JP2001349365A - フロントフォーク - Google Patents

フロントフォーク

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JP2001349365A
JP2001349365A JP2000168160A JP2000168160A JP2001349365A JP 2001349365 A JP2001349365 A JP 2001349365A JP 2000168160 A JP2000168160 A JP 2000168160A JP 2000168160 A JP2000168160 A JP 2000168160A JP 2001349365 A JP2001349365 A JP 2001349365A
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Japan
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partition member
air chamber
front fork
inner tube
tube
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JP2000168160A
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Osamu Nagai
修 永井
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Showa Corp
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Showa Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 懸架スプリングの交換作業時に、隔壁部材の
上部とアウタチューブ側部材との間に設けられたシール
部材の損傷を解消することのできる自動二輪車のフロン
トフォークを提供すること。 【解決手段】 車体側アウタチューブ1と車軸側インナ
チューブ2内の上部エア室Cを内側と外側のエア室C
1、C2に区画する隔壁部材200を設け、隔壁部材2
00にて懸架スプリング40の上端部を支持した自動二
輪車の倒立型フロントフォーク10において、隔壁部材
200をシール部材34を介してアウタチューブ側部材
32に係止される上部隔壁部材201と、上部隔壁部材
201にシール面76e(80b)を介して当接し、下
端部外周をピストン部80aを介して前記インナチュー
ブ2内周に摺接する下部隔壁部材202に分割した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フロントフォーク
内の上部に設けられたエア室内に隔壁部材を設けて、エ
ア室を内側と外側のエア室に区画し、ストロークに応じ
て内側と外側のエア室を連通、遮断し、異なるエア反力
を発生するようにし、かつ隔壁部材の下端部にて懸架ス
プリングの上端部を支持した倒立型フロントフォークに
関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような倒立型フロントフォーク1
00として、従来、図5に示すものがある。このフロン
トフォーク100にあっては、ピストンロッド101の
上部に、円筒状のガイド部材102がロックナット10
3にて螺着固定されている。また、アウタチューブ10
4の上端部内周には底部を有する凹状のフォークキャッ
プ105が螺合され、このフォークキャップ105の底
部中央には段部を介して下部が拡径する孔105aが設
けられている。一方、ガイド部材102の下部外周には
拡径部102aが設けられている。そして、フォークキ
ャップ105の拡径孔105a内に、下方から円筒状の
ガイド部材102の拡径部102aを螺合し、所定のト
ルクをかけることによりガイド部材102の拡径部の上
端部をフォークキャップ105の拡径孔105aの段部
に当て止め固定することにより、ガイド部材102をフ
ォークキャップ105に固定している。
【0003】また、フォークキャップ105の底部には
円周上等分に3つの孔105bが軸方向に貫通して形成
され、この3つの孔105b内に図6に示すように、樹
脂からなる環状のワッシャー部106aに3本のピン1
06bが植設された押圧部材106が軸方向に移動自在
に挿入されている。また、ガイド部材102とフォーク
キャップ105の間に形成される環状凹所内には、上方
からスプリングアジャスター110が回転自在に挿入さ
れ、スプリングアジャスター110はガイド部材102
の外周に螺合し、スプリングアジャスター110の下端
は前述の押圧部材106の環状のワッシャー部106a
に当接している。
【0004】アウタチューブ側部材を構成するガイド部
材102の下部外周にはOリング114を介して隔壁部
材112が設けられている。隔壁部材112はフロント
フォーク上部のエア室Cを内側と外側のエア室C1、C
2に区画し、Oリング114は、内側のエア室C1上部
を外側のエア室C2に対し密封している。隔壁部材11
2は懸架スプリング(不図示)の上端部を支持してい
る。
【0005】また、押圧部材106の3本のピン106
bの下端は、ワッシャー111を介して隔壁部材112
の上端部に当接し、スプリングアジャスター110を回
転すると、押圧部材106が上下動して、隔壁部材11
2を介して懸架スプリングのばね荷重を調整する。
【0006】この従来技術のフロントフォークでは、懸
架スプリングの交換は、図6に示すように、下記のよう
に行われる。 アウタチューブ104を固定しフォークキャップ10
5の螺合を外した後、アウタチューブ104を下方に押
し下げる。
【0007】ガイド部材102の上端部外周のストッ
パリング113を外し、スプリングアジャスター110
とガイド部材102の螺合を外し、スプリングアジャス
ター110を上方に取り出す。
【0008】押圧部材106をフォークキャップ10
5の3つの孔105b内から軸方向外方に取り出す。
【0009】隔壁部材112を懸架スプリングに抗し
て押し下げ、ガイド部材102の外周に設けられた二面
幅部102bに工具を当て、ガイド部材102とフォー
クキャップ105の螺合を外す。
【0010】ワッシャー111、隔壁部材112をガ
イド部材102の外周上を上方に取り出し、ついで、隔
壁部材112の下部の懸架スプリングを上方に取り出
す。
【0011】新たな懸架スプリングを挿入する際は、
上記と反対の順序で行う。しかしながら、上記の懸架ス
プリングの交換作業においては、隔壁部材112をガイ
ド部材102の外周上を上方に取り出す際に、Oリング
114を損傷する不具合がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、懸架
スプリングの交換作業時に、隔壁部材の上部とアウタチ
ューブ側部材との間に設けられ、隔壁部材の内側のエア
室を外側のエア室に対して密封するシール部材の損傷を
解消することのできる自動二輪車のフロントフォークを
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、車体側のアウタチューブ内に車軸側のインナチュー
ブを摺動自在に嵌合し、インナチューブ内にダンパシリ
ンダを立設し、ダンパシリンダ内をピストンを介して摺
動するピストンロッドの上端部をアウタチューブに取り
付け、前記アウタチューブと前記インナチューブ内に、
上部をエア室とした油溜室を設け、前記アウタチューブ
側部材から、下端部外周に設けたピストン部を介して前
記インナチューブ内周に摺接する隔壁部材を垂設し、前
記エア室を内側と外側のエア室に区画し、前記隔壁部材
とアウタチューブ側部材との間に前記内側のエア室の上
部を前記外側のエア室に対して密封するシール部材を介
装し、前記隔壁部材にてインナチューブ側との間に配設
される懸架スプリングの上端部を支持した自動二輪車の
倒立型フロントフォークにおいて、前記隔壁部材を前記
シール部材を介して前記アウタチューブ側部材に係止さ
れる上部隔壁部材と、この上部隔壁部材にシール面を介
して当接し、前記下端部外周をピストン部を介して前記
インナチューブ内周に摺接する下部隔壁部材に分割した
ものである。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において更に、前記上部隔壁部材と前記下部隔壁
部材が当接するシール面がテーパ面であるようにしたも
のである。
【0015】
【作用】請求項1に記載の本発明によれば下記の作用
がある。 隔壁部材をシール部材を介してアウタチューブ側部材
に係止される上部隔壁部材と、上部隔壁部材にシール面
を介して当接し、下端部外周をピストン部を介してイン
ナチューブ内周に摺接する下部隔壁部材に分割した。従
って、上部隔壁部材は、アウタチューブ側部材であるフ
ォークキャップの外周にシール部材を介して装着された
状態で一体にガイド部材から取り外されるので、上部隔
壁部材とフォークキャップの間に介装されるシール部材
を損傷することがない。
【0016】請求項2に記載の本発明によれば下記の作
用がある。 上部隔壁部材と下部隔壁部材が当接するシール面をテ
ーパ面としたので、接触面積が大きくなり、内側エア室
の外側エア室に対するシール性を保持することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】図1はフロントフォークの全体図
を示し、左側半分はフロントフォークの乗車1G位置を
示す断面図、右側半分は内側と外側のエア室が連通した
ときの圧縮位置を示す要部断面図、図2は図1の上部拡
大断面図、図3は図2の要部を拡大して示す模式断面
図、図4は図3の懸架スプリングの交換時における分解
状態を示す模式断面図、図5は従来技術のフロントフォ
ークの要部を示す模式断面図、図6は図5の懸架スプリ
ングの交換時における分解状態を示す模式断面図、図7
は上部隔壁部材と下部隔壁部材のシール面を示す要部拡
大図である。
【0018】フロントフォーク10は、図1に示す如
く、アウタチューブ1内に、インナチューブ2が摺動自
在に挿入され、アウタチューブ1は上部ブラケット(不
図示)を介して車体側に結合され、インナチューブ2は
車軸ブラケット3を介して車軸側に結合される。アウタ
チューブ1の下部開口端の内周には、インナチューブ2
の外周に摺接する下部ブッシュ4が固定され、インナチ
ューブ2の上部外周には、アウタチューブ1の内周に摺
接する上部ブッシュ5が固定されている。アウタチュー
ブ1とインナチューブ2の間には、上下のブッシュ5、
4で区画される環状の隙間からなる油室S1が区画形成
される。尚、上部ブッシュ5はアウタチューブ1の内周
に固定されるものでもよい。6はオイルシールである。
【0019】また、インナチューブ2内の車軸ブラケッ
ト3の底部には、ダンパシリンダ7が立設されている。
ダンパシリンダ7内には先端部にピストン9を設けたピ
ストンロッド11が摺動自在に挿入され、ピストンロッ
ド11の上端部はアウタチューブ1側に取り付けられて
いる。更に、ピストン9には圧側チェック弁と伸側バル
ブを備えた伸側減衰力発生装置12が設けられ、ピスト
ンロッド11内にはピストン9をバイパスする油路の開
口面積を調整するニードル弁15を備えた伸側減衰力調
整装置14が設けられている。ダンパシリンダ7内の下
部にはベースピストン16が固定され、ベースピストン
16には圧側バルブと伸側チェック弁を備えた圧側減衰
力発生装置17が設けられている。また、車軸ブラケッ
ト3の前部には圧側減衰力発生装置17の圧側バルブを
バイパスする油路18の開口面積を調整するニードル弁
8を備えた圧側減衰力調整装置19が設けられている。
【0020】また、ダンパシリンダ7内には作動油が封
入されて油室が形成され、ピストン9は、ダンパシリン
ダ7内にピストンロッド11が収容されるピストンロッ
ド側油室A1と、ピストンロッド11が収容されないピ
ストン側油室A2を区画形成している。ベースピストン
16の下部にはベースピストン側油室A3が区画されて
いる。尚、13は、最伸張時の緩衝をなすリバウンドス
プリングである。
【0021】更に、ダンパシリンダ7の外に延びるピス
トンロッド11の外周にはダンパシリンダ7の上端面に
衝当して最圧縮時の緩衝をなすストッパ部材20が固定
されている。ストッパ部材20は、図2に示すように、
ストッパリング21を挟んでナット22とホルダ23が
互いにねじ結合され、ホルダ23の下端部にストッパラ
バー24を焼き付け固定することにより構成されてい
る。
【0022】以上において、ダンパシリンダ7、ピスト
ンロッド11、伸側、圧側の減衰力発生装置12、1
7、伸側、圧側の減衰力調整装置14、19等がダンパ
25を構成している。
【0023】また、ダンパ25を構成するダンパシリン
ダ7の外側とインナチューブ2の間に油溜室Bが設けら
れ、油溜室Bの上部はエア室Cが形成されている。更
に、ダンパシリンダ7の下部には連通孔26が設けら
れ、ダンパシリンダ7内のベースピストン側油室A3と
ダンパ外側の油溜室Bを連通している。
【0024】ここで、図3に示すように、ピストンロッ
ド11の上端部には、円筒状のガイド部材30がロック
ナット31にて螺着固定されている。また、アウタチュ
ーブ1の上端部内周には底部32aを有する凹状のフォ
ークキャップ32が螺合されている。フォークキャップ
32の底部32a中央には段部を介して下部が拡径する
孔32bが設けられ、一方、ガイド部材30の下部外周
には拡径部30aが設けられている。そして、フォーク
キャップ32の下部拡径孔32bに、下方からガイド部
材30の拡径部30aを所定のトルクをかけてねじ結合
し、ガイド部材30をフォークキャップ32に固定して
いる。
【0025】尚、フォークキャップ32の外周にはOリ
ング32dが介装され、上部エア室Cを気密に保持して
いる。
【0026】また、フォークキャップ32の底部32a
には、3つの貫通孔32cが円周上に等分に穿設されて
いる。また、円筒状のガイド部材30とフォークキャッ
プ32の間には、3本のピン35aと、3本のピン35
aの上端部を一体にインサート成形した樹脂製の環状ワ
ッシャー35bからなる押圧部材35が嵌挿され、押圧
部材35の3本のピン35aがフォークキャップ32の
3つの貫通孔32c内に挿入されている。そして、円筒
状のガイド部材30の外周にはスプリングアジャスター
36が進退自在に螺合され、押圧部材35を軸方向に進
退させることにより後述する懸架スプリング40のばね
荷重を調整している。37はスプリングアジャスター3
6の抜け止め用のストッパリングである。
【0027】尚、円筒状のガイド部材30の内周には減
衰力調整アジャスター41が回転自在に螺合され、調整
ロッド42を介してニードル弁15を進退させ、伸側減
衰力を調整している。
【0028】スプリングアジャスター36の内外周には
Oリング36a、36bがそれぞれ設けられ、また、減
衰力調整アジャスター41の外周にもOリング41aが
設けられて、アウタチューブ上部のエア室Cを気密に保
持している。
【0029】円筒状のガイド部材30の下部外周上に、
開口部76aを有する底部76bを備えたカップ状のジ
ョイントカラー76の筒状部76cがシール部材たるO
リング34を介してフォークキャップ32の下部外周に
下方から挿入されている。そして、ジョイントカラー7
6はOリング34の摩擦力により抜け落ちないように保
持されている。
【0030】ここで、開口部76aはガイド部材30の
外周よりも大径に形成され、分解時にフォークキャップ
32に保持されたまま、ガイド部材30の外周を上方に
抜き取り可能な大きさに形成されている。
【0031】また、ジョイントカラー76の底部76b
上面には前述した3本のピン35aの下端部が当接して
いる。
【0032】更に、ジョイントカラー76の底部76b
の下面には、環状のボス部76dが形成され、ボス部7
6dの外周に、図7に拡大して示すようにテーパ面76
eを介して円筒状の第1スプリングカラー80の上端内
周のテーパ面80bが当接している。また、第1スプリ
ングカラー80の下端にはインナチューブ2の内周に摺
接する第1ピストン部80a(ピストン部)が設けられ
ている。
【0033】ジョイントカラー76、第1スプリングカ
ラー80、第1ピストン部80aは、油溜室上部のエア
室Cを内側と外側のエア室C1、C2に区画している。
また、ジョイントカラー76の筒状部76cとフォーク
キャップ32の下部外周の間に設けられたOリング34
は内側のエア室C1の上部を外側のエア室C2に対して
気密に保持している。これにより、フロントフォーク1
0の上部のエア室Cを内側と外側のエア室C1、C2に
区画する隔壁部材200を、上部隔壁部材201を構成
するジョイントカラー76と、下端部外周を第1ピスト
ン部80aを介してインナチューブ2の内周に摺接する
下部隔壁部材202を構成する第1スプリングカラー8
0に分割して設けた。
【0034】ここで、外側のエア室C2は、フロントフ
ォーク10の圧縮の前後でインナチューブ2の進入体積
分しか容積変化がない。これに対して、内側のエア室C
1は、インナチューブ2内周の断面積に圧縮ストローク
を掛けた分だけ容積が変化し、外側のエア室C2より圧
縮比が大である。
【0035】また、インナチューブ2の内周には、イン
ナチューブ2の先端部から下方に向かって徐々に縮径す
るテーパ面(不図示)が形成されている。このテーパ面
は、図1、2の左側半分に示す乗車1G位置のときに、
第1ピストン部80a外周とインナチューブ2との間に
微小隙間が形成されるように、また、ブレーキング時の
ようにフロントフォーク10が大きく沈み込む圧縮位置
ではこの隙間が減少するように形成されている。
【0036】また、第1スプリングカラー80の下端に
連設して第2スプリングカラー81が設けられ、第2ス
プリングカラー81の下端部外周には、インナチューブ
2の内周に摺接する第2ピストン部81a(ピストン
部)が設けられている。更に、第2スプリングカラー8
1には、連通孔82が設けられている。また、第2ピス
トン部81aの下端部は、懸架スプリング40の上部を
支持するばね受けを兼ね、懸架スプリング40の下端部
は、ダンパシリンダ7外周に設けたばね受け8を介して
支持されている。
【0037】また、インナチューブ2には上下方向に間
隔をおいて2つの連通孔83、84が設けられている。
図2の右側半分に示すように、上部連通孔83が第1ピ
ストン部80aの上に移動したときには、内側のエア室
C1は、油溜室Bを介して、第2スプリングカラー81
の連通孔82、インナチューブ2の下部連通孔84、イ
ンナチューブ2外周とアウタチューブ1の間の環状隙間
S1および上部連通孔83を介して、外側のエア室C2
に連通する。
【0038】尚、第2スプリングカラー81はピストン
ロッド11外周に固定された絞り部材20との間に環状
の絞り流路P(図2に破線で示す)を形成している。ま
た、インナチューブの下部連通孔84、アウタチューブ
1とインナチューブ2の間の環状の隙間S1、上部連通
孔83、第2スプリングカラーの連通孔82からなる流
路が、絞り流路Pをバイパスする流路Q(図2に一点鎖
線で示す)を構成している。
【0039】本実施形態のフロントフォーク10は、例
えば、自動二輪車のオンロードレース用として使用さ
れ、以下のように作動してエア反力が切り換わる。
【0040】(直進走行時)図2の左側半分に示すよう
に、フロントフォーク10が乗車1G位置を中心に小さ
くストロークする直進走行時には、内側のエア室C1と
外側のエア室C2が、第1ピストン部80a外周とイン
ナチューブ2との間の微小隙間を介して連通しているの
で、小さなエア反力を発生する。
【0041】(ブレーキング時)フロントフォーク10
が大きく沈み込むコーナー手前のブレーキング時には、
第1ピストン部80aが油溜室B中に進入するととも
に、第1ピストン部80a外周の隙間も減少するので、
第1ピストン部80a外周の微小隙間部分での作動油の
流動抵抗が大きくなって、内側のエア室C1と外側のエ
ア室C2の連通が閉じる。その結果、内側のエア室C1
のみが圧縮されて大きなエア反力を発生し、フロントフ
ォーク10の沈み込みを防ぐ。
【0042】図2の右側半分に示すように、フロントフ
ォーク10がさらに沈み込むと、上部連通孔83が第1
ピストン部80aの上方に移動する。これにより、内側
のエア室C1が、油溜室Bを介して、第2スプリングカ
ラー81の連通孔82、インナチューブ2の下部連通孔
84、インナチューブ2外周とアウタチューブ1の間の
環状隙間S1および上部連通孔83を介して、外側のエ
ア室C2に連通する。その結果、内側のエア室C1のエ
ア反力の増加率が小さくなる。
【0043】(コーナー旋回時)ブレーキング後の旋回
に入ると、フロントフォークは伸張に転じ、上部連通孔
83と下部連通孔84の間の比較的深いストローク位置
で圧縮及び伸張する。このときのエア反力は、内側と外
側のエア室C1、C2が連通しているので、前のブレー
キング時の圧縮行程よりも低くなる。これにより、車
高、即ち車輛姿勢を低く保つことができ、旋回中の操縦
安定性を向上することができる。
【0044】コーナー旋回中に加速すると、フロントフ
ォーク10が伸張行程に転じる。そして、第1ピストン
部80aが上部連通孔83より上に移動すると、内側の
エア室C1と外側のエア室C2の連通が閉じるので、内
側のエア室C1が外側のエア室より大きく減圧されて、
フロントフォーク10の伸びを抑える。その結果、アン
ダーステアーになるのを防止する。
【0045】フロントフォーク10がさらに伸張して乗
車1G位置に戻ると、第1ピストン部80a外周の微小
隙間が開いて、この微小隙間を介して内外のエア室C
1、C2が連通し、再び同圧に戻る。
【0046】上記のフロントフォーク10の作動におい
て、第2ピストン部81aおよび第2スプリングカラー
81は、以下のようにして圧側減衰力を発生する。
【0047】図2の左側半分の位置では、第2スプリン
グカラー81の下端部外周の第2ピストン部81aがイ
ンナチューブ2の下部連通孔84の上に位置し、バイパ
ス流路Qが開いている。従って、油溜室Bの作動油は、
圧縮時に絞り流路Pとバイパス流路Qの両方を通って流
れるので、圧側減衰力は小さい。
【0048】これに対し、図2の右側半分の一部断面図
は、内側のエア室C1が外側のエア室C2に連通した圧
縮位置を示し、上部連通孔83が第1ピストン部80a
の上に移動して、内側のエア室C1が、油溜室B、連通
孔83、下部連通孔84、環状の隙間S1および上部連
通孔83を介して外側のエア室C2に連通する。この位
置では、第2ピストン部81aがインナチューブ2の下
部連通孔84の下に位置し、バイパス流路Qが閉じる。
【0049】これにより、圧縮時の油溜室Bの作動油の
流路は、絞り部材20と第2スプリングカラー81の間
の絞り流路Pだけとなって、圧側減衰力が高くなる。従
って、ブレーキング後の旋回時にエア反力が小さくなっ
ても、圧側減衰力が高くなるので、旋回中の路面からの
振動を抑えることができる。
【0050】ところで、本発明のフロントフォーク10
の懸架スプリング40は、図3、4に示すように、以下
のようにして交換される。 アウタチューブ1を固定しフォークキャップ32の螺
合を外した後、アウタチューブ1を下方に押し下げる。
【0051】ガイド部材30の上端部外周のストッパ
リング37を外した後、ガイド部材30外周に螺合して
いるスプリングアジャスター36を上方に取り出す。
【0052】押圧部材35をフォークキャップ32の
3つの孔32c内から軸方向外方に取り出す。
【0053】下部隔壁部材202を構成する第1スプ
リングカラー80、及び第1ピストン部80aを懸架ス
プリング40に抗して押し下げ、ガイド部材30の外周
に形成された二面幅部30bに工具を当て、ガイド部材
30外周に螺合するフォークキャップ32を外す。この
とき、フォークキャップ32の下部外周にOリング34
を介して係止されている上部隔壁部材201を構成する
ジョントカラー76もフォークキャップ32と一体の状
態で取り出される。
【0054】従って、上部隔壁部材201を構成するジ
ョントカラー76はアウタチューブ側部材であるフォー
クキャップ32から取り外す必要がないので、フォーク
キャップ32外周のOリング34が損傷することがな
い。
【0055】下部隔壁部材202を構成する第1スプ
リングカラー80、及び第1ピストン部80aをガイド
部材30の外周上を上方に取り出し、ついで、第1スプ
リングカラー80、第1ピストン部80aの下部の懸架
スプリング40を上方に取り出す。尚、このとき、第1
スプリングカラー80、第1ピストン部80aの下部に
連設して設けられている第2スプリングカラー81およ
び第2ピストン部81aも一緒に取り出される。
【0056】新たな懸架スプリング40を挿入する際
は、上記と反対の順序で行う。上記の懸架スプリング4
0の交換作業においては、従来技術とのみが異なる。
【0057】本発明によれば以下の作用がある。 フロントフォーク10の上部のエア室Cを内側と外側
のエア室C1、C2に区画する隔壁部材200を、シー
ル部材としてのOリング34を介してアウタチューブ側
部材であるフォークキャップ32に係止される上部隔壁
部材201を構成するジョイントカラー76と、ジョイ
ントカラー76にシール面76e(80b)を介して当
接し、下端部外周を第1ピストン部80aを介してイン
ナチューブ2内周に摺接する下部隔壁部材202を構成
する第1スプリングカラー80に分割した。従って、上
部隔壁部材201を構成するジョイントカラー76は、
フォークキャップ32の外周に装着された状態で一体に
ガイド部材30から取り外されるので、上部隔壁部材2
01を構成するジョイントカラー76とフォークキャッ
プ32の間に介装されるシール部材34を損傷すること
がない。
【0058】上部隔壁部材201を構成するジョイン
トカラー76と下部隔壁部材202を構成する第1スプ
リングカラー80が当接するシール面をテーパ面76e
(80b)としたので、接触面積が大きくなりシール性
が高くなる。
【0059】尚、本実施形態では、フロントフォーク1
0のストローク位置に応じて、内側と外側のエア室C
1、C2を連通または遮断してエア反力を切り換えるよ
うにしたが、第1ピストン部80a外周の微小隙間をオ
リフィスとして形成し、フロントフォーク10の圧縮速
度に応じて内側と外側のエア室連通または遮断して切り
かえるようにしたフロントフォーク10に適用すること
もできる。
【0060】また、下部隔壁部材202を構成する第1
スプリングカラー80、第1ピストン部80aの下端に
連設して設けられた第2スプリングカラー81、第2ピ
ストン部81aはなくてもよい。
【0061】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0062】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、懸架スプ
リングの交換作業時に、隔壁部材の上部とアウタチュー
ブ側部材との間に設けられ、隔壁部材の内側のエア室を
外側のエア室に対して密封するシール部材の損傷を解消
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はフロントフォークの全体図を示し、左側
半分はフロントフォークの乗車1G位置を示す断面図、
右側半分は内側と外側のエア室が連通したときの圧縮位
置を示す要部断面図である。
【図2】図2は図1の上部拡大断面図である。
【図3】図3は図2の要部を拡大して示す模式断面図で
ある。
【図4】図4は図3の懸架スプリングの交換時における
分解状態を示す模式断面図である。
【図5】図5は従来技術のフロントフォークの要部を示
す模式断面図である。
【図6】図6は図5の懸架スプリングの交換時における
分解状態を示す模式断面図である。
【図7】図7は上部隔壁部材と下部隔壁部材のシール面
を示す要部拡大図である。
【符号の説明】
1 アウタチューブ 2 インナチューブ 10 フロントフォーク 34 シール部材 76 ジョイントカラー(上部隔壁部材) 80 第1スプリングカラー(下部隔壁部材) 80a 第1ピストン部 76e、80b シール面 40 懸架スプリング 200 隔壁部材 201 上部隔壁部材 202 下部隔壁部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側のアウタチューブ内に車軸側のイ
    ンナチューブを摺動自在に嵌合し、 インナチューブ内にダンパシリンダを立設し、ダンパシ
    リンダ内をピストンを介して摺動するピストンロッドの
    上端部をアウタチューブに取り付け、 前記アウタチューブと前記インナチューブ内に、上部を
    エア室とした油溜室を設け、 前記アウタチューブ側部材から、下端部外周に設けたピ
    ストン部を介して前記インナチューブ内周に摺接する隔
    壁部材を垂設し、前記エア室を内側と外側のエア室に区
    画し、 前記隔壁部材とアウタチューブ側部材との間に前記内側
    のエア室の上部を前記外側のエア室に対して密封するシ
    ール部材を介装し、 前記隔壁部材にてインナチューブ側との間に配設される
    懸架スプリングの上端部を支持した自動二輪車の倒立型
    フロントフォークにおいて、 前記隔壁部材を前記シール部材を介して前記アウタチュ
    ーブ側部材に係止される上部隔壁部材と、この上部隔壁
    部材にシール面を介して当接し、前記下端部外周をピス
    トン部を介して前記インナチューブ内周に摺接する下部
    隔壁部材に分割したことを特徴とする自動二輪車の倒立
    型フロントフォーク。
  2. 【請求項2】 前記上部隔壁部材と前記下部隔壁部材が
    当接するシール面がテーパ面であることを特徴とする前
    記請求項1に記載の自動二輪車の倒立型フロントフォー
    ク。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012013103A (ja) * 2010-06-29 2012-01-19 Showa Corp 油圧緩衝器
JP2012092945A (ja) * 2010-10-28 2012-05-17 Showa Corp フロントフォーク

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JP2012013103A (ja) * 2010-06-29 2012-01-19 Showa Corp 油圧緩衝器
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