒸発源Dとしたことを除いて、実施例1と同様にして膜Cを形成した。
実施例5は、純度99%のY5O4F7を含有する粉末をホットプレスすることによって作製した焼結体からなる直径50mmの円板状の塊を蒸発源Dとしたことを除いて、実施例1と同様にして膜Cを形成した。
これにより、実施例5の膜Cは、厚さが4μmであり、平均結晶径が10.9nmであり、最大結晶径が28.9nmであった。実施例5の膜Cの断面SEM写真は示さないが、実施例1と同様に、高緻密性の膜Cが基板Bの表面上に剥離部分が無く良好に形成されていることが分かった。なお、結晶径の測定は、Y5O4F7に対応するPDFカードを参照したこと以外は、実施例1と同じである。PDFカードとしては、例えばY5O4F7ではNo.01−080−1124が使用される。
図6のX線回折スペクトルにおいて、1番上の線は基板Bに対する、上から2番目の線は後述する実施例7の膜Cに対する、上から3番目の線は後述する実施例6の膜Cに対する、上から4番目の線は本実施例5の膜Cに対する、1番下の線は蒸発源Dに対するものである。
図6から分かるように、膜Cのピークは蒸発源Dのピークを一致している割合が高く、膜Cは主としてY5O4F7からなることが分かる。なお、Y2O3の存在を示すピークも存在し、膜Cは部分的にY2O3を有することが分かる。
(実施例6,7)
実施例6,7は、微粒子生成室10内の圧力を除いて、実施例5と同様にして膜Cを形成した。微粒子生成室10内の圧力は、実施例6では60kPa、実施例7では30kPaであった。
実施例6,7は、微粒子生成室10内の圧力を除いて、実施例5と同様にして膜Cを形成した。微粒子生成室10内の圧力は、実施例6では60kPa、実施例7では30kPaであった。
これにより、実施例6の膜Cは、厚さが9.54μmであり、平均結晶径が8.29nmであり、最大結晶径が18.7nmであった。実施例7の膜Cは、厚さが11.76μmであり、平均結晶径が14.7nmであり、最大結晶径が42.1nmであった。実施例6,7の膜Cの断面SEM写真は示さないが、実施例5と同様に、高緻密性の膜Cが基板Bの表面上に剥離部分が無く良好に形成されていることが分かった。
実施例6,7の膜CのX線回折スペクトルは、上述したように、図6の上から2番目と3番目の線にそれぞれ示されている。これから分かるように、実施例5と同様に、実施例2,3の膜Cも主としてY5O4F7からなり、部分的にY2O3を有することが分かる。
(実施例8)
実施例8は、膜Cを構成する層数の違いを除いて、実施例5と同様にして膜Cを形成した。
実施例8は、膜Cを構成する層数の違いを除いて、実施例5と同様にして膜Cを形成した。
これにより、実施例8の膜Cは、50層であり、厚さが18.2μmであり、平均結晶径が9.89nmであり、最大結晶径が22.5nmであった。実施例8の膜Cの断面SEM写真は示さないが、実施例5と同様に、高緻密性の膜Cが基板Bの表面上に剥離部分が無く良好に形成されていることが分かった。
実施例8の膜Cは、X線回折スペクトルは示さないが、実施例5と同様に、主としてY5O4F7からなり、部分的にY2O3を有することが分かった。
実施例1〜8を表1にまとめた。
10…微粒子生成室、 11…排気管、 12…流量制御装置、 13…ガス供給源、 14…テーブル、 15…レーザ照射装置(加熱手段)、 16…光照射窓、 20…膜形成室、 21…排気管、 22…ステージ、 23…超音速ノズル、 30…搬送管、 100…成膜装置、 A…膜付き部材、 B…基材、 C…膜、 D…蒸発源、 P1,P2…真空ポンプ。
Claims (2)
- YOF又はY5O4F7を含有する蒸発源を加熱手段により蒸発させ、YOF又はY5O4F7を含有する微粒子を生成する工程と、
前記微粒子を、超音速の気流に乗せて基材に向けて噴出して、前記基材上に物理蒸着させて膜を形成する工程とを備えることを特徴とする膜付き部材の製造方法。 - 基材と、前記基材上に形成されてYOF又はY5O4F7を含有する膜とを有する膜付き部材であって、
前記膜は、平均結晶径が2nm以上30nm以下であって、最大結晶径が100nm以下の結晶体からなることを特徴とする膜付き部材。
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