JP2001350127A - 半導体光変調器及びモノリシック集積半導体光素子 - Google Patents

半導体光変調器及びモノリシック集積半導体光素子

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JP2001350127A JP2000168402A JP2000168402A JP2001350127A JP 2001350127 A JP2001350127 A JP 2001350127A JP 2000168402 A JP2000168402 A JP 2000168402A JP 2000168402 A JP2000168402 A JP 2000168402A JP 2001350127 A JP2001350127 A JP 2001350127A
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孝之 山中
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関  俊司
Hiroaki Takeuchi
博昭 竹内
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洋 八坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光通信用に用いる場合においても優れた伝送特
性を有し、または内部損失の小さい、または駆動電子回
路を簡易化できる、または製造の容易な半導体光変調器
ならびにモノリシック集積半導体光素子を提供する。 【解決手段】面方位が{311}A面のn型InP半導
体基板101の上にEA−MD用MQW103を挟み込
んでn型InP102及びp型InP105を形成する
と共に、電圧印加用の裏面電極108及びEA−MD用
電極109を設ける。また、上記n型InP半導体基板
101の上に、DFB−LD用MQW104及びDFB
−LD用電極110が形成されてモノリシック集積半導
体光素子が構成される。上記EA−MD用MQW103
は、障壁層112及び井戸層113が交互に積層されて
形成される。そして、障壁層112に伸張歪を付与し、
且つ井戸層113に圧縮歪を付与している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板上に量
子井戸構造が形成されてなる半導体光変調器、並びにそ
の半導体光変調器を含むモノシリック集積半導体光素子
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術による、半導体電界吸収型光
変調器(以下、半導体光変調器をEA−MDと呼ぶ場合
がある)、及びその半導体光変調器を含むモノシリック
集積半導体光素子である分布帰還型半導体レーザーダイ
オード(以下、DFB−LDと呼ぶ場合がある)光素子
の例を図4(a)〜図4(c)に示す。図4(a)は上
記モノリシック集積半導体光素子の概観図(部分断面
図)、図4(b)はEA−MD部分の断面図、図4
(c)は図4(b)におけるMQW部分の拡大図であ
る。
【0003】図4中、符号401は面方位が{100}
面であるn型InP(導電型がn型であってInPから
なることを表す。以下の表現でも同様である)の半導体
基板を、符号402はn型InPを、符号403はEA
−MD用MQWを、符号404はDFB−LD用MQW
を、符号405はp型InPを、符号406はp型コン
タクト層を、符号407は半絶縁InPを、符号408
は裏面電極を、符号409はEA−MD用電極を、符号
410はDFB−LD用電極を、符号411は絶縁膜
を、それぞれ表している。すなわち、半導体基板401
の上に、EA−MD用MQW403を挟み込んでpn接
合402、405が形成されると共に、電圧印加用の電
極409、408が設けられている。また、上記EA−
MD用MQW403は、図4(c)に示すように、複数
の障壁層412と井戸層413とが交互に積層してなる
多重量子井戸構造となっている。
【0004】上記モノリシック集積半導体光素子では、
DFB−LDから出射された光線は、EA−MDの電極
に加えられた電気信号によりその強度が変調され、モノ
リシック集積半導体光素子の出力端より光信号として出
射される。ここで、EA−MDの光導波路を構成する半
導体層には通常、量子閉じこめシュタルク効果を利用す
るために上述のような多重量子井戸構造が用いられる。
【0005】また、上記モノリシック集積半導体光素子
中のEA−MD部分における印加電圧に対する光吸収特
性は、pn接合402、405の逆バイアス側に印加す
る電圧を大きくするにつれて、EA−MD内における光
吸収は増加する一方、光出力は減少するようになってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記EA−MD部分に
おいては、外部印加電圧が0ボルトの場合であっても、
MQW403にはpn接合402、405のビルトイン
電圧による内部電界が作用しており、この内部電界によ
って一定量の光吸収が発生している。この光吸収を減少
させて光信号ONの状態における光出力を増大させるた
めには、上記ビルトイン電圧を打ち消す順方向の電圧を
印加することが考えられる。しかし、順方向電圧を印加
すると、駆動電圧が両極性となったり、順方向電流が発
生させない程度に印加する順方向電圧を制御する必要が
あるなど、駆動電気回路が複雑になるという問題点があ
る。
【0007】また、上記モノリシック集積半導体光素子
を長距離光通信用に用いる場合には、光信号の強度変調
時の波長変動を意味するチャーピングを極力抑制する
か、光ファイバーの分散を補償する負のチャーピングを
発生させる必要がある。この場合、従来の対策として
は、次のような及びの手法が用いられている。 DFB−LDの波長とEA−MDの吸収端波長の差
(ディチューニング波長)を小さくする。
【0008】EA−MDに対しpn接合の逆バイアス
側にあらかじめ印加する直流バイアス電圧(プリバイア
ス)を大きくする。しかしながら、の手法では、ディ
チューニング波長の下限に限界があることから負のチャ
ーピングを有効に発生させることが困難であるという問
題がある。また、の手法では、EA−MDの変調信号
に直流バイアス電圧を重畳させるために、たとえばバイ
アスTと呼ばれる電気回路を別途使用しなければならな
いなど、光素子のコストアップや当該光素子を有するシ
ステムの大型化に繋がるといった問題がある。
【0009】さらに、従来の半導体光変調器では、光通
信用に用いる際その伝送特性を向上させるために、量子
井戸構造中の障壁層にバンドギヤップの小さい材料を使
用し、かつ伸張歪を内蔵させた量子井戸構造を採用する
ことがある(たとえばMatsuda他、IEEE P
HOTONICS TECHNOLOGY LETTE
RS、Vol.10、No.3、pp.364−366
を参照)。この場合、特に障壁層を構成する混晶半導体
層の材料としてInGaAsPを用いる場合には、その
熱力学的不安定性から組成変調、あるいは膜厚のうねり
が発生することがあり、素子の歩留まりを低下させる要
因となっていた。
【0010】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたものであり、光通信用に用いる場合においても
優れた伝送特性を有し、または内部損失の小さい、また
は駆動電子回路を簡易化できる半導体光変調器ならびに
モノリシック集積半導体光素子を提供することを課題と
している。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体光変調
器において閃亜鉛鉱構造の半導体による圧電効果を利用
して量子井戸構造の内部電界を所望の状態に調整するこ
とで、半導体光変調器を含むモノリシック集積半導体光
素子を用いたシステムの小型、低価格化を可能とする直
流バイアスの印加を必要としない半導体光変調器の提供
や、各種の光信号制御システム設計を容易にするためそ
の目的に応じ、信号電圧無印加時に光出力がゼロとなる
ノーマリーオフ動作の半導体光変調器、あるいは逆に信
号電圧無印加時における挿入損失が極力小さい半導体光
変調器などの提供を可能とするものである。
【0012】すなわち、上記課題を解決するために、請
求項1に記載した発明は、閃亜鉛鉱構造の半導体基板上
に量子井戸構造を形成してなる半導体光変調器におい
て、上記半導体基板の面方位を、{100}面から10
度以上80度以下の範囲で傾斜した面とし、且つ、上記
量子井戸構造中の井戸層に伸張歪及び圧縮歪の一方を付
与すると共に上記量子井戸構造中の障壁層に伸張歪及び
圧縮歪の他方を付与することを特徴とするものである。
【0013】次に、請求項2に記載した発明は、閃亜鉛
鉱構造の半導体基板上に量子井戸構造を形成してなる半
導体光変調器において、上記半導体基板の面方位を、
{x11}A面若しくは{x11}B面(但し、1≦x
≦5、x:整数)からプラスマイナス5度の範囲内にあ
る面とし、且つ、上記量子井戸構造中の井戸層に伸張歪
及び圧縮歪の一方を付与すると共に上記量子井戸構造中
の障壁層に伸張歪及び圧縮歪の他方を付与することを特
徴とするものである。
【0014】ここで、例えば{x11}A面からプラス
マイナス5度の範囲内にある面とは、{x11}A面及
び当該{x11}A面からプラスマイナス5度の範囲で
傾斜した面をいう。以下同様である。次に、請求項3に
記載した発明は、請求項2に記載した構成に対し、上記
半導体基板をIII −V族化合物半導体とし、その半導体
基板が導電性基板の場合には当該半導体基板の導電型を
n型とし、半導体基板が半絶縁性基板の場合には半導体
基板と量子井戸構造との間に介挿される半導体層の導電
型をn型とし、且つ、上記半導体基板の面方位を{x1
1}A面からプラスマイナス5度の範囲内にある面とす
ると共に、上記量子井戸構造の井戸層に圧縮歪を上記量
子移動構造の障壁層に伸張歪を付与したことを特徴とす
るものである。
【0015】次に、請求項4に記載した発明は、請求項
2に記載した構成に対し、上記半導体基板をIII −V族
化合物半導体とし、その半導体基板が導電性基板の場合
には当該半導体基板の導電型をn型とし、半導体基板が
半絶縁性基板の場合には半導体基板と量子井戸構造との
間に介挿される半導体層の導電型をn型とし、且つ、上
記半導体基板の面方位を{x11}B面からプラスマイ
ナス5度の範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸
構造の井戸層に伸張歪を上記量子井戸構造の障壁層に圧
縮歪を付与したことを特徴とするものである。
【0016】次に、請求項5に記載した発明は、請求項
2に記載した構成に対し、上記半導体基板をIII −V族
化合物半導体とし、その半導体基板が導電性基板の場合
には当該半導体基板の導電型をp型とし、半導体基板が
半絶縁性基板の場合には半導体基板と量子井戸構造との
間に介挿される半導体層の導電型をp型とし、且つ、上
記半導体基板の面方位を{x11}A面からプラスマイ
ナス5度の範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸
構造の井戸層に伸張歪を上記量子移動構造の障壁層に圧
縮歪を付与したことを特徴とするものである。
【0017】次に、請求項6に記載した発明は、請求項
2に記載した構成に対し、上記半導体基板をIII −V族
化合物半導体とし、その半導体基板が導電性基板の場合
には当該半導体基板の導電型をp型とし、半導体基板が
半絶縁性基板の場合には半導体基板と量子井戸構造との
間に介挿される半導体層の導電型をp型とし、且つ、上
記半導体基板の面方位を{x11}B面からプラスマイ
ナス5度の範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸
構造の井戸層に圧縮歪を上記量子移動構造の障壁層に伸
張歪を付与したことを特徴とするものである。
【0018】次に、請求項7に記載した発明は、請求項
2に記載した構成に対し、上記半導体基板をII−VI族化
合物半導体とし、その半導体基板が導電性基板の場合に
は当該半導体基板の導電型をn型とし、半導体基板が半
絶縁性基板の場合には半導体基板と量子井戸構造との間
に介挿される半導体層の導電型をn型とし、且つ、上記
半導体基板の面方位を{x11}A面からプラスマイナ
ス5度の範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸構
造の井戸層に伸張歪を上記量子移動構造の障壁層に圧縮
歪を付与したことを特徴とするものである。
【0019】次に、請求項8に記載した発明は、請求項
2に記載した構成に対し、上記半導体基板をII−VI族化
合物半導体とし、その半導体基板が導電性基板の場合に
は当該半導体基板の導電型をn型とし、半導体基板が半
絶縁性基板の場合には半導体基板と量子井戸構造との間
に介挿される半導体層の導電型をn型とし、且つ、上記
半導体基板の面方位を{x11}B面からプラスマイナ
ス5度の範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸構
造の井戸層に圧縮歪を上記量子移動構造の障壁層に伸張
歪を付与したことを特徴とするものである。
【0020】次に、請求項9に記載した発明は、請求項
2に記載した構成に対し、上記半導体基板をII−VI族化
合物半導体とし、その半導体基板が導電性基板の場合に
は当該半導体基板の導電型をp型とし、半導体基板が半
絶縁性基板の場合には半導体基板と量子井戸構造との間
に介挿される半導体層の導電型をp型とし、且つ、上記
半導体基板の面方位を{x11}A面からプラスマイナ
ス5度の範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸構
造の井戸層に圧縮歪を上記量子移動構造の障壁層に伸張
歪を付与したことを特徴とするものである。
【0021】次に、請求項10に記載した発明は、請求
項2に記載した構成に対し、上記半導体基板をII−VI族
化合物半導体とし、その半導体基板が導電性基板の場合
には当該半導体基板の導電型をp型とし、半導体基板が
半絶縁性基板の場合には半導体基板と量子井戸構造との
間に介挿される半導体層の導電型をp型とし、且つ、上
記半導体基板の面方位を{x11}B面からプラスマイ
ナス5度の範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸
構造の井戸層に伸張歪を上記量子移動構造の障壁層に圧
縮歪を付与したことを特徴とするものである。
【0022】次に、請求項11に記載した発明は、請求
項2に記載した構成に対し、上記半導体基板をIII −V
族化合物半導体とし、その半導体基板が導電性基板の場
合には当該半導体基板の導電型をn型とし、半導体基板
が半絶縁性基板の場合には半導体基板と量子井戸構造と
の間に介挿される半導体層の導電型をn型とし、且つ、
上記半導体基板の面方位を{x11}A面からプラスマ
イナス5度の範囲内にある面とすると共に、上記量子井
戸構造の井戸層に伸張歪を上記量子移動構造の障壁層に
圧縮歪を付与したことを特徴とするものである。
【0023】次に、請求項12に記載した発明は、請求
項2に記載した構成に対し、上記半導体基板をIII −V
族化合物半導体とし、その半導体基板が導電性基板の場
合には当該半導体基板の導電型をn型とし、半導体基板
が半絶縁性基板の場合には半導体基板と量子井戸構造と
の間に介挿される半導体層の導電型をn型とし、且つ、
上記半導体基板の面方位を{x11}B面からプラスマ
イナス5度の範囲内にある面とすると共に、上記量子井
戸構造の井戸層に圧縮歪を上記量子移動構造の障壁層に
伸張歪を付与したことを特徴とするものである。
【0024】次に、請求項13に記載した発明は、請求
項2に記載した構成に対し、上記半導体基板をIII −V
族化合物半導体とし、その半導体基板が導電性基板の場
合には当該半導体基板の導電型をp型とし、半導体基板
が半絶縁性基板の場合には半導体基板と量子井戸構造と
の間に介挿される半導体層の導電型をp型とし、且つ、
上記半導体基板の面方位を{x11}A面からプラスマ
イナス5度の範囲内にある面とすると共に、上記量子井
戸構造の井戸層に圧縮歪を上記量子移動構造の障壁層に
伸張歪を付与したことを特徴とするものである。
【0025】次に、請求項14に記載した発明は、請求
項2に記載した構成に対し、上記半導体基板をIII −V
族化合物半導体とし、その半導体基板が導電性基板の場
合には当該半導体基板の導電型をp型とし、半導体基板
が半絶縁性基板の場合には半導体基板と量子井戸構造と
の間に介挿される半導体層の導電型をp型とし、且つ、
上記半導体基板の面方位を{x11}B面からプラスマ
イナス5度の範囲内にある面とすると共に、上記量子井
戸構造の井戸層に伸張歪を上記量子移動構造の障壁層に
圧縮歪を付与したことを特徴とするものである。
【0026】次に、請求項15に記載した発明は、請求
項2に記載した構成に対し、上記半導体基板をII−VI族
化合物半導体とし、その半導体基板が導電性基板の場合
には当該半導体基板の導電型をn型とし、半導体基板が
半絶縁性基板の場合には半導体基板と量子井戸構造との
間に介挿される半導体層の導電型をn型とし、且つ、上
記半導体基板の面方位を{x11}A面からプラスマイ
ナス5度の範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸
構造の井戸層に圧縮歪を上記量子移動構造の障壁層に伸
張歪を付与したことを特徴とするものである。
【0027】次に、請求項16に記載した発明は、請求
項2に記載した構成に対し、上記半導体基板をII−VI族
化合物半導体とし、その半導体基板が導電性基板の場合
には当該半導体基板の導電型をn型とし、半導体基板が
半絶縁性基板の場合には半導体基板と量子井戸構造との
間に介挿される半導体層の導電型をn型とし、且つ、上
記半導体基板の面方位を{x11}B面からプラスマイ
ナス5度の範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸
構造の井戸層に伸張歪を上記量子移動構造の障壁層に圧
縮歪を付与したことを特徴とするものである。
【0028】次に、請求項17に記載した発明は、請求
項2に記載した構成に対し、上記半導体基板をII−VI族
化合物半導体とし、その半導体基板が導電性基板の場合
には当該半導体基板の導電型をp型とし、半導体基板が
半絶縁性基板の場合には半導体基板と量子井戸構造との
間に介挿される半導体層の導電型をp型とし、且つ、上
記半導体基板の面方位を{x11}A面からプラスマイ
ナス5度の範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸
構造の井戸層に伸張歪を上記量子移動構造の障壁層に圧
縮歪を付与したことを特徴とするものである。
【0029】次に、請求項18に記載した発明は、請求
項2に記載した構成に対し、上記半導体基板をII−VI族
化合物半導体とし、その半導体基板が導電性基板の場合
には当該半導体基板の導電型をp型とし、半導体基板が
半絶縁性基板の場合には半導体基板と量子井戸構造との
間に介挿される半導体層の導電型をp型とし、且つ、上
記半導体基板の面方位を{x11}B面からプラスマイ
ナス5度の範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸
構造の井戸層に圧縮歪を上記量子移動構造の障壁層に伸
張歪を付与したことを特徴とするものである。
【0030】次に、請求項19に記載した発明は、請求
項3〜請求項10のいずれかに記載した構成に対し、上
記量子井戸構造が半導体pn接合のp層とn層との間に
介挿されると共に、上記pn接合に電圧を印加する電極
を有する半導体光変調器において、上記pn接合の順方
向側に電圧を印加して動作させることを特徴とするもの
である。
【0031】次に、請求項20に記載した発明は、請求
項1〜請求項19のいずれかに記載の半導体光変調器を
含むことを特徴とするモノシリック集積半導体光素子を
提供するものである。 [作用]通常、半導体光変調器を形成する半導体基板の
面方位としては{100}面が使用されているため、結
晶に歪が加えられても対称性により圧電効果による内部
電界は発生しない。
【0032】これに対し、本発明は、いずれも半導体基
板として{100}面から面方位を傾けた傾斜半導体基
板を採用しているので、結晶層中の歪みにより剪断応力
成分が作用し、大きな内部電界が発生する。そして、井
戸層と障壁層とが相互に反対方向の歪を持った歪量子井
戸構造を採用することで、当該反対方向の歪による剪断
応力が初期応力として歪量子井戸構造中の井戸層と障壁
層に与えられて、上記圧電効果による内部電界がより有
効に発生し、その圧電効果による内部電界が光変調器の
特性向上に寄与する。
【0033】この圧電効果による内部電界の向き及び大
きさを調整することで、ビルトイン電圧を打ち消すこと
が可能になるなど、半導体光変調器のゼロバイアス時に
おける内部電界が所望の状態に調整可能となり、直流バ
イアスを印加しなくても所望の内部電界を得ることが可
能となる。上記圧電効果による内部電界は、半導体基板
の面方位及び井戸層及び障壁層に与える歪の方向及び大
きさを変更することで、調整が可能である。したがっ
て、例えばp層とn層との間に量子井戸構造を介挿した
構造を想定すると、半導体光変調器のチャーピング特性
を向上させるため、あるいはノーマリーオフ動作の半導
体光変調器を得るためには、内部電界を増強させる方向
に、また、逆に信号電圧無印加時における挿入損失を低
減させる場合には、内部電界を削減するように、上記半
導体基板の面方位と歪の方向を決定すれば良い。
【0034】そして、請求項3〜請求項19のいずれか
の発明の半導体光変調器を採用することで、半導体基板
側から量子井戸構造側に向かう内部電界、若しくは量子
井戸構造側から半導体基板側に向かう内部電界を、圧電
効果によって有効に付与可能となる。すなわち、量子井
戸構造を半導体pn接合のp層とn層との間に介挿した
場合に、上記請求項3〜請求項10うちのいずれかの一
つの発明を採用すると、圧電効果によって内部電界を増
強する方向に調整可能となり、半導体光変調器のチャー
ピング特性を向上させたり、あるいはノーマリーオフ動
作の半導体光変調器を得ることが可能となる。
【0035】特に、請求項19の発明の場合には、ノー
マリーオフ動作の半導体光変調器を得ることが可能とな
る。また、量子井戸構造を半導体pn接合のp層とn層
との間に介挿した場合に、上記請求項11〜請求項18
のいずれかの発明の半導体光変調器を採用することで、
圧電効果によって内部電界を減少する方向に調整可能と
なり、信号電圧無印加時における内部損失を低減させる
ことが可能となる。
【0036】また、量子井戸構造を半導体のp層とp層
との間若しくはn層とn層との間にに介挿した場合に、
上記請求項3〜請求項10うちのいずれかの一つの発明
を採用すると、圧電効果によって、半絶縁性基板と量子
井戸構造との間に介挿される半導体層がn型の場合若し
くは半導体基板の導電型がn型の場合には、半導体基板
側から量子井戸構造側に向かう内部電界を付与可能とな
る。また、半絶縁性基板と量子井戸構造との間に介挿さ
れる半導体層がp型の場合若しくは半導体基板の導電型
がp型の場合には、量子井戸構造側から半導体基板側に
向かう内部電界を付与可能となる。
【0037】また、量子井戸構造を半導体のp層とp層
との間若しくはn層とn層との間にに介挿した場合に、
上記請求項11〜請求項18のいずれかの発明を採用す
ることで、圧電効果によって、半絶縁性基板と量子井戸
構造との間に介挿される半導体層がp型の場合若しくは
半導体基板の導電型がp型の場合には、半導体基板側か
ら量子井戸構造側に向かう内部電界を付与可能となり、
また、半絶縁性基板と量子井戸構造との間に介挿される
半導体層がn型の場合若しくは半導体基板の導電型がn
型の場合には、量子井戸構造側から半導体基板側に向か
う内部電界を付与可能となる。
【0038】ここで、請求項3〜請求項10の発明と、
請求項11〜請求項18の発明とは、内部電界の調整方
向が逆となるので、設定する印加電圧や他の諸条件で一
方の組の発明を採用すればよい。さらに、請求項4、請
求項5、請求項7、及び請求項10のいずれかの発明に
あって、半導体光変調器を動作させるための印加電圧の
向きが内部電界を大きくする方向である場合には、当該
印加電圧の圧電効果による新たな歪が半導体基板に発生
し、この新たな歪によって量子井戸構造中の井戸層を構
成する半導体のバンドギャップが小さい方向にシフト
(レッドシフト)する。これによって、半導体光変調器
の動作における量子閉じ込めシュタルク効果(QCS
E)によるエキシトン吸収ピークのレッドシフトと同方
向に働くことから、半導体光変調器の駆動電圧が低減す
る。
【0039】一方、請求項4、請求項5、請求項7、及
び請求項10のいずれかの発明にあって、半導体光変調
器を動作させるための印加電圧の向きが内部電界を小さ
くする方向である場合には、当該印加電圧の圧電効果に
よる新たな歪が半導体基板に発生し、この新たな歪によ
って量子井戸構造中の井戸層を構成する半導体のバンド
ギャップが大きい方向にシフト(ブルーシフト)する。
これによって、半導体光変調器のノーマリオフ動作にお
ける量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)によるエ
キシトン吸収ピークのブルーシフトと同方向に働くこと
から、半導体光変調器の駆動電圧が低減する。
【0040】このように、請求項4、請求項5、請求項
7、及び請求項10のいずれかの発明にあっては、印加
電圧による圧電効果によって半導体光変調器の駆動電圧
が低減する。また、請求項12、請求項13、請求項1
5、及び請求項18のいずれかの発明にあっては、半導
体光変調器を動作させるための印加電圧の向きが内部電
界を大きくする方向である場合には、当該印加電圧の圧
電効果による新たな歪が半導体基板に発生し、この新た
な歪によって量子井戸構造中の井戸層を構成する半導体
のバンドギャップが小さい方向にシフト(レッドシフ
ト)する。これによって、半導体光変調器の動作におけ
る量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)によるエキ
シトン吸収ピークのレッドシフトと同方向に働くことか
ら、半導体光変調器の駆動電圧が低減する。
【0041】また、本発明においては、素子の半導体基
板として面方位が{100}面から傾斜した傾斜半導体
基板を採用しているが、当該傾斜半導体基板は、{10
0}面に比べ表面のステップ密度が高いために、結晶成
長時において表面エネルギーが高い面に結晶原料が搬送
されることとなり、結晶表面における結晶原料のマイグ
レーションが抑制される。この結果、従来問題となって
いた組成変調、あるいは膜厚のうねりを抑制することが
可能となり、歩留まり向上に繋がる。
【0042】特に、{311}面や{411}面等の高
指数面を用いた場合には、{100}面上の成長以上に
界面が平坦な量子井戸構造が形成可能であることも報告
されており、高指数面を採用することで高品質な量子井
戸の形成が可能となる。ここで、請求項1において、傾
きを10度以上80度以下としているのは、10度以上
に設定することで上記作用が確実に得ることができるた
めであり、また、80度を超えると、後述のように発生
する電界の方向が本発明における有効な向きではなくな
り、上記作用を得ることができなくなるおそれがあるか
らである。
【0043】また、請求項2において、{x11}A面
若しくは{x11}B面(但し、1≦x≦5、x:整
数)からプラスマイナス5度の範囲としているのは、当
該範囲で良質な結晶層を得ることができるためである。
なお、上記圧電効果の{100}面からの傾斜角による
依存性は、{100}面から傾斜角が大きくなるにつれ
て効果が大きくなって、55度付近({111}面近
傍)で最大となり、一方、傾斜角度が当該55度付近か
ら90度に向けて大きくなるにつれて、発生する電界の
方向が結晶面に垂直な方向から水平な方向に向けて徐々
に変化するため、当該効果は小さくなる。従って、圧電
効果を有効に作用させる点だけに着目すれば、面方位を
{111}面近傍、つまり{111}A面若しくは{1
11}B面からプラスマイナス5度の範囲とすることが
好ましい。一方、品質を高めるという点からは、上述の
ように、面方位を、{x11}A面若しくは{x11}
B面(但し、2≦x≦5、x:整数)からプラスマイナ
ス5度の範囲の面とすることが好ましい。
【0044】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]次に、本発明の
実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1
(a)は本実施形態に係るモノリシック集積半導体光素
子の概観図(部分断面図)、図1(b)はEA−MD部
分の断面図、図1(c)は図1(b)におけるMQW部
分の拡大図である。
【0045】本実施形態は、本発明に係る半導体光変調
器、及びその半導体光変調器を含む集積半導体光素子の
一例を示すもので、半導体光変調器を含むモノリシック
集積半導体光素子として、本発明のEA−MD及DFB
−LDの集積により光素子を実現した場合の例である。
すなわち、図1に示すように、面方位を{311}A面
に設定したn型InPからなる半導体基板101上に、
EA−MD用MQW103を間に挟んでpn接合である
n型InP102及びp型InP105を形成すると共
に、上記EA−MD用MQW103に電界を掛ける裏面
電極108及びEA−MD用電極109からなる電圧印
加用の電極が設けられている。また、上記n型InP半
導体基板101の上に、DFB−LD用MQW104及
びDFB−LD用電極110が形成されてモノリシック
集積半導体光素子が構成されている。、なお、符号10
6はp型コンタクト層を、符号107は半絶縁性のIn
Pを、符号111は絶縁膜を表している。
【0046】上記EA−MD用MQW103は、図1
(c)に示すように、複数の障壁層112及び井戸層1
13が交互に積層されて形成されている。この障壁層1
12及び井戸層113は、それぞれInP、InGaA
s、InGaAsP、AlInAs、AlInGaA
s、AlInGaAsP、InGaAsSb、AlIn
AsSb、AlGaAsSb、AlGaInAsSbの
いずれかの材料から形成されている。そして、本実施形
態では、障壁層112に伸張歪を付与し、且つ井戸層1
13に圧縮歪を付与している。
【0047】次に、上記構成による動作や作用効果等に
ついて説明する。上記モノリシック集積半導体光素子
は、半導体基板101の面方位を{100}面から傾斜
した{311}A面に設定することで、結晶中の歪が剪
断応力成分を発生し、大きな内部電界が発生可能となっ
ている。そして、障壁層112に伸張歪を且つ井戸層に
圧縮歪を付与することで、当該歪量や{100}面から
の面方位の傾斜に応じた内部電界が井戸層113内に有
効に発生する。このとき、上記半導体基板101をn型
InPを用いて構成していることから、EA−MD用M
QW103を構成する井戸層113内には、圧電効果に
よりpn接合に逆バイアス電圧を印加した場合と同方向
の内部電界が発生し、これによってゼロバイアス時にお
ける井戸層113での内部電界が増強する。
【0048】この結果、本実施形態のモノリシック集積
半導体光素子においては、従来の光素子のEA−MD部
にプリバイアスを印加した場合と同様の効果がゼロバイ
アス時において得ることができ、直流バイアス電圧の印
加を行わなくとも長距離光信号伝送特性に適したチャー
ピング特性を有するモノリシック集積半導体光素子とな
る。つまり、直流バイアスの印加を必要とすることな
く、伝送特性を向上させるので、上記モノリシック集積
半導体光素子を用いたシステムの小型、低価格化を図る
ことができる。
【0049】さらに、半導体基板101の面方位が{1
00}面から傾斜していることから、{100}面に比
べ表面のステップ密度が高いため、結晶成長時において
表面エネルギーが高い面に結晶原料が搬送されることに
なり、結晶表面における結晶原料のマイグレーションが
抑制される。この結果、組成変調、あるいは膜厚のうね
りを抑制される結果、歩留まり向上に繋がる。
【0050】特に、本実施形態では、高指数面である
{311}A面を用いているので、{100}面上の成
長以上に界面が平坦な量子井戸構造が形成可能となり、
高品質な量子井戸構造の形成が可能となる。すなわち、
本実施形態の半導体光変調器、及び当該半導体光変調器
を含む集積光半導体素子の製造が容易となる。
【0051】なお、面方位は{111}A面、{21
1}A面、{411}A面、又は{511}A面であっ
ても良い。但し、面方位が{111}A面である場合に
は、{x11}A面(xは2〜5の整数)の場合に比べ
て圧電効果は大きいものの品質が劣る。ここで、本実施
形態では、面方位が{x11}A面で導電型がn型のII
I −V族半導体基板(xは1〜5の整数)、かつ圧縮歪
を有する井戸層と伸張歪を有する障壁層を用いている
が、次の(1)〜(3)いずれかの組み合わせにおいて
も、圧電効果によって井戸層内の内部電界が増強するな
ど、上記と同様な作用効果を得ることができる。
【0052】(1)面方位が{x11}A面で導電型が
p型のIII −V族半導体基板で、かつ伸張歪を有する井
戸層と圧縮歪を有する障壁層(xは1〜5の整数) (2)面方位が{x11}B面で導電型がn型のIII −
V族半導体基板かつ伸張歪を有する井戸層と圧縮歪を有
する障壁層(xは1〜5の整数) (3)面方位が{x11}B面で導電型がp型のIII −
V族半導体基板かつ圧縮歪を有する井戸層と伸張歪を有
する障壁層(xは1〜5の整数) また、半導体基板としてII−VI族化合物半導体を採用す
る場合には、次の(4)〜(7)いずれかの組み合わせ
によって、圧電効果によって井戸層内の内部電界が増強
するなど、上記と同様な作用効果を得ることができる。
【0053】(4)面方位が{x11}A面で導電型が
n型の半導体基板かつ伸張歪を有する井戸層と圧縮歪を
有する障壁層(xは1〜5の整数) (5)面方位が{x11}B面で導電型がn型の半導体
基板かつ圧縮歪を有する井戸層と伸張歪を有する障壁層
(xは1〜5の整数) (6)面方位が{x11}A面で導電型がp型の半導体
基板かつ圧縮歪を有する井戸層と伸張歪を有する障壁層
(xは1〜5の整数) (7)面方位が{x11}B面で導電型がp型の半導体
基板かつ伸張歪を有する井戸層と圧縮歪を有する障壁層
(xは1〜5の整数) このとき、上記(1)、(2)、(4)、(7)のいず
れかの構成を採用した場合には、上述の作用・効果とは
別に、印加電圧による圧電効果によって半導体光変調器
の駆動電圧を低減できるという効果も発生する。 [第2実施形態]次に、本発明の第2実施形態について
図面を参照しつつ説明する。
【0054】図2(a)は本実施形態に係るモノリシッ
ク集積半導体光素子の概観図(平面図)、図2(b)は
EA−MD部分の断面図、図2(c)は図2(b)にお
けるMQW部分の拡大図である。本実施形態は、本発明
に基づく半導体光変調器を用いたモノリシック集積半導
体光素子の一実施例を示すもので、本発明のEA−MD
及び、そのEA−MDと半導体アレイ導波路型分光器
(AWG)と半導体光増幅器(SOA)の集積により実
現するモノリシック集積半導体光素子を例にしたもので
ある。
【0055】このモノリシック集積半導体光素子は、分
光機能を有する2個のAWG250間にEA−MD22
0を挿入することにより、波長多重光信号中の任意の波
長を有する信号を選択的に抜き出す波長セレクタを半導
体基板201上に実現したものである。同様な構成の従
来のモノリシック集積半導体光素子と異なる点は、EA
−MD220の動作が順バイアス電圧を印加した場合に
はじめて光信号がONとなる、いわゆるノーマリーオフ
動作となっている点にある。
【0056】そのEA−MD220は、半導体基板の面
方位以外は上記第1実施形態と同様な構成となってい
て、面方位を{111}A面から{100}方向に2度
傾斜するように設定したn型InP半導体基板201の
上に、EA−MD用MQW203を挟み込んでn型In
P202及びp型InP205を形成すると共に、上記
EA−MD用MQW203に電界を掛ける裏面電極20
8及びEA−MD用電極209からなる電圧印加用の電
極が設けられている。
【0057】なお、符号230はSOA、符号240は
半導体導波路、符号250はAWGである。また、符号
106はp型コンタクト層を、符号107は半絶縁In
Pを、符号111は絶縁膜を表している。上記EA−M
D用MQW203は、図2(c)に示すように、障壁層
212及び井戸層213が交互に積層されて形成されて
いる。この障壁層212及び井戸層213は、それぞれ
InP、InGaAs、InGaAsP、AlInA
s、AlInGaAs、AlInGaAsP、InGa
AsSb、AlInAsSb、AlGaAsSb、Al
GaInAsSbのいずれかの材料から形成されてい
る。そして、本実施形態では、障壁層212に伸張歪を
付与し、且つ井戸層213に圧縮歪を付与している。
【0058】次に、本実施形態の作用・効果等について
説明する。半導体器半導体基板201として面方位が
{111}A面近傍のn型InP半導体基板を採用し且
つ障壁層112に伸張歪を井戸層113に圧縮歪を与え
ているために、圧縮歪を有する井戸層213内には、圧
電効果によって、pn接合に逆バイアス電圧を印加した
場合と同方向の内部電界が発生する。但し、本実施形態
では、{111}A面近傍の面方位を有する半導体基板
を用いているので第1実施形態に比べ、より大きな圧電
効果による内部電界が発生する。
【0059】これによって、従来のモノリシック集積半
導体光素子のEA−MD220に光信号OFFに相当す
る逆バイアス電圧を印加した場合と同様の効果がゼロバ
イアス時において得られる。この結果、pn接合の順方
向側に電圧を印加して動作させるように構成すること
で、ゼロバイアス時に光信号がOFFとなり、順バイア
ス電圧を印加した場合に光信号がONとなる、ノーマリ
ーオフ動作のEA−MD220が実現される。
【0060】さらに、従来のモノリシック集積半導体光
素子においては、N数の波長多重信号から1波長を取り
出す場合に(N−1)個のEA−MDに逆バイアス電圧
を印加する必要があったが、本実施形態のモノリシック
集積半導体光素子では、1個のEA−MD220に順バ
イアス電圧を印加する動作に置き換えることができ、消
費電力の低減に寄与することができる。
【0061】また、電気回路、あるいはモノリシック集
積半導体光素子内に障害が発生した場合、従来のモノリ
シック集積半導体光素子では、N数の波長多重信号がそ
のまま出力されて次段の通信システムに悪影響を与える
可能性があったのに対し、本実施形態におけるモノリシ
ック集積半導体光素子では、ノーマリーオフ動作により
信号が遮断されるために次段の通信システムヘの影響が
小さいという利点も有する。ここで、本実施形態では簡
単のために4波長入力のモノリシック集積半導体光素子
としたが、波長多重数が増すにつれ、上記利点は飛躍的
に増大する。
【0062】他の作用・効果は上記第1実施形態と同様
である。ここで、本実施形態では、面方位が{x11}
A面で導電型がn型のIII −V族半導体基板(xは1〜
5の整数)、かつ圧縮歪を有する井戸層と伸張歪を有す
る障壁層を用いているが、次の(1)〜(3)いずれか
の組み合わせにおいても、圧電効果によって井戸層内の
内部電界が増強するなど、上記と同様な作用効果を得る
ことができる。
【0063】(1)面方位が{x11}A面で導電型が
p型のIII −V族半導体基板かつ伸張歪を有する井戸層
と圧縮歪を有する障壁層(xは1〜5の整数) (2)面方位が{x11}B面で導電型がn型のIII −
V族半導体基板かつ伸張歪を有する井戸層と圧縮歪を有
する障壁層(xは1〜5の整数) (3)面方位が{x11}B面で導電型がp型のIII −
V族半導体基板かつ圧縮歪を有する井戸層と伸張歪を有
する障壁層(xは1〜5の整数) また、半導体基板としてII−VI族化合物半導体を採用す
る場合には、次の(4)〜(7)いずれかの組み合わせ
によって、圧電効果によって井戸層内の内部電界が増強
するなど、上記と同様な作用効果を得ることができる。
【0064】(4)面方位が{x11}A面で導電型が
n型の半導体基板かつ伸張歪を有する井戸層と圧縮歪を
有する障壁層(xは1〜5の整数) (5)面方位が{x11}B面で導電型がn型の半導体
基板かつ圧縮歪を有する井戸層と伸張歪を有する障壁層
(xは1〜5の整数) (6)面方位が{x11}A面で導電型がp型の半導体
基板かつ圧縮歪を有する井戸層と伸張歪を有する障壁層
(xは1〜5の整数) (7)面方位が{x11}B面で導電型がp型の半導体
基板かつ伸張歪を有する井戸層と圧縮歪を有する障壁層
(xは1〜5の整数) このとき、上記(1)、(2)、(4)、(7)のいず
れかの構成を採用した場合には、上述の作用・効果とは
別に、印加電圧による圧電効果によって半導体光変調器
の駆動電圧を低減できるという効果も発生する。
【0065】[第3実施形態]次に、本発明に係る第3
実施形態について図面を参照しつつ説明する。図3
(a)は本実施形態に係るモノリシック集積半導体光素
子の概観図(部分断面図)、図3(b)はEA−MD部
分の断面図、図3(c)は図3(b)におけるMQW部
分の拡大図である。
【0066】本実施形態は、本発明に基づく半導体光変
調器を用いたモノリシック集積半導体光素子の一実施例
を示すもので、本発明のEA−MDと半導体光増幅器
(SOA)の集積によりモノリシック集積半導体光素子
を実現する場合の例である。このモノリシック集積半導
体光素子は、分岐、合流回路を形成する半導体導波路3
40にEA−MD320を挿入することにより、空間型
光スイッチを半導体半導体基板301上に実現したもの
である。同様な構成の従来のモノリシック集積半導体光
素子と異なる点はEA−MD320内における損失を低
減している点にある。
【0067】そのEA−MD320は、面方位を{31
1}B面に設定したn型InPからなる半導体基板30
1の上に、EA−MD用MQW303を挟み込んでn型
InP302及びp型InP305を形成すると共に、
上記EA−MD用MQW303に電界を掛ける裏面電極
808及びEA−MD用電極309からなる電圧印加用
の電極が設けられている。
【0068】なお、符号330はSOA、符号340は
半導体導波路である。また、符号306はp型コンタク
ト層を、符号307は半絶縁InPを、符号311は絶
縁膜を表している。上記EA−MD用MQW303は、
図3(c)に示すように、複数の障壁層312及び井戸
層313が交互に積層されて形成されている。この障壁
層312及び井戸層313は、それぞれInP、InG
aAs、InGaAsP、AlInAs、AlInGa
As、AlInGaAsP、InGaAsSb、AlI
nAsSb、AlGaAsSb、AlGaInAsSb
のいずれかの材料から形成されている。そして、本実施
形態では、障壁層312に伸張歪を付与し、且つ井戸層
313に圧縮歪を付与している。
【0069】次に、本実施形態の作用・効果等について
説明する。本実施形態のモノリシック集積半導体光素子
の半導体光変調器では、面方位を{311}B面とした
n型InP半導体基板301上を用いて構成し、障壁層
312に伸張歪を井戸層313に圧縮歪を与えること
で、EA−MD用MQW303の井戸層313内には、
圧電効果によってpn接合に順バイアス電圧を印加した
場合と同方向の内部電界が発生する。
【0070】これによって、上記第1及び第2実施形態
とは異なり、本実施形態ではpn接合のビルトイン電圧
に起因する内部電界を打ち消しているか小さくしてい
る。なお、例えば圧縮歪や伸張歪を調整することで圧電
効果の内部電界の絶対値をビルトイン電圧の絶対値と等
しくすることができる。これによって、本実施形態のモ
ノリシック集積半導体光素子では、従来の素子において
光信号ONのゼロバイアス時において発生していたEA
−MD内の損失を低減することができる。
【0071】なお、本実施形態では、簡単のために2入
力2出力の光スイッチとしたが、入出力が増すにつれ経
路に挿入されるEA−MD数は大幅に増えることから上
記利点は飛躍的に増大する。ここで、本実施形態では、
当該内部電界を大きくする方向に印加電圧を掛けること
で、半導体光変調器の駆動電圧を低減することができ
る。これは、後述の(3)、(5)及び(6)のいずれ
かの構成を採用した場合にも発生する。
【0072】また、本実施例では面方位が{x11}B
面で導電型がn型のIII −V族半導体基板(xは1〜5
の整数)、かつ圧縮歪を有する井戸層と伸張歪を有する
障壁層を用いているが、同様の効果は次の(1)〜
(3)のいずれかの組み合わせにおいても実現される。 (1)面方位が{x11}B面で導電型がp型のIII −
V族半導体基板かつ伸張歪を有する井戸層と圧縮歪を有
する障壁層(xは1〜5の整数) (2)面方位が{x11}A面で導電型がn型のIII −
V族半導体基板かつ伸張歪を有する井戸層と圧縮歪を有
する障壁層(xは1〜5の整数) (3)面方位が{x11}A面で導電型がp型のIII −
V族半導体基板かつ圧縮歪を有する井戸層と伸張歪を有
する障壁層(xは1〜5の整数) また、半導体基板としてII−VI族化合物半導体を採用す
る場合には、次の(4)〜(7)のいずれかの組み合わ
せによって、上記と同様な作用効果を得ることができ
る。
【0073】(4)面方位が{x11}A面で導電型が
p型の半導体基板かつ伸張歪を有する井戸層と圧縮歪を
有する障壁層(xは1〜5の整数) (5)面方位が{x11}B面で導電型がp型の半導体
基板かつ圧縮歪を有する井戸層と伸張歪を有する障壁層
(xは1〜5の整数) (6)面方位が{x11}A面で導電型がn型の半導体
基板かつ圧縮歪を有する井戸層と伸張歪を有する障壁層
(xは1〜5の整数) (7)面方位が{x11}B面で導電型がn型の半導体
基板かつ伸張歪を有する井戸層と圧縮歪を有する障壁層
(xは1〜5の整数) ここで、上記全ての実施形態では、半導体基板101、
201、301の面方位を{x11}A面若しくは{x
11}B面(xは1〜5の整数)としているが、面方位
を、当該面からプラスマイナス5度の範囲で傾斜した面
としても同じ効果を得ることができる。
【0074】また、上述した全ての実施形態では、半導
体基板101、201、301の面方位を{x11}A
面若しくは{x11}B面(xは1〜5の整数)又はそ
の近傍の面とすることで、面方位を{100}面から傾
斜させた傾斜半導体基板としているが、面方位を{10
0}面から10度以上80度以下の範囲で傾斜させるこ
とで、半導体基板を傾斜半導体基板として、上記各作用
効果を得るようにしても良い。但し、{311}面や
{411}面等の高指数面を用いる方が、界面が平坦な
量子井戸構造が形成されて、高品位な量子井戸構造の形
成が可能となる。
【0075】また、上記全実施形態では、量子井戸構造
を半導体pn接合のp層とn層とで挟み込んで、つまり
p層とn層との間に量子井戸構造を介挿する構造の半導
体光変調器の場合で説明しているが、これに限定されな
い。例えば、量子井戸構造をn層とn層との間に介挿し
たり、量子井戸構造をp層とp層との間に介挿した構造
の半導体光変調器に対して本発明を適用しても良い。こ
の場合であっても、量子井戸構造中の内部電界を、直流
バイアス電圧の印加等を行うことなく調整可能となる。
【0076】また、上記実施形態では、半導体基板が1
01、201、301が半導体半導体基板の場合で説明
しているが、半導体基板が半絶縁性基板(導電型が半絶
縁の場合)に場合には、当該半導体基板と量子井戸構造
との間に介挿される半導体層の導電型がn型のときに
は、半導体基板の導電型がn型と同様な作用を、当該半
導体基板と量子井戸構造との間に介挿される半導体層の
導電型がp型のときには、半導体基板の導電型がp型と
同様な作用を得ることができる。
【0077】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、直流バイアス電圧の印加などを行わなくても、圧電
効果による内部電界によって、半導体光変調器の井戸層
での内部電界を、当該半導体光変調器を含むモノリシッ
ク集積半導体光素子の用途に応じた所望の状態に設定で
きるという効果がある。このことは、装置の小型化、低
価格化及び構成の簡略化に繋がる。
【0078】また、半導体基板の面方位を{100}面
から傾斜した構造を用いることにより、量子井戸構造中
における組成変調、あるいは膜厚のうねりを抑制するこ
とが可能となる。この結果、半導体光変調器並びに当該
半導体光変調器を含むモノリシック集積半導体光素子の
品質が向上する。このとき、pn接合のp層とn層の間
に量子井戸構造を介挿させる構造の半導体光変調器に対
して、請求項11〜請求項18のいずれかに係る発明を
採用すると、圧電効果による内部電界によって、ゼロバ
イアス時におけるpn接合のビルトイン電圧による内部
電界を打ち消し、若しくは低減することが可能となる。
すなわち、従来の素子において光信号ONのゼロバイア
ス時において発生していたEA−MD内の損失を低減す
ることができ、内部損失の小さい、すなわち信号ONの
状態における光出力の大きい半導体光変調器を提供でき
るという効果がある。
【0079】また、請求項19に係る発明を採用する
と、ノーマリーオフ動作の半導体光変調器を提供するこ
とができるという効果がある。また、請求項4、請求項
5、請求項7、請求項10、請求項12、請求項13、
請求項15、及び請求項18のいずれかに係る発明を採
用すると、印加電圧による圧電効果に起因する量子井戸
構造中の井戸層のバンドギャップ変化により、駆動電圧
を低減可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく第1実施形態に係る半導体モノ
リシック集積半導体光素子の構成図であり、(a)はモ
ノリシック集積半導体光素子の概観図(部分断面図)、
(b)はEA−MD部分の断面図、(c)は(b)にお
けるMQW部分の拡大図をそれぞれ表す。
【図2】本発明に基づく第2実施形態に係る半導体モノ
リシック集積半導体光素子の構成図であり、(a)は本
実施形態に係るモノリシック集積半導体光素子の概観図
(平面図)、(b)はEA−MD部分の断面図、(c)
は(b)におけるMQW部分の拡大図をそれぞれ表す。
【図3】本発明に基づく第3実施形態に係る半導体モノ
リシック集積半導体光素子の構成図であり、(a)は本
実施形態に係るモノリシック集積半導体光素子の概観図
(部分断面図)、(b)はEA−MD部分の断面図、
(c)は(b)におけるMQW部分の拡大図をそれぞれ
表す。
【図4】従来の半導体モノリシック集積半導体光素子の
構成図であり、(a)はモノリシック集積半導体光素子
の概観図(部分断面図)、(b)はEA−MD部分の断
面図、(c)は(b)におけるMQW部分の拡大図をそ
れぞれ表す。
【符合の説明】
101 : {311}A面n型InP半導体基板 102 : n型InP、 103 : EA−MD用MQW 104 : DFB−LD 用MQW 105 : p型InP 106 : p型コンタクト層 107 : 半絶縁InP 108 : 裏面電極 109 : EA−MD用電極 110 : DFB−LD用電極 111 : 絶縁膜 112 : EA−MD用MQWを構成する伸張歪を有
する障壁層 113 : EA−MD用MQWを構成する圧縮歪を有
する井戸層 201 : {111}A面から{100}方向に2度
傾斜するように設定したn型InP半導体基板 202 : n型InP 203 : EA−MD用MQW 205 : p型InP 206 : p型コンタクト層 207 : 半絶縁InP 208 : 裏面電極 209 : EA−MD用電極 211 : 絶縁膜 212 : EA−MD用MQWを構成する伸張歪を有
する障壁層 213 : EA−MD用MQWを構成する圧縮歪を有
する井戸層 220 : EA−MD 230 : SOA 240 : 半導体導波路 250 : AWG 301 : {311}B面n型InP半導体基板 302 : n型InP 503 : EA−MD用MQW 305 : p型InP 306 : p型コンタクト層 307 : 半絶縁InP 308 : 裏面電極 309 : EA−MD用電極 311 : 絶縁膜 312 : EA−MD用MQWを構成する伸張歪を有
する障壁層 313 : EA−MD用MQWを構成する圧縮歪を有
する井戸層 320 : EA−MD 330 : SOA 340 : 半導体導波路 401 : {100}面n型InP半導体基板 402 : n型InP 403 : EA−MD用MQW 404 : DFB−LD用MQW 405 : p型InP 406 : p型コンタクト層 407 : 半絶縁InP 408 : 裏面電極 409 : EA−MD用電極 410 : DFB−LD用電極 411 : 絶縁膜 412 : EA−MD用MQWを構成する障壁層 413 : EA−MD用MQWを構成する井戸層
フロントページの続き (72)発明者 山中 孝之 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 関 俊司 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 竹内 博昭 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 八坂 洋 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2H079 AA02 AA13 BA01 DA16 DA22 EB04 HA12 KA20 2K002 AB09 AB30 BA06 CA13 DA08 DA12 EA28 HA17 5F073 AA74 AB01 AB21 CA06 CA07 CA12 CA13 CA17 CB02

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閃亜鉛鉱構造の半導体基板上に量子井戸
    構造を形成してなる半導体光変調器において、 上記半導体基板の面方位を、{100}面から10度以
    上80度以下の範囲で傾斜した面とし、且つ、上記量子
    井戸構造中の井戸層に伸張歪及び圧縮歪の一方を付与す
    ると共に上記量子井戸構造中の障壁層に伸張歪及び圧縮
    歪の他方を付与することを特徴とする半導体光変調器。
  2. 【請求項2】 閃亜鉛鉱構造の半導体基板上に量子井戸
    構造を形成してなる半導体光変調器において、 上記半導体基板の面方位を、{x11}A面若しくは
    {x11}B面(但し、1≦x≦5、x:整数)からプ
    ラスマイナス5度の範囲内にある面とし、且つ、上記量
    子井戸構造中の井戸層に伸張歪及び圧縮歪の一方を付与
    すると共に上記量子井戸構造中の障壁層に伸張歪及び圧
    縮歪の他方を付与することを特徴とする半導体光変調
    器。
  3. 【請求項3】 上記半導体基板をIII −V族化合物半導
    体とし、その半導体基板が導電性基板の場合には当該半
    導体基板の導電型をn型とし、半導体基板が半絶縁性基
    板の場合には半導体基板と量子井戸構造との間に介挿さ
    れる半導体層の導電型をn型とし、且つ、上記半導体基
    板の面方位を{x11}A面からプラスマイナス5度の
    範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸構造の井戸
    層に圧縮歪を上記量子移動構造の障壁層に伸張歪を付与
    したことを特徴とする請求項2に記載した半導体光変調
    器。
  4. 【請求項4】 上記半導体基板をIII −V族化合物半導
    体とし、その半導体基板が導電性基板の場合には当該半
    導体基板の導電型をn型とし、半導体基板が半絶縁性基
    板の場合には半導体基板と量子井戸構造との間に介挿さ
    れる半導体層の導電型をn型とし、且つ、上記半導体基
    板の面方位を{x11}B面からプラスマイナス5度の
    範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸構造の井戸
    層に伸張歪を上記量子井戸構造の障壁層に圧縮歪を付与
    したことを特徴とする請求項2に記載した半導体光変調
    器。
  5. 【請求項5】 上記半導体基板をIII −V族化合物半導
    体とし、その半導体基板が導電性基板の場合には当該半
    導体基板の導電型をp型とし、半導体基板が半絶縁性基
    板の場合には半導体基板と量子井戸構造との間に介挿さ
    れる半導体層の導電型をp型とし、且つ、上記半導体基
    板の面方位を{x11}A面からプラスマイナス5度の
    範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸構造の井戸
    層に伸張歪を上記量子移動構造の障壁層に圧縮歪を付与
    したことを特徴とする請求項2に記載した半導体光変調
    器。
  6. 【請求項6】 上記半導体基板をIII −V族化合物半導
    体とし、その半導体基板が導電性基板の場合には当該半
    導体基板の導電型をp型とし、半導体基板が半絶縁性基
    板の場合には半導体基板と量子井戸構造との間に介挿さ
    れる半導体層の導電型をp型とし、且つ、上記半導体基
    板の面方位を{x11}B面からプラスマイナス5度の
    範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸構造の井戸
    層に圧縮歪を上記量子移動構造の障壁層に伸張歪を付与
    したことを特徴とする請求項2に記載した半導体光変調
    器。
  7. 【請求項7】 上記半導体基板をII−VI族化合物半導体
    とし、その半導体基板が導電性基板の場合には当該半導
    体基板の導電型をn型とし、半導体基板が半絶縁性基板
    の場合には半導体基板と量子井戸構造との間に介挿され
    る半導体層の導電型をn型とし、且つ、上記半導体基板
    の面方位を{x11}A面からプラスマイナス5度の範
    囲内にある面とすると共に、上記量子井戸構造の井戸層
    に伸張歪を上記量子移動構造の障壁層に圧縮歪を付与し
    たことを特徴とする請求項2に記載した半導体光変調
    器。
  8. 【請求項8】 上記半導体基板をII−VI族化合物半導体
    とし、その半導体基板が導電性基板の場合には当該半導
    体基板の導電型をn型とし、半導体基板が半絶縁性基板
    の場合には半導体基板と量子井戸構造との間に介挿され
    る半導体層の導電型をn型とし、且つ、上記半導体基板
    の面方位を{x11}B面からプラスマイナス5度の範
    囲内にある面とすると共に、上記量子井戸構造の井戸層
    に圧縮歪を上記量子移動構造の障壁層に伸張歪を付与し
    たことを特徴とする請求項2に記載した半導体光変調
    器。
  9. 【請求項9】 上記半導体基板をII−VI族化合物半導体
    とし、その半導体基板が導電性基板の場合には当該半導
    体基板の導電型をp型とし、半導体基板が半絶縁性基板
    の場合には半導体基板と量子井戸構造との間に介挿され
    る半導体層の導電型をp型とし、且つ、上記半導体基板
    の面方位を{x11}A面からプラスマイナス5度の範
    囲内にある面とすると共に、上記量子井戸構造の井戸層
    に圧縮歪を上記量子移動構造の障壁層に伸張歪を付与し
    たことを特徴とする請求項2に記載した半導体光変調
    器。
  10. 【請求項10】 上記半導体基板をII−VI族化合物半導
    体とし、その半導体基板が導電性基板の場合には当該半
    導体基板の導電型をp型とし、半導体基板が半絶縁性基
    板の場合には半導体基板と量子井戸構造との間に介挿さ
    れる半導体層の導電型をp型とし、且つ、上記半導体基
    板の面方位を{x11}B面からプラスマイナス5度の
    範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸構造の井戸
    層に伸張歪を上記量子移動構造の障壁層に圧縮歪を付与
    したことを特徴とする請求項2に記載した半導体光変調
    器。
  11. 【請求項11】 上記半導体基板をIII −V族化合物半
    導体とし、その半導体基板が導電性基板の場合には当該
    半導体基板の導電型をn型とし、半導体基板が半絶縁性
    基板の場合には半導体基板と量子井戸構造との間に介挿
    される半導体層の導電型をn型とし、且つ、上記半導体
    基板の面方位を{x11}A面からプラスマイナス5度
    の範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸構造の井
    戸層に伸張歪を上記量子移動構造の障壁層に圧縮歪を付
    与したことを特徴とする請求項2に記載した半導体光変
    調器。
  12. 【請求項12】 上記半導体基板をIII −V族化合物半
    導体とし、その半導体基板が導電性基板の場合には当該
    半導体基板の導電型をn型とし、半導体基板が半絶縁性
    基板の場合には半導体基板と量子井戸構造との間に介挿
    される半導体層の導電型をn型とし、且つ、上記半導体
    基板の面方位を{x11}B面からプラスマイナス5度
    の範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸構造の井
    戸層に圧縮歪を上記量子移動構造の障壁層に伸張歪を付
    与したことを特徴とする請求項2に記載した半導体光変
    調器。
  13. 【請求項13】 上記半導体基板をIII −V族化合物半
    導体とし、その半導体基板が導電性基板の場合には当該
    半導体基板の導電型をp型とし、半導体基板が半絶縁性
    基板の場合には半導体基板と量子井戸構造との間に介挿
    される半導体層の導電型をp型とし、且つ、上記半導体
    基板の面方位を{x11}A面からプラスマイナス5度
    の範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸構造の井
    戸層に圧縮歪を上記量子移動構造の障壁層に伸張歪を付
    与したことを特徴とする請求項2に記載した半導体光変
    調器。
  14. 【請求項14】 上記半導体基板をIII −V族化合物半
    導体とし、その半導体基板が導電性基板の場合には当該
    半導体基板の導電型をp型とし、半導体基板が半絶縁性
    基板の場合には半導体基板と量子井戸構造との間に介挿
    される半導体層の導電型をp型とし、且つ、上記半導体
    基板の面方位を{x11}B面からプラスマイナス5度
    の範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸構造の井
    戸層に伸張歪を上記量子移動構造の障壁層に圧縮歪を付
    与したことを特徴とする請求項2に記載した半導体光変
    調器。
  15. 【請求項15】 上記半導体基板をII−VI族化合物半導
    体とし、その半導体基板が導電性基板の場合には当該半
    導体基板の導電型をn型とし、半導体基板が半絶縁性基
    板の場合には半導体基板と量子井戸構造との間に介挿さ
    れる半導体層の導電型をn型とし、且つ、上記半導体基
    板の面方位を{x11}A面からプラスマイナス5度の
    範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸構造の井戸
    層に圧縮歪を上記量子移動構造の障壁層に伸張歪を付与
    したことを特徴とする請求項2に記載した半導体光変調
    器。
  16. 【請求項16】 上記半導体基板をII−VI族化合物半導
    体とし、その半導体基板が導電性基板の場合には当該半
    導体基板の導電型をn型とし、半導体基板が半絶縁性基
    板の場合には半導体基板と量子井戸構造との間に介挿さ
    れる半導体層の導電型をn型とし、且つ、上記半導体基
    板の面方位を{x11}B面からプラスマイナス5度の
    範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸構造の井戸
    層に伸張歪を上記量子移動構造の障壁層に圧縮歪を付与
    したことを特徴とする請求項2に記載した半導体光変調
    器。
  17. 【請求項17】 上記半導体基板をII−VI族化合物半導
    体とし、その半導体基板が導電性基板の場合には当該半
    導体基板の導電型をp型とし、半導体基板が半絶縁性基
    板の場合には半導体基板と量子井戸構造との間に介挿さ
    れる半導体層の導電型をp型とし、且つ、上記半導体基
    板の面方位を{x11}A面からプラスマイナス5度の
    範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸構造の井戸
    層に伸張歪を上記量子移動構造の障壁層に圧縮歪を付与
    したことを特徴とする請求項2に記載した半導体光変調
    器。
  18. 【請求項18】 上記半導体基板をII−VI族化合物半導
    体とし、その半導体基板が導電性基板の場合には当該半
    導体基板の導電型をp型とし、半導体基板が半絶縁性基
    板の場合には半導体基板と量子井戸構造との間に介挿さ
    れる半導体層の導電型をp型とし、且つ、上記半導体基
    板の面方位を{x11}B面からプラスマイナス5度の
    範囲内にある面とすると共に、上記量子井戸構造の井戸
    層に圧縮歪を上記量子移動構造の障壁層に伸張歪を付与
    したことを特徴とする請求項2に記載した半導体光変調
    器。
  19. 【請求項19】 上記量子井戸構造が半導体pn接合の
    p層とn層との間に介挿されると共に、上記pn接合に
    電圧を印加する電極を有する半導体光変調器において、
    上記pn接合の順方向側に電圧を印加して動作させるこ
    とを特徴とする請求項3〜請求項10のいずれか一つの
    請求項に記載の半導体光変調器。
  20. 【請求項20】 請求項1〜請求項19のいずれかに記
    載の半導体光変調器を含むことを特徴とするモノシリッ
    ク集積半導体光素子。
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