JP2001349354A - クラッチ装置 - Google Patents

クラッチ装置

Info

Publication number
JP2001349354A
JP2001349354A JP2000173309A JP2000173309A JP2001349354A JP 2001349354 A JP2001349354 A JP 2001349354A JP 2000173309 A JP2000173309 A JP 2000173309A JP 2000173309 A JP2000173309 A JP 2000173309A JP 2001349354 A JP2001349354 A JP 2001349354A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch device
rotating body
seal
contact surface
friction ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000173309A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Shima
孝爾 嶋
Norio Usuki
功雄 臼杵
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koyo Seiko Co Ltd filed Critical Koyo Seiko Co Ltd
Priority to JP2000173309A priority Critical patent/JP2001349354A/ja
Publication of JP2001349354A publication Critical patent/JP2001349354A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】クラッチ装置において、クラッチハウジング内
周面の固定接触面とカムプレート外周面の可動接触面と
における潤滑剤の外部への漏れを防止し、クラッチ装置
の長寿命化を図る。 【解決手段】第1、第2回転軸2,3の動力伝達間に介
装され、第1回転軸に回転動力が入力されたときに両回
転軸を同期回転可能に結合する一方、第2回転軸に回転
動力が入力されたときに第2回転軸を非回転状態として
第1回転軸と分離するクラッチ装置において、テーパコ
ーン形状の可動接触面4aを有するカムプレート4と、
内周面に軸方向一方に向けて拡径するテーパコーン形状
の固定接触面1aを有するクラッチハウジング1とを有
し、カムプレートとクラッチハウジングの接触面に潤滑
剤が入れられており、この接触面の周囲をシール20で
密封して、両接触面の摩耗防止と前記潤滑剤の外部漏れ
と異物の侵入防止とを図れ、これによりクラッチ装置の
長寿命化の達成を可能とした構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラッチ装置に関
する。このクラッチ装置は、同軸上に対向配設される二
つの回転体の動力伝達間に介装され、かつ第1回転体に
回転動力が入力されたときに両回転体を同期回転可能に
結合する一方、第2回転体に回転動力が入力されたとき
に第2回転体を非回転状態として、第1回転体と分離す
るものである。
【0002】
【従来の技術】クラッチ装置には、内周面に軸方向一方
に向けて拡径するテーパ形状の固定接触面を有したクラ
ッチハウジング内に、外周面に前記固定接触面と同方向
に拡径するテーパ形状の可動接触面を備えたカムプレー
トを収納し、このカムプレートを軸方向変位可能に第1
回転体と第2回転体との間に配設したものがある。
【0003】そして、このクラッチ装置では、第1回転
体の回転に応じてカム機構によりカムプレートを軸方向
一方に変位させることによってその可動接触面を固定接
触面から離隔(ロック解除)させることで第1回転体と
カムプレートと第2回転体とを結合してそれらを同期回
転させる。また、第2回転体の回転に対してはカムプレ
ートを軸方向他方に変位させてその可動接触面を固定接
触面に当接(ロック)させて第2回転体とカムプレート
とクラッチハウジングとを結合して第2回転体を非回転
状態とするクラッチ動作を行うようにしている。
【0004】この場合、前記両接触面の軸方向に対する
テーパ角度を小さくする一方で両接触面間の径方向隙間
を僅かとして、前記両接触面において第1回転体の回転
に対する離隔動作と第2回転体の回転に対する当接動作
の両者における高速応答性を高めている。
【0005】このようなクラッチ装置において、従来、
両接触面は潤滑が施されていないか、潤滑が施されても
僅か程度であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような両接触面に
おける潤滑状態の場合、カムプレートを軸方向一方に変
位させて両接触面を離隔させるときや、離隔状態から当
接させるときに両接触面が摺動するので、ここが経時的
に摩耗する。また、外部から異物が侵入し、両接触面に
噛み込んでロックしにくくなることがある。
【0007】したがって、本発明は、クラッチ装置にお
いて、両接触面を十分に潤滑できるようして、潤滑剤に
より両接触面の摩耗を長期にわたり防止可能とする一
方、その潤滑剤の外部への漏れを防ぎ、かつ、異物の侵
入を防いでその異物による両接触面への噛み込みをなく
してロックを安定にすることを共通の解決課題としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のクラッチ装置
は、外周面にテーパコーン形状の可動接触面を有する可
動摩擦環体と、内周面にテーパコーン形状の固定接触面
を有する固定摩擦環体とを有したものであってこれら摩
擦環体の両接触面に潤滑剤が入れられており、この接触
面の周囲をシールにより密封したことに特徴を有してい
る。
【0009】このクラッチ装置の場合、両接触面はテー
パコーン形状を有しており、両接触面には潤滑剤が無い
方が両接触面の当接状態は安定するが、その当接状態か
ら離隔させる場合や、離隔状態から当接状態に移行させ
るときに、両接触面の摩耗が進行しやく、クラッチ性能
が低下してくる傾向となる。
【0010】そして、本発明の場合、両接触面に潤滑剤
を十分に入れてその摩耗の抑制を達成する一方、接触面
周囲がシールされているから、潤滑剤の外部への漏れが
防止される結果、接触面の摩耗がその潤滑剤により長期
にわたり抑制され、また、外部からの異物の侵入も防止
されてロックが安定し、クラッチ装置の長寿命を達成で
きる。
【0011】なお、前記シールの実施態様として、前記
シールを、前記接触面の軸方向両側に配置すると、潤滑
剤の接触面周囲における密封度を高められて好ましい。
【0012】なお、前記シールの実施態様として、軸方
向他方側のシールを、固定摩擦環体と第1回転体との対
向面のいずれか一方に接触させたシールから構成する
と、潤滑剤の外部への漏れと外部からの異物の侵入をよ
り効果的に防げて好ましい。
【0013】なお、前記シールの実施態様として、軸方
向他方側のシールを、前記固定摩擦環体と第1回転体と
の対向面に屈曲する微小隙間から構成すると、潤滑剤の
密封度をより高められて好ましい。
【0014】なお、前記シールの実施態様として、軸方
向他方側のシールを、固定摩擦環体と第1回転体との対
向面間の隙間を非接触に覆う密封カバーから構成する
と、簡易に密封カバーを装着でき、クラッチ装置の組み
立て性をより向上できて好ましい。
【0015】なお、前記シールの実施態様として、軸方
向他方側のシールを、一端側を固定摩擦環体に固定し、
他端側を軸受を介して第1回転体に支持したブーツから
構成すると、クラッチ装置の組み立て性をより向上でき
て好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図面に示す
実施形態に基づいて説明する。
【0017】図1ないし図4を参照して本発明の実施形
態1に係るクラッチ装置について説明する。図1は、動
力遮断状態におけるクラッチ装置の側面断面図、図2
は、動力伝達状態におけるクラッチ装置の側面断面図、
図3は、クラッチ装置の分解斜視図、図4は図1の要部
拡大断面図である。ただし、図3ではシール等は図示を
省略している。
【0018】これらの図において、Aは、クラッチ装置
の全体を示しており、このクラッチ装置Aは、主とし
て、クラッチハウジング1と、第1回転軸2と、第2回
転軸3と、カムプレート4と、円錐形のスプリングバネ
5と、転がり軸受6と、ボールカム機構7とを備える。
【0019】クラッチハウジング1は、固定摩擦環体と
して、図外のクラッチ装置取付壁に固定されるととも
に、その内周面に軸方向一方に向けて拡径するテーパコ
ーン形状の固定接触面1aと、軸受取り付け面1bとを
備えた筒体構造となっている。
【0020】クラッチハウジング1はまた、軸方向一方
側内周面に周溝1cを有し、これに環状のサークリップ
1dを嵌め込んで転がり軸受6が軸方向に抜け出すのを
防止している。
【0021】第1回転軸2は、モータ等の動力源により
回転駆動される軸方向中空の軸であって、軸方向一方側
外周面に径方向外向きのフランジ8が一体に形成され、
また、その軸方向一方側端面に小径の軸嵌入穴9が貫通
形成されている。
【0022】第2回転軸3は、軸方向一方側の小径軸部
3bがクラッチハウジング外に延び、軸方向他端側の小
径軸部3aが第1回転軸2の軸嵌入穴9に嵌入され、サ
ークリップ12で第1回転軸2に連結される。
【0023】第2回転軸3はまた、小径軸部3aに連接
する大径軸部3cの外周面に雄スプライン13が形成さ
れ、またこの大径軸部3cに連接する別の大径軸部3d
の外周面で軸受6を介してクラッチハウジング1の軸受
取り付け面1bに回転可能に支持されている。
【0024】この場合、第2回転軸3の大径軸部3dの
外周面に形成された周溝14にサークリップ15が固定
され、これによって、第2回転軸3等がクラッチハウジ
ング1から抜け出すのが防止されている。
【0025】カムプレート4は、クラッチハウジング1
内に収納される可動摩擦環体として、径方向の外周面が
軸方向一方に向けて拡径するテーパコーン形状の可動接
触面4aとされ、前記収納状態でその可動接触面4aが
クラッチハウジング1の固定接触面1aと径方向で対向
されている。
【0026】カムプレート4はまた、第2回転軸3が嵌
入される内周面を有し、その内周面に第2回転軸3の雄
スプライン13とスプライン嵌合する雌スプライン16
を備え、両スプライン13,16の嵌合で第2回転軸3
と一体回転可能に結合し、かつ、軸方向に変位可能とな
っている。
【0027】ボールカム機構7は、フランジ8と、カム
プレート4と、スプリングバネ5と、ボール19とを少
なくとも構成要素として備える。フランジ8は、ボール
カム機構7において軸方向不動の固定カムプレートとし
て機能する。カムプレート4は、ボールカム機構7にお
いて可動カムプレートとしてフランジ8に対して軸方向
変位可能な状態に同軸状に対向配設される。フランジ8
とカムプレート4との互いの対向面に一対のカム溝1
7,18が振り分けて設けられている。両カム溝17,
18それぞれは、周方向中心から周方向両側へ向けて深
さが浅くなるすり鉢状斜面に形成されている。スプリン
グバネ5は、カムプレート4をフランジ8側に弾発付勢
する付勢部材となる。ボール19は、両カム溝17,1
8間に転動可能に収納される。
【0028】本実施の形態では、クラッチハウジング1
とカムプレート4との両接触面1a,4aに潤滑剤が入
れられており、両接触面1a,4aの周囲特にその軸方
向両側が転がり軸受6と以下に述べる密封要素であるシ
ール20で密封されていることにより、両接触面1a,
4aに潤滑剤を十分に入れてもその摩耗の抑制を達成で
きる一方、接触面1a,4a周囲がシール20で密封さ
れているから、潤滑剤(不図示)の外部への漏れが防止
される結果、接触面1a,4aの摩耗がその潤滑剤によ
り長期にわたり抑制され、また、外部からの異物の侵入
も防止されてロックが安定し、クラッチ装置Aの長寿命
を達成できるようにしたものである。
【0029】すなわち、シール20は、クラッチハウジ
ング1において両接触面1a,4aの周囲より軸方向他
端側の内周面1e側に固定されいる。
【0030】シール20はまた、クラッチハウジング1
の内周面1eと第1回転軸2においてそのフランジ8の
外周面2aとの間の径方向隙間Gにおいて該外周面2a
に接触する形態でこの隙間Gを密封するものである。
【0031】シール20の形態について説明する。シー
ル20は、オイルシールであって、上半分の径方向断面
がほぼL字形状の環状芯金21に、その内外周面を覆う
ようにゴムなどの弾性体22が環状に被着されたものか
らなる。この弾性体22は、クラッチハウジング1にお
いて両接触面1a,4a周囲より軸方向他端側の内周面
1e側に固着されている。
【0032】そして、この弾性体22において環状芯金
21の内周部分には、軸方向一方へ向けて先鋭となる断
面ほぼ三角形の主シールリップ23と、主シールリップ
23と隣り合わに設けられかつそれとは逆方向へ斜めに
延びる補助シールリップ24とがそれぞれ一体的に形成
されており、主シールリップ23の外周には、それを第
1回転軸2のフランジ8の外周面2aに対して圧接され
るガータスプリング25が装着されている。
【0033】主シールリップ23において、第1回転軸
2のフランジ8の外周面2aに部分的に圧接される側の
斜面には、低摩擦材からなる潤滑膜26が被覆されてい
る。潤滑膜26の膜厚としては、5〜100μm例えば
10μmに設定する。この低摩擦材としては、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)あるいは樹脂バインダ
ーにPTFEを分散混合したものなどフッ素系合成樹脂
が用いられる。
【0034】本実施の形態においては、シール20が上
記構成を有することにより、クラッチハウジング1の内
周面1eと第1回転軸2のフランジ8の外周面8aとの
間の径方向隙間Gを密封する結果、両接触面1a,4a
の軸方向に対するテーパ角度を小さくする一方で両接触
面1a,4a間の径方向隙間を僅かとして、両接触面1
a,4aにおいて第1回転軸2の回転に対する離隔動作
と第2回転軸3の回転に対する当接動作の両者における
高速応答性を高めても、潤滑剤により前記離隔や当接に
際して両接触面が摩耗するおそれが抑制されている一
方、潤滑剤がシール20で密封されていて外部への漏れ
が抑制されていると同時に外部からの異物の侵入も防止
されてそのロック性能が安定しているので、クラッチ装
置として、高いクラッチ性能を維持しながらその長寿命
化を図ることができる。
【0035】なお、上記シール20の場合、弾性体22
が、クラッチハウジング1において両接触面1a,4a
周囲より軸方向他端側の内周面1e側に固着されている
が、図5で示すような形態としてもよい。図5のシール
20の場合、弾性体22が第1回転軸2のフランジ8の
外周面2a側に固着されており、主シールリップ23と
補助シールリップ24とがクラッチハウジング1の内周
面1eに圧接される形態となっている。こうした場合、
第1回転軸2が回転したときのシール20に作用する遠
心力で両シールリップ23,24が、径方向外方に延び
てクラッチハウジング1とより圧接する状態となり、シ
ール性能が向上する。
【0036】なお、クラッチ装置Aの動作について図6
を参照して説明する。図6は、第1回転軸2のフランジ
8におけるカム溝17と、カムプレート4のカム溝18
と、両カム溝17,18間に介装されたボール19とに
よるカム動作の説明に供する図である。
【0037】カムプレート4は、スプリングバネ5で軸
方向他方に付勢され、その接触面4aが、クラッチハウ
ジング1の接触面1aに圧接され、第2回転軸3は、そ
の回転をロックされて非回転状態となっている。この状
態では図6(a)で示すように、ボール19は、カム溝
17,18の軸方向最深の周方向中心17a0,18a
0間に位置している。
【0038】この状態から、第1回転軸2が図外のモー
タ等の動力源で回転駆動されると、フランジ8とカムプ
レート4の両対向面間のカム溝17,18の互いに逆方
向のすり鉢状斜面17a2、18a2間を図6(a)か
ら図6(b)で示すようにボール19が周方向に転動す
る。このすり鉢状斜面17a2、18a2においては、
図6(a)(b)で示すように一方のすり鉢状斜面17
a2は周方向他方へ向けて、また他方のすり鉢状斜面1
8a2は周方向一方へ向けてそれぞれ深さが浅くなって
いるので、カムプレート4は、スプリングバネ5に抗し
て、フランジ8より軸方向一方に向けて変位させられ、
これによって、カムプレート4の接触面4aが、クラッ
チハウジング1の内周面の接触面1aから離隔する。
【0039】そして、ボール19が、図6(b)で示す
ようにすり鉢状斜面17a2、18a2の両側間で軸方
向に挟まれた状態になる。
【0040】このようにボール19がすり鉢状斜面17
a2、18a2の両側間で軸方向に挟まれた状態になる
と、カムプレート4は、第1回転軸2の周方向一方の回
転動力で、それと同方向に回転し、これとともに、第2
回転軸3も同方向に回転させられて、第1回転軸2の回
転動力が伝達されることになる。
【0041】また、第1回転軸2が、上記と逆方向に回
転駆動された場合は、ボール19は、すり鉢状斜面17
a1、18a1間を転動し、そのすり鉢状斜面17a
1、18a1の両側間で軸方向に挟まれた状態になっ
て、カムプレート4は、第1回転軸2の周方向他方の回
転動力で、それと同方向に回転し、これとともに、第2
回転軸3も同方向に回転させられて、第1回転軸2の回
転動力が伝達されることになる。このようにして回転動
力はいずれの回転方向にも伝達される。
【0042】そして、本実施の形態のクラッチ装置Aに
おいては、上記クラッチ動作において、クラッチハウジ
ング1内周面の固定接触面1aとカムプレート4の可動
接触面4aとの両接触面における潤滑剤の漏れおよび外
部よりの異物侵入とが、シール20で防止されている構
造であるから、両接触面1a,4aの摩耗が潤滑剤で長
期にわたり抑制されると同時にその潤滑剤の漏れと異物
の侵入とが防止され、結果として、クラッチ装置の長寿
命化を達成できる。
【0043】本発明は、上記実施形態1に限定されるも
のではなく、例えば以下のような種々の応用や変形が考
えられる。
【0044】(1)図7および図8は、本発明の実施形
態2に係り、図7は、動力非伝達状態にあるクラッチ装
置の側面断面図、図8は、図7の要部拡大断面図であ
る。
【0045】この実施形態2の場合、第1回転軸2の軸
方向外周に環状段差2bを設ける一方、クラッチハウジ
ング1の軸方向他端側を前記環状段差2bに向けて径方
向内向きに屈曲した屈曲部分1fを設け、この環状段差
2bと屈曲部分1fとの対向隙間において屈曲した微小
隙間30を形成し、この微小隙間30によってラビリン
ス構造のシールとしたものである。
【0046】したがって、実施形態2のシールをラビリ
ンス構造とした場合、第1回転軸2の回転時における径
方向外方への遠心力の作用でグリータ等の潤滑剤が径方
向外方に移動する結果、外部への潤滑剤の漏れを効果的
に防止でき、また、外部よりの異物の侵入に効果的に防
止でき、実施形態1と同様の作用効果を奏することがで
きる。
【0047】なお、前記対向隙間に、実施形態1のシー
ルや、スリンガー等を設置し、その対向隙間の密封性を
より高めてもよい。
【0048】(2)図9は、本発明の実施形態3に係
り、図9は、動力非伝達状態にあるクラッチ装置の側面
断面図、図10は、図9の要部拡大断面図である。
【0049】この実施形態3では、シールを密封カバー
40で構成している。この密封カバー40は、両端開口
の軸方向円筒40aとこの円筒40aの軸方向他端側に
おいて一体とした第1回転軸2挿入穴40b付きの平面
状環体40cとよりなり、円筒40aの一端側の径方向
内向きの嵌合爪40dを、クラッチハウジング1の外周
の嵌合凹部1gに嵌入することでその外周である円筒4
0aがクラッチハウジング1に環状にローリングやスポ
ット等によるかしめで固定される。この固定は、かしめ
以外に、スポット溶接、等で行ってもよいるそして、こ
の密封カバー40は、その固定状態でその内周側となる
平面状環体40cがクラッチハウジング1の軸方向端面
と第1回転軸2のフランジ8の外側面との間に臨んでい
る径方向隙間を非接触に覆うことで、潤滑剤を密封した
構造となっている。
【0050】この実施形態3の場合も、上記実施形態の
シールと同様の作用効果を発揮することができる。
【0051】また、この実施形態3の場合、密封カバー
40をこのクラッチ装置に簡易に組み付けできて便利で
好ましい。
【0052】(3)図11は、本発明の実施形態4に係
る動力非伝達状態にあるクラッチ装置の側面断面図であ
る。前記密封要素が、ブーツ50で構成されている。こ
のブーツ50は、外周側がクラッチハウジング1の外周
に沿って環状に固定され、かつ、内周側が、転がり軸受
51を介して第1回転軸2外周に支持されている。この
ブーツ50は、ゴムや樹脂からなる弾性を有している。
【0053】このブーツ50による場合も、前記径方向
隙間Gを密封することができるので、上記実施形態と同
様の作用効果を有する。
【0054】(4)各実施形態のクラッチ装置は、例え
ば、無断変速機や、電動パワーステアリング、その他の
機械装置類に応用することができる。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明によると、固定摩擦
環体としてクラッチハウジングと可動摩擦環体としての
カムプレートの両接触面に潤滑剤が入れられ、かつ接触
面の周囲がシールで密封されているから、両接触面に潤
滑剤が十分に入れてもその摩耗の抑制を達成できる一
方、潤滑剤の外部への漏れが防止される結果、接触面の
摩耗がその潤滑剤により長期にわたり抑制されてクラッ
チ装置の長寿命を達成でき、また、外部からの異物の侵
入も防止されて両接触面への異物の噛み込みが防止され
てロックが安定したクラッチ装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る動力非伝達状態にあ
るクラッチ装置の側面断面図
【図2】本発明の実施形態1に係る動力伝達状態にある
クラッチ装置の側面断面図
【図3】図1のクラッチ装置の分解斜視図
【図4】図1のシール周辺の拡大断面図
【図5】シールの他の変形例を示す拡大断面図
【図6】(a)図1の要部拡大図、(b)図2の要部拡
大図
【図7】本発明の実施形態2に係る動力非伝達状態にあ
るクラッチ装置の側面断面図
【図8】図7の要部拡大断面図
【図9】本発明の実施形態3に係る動力非伝達状態にあ
るクラッチ装置の側面断面図
【図10】図9の要部拡大断面図
【図11】本発明の実施形態4に係る動力非伝達状態に
あるクラッチ装置の側面断面図
【符号の説明】
1 クラッチハウジング 2 第1回転軸 3 第2回転軸 4 カムプレート 5 スプリングバネ 7 ボールカム機構 8 第1回転軸のフランジ 1a クラッチハウジングの固定接触面 4a カムプレートの可動接触面 20 シール

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同軸上に対向配設される二つの回転体の動
    力伝達間に介装され、かつ第1回転体に回転動力が入力
    されたときに両回転体を同期回転可能に結合する一方、
    第2回転体に回転動力が入力されたときに第2回転体を
    非回転状態として第1回転体と分離するクラッチ装置に
    おいて、 第2回転体と同期回転可能でかつ第1回転体に対し軸方
    向変位可能に配設され、外周面に軸方向一方に拡径する
    テーパコーン形状の可動接触面を有する可動摩擦環体
    と、 内周面に軸方向一方に向けて拡径するテーパコーン形状
    の固定接触面を有し、この固定接触面が前記可動接触面
    に対して前記可動摩擦環体の軸方向変位によって軸方向
    に向けて接触または離隔する位置に固定配置された固定
    摩擦環体と、 第1回転体に回転動力が入力されたときに可動摩擦環体
    を固定摩擦環体から軸方向一方に向けて離隔させて第1
    回転体と可動摩擦環体と第2回転体との三者を一体にし
    て両回転体を同期回転可能に結合し、第2回転体に回転
    動力が入力されたときに可動接触面を固定接触面に圧接
    させて第2回転体と可動摩擦環体と固定摩擦環体との三
    者を一体にして第2回転体を非回転状態にするカム機構
    と、 を含み、 前記両摩擦環体の各接触面に潤滑剤が入れられており、
    この接触面の周囲をシールにより密封している、ことを
    特徴とするクラッチ装置。
  2. 【請求項2】請求項1のクラッチ装置において、 前記シールを、前記接触面の軸方向両側に配置してい
    る、ことを特徴とするクラッチ装置。
  3. 【請求項3】請求項2のクラッチ装置において、 軸方向他方側のシールが、固定摩擦環体と第1回転体と
    の対向面のいずれか一方に接触させたシールからなる、
    ことを特徴とするクラッチ装置。
  4. 【請求項4】請求項2のクラッチ装置において、 軸方向他方側のシールが、前記固定摩擦環体と第1回転
    体との対向面に屈曲する微小隙間からなる、ことを特徴
    とするクラッチ装置。
  5. 【請求項5】請求項2のクラッチ装置において、 軸方向他方側のシールが、固定摩擦環体と第1回転体と
    の対向面間の隙間を非接触に覆う密封カバーからなる、
    ことを特徴とするクラッチ装置。
  6. 【請求項6】請求項2のクラッチ装置において、 軸方向他方側のシールが、一端側を固定摩擦環体に固定
    し、他端側を軸受を介して第1回転体に支持したブーツ
    からなる、ことを特徴とするクラッチ装置。
JP2000173309A 2000-06-09 2000-06-09 クラッチ装置 Pending JP2001349354A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000173309A JP2001349354A (ja) 2000-06-09 2000-06-09 クラッチ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000173309A JP2001349354A (ja) 2000-06-09 2000-06-09 クラッチ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001349354A true JP2001349354A (ja) 2001-12-21

Family

ID=18675567

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000173309A Pending JP2001349354A (ja) 2000-06-09 2000-06-09 クラッチ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001349354A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5708354B2 (ja) 回転体連結用カップリング装置
US5201529A (en) Sealing device
US5174583A (en) Unitary bearing seal
EP0154424B1 (en) Unitized wheel bearing seal assembly
GB2030236A (en) Rotary seal
JP2525536Y2 (ja) 密封装置
WO2015093376A1 (ja) レリーズ軸受及びクラッチレリーズ軸受装置
JPS6027866B2 (ja) シ−ル装置
JP7050965B2 (ja) 転がり軸受、および少なくとも2つのシールリップを有するシール機構
JP2009103209A (ja) 密封装置
JPH0117008B2 (ja)
JP2001349354A (ja) クラッチ装置
JPS5911043B2 (ja) 二方向性スラスト兼ラジアルボ−ルベアリング
JP2006258131A (ja) 転がり軸受
JP6939230B2 (ja) シール機構
JP2007315459A (ja) 軸受装置
JP4123836B2 (ja) プーリユニットの封止構造
CN106402165B (zh) 轴承单元
JP2010043693A (ja) 転がり軸受
JP2009115138A (ja) シール装置
JP2001355654A (ja) クラッチ装置
JP2005282669A (ja) 転がり軸受用密封装置
US10107339B2 (en) Clutch release bearing device
JP3104810B2 (ja) スタ−タクラッチのシール装置
JP7110143B2 (ja) シール付き等速自在継手