JP2001350355A - 画像形成装置及び定着装置 - Google Patents

画像形成装置及び定着装置

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JP2001350355A
JP2001350355A JP2000173128A JP2000173128A JP2001350355A JP 2001350355 A JP2001350355 A JP 2001350355A JP 2000173128 A JP2000173128 A JP 2000173128A JP 2000173128 A JP2000173128 A JP 2000173128A JP 2001350355 A JP2001350355 A JP 2001350355A
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JP2000173128A
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Yutaka Kiuchi
豊 木内
Takayuki Yamashita
孝幸 山下
Tsukasa Matsuda
司 松田
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  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成装置の記録媒体として透気度の高い
用紙を用いたとしても、用紙の性質に影響を受けず、常
に、光沢むらのない、色バランスの良い、かつトナーの
透明性に優れた高画質画像を得ること。 【解決手段】 画像形成装置の像担持体の周面に、転写
定着されたトナー像が像担持体に密着したまま冷却さ
れ、その後剥離されたトナー像の日本工業規格Z874
1に規定する75度鏡面光沢度Gと、記録媒体に転写定
着されたトナー像が、冷却される前に像担持体から剥離
された場合のトナー像の前記75度鏡面光沢度G’との
関係が画像カバレッジが30%以下である全領域に対し
て、|G−G' |≦10となるように、微細な凹凸形状
をほぼ一様に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機、プリンタ、ファクシミリなど、乾式トナーを利用
した画像形成装置及び定着装置に係り、より詳細には、
像担持体上のトナー像を一旦中間転写体に転写し、その
中間転写体から加熱、加圧により記録媒体上にトナー像
を転写し、同時に定着する画像形成装置及び記録媒体上
の未定着トナー像を加熱、加圧により記録媒体上に定着
させる定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式や静電記録方式等の乾式ト
ナーを用いた画像形成装置においては、像担持体上に静
電潜像を形成し、それをトナーの付着により現像した
後、そのトナー像を記録媒体に転写し、加熱及び加圧に
より定着している。
【0003】上記トナー像の転写は、感光体ドラム等、
像が形成された部材から直接に記録媒体に転写するもの
の他、一旦中間転写体に転写し、さらに記録媒体に転写
する装置が普及している。この装置は、特にカラー画像
形成装置に適しており、安定した条件でトナー像の転写
を行い、中間転写体上で複数色のトナー像を重ね合わせ
て高画質の画像を得ることができる。
【0004】トナー像の転写は、電界内でトナーを静電
的に転移させるものが一般的ではあるが、上記のように
中間転写体上のトナー像を記録媒体へ転写する際には、
中間転写体上のトナー像を加熱し、溶融熱転写すること
ができ、たとえば特公昭64-1023 号公報に上記技術を用
いる装置が開示されている。このように転写を非静電的
に行うことにより、転写時のトナーの飛散を防止すると
ともに、転写効率を高くして、カラー画像における色バ
ランスを良好なものとすることができる。
【0005】また、特開平5-19642 号公報、特開平5-24
9798号公報には、トナーを用紙と密着させて加熱及び加
圧した後、中間転写体と用紙とを重ね合わせたまま、ト
ナー粒子の凝集力がトナー像と中間転写体との接着力よ
り大きくなるまで冷却し、その後に用紙を中間転写体か
ら剥離する方法及び装置が開示されている。このような
方法又は装置では、冷却されることによってトナーの凝
集力が強くなり、中間転写体上にトナー層の一部が残っ
てしまう、いわゆるオフセット現像を有効に防止するこ
とができる。さらに、トナーが中間転写体の表面に密着
したまま固化するため、中間転写体の表面形状にならう
ことによって、均質な光沢感をもち、トナーの透明性に
優れた高画質画像を得ることができる。
【0006】一方、記録媒体上に静電的な方法等によっ
て転写された未定着トナー像を加熱及び加圧して定着す
る際に、ベルト状の定着部材を記録媒体上のトナー像に
密着させ、溶融したトナー層の凝集力がトナーと定着部
材との付着力より大きくなるまで温度を下げてから剥離
する技術が知られており、たとえば特開平6-138785号公
報、特開平11-174874 号公報に開示されている。上記の
ような定着を行うことにより、定着時のオフセットを防
止することができるとともに均質な光沢感をもつ良好な
画像を得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記画
像形成装置又は定着装置には、以下のような問題点があ
る。記録媒体として印刷用両面塗工紙のように通気性が
低い(言い換えれば、透気度が高い)ものを使用する
と、溶融状態で記録媒体に圧着されたトナーが冷却され
る前に、中間転写体等の媒体から部分的に剥離し、画像
全体として光沢むらの発生原因となる。この剥離現象
は、加熱された塗工紙中の水分が気化膨張し、塗工層を
通って塗工紙外部に抜け出るが、そのうち媒体側に抜け
た出たものが媒体と塗工層との間に溜り、この水蒸気圧
により生じることが分かっている。その結果、密着状態
が維持されてトナーが媒体表面に沿った状態のまま冷却
された部分と、冷却前の溶融状態で剥離してしまった部
分とで、トナー画像の光沢差が発生することになる。つ
まり、剥離せずに冷却された部分のトナー画像の表面形
状は、中間転写体等の媒体に密着したまま固化するた
め、媒体の表面形状にならったものとなる。これに対し
て、溶融状態で剥離した部分の表面形状は、微小な凹凸
をもったものとなる。
【0008】この問題の解決については、塗工層表面の
中心線平均粗さを20μm 以下に調整し、かつ透気度を40
00秒以下に調整したり(特開昭62-198876 、特公平5-82
940参照)、特定の透気度を有する原紙の両面に透湿度
を50〜500 (g/ m2 ×24時間)の範囲に調整した水蒸
気透過性の良好な塗工層を、塗工量2 〜5 g/ m2 の範
囲で設ける(特開平1-245265参照)など、用紙の透気度
を調整する方法が提案されている。しかし、用紙の特性
に依存して解決する方法では、画像形成装置の汎用性を
損なうため、用紙の特性に依存しない解決手段が求めら
れている。
【0009】今後、画質だけでなく、適用できる用紙種
類も含めて印刷機と同等の機能が要求される乾式トナー
を用いた画像形成装置においては、印刷の分野で広く用
いられている塗工紙をも記録媒体として使用可能にする
ことは強く求められる事項である。特に、電子写真方式
のカラー画像形成装置の利点を活かす重要な要素とな
る。
【0010】本発明は上記問題点及び要請に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、トナー像を加熱溶融した
状態で記録媒体に圧着し、該記録媒体上に転写するとと
もに定着する方式の画像形成装置又は記録媒体上に転写
された未定着トナー像を、加熱加圧して記録媒体上に定
着させる定着装置において、光沢むらのない高画質の画
像を得ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、 周面上にトナー像を担持
し、該周面が周回移動するように駆動される像担持体
と、 これに記録媒体を当接し、加熱及び加圧してトナ
ー像を記録媒体上に転写するとともに定着する転写定着
手段と、 像担持体と記録媒体とが密着した状態のまま
トナー像を冷却する冷却部とを有し、 前記像担持体の
周面の状態が、画像カバレッジが30%以下である全領域
に対して、 |G−G' |≦10 となるように、設定されている画像形成装置を提供す
る。ここで、Gは転写定着されたトナー像が像担持体に
密着したまま冷却され、その後剥離されたトナー像の日
本工業規格Z8741に規定する75度鏡面光沢度であ
り、G' は記録媒体に転写定着されたトナーが、溶融状
態のまま像担持体から剥離された場合のトナー像の前記
75度鏡面光沢度である。
【0012】請求項2に係る発明は、 請求項1に記載
の画像形成装置において、像担持体の周面が、凸部がほ
ぼ均等に分布するように形成されたものとする。
【0013】請求項3に係る発明は、 請求項2に記載
の画像形成装置において、前記像担持体の凸部以外の平
坦領域が粗面化されているものとする。
【0014】請求項4に係る発明は、 周回駆動され、
トナー像が転写された記録媒体に当接される無端ベルト
と、 記録媒体上のトナー像を加熱するとともに、記録
媒体のトナー転写面と前記無端ベルトとを重ね合わせて
加圧する加熱加圧手段と、無端ベルトと記録媒体とが密
着した状態のままトナー像を冷却する冷却部とを有し、
前記無端ベルトの周面の状態が、画像カバレッジが3
0%以下の全領域に対して、 |G−G' |≦10 となるように設定されている定着装置を提供する。ここ
に、Gは加熱加圧されたトナー像が無端ベルトに密着し
たまま冷却され、その後剥離されたトナー像の、日本工
業規格Z8741に規定する75度鏡面光沢度であり、
G' は記録媒体に転写されたトナー像が加熱加圧され、
溶融状態のまま前記無端ベルトから剥離されたトナー像
の、前記75度鏡面光沢度である。
【0015】請求項5に係る発明は、 請求項4に記載
の画像形成装置において、無端ベルトの周面は、凸部が
ほぼ均等に分布するように形成されたものとする。
【0016】請求項6に係る発明は、 請求項5に記載
の画像形成装置において、前記無端ベルトの凸部以外の
平坦領域が粗面化されているものとする。
【0017】請求項7に係る発明は、 トナーの選択的
な付着によって可視像を形成するトナー像形成手段と、
形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
請求項4から請求項6までのいずれかに記載された定着
装置とを有する画像形成装置を提供する。
【0018】本発明に係る転写定着同時方式の画像形成
装置のように、トナー像を担持する媒体と記録用紙等の
記録媒体とを重ね合わせて加熱及び加圧すると、記録媒
体中の水分が気化膨張して、トナーが溶融状態のとき
に、トナー像を担持する媒体と記録媒体との間に部分的
は剥離が発生することがある。このような部分的な剥離
の発生頻度(回数)の調査結果を、図1に示す。この図
は、画像カバレッジ(トナー画像の占有面積率(%) を
いう)を10%刻みに設定し、これらの原稿に対して、
それぞれ10回の画像出力実験を行なった結果を示したも
のである。
【0019】図1から、上記部分的な剥離は画像カバレ
ッジが低い、30%以下の場合において発生していること
がわかる。これは、画像カバレッジ(%)が低い場合に
は水蒸気が記録媒体から像担持体側へと抜け出やすくな
り、より大きな圧力が記録媒体にかかるためであると考
察される。
【0020】一方、トナーが溶融状態のまま剥離した画
像においては、トナーがオイルレスの場合にオフセット
が発生することが知られている。そこで、画像カバレッ
ジ(%) が10%刻みの原稿に対して、このオフセット
の発生頻度( 回) を確認するため、各画像カバレッジに
ついて10回の画像出力実験を行い、その結果を図2に示
した。
【0021】図2からわかるように、オフセットは画像
カバレッジが高い40%以上の部分においてだけみられ、
画像カバレッジが低い30%以下の部分においては発生し
ていない。このことは、画像カバレッジの低い状態にお
いては、もともと記録媒体上のトナー量が少ないために
像担持体側にトナーが残留することがないものと考察さ
れる。
【0022】上記の実験の結果から、次のことが分る。
記録媒体からの水蒸気による部分的な剥離は、画像カバ
レッジが30%以上では生じないのであるから、この範
囲では、上記のような部分的な剥離による光沢のむらが
生じるという問題やオフセットの原因となることはな
い。また、画像カバレッジが30%以下のときには部分
的な剥離が生じるが、トナー量が少なく、この領域では
オフセットが生じない。したがって、部分的な剥離につ
いては、画像カバレッジの低い領域での光沢度の差を小
さくすれば、良好な画質が得られると判断することがで
きる。
【0023】一方、75度鏡面光沢度Gのグロス差|G
−G' |が0 〜20の間で、人間がどれだけその差を認識
できるかの官能試験を、無作為に抽出した10人に対して
行った結果を図3に示す。これにより、10以下のグロス
差であれば、人の目には殆ど認識できないことも分か
る。
【0024】本願に係る発明は、上記のような実験によ
り新たに見出された事項に基づいてなされたものであ
り、転写定着されたトナー像が像担持体に密着したまま
冷却され、その後剥離された場合の記録媒体上のトナー
部分の75度鏡面光沢度Gと、転写定着されたトナー像
が冷却される前に像担持体から剥離された場合の記録媒
体上のトナー部分の75度鏡面光沢度G' との差|G−
G' |を、画像カバレッジが30%以下の領域で、10以下
とするものである。これにより、全領域(0 %〜100
%)の画像カバレッジに対してトナーの部分的な剥離に
よる光沢むらがみられず、均質で高画質な画像を得るこ
とが可能となる。
【0025】なお、記録媒体に転写定着され、像担持体
に密着したまま硬化したトナー画像の表面は像担持体の
表面形状にならうため、像担持体の周面の状態を調整す
ることによって出力画像のグロスGを変化させることが
できる。そのため、像担持体の周面に微小な凹凸や条溝
を形成しておくことで、得られる出力画像の75度鏡面
光沢度Gを調整することが可能となる。なお、ここで像
担持体は、静電潜像及びトナー像が形成される感光体ド
ラム等であってもよいし、感光体ドラム等からトナー像
が転写される中間転写体であってもよい。ただし、加熱
されるため、耐熱性の部材である必要があり、中間転写
体とするのが望ましい。
【0026】請求項2に記載の画像形成装置では、像担
持体の周面が、凸部を平滑な平面上にほぼ均等に分布さ
せたものとなっており、凸部の面積率や高さなどを変化
させることで、得られる出力画像の75度鏡面光沢度G
を調整することができる。
【0027】この画像形成装置によって記録媒体に転写
定着されたトナー像の表面は、像担持体の周面形状にな
らって凹凸となる。すなわち、像担持体の凸部はトナー
画像の凹部となり、像担持体の凹部(平滑部)はトナー
像の凸部(表面)となる。従って、トナー像の表面は像
担持体の平滑部にならって鏡面の如く光を反射するが、
凹部によって影が形成され反射光が低減し、その結果鏡
面光沢度G(グロス)が低下する。光沢度を低下させる
影の量は、凹部の周長が長い、言い換えれば、像担持体
の凸部面積率が高いほど多くなり、また、凹部の壁の高
さが高い、言い換えれば、像担持体の凸部高さが高いほ
ど多くなる。
【0028】このように像担持体の周面に微細な凸部を
設けることによって鏡面光沢度G(グロス)の変化を定
量的にコントロールすることができ、得られる出力画像
の75度鏡面光沢度Gを調整することができる。その結
果、画像カバレッジ30%以下の領域に対して、前記した
グロス差|G−G' |を10以下にすることができ、0
%〜100 %の画像カバレッジに対して記録媒体の部分的
な剥離による光沢むらがみられず、均質でかつ高画質な
画像を得ることが可能となる。
【0029】請求項3に記載の画像形成装置では、請求
項2に記載の画像形成装置における像担持体周面の平担
部を粗面化したものであり、粗面化された平坦部の中
に、凸部をほぼ均等に分布させた形状としたものであ
る。像担持体周面の平坦部を粗面としたことにより、記
録紙に転写されたトナー像の凸部(表面)が粗面となっ
て鏡面性を落とすことができ、鏡面光沢度G(グロス)
を低下させることができる。さらに、凸部の面積率や高
さなどを変化させることで、全体として得られる出力画
像の75度鏡面光沢度Gを調整することができる。
【0030】一方、請求項4に係る定着装置は、静電的
に転写を行なう等、転写と定着とを独立して行なう画像
形成装置において用いられるものであり、像担持体から
記録媒体に転写された未定着トナー像は、定着装置にお
いて無端ベルトと重ね合わされ、加熱及び加圧されるこ
とによって粉体トナーが溶融状態となり、溶融トナーが
記録媒体に融着してフィルム状となる。この場合におい
ても、記録媒体の水分が気化膨張して定着装置の無端ベ
ルトと記録媒体との間に貯留し、部分的な剥離が発生す
る場合がある。このような部分的な剥離が発生した場合
には、剥離した部分と剥離しなかった部分とで記録媒体
上のトナー像の光沢度Gに差が生じ易くなるのは、前記
画像形成装置の場合と全く同様である。
【0031】しかし、請求項4に記載の定着装置では、
記録媒体に定着されたトナー像が無端ベルトに密着した
まま冷却され、その後剥離された部分の75度鏡面光沢
度Gと、記録媒体に定着されたトナー像が溶融状態のま
ま像担持体から剥離された部分の75度鏡面光沢度G'
との差|G−G' |を、無端ベルトのトナー像側の表面
形状を調整することによって、画像カバレッジ30%以下
の領域に対して、10以下としている。これにより、該定
着装置を使用した画像形成装置においても、0%〜100
%の画像カバレッジに対して記録媒体の部分的な剥離に
よる光沢むらがみられず、均質で高画質な画像を得るこ
とが可能となる。
【0032】請求項5又は請求項6に記載の定着装置
も、請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置と同
様、無端ベルトのトナー像側表面に設けた凸部の高さ又
は面積率を調整することによって、得られる出力画像の
75度鏡面光沢度Gを適切に調整し、画像カバレッジ30
%以下の領域に対してグロス差|G−G' |を10以下に
することができる。
【0033】請求項7に記載の画像形成装置では、請求
項4から請求項6に記載の定着装置を、記録媒体上に静
電的な方法等により転写された未定着トナー像を、その
後に定着させる画像形成装置に使用するものである。こ
の画像形成装置では、定着された画像の鏡面光沢度G
(グロス)を適切に調整することが可能となり、0 %〜
100 %の画像カバレッジに対して、記録媒体の属性に左
右されることなく、光沢むらのない均質で高画質な画像
を得ることができることになる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を図
に基づいて説明する。図4は、請求項1、請求項2又は
請求項3に記載の発明の一実施態様である画像形成装置
を示す概略構成図である。この画像形成装置は、周面が
周回可能に支持された無端ベルト状の中間転写体1を備
えており、この中間転写体1と対向する位置に、イエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する
4つの画像形成ユニット10a、10b、10c、10
dが配設されている。
【0035】各画像形成ユニット10a、10b、10
c、10dは、表面に静電潜像が形成される感光体ドラ
ム9a、9b、9c、9dを有しており、各感光体ドラ
ムの周囲に、この感光体ドラムの表面をそれぞれほぼ一
様に帯電する帯電装置11a、11b、11c、11d
と、各感光体ドラム表面にレーザー光を走査して静電潜
像の書き込みを行う光走査装置14と、感光体ドラム上
に形成された各潜像にイエロー、マゼンタ、シアン又は
ブラックのトナーを転移させてトナー像を形成する現像
装置12a、12b、12c、12dと、各感光体ドラ
ム上のトナー像を中間転写体1上に一次転写する転写帯
電器13a、13b、13c、13dとを備えている。
【0036】上記中間転写体1の内側には、駆動ロール
5、支持ロール6a、6b、加熱ロール2及び剥離部ロ
ール7が設けられ、該中間転写体1の外周面にはクリー
ニングロール8が押圧され、中間転写体1はこれら各ロ
ールに張架されて図中に示す矢印方向に周回駆動され
る。また、記録紙Pと中間転写体1とを圧接させるた
め、加熱ロール2と中間転写体1を介して対向する位置
に、記録紙Pを加熱押圧する対向ロール3が配設されて
いる。
【0037】さらに、中間転写体1の周回方向における
加熱ロール2の上流側には、中間転写体上のトナー像を
加熱するための加熱板4が、中間転写体1の裏面側に沿
って湾曲して設けられている。そして加熱板4は、その
中間転写体1との接触面とは反対の面を面状ヒータで加
熱する構成としている。装置内にはさらに、記録紙Pを
収容する用紙トレイ15と、この用紙トレイ15から記
録紙Pを一枚ずつ送り出すフィードロール16と、記録
紙Pを加熱ロール2と対向ロール3との圧接部に搬送す
る搬送ロール17とが備えられている。
【0038】また、中間転写体1の周回方向における剥
離部ロール7の下流側には、搬送ベルト18が二つのロ
ールに張架されており、トナー像が転写・定着された記
録紙を排紙トレイ19に排出するようになっている。
【0039】以下に、本実施形態を構成している各構成
要素について、より詳しい説明を加える。上記感光体ド
ラム9a、9b、9c、9dは、ドラム表面にSe、a-S
i、a-SiC、CdS 等の各種無機感光体層を有するもの、又
は各種有機感光体層を有するものを用いることができ
る。
【0040】転写帯電記13a,13b,13c,13
dは、感光体ドラム9上のトナーが、効率よく中間転写
体1へ転移するように、中間転写体1の裏面に電荷を付
与するものである。本実施の形態では、コロトロンが用
いられ、315μC/m2 の電荷密度を与えるようにコ
ロトロンワイアへの印加電圧が調整される。
【0041】ベルト状の上記中間転写体1は、図5に示
すように、ベース層21と表面層20とを有するもので
ある。ベース層21には、カーボンブラックを添加した
厚さ70μm の耐熱性ポリイミドフィルムを用いている。
本実施形態では、トナー像を感光体ドラムから中間転写
体1へ静電的に画像乱れなく転写するために、ベース層
の体積抵抗率はカーボンブラックの添加量を変化させて
1010Ωcmに調整している。なお、ベース層として
は、例えば、厚さが10〜300 μm の耐熱性の高いシート
を使用することが可能であり、ポリエステル、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエ
ーテルケトン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリイミ
ドアミド、ポリアミドなどのポリマーシート等を用いる
ことが可能である。
【0042】中間転写体1の表面層20は、トナー像を
感光体ドラム9a、9b、9c、9dから中間転写体1
上に静電的に、画像の乱れを生じることなく転写するた
めに、その体積抵抗率を1014Ωcmに調整している。ま
た、トナー像を中間転写体1から記録紙Pへ転写すると
同時に定着させるときに、トナー像を挟んで中間転写体
1と記録紙Pとを良好に密着させるために、ゴム硬度30
度、厚さ50μm のシリコーン共重合体を用いている。
【0043】シリコーン共重合体は弾性を持ち、常温で
その表面がトナーに対して粘着性を示す。さらに、溶融
して流動化したトナーが吸着しにくい特性を有している
ため、記録紙Pへトナーを効率的に転移させることがで
き、表面層の材質には最適である。この実施形態では、
東レダウシリコーン社製、DX35−547A/Bシリ
コーン共重合体を用いている。なお、表面層は、上記シ
リコーン共重合体の他、例えば厚さ1 〜100 μm の離型
性の高い樹脂層を使用することが可能であり、例えば、
テトラフルオロエチレン- パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等を用
いることも可能である。
【0044】上記中間転写体1の表面層20は、図5に
示すように、平滑な面20bに微小な円錐台形の凸部2
0aが所定の間隔(120μm)で分散するように設け
られたものである。この円錐台の径及び高さは、トナー
像の75度鏡面光沢度を所定の値にするために、適宜に
設定されるものであり、径を大きくするほど、又は高さ
を大きくするほど、形成される画像の光沢度が低下する
ものである。そして、この表面層20と密着して硬化し
たトナー像の光沢度が、溶融状態で中間転写体から剥離
したトナー像が冷却硬化されたときの光沢度と、近い値
となるように設定される。
【0045】上記のような凸部20aを有する表面層2
0は、次のようにして形成することができる。ニッケル
等の金属型の表面を平滑に仕上げ、レーザーによって上
記金属型に円形の凹部を、所定の間隔で形成する。この
ようにして製作された型に上記表面層の成分をコーティ
ングし、その上に上記ベース層を接着する。また、他の
方法として、ポリイミドのフイルムの表面にシリコーン
ゴムを塗布し、ある程度硬化させた後、凹凸を有する金
属型を押し付けて金属型の凹凸に対応したパターンを形
成する方法がある。
【0046】上記加熱板4としては、板厚3mm で曲率半
径が900mm の湾曲したアルミニウム製の接触板の裏に、
面状ヒータとしてシリコーンラバーヒータをつけたもの
を使用している。上記接触板は、熱伝導の良いものなら
特にアルミニウムに限るものではなく、熱伝導の良い板
を用いることにより、中間転写体1を均一に加熱できる
という効果を得ることができる。シリコーンラバーヒー
タは通電発熱体をシリコンラバーで覆ったものであり、
シリコーンラバー厚はできるだけ薄くして、通電発熱体
から接触板への熱抵抗を小さくし、効率的に加熱するよ
うにしている。本実施例では0.5mm 厚のシリコーンラバ
ー層を使用している。
【0047】加熱板4の中間転写体1への接触加熱時間
は、接触板の板長を変えることで自由に設定できる。ま
た面状ヒータは通電発熱体の配線パターンを任意に変え
ることが可能であるため、面状の発熱部材の中で容易に
発熱分布を変えることができる。なお、加熱板4として
は、このほかにセラミックヒータ等も用いることができ
る。
【0048】加熱ロール2及び対向ロール3としては、
金属ロール上にシリコーンゴム等の耐熱弾性層を有した
ものを用いることができる。加熱ロール2の内部には熱
源2aが配置され、その加熱温度はトナー温度がトナー
溶融温度(Tm℃)以上となるように設定制御されてい
る。本実施形態においては加熱ロール2及び対向ロール
3として、アルミニウムの中空ロール上に硬度30度のシ
リコーンゴムを厚さ2.0mm で積層した外径50mmのものを
用い、加熱ロール2の内部の熱源2aとしては、ハロゲ
ンランプを使用している。なお、加熱ロール2と対向ロ
ール3との当接圧(ニップ圧という)は5.5 ×105
aに設定し、接触範囲(ニップ幅)がおよそ7.5mm にな
るように調節している。
【0049】なお、加圧及び加熱するための構成は、上
記のように加熱ロール2及び対向ロール3による構成の
みに限定されるものではなく、中間転写体1 と記録紙P
との間に浮きやずれを発生させることなく均一に加圧で
きるものであればどのような構成のものでもよい。例え
ば、1つの加熱ロールと1つの固定パッドを組み合せた
もの、あるいは一組の固定パッドで構成してもよい。ま
た、加熱源としてハロゲンランプを用いているが、加熱
源はハロゲンランプに限定されるものでなく、他の加熱
手段を用いることもできる。
【0050】剥離部ロール7は、直径の小さいものが用
いられ、それにベルト状の中間転写体1を巻き回し、記
録紙P自体の剛性を利用してロールの曲率によって移動
する中間転写体1から記録紙Pを剥離するようになって
いる。しかし、ロール径をあまり小さくするとベルトの
張力によってロールにたわみが生じるので、本実施形態
では剥離部ロール7を直径16mmのステンレスロールにし
ている。
【0051】なお、上記画像形成装置で用いられるトナ
ーは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色素を
含有した熱可塑性のバインダで構成され、公知の材料に
よって形成することができる。この実施形態では、重量
平均分子量(Mw)54000、溶融温度(Tm) 120℃、溶
融温度での粘度(η)4000Pas のポリエステル負帯電ト
ナーを用いている。平均粒径は7μmであり、帯電量が
−22μmC/gとなるように調整して用いられる。ま
た、各色の記録紙上のトナー量は、その色素の含有量に
よりおおよそ0.4mg/cm2 〜0.7mg/cm2 となるように露光
条件又は現像条件が設定される。
【0052】次に上記画像形成装置の動作について説明
する。ベルト状の中間転写体1の周辺に配置された各画
像形成ユニット内で、感光体ドラム9a、9b、9c、
9d がそれぞれ帯電装置11a、11b、11c、1
1dによりほぼ一様に帯電される。その後、画像信号に
応じてオンオフされる光走査装置14によって露光さ
れ、静電潜像が形成される。
【0053】各感光体ドラム9a、9b、9c、9d上
の静電潜像は、それぞれ、黒、イエロー、マゼンタ、シ
アン色のトナーが入った現像装置12a、12b、12
c、12dにより現像され、面積変調により濃度を表現
する、いわゆるディジタル画像が各感光体ドラム9a,
9b、9c上にトナー像として形成される。この各色ト
ナー像は、順次、転写帯電器13a、13b、13c、
13dにより中間転写体1上へ重ね合わせて転写され、
中間転写体1上にフルカラーのトナー像が形成される。
中間転写体1上に形成されたトナー像は、中間転写体1
が加熱板4と対向する位置を通過する際に加熱され、溶
融する。
【0054】一方、トレイ15からフィールドロール1
6によって記録紙Pが一枚ずつ取り出され、搬送ロール
17によって搬送される。この記録紙Pの送紙にともな
い、中間転写体1に対向する対向ロール3が加熱ロール
2に圧接される。その後、前記複数色のトナー像を保持
した中間転写体1と記録紙Pとが重ね合わされ、加熱ロ
ール2と対向ロール3とのニップ間を通過し、加熱及び
加圧される。溶融温度以上に加熱されたトナーは軟化、
溶融して記録紙Pに圧着される。
【0055】このトナー像は、中間転写体1と記録紙P
との間で、双方に密着された状態で搬送され、溶融温度
以下に冷却されることで凝集固化して記録紙Pとの間に
強い接着力が生じる。その結果、曲率半径の小さな剥離
部ロール7が配置された位置において、中間転写体1が
大きな曲率で曲げ回されると、記録紙Pが、それ自体の
剛性によって中間転写体1からトナーとともに分離さ
れ、オフセットを生じることなく記録紙P上に定着され
た画像が形成される。
【0056】上記のような画像形成工程において、記録
紙Pが印刷用両面塗工紙のように通気性が低い(透気度
が高い)ものであると、転写定着後トナーの冷却以前
に、記録紙Pが中間転写体から部分的に剥離し、画像全
体として光沢むらの発生原因となることがある。この現
象は加熱された塗工紙中の水分が気化膨張し、塗工層を
通って塗工紙外部に抜け出るが、そのうち中間転写体側
に抜け出たものが中間転写体1と塗工層との間にたま
り、水蒸気圧を発生させることによる。
【0057】しかしながら、本実施形態の画像形成装置
では、上記光沢むらの発生は、次のように回避される。
つまり、中間転写体の表面層の表面には、図5に示すよ
うに、微細な凸部20aがほぼ一様に設けられているの
で、記録紙上に定着されたトナー像の表面は、中間転写
体表面の微細な凹凸に対応した凸凹が生じる。これによ
り、トナー像の表面の鏡面光沢度が低下している。一般
に、トナー像が溶融して硬化する前に中間転写体から剥
離し、その後に硬化した場合には、表面に凹凸が生じ、
光沢度が低下しているが、上記のように中間転写体から
剥離せずに硬化した部分も、中間転写体の凹凸によって
光沢度が低下しているので光沢度の差は小さく、ほとん
ど光沢むらのない画像が得られる。
【0058】次に、上記画像形成装置の効果を確認する
ために行なった実験について説明する。図6は、上記中
間転写体の凸部面積率(%)および凸部高さh( μm)
を変化させ、これらと、画像カバレッジ100 %の場合の
鏡面光沢度Gとの関係を、実験により調査した結果を示
すものである。この図より、凸部面積率(%)を増加さ
せると鏡面光沢度Gを低下させることができ、また凸部
高さを高くしても、鏡面光沢度Gを低下させることがで
きることがわかる。このように中間転写体の表面に凹凸
を設けることによって鏡面光沢度Gの変化を定量的にコ
ントロールすることができ、得られる出力画像の75度
鏡面光沢度Gを調整することが可能となる。
【0059】次に、凸部面積率( %) と凸部高さ( h)
とを変化させた3種類の表面状態の中間転写体を用い、
出力した画像の75度鏡面光沢度G(グロス)と画像カ
バレッジ(%)との関係を求める実験を行った。その結
果を図10に示す。図において、符号Aは、中間転写体の
表面に凸部がなく平滑な平面となっている場合[以下、
表面状態A(0 μm 、0 %)と表示する]、符号Bは、
凸部高さが6μm で、凸部面積率が25%[表面状態B
(6 μm 、25%)]、符号Cは、凸部高さが15μm で、
凸部面積率が50%[表面状態C(15μm 、50%)]とな
っている場合である。また同図G' は、転写定着後にト
ナーが溶融した状態のまま剥離されたトナー画像の鏡面
光沢度を示すものである。
【0060】この結果から、これら3種類の中間転写体
のうち表面状態Cのものだけが画像カバレッジ30%以下
の領域に対して|G−G' |≦10の関係を満たし、そ
れ以外の表面状態A、表面状態Bの場合には上記関係を
満たしていないことが分かる。すなわち凸部面積率、凸
部高さが小さいとトナー画像の鏡面光沢度Gの低下が少
なく、上記関係を満たす可能性が少なくなる。なお、上
記実験において鏡面光沢度G(グロス)の測定には、村
上色彩技術研究所のGloss Meter Model GM-26Dfor 75
゜を用いた。
【0061】一方、表面状態がA、B、Cのそれぞれの
中間転写体に対して、各種記録紙を使用して各100 枚ず
つのトナー画像を出力させ、光沢むらの評価を行った。
使用した記録紙は、印刷用両面塗工紙としてSD Warren
社製Lustro Gloss、王子製紙社製OKトップコート、Dons
ide Paper 社製Consort Royal Silkである。Lustro Glo
ssの十点平均厚さの測定値はおおよそ100 μm 、透気度
は15260 秒、坪量は122 g/ m2 であり、OKトップコー
トの十点平均厚さの測定値はおおよそ136 μm、透気度
は44070 秒、坪量は157 g/ m2 、Consort Royal Silk
の十点平均厚さの測定値はおおよそ159 μm 、透気度は
13910 秒、坪量は170 g/ m2 であった。スクリーンは
垂直万線を用い、線数は200 線/inchでおこなった。ま
た、中間転写体、トナー像の搬送速度( 転写定着速度)
は260mm/s とした。
【0062】上記実験の結果、表面状態がA、Bの2種
類の中間転写体に対しては、光沢むらの発生が認められ
たのに対し、表面状態C(15μm 、50%)の中間転写体
を用いたときには光沢むらの発生はみられず、また、水
蒸気圧による冷却前の剥離を原因とするオフセットや不
均質な光沢感もみられなかった。
【0063】なお、中間転写体の表面の凸部形状とし
て、上記実施の形態では円形のものを用いたが、円形に
限らず、三角形、四角形、五角形、ひし形、楕円形でも
よい。さらに、図9に示したような帯状の凸部41でも
よい。
【0064】図7は、請求項4に係る画像形成装置にお
いて用いられる中間転写体の拡大断面図である。この図
に示すように、中間転写体はベース層31と表面層30
とが積層されたものであり、表面層30のトナー像担持
面は、粗面化された平坦部(凹部)30b上に円形の凸
部30aが縦横方向に、およそ120 μm 間隔で形成され
ている。このような中間転写体を用いると、平坦部が粗
面化されていることにより、形成されるトナー像の鏡面
光沢度Gは、さらに低下する。したがって、鏡面光沢度
の調整範囲が拡大し、適切な鏡面光沢度の調整が可能と
なる。
【0065】図8は、上記のような平坦部が粗面化され
た中間転写体を用いたときの、画像カバレッジ100 %の
鏡面光沢度Gと、凸部面積率(%)及び平坦部(凹部)
の表面粗さRa(μm )との関係を示したものである。こ
の図より、平坦部の表面粗さRaを増加させると鏡面光沢
度G(グロス)が低下し、凸部面積率(%)を大きくし
ても、鏡面光沢度Gが低下することがわかる。
【0066】また、凸部面積率( %) と平担部表面粗さ
Raを変化させた3種類の中間転写体を用いて出力した画
像について、画像カバレッジ( %) と75鏡面光沢度(
G)との関係を求める実験を行った。その結果を図10に
示す。この図において、符号Aは、中間転写体に凸部が
なく、粗面ではない平滑な平面を有するもの[表面状態
A(0 μm 、0 %)]、符号Eは、平坦部の表面粗さが
0.45μm で、凸部面積率が5%のもの[表面状態E(0.
45μm 、5 %)]、符号Fは、平坦部の表面粗さが0.45
μm で、凸部面積率が35%のもの[表面状態F(0.45μ
m 、35%)]を用いた時の鏡面光沢度を示している。ま
た同図G' は、トナー像が溶融状態のまま剥離された画
像に対する鏡面光沢度を示すものである。
【0067】この結果から、これら3種類の中間転写体
のうち、表面状態がE又はFのときには、画像カバレッ
ジ30%以下の領域に対して|G−G' |≦10の関係を
満たし、表面状態がAの場合には、上記関係を満たさな
いことが分かる。なお、以上の鏡面光沢度G(グロス)
の測定には、村上色彩技術研究所のGloss Meter Model
GM-26D for 75 ゜を用いた。
【0068】一方、表面状態がA、E、Fを有するそれ
ぞれの中間転写体について、各種記録紙を使用して各10
0 枚ずつのトナー画像を出力させ、光沢むらの評価を行
った。使用した記録紙は、印刷用両面塗工紙としてSD W
arren 社製Lustro Gloss、王子製紙社製OKトップコー
ト、Donside Paper 社製Consort Royal Silkである。そ
の性質、測定条件も前記の実験の場合と全く同一として
いる。
【0069】その結果、表面状態がAの中間転写体に対
しては光沢むらの発生が認められたのに対し、表面状態
がE、Fの中間転写体を使用したときには光沢むらの発
生はみられず、また、水蒸気圧による冷却前の部分的な
剥離を原因とするオフセットや不均質な光沢感もみられ
なかった。
【0070】次に、請求項4から請求項7までに記載の
発明の実施形態について説明する。図11は、請求項7
に記載の発明の一実施形態である画像形成装置を示す概
略構成図である。この画像形成装置は、表面に静電潜像
が形成される感光体ドラム51と、この感光体ドラム5
1の周辺にあって、該ドラム51の表面を一様に帯電す
る帯電装置52と、一様帯電された感光体ドラム51に
像光を照射して静電潜像を形成する光走査装置53と、
異なる色の現像剤をそれぞれ収容した4つの現像装置か
らなり、感光体ドラム51上の静電潜像を各色トナーの
選択的な付着によって可視化する回転式現像装置54と
を備えている。
【0071】また、複数のロール62、63、64によ
って周回可能に張架され、上記感光体ドラム51と当接
する無端ベルト状の中間転写体55と、感光体ドラム5
1上に形成されたトナー像を中間転写体55に転写する
転写帯電器56と、順次搬送されてくる記録紙Pに中間
転写体55上のトナー像を転写する転写ロール57と、
トナー像が転写された記録紙Pを搬送する搬送ベルト5
8と、記録紙上の未定着トナー像を加熱・加圧して記録
紙上に融着する定着装置59とが設けられている。な
お、図11中に示す符号60は、トナー像を中間転写体
55に転写した後、感光体ドラム51上に残留するトナ
ーを除去するクリーニング装置、符号61は感光体ドラ
ムの表面を一旦除電する除電露光装置である。
【0072】この画像形成装置では、帯電装置52によ
って一様に帯電された感光体ドラム51に、光走査装置
53から像光が照射され、静電潜像が形成される。そし
て、回転式現像装置54からトナーが転移され、トナー
像が形成される。このようなトナー像の形成は、イエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラックについて順次に行わ
れ、次々に中間転写体55上に重ねて転写される。中間
転写体55上に担持されたトナー像は、中間転写体55
の周回移動により、ロール64と転写ロール57との対
向位置に搬送され、記録紙Pと重ね合わされて上記2つ
のロールの対向位置を通過する。
【0073】転写ロール57とロール64との間には転
写用バイアス電圧が印加されており、トナー像は記録紙
P上に静電的に転写される。未定着のトナー像を担持し
た記録紙Pは定着装置59へ搬送され、ここで加熱・加
圧されてトナー像が記録紙に溶融圧着される。
【0074】次に、上記定着装置59の詳細な構成及び
動作について説明する。なお、この定着装置は、請求項
4、請求項5又は請求項6に記載の発明の一実施形態で
ある。図12は、上記定着装置59の構成を示す概略図
である。この定着装置59は、未定着トナー像Tを担持
した記録紙Pを無端ベルト状の定着部材71に当接し、
これを加熱ロール72と加熱ロール72に対向して配置
された加圧ロール73とのニップ部に挟み込んで加熱押
圧する。これにより、トナーを溶融して記録紙P上に定
着させるものである。ベルト状の定着部材71は加熱ロ
ール72と剥離部ロール74によって張架され、図12
中に示す矢印の方向に循環移動しており、トナー像が溶
融圧着された記録紙Pを付着したまま剥離部ロール74
が設けられた位置まで搬送する。そして、記録紙Pの剛
性を利用し、大きな曲率で曲げ回される定着部材71か
ら記録紙が剥離するようになっている。
【0075】加熱ロール72と加圧ロール73とのニッ
プ部を通過したベルト状の定着部材71の裏面に接触し
て、フィン付冷却部材75が配設されている。該冷却部
材75は、ベルト状の定着部材71とトナー像Tを担持
した記録紙Pの形状をおよそ平面又は曲面状に保ちなが
ら冷却し、トナー像Tが定着部材71にオフセットしな
い温度までに冷却するものである。また加熱効果と冷却
効果を干渉させないために、冷却装置75と加熱ロール
72との間には断熱材76が介挿されている。
【0076】上記ベルト状の定着部材71は、ベース層
と表面層の2層構造のものを用いている。ベース層は、
厚さ50μmのポリイミドフィルムを用い、表面層はゴム
硬度24度、厚さ30μmのシリコーン共重合体を用いてい
る。なお、ベース層としては、上記の材料以外であって
も、たとえば厚さ10〜100 μmの耐熱性の高いシートを
使用することが可能であり、表面層としては、たとえば
厚さ1 〜100 μmの離型性の高い樹脂層を使用すること
が可能である。なお、定着部材71は、ベルト幅320mm
に対し6×9.8 Nの張力で張架されている。
【0077】上記表面層には、微小な円錐台形の凸部が
所定の間隔で分散するように設けられている。この凸部
は、トナーが溶融した状態でこの定着部材71と圧着さ
れることによって、トナー像の表面に、対応した微細な
凹部を形成するものである。
【0078】上記のような定着装置では、ベルト状の定
着部材71が、未定着トナー像を担持する記録紙Pと当
接され、加熱・加圧によってトナーが記録紙Pに溶融圧
着される。そして、記録紙Pはトナーを介して定着部材
71に付着した状態で搬送されるとともに冷却され、定
着部材71が剥離部ロールによって曲げ回される位置
で、記録紙がその剛性を利用して定着部材から剥離され
る。
【0079】このような定着装置59においても、前述
の画像形成装置と同様、記録紙Pが印刷用両面塗工紙の
ように通気性が低い(透気度が高い)ものの場合には、
加熱によって生じた水蒸気圧で、トナーが溶融状態のと
きに、記録紙Pが定着部材71から部分的に剥離するこ
とがある。しかし、定着部材の表面層には微細な凸部が
設けられており、定着部材と密着して冷却され硬化した
部分の鏡面光沢度が低く調整されているので、溶融状態
で剥離した部分との光沢度の差は、小さくなる。これに
より、光沢のむらはほとんど生じることがなく、高画質
の画像が得られる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明によれ
ば、ベルト状の中間転写体又はベルト状の定着部材が、
溶融した状態のトナーと密着し、表面の凹凸によってそ
のまま硬化したときのトナー像の鏡面光沢度G(グロ
ス)を調整する。これにより、記録媒体として透気度の
高い印刷用両面塗工紙を用いたとき等に、加熱による水
蒸気圧で記録媒体と中間転写体又は定着部材とが部分的
に剥離しても、剥離が生じなかった部分との鏡面光沢度
の差が所定値以内となり、光沢むらのない色バランスの
良好なトナー像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】10%刻みの画像カバレッジ( %) について、
水蒸気圧が原因で生じる部分的剥離の発生頻度( 回) を
示すグラフである。
【図2】10%刻みの画像カバレッジ( %) について、
オフセットの発生頻度( 回) を示すグラフである。
【図3】トナー画像の光沢度差と、人間の視覚によるそ
の識別可能性との関係を調査する実験の結果を示すグラ
フである。
【図4】請求項1から請求項3に記載の発明の一実施形
態である画像形成装置を示す概略構成図である。
【図5】図4に示す画像形成装置で用いられる中間転写
体の拡大断面図及び表面の凸部を示す平面図である。
【図6】図4に示す画像形成装置によって形成された、
画像カバレッジ100 %のトナー画像の鏡面光沢度G(グ
ロス)と、凸部面積率(%)及び凸部高さh( μm) と
の関係を示すグラフである。
【図7】図4に示す画像形成装置において用いることが
できる他の中間転写体の拡大断面図及び表面の凸部を示
す平面図である。
【図8】図7に示す中間転写体を用いて転写定着され
た、画像カバレッジ100 %のトナー画像の鏡面光沢度G
と、凸部面積率(%)及び平坦部( 凹部) 表面の中心線
平均粗さRa(μm)との関係を示すグラフである。
【図9】図4に示す画像形成装置において用いることが
できる他の中間転写体の表面の凸部を示す平面図であ
る。
【図10】表面状態が異なる中間転写体を用いて形成さ
れたトナー画像の、鏡面光沢度Gと画像カバレッジ
(%)との関係を示すグラフである。
【図11】請求項7に係る発明の一実施形態である画像
形成装置を示す概略構成図である。
【図12】請求項4から請求項6に記載の発明の一実施
形態である定着装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 中間転写体 2 加熱ロー
ル 3 対向ロール 4 加熱板 5 駆動ロール 6a、6b
支持ロール 7 剥離部ロール 8 クリーニ
ングロール 9 感光体ドラム 10 画像形成
ユニット 11 帯電装置 12 現像装
置 13 転写帯電器 14 光走査
装置 15 用紙トレイ 16 フィー
ドロール 17 搬送ロール 18 搬送ベ
ルト 19 排紙トレイ 20、30
表面層 21、31 ベース層 41 表面層
の凸部 51 感光体ドラム 52 帯電装
置 53 光走査装置 54 回転式
現像装置 55 中間転写体 56 転写帯
電器 57 転写ロール 58 搬送ベ
ルト 59 定着装置 60 クリー
ニング装置 61 除電露光装置 62、63、64 ロール 71 定着部材 72 加熱ロ
ール 73 加圧ロール 74 剥離部
ロール 75 フィン付冷却部材 76 断熱材
フロントページの続き (72)発明者 松田 司 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 Fターム(参考) 2H032 AA02 BA09 BA18 BA21 BA23 2H033 AA10 BA11 BA12 BA15 BA29 BE09 2H035 CA07 CB03 2H078 AA01 BB01 CC06 DD47 DD51 DD57

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周面上にトナー像を担持し、該周面が
    周回移動するように駆動される像担持体と、 該像担持体に記録媒体を当接し、加熱及び加圧して前記
    トナー像を前記記録媒体上に転写するとともに、定着す
    る転写定着手段と、 前記像担持体と前記記録媒体とが密着した状態のまま前
    記トナー像を冷却する冷却部と、 前記像担持体に密着している記録媒体を剥離する剥離部
    とを有し、 前記像担持体の周面の状態が、 転写定着されたトナー像が前記像担持体に密着したまま
    冷却され、その後剥離されたトナー像の、日本工業規格
    Z8741に規定する75度鏡面光沢度Gと、 前記記録媒体に転写定着されたトナーが、溶融状態のま
    ま前記像担持体から剥離された場合のトナー像の、前記
    75度鏡面光沢度G' との関係が、画像カバレッジが3
    0%以下である全領域に対して、 |G−G' |≦10 となるように、設定されていることを特徴とする画像形
    成装置。
  2. 【請求項2】 前記像担持体の周面は、凸部がほぼ均
    等に分布するように形成されたものであることを特徴と
    する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記像担持体の周面の、凸部以外の平
    坦領域が粗面化されていることを特徴とする請求項2に
    記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 周回駆動され、トナー像が転写された
    記録媒体に当接される無端ベルトと、 前記記録媒体上のトナー像を加熱するとともに、該記録
    媒体のトナー転写面と前記無端ベルトとを重ね合わせて
    加圧する加熱加圧手段と、 前記無端ベルトと前記記録媒体とが密着した状態のまま
    前記トナー像を冷却する冷却部と、 前記無端ベルトに密着している記録媒体を剥離する剥離
    部とを有し、 前記無端ベルトの周面の状態が、 加熱加圧されたトナー像が前記無端ベルトに密着したま
    ま冷却され、その後剥離されたトナー像の、日本工業規
    格Z8741に規定する75度鏡面光沢度Gと、 前記記録媒体上のトナー像が加熱加圧され、溶融状態の
    まま前記無端ベルトから剥離された場合のトナー像の、
    前記75度鏡面光沢度G' との関係が、画像カバレッジ
    が30%以下の全領域に対して、 |G−G' |≦10 となるように設定されていることを特徴とする定着装
    置。
  5. 【請求項5】 前記無端ベルトの周面は、凸部がほぼ
    均等に分布するように形成されたものであることを特徴
    とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 【請求項6】 前記無端ベルトの凸部以外の平坦領域
    が粗面化されていることを特徴とする請求項5に記載の
    定着装置。
  7. 【請求項7】 トナーの選択的な付着によって可視像
    を形成するトナー像形成手段と、 形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、 請求項4から請求項6までのいずれかに記載の定着装置
    とを有することを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010223417A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Fuji Xerox Co Ltd 定着部材、定着装置、及び画像形成装置
US8831490B2 (en) 2012-03-07 2014-09-09 Fuji Xerox Co., Ltd. Endless belt for image-forming apparatus, endless belt unit, image-forming apparatus, and method for forming image

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