JP2010097032A - 光変調器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、動作可能波長帯域が広く、光ファイバによる分散に対しても波形劣化がすくない、小型の光変調器を実現することを目的としている。
【解決手段】 レーザー光に信号を重畳する光変調器であって、レーザー光を導波するための光導波層と、光導波層を間に挟んで設けられ、光導波層より屈折率が小さい第1クラッド層および第2クラッド層と、光導波層を伝搬するレーザー光を多重反射させるために、対向して設けられた2つの反射器と、2つの反射器の間に配置されて、光導波層の屈折率を変化させるための変調信号が印加される電極と、を備え、電極に印加された変調信号によって光導波層の屈折率が相対的に高くなる方向に変化する条件において、対向して設けられた2つの反射器の外側に出力される信号光の強度が高くなる動作点に設定されることを特徴とする光変調器。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザー光を強度変調する光変調器に関する。
長距離光通信システムでは、伝送媒体である光ファイバの波長分散による光信号の波形劣化が中継距離の長短を左右し、システムコストに大きな影響を与える。特に大容量の高速通信システムでは、この影響は深刻であり、光信号に含まれる波長の変動、所謂チャーピングが少ない外部変調方式を採用して、波形の劣化を抑制している。外部変調方式に使用できるデバイスとしては、1)電界印加による光吸収の増大を利用した多重量子井戸(MQW)構造を有する吸収型半導体光変調器、2)電気光学効果を利用したマッハツェンダ干渉系型LN変調器が実用化されている。
一方で、光通信システムの更なる大容量化のために、波長多重(WDM)通信方式が導入されている。WDM通信システムの光源としては、レーザー光の波長を制御して変えることが可能な波長可変レーザーが好適である。近年の技術開発の成果として、波長可変レーザーの実用化が現実のものとなり、実用システムへの導入が開始されようとしている。
前述の外部変調器の内、吸収型半導体光変調器は、その動作原理に起因して変調可能な波長帯域が限られるため、このような波長可変光源に対応するための変調器として適用することは不可能である。そこで、マッハツェンダ干渉系型LN変調器が有望視されているが、このデバイスはサイズが大きく小型トランシーバモジュールに搭載することができないという問題がある。
特許文献1には、電気光学効果による屈折率変化を利用したチャープの少ない光変調器が開示されている。従来の光吸収を電界で制御して変調を行う吸収型半導体光変調器と異なり、この光変調器においては、動作可能な波長帯域が制限されることはない。したがって、波長可変レーザーの変調器として使用でき、また小型化も可能と考えられる。また、特許文献2には、シリコンを材料とするマッハツェンダ干渉系型光変調器が開示されている。このデバイスは、製造コストを安くできるシリコンを材料とする光変調器として注目されている。
特開2003−233040号公報 WO2004/088394
しかしながら、上記の特許文献1に開示された光変調器は、従来の吸収型半導体光変調器に比べてチャープが少ない変調器であるが、10Gbps以上の長距離高速通信システムに使用する光変調器としては不十分である。また、特許文献2に記載された光変調器は、マッハツェンダ干渉系型であることから、デバイスサイズが大きいという問題を解決するものではない。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みて、動作可能波長帯域が広く、光ファイバによる分散に対しても波形劣化がすくない、小型の光変調器を実現することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る光変調器は、レーザー光に信号を重畳する光変調器であって、レーザー光を導波するための光導波層と、光導波層を間に挟んで設けられ、光導波層より屈折率が小さい第1クラッド層および第2クラッド層と、光導波層を伝搬するレーザー光を多重反射させるために、対向して設けられた2つの反射器と、2つの反射器の間に配置されて、光導波層の屈折率を変化させるための変調信号が印加される電極と、を備え、電極に印加された変調信号によって光導波層の屈折率が相対的に高くなる方向に変化する条件において、対向して設けられた2つの反射器の外側に出力される信号光の強度が高くなる動作点に設定されることを特徴とする。
本発明に係る光変調器は、光導波路の両端に反射器を設けてレーザー光を多重反射させるファブリペロー干渉計構造を有する。この光変調器に変調信号を加えて動作させる場合において、変調信号により導波路の屈折率が高くなる方向に変化するに従い、外部に出力される変調されたレーザー光の強度が高くなるように動作条件を設定する。これにより、光ファイバで伝送した後において信号波形の劣化が少なくなる、チャープ特性を制御した変調光を得ることができる。
本発明に係る光変調器において、2つの反射器は、光導波層の端部に形成されたヘキ開面、またはヘキ開面に反射率を調整するためのコーティングが施されたミラー面で構成されることを特徴とする。これにより、光変調器のサイズを小さくすることができ、光学系の構成を簡単にすることができる。
また、本発明に係る光変調器において、2つの反射器は、光導波層を伝搬するレーザー光と干渉する回折格子を有するブラッグ反射器であること特徴とする。さらに、本発明に係る光変調器は、光導波層の両端面に設けられたヘキ開面に、レーザー光の反射を防止する反射防止膜を有すること特徴とする。
本発明に係る光変調器において、第1クラッド層は、光導波層を伝搬するレーザー光に対して透明であるInPを含むInGaAsP混晶系から選択された化合物半導体結晶からなり、第2クラッド層は、InPを含むInGaAsP混晶系から選択された化合物半導体結晶からなり、光導波層は、InGaAsP混晶系から選択された化合物半導体層を含むことを特徴とする。
さらに、本発明に係る光変調器において、光導波層は、InPを含むInGaAsP混晶系から選択された化合物半導体結晶からなる障壁層と、InGaAsP混晶系から選択された化合物半導体結晶からなる井戸層と、を積層した多重量子井戸(MQW)構造を有することを特徴とする。
また、本発明に係る光変調器において、光導波層は、光導波層を伝搬するレーザー光に対して透明であるAlGaInAs混晶系から選択された化合物半導体結晶からなる障壁層と、InGaAsP混晶系から選択された化合物半導体結晶からなる井戸層と、を積層した多重量子井戸(MQW)構造を有することを特徴とする。
本発明の光変調器の材料となる上記のInGaAsP混晶系およびAlGaInAs混晶系の化合物半導体は、InPと格子整合する混晶系であるので、MOCVD法などの結晶成長法により市販のInP基板上に転移など結晶欠陥の少ない良質の結晶を形成することができる。また、光ファイバ通信に使用される1.5μmの波長帯に対して透明となる結晶組成を有する。したがって、本発明の光変調器の材料として好適である。
本発明に係る光変調器において、第1クラッド層は、第1の導電性を有し、第2クラッド層は、第2の導電性を有し、第1クラッド層と第2クラッド層に各々に接続された2つの電極に逆バイアスとなる変調信号を印加することにより、光導波層の屈折率を変化させることを特徴とする。
本発明によれば、第1クラッド層と第2クラッド層の間に位置するPN接合に逆バイアスとなる変調信号が印加され、光導波層に変調された電界が印加される。これにより、電気光学効果に起因する屈折率の変化が生じ、ファブリペロー干渉計の境界条件が変化して出力光の強度が変化する。その結果、出力光が変調信号に対応した強度変調を受けることとなり、光変調器としての動作が得られる。
また、本発明に係る光変調器において、第1クラッド層および第2クラッド層は、光導波層を伝搬するレーザー光に対して透明である誘電体層からなり、光導波層は、第1クラッド層および第2クラッド層の間に設けられ、P型シリコン層と、誘電体層と、N型シリコン層とが積層された構成を有し、変調信号を印加する2つの電極が、P型シリコン層およびN型シリコン層に各々接続されていることを特徴とする。
本発明に係る光変調器においては、2つの電極に変調信号が印加されると、光導波層に設けられた誘電体膜と、P型シリコン層およびN型シリコン層の界面における正孔および電子の濃度が変化する。すなわち、N型シリコンを接地してアース電位とし、P型シリコンにプラス電圧が印加されると、P型シリコン側の界面には正孔が蓄積され、N型シリコン側の界面には電子が蓄積され、誘電体膜近傍のキャリア濃度が高くなる。一方、P型シリコンにマイナス電圧が印加されると、P型、N型双方の界面においてキャリアが払い出された空乏領域が形成される。変調信号の印加により誘電体膜の界面においてキャリアの蓄積と払い出しが交互に発生し、キャリア濃度の変化に対応して光導波層の屈折率が変化する。これにより、ファブリペロー干渉計の境界条件が変化して出力光の強度が変調され、光変調器として動作する。誘電体層に用いられる材料としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO)が使用できる。
さらに、本発明に係る光変調器において、2つの反射器は、対向した反射器における共振周波数の隣接した間隔である自由スペクトル領域(free spectral range:FSR)が、所定の間隔に一致することを特徴とする。
ファブリペロー干渉計型光変調器においては、対向して配置された反射器における共振周波数に一致する周波数を有する光の透過率が最大となる。その結果、本発明に係る光変調器は、隣接した共振周波数の間隔であるFSRだけ離れた所定の周波数を有する光のみを透過する性質を備えることになる。一方、WDM光通信システムにおいては、一定の周波数間隔を有する複数のレーザー光源が用いられる。したがって、光変調器のFSRと、WDM光通信に用いられるレーザー光源の周波数間隔を一致させておくと、システムに用いられるすべてのレーザー光源の光を変調することができる光変調器を実現することができる。例えば、国際的な標準規格であるITUグリッド間隔(International Telecommunication Union grid spacing)にFSRを一致させておけば、極めて有用な光変調器を実現することができる。
また、本発明に係る波長可変レーザーモジュールは、出力光の波長を変えることができる波長可変レーザーと、上記の光変調器と、を備えることを特徴とする。さらに、本発明に係る波長可変レーザーモジュールは、波長可変レーザーと、光変調器との間に、波長可変レーザーへの戻り光を減衰させるための光アイソレータを備えることを特徴とする。
本発明のレーザーモジュールは、上記の光変調器と波長可変レーザーを備えることにより、複数の波長の変調光を出力することができる。これにより、WDM光通信システムの光源として使用する場合の自由度の高い、有用なレーザーモジュールを実現することができる。また、波長可変レーザーと光変調器の間に光アイソレータを配置することにより、光変調器の反射ミラーで反射されて波長可変レーザーに戻る戻り光を遮断することができる。これにより、波長可変レーザーの安定した動作を確保することができる。
本発明に係る光変調器によれば、動作可能波長帯域が広く、光ファイバによる分散に対しても波形劣化がすくない、小型の光変調器を実現することができる。
以下、本発明に係る好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る光変調器1を模式的に示した図である。片側の端面から入力したレーザー光を、他方の端面へ導波して外部へ出力するための光導波層4と、光導波層4を間に挟む第1クラッド層であるN型クラッド層2と、第2クラッド層であるP型クラッド層3と、を積層した構造を有している。光導波層4は導電性を有する半導体層であり、入力するレーザー光に対して光吸収の無い透明な材料を用いる。N型クラッド層2とP型クラッド層3は、それぞれN型およびP型の導電性を有する半導体層であり、レーザー光に対して透明な材料が用いられる。さらに、光導波層4にレーザー光を閉じ込めて導波するために、N型クラッド層2とP型クラッド層3は、光導波層4より屈折率が小さい材料を用いて構成する。
光導波層4はP型またはN型のいずれの導電性を有しても良い。後述するように、N型クラッド層2またはP型クラッド層3と光導波層4の界面に位置するPN接合に逆バイアスを印加して光変調器1を動作させる場合に、光導波層4の全体に高い電界が加わる構成とすることが好ましい。このためには、光導波層4のキャリア濃度を低くする必要があり、高抵抗の所謂I層としてPIN構造のダイオードとすることが好適である。
光変調器1の両端面には、所定の反射率に設定された反射ミラー5が設けられる。光導波層4に沿って導波されるレーザー光は、光変調器1の両端面に対向して設けられた一対の反射ミラー5の間で多重反射された後に、外部へ出力される。また、一対の反射ミラー5の間には、光変調器1に変調信号を印加するためのP電極6およびN電極7が設けられる。P電極6はPクラッド層3にオーミック接続し、N電極7はNクラッド層2にオーミック接続する。
光変調器1に入力したレーザー光が対向する1対の反射ミラー5の間で多重反射して、光変調器1から外部へ出力される光強度Iは、次式で表される。
Figure 2010097032
ここで、Iは入力光の強度であり、T1、T2は、それぞれ入力側、出力側の反射ミラー5の透過率、R1、R2は、それぞれ入力側、出力側の反射ミラー5の反射率を示している。また、nは、光導波層4の屈折率であり、Lは対向する反射ミラー5の間隔、所謂共振器長である。λは、レーザー光の真空中の波長である。
図2および3は、光変調器1の出力光の入力光に対する相対的強度(|I|/|I|)、すなわち変調器1の光透過特性を、光周波数(c/λ:cは真空中の光速)に対して示した模式図である。光変調器の透過率は、光導波路4内における光の半波長λ/2(=λ/2n)の整数倍がLに等しいときに最大となる。また、λ/2の整数倍がLに等しいときの光周波数は、前述した共振周波数であり、図中に示した変調器透過率のピーク間の間隔がFSRである。
図2中に実線で示した光変調器の光透過特性10において、図中に示した入力光に対する光変調器1の透過率は最も小さくなっている。光変調器1に逆バイアスを加えると、電気光学効果により光導波層4の屈折率が大きくなり、光透過特性10は図中の矢印方向にシフトする。この時、図中に破線で示す光透過特性11までシフトした場合には、入力光の周波数と共振周波数が一致し、入力光に対する透過率が最大となる。すなわち、光透過特性10を示すバイアス点から光透過特性11へシフトする大きさの逆バイアスを印加することにより、出力光をOFFからONへ変調することができる。一方、逆バイアスを下げて元のバイアス点に戻した場合に、出力光がONからOFFへ変調されることは明らかである。
図3は、図2に示した場合と異なり、光透過特性10のバイアス点において入力光の周波数は共振周波数と一致しており、入力光に対する透過率が最大となっている。光変調器1に逆バイアスが加えられ、光導波層4の屈折率が高くなると光透過特性10は、図中の矢印方向へシフトする。破線で示した光透過特性11までシフトすると、入力光に対する透過率は最小となり、出力光はONからOFFへと変調されることになる。すなわち、図2に示した場合と異なり、光変調器1に逆バイアスを加えることにより、出力光はONからOFFへと変調を受ける。以下の説明では、逆バイアスを印加した場合にOFFからONへ変調される図2に示す場合を順相とし、図3に示すONからOFFへと変調を受ける場合を逆相とする。
従来の吸収型半導体光変調器は、原理的に逆相のモードで動作する。また、特許文献1に記載されている光変調器においても、動作は逆相モードである。すなわち、半導体光変調器は、逆相モードで動作させることが周知であり技術常識となっていた。しかしながら、本発明に係る光変調器1は、順相モードで動作させた場合において、従来の光変調器に見られない顕著な動作特性を示すことが見出された。
図4は、順相モードで動作させた場合において、光変調器1から出力される光の入力光に対する強度比(相対光強度)を逆バイアスに対して示している。0バイアスにおいて強度比は最少となり、−2Vを印加した場合に強度比は最大となっている。すなわち、光変調器1では、振幅が2Vの逆バイアスを与える変調信号を印加することにより約14dBの消光比が得られることがわかる。ここで、光変調器1の反射ミラーの反射率R(=R1=R2)は0.75、また、透過率T(=T1=T2)は0.25、共振器長Lは150μmである。
上記のとおり、変調信号として振幅−2Vのパルス信号が印加された場合、図4に示す光変調器1は約14dBの消光比を有する光パルスを出力する。図5の上段は、一定の強度のレーザー光が入力され、電極に印加された変調信号によりパルス変調を受けた場合に、光変調器1から出力される光の波形を示している。一方、このようにレーザー光が光パルスに変調された場合、光導波層4に屈折率の変化があるとレーザー光の周波数に変動が生じる。所謂チャーピングと呼ばれる現象である。チャーピングによる周波数の変動分Δωは、次の式で表わされる。
Figure 2010097032
ここで、Φは、レーザー光の位相であり、nは光導波層の屈折率である。上式から分かるように、周波数変動Δωは屈折率の変化に逆比例する。
図5の下段は、上段に示した光パルス波形に対応する周波数変動Δωを示している。前述したように、図5において光変調器1は、順相モードで動作している。すなわち、光パルスの立ち上がりにおいて、変調信号のパルスは−2Vの電圧が印加されるように立ち上がっており、光導波層4の屈折率は増える方向に変化している。この時、図5の下段に示すように、周波数変動Δωはマイナス側となっている。一方、光パルスの立ち下がりにおいては、変調信号のパルスも0となる方向に立ち下がっており、光導波層4の屈折率は減少する。したがって、周波数変動Δωは、プラス側に変動する。
図6は、光変調器1を逆相モードで動作させた場合の、光パルス波形と周波数変動の関係を示している。この場合には、光パルスの立ち下がりにおいて逆バイアスの変調パルスが立ちあがり光導波層4の屈折率が増加する。したがって、図中に示すように、光パルスの立ち下がりにおいて、周波数変動Δωはマイナス側となり、光パルスの立ち上がりにおいてプラス側となる。
周波数変動Δωがマイナスとなる場合、光パルスに含まれる光の波長が長くなることを意味し、プラスとなる場合は、光波長が短くなることを意味する。したがって、図5に示すように順相モードで動作している場合には、光パルスの立ち上がり部分において相対的に波長の長い光が含まれ、立ち下がりにおいて波長の短い光が含まれることとなる。一方、図6に示す逆相モードの動作においては、光パルスの立ち上がりにおいて相対的に波長の短い光が含まれ、立ち下がりにおいて波長の長い光が含まれることになる。
図7は、上記の光パルスが、光ファイバを通して伝送された場合に生じるパルス波形の変化を模式的に示している。図7(a)は、変調後の光パルス波形を示し、図7(b)は、順相モードで変調された光パルスを、光ファイバで伝送した後の波形を概念的に示している。また、図7(d)は、逆相モードで変調された光パルスを、光ファイバで伝送した後の波形を示している。図7(c)は、チャーピングが生じない場合の比較例として、立ち上がり部分および立ち下がり部分において波長の異なる光を含まない光パルスを、光ファイバで伝送した後のパルス波形を示したものである。
光ファイバは、光通信に使用される1.5μmの波長帯において波長分散を有し、光波長が長いほど伝送速度が遅くなる性質を有している。このため、光パルスの立ち上がり部分において波長の長い光成分を有し、立ち下がり部分において波長の短い光成分を含む順相モードで変調された光パルスは、立ち上がり部分の波長の長い光が相対的に遅延して後の部分に包含され、立ち下がり部分の波長の短い光が前の部分に追いついて包含される光波形となる。その結果、図7(b)、(c)に示すように、順相モードで変調された光パルスは、伝送後のパルス幅がチャーピングの無い光パルスの伝送後の波形より狭くなる。一方、逆相モードで変調された光パルスの場合は、立ち上がり部分に含まれる波長の短い光が先に進み、立ち下がり部分に含まれる波長の長い光が遅延することになり、図7(d)に示すように、パルス幅が広くなってしまう。
上記の光ファイバ伝送後のパルス幅の違い、すなわち信号波形の劣化の程度は、高速光通信システムにおける伝送特性を左右する大きな問題となる。高速光通信においては、光信号のビットレートが高いので、光パルス間の間隔が狭い。したがって、信号波形が劣化し光パルスの幅が広くなると、光パルスが相互に干渉して信号を識別できなくなるからである。
図8は、光変調器1で変調された10Gbpsの信号光によるアイパターンを示している。また、図9および図10は、10Gbpsの信号光を光ファイバで伝送した後のアイパターンを示している。伝送路の光ファイバは、長さ80km、1600ps/nmの波長分散を有する通常のシングルモードファイバである。
図9は、順相モードで変調した光パルスを伝送した場合のアイパターンを示している。縦軸に示した相対光強度の範囲が0.1〜0.9の間において、明確なアイ開口が観測されており、エラーフリーの識別点を設定できることが分かる。一方、図10は、逆相モードで変調した光パルスの伝送後のアイパターンである。アイパターンの下半分が完全につぶれており、アイ開口が認識できない状態となっている。
図9および10のアイパターンを比較して分かるように、光変調器1を順相モードで変調した場合には、10Gbpsの光信号を80km離れた地点に伝送することができるが、逆相モードで変調した場合は、全く伝送できないという顕著な違いが生じている。前述したように、光変調器1の動作条件を順相モードに設定することにより、チャーピングを利用して光パルス波形の劣化を防止することができる。これにより、光信号の長距離伝送を可能とすることができるのである。
光変調器1の動作モードの設定方法としては、光透過率が最少となるようにオフセット電圧を印加しておき、そこから逆バイアスに変調信号を振り込む方法が考えられる。また、光導波層の屈折率は温度を変えて変化させることもできるので、光変調器1の動作時の温度をペルチェクーラー装置等の電子温調装置にて制御し、ゼロバイアスにおいて光透過率を最小に設定しておく方法、さらにオフセット電圧の印加と組み合わせる方法が考えられる。
本発明に係る光変調器は、PN接合に逆バイアスとなる変調信号を印加して屈折率を変える光変調器に限られるものではなく、電極に印加された変調信号によって光導波層の屈折率を変化させ、屈折率が相対的に高くなる場合に対向して設けられた2つの反射器の外側に出力される信号光の強度を高くするように動作条件を設定することができる光変調器を包含するものである。
図11は、本発明の第1実施例に係る光変調器20を模式的に示す斜視図である。光変調器20は、InP基板21上にMOCVD法によりエピタキシャル成長されたInPを含むInGaAsP混晶系から選択された化合物半導体結晶を材料としている。
第1の導電性であるN型のInP基板21上に、第1クラッド層であるN型InP層22、および光導波層であるN型InGaAsP層23、第2クラッド層であるP型InP層24、コンタクト層28を順次成長する。N型InGaAsP層23は、InPに格子整合して吸収端波長が1.3μmとなる組成を選択する(以下に述べるInGaAsP混晶は、InPと格子整合する結晶である)。コンタクト層28は、P電極25との間でオーミック接合を得るために形成する層であり、吸収端波長が1.1μmのP型InGaAsP層である。
InP基板21は、キャリア濃度2〜3x1018cm−3の導電性基板である。また、N型InP層22の厚さは約3μm、キャリア濃度は2〜3x1017cm−3である。光導波層23は、厚さ0.2μm、キャリア濃度は2〜3x1015cm−3である。光導波層23は、キャリア濃度は1x1014cm−3以下のI型層であることが好ましいが、MOCVD法による結晶成長では形成することが困難である。しかし、厚さが0.2μmと薄いことから、上記のキャリア濃度であっても十分な変調特性を持って動作させることができる。第2クラッド層であるP型InP層24は、厚さ2μm、キャリア濃度は3〜5x1017cm−3である。第2クラッド層の厚さは、光導波層23を伝搬するレーザー光がP電極25による吸収、反射等の影響を受けない厚さに設定する。光導波層23の屈折率とクラッド層であるInP層22、24の屈折率で決まる光閉じ込め係数を考慮して決められている。コンタクト層28は、厚さ0.2μm、キャリア濃度は1〜2x1018cm−3である。
InP基板21上に成長された上記のInP/InGaAsP(λ=1.3μm)/InP/InGaAsP(λ=1.1μm)ヘテロエピタキシャル層は、光導波路とするために、約2μm幅のメサストライプにエッチングする。エッチングは、シリコン酸化膜をマスクとして、通常のウエットエッチング法を用いて行う。また、塩素系反応ガスを用いる通常のプラズマドライエッチング法を使用しても良い。さらに、メサストライプの側面を、高抵抗のInP層29の再成長により選択的に埋め込んで光導波路が完成する。選択成長のマスクとしては、ウエットエッチングのマスクとして使用したシリコン酸化膜を用いる。
上記のエピタキシャル成長において、N型のドーパントとしては、シリコン(Si)を用いる。また、P型のドーパントは亜鉛(Zn)、高抵抗InP層29は、キャリアキラーとして働く鉄(Fe)をそれぞれ使用する。また、第1および第2のクラッド層は、上記のInP層22、24に変えてInGaAsP層を用いることができる。ただし、光導波層23の屈折率をクラッド層の屈折率より高くすること、さらに、前述したP電極の影響、入力光との結合等を考慮して光導波路23の光閉じ込め係数を決定した上で、InGaAsP層の組成が決定されることは言うまでもない。
高抵抗InP層29の再成長により光導波路が完成した後、エピタキシャル層の表面に表面保護膜27が形成される。表面保護膜27は、シリコン酸化膜(SiO)が用いられ、P電極25に使用されるメタルの半導体結晶層へのマイグレーション防止の機能も有する。さらに、光導波路となるメサストライプの頂上面において、表面保護膜27にコンタクトホールか形成され、P電極25がコンタクト層28に接続して形成される。P電極25は、メタルを積層したチタン(Ti)/白金(Pt)/金(Au)の3構造を用いる。コンタクト層28には、Ti層が接触してオーミック接続が得られる。また、Au層は金ワイヤをボンディングするために設けられる。Pt層は、メタル相互の拡散を防止するために挿入されている。
P電極25は、光導波層23に変調信号を印加するためにメサストライプに沿って設けられた部分と金ワイヤをボンディングするために設けられたボンディングパッド25bを有している。ボンディングパッド25bは、浮遊容量を小さくするために高抵抗InP層29上に設けられている。これにより、高速変調信号の印加が可能となる。一方、InP基板21の裏面には、N電極26が形成されている。N電極26は、金(Au)とゲルマニュム(Ge)の合金が用いられる。InP基板21は、ウエハプロセスの段階で不要な部分が研削され、厚さ100μm程度に調整される。変調器20としてチップに切り出すことを容易にするためである。N電極26は、研削後に裏面に真空蒸着される。
さらに、ウエハから変調器20のチップが切り出される段階において、チップのメサストライプ方向の長さが、所定の共振器長Lとなるように切り出される。前述した共振周波数の間隔FSRは共振器長Lの長さで決まるので、Lは精度良く加工される必要があるが、後述するように、変調器20の動作温度を制御してFSRを調整することが可能であるため、通常の半導体レーザー等の共振器の加工精度を持って製作することが可能である。本実施例において共振器長Lは150μmである。また、チップ端面に反射率を調整するコーティングが施される。
図12は、変調器20のA−A断面(図11参照)を示す模式図である。InP基板21上に第1クラッド層であるN型InP層22および光導波層23、第2クラッド層であるP型InP層、コンタクト層28が形成されて光導波路が構成されている。コンタクト層28上には、P電極25が形成されている。P電極25は、光導波路の両端部を除くほぼ全領域でコンタクト層28に接触し、光導波層23に逆バイアスとなる変調信号を印加する。前述したように、InP基板21およびN型InP層22、P型InP層24、コンタクト層28のいずれもが高濃度にドーピングされているので、P型InP層24と光導波層23の界面に位置するPN接合に印加される逆バイアスのほとんどは、光導波層23に印加される。これにより、2V程度の低い電圧が印加された場合であっても、約1x10V/cmの高電界が光導波層23に加わり電気光学効果が生じることになる。
光導波路の端面である光変調器20の両端面は、ヘキ開によりウエハから切り出された面であり、反射ミラーとして機能する。InPおよびInGaAsP混晶系の結晶の場合、コーティングを施さない切り出されたままのヘキ開面の反射率は、約60%である。したがって、コーティングを施して反射率を調整しない状態であっても、光変調器の対向する2つの反射器として機能する。しかしながら、光変調器の変調特性を最適にするためには、所定の反射率に調整する必要がある。本実施例においては、光変調器20の両端面にコーティング膜30を形成して反射率が75%となるように調整した。コーティング膜30は、シリコン酸化膜(SiO)とアモルファスシリコン(α−Si)の多層膜である。各層の膜厚はλ/4(λはレーザー光の波長)とし、プラズマCVD法を用いて形成している。
上記の実施例において、光導波層23は、InGaAsP層(吸収端波長1.3μm)の単層としたが、多層量子井戸(MQW)構造とすることもできる。例えば、N型InP層22上に、障壁層として厚さ10nmのInGaAsP層(吸収端波長1.1μm)と厚さ5nmのInGaAsP層(吸収端波長1.3μm)からなる井戸層を交互に積層した多重量子井戸構造の光導波層を成長する。井戸層は3層として、4層の障壁層で挟んだ構造とする。さらに、P型InP層24を積層し、以下、上記の実施例と同様の工程にて、MQW構造の光導波層23を有する光変調器を製作することができる。
InGaAsP層(吸収端波長1.3μm)の単層からなる光導波層23の場合には、フランツ−ケルディシュ効果と呼ばれる電気光学効果によって屈折率の変化が引き起こされるが、MQW構造の光導波層にした場合には、シュタルク効果と呼ばれる電気光学効果が主体となる。光導波層に印加される電界が同じであるとすると、屈折率の変化はシュタルク効果の方が大きい。したがって、光導波層をMQW構造とすることによって、変調信号を低電圧にすることができる。光通信システムのビットレートが高くなるに従い、変調信号を発生する変調回路のIC出力は低下する傾向にあるので、光導波層をMQW構造として低い変調信号で動作できる光変調器とすることは有効である。
MQW構造を構成する材料として、AlGaInAs系混晶を使用することも可能である。具体的には、障壁層としてAlGaInAs層(吸収端波長1.0μm)を使用する。障壁層の厚さは、上記の場合と同様に10nmとし、InGaAsP層(吸収端波長1.3μm)の井戸層と交互に積層してMQW構造とすることができる。
光導波層に使用できるMQW構造は、上記の実施例に限定されるものではなく、InPを含むInGaAsP混晶系の任意の組成、およびAlInGaAs混晶系の任意の組成の結晶を組み合わせることにより実現することができる。また、MOCVD法等の結晶成長も特殊な条件が求められることはなく、半導体レーザー等の化合物半導体デバイスの製造に用いられている標準的な成長装置を使用することが可能である。
図13は、本発明の第2の実施例に係る光変調器40を示す模式図である。光変調器40は、InP基板21上にMOCVD法により形成されるInGaAsP混晶系の化合物半導体を材料とする点において、実施例1に示した光変調器20と同じであり、図11に示す構成を共有する。ただし、光変調器の両端に設けられる反射器が、ブラッグ反射器である点で相違している。図13(a)および(b)、(c)は、ブラッグ反射器の製作工程を模式的に説明した図である。
図13(a)は、InP基板21上に形成されたN型InP層22上に、回折格子31が形成された状態を示している。本実施例においては、N型InP層22の上に回折格子31となる厚さ0.2μmのInGaAsP層(吸収端波長1.1μm)を形成した後、電子ビーム露光により回折格子のレジストパターンを形成する。さらに、レジストパターンをマスクとして、塩素系の反応ガスを用いたドライエッチング法によりInGaAsP層をエッチングして回折格子31を形成する。回折格子31は、光導波層23を伝搬するレーザー光の半波長の周期をもって配列された細線状のInGaAsPで構成されている。
図13(b)は、光変調器40の化合物半導体結晶層の全てが成長された状態を示している。N型InP層22上に、さらにN型InP層32を形成して、回折格子31がN型InP層中に埋め込まれた状態となっている。N型InP層32上には、光導波層23、P型InP層およびコンタクト層28が形成されている。
図13(c)は、完成した光変調器40のA−A断面を模式的に示している。コンタクト層28上には、表面保護膜27とP電極25が形成され、InP基板の裏面にはN電極26が形成されている。回折格子31は光導波層23の両端に位置し、一対のブラッグ反射器を構成している。ブラッグ反射器は、N型InP層22、32中に埋め込まれた回折格子31に起因する周期的な屈折率変化により、光導波層23を伝搬するレーザー光を反射する。さらに、変調器の両端面には、反射防止膜33が施されており、ブラッグ反射器と、ヘキ開面の反射ミラーとが、レーザー光に重畳して作用することを防いでいる。反射防止膜33は、厚さがλ/4(λはレーザー光の波長)の誘電体膜をコーティングすることにより設けられる。誘電体膜としては、プラズマCVD法で形成するシリコン窒化膜(Si)を使用することができる。
光変調器40は、実施例1に示した光変調器20と同じように、P電極27とN電極26の間に逆バイアスとなる変調信号を印加することにより、光導波層23を伝搬するレーザー光を変調して出力する。前述したように、光導波層23は、単層のInGaAsP層であっても良いし、MQW構造としても良い。
図14は、本発明の第3の実施例に係る光変調器50を示している。光変調器50は、シリコン基板49上に設けられたシリコンの光導波層とシリコン酸化膜によって構成されており、外部から加えられる変調信号によって光導波層のキャリア濃度を変えることにより屈折率を変化させて動作する。
光変調器50は、シリコン基板49上にシリコン酸化膜42とN型シリコン層43が設けられたSOI(Silicon on Insulator)構造を用いて製作される。シリコン酸化膜42上のN型シリコン層43は、光の導波方向にストライプ状に加工され、さらに、ゲート誘電体膜44が形成される。本実施例においてゲート誘電体膜44は、シリコンの熱酸化膜である。次にゲート誘電体膜44およびシリコン酸化膜42の上に、P型シリコン層が形成される。P型シリコン層は、熱CVD法で形成された多結晶シリコンである。P型シリコン層もまた光の導波方向にストライプ状に加工され、さらにゲート誘電体層44の露出部分がエッチングにより除去されて、図14中に示すN型シリコン43/ゲート誘電体44/P型シリコン層45の積層構造からなる光導波路が形成される。さらに、シリコン酸化膜46が熱CVD法により形成される。光導波路を挟んで配置されるシリコン酸化膜42および46は、それぞれ第1クラッド層および第2クラッド層として機能する。また、シリコン酸化膜46には、コンタクトホールが形成されてP電極48とN電極47が、それぞれP型シリコン層45およびN型シリコン層43に接続される。また、光変調器50の端面49(ヘキ開面)には、反射率を調整する多層のコーティング膜が形成されている(図12参照)。
さらに、本実施例に係る光変調器においても、ブラッグ反射器を構成することが可能である。すなわち、第1クラッド層として機能するシリコン酸化膜42とシリコンの屈折率の差によりレーザー光を反射するブラッグ反射器を構成すれば良い。具体的には、シリコンの細線を周期的に配列した回折格子をシリコン酸化膜42上に形成し、さらに、シリコン酸化膜で埋め込む構成とする(図13(a)、(b)参照)。さらに、上記のN型シリコン43/ゲート誘電体44/P型シリコン層45の積層構造からなる光導波路を熱CVD法により形成することにより、ブラッグ反射器を有する光変調器を製作することができる。
図15は、光変調器50のB−B断面を示す模式図である。コンタクトホール51を介してP電極48およびN電極47が、P型シリコン層45およびN型シリコン層43に接続している。N電極47をアース電位に接地した状態で、外部から印加される変調信号によりP電極48にプラス電圧が印加されると、ゲート誘電体44のPシリコン層45側の界面には正孔が蓄積され、Nシリコン側の界面には電子が蓄積される。一方、P電極48にマイナス電圧が印加されると、ゲート誘電体膜44の両方の界面において、キャリアが払い出された空乏領域が形成される。すなわち、P電極48に印加される電圧により、光導波路となるゲート誘電体膜44近傍のキャリア濃度が変化し、屈折率の変化が生じる。これにより、光変調器50の光透過率が変化し、入力光を変調することができる。
光変調器50においては、ゲート誘電体膜44の近傍に正孔および電子が蓄積された状態で屈折率が大きくなり、空乏領域が形成された状態で屈折率が小さくなる。したがって、N電極47をアース電位とし、P電極48にマイナス電圧を印加した状態において、光変調器50の光透過率が最少となるように動作温度を制御し、P電極48にプラス電極を印加した時に光透過率を最大とする設定にすれば、順相モードの動作が得られることになる。
図16は、本発明に係る光変調器1を内蔵した波長可変レーザーモジュール60の構成を模式的に示したものである。メタルパッケージ61の内部に、レーザーチップ62および光アイソレータ63、光変調器1が配置されている。各デバイスは、ペルチェクーラー67を介してパッケージ61に接着された導電性のステージ66上に配置されている。また、ステージ66は、アース電位に設置されている。レーザーチップ71は、放熱を良くするためにヒートシンク71上にダイボンディングされている。レーザーチップのN電極は、ヒートシンク71を介してステージ66に電気的に接続され、アース電位となっている。一方、P電極側は外部の電流源69に接続され、レーザーチップ62は、CWモードでレーザー発振する。また、レーザーチップ62は、波長可変レーザーであり、図示しない外部からの制御を受けて、所定の波長でレーザー発振する。
レーザーチップ62から出射されたレーザー光は、光アイソレータ63を介して光変調器1に入力される。光アイソレータ63は、光変調器1の入射端面からの反射光、および光変調器1の内部で多重反射されたレーザー光を、レーザーチップ62に戻さないために配置されている。レーザーチップ62から出射された光が、レーザーチップ62内部に戻ると、レーザー発振が不安定となり波長の変動や出力の変動を生じるからである。本発明に係る光変調器1において、端面の反射ミラーおよび変調器内部での多重反射は不可欠な要素であり、光変調器の入力側からレーザーチップ62への戻り光は不可避である。したがって、レーザーチップ62と光変調器1の間の光アイソレータ63は、不可欠な構成要素である。
光変調器1は、ヒートシンク72を介してステージ66に電気的に接続され、N電極がアース電位に設置されている。また、P電極は外部の変調回路に接続されており、変調信号8が印加される。光変調器1に入力されたレーザー光は、外部から印加される変調信号8により変調を受けて出力される。光変調器1から出力される信号光は、光ファイバ65に入力され受信側へ伝送される。
各デバイスの間には、光結合を取るためのレンズ64が配置されている。また、前述したように光変調器1の動作時の温度は動作モードを設定するために重要であり、ペルチェクーラー67により精密に制御される。さらに、光変調器1の共振周波数の間隔であるFSRも、変調器の温度を変化させて調整することができる。
図17は、ITUグリッドの規格に光変調器1のFSRを一致させた場合の、波長可変レーザーの発振周波数と光変調器1の透過率の関係を模式的に示した図である。波長多重(WDM)通信システムに使用する光波長については、国際的な標準規格であるITUグリッド間隔が定められており、光変調器1のFSRをこの規格に一致させることは極めて重要である。FSRをITUグリッド間隔に一致させるためには、光変調器1の共振周波数の間隔を決める共振器長Lを規格で定められた周波数間隔となるように設定する。例えば、L=c/2ω(ωはFSR)であるから、グリッド間隔が100GHzの場合は、L=1500μmとする。
前述したように、レーザー光の光周波数において光変調器1の透過率が最少となる動作点に設定することは、オフセット電圧を加える方法、光変調器の動作温度を調整する方法、または両方を組み合わせて実施することにより可能である。FSRがITUグリッドの規格に一致している場合には、1つの波長において光変調器1の動作点の設定がされいれば、ITUの規格で定められた全ての波長において動作点の設定ができていることになる。すなわち、波長可変レーザーの波長をITU規格に適合する別の波長に変更しても、光変調器1の動作点の設定を変える必要がないということを意味する。図17は、これを模式的に示している。これにより、光変調器1を備えた波長可変レーザーモジュール60の使い勝手を各段に向上させることが可能である。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明に係る光変調器および波長可変レーザーモジュールは、上述した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
本発明に係る光変調器を示す模式図である。 本発明に係る光変調器の光透過特性を光周波数に対して示した模式図である。 本発明に係る光変調器の光透過特性を光周波数に対して示した模式図である。 本発明に係る光変調器の入力光に対する出力光の強度比(相対光強度)を逆バイアスに対して示したグラフである。 本発明に係る光変調器の出力波形と対応する周波数変動Δωを示している。 本発明に係る光変調器の出力波形と対応する周波数変動Δωを示している。 本発明に係る光変調器から出力される光パルスの伝送後の波形の変化を示す説明図である。 本発明に係る光変調器で変調された10Gbpsの信号光のアイパターンを示している。 本発明に係る光変調器で変調された信号光の伝送後のアイパターンを示している。 本発明に係る光変調器で変調された信号光の伝送後のアイパターンを示している。 本発明の第1実施例に係る光変調器を示す模式図である。 本発明の第1実施例に係る光変調器のA−A断面を示す模式図である。 本発明の第2の実施例に係る光変調器を示す模式図である。 本発明の第3の実施例に係る光変調器を示している。 本発明の第3の実施例に係る光変調器50のB−B断面を示す模式図である。 本発明に係る光変調器を内蔵した波長可変レーザーモジュールの構成を示す模式図である。 本発明に係る光変調器のFSRをITUグリッドの規格に一致させた場合の波長可変レーザーの発振周波数と光変調器の透過率の関係を示した模式図である。
符号の説明
1 光変調器
2 N型クラッド層
3 P型クラッド層
4 光導波層
5 反射ミラー
6 P電極
7 N電極
22 N型InP層
23 光導波層
24 P型InP層
25 P電極
26 N電極
30 コーティング膜
31 回折格子
33 反射防止膜
42 シリコン酸化膜
43 N型シリコン層
44 ゲート誘電体膜
45 P型シリコン層
46 シリコン酸化膜
47 P電極
48 N電極
60 波長可変レーザーモジュール
62 レーザーチップ
63 光アイソレータ

Claims (12)

  1. レーザー光に信号を重畳する光変調器であって、
    前記レーザー光を導波するための光導波層と、
    前記光導波層を間に挟んで設けられ、前記光導波層より屈折率が小さい第1クラッド層および第2クラッド層と、
    前記光導波層を伝搬する前記レーザー光を多重反射させるために、対向して設けられた2つの反射器と、
    前記2つの反射器の間に配置されて、前記光導波層の屈折率を変化させるための変調信号が印加される電極と、を備え、
    前記電極に印加された変調信号によって前記光導波層の屈折率が相対的に高くなる方向に変化する条件において、前記対向して設けられた2つの反射器の外側に出力される信号光の強度が高くなる動作点に設定されることを特徴とする光変調器。
  2. 前記2つの反射器は、
    前記光導波層の端部に形成されたヘキ開面、または該ヘキ開面に反射率を調整するためのコーティングが施されたミラー面で構成されることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
  3. 前記2つの反射器は、
    前記光導波層を伝搬するレーザー光と干渉する回折格子を有するブラッグ反射器であることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
  4. 前記光導波層の両端面に設けられたヘキ開面に、前記レーザー光の反射を防止する反射防止膜を有すること特徴とする請求項3に記載の光変調器。
  5. 前記第1クラッド層は、前記光導波層を伝搬するレーザー光に対して透明であるInPを含むInGaAsP混晶系から選択された化合物半導体結晶からなり、
    前記第2クラッド層は、前記InPを含むInGaAsP混晶系から選択された化合物半導体結晶からなり、
    前記光導波層は、
    前記InGaAsP混晶系から選択された化合物半導体層を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載された光変調器。
  6. 前記光導波層は、
    前記InPを含むInGaAsP混晶系から選択された化合物半導体結晶からなる障壁層と、前記InGaAsP混晶系から選択された化合物半導体結晶からなる井戸層と、を積層した多重量子井戸(MQW)構造を有することを特徴とする請求項5に記載の光変調器。
  7. 前記光導波層は、
    前記光導波層を伝搬するレーザー光に対して透明であるAlGaInAs混晶系から選択された化合物半導体結晶からなる障壁層と、前記InGaAsP混晶系から選択された化合物半導体結晶からなる井戸層と、を積層した多重量子井戸(MQW)構造を有することを特徴とする請求項5に記載の光変調器。
  8. 前記第1クラッド層は、第1の導電性を有し、
    前記第2クラッド層は、第2の導電性を有し、
    前記第1クラッド層と第2クラッド層に各々に接続された2つの電極に逆バイアスとなる変調信号を印加することにより、前記光導波層の屈折率を変化させることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の光変調器。
  9. 前記第1クラッド層および第2クラッド層は、前記光導波層を伝搬するレーザー光に対して透明である誘電体層からなり、
    前記光導波層は、前記第1クラッド層および第2クラッド層の間に設けられ、P型シリコン層と、誘電体層と、N型シリコン層とが積層された構成を有し、
    前記変調信号を印加する2つの電極が、前記P型シリコン層およびN型シリコン層に各々接続されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の光変調器。
  10. 前記2つの反射器は、
    対向した反射器における共振周波数の隣接した間隔である自由スペクトル領域(free spectral range:FSR)が、所定の間隔に一致することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の光変調器。
  11. 出力光の波長を変えることができる波長可変レーザーと、
    請求項1ないし10のいずれかに記載の光変調器と、
    を備えることを特徴とする波長可変レーザーモジュール。
  12. 前記波長可変レーザーと、前記光変調器との間に、前記波長可変レーザーへの戻り光を減衰させるための光アイソレータを備えることを特徴とする請求項11に記載の波長可変レーザーモジュール。

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