JP2001355654A - クラッチ装置 - Google Patents
クラッチ装置Info
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- JP2001355654A JP2001355654A JP2000179756A JP2000179756A JP2001355654A JP 2001355654 A JP2001355654 A JP 2001355654A JP 2000179756 A JP2000179756 A JP 2000179756A JP 2000179756 A JP2000179756 A JP 2000179756A JP 2001355654 A JP2001355654 A JP 2001355654A
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- Japan
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- contact surface
- clutch device
- movable
- rotating
- cam plate
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- One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】接触面における摩耗の進行を抑制して、動力伝
達特性やロック特性を長期に安定維持できるクラッチ装
置を得る。 【解決手段】クラッチハウジング1内にカムプレート4
を収納し、クラッチハウジングの内周面における固定接
触面1aと、カムプレート4の外周面における可動接触
面4aとを径方向に対向させ、ボールカム機構7によ
り、第1回転軸2に回転動力が入力されたときにカムプ
レートを軸方向一方に変位させて可動接触面を固定接触
面から離隔させてアンロック状態とし、第2回転軸3に
回転動力が入力されたときにカムプレートを軸方向他方
に変位させて可動接触面を固定接触面に圧接させてロッ
ク状態とし、かつ、両接触面に摩耗防止コーティング膜
20を形成して前記離隔および圧接に際しその接触表面
の摩耗を防止している。
達特性やロック特性を長期に安定維持できるクラッチ装
置を得る。 【解決手段】クラッチハウジング1内にカムプレート4
を収納し、クラッチハウジングの内周面における固定接
触面1aと、カムプレート4の外周面における可動接触
面4aとを径方向に対向させ、ボールカム機構7によ
り、第1回転軸2に回転動力が入力されたときにカムプ
レートを軸方向一方に変位させて可動接触面を固定接触
面から離隔させてアンロック状態とし、第2回転軸3に
回転動力が入力されたときにカムプレートを軸方向他方
に変位させて可動接触面を固定接触面に圧接させてロッ
ク状態とし、かつ、両接触面に摩耗防止コーティング膜
20を形成して前記離隔および圧接に際しその接触表面
の摩耗を防止している。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラッチ装置に関
する。このクラッチ装置は、同軸状に向け合わせて配設
された2つの第1および第2の回転体の間に介装されて
第1回転体に回転動力が入力されたときは両回転体を同
期回転させる状態に、また第2回転体に回転動力が入力
されたときは両回転体を回転不可な状態に切り換えるも
のである。
する。このクラッチ装置は、同軸状に向け合わせて配設
された2つの第1および第2の回転体の間に介装されて
第1回転体に回転動力が入力されたときは両回転体を同
期回転させる状態に、また第2回転体に回転動力が入力
されたときは両回転体を回転不可な状態に切り換えるも
のである。
【0002】
【従来の技術】本願出願人は、次のようなこの種のクラ
ッチ装置を提案している。
ッチ装置を提案している。
【0003】すなわち、このクラッチ装置は、内径面に
円錐形状の固定接触面を有するクラッチハウジングと、
外径面に円錐形状の可動接触面を有してクラッチハウジ
ングの内径面内に配置されるカムプレートとを有する。
円錐形状の固定接触面を有するクラッチハウジングと、
外径面に円錐形状の可動接触面を有してクラッチハウジ
ングの内径面内に配置されるカムプレートとを有する。
【0004】そして、このクラッチ装置は、カムプレー
トを第1回転軸に対して軸方向変位可能に対向配設し、
カムプレートを軸方向に変位させてその可動接触面がク
ラッチハウジングの固定接触面に対し圧接または離隔す
るように構成し、第1回転軸に回転動力が入力されたと
きに、カム機構により、カムプレートを軸方向一方に変
位させてその可動接触面をクラッチハウジングの固定接
触面から離隔(両接触面のアンロック)させて第1回転
軸とカムプレートと第2回転軸との三者を一体にして両
回転軸を同期回転可能に結合する状態にする一方、第2
回転軸に回転動力が入力されたときにカムプレートを軸
方向他方に変位させてその可動接触面をクラッチハウジ
ングの固定接触面に圧接(両接触面のロック)させて両
接触面を互いの摩擦力で係合させ、これにより第2回転
軸と可動カムプレートとクラッチハウジングとの三者を
一体にして第2回転軸を非回転状態にしている。
トを第1回転軸に対して軸方向変位可能に対向配設し、
カムプレートを軸方向に変位させてその可動接触面がク
ラッチハウジングの固定接触面に対し圧接または離隔す
るように構成し、第1回転軸に回転動力が入力されたと
きに、カム機構により、カムプレートを軸方向一方に変
位させてその可動接触面をクラッチハウジングの固定接
触面から離隔(両接触面のアンロック)させて第1回転
軸とカムプレートと第2回転軸との三者を一体にして両
回転軸を同期回転可能に結合する状態にする一方、第2
回転軸に回転動力が入力されたときにカムプレートを軸
方向他方に変位させてその可動接触面をクラッチハウジ
ングの固定接触面に圧接(両接触面のロック)させて両
接触面を互いの摩擦力で係合させ、これにより第2回転
軸と可動カムプレートとクラッチハウジングとの三者を
一体にして第2回転軸を非回転状態にしている。
【0005】このようなクラッチ装置では第1回転軸の
回転動力の伝達特性や、第2回転軸に回転動力が入力さ
れたときの瞬時のロック特性を得るために両接触面の径
方向隙間を小さくしている。また、ロック状態を安定さ
せるために両接触面の傾斜角度を小さくして両接触面間
の摩擦係合力を増している。
回転動力の伝達特性や、第2回転軸に回転動力が入力さ
れたときの瞬時のロック特性を得るために両接触面の径
方向隙間を小さくしている。また、ロック状態を安定さ
せるために両接触面の傾斜角度を小さくして両接触面間
の摩擦係合力を増している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようなクラッチ装
置の場合、接触面の傾斜角度を小さくしていると、両接
触面間の摩擦係合力が増しているので、両接触面がロッ
ク状態からアンロック状態の方向へ離隔し始めるとき
や、両接触面がアンロック状態からロック状態の方向へ
圧接し始めるときに、両接触面が摺動することにより両
接触面が摩耗しやすい。
置の場合、接触面の傾斜角度を小さくしていると、両接
触面間の摩擦係合力が増しているので、両接触面がロッ
ク状態からアンロック状態の方向へ離隔し始めるとき
や、両接触面がアンロック状態からロック状態の方向へ
圧接し始めるときに、両接触面が摺動することにより両
接触面が摩耗しやすい。
【0007】したがって、本発明は、クラッチ装置にお
いて、接触面の摩耗防止を図ることでその接触面におけ
る摩耗の進行を抑制して、前記回転動力の伝達特性やロ
ック特性を長期に安定維持できるようにすることを共通
の解決課題としている。
いて、接触面の摩耗防止を図ることでその接触面におけ
る摩耗の進行を抑制して、前記回転動力の伝達特性やロ
ック特性を長期に安定維持できるようにすることを共通
の解決課題としている。
【0008】本発明は、この場合、接触面の摩耗を防止
する材料に接触表面の潤滑度を高くする潤滑剤を使用し
た場合、前記ロック状態の不安定化やロックしにくくな
ることがあり、その場合、接触面における摩擦係数と接
触面の傾斜角度との間に存在する所定の関係から摩耗防
止を図れると同時にロック状態を安定させることを他の
解決課題とする。
する材料に接触表面の潤滑度を高くする潤滑剤を使用し
た場合、前記ロック状態の不安定化やロックしにくくな
ることがあり、その場合、接触面における摩擦係数と接
触面の傾斜角度との間に存在する所定の関係から摩耗防
止を図れると同時にロック状態を安定させることを他の
解決課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明第1および第2の
クラッチ装置は、可動摩擦体と固定摩擦体の両接触面の
うちの少なくとも一方の接触面が、摩耗防止材で形成さ
れているものである。
クラッチ装置は、可動摩擦体と固定摩擦体の両接触面の
うちの少なくとも一方の接触面が、摩耗防止材で形成さ
れているものである。
【0010】したがって、本発明第1および第2のクラ
ッチ装置の場合、第1回転体の回転動力の伝達特性や、
第2回転体に回転動力が入力されたときの瞬時のロック
特性を得るために両接触面の径方向隙間を小さくして両
接触面間の摩擦係合力が増していても、両接触面の摩耗
が摩耗防止材で防止されるので、両接触面がロック状態
からアンロック状態の方向へ離隔し始めるときや、両接
触面がアンロック状態からロック状態の方向へ圧接し始
めた際に両接触面が摺動してもその両接触面の摩耗の進
行を抑制することができる。
ッチ装置の場合、第1回転体の回転動力の伝達特性や、
第2回転体に回転動力が入力されたときの瞬時のロック
特性を得るために両接触面の径方向隙間を小さくして両
接触面間の摩擦係合力が増していても、両接触面の摩耗
が摩耗防止材で防止されるので、両接触面がロック状態
からアンロック状態の方向へ離隔し始めるときや、両接
触面がアンロック状態からロック状態の方向へ圧接し始
めた際に両接触面が摺動してもその両接触面の摩耗の進
行を抑制することができる。
【0011】その結果、本発明第1および第2では、接
触面における摩耗の進行を抑制して、前記回転動力の伝
達特性やロック特性を長期に安定維持できるクラッチ装
置を得られる。
触面における摩耗の進行を抑制して、前記回転動力の伝
達特性やロック特性を長期に安定維持できるクラッチ装
置を得られる。
【0012】なお、本発明第1および第2においては、
好ましくは、摩耗防止材を、前記接触面に対するコーテ
ィング膜から構成する。こうした場合、摩耗防止にグリ
ース等の潤滑剤を必要とせず、また、シール等の潤滑剤
漏れ防止部品の設置、等を必要としなくて済み、コスト
のかからない摩耗防止を図れて好ましい。
好ましくは、摩耗防止材を、前記接触面に対するコーテ
ィング膜から構成する。こうした場合、摩耗防止にグリ
ース等の潤滑剤を必要とせず、また、シール等の潤滑剤
漏れ防止部品の設置、等を必要としなくて済み、コスト
のかからない摩耗防止を図れて好ましい。
【0013】なお、本発明第1および第2においては、
好ましくは、少なくとも前記一方の接触面を有する摩擦
体そのものが、前記摩耗防止材で構成されている。
好ましくは、少なくとも前記一方の接触面を有する摩擦
体そのものが、前記摩耗防止材で構成されている。
【0014】こうした場合も摩耗防止にグリース等の潤
滑剤を必要とせず、また、シール等の潤滑剤漏れ防止部
品の設置、等を必要としなくて済み、コストのかからな
い摩耗防止を図れて好ましいうえ、コーティング膜を形
成する手間が省ける。
滑剤を必要とせず、また、シール等の潤滑剤漏れ防止部
品の設置、等を必要としなくて済み、コストのかからな
い摩耗防止を図れて好ましいうえ、コーティング膜を形
成する手間が省ける。
【0015】本発明第1および第2においては、好まし
くは、前記摩耗防止材を、潤滑成分を含有させた焼結材
料で構成する。こうした場合、自己潤滑の作用効果が得
られて好ましい。
くは、前記摩耗防止材を、潤滑成分を含有させた焼結材
料で構成する。こうした場合、自己潤滑の作用効果が得
られて好ましい。
【0016】このような摩耗防止材の場合、さらに、焼
結材料内部の気泡に潤滑成分である油が含浸されてお
り、その油が、このクラッチ装置を備えた機械の運転に
伴い、自動的に接触面に流出して潤滑油膜を形成するこ
とができる。そして、その運転が停止すると、その油は
再び前記気泡に吸収されるから、焼き付けのおそれがな
く、また、長時間にわたり給油の必要がなくなって好ま
しい。また、コーティング等とは異なって、潤滑油を既
に含んでいるから、後処理が不要となる。
結材料内部の気泡に潤滑成分である油が含浸されてお
り、その油が、このクラッチ装置を備えた機械の運転に
伴い、自動的に接触面に流出して潤滑油膜を形成するこ
とができる。そして、その運転が停止すると、その油は
再び前記気泡に吸収されるから、焼き付けのおそれがな
く、また、長時間にわたり給油の必要がなくなって好ま
しい。また、コーティング等とは異なって、潤滑油を既
に含んでいるから、後処理が不要となる。
【0017】本発明においては、好ましくは、前記接触
面の傾斜角度を、その傾斜角度をθ、また前記接触面に
おける摩擦係数をμとして、θ>tan-1μの関係式に
基づいて管理する。
面の傾斜角度を、その傾斜角度をθ、また前記接触面に
おける摩擦係数をμとして、θ>tan-1μの関係式に
基づいて管理する。
【0018】接触面の傾斜角度は、大きくすると、両接
触面をロックからアンロックさせるための第1回転体の
回転動力は小さくて済むがロック力が小さくロックが不
安定となる。そこで、接触面の傾斜角度を小さくする
と、ロック力が得られロック状態が安定する反面、両接
触面の噛み込みが発生してする。そこで、上記関係式を
満たすよう傾斜角度を管理することで、上記噛み込みを
防止できる範囲で接触面の傾斜角度を小さくして両接触
面間の摩擦係合力を増しロック状態を安定させることが
できる。
触面をロックからアンロックさせるための第1回転体の
回転動力は小さくて済むがロック力が小さくロックが不
安定となる。そこで、接触面の傾斜角度を小さくする
と、ロック力が得られロック状態が安定する反面、両接
触面の噛み込みが発生してする。そこで、上記関係式を
満たすよう傾斜角度を管理することで、上記噛み込みを
防止できる範囲で接触面の傾斜角度を小さくして両接触
面間の摩擦係合力を増しロック状態を安定させることが
できる。
【0019】その結果、クラッチの切り換えに際しては
両接触面の噛み込み発生がないから上記アンロックに大
きな離隔トルクを要することのないクラッチ装置を提供
することができる。
両接触面の噛み込み発生がないから上記アンロックに大
きな離隔トルクを要することのないクラッチ装置を提供
することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図面に示す
実施形態に基づいて説明する。
実施形態に基づいて説明する。
【0021】図1ないし図6を参照して本発明の実施形
態に係るクラッチ装置について説明する。図1は、動力
遮断状態におけるクラッチ装置の側面断面図、図2は、
動力伝達状態におけるクラッチ装置の側面断面図、図3
は、クラッチ装置の分解斜視図、図4は、図1の要部拡
大図、図5は、傾斜角度に関係する式の説明に供するク
ラッチハウジングとカムプレートとの部分側面断面図で
ある。図6(a)は、図1の第1回転軸とカムプレート
とのカム溝を側面から見た要部拡大断面図、図6(b)
は、図2の第1回転軸とカムプレートとのカム溝を側面
から見た要部拡大断面図である。
態に係るクラッチ装置について説明する。図1は、動力
遮断状態におけるクラッチ装置の側面断面図、図2は、
動力伝達状態におけるクラッチ装置の側面断面図、図3
は、クラッチ装置の分解斜視図、図4は、図1の要部拡
大図、図5は、傾斜角度に関係する式の説明に供するク
ラッチハウジングとカムプレートとの部分側面断面図で
ある。図6(a)は、図1の第1回転軸とカムプレート
とのカム溝を側面から見た要部拡大断面図、図6(b)
は、図2の第1回転軸とカムプレートとのカム溝を側面
から見た要部拡大断面図である。
【0022】これらの図において、Aは、クラッチ装置
の全体を示しており、このクラッチ装置Aは、主とし
て、クラッチハウジング1と、第1回転軸2と、第2回
転軸3と、カムプレート4と、スプリングバネ5と、転
がり軸受6と、ボールカム機構7とを備えている。
の全体を示しており、このクラッチ装置Aは、主とし
て、クラッチハウジング1と、第1回転軸2と、第2回
転軸3と、カムプレート4と、スプリングバネ5と、転
がり軸受6と、ボールカム機構7とを備えている。
【0023】このクラッチ装置Aは、第1回転軸2と第
2回転軸3の2つの回転体を同軸状に向き合わせ、両回
転軸を同期回転させる動力伝達状態と相対回転させる動
力非伝達状態とに切り換えるようになっている。
2回転軸3の2つの回転体を同軸状に向き合わせ、両回
転軸を同期回転させる動力伝達状態と相対回転させる動
力非伝達状態とに切り換えるようになっている。
【0024】クラッチハウジング1は、カムプレート4
に対して対向する位置に不動配置される固定摩擦体とし
て側面内周が軸方向の円錐台をなし、図外のクラッチ装
置取付壁に固定されるとともに、円錐面形状の固定接触
面1aと軸受取り付け面1bとを備えた筒体構造となっ
ている。
に対して対向する位置に不動配置される固定摩擦体とし
て側面内周が軸方向の円錐台をなし、図外のクラッチ装
置取付壁に固定されるとともに、円錐面形状の固定接触
面1aと軸受取り付け面1bとを備えた筒体構造となっ
ている。
【0025】第1回転軸2と第2回転軸3は、同軸状に
向き合っている。
向き合っている。
【0026】第1回転軸2は、回転体として、モータ等
の動力源により回転駆動されるものであって、外周面に
環状のフランジ8が一体に形成され、また、その軸方向
端面に小径軸部9が形成されている。フランジ8は第1
回転軸2の本体とは別体に構成してもよい。
の動力源により回転駆動されるものであって、外周面に
環状のフランジ8が一体に形成され、また、その軸方向
端面に小径軸部9が形成されている。フランジ8は第1
回転軸2の本体とは別体に構成してもよい。
【0027】第2回転軸3は、回転体として、軸方向一
方側軸部10がクラッチハウジング外に延び、軸方向他
端側の軸部端面に形成された軸方向有底穴11に第1回
転体2の小径軸部9が嵌入され、サークリップ12で第
1回転軸2に連結される。
方側軸部10がクラッチハウジング外に延び、軸方向他
端側の軸部端面に形成された軸方向有底穴11に第1回
転体2の小径軸部9が嵌入され、サークリップ12で第
1回転軸2に連結される。
【0028】第2回転軸3はまた、外周面にスプライン
歯13が形成され、軸受6を介してクラッチハウジング
1の軸受取り付け面1bに回転可能に支持されている。
歯13が形成され、軸受6を介してクラッチハウジング
1の軸受取り付け面1bに回転可能に支持されている。
【0029】この場合、第2回転軸3の外周面の周溝1
4に止め輪15が固定され、これによって、第2回転軸
3等がクラッチハウジング1から抜け出すのが防止され
ている。
4に止め輪15が固定され、これによって、第2回転軸
3等がクラッチハウジング1から抜け出すのが防止され
ている。
【0030】カムプレート4は、第2回転軸3に対して
同期回転可能にかつ軸方向変位可能に取り付けられる可
動摩擦体として、側面外周がクラッチハウジング1より
も短い軸方向の円錐台をなした可動摩擦体として、その
外周面が円錐面形状の可動接触面4aとなってクラッチ
ハウジング1の固定接触面1aと対向するようクラッチ
ハウジング1と同心状に配設された環状板構造となって
いる。
同期回転可能にかつ軸方向変位可能に取り付けられる可
動摩擦体として、側面外周がクラッチハウジング1より
も短い軸方向の円錐台をなした可動摩擦体として、その
外周面が円錐面形状の可動接触面4aとなってクラッチ
ハウジング1の固定接触面1aと対向するようクラッチ
ハウジング1と同心状に配設された環状板構造となって
いる。
【0031】そして、可動接触面4aと固定接触面1a
は、雌雄一対となってそれぞれ、カムプレート4とクラ
ッチハウジング1とに振り分けて設けられているが、可
動接触面4aは、固定接触面1aに対して、カムプレー
ト4の軸方向他方への変位によりくさび状食い込み作用
により圧接して第2回転軸3から第1回転軸2へ動力非
伝達状態となる一方、カムプレート4が軸方向一方へ変
位したときに離れて第1回転軸2から第2回転軸3に動
力伝達状態となる雌雄一対のテーパコーン形の接触面と
されている。
は、雌雄一対となってそれぞれ、カムプレート4とクラ
ッチハウジング1とに振り分けて設けられているが、可
動接触面4aは、固定接触面1aに対して、カムプレー
ト4の軸方向他方への変位によりくさび状食い込み作用
により圧接して第2回転軸3から第1回転軸2へ動力非
伝達状態となる一方、カムプレート4が軸方向一方へ変
位したときに離れて第1回転軸2から第2回転軸3に動
力伝達状態となる雌雄一対のテーパコーン形の接触面と
されている。
【0032】カムプレート4はまた、第2回転軸3の嵌
入穴を有し、その嵌入穴内周壁に第2回転軸3の前記ス
プライン歯13に嵌合するスプライン歯16を備え、そ
のスプライン歯13と16との嵌合で第2回転軸3と一
体回転し、かつ、軸方向に変位可能となっている。
入穴を有し、その嵌入穴内周壁に第2回転軸3の前記ス
プライン歯13に嵌合するスプライン歯16を備え、そ
のスプライン歯13と16との嵌合で第2回転軸3と一
体回転し、かつ、軸方向に変位可能となっている。
【0033】ボールカム機構7は、フランジ8と、カム
プレート4と、スプリングバネ5と、ボール19とを少
なくとも構成要素として備える。
プレート4と、スプリングバネ5と、ボール19とを少
なくとも構成要素として備える。
【0034】フランジ8は、軸方向不動の固定カムプレ
ートとして機能する。
ートとして機能する。
【0035】カムプレート4は、可動カムプレートとし
て、フランジ8に対して軸方向変位可能な状態に同軸状
に対向配設される。
て、フランジ8に対して軸方向変位可能な状態に同軸状
に対向配設される。
【0036】フランジ8とカムプレート4との互いの対
向面に一対のカム溝17,18が振り分けて設けられて
いる。
向面に一対のカム溝17,18が振り分けて設けられて
いる。
【0037】両カム溝17,18それぞれは、周方向中
心17a0,18a0から周方向両側へ向けて深さが浅
くなるすり鉢状斜面17a1,17a2;18a1,1
8a2に形成されている。
心17a0,18a0から周方向両側へ向けて深さが浅
くなるすり鉢状斜面17a1,17a2;18a1,1
8a2に形成されている。
【0038】スプリングバネ5は、カムプレート4をフ
ランジ8側に弾発付勢する付勢部材となる。
ランジ8側に弾発付勢する付勢部材となる。
【0039】ボール19は、転動体として、両カム溝1
7,18間に転動可能に収納されている。
7,18間に転動可能に収納されている。
【0040】このようなボールカム機構7において、両
カム溝17,18は、周方向中心17a0,18a0で
最深となり、そこでの深さは、ボール19の半径より小
さい寸法に設定されている。
カム溝17,18は、周方向中心17a0,18a0で
最深となり、そこでの深さは、ボール19の半径より小
さい寸法に設定されている。
【0041】ボールカム機構7では、第1回転軸2の回
転に伴うフランジ8とカムプレート4との相対的な回転
に伴い、両カム溝17,18の最も深い位置である周方
向中心17a0,18a0にボール19が位置すること
によりカムプレート4をフランジ8側に近接させる状態
に、また、前記両カム溝17,18の最も浅い位置にボ
ール19が位置することによりカムプレート4をフラン
ジ8側から最も離隔させる状態になる。
転に伴うフランジ8とカムプレート4との相対的な回転
に伴い、両カム溝17,18の最も深い位置である周方
向中心17a0,18a0にボール19が位置すること
によりカムプレート4をフランジ8側に近接させる状態
に、また、前記両カム溝17,18の最も浅い位置にボ
ール19が位置することによりカムプレート4をフラン
ジ8側から最も離隔させる状態になる。
【0042】次に、本実施の形態の特徴について説明す
る。
る。
【0043】すなわち、本実施の形態においては、クラ
ッチハウジング1の固定接触面1a、カムプレート4の
可動接触面4a、クラッチハウジング1とカムプレート
4の軸方向他方側との径方向対向面1c,4c、カムプ
レート4と第1回転軸2のカム溝17,18を含む軸方
向対向面4d,2dに、摩耗防止材を含むコーティング
膜20が形成されている。各コーティング膜20は、環
状に設けられている。
ッチハウジング1の固定接触面1a、カムプレート4の
可動接触面4a、クラッチハウジング1とカムプレート
4の軸方向他方側との径方向対向面1c,4c、カムプ
レート4と第1回転軸2のカム溝17,18を含む軸方
向対向面4d,2dに、摩耗防止材を含むコーティング
膜20が形成されている。各コーティング膜20は、環
状に設けられている。
【0044】この場合、コーティング膜20は、少なく
とも両接触面1a,4a、さらに少なくとも一方の接触
面1aまたは4aに形成されているとよい。
とも両接触面1a,4a、さらに少なくとも一方の接触
面1aまたは4aに形成されているとよい。
【0045】固定接触面1aと可動接触面4aとの対向
表面に形成されたコーティング膜20の場合、可動接触
面4aが固定接触面1aに対して離隔する際、および圧
接する際において、両接触表面の摩耗を防止するもので
ある。
表面に形成されたコーティング膜20の場合、可動接触
面4aが固定接触面1aに対して離隔する際、および圧
接する際において、両接触表面の摩耗を防止するもので
ある。
【0046】カム溝17,18に形成されたコーティン
グ膜20の場合、ボール19がカム溝17,18内を転
動したり滑ったりする場合のカム溝17,18表面の摩
耗を防止するものである。
グ膜20の場合、ボール19がカム溝17,18内を転
動したり滑ったりする場合のカム溝17,18表面の摩
耗を防止するものである。
【0047】なお、クラッチハウジング1やカムプレー
ト4については、コーティング膜20ではなく、そのも
の自体を、摩耗防止材で構成してもよい。
ト4については、コーティング膜20ではなく、そのも
の自体を、摩耗防止材で構成してもよい。
【0048】コーティング膜20としては、 ・セラミックをコーティングしたもの、 ・耐摩耗性の高い金属の溶射を施したもの、 ・固体潤滑剤をコーティングしたもの、がある。
【0049】また、クラッチハウジング1やカムプレー
ト4そのもの自体を、摩耗防止材で構成する場合として
は、 ・潤滑成分を含有させた金属または樹脂の焼結材料で構
成したもの、がある。
ト4そのもの自体を、摩耗防止材で構成する場合として
は、 ・潤滑成分を含有させた金属または樹脂の焼結材料で構
成したもの、がある。
【0050】なお、セラミックコーティングは、アルミ
ナ、ジルコン、クロアミなどを溶融噴射し、金属表面に
陶磁性の無機質皮膜を形成するものであり、ダイヤモン
ドにつぐ硬度を有しているから、耐摩耗性に優れたコー
ティングとなる。
ナ、ジルコン、クロアミなどを溶融噴射し、金属表面に
陶磁性の無機質皮膜を形成するものであり、ダイヤモン
ドにつぐ硬度を有しているから、耐摩耗性に優れたコー
ティングとなる。
【0051】前記溶射は、加熱溶解した金属を微粒化し
て鋼材表面に吹き付けて皮膜を形成するものである。
て鋼材表面に吹き付けて皮膜を形成するものである。
【0052】固体潤滑剤としては、例えば二硫化モリブ
デン、グラファイトなどがある。
デン、グラファイトなどがある。
【0053】上記クラッチ装置Aの場合、第1回転軸2
の回転動力の伝達特性や、第2回転軸3に回転動力が入
力されたときの瞬時のロック特性を得るために両接触面
1a,4aの径方向隙間を小さくして両接触面1a,4
a間の摩擦係合力が増していても、両接触面1a,4a
の摩耗がコーティング膜20で防止されるので、両接触
面1a,4aがロック状態からアンロック状態の方向へ
離隔し始めるときや、両接触面1a,4aがアンロック
状態からロック状態の方向へ圧接し始めた際に両接触面
1a,4aが摺動してもその両接触面1a,4aの摩耗
の進行を抑制することができる。
の回転動力の伝達特性や、第2回転軸3に回転動力が入
力されたときの瞬時のロック特性を得るために両接触面
1a,4aの径方向隙間を小さくして両接触面1a,4
a間の摩擦係合力が増していても、両接触面1a,4a
の摩耗がコーティング膜20で防止されるので、両接触
面1a,4aがロック状態からアンロック状態の方向へ
離隔し始めるときや、両接触面1a,4aがアンロック
状態からロック状態の方向へ圧接し始めた際に両接触面
1a,4aが摺動してもその両接触面1a,4aの摩耗
の進行を抑制することができる。
【0054】その結果、本実施の形態では、接触面1
a,4aにおける摩耗の進行を抑制して、回転動力の伝
達特性やロック特性を長期に安定維持できるクラッチ装
置Aが得られる。
a,4aにおける摩耗の進行を抑制して、回転動力の伝
達特性やロック特性を長期に安定維持できるクラッチ装
置Aが得られる。
【0055】上記の場合、両接触面1a,4aの摩耗を
防止する材料に接触表面の潤滑度を高くする潤滑剤を使
用した場合、摩耗防止効果が高まる反面、両接触面1
a,4aにおける前記ロック状態の不安定化やロックし
にくくなるおそれがある。その場合、接触面1a,4a
における摩擦係数や傾斜角度の間に存在する以下に述べ
る関係式(1)から摩耗防止を図れると同時にロック状
態を安定させるようにしてもよい。
防止する材料に接触表面の潤滑度を高くする潤滑剤を使
用した場合、摩耗防止効果が高まる反面、両接触面1
a,4aにおける前記ロック状態の不安定化やロックし
にくくなるおそれがある。その場合、接触面1a,4a
における摩擦係数や傾斜角度の間に存在する以下に述べ
る関係式(1)から摩耗防止を図れると同時にロック状
態を安定させるようにしてもよい。
【0056】θ>tan-1μ … (1) ここでθは、接触面1a,4aの傾斜角度、μは、接触
面1a,4aの摩擦係数である。
面1a,4aの摩擦係数である。
【0057】上記関係式(1)について説明する。
【0058】まず、接触面1a,4aの傾斜角度を大き
くすると、前記ロック状態からアンロックさせるための
第1回転軸2の回転動力は小さくて済むがロック力が小
さくてロックが不安定となる。そこで、接触面1a,4
aの傾斜角度θを小さくすると、ロック力が得られロッ
ク状態が安定する反面、接触面1a,4aの噛み込みが
発生する。
くすると、前記ロック状態からアンロックさせるための
第1回転軸2の回転動力は小さくて済むがロック力が小
さくてロックが不安定となる。そこで、接触面1a,4
aの傾斜角度θを小さくすると、ロック力が得られロッ
ク状態が安定する反面、接触面1a,4aの噛み込みが
発生する。
【0059】そこで、上記関係式(1)を満たすよう傾
斜角度θを管理することで、噛み込みを防止できる範囲
で接触面1a,4aの傾斜角度θを小さくして接触面1
a,4a間の摩擦係合力を増しロック状態を安定させる
ことができる。
斜角度θを管理することで、噛み込みを防止できる範囲
で接触面1a,4aの傾斜角度θを小さくして接触面1
a,4a間の摩擦係合力を増しロック状態を安定させる
ことができる。
【0060】その結果、クラッチの切り換えに際しては
接触面1a,4aの噛み込み発生がないからアンロック
に大きな離隔トルクを要することのないクラッチ装置を
提供することができる。
接触面1a,4aの噛み込み発生がないからアンロック
に大きな離隔トルクを要することのないクラッチ装置を
提供することができる。
【0061】なお、関係式(1)の導入について図5を
参照して説明する。
参照して説明する。
【0062】可動接触面4aが固定接触面1aを圧接し
ているとき、可動接触面4aが受ける固定接触面1aか
らの反力(可動接触面4aに垂直な力)をRとし、可動
接触面4aを固定接触面1aから引き抜くのに要する軸
方向外力をPとすると、次式(2)が成立する。
ているとき、可動接触面4aが受ける固定接触面1aか
らの反力(可動接触面4aに垂直な力)をRとし、可動
接触面4aを固定接触面1aから引き抜くのに要する軸
方向外力をPとすると、次式(2)が成立する。
【0063】 P=2μRcosθ−2Rsinθ =2R(μcosθ−sinθ) …(2) ここで、右辺の「2」の係数は、両側勾配のためであ
る。
る。
【0064】そして、カムプレート4の可動接触面4a
がクラッチハウジング1の固定接触面1aに噛み込むの
を防止する、つまり自然に抜ける条件は、P<0、つま
り次式(3)が成立する必要がある。
がクラッチハウジング1の固定接触面1aに噛み込むの
を防止する、つまり自然に抜ける条件は、P<0、つま
り次式(3)が成立する必要がある。
【0065】 P=2R(μcosθ−sinθ)<0 …(3) 上記式(3)より上記関係式(1)が得られる。
【0066】この関係式(1)に従うよう傾斜角度θを
管理すると、傾斜角度θを小さくしてロック状態の安定
を図る場合、傾斜角度θを小さくしすぎて接触面の噛み
込み発生を起こすようなことが防止され、クラッチ性能
が安定する。
管理すると、傾斜角度θを小さくしてロック状態の安定
を図る場合、傾斜角度θを小さくしすぎて接触面の噛み
込み発生を起こすようなことが防止され、クラッチ性能
が安定する。
【0067】次に、上記クラッチ装置Aの動作について
図6を参照して説明する。
図6を参照して説明する。
【0068】カムプレート4は、スプリングバネ5で軸
方向他方に付勢され、その接触面4aが、クラッチハウ
ジング1の接触面1aに圧接されているときは、第2回
転軸3は、その回転をロックされて非回転状態となって
いる。この状態では図6(a)で示すように、ボール1
9は、カム溝17,18の軸方向最深の周方向中心17
a0,18a0間に位置している。
方向他方に付勢され、その接触面4aが、クラッチハウ
ジング1の接触面1aに圧接されているときは、第2回
転軸3は、その回転をロックされて非回転状態となって
いる。この状態では図6(a)で示すように、ボール1
9は、カム溝17,18の軸方向最深の周方向中心17
a0,18a0間に位置している。
【0069】この状態から、第1回転軸2が図外のモー
タ等の動力源で回転駆動される(図6で周方向一方へ移
動される)と、フランジ8とカムプレート4の両対向面
間のカム溝17,18の互いに逆方向のすり鉢状斜面1
7a2、18a2間を図6(a)から図6(b)で示す
ようにボール19が周方向に転動する。
タ等の動力源で回転駆動される(図6で周方向一方へ移
動される)と、フランジ8とカムプレート4の両対向面
間のカム溝17,18の互いに逆方向のすり鉢状斜面1
7a2、18a2間を図6(a)から図6(b)で示す
ようにボール19が周方向に転動する。
【0070】このすり鉢状斜面17a2、18a2にお
いては、図6(a)(b)で示すように一方のすり鉢状
斜面17a2は周方向他方へ向けて、また他方のすり鉢
状斜面18a2は周方向一方へ向けてそれぞれ深さが浅
くなっているので、カムプレート4は、スプリングバネ
5に抗して、フランジ8より軸方向一方に向けて変位さ
せられ、これによって、カムプレート4の接触面4a
が、クラッチハウジング1の内周面の接触面1aから離
隔する。
いては、図6(a)(b)で示すように一方のすり鉢状
斜面17a2は周方向他方へ向けて、また他方のすり鉢
状斜面18a2は周方向一方へ向けてそれぞれ深さが浅
くなっているので、カムプレート4は、スプリングバネ
5に抗して、フランジ8より軸方向一方に向けて変位さ
せられ、これによって、カムプレート4の接触面4a
が、クラッチハウジング1の内周面の接触面1aから離
隔する。
【0071】そして、ボール19が、図6(b)で示す
ようにすり鉢状斜面17a2、18a2の両側間で軸方
向に挟まれた状態になる。
ようにすり鉢状斜面17a2、18a2の両側間で軸方
向に挟まれた状態になる。
【0072】このようにボール19がすり鉢状斜面17
a2、18a2の両側間で軸方向に挟まれた状態になる
と、カムプレート4は、第1回転軸2の周方向一方の回
転動力で、それと同方向に回転し、これとともに、第2
回転軸3も同方向に回転させられて、第1回転軸2の回
転動力が伝達されることになる。
a2、18a2の両側間で軸方向に挟まれた状態になる
と、カムプレート4は、第1回転軸2の周方向一方の回
転動力で、それと同方向に回転し、これとともに、第2
回転軸3も同方向に回転させられて、第1回転軸2の回
転動力が伝達されることになる。
【0073】また、第1回転軸2が、上記と逆方向に回
転駆動された場合は、ボール19は、すり鉢状斜面17
a1、18a1間を転動し、そのすり鉢状斜面17a
1、18a1の両側間で軸方向に挟まれた状態になっ
て、カムプレート4は、第1回転軸2の周方向他方の回
転動力で、それと同方向に回転し、これとともに、第2
回転軸3も同方向に回転させられて、第1回転軸2の回
転動力が伝達されることになる。
転駆動された場合は、ボール19は、すり鉢状斜面17
a1、18a1間を転動し、そのすり鉢状斜面17a
1、18a1の両側間で軸方向に挟まれた状態になっ
て、カムプレート4は、第1回転軸2の周方向他方の回
転動力で、それと同方向に回転し、これとともに、第2
回転軸3も同方向に回転させられて、第1回転軸2の回
転動力が伝達されることになる。
【0074】このようにして回転動力はいずれの回転方
向にも伝達される。
向にも伝達される。
【0075】なお、上述の実施形態においては、カム溝
17,18にも摩耗防止コーティング膜20を形成し
て、そのカム溝17,18におけるボール19の転動や
滑りによる摩耗を防止している。
17,18にも摩耗防止コーティング膜20を形成し
て、そのカム溝17,18におけるボール19の転動や
滑りによる摩耗を防止している。
【0076】そして、この場合、カム溝17,18の傾
斜角度を大きくしてカムプレート4の軸方向変位量を大
きくした場合、両接触面1a,4aの噛み込みが発生
し、可動接触面4aを固定接触面1aから引き離してア
ンロック状態とするために、第1回転軸2は大きな起動
トルクが要する。また、前記噛み込みを防止するために
カム溝17,18の傾斜角度を小さくしてカムプレート
4の軸方向変位量をわずかとすると、動力伝達における
両接触面1a,4aの離隔が不十分となって、第1回転
軸2から第2回転軸3への動力伝達効率が低下する傾向
になる。
斜角度を大きくしてカムプレート4の軸方向変位量を大
きくした場合、両接触面1a,4aの噛み込みが発生
し、可動接触面4aを固定接触面1aから引き離してア
ンロック状態とするために、第1回転軸2は大きな起動
トルクが要する。また、前記噛み込みを防止するために
カム溝17,18の傾斜角度を小さくしてカムプレート
4の軸方向変位量をわずかとすると、動力伝達における
両接触面1a,4aの離隔が不十分となって、第1回転
軸2から第2回転軸3への動力伝達効率が低下する傾向
になる。
【0077】そこで、カム溝17,18の傾斜角度を、
第1回転軸2の回転時における両接触面1a,4aに所
要の径方向隙間を確保可能とする角度と、クラッチハウ
ジング1の接触面1aからカムプレート4の接触面4a
を離隔するために要する起動トルクを所要以下に抑制可
能とする角度との範囲に規定するにあたり、前記両接触
面1a,4aの径方向隙間に対して関係式(4)に従っ
て規定してもよい。
第1回転軸2の回転時における両接触面1a,4aに所
要の径方向隙間を確保可能とする角度と、クラッチハウ
ジング1の接触面1aからカムプレート4の接触面4a
を離隔するために要する起動トルクを所要以下に抑制可
能とする角度との範囲に規定するにあたり、前記両接触
面1a,4aの径方向隙間に対して関係式(4)に従っ
て規定してもよい。
【0078】η=tan-1(S/K) …(4) ただし、η:カム溝17,18の傾斜角度 S:接触面1a,4aの径方向隙間 K:定数 この関係式(4)に従うクラッチ装置Aの場合、カム溝
17,18の傾斜角度ηを適正に規定し、接触面1a,
4aの径方向隙間Sを適正に規定することができる。そ
の結果、この規定により接触面1a,4aの噛み込みを
抑制して可動接触面4aを固定接触面1aから離すため
の起動トルクを小さくできる一方、傾斜角度ηを動力伝
達における接触面1a,4aの離隔距離を確保でき、第
1回転軸2から第2回転軸3への動力伝達効率を向上さ
せられる結果、所望のクラッチ性能を発揮できるものと
なる。
17,18の傾斜角度ηを適正に規定し、接触面1a,
4aの径方向隙間Sを適正に規定することができる。そ
の結果、この規定により接触面1a,4aの噛み込みを
抑制して可動接触面4aを固定接触面1aから離すため
の起動トルクを小さくできる一方、傾斜角度ηを動力伝
達における接触面1a,4aの離隔距離を確保でき、第
1回転軸2から第2回転軸3への動力伝達効率を向上さ
せられる結果、所望のクラッチ性能を発揮できるものと
なる。
【0079】また、径方向隙間Sが適正に規定されるか
ら、第2回転軸3を非回転に確実に確保することがで
き、クラッチ性能の向上に好ましい。
ら、第2回転軸3を非回転に確実に確保することがで
き、クラッチ性能の向上に好ましい。
【0080】なお、本発明のクラッチ装置は、例えば、
無断変速機や、電動パワーステアリング、その他の機械
装置類に応用することができる。
無断変速機や、電動パワーステアリング、その他の機械
装置類に応用することができる。
【0081】
【発明の効果】以上のように本発明による場合、可動摩
擦体と固定摩擦体の両接触面のうちの少なくとも一方の
接触面が、両接触面の離隔および圧接に際しその接触表
面の摩耗を防止する摩耗防止材で形成されているから、
接触面における摩耗の進行を抑制して、第1回転体から
第2回転体への動力伝達特性や両接触面のロック状態を
長期に安定維持できるクラッチ装置が得られる。
擦体と固定摩擦体の両接触面のうちの少なくとも一方の
接触面が、両接触面の離隔および圧接に際しその接触表
面の摩耗を防止する摩耗防止材で形成されているから、
接触面における摩耗の進行を抑制して、第1回転体から
第2回転体への動力伝達特性や両接触面のロック状態を
長期に安定維持できるクラッチ装置が得られる。
【図1】動力非伝達状態にある本発明の実施形態1のク
ラッチ装置の側面断面図
ラッチ装置の側面断面図
【図2】動力伝達状態にある本発明の実施形態1のクラ
ッチ装置の側面断面図
ッチ装置の側面断面図
【図3】クラッチ装置の分解斜視図
【図4】図1の要部拡大断面図
【図5】傾斜角度に関係する式の説明に供するクラッチ
ハウジングとカムプレートとの部分側面断面図
ハウジングとカムプレートとの部分側面断面図
【図6】(a)図1の第1回転軸とカムプレートとのカ
ム溝を側面から見た要部拡大断面図、(b)図2の第1
回転軸とカムプレートとのカム溝を側面から見た要部拡
大断面図
ム溝を側面から見た要部拡大断面図、(b)図2の第1
回転軸とカムプレートとのカム溝を側面から見た要部拡
大断面図
1 クラッチハウジング 2 第1回転軸 3 第2回転軸 4 カムプレート(可動カムプレート) 5 スプリングバネ 7 ボールカム機構 8 フランジ(固定カムプレート) 17,18 カム溝 20 コーティング膜
Claims (6)
- 【請求項1】同軸状に向き合う2つの回転体を同期回転
させる動力伝達状態と相対回転させる動力非伝達状態と
に切り換えるクラッチ装置であって、 いずれか一方の回転体に対して同期回転可能にかつ軸方
向変位可能に取り付けられる可動摩擦体と、この可動摩
擦体に対して対向する位置に不動配置される固定摩擦体
とを有し、 前記両摩擦体に対して、可動摩擦体が軸方向一方へ変位
したときに離れて上記動力伝達状態となり、可動摩擦体
が軸方向他方へ変位したときに、くさび状食い込み作用
により圧接して上記動力非伝達状態となる雌雄一対のテ
ーパコーン形の接触面が振り分けて設けられ、 前記両摩擦体の少なくともいずれか一方における少なく
とも接触面が、摩耗防止材で形成されている、ことを特
徴とするクラッチ装置。 - 【請求項2】同軸状に向け合わせて配設された第1およ
び第2の回転体の間に介装されて、第1回転体に回転動
力が入力されたときは両回転体を同期回転させる状態
に、また第2回転体に回転動力が入力されたときは両回
転体を回転不可な状態に切り換えるクラッチ装置であっ
て、 第2回転体に対して同期回転可能でかつ軸方向変位可能
に取り付けられ、外径面が円錐形状の可動接触面とされ
た可動摩擦体と、 外周面が前記円錐形状に対応する円錐形状とされた固定
接触面を有し可動摩擦体の軸方向変位動作に伴いその可
動接触面が固定接触面に当接して第2回転体の回転を阻
止し、離隔して第2回転体の回転を許容する状態とする
固定摩擦体と、 第1回転体に回転動力が入力されたときに可動摩擦体を
軸方向一方に変位させて可動接触面を固定接触面から離
隔させる一方、第2回転体に回転動力が入力されたとき
に可動摩擦体を軸方向他方に変位させて可動接触面を固
定接触面に圧接させるカム機構と、 を有し、 前記両接触面のうちの少なくとも一方の接触面が、前記
離隔および圧接に際しその接触表面の摩耗を防止する摩
耗防止材で形成されている、クラッチ装置。 - 【請求項3】請求項1または2のクラッチ装置におい
て、 前記摩耗防止材が、前記接触面に対するコーティング膜
からなる、ことを特徴とするクラッチ装置。 - 【請求項4】請求項1または2のクラッチ装置におい
て、 少なくとも前記一方の接触面を有する摩擦体そのもの
が、前記摩耗防止材で構成されている、ことを特徴とす
るクラッチ装置。 - 【請求項5】請求項4のクラッチ装置において、 前記摩耗防止材が、潤滑成分を含有させた焼結材料で構
成されている、ことを特徴とするクラッチ装置。 - 【請求項6】請求項1ないし5いずれかのクラッチ装置
において、 前記接触面の傾斜角度が、その傾斜角度をθ、また前記
接触面における摩擦係数をμとして、θ>tan-1μの
関係式に基づいて管理される、ことを特徴とするクラッ
チ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000179756A JP2001355654A (ja) | 2000-06-15 | 2000-06-15 | クラッチ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000179756A JP2001355654A (ja) | 2000-06-15 | 2000-06-15 | クラッチ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001355654A true JP2001355654A (ja) | 2001-12-26 |
Family
ID=18680967
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000179756A Pending JP2001355654A (ja) | 2000-06-15 | 2000-06-15 | クラッチ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001355654A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003067128A1 (fr) * | 2002-01-21 | 2003-08-14 | Nsk Ltd. | Dispositif de transmission de rotation de type a roue libre et demarreur |
WO2007088766A1 (ja) * | 2006-01-31 | 2007-08-09 | Kabushiki Kaisha F.C.C. | 動力伝達装置 |
JP2008223949A (ja) * | 2007-03-14 | 2008-09-25 | Kubota Corp | 農作業機 |
WO2017145647A1 (ja) * | 2016-02-23 | 2017-08-31 | Ntn株式会社 | 逆入力遮断装置 |
JP2018053957A (ja) * | 2016-09-27 | 2018-04-05 | Ntn株式会社 | 逆入力遮断装置 |
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-
2000
- 2000-06-15 JP JP2000179756A patent/JP2001355654A/ja active Pending
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EP1482212A1 (en) * | 2002-01-21 | 2004-12-01 | Nsk Ltd., | Engine start roller clutch-housed type rotation transmission device |
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JP2018053957A (ja) * | 2016-09-27 | 2018-04-05 | Ntn株式会社 | 逆入力遮断装置 |
WO2018061943A1 (ja) * | 2016-09-27 | 2018-04-05 | Ntn株式会社 | 逆入力遮断装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060721 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070821 |