JPH11249090A - 光処理装置 - Google Patents

光処理装置

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JPH11249090A
JPH11249090A JP6401998A JP6401998A JPH11249090A JP H11249090 A JPH11249090 A JP H11249090A JP 6401998 A JP6401998 A JP 6401998A JP 6401998 A JP6401998 A JP 6401998A JP H11249090 A JPH11249090 A JP H11249090A
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JP
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optical
light
face
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optical waveguide
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JP6401998A
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Inventor
Mitsushi Yamada
光志 山田
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で構成の簡素な光処理装置を提供する。 【解決手段】 光処理装置100において,光変調器1
10は,エネルギ反射率R1の第1端面112aで,光
学系130によって光の入出力部を形成する光分離器1
20と相互に接続されている。かかる光変調器110
は,第1端面112aとエネルギ反射率R2の第2端面
112bとに渡って,電界の印加によって光の吸収を行
うi層を備えた光導波路114が形成されている。かか
る光導波路114は,第1端面112aで反射する光と
光導波路114を一往復して第1端面112aから出射
される光との位相差がほぼπの奇数倍に成るように,設
定されている。したがって,光変調器110は,入射光
を,印加される電気信号Vsに応じて波形が変化する光
導波路を往復する成分と波形が変化しない第1端面11
2aによって反射される成分との干渉によって,電気信
号Vsの反転波形の光として第1端面112aから出射
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,光処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】まずはじめに,本明細書において使用す
るいくつかの用語について簡単に説明する。本明細書に
おいては,RZ(Return−to−Zero)信号
の反転信号を,RU(Return−to−Unit
y)信号という。また,本明細書において,NRZ(N
on−Return−to−Zero)信号の反転信号
は,NRU(Non−Return−to−Unit
y)信号という。また,本明細書においては,off−
stateレベルをベースとして一定時間on−sta
teレベルと成る波形のことをブライト波形といい,ブ
ライト波形とは逆に,on−stateレベルをベース
として一定時間off−stateレベルと成る波形の
ことをダーク波形という。
【0003】近年,ダーク波形の光パルスは,ブライト
波形の光パルスに比べてパルス間の相互作用やジッタ
(信号の時間的な揺らぎ)が小さく,長距離の高速光通
信に適していることから,注目されている。従来,ダー
ク波形の光パルスを形成することができるいくつかの光
処理装置が提案されている。例えば,「Dark Pu
lse Generation and Detect
ion Using Bright−Dark Con
version」,M. Suzuki, N. Ed
agawa, I. Morita and S. A
kiba, Proc. 21st Eur. Con
f. on Opt. Comm. (ECOC’9
5)には,ブライトソリトンパルスを反転することによ
ってダークソリトンパルスを形成する光処理装置が開示
されている。
【0004】ここで,上記従来の光処理装置200につ
いて,図12を参照しながら簡単に説明する。なお,図
12は,光処理装置200の模式的な構成説明図であ
る。光処理装置200は,符号化されたRZ信号のブラ
イトソリトンパルス列と連続光との排他的論理和(Ex
clusive OR)をとることによって,ブライト
ソリトンパルスを反転した波形のRU信号のダークソリ
トンパルスを形成する,装置である。
【0005】従来の光処理装置200の主な構成につい
て説明すると,まず,光処理装置200は,ブライトソ
リトンパルス列を発生させるための装置として,RZ光
信号発生装置202を備えている。かかるRZ光信号発
生装置202は,RZ光信号から成る,OTDM(Op
tical Time−Divisional Mul
tiplexing)のブライトソリトンパルス列を発
生させる装置である。なお,OTDMとは,光信号を時
間軸上で多重化することである。
【0006】光処理装置200を構成するこのRZ光信
号発生装置202は,構成要素として,波長が1558
nmのブライトソリトンパルス形成用の連続光を出力す
る装置と,ブライトソリトンパルス形成用の連続光を強
度変調してブライトソリトンパルス列を形成する電界吸
収型光変調器と,電界吸収型光変調器に正弦波電圧を供
給する正弦波電圧発生器とを,備えているものと考えら
れる。さらに,RZ光信号発生装置は,他の構成要素と
して,ブライトソリトンパルス列を符号化するLiNb
O3マッハツェンダ−干渉型光変調器と,LiNbO3
マッハツェンダ−干渉型光変調器に符号化電気信号を供
給するパルス・パターン発生器とを,備えている。
【0007】次に,従来の光処理装置200は,連続光
を発生させるための装置として,連続波(Contin
uous Wave:CW)レーザ204を備えてい
る。連続波レーザ204は,波長が1555nmの連続
光S2を出力することができる。
【0008】次に,従来の光処理装置200は,光に対
する排他的論理和ゲートとして機能する非線形光ループ
ミラー(Nonlinear Optical loo
pMiller。以下,「NOLM」という。)206
を備えている。かかるNOLM206は,第1の偏波コ
ントローラ208aと第1の3dBカプラ210aとを
介装した長さ5kmの分散シフトファイバ(DSF)2
12の両端が,第2の3dBカプラ210bに接続され
ることによって,形成されている。
【0009】以上説明した主構成を有する従来の光処理
装置200の動作について説明すると,光処理装置20
0の動作時において,RZ光信号発生装置202から出
力されたブライトソリトンパルス列S1は,光ファイバ
増幅器(EDFA)214と第2の偏波コントローラ2
08bと第1の光アイソレータ216aとを介して,第
1の3dBカプラ210aからNOLM206に入力さ
れる。また,RZ光信号発生装置202からのブライト
ソリトンパルス列S1がNOLMに入力されると同時
に,連続波レーザ204から出力された連続光S2が,
第3の偏波コントローラ208cと第2の光アイソレー
タ216bと第3の3dBカプラ210cとを介して,
第2の3dBカプラ210bからNOLM206に入力
される。
【0010】結果として,従来の光処理装置200にお
いては,NOLM206から第2の3dBカプラ210
bを介して,出力光S3と出力光S4とが出力される。
かかる出力光の内,連続波レーザ204側に戻ってくる
出力光S3は,丁度,連続光S2からRZ信号のブライ
トソリトンパルス列S1を引いた様な形の波形を有する
RU信号のダークソリトンパルス列に成っている。した
がって,従来の光処理装置200においては,符号化さ
れたブライトソリトンパルス列S1のon−state
とoff−stateとが逆転した反転波形のダークソ
リトンパルス列を,第3の3dBカプラ210cと第3
の光アイソレータ216cとを介して取り出すことがで
きる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記従
来の光処理装置200は,上述のように,少なくとも,
2つの連続光を発生する光源,2つの光変調器,正弦波
信号発生器,分散シフトファイバ及び3dBカプラが必
要である。したがって,従来の光処理装置は構成部品が
多く,構成の複雑化や大型化等を避けることができず
に,イニシャルコストが上がり,占有面積も非常に大き
くなる。
【0012】また,従来の光処理装置200において,
使用されているNOLM206の安定な動作のために,
分散シフトファイバ212の分散量の制御や連続光とR
Z信号とのピークパワ−の制御及び偏波のコントロール
等が要求される。かかる要求の内でも,特に,分散シフ
トファイバ212の分散量の制御に関しては,分散シフ
トファイバ212が5kmと長いために,外気温度の変
化によって分散シフトファイバ212の長さが変化し
て,その変化に起因する分散量変動や光損失変動や偏波
変動等が生じる可能性が非常に高い。したがって,NO
LM206の長期的な安定動作を実現するためには,N
OLM206全体の温度コントロールも要求されるもの
と考えられる。すなわち,従来の光処理装置200は,
大型化やコストの大幅な増加等を招き易いとともに,装
置全体の動作安定性や長期信頼性等の劣化が生じ易いと
いう問題がある。
【0013】本発明は,上記従来の光処理装置の有する
問題点に鑑みて成されたものであり,小型で環境変化に
強く,安定した信頼性の高い動作によって,光通信への
応用が期待されるダークソリトンパルス等,ダーク波形
の光の形成が可能な,新規かつ改良された光処理装置を
提供することである。さらに,本発明の他の目的は,少
ない部材数で構成された,反転波形の光,例えばRU光
信号やNRU光信号等を容易に形成することができる,
新規かつ改良された光処理装置を提供することを目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に,請求項1に記載の発明は,少なくとも,所定の反射
率及び透過率を有する入出射端面と入出射端面からの光
を入出射端面に回帰させる光経路を形成する光導波路と
を備え,光導波路には,印加される入力信号に応じて光
を変調する光変調手段が設けられており,光導波路は,
外部から入出射端面に入射された入射光の内,入出射端
面によって反射される第1の成分と,入射光の内,入出
射端面を透過して,光導波路が形成する光経路を伝搬し
て入出射端面に回帰し,入出射端面から出射される,第
2の成分との位相差が,ほぼπの奇数倍に成るように調
整される構成を採用する。
【0015】かかる構成を有する請求項1に記載の発明
によれば,入力信号の反転波形の被処理光を容易に形成
することができる。請求項1に記載の発明による,入力
信号の反転波形の被処理光形成について簡単に説明する
と,入出射端面に入射される連続光の一部は,所定の反
射率を有する入出射端面によって反射されて,第1の成
分に相当するほぼ強度が一定の第1の光が発生する。
【0016】一方,連続光の他の一部は,入出射端面を
透過して光導波路によって形成された光経路を伝搬して
入出射端面から出射され,第2の成分に相当する第2の
光が発生する。かかる第2の光は,光経路を伝搬してい
る間に,光導波路に設けられた光変調手段によって変調
されるため,入力信号に対応した波形に成る。
【0017】請求項1に記載の発明において,光導波路
は入射光の第1の成分と第2の成分との位相差はπの奇
数倍に成るように調整されるため,第1の光と第2の光
との相対的位相差はπの奇数倍に成る。したがって,ほ
ぼ強度が一定の第1の光と入力信号に対応する波形の第
2の光との干渉によって,入力信号を反転させた波形の
被処理光の形成が可能と成る。
【0018】すなわち,請求項1に記載の発明によれ
ば,必要部材数の低減と小規模で温度変化等への耐環境
性能の向上とを実現した光処理装置によって,反転波形
の光を形成できる。したがって,請求項1に記載の発明
は,安定性及び信頼性の高い動作によってRU光信号や
NRU光信号の形成が可能に成り,ダーク波形の光パル
スや光信号を利用した光通信システムの構築に寄与する
ことができる。
【0019】また,請求項2に記載の発明は,光導波路
は,所定の反射率を有する反射部で終端することによっ
て,入出射端面からの光を入出射端面に回帰させる光経
路を形成する構成を採用する。かかる構成を有する請求
項2に記載の発明においては,光経路が光導波路を往復
する構成であるため,短い光導波路によって,必要な光
経路の長さを確保することができる。したがって,請求
項2に記載の発明によれば,安定した信頼性の高い動作
をする,装置規模の更なる小型化が実現された光処理装
置を実現することができる。
【0020】さらに,請求項3に記載の発明は,入出射
端面と光導波路とは,同一基板上に配されて,光変調器
を形成する構成を採用して,ダーク波形の光パルスの形
成が可能な光処理装置の素子化を可能とする。さらにま
た,請求項4に記載の発明は,入出射端面には,第1の
成分と第2の成分とを干渉させて出射光とする光線路が
接続されている構成を採用して,第1の成分と第2の成
分との干渉を保証するとともに,光線路によって光処理
装置からの出射光の確実な抽出を可能にする。
【0021】さらにまた,請求項5に記載の発明は,入
出射端面には,光線路を介して,入出射端面への入射光
と入出射端面からの出射光とを分離する光分離器が接続
されている構成を採用して,形成される出射光を入射光
からの分離を保証する。なお,本発明において,光導波
路の調整は,請求項6に記載の発明のように,光導波路
の長さを調整したり,光導波路の等価屈折率を調整する
ことによって行うことができる。また,本発明において
は,請求項8に記載の発明のように,入射光の波長を調
整したり,請求項9に記載の発明のように,光導波路の
動作温度を調整することによって,光導波路の調整を行
うことも可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に,添付図面を参照しなが
ら,本発明の好適な一実施の形態について,図1に模式
的に構成を示す光処理装置100を例示して詳細に説明
する。なお,以下の説明及び添付図面において,略同一
の機能及び構成を有する構成要素については,同一符号
を付することにより,重複説明を省略する。
【0023】まず,本実施の形態にかかる光処理装置1
00に適用される光変調器110について,図2〜図4
を参照しながら説明する。なお,図2は,光変調器11
0の概略構成及び定性的動作を説明するための断面図で
あり,図3は,光変調器110の消光特性の説明図であ
り,図4は,光変調器110の消光特性を確認するため
の実験結果である。
【0024】図2に示すように,光変調器110は,い
わゆる光導波路型半導体光変調器であり,積層構造を有
する光導波路114において電界吸収効果による導波光
の変調を行う。一般に,光導波路型半導体光変調器の光
導波路においては,コアとして機能するi層がクラッド
として機能するp型半導体層とn型半導体層とによって
挟まれて,いわゆるp−i−n接合の積層構造が形成さ
れている。このp−i−n接合の積層構造においては,
p型半導体層とn型半導体層とに逆バイアス方向の電位
差が生じると,コアに相当するi層に電界が印加されて
電界吸収効果と呼ばれる現象が生じる。なお,電界吸収
効果とは,電界が印加されている時には導波光の吸収が
生じるが,逆に電界が印加されていない時には導波光の
吸収が生じないという,現象である。
【0025】光変調器110において,光導波路114
は,エネルギ反射率R1を有する第1端面112aとエ
ネルギ反射率R2を有する第2端面112bとに渡って
形成されている。かかる構成によって,光変調器110
には,第1端面112a側から入射する光に対して,2
つの伝搬経路が形成される。
【0026】光変調器110に形成される第1の伝搬経
路110aは,入出射端面に相当する第1端面112a
で反射して,直接第1端面112a側の光変調器110
外部に出射される経路である。また,光変調器110に
形成される第2の伝搬経路110bは,まず第1端面1
12aを透過して光導波路114に結合して,次に反射
部に相当する第2端面112bで反射されることにより
光導波路114を往復して,最終的に第1端面112a
側の光変調器110外部に出射される,経路である。
【0027】光変調器110において,光導波路114
は,第1の伝搬経路110aを伝搬する光と光導波路1
14を一往復して第1端面112aから出射される第2
の伝搬経路110bを伝搬する光との第1端面112a
出射時の相対的位相差がほぼπの奇数倍に成るように,
設定されている。なお,かかる光導波路114の設定
は,光導波路114の長さと相関する光変調器110の
素子長や,第1端面112aから入射される入射光の波
長,光導波路114の等価屈折率,或いは,光導波路1
14の動作温度等を調整することによって,行うことが
できる。
【0028】以上のように構成された光変調器110
に,第1端面112a側から入射光P1が入射される
と,入射光P1はエネルギ反射率R1を有する第1端面
112aで反射光Prと結合光Pcとに分かれる。入射
光P1から分かれた光の内,第1の成分に相当する反射
光Prは,第1の伝搬経路110aを伝搬する。つま
り,反射光Prは,光導波路112aに結合することな
く第1端面112aで反射されて,第1端面112a側
の光変調器110外部に出射される。
【0029】一方の結合光Pcは,第2の伝搬経路11
0bを伝搬する。つまり,結合光Pcは,光導波路11
4に結合して,光導波路114を往復し,往復光Pbと
して第1端面112a側の光変調器110外部に出射さ
れる。ここで,往復光Pbについて説明する。一般に,
光導波路を伝搬する光は,光導波路の端面を介して一度
に全成分が出射される訳ではなく,光導波路を伝搬する
光の一部は,光導波路の端面によって反射されて光導波
路内に戻る。光変調器100においても,光導波路11
4を往復して第1端面112aに戻って来た結合光Pc
の一部は,第1端面112aにおいて反射されて光導波
路114内に戻る。この第1端面112aで反射されて
光導波路114内に戻った結合光Pcの成分は,光導波
路114の往復を繰り返す。
【0030】したがって,光導波路114を往復して第
1端面112aから出射される往復光Pbは,光導波路
114を一往復して第1端面112aから出射される結
合光Pcの第2の成分に相当する成分と,光導波路11
4を複数回往復して第1端面112aから出射される結
合光Pcの多重反射成分とが,重なり合った光であるこ
とが分かる。結果的に,光変調器110の第1端面11
2a付近では,往復光Pbと反射光Prとの干渉によっ
て,被処理光P2が形成される。
【0031】すなわち,第1端面112a側から光変調
器110に入射される入射光P1は,光変調器110に
よって反射されて,被処理光P2として第1端面112
a側に戻ることに成る。次に,反射光Prと往復光Pb
との干渉によって形成される被処理光P2について,光
変調器110の消光特性と関連づけながら理論的に説明
する。
【0032】発明者の知見によれば,被処理光P2の光
量は,反射光Prと往復光Pbとの大小関係に依存し,
結合光Pcの多重反射成分を考慮した光変調器110の
トータルの光反射量Rとして, R=(X−Z)/(Y‐Z) と表すことができる。ただし,X,Y及びZは,光導波
路114を往復せずに透過する場合における導波光の透
過率Gの関数であり,それぞれ, X=(R1 1/2+GR2 1/2) Y={1+G(R121/2} Z=4(R121/2Gsin2(γ/2) で表される。
【0033】なお,γは,反射光Prと光導波路114
を一往復して第1端面112aから出射される結合光P
cの成分との相対的な位相差であり,上述したように光
導波路114の設定によってほぼπの奇数倍に成るた
め, γ〜(2m+1)π [rad] で表される。ただし,m=0,1,2,3・・・であ
る。したがって,光変調器110のトータルの反射量R
は, R=(R1 1/2−GR2 1/22/{1−G(R121/2
2 と表されることが分かる。
【0034】以上のように表されるトータルの反射量R
を基にして,被処理光P2の光量について説明すると,
まず,透過率GがG=約1の時,すなわち図2中の曲線
Aに示すように光導波路114のi層における結合光P
cの吸収が無視できる時には,反射率Rは, R=(R1 1/2−R2 1/22/{1−(R121/22 と成る。したがって,この時には,第1端面112aの
エネルギ反射率R1と第2端面112bのエネルギ反射
率R2とを等しく設定しなければ,被処理光P2の光量
は有限の値に成ることが分かる。
【0035】また,透過率GがG=約0の時,すなわち
図2中の曲線Cに示すように光導波路114のi層にお
いて結合光Pcの吸収が十分に成される時には,光変調
器110のトータルの反射量Rは, R=R1 と表される。したがって,被処理光P2の光量は,反射
光Prの光量と等しくなる。すなわち,この時には,入
射光P1は,光変調器110によって反射光Prの光量
にまで消光されることが分かる。
【0036】さらに,光変調器110においては,図2
中の曲線Bに示すように0<G<1の範囲に,透過率G
が, R1 1/2=GR2 1/2 の関係を満たすことがある。この時には,光変調器11
0のトータルの反射量Rは, R=0 と成り,光変調器110に入射された入射光P1は干渉
現象によって完全に消光されることが分かる。なお,こ
の時には,相対的位相差がπの奇数倍である,反射光P
rの光量と光導波路114を一往復して第1端面112
aから出射される結合光Pcの成分の光量とがほぼ等し
くなっているものと考えられる。
【0037】ところで,光変調器110において,透過
率Gは,主に光導波路114のi層のバンド間吸収によ
る導波光の減衰に起因して,変化する。光導波路114
において,コアであるi層に電界を印加した場合,i層
のバンド間吸収はFranz−KeLdysh効果や量
子閉じ込めシュタルク効果等の電界吸収効果によって,
急激に増大する。
【0038】発明者の知見によれば,逆バイアス方向の
電圧による電界が印加されることによって光導波路11
4のi層において電界吸収効果が生じている時には,透
過率Gは, G=exp{−Γα(V)L} と表される。ただし,Vは,光変調器110に印加され
ている電圧を表し,α(V)は,光吸収層として機能す
るi層の光吸収係数を表している。また,Γは,光導波
路114におけるi層への導波光の閉じ込め係数を表
し,Lは,光導波路114の長さを表している。
【0039】したがって,光変調器110においては,
光変調器110に印加する電圧Vを制御すれば,透過率
Gを制御できることが分かる。以上説明したように光変
調器110においては,i層に印加する電界,すなわち
光変調器110に印加される電圧Vに応じて往復光Pb
の光量が変化する。一方,反射光Prは,i層の電界が
変化しても光量が変化しないから,光変調器110で
は,反射光Prと往復光Pbとの大小関係を印加する電
圧によって制御可能であり,結果,被処理光P2の光量
を制御できることが分かる。
【0040】かかる光変調器110を用いれば,印加す
る電圧Vの初期値においてi層での光の吸収が無視でき
るとともに終値においてi層での光の吸収が十分に行わ
れるように設定すると,2つの特徴を持つ消光特性を得
ることができる。1つ目の特徴は,「印加する電圧の初
期値と終値とでは,完全な消光は行われずトータルの反
射量Rは有限の値が得られ,印加する電圧の初期値と終
値との間には,光が完全に消光される電圧Vが存在す
る。」という特徴である。また,2つ目の特徴は,「印
加する電圧の終値におけるトータルの反射量Rの値は,
第1端面112aのエネルギ反射率R1に等しい。」と
いう特徴である。
【0041】図3には,光変調器110と略同一の基本
構造を持つある光変調器を想定し,想定した光変調器に
ついて具体的に計算した消光曲線を示す。この光変調器
の消光特性は,光変調器110の消光特性と類似する。
なお,想定した光変調器は,エネルギ反射率が28.6
%と成るように第1端面112aに相当する第1端面を
劈開して,エネルギ反射率が98%と成るように第2端
面112bに相当する第2端面を高反射コーティングし
ているものである。また,想定した光変調器の光導波路
は,長さが170μmである。さらに,想定した光変調
器において,光導波路の光吸収係数の印加電圧に対する
依存性は,端面を無反射コーティングした素子長130
μmの光変調器について実際に測定した結果を基にし
て,決定している。さらに,想定した光変調器において
は,電圧を印加した場合の光導波路の屈折率変化は無視
している。
【0042】図3によれば,想定した光変調器では印加
電圧が約−0.45V付近の領域Bで,最大の消光が得
られており,被処理光の出力が最小と成ることが分か
る。また,図3によれば,印加電圧が−0.45Vより
も順バイアス側の領域Aと逆バイアス側の領域Cとで
は,ともに,想定した光変調器によって形成される被処
理光の強度が回復することが分かる。
【0043】また,図4には,光変調器110と略同一
の基本構成を持つある光変調器について,実際に発明者
が行った実験の実験結果を示す。かかる実験では,入射
光波長1.5583μmにおいて,本実験に用いた光変
調器の消光特性を表す反射量の印加電圧依存性が測定さ
れている。図4に示すように,本実験においては,本実
験にかかる光変調器に約−0.45Vの電圧を印加した
場合に,最大の消光を得ることができた。かかる実験結
果は,図3に示した計算結果と非常に良く一致してい
る。
【0044】次に,以上説明した光変調器110が適用
される本実施の形態にかかる光処理装置100の構成に
ついて,図1を参照しながら説明する。なお,図1は,
本実施の形態にかかる光処理装置100の概略構成を示
す模式図である。図1に示すように,本実施の形態にか
かる光処理装置100は,光分離器120の合波ポート
122と光変調器110の第1端面112aとが光学系
130によって相互に接続される基本構成を有してい
る。
【0045】かかる光処理装置100においては,接地
された定電圧源150と電気信号発生器140とが光変
調器110に直列に接続されており,光変調器110に
設けられた光導波路114のi層に電界を印加すること
ができる構成になっている。なお,光変調器110に接
続された定電圧源150はバイアス信号に相当するバイ
アス電圧Vbを発生するものである。また,電気信号発
生器140は入力信号に相当する電気信号Vsを発生す
るものである。かかる構成によって,光変調器110に
は,バイアス電圧Vbに重畳した電気信号Vsを印加す
ることが可能となり,結果,光変調器110の光導波路
114では,電気信号Vsに応じた導波光の変調が可能
となる。
【0046】光処理装置100において,光分離器12
0には,光学系130によって光変調器110の第1端
面112aと相互に接続される合波ポート122以外に
も,光処理装置100の光入力ポートとして機能する第
1分波ポート124aと光処理装置100の光出力ポー
トとして機能する第2分波ポート124bとが,設けら
れている。かかる光分離器120は,第1分波ポート1
24aから入力された光を合波ポート122から出力す
る機能と合波ポート122から入力された光を第2分波
ポート124bから出力する機能とを併せ持つ。これら
の機能を併せ持つ構成は,例えば光サーキュレータや光
ファイバカプラ等によって実現することができる。
【0047】さらに,光処理装置100に設置された光
学系130は,入出射端面に相当する第1端面112a
に形成された光導波路114端部と光分離器120の合
波ポート122とを,片方から出力された光が他方に結
合するように,光学的に接続する機能を持つ。かかる機
能は,例えば,合波ポート122に一端を接続した光フ
ァイバと,光ファイバの他端からの光をコリメートする
第1のレンズと,第1のレンズからの平行光を光導波路
114端部に集光する第2のレンズとによって,実現す
ることができる。他にも,かかる機能は,例えば,光フ
ァイバを単独で用いたり,先球ファイバを用いたり等,
様々な光学部品の組合わせによって実現することができ
る。
【0048】なお,光処理装置100においては,光変
調器110が十分に機能するように,光処理装置100
へ入力する入力光のフォトンエネルギと光導波路114
のi層のバンドギャップエネルギとの関係を設定するこ
とが望ましい。かかる設定条件は,例えば,入力光のフ
ォトンエネルギと光導波路114のi層のバンドギャッ
プエネルギとの間に, λg>λph の関係が成立するように設定すれば,実現される。ただ
し,λgは,光導波路114のi層のバンドギャップエ
ネルギを表しており,λphは,光処理装置100への
入力光のフォトンエネルギを表している。
【0049】さらに,光処理装置100においては,第
1端面112aのエネルギ反射率R1と第2端面112
bのエネルギ反射率R2とを,光変調器110が所定の
消光特性を持つように設定することが望ましい。具体例
を挙げると,エネルギ反射率R1は,例えば, 0.1<R1<0.6 と設定することができる。また,エネルギ反射率R
2は,例えば,高反射膜コーティングを施す等して, 0.8<R2<1 と設定することができる。
【0050】以上のように構成された光処理装置100
の動作時には,連続光L1が第1分波ポート124aか
ら光分離器120に入力される。かかる連続光L1は,
光分離器120の合波ポート122から光学系130に
出力され,光学系130によって第1端面112a側か
ら光変調器110に入力される。
【0051】さらに,連続光L1は,印加される電圧V
に応じてトータルの反射量Rが変化する光変調器110
によって反射されて,被処理光列L2として光学系13
0に出力される。かかる被処理光列L2は,光学系13
0によって合波ポート122から光分離器120に入力
され,光分離器120の第2分波ポート124bから光
処理装置100外部に出力される。
【0052】次に,本実施の形態にかかる光処理装置1
00の好適な用途について説明する。以下に説明する3
つの用途は,光処理装置100によって入力信号の反転
波形を持つ被処理光列を形成する用途である。上述した
光処理装置100の構成からも分かるように,光変調器
110に印加される電圧Vは, V=Vb+Vs で表される。ただし,Vbは,定電圧源150から光変
調器110に印加されるバイアス電圧であり,Vsは,
信号発生器140から光変調器110に印加される電気
信号である。
【0053】以下に説明する3つの用途全てにおいて,
光変調器110に印加される電圧の最大値は,光変調器
110による消光が最大に成る電圧よりも逆バイアス側
に設定する必要がある。すなわち,光変調器110に印
加される電圧Vの最大値Vmaxを, Vmax≦Vdip の関係を満たすように,設定する必要がある。ただし,
Vdipは,光変調器110が入射光を完全に消光する
場合の光変調器110に印加される電圧Vを表してい
る。
【0054】図3に示す消光曲線(かかる消光曲線は,
光変調器110の消光曲線に類似している。)を参照す
れば,かかる設定条件においては,光変調器110に印
加される電圧Vが正方向に近付く程,光変調器110に
よる消光は大きくなることが分かる。したがって,以下
に説明する3つの用途全てにおいて,光変調器110の
トータルの反射量Rの大小は電気信号Vsの値の大小と
反対に成る。結果として,かかる設定条件が満たされて
いれば,連続光L1から電気信号Vsの反転波形を持つ
被処理光列L2を,光処理装置100によって形成する
ことが可能となる。
【0055】(第1の用途)まず,光処理装置100の
第1の用途について,図5〜図7を参照しながら説明す
る。なお,図5は,本用途における光変調器110の動
作原理の説明図である。また,図6は,本用途における
光処理装置100から発生する光信号の概略的な説明図
であり,図7は,本用途に関して発明者が行った実験の
実験結果である。
【0056】図1に示す光処理装置100において,本
用途では,定電圧源150から光変調器110に,バイ
アス電圧VbとしてDC電圧Vb1を印加する。また,
信号発生器140からは,電気信号Vsとしてピークト
ゥピーク電圧がVp−pのNRZ電気信号Vnrzを光
変調器110に印加する。したがって,本用途における
光変調器110に印加される電圧Vの最大値Vmax
は, Vmax=Vb1+Vp−p/2≦Vdip と表される。
【0057】なお,実際上は,被処理光列L2として形
成されるNRU光信号列Lnruの各NRU光信号Pn
ruついて,立ち上がり立ち下がり時間を小さくしたり
on/off比を大きく取りたい場合が考えられる。か
かる場合には,NRZ電気信号Vnrzのピークトゥピ
ーク電圧Vp−pを許される範囲で大きくとるととも
に,バイアス電圧Vbを, Vb=Vdip−Vp−p/2 と成るように調整する。
【0058】図5には,本用途において光変調器110
に印加される電圧Vと光変調器110によって形成され
る被処理光P2aとの概略的な関係を図3に示す消光曲
線を用いて説明する説明図を示す。図5に示すように,
光変調器110にNRZ電気信号Vnrzが印加されて
いる場合には,被処理光P2aは,NRZ電気信号Vn
rzのon−stateとoff−stateとが反転
した波形のNRZ光信号に成ることが分かる。
【0059】したがって,図6に示すように,本用途に
おいてNRZ電気信号Vnrzとして例えば{1110
1010}パターンの電気信号を用いれば,連続光L1
が入力される光処理装置100によって,{00010
101}パターンのNRZ光信号列が被処理光列L2と
して形成されることになる。
【0060】図7には,本用途の設定条件と略同一の設
定条件において,ある光変調器について発明者が行った
実験により得られた光波形を示す。なお,本実験は,光
信号発生実験である。本実験においては,ピークトゥピ
ーク電圧が約0.9Vに設定された10Gb/s“11
101010”パターンの電気信号を,本実験に用いた
光変調器へ入力している。また,本実験においては,−
0.9Vのバイアス電圧を,本実験に用いた光変調器へ
入力している。
【0061】図7に示すように,本実験では,入力した
電気信号の反転パターン“00010101”を持つ光
信号が得られている。したがって,本実験によって,本
用途の設定条件においてNRZ電気信号からNRU光信
号が得られることが確認される。また,本実験における
変調帯域は約15GHzである。なお,参考として,本
実験に用いた光変調器に印加するバイアス電圧を−0V
とした時の結果について簡単に説明すると,この時に
は,電気信号のパターンと同じく“11101010”
のパターンを持つ光信号が得られ,また,この時得られ
た変調帯域は約10GHzであった。
【0062】(第2の用途)次に,光処理装置100の
第2の用途について,図8〜図10を参照しながら説明
する。なお,図8は,本用途における光変調器110の
動作原理の説明図である。また,図9は,本用途におけ
る光処理装置100から発生する光信号の概略的な説明
図であり,図10は,本用途における被処理光列L2に
ついての計算結果である。
【0063】図1に示す光処理装置100において,本
用途では,定電圧源150からは,バイアス電圧として
DC電圧Vb2を光変調器100に印加する。また,信
号発生器140からは,電気信号Vsとして所定の繰り
返し電圧,例えば,正弦波電圧である高周波信号V
(t)を光変調器110に印加する。
【0064】本用途において,光変調器110に印加さ
れる電圧Vは, V=Vb2+V(t)=Vb2+Vrcos(wt) で表される。ただし,Vrは,高周波信号V(t)の片
側振幅であり,wは,高周波信号V(t)の角周波数で
あり,tは,時間である。また,高周波信号V(t)の
両側振幅をVswing=2Vrとする。したがって,
光変調器110に印加される電圧Vの最大値Vmax
は, Vmax=Vb2+Vr≦Vdip と表される。
【0065】実際,本用途において,被処理光列L2と
して形成されるRU光パルス列Lpruの各RU光パル
スは,デューティ比を小さくするとともにon/off
比を大きく取りたい場合がある。かかる場合には,高周
波信号V(t)の片側振幅Vrを許される範囲で大きく
とるとともに,バイアス電圧Vb2を, Vb2=Vdip−Vr と成るように,調整する。
【0066】図8には,本用途において光変調器110
に印加される電圧Vと光変調器110によって形成され
る被処理光P2bとの概略的な関係を,図3に示す消光
曲線を用いて説明する説明図を示す。図8に示すよう
に,光変調器110に高周波信号V(t)が印加されて
いる場合には,光変調器110によって,高周波信号V
(t)の反転波形の被処理光P2bが形成される。かか
る被処理光P2bは,光変調器110の消光曲線の非線
形性によって,デューティ比が小さいRU光信号に成る
ことが分かる。
【0067】したがって,図9に示すように,電気信号
Vsとして正弦波形状の高周波電気信号V(t)を印加
する本用途においては,連続光L1が入力された光処理
装置100によって,被処理光列L2としてRU光パル
ス列が出力されることが分かる。
【0068】図10には,光変調器110と略同一の基
本構成を持ったある光変調器を想定して,想定した光変
調器によって形成されるRU光パルス列の波形について
の計算結果を示す。なお,計算に用いた素子パラメータ
は,図3に消光曲線を示す光変調器と同様の想定であ
る。また,Vr=4[V],変調周波数10GHz,V
b=Vdip−Vrの動作条件において計算を行った。
【0069】(第3の用途)次に,光処理装置100の
第3の用途について,図11を参照しながら説明する。
なお,図11は,本用途における光処理装置100から
発生する光信号の概略的な説明図である。本用途は,R
U光信号の形成する光処理装置100の用途である。
【0070】図1に示す光処理装置100において,本
用途では,定電圧源150から光変調器100にバイア
ス電圧としてDC電圧Vb3を印加する。また,信号発
生器140からは,電気信号Vsとして符号化された正
弦波であるRZ繰り返し電圧Vrzを光変調器110に
印加する。
【0071】本用途において,光処理装置100は,上
記第2の用途と基本的に同一の原理によって,被処理光
列L2が形成される。ただし,本用途においては,電気
信号Vsが,予め符号化されている。したがって,本用
途において光処理装置100により形成される被処理光
列L2は,図11に示すように,上記第2の用途におい
て光処理装置100によって形成される図9に示すRU
光パルス列を符号化したRU光信号に成る。
【0072】以上説明したように本実施の形態によれ
ば,反射型の光変調器,一つの連続光を発生する装置,
パルスパターンや符号化信号の発生器,及び光サーキュ
レータ等の光分離器から構成される簡単かつ小型な装置
によって,NRU光信号やRU光パルスやRU光信号
等,反転信号の発生を行うことができる。したがって,
本実施の形態によれば,ダークソリトンパルス等のダー
ク波形の光の発生には極めて有用な光処理装置を実現す
ることができる。
【0073】また,本実施の形態においては,適用され
る反射型の光変調器の特性から,低電圧の印加によって
大きな消光比を達成することができる。さらに,本実施
の形態において適用されている反射型の光変調器では,
出力される光のon−stateの値が,光の入出力側
端面のエネルギ反射率に固定されるので,on−sta
teのレベル変動が極めて小さくなる。
【0074】さらにまた,本実施の形態にかかる用途に
おいては,off−stateに比べてon‐stat
eの方がより深い逆バイアスが光変調器の吸収層(i
層)に掛かっている。したがって,on−stateの
方がより光変調器の素子容量を小さくすることが可能で
あるとともに,光変調器の吸収層からのフォトキャリア
の掃き出しが速い。結果として,本実施の形態において
は,光変調器のより一層の高速変調が可能となり,光処
理装置の高速動作を実現することができる。
【0075】以上,本発明の好適な実施の形態につい
て,添付図面を参照しながら説明したが,本発明はかか
る構成に限定されない。特許請求の範囲に記載された技
術的思想の範疇において,当業者であれば,各種の変更
例及び修正例に想到し得るものであり,それら変更例及
び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと
了解される。
【0076】まず,上記実施の形態に適用した光変調器
については,導波路型の半導体光変調器であること以外
は,構造や寸法や材料等について何等限定されない。例
えば,上記実施の形態についての説明においては,光変
調器の特性を,光導波路の吸収層がlnGaAsP系の
バルク材料で形成された光変調器についての実験結果を
基に説明しているが,本発明はかかる構成に限定されな
い。本発明には,例えば電界強度に対する吸収層自体の
励起子ピークシフトの大きな量子井戸や歪み量子井戸構
造等の光変調器も,適用することができる。
【0077】また,上記実施の形態においては,端面コ
ーティングや劈開等によって反射率を持つ端面を形成し
た光変調器が適用されている例について説明したが,本
発明はかかる構成に限定されない。本発明に,光変調器
を適用する時には,その端面は,形成方法や層数の設計
・膜の材料の組み合わせ等について,何等限定されるの
ものではない。なお,反射部に相当する光変調器の端面
は,全反射膜であることが望ましい。
【0078】さらに,本発明においては,上記実施の形
態に適用されている光変調器を所望の周波数で変調動作
させる場合に,インピーダンス調整回路を設けて,高周
波電気信号を印加する際のインピーダンス不整合を解消
したり,又は故意に共振現象を発生させて,高周波信号
を効率的に光変調器に印加させることが可能である。
【0079】次に,上記実記の形態にかかる光処理装置
装置の構成については,上記説明の構成に限定されな
い。本発明は,例えば,半導体光変調器と光サーキュレ
ータの間に,検光子や偏波コントローラ,波長フィル
タ,あるいは光増幅器などを挿入する構成についても適
用することができる。
【0080】また,上記実施の形態に適用されている入
力信号については,実際には,高周波を供給する回路,
伝送線路,および実装によって波形が歪む場合があり,
また,変調器の消光特性はそれぞれ異なる。従って,R
Z電気信号としては,完全に正弦波である必要はない。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば,構成部材数が少なく簡
易で小規模の環境変化にも強い光処理装置によって,反
転波形の光を形成することが可能である。したがって,
本発明によれば,長距離の光通信に適するダーク波形の
光パルスや光信号等を,変動が少なく制御が容易な動作
によって形成可能な光変調器を提供することができる。
また,本発明によれば,光処理装置の動作条件を厳しく
せずに目的とする光処理を実現することができる。した
がって,本発明によれば,装置寿命の短期化を生じさせ
ずに光の高速処理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能な光処理装置の概略構成を示
す模式図である。
【図2】図1に示す光処理装置に適用される光変調器の
概略構成及び定性的動作を説明するための断面図であ
る。
【図3】図2に示す光変調器の消光特性の説明図であ
る。
【図4】図3に示す消光特性を裏付ける実験結果である
【図5】図2に示す光変調器の動作原理の説明図であ
る。
【図6】図1に示す光処理装置によって形成される光信
号の概略的な説明図である。
【図7】発明者が行った実験の実験結果である。
【図8】図2に示す光変調器の他の動作原理の説明図で
ある。
【図9】図1に示す光処理装置によって形成される他の
光信号の概略的な説明図である。
【図10】図1に示す光処理装置によって形成される他
の光信号の波形についての計算結果である。
【図11】図1に示す光処理装置によって形成される他
の光信号の概略的な説明図である。
【図12】従来の光処理装置の概略構成を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
100 形成装置 110 光変調器 112a,112b 端面 114 光導波路 120 光分離器 130 光学系 V 電圧 Vs 電気信号 P1,P2,Pb,Pr 光 R1,R2 エネルギ反射率

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも,所定の反射率及び透過率を
    有する入出射端面と前記入出射端面からの光を前記入出
    射端面に回帰させる光経路を形成する光導波路とを備
    え,前記光導波路には,印加される入力信号に応じて光
    を変調する光変調手段が設けられており,前記光導波路
    は,前記光導波路の外部から入出射端面に入射された入
    射光の内,前記入出射端面によって反射される第1の成
    分と,前記入射光の内,前記入出射端面を透過して,前
    記光経路を伝搬して前記入出射端面に回帰し,前記入出
    射端面から出射される,第2の成分との位相差が,ほぼ
    πの奇数倍に成るように調整されることを特徴とする,
    光処理装置。
  2. 【請求項2】 前記光導波路は,所定の反射率を有する
    反射部で終端することによって,前記光経路を形成する
    ことを特徴とする,請求項1に記載の光処理装置。
  3. 【請求項3】 前記入出射端面と前記光導波路とは,同
    一基板上に配されて,光変調器を形成することを特徴と
    する,1又は2に記載の光処理装置。
  4. 【請求項4】 前記入出射端面には,前記第1の成分と
    前記第2の成分とを干渉させて出射光とする光線路が接
    続されていることを特徴とする,請求項1,2又は3の
    いずれかに記載の光処理装置。
  5. 【請求項5】 前記入出射端面には,前記光線路を介し
    て,前記入出射端面への入射光と前記入出射端面からの
    出射光とを分離する光分離器が接続されていることを特
    徴とする,請求項4に記載の光処理装置。
  6. 【請求項6】 前記光導波路の調整は,前記光導波路の
    長さを調整することによって行われることを特徴とす
    る,請求項1,2,3,4又は5のいずれかに記載の光
    処理装置。
  7. 【請求項7】 前記光導波路の調整は,前記光導波路の
    等価屈折率を調整することによって行われることを特徴
    とする,請求項1,2,3,4又は5のいずれかに記載
    の光処理装置。
  8. 【請求項8】 前記光導波路の調整は,前記入射光の波
    長を調整することによって行われることを特徴とする,
    請求項1,2,3,4又は5のいずれかに記載の光処理
    装置。
  9. 【請求項9】 前記光導波路の調整は,前記光導波路の
    動作温度を調整することによって行われることを特徴と
    する,請求項1,2,3,4又は5のいずれかに記載の
    光処理装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006521583A (ja) * 2003-03-19 2006-09-21 オプティマー・フォトニックス・インコーポレーテッド 光電変調器及びこれを内蔵した導波路素子
JP2008224794A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Furukawa Electric Co Ltd:The 光アナログーディジタル変換装置及びそれを構成する光信号処理器
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