JP2008223949A - 農作業機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期に亘って安定した機能を発揮し得る動力入切機構を備えた農作業機を提供する。
【解決手段】 出力ディスク体11Aと入力ディスク体11Bとを互いに連係する方向に付勢する付勢バネ11Cを設ける。付勢バネ11Cの付勢力に抗して出力ディスク体11Aと入力ディスク体11Bとを非係合状態に切り換えるトルクリミッター11を設ける。トルクリミッター11に、バインダー樹脂にPTFEを主体とした固体潤滑剤を分散させ溶媒に混合したドライコート剤を施したドライコート処理面Dを形成してある。
【選択図】 図2

Description

本発明は、駆動回転体と入力回転体とを互いに連係する方向に付勢する付勢手段を設けるとともに、前記付勢手段の付勢力に抗して駆動回転体と入力回転体とを非連係状態に切り換える動力入切機構を設けてある農作業機に関する。
田植機等の農作業機においては、動力入切機構として、苗植付装置への動力を入切するトルクリミッターや植付クラッチを設けている。トルクリミッターは、べベルギヤに駆動回転体としての出力ディスク体を固定するとともに、駆動回転体と同軸上にスプライン外嵌された入力回転体としての入力ディスク体を設け、両ディスク体に形成した咬合部が互いに咬合する方向に付勢する付勢手段を設けて構成してある。
そして、付勢力を越える過負荷が作用した場合には、入力回転体が付勢力に抗して駆動回転体から一時的に離間して、入力回転体の咬合部が駆動回転体の咬合部に乗り上げ摺接しながら回転することによって過負荷を回避し、過負荷状態が解消されれば付勢力によって、元の咬合状態に復帰する(特許文献1参照)。
特開2004−329018号公報(段落番号〔0027〕〔0028〕、及び、図6)
上記の場合において、長期使用による咬合部の摩滅等の経年変化や付勢力の変化によって、咬合部の状態が変化を来たすと、入力回転体が駆動回転体より離間する設定トルクが変動し、作業に支障を来たすこともあった。
そこで、咬合部の摩滅を低減する目的で、二硫化モリブデン入りのグリースを塗布していたが、このグリースを塗布した状態においても摩擦係数の経年変化又は温度変化によって設定トルクの変動を来たす虞もあり、更なる改善を必要としていた。
また、接触面の摩擦係数等の変動により、動力入切機構に対する操作力が変動し操作力が重くなる虞があった。
本発明の目的は、長期に亘って安定した機能を発揮し得る動力入切機構を備えた農作業機を提供する点にある。
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、駆動回転体と入力回転体とを互いに連係する方向に付勢する付勢手段を設けるとともに、前記付勢手段の付勢力に抗して駆動回転体と入力回転体とを非連係状態に切り換える動力入切機構を設け、前記動力入切機構に、バインダー樹脂にPTFEを主体とした固体潤滑剤を分散させ溶媒に混合したドライコート剤を施したドライコート処理面を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用〕
PTFEを主体とした固体潤滑剤を有するドライコート剤を施して、ドライコート処理面を形成してあるので、摩擦係数の安定化を図ることができ、駆動回転体と入力回転体とが非連係状態に切り換わることを所定トルクでまたは所定操作力で行えるのものとなる。
〔効果〕
従って、動力を遮断すべき状態になっているにも拘わらず駆動回転体と入力回転体とが連係状態を維持することを回避する。一方、動力伝達を維持すべき状態であるにも拘わらず駆動回転体と入力回転体とが非連係状態に切り換わることを回避する。これによって、作業が中断するといったことを未然に回避でき、機器保護、及び、作業能率を維持する面から有用なものを提供できた。
また、摩擦係数の安定化によって、操作力を所定のものにでき、操作力においても安定化を図ることができる。
請求項2に係る発明の特徴構成は、前記動力入切機構が前記付勢手段の付勢力に抗して駆動回転体と入力回転体とを離間させて非連係状態に切り換えるカム機構を備えたトルクリミッターであり、前記カム機構のカム面とそのカム面に摺接する相手側面との、少なくともいずれか一方に、前記ドライコート処理面を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
ドライコート処理面がカム面の摩擦係数を長期に亘って安定させる。従って、摩擦係数の変動が少なくなるので、所定のトルクで駆動回転体と入力回転体とを離間させて非連係状態に切り換えることが安定して行われることとなる。
つまり、トルク初動の安定化を図り、設定トルクのバラツキを抑制し、設定トルクの経年変化も抑制する。一方、設定以上のトルクが作用することが抑制されているので、カム面への負担が少なく、損傷後の新規カム作成の為の金型費用などが軽減できる。
請求項3に係る発明の特徴構成は、前記動力入切機構が前記付勢手段の付勢力に抗してシフターによって駆動回転体と入力回転体との少なくとも一方を支持部材に沿って離間移動させて非連係状態に切り換えるクラッチ機構であり、
前記駆動回転体の前記支持部材に対する摺接面と、前記入力回転体の前記支持部材に対する摺接面と、前記支持部材の前記駆動回転体又は前記入力回転体に対する摺接面と、前記シフターと、前記シフターが接触作用する前記駆動回転体の接触面と、前記シフターが接触作用する前記入力回転体の接触面とのうちの、少なくともいずれか一つに、前記ドライコート処理面を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
つまり、クラッチ機構の摺接面にドライコート処理面を形成してあるので、その処理面での摩擦係数の安定化と低摩擦係数を維持できるので、クラッチ操作力の低下、シフターと駆動回転体等との接触面における焼き付き防止等の効果があり、それによって、クラッチ機構に対する操作機構の簡素化を達成できる。
請求項4に係る発明の特徴構成は、前記シフターと前記駆動回転体及び前記入力回転体との少なくとも一方との間に前記シフターの駆動力を伝達する中間伝動部材を設け、
前記中間伝動部材の支持部材に対する摺動移動面と前記摺接移動面に摺接する前記シフターの接触面との、少なくともいずれか一方に、前記ドライコート処理面を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
請求項3の構成において、中間伝動部材を設ける構成を加えて、この中間伝動部材を介してシフターで操作する構成を採ることによって、クラッチ機構自体にシフターとの係合構造を必要としない。また、中間伝動部材とシフターとの間においても、請求項3に対応して記載した作用効果を奏することができる。
それに加えて、低摩擦係数のドライコート処理面を形成してあるので、中間伝動部材のクラッチ機構との連れ回りも抑制でき、シフターとの焼き付き現象等の不都合を未然に回避することができる。
作業機としての乗用型田植機の伝動構造について説明する。図1に示すように、乗用型田植機は、原動部としてのエンジン1、エンジン1から動力伝達を受ける静油圧式無段変速装置(HST)2、静油圧式無段変速装置2からの動力を受けて変速を行うミッション3を備え、ミッション3の副変速装置4及び前輪デフ5を介して前輪6へ動力を伝達し、ミッション3の副変速装置4、チェーン伝動機構7、サイドクラッチ8を介して後輪9へ動力伝達し、静油圧式無段変速装置2からの動力を図示していないギヤ減速機構を介して、株間変速装置10、動力入切機構としてのトルクリミッタ11、動力入切機構としての植付クラッチ12を介して苗植付装置Aに動力伝達すべく構成してある。
トルクリミッタ11の構造について説明する。図1及び図2に示すように、トルクリミッタ11は、植付伝動軸13にべべルギヤ14を遊嵌しそのべベルギヤ14のボス部に取り付け固定した駆動回転体としての出力ディスク体11Aと、植付伝動軸13にスプライン外嵌された入力ディスク体11Bと、入力ディスク体11Bを出力ディスク体11Aに係合する方向に付勢する付勢手段としてのバネ11Cとで構成してある。
出力ディスク体11Aと入力ディスク体11Bとの相対向する伝動面には、係合突起11aが夫々形成してある。両ディスク体11A、11Bの係合突起11a、11b同士が係合状態にあると、出力ディスク体11Aから入力ディスク体11Bに動力が伝達される。バネ付勢力を越える過負荷によって係合突起11a同士の係合状態が外れ、入力ディスク体11Bの係合突起11bが出力ディスク体11Aの係合突起11aに乗り上がる。そうすると、出力ディスク体11Aが入力ディスク体11Bから離れる方向に移動し係合離脱して、動力伝達が断たれる。
係合突起11a、11bには、図示してはいないが、乗り上がり用のカム面が形成されて、その両係合突起11a、11bによって、カム機構が構成される。
入力ディスク体11B側の係合突起11bは出力ディスク体11A側の係合突起11aと係合離脱乗り上げを繰り返しながら空転する。この状態が、トルクリミッタ11が機能している状態である。
上記した出力ディスク体11Aと入力ディスク体11Bとに形成されている係合突起11a、11b、及び、係合突起11a、11bが空転する際に摺接して相対移動する摺動面に対して、図2及び図3に示すように、次ぎのようなドライコート処理面Dが形成されて、係合面での摩擦係数の安定化を達成することができる。このドライコーティング処理についての詳細は後記する第1実施例において説明する。
このようなドライコート処理面Dを形成することによって、次ぎのような効果を奏することができる。
(1)係合突起11a、11bの形状を変更せずにトルク伝達を阻止する設定トルクを変更することが可能になる。
(2)これに加えて、伝達力を阻止する、トルク初動の安定化を図ることができる。
(3)設定トルクのバラツキを低減できる。設定トルクの経年変化の抑制を図ることができる。
(4)係合突起11a、11bの形状変更に伴う金型の修正又は新設を抑制でき、金型費の削減に寄与できる。
クラッチ機構としての植付クラッチ12の構造について説明する。図2に示すように、植付クラッチ12は、植付伝動軸13にスプライン外嵌された駆動回転体としての植付出力ディスク体15と、その植付伝動軸13に同心軸上で相対回転自在に配置された支持部材としての植付出力軸16と、植付出力軸16にスプライン外嵌されて植付出力ディスク体15と交合離脱自在な入力回転体としての植付入力回転体17と、植付入力回転体17を植付出力ディスク体15と交合する方向に付勢する付勢バネ18と、を設けて構成する。
図2に示すように、植付入力回転体17に対しては、入切操作用のシフター19を係合作用させてあり、図示していない主変速レバーとシフター19とを連係させてある。この構成によって、主変速レバーが中立操作位置、および、後進操作位置に変速操作された場合に、シフター19で付勢バネ18の付勢力に抗して植付入力回転体17を強制的に摺動させて植付出力ディスク体15から離間させて、植付クラッチ12を切り状態とする。
植付クラッチ12を切り状態に切り換える機構としては、別の構成が設けられており、これについて説明すると、植付入力回転体17の植付出力ディスク体15に向かう面に高さの異なるカム面を設けてあり、このカム面に対して植付出力軸16の軸芯に直交する方向から出退する切り換えロッド20がミッションケース21に支持されている。
切り換えロッド20に対しては、カム面に左右する作用姿勢とカム面より退避する非作用姿勢とに切り換え駆動すべく図示してはいない電動モータ等が連係されている。苗植付装置Aを昇降操作する操作レバー(図示せず)の操作位置が自動制御操作位置にあることを検出することによって、電動モータを作動させて、切り換えロッド20をカム面に作用させる。
切り換えロッド20がカム面に作用すると、植付入力回転体17が植付出力ディスク体15と交合状態を維持しながら、徐々に離れる方向に摺動移動し、カム面が最低高さ位置になった状態で、植付入力回転体17が植付出力ディスク体15より離間して植付クラッチ12を切り状態に切り換える。植付クラッチ12が切り状態に切り換えられた場合には、植付爪が圃面上に位置するように構成してある。
上記したシフター19と植付入力回転体17との互いの接触面、更には、切り換えロッド20と植付入力回転体17との互いの接触面、植付入力回転体17と植付出力軸16との摺接面に対して、図4及び図5に示すように、次ぎのようなドライコート処理層Dが形成されて、摺接抵抗の低減が図られている。このドライコーティング処理についての詳細は後述する第1実施例において説明する。
ただし、焼き付き防止を更に効果的に行うためには、第2実施例に示すコーティング剤を使用することが望ましい。
このようなドライコート処理面Dを形成することによって、切り換えロッド20の押込み力の低減、鋼板製のシフター19の焼き付き抑制、植付入力回転体17の摺動力低減、植付クラッチ12に対する操作力の安定化及び操作機構の簡素化を達成することができる。
クラッチ機構としてのサイドクラッチ8についての構成について説明する。図1及び図7に示すように、左右の後輪9,9に動力伝達すべく後車軸ケース22を設けるとともに、後車軸ケース22内に左右の横向き伝動軸23、23を架設してある。左右の横向き伝動軸23、23の端部同士を後車軸ケース22の長手方向中心位置で突き合わせ配置する。突き合わせ配置した両横向き伝動軸23、23の端部同士に跨る状態で入力スプロケット24を外嵌装着し、ミッションケース21内の副変速出力をチェーン伝動可能に構成してある。
入力スプロケット24の横側方には、摩擦多板式のサイドクラッチ8が設けてある。サイドクラッチ8は、入力スプロケット24に一端を取付固定し、他端側を後輪側に延出した駆動回転体としてのクラッチケース8Aと、クラッチケース8Aの内部空間に一部を挿入し横向き伝動軸23にスプライン外嵌した入力回転体としてのクラッチボディ8Bと、クラッチボディ8Bとクラッチケース8Aとの間に設けてある摩擦多板8Cと、クラッチボディ8Bをクラッチケース8Aから突出させる方向に付勢すべくクラッチボディ8B内に配置されている付勢手段としての戻しバネ8Dと、支持部材としてのクラッチボディ8Bに遊嵌する状態で装着してある中間伝動部材8Eとで構成してある。
図7に示すように、中間伝動部材8Eには、軸線方向における中心近くに段差部8eが設けてあり、段差部8eにシフターとしてのクラッチ操作軸25の操作面25aが当接されている。クラッチ操作軸25は、図示してはいないがステアリング機構にロッドを介して連係されている。クラッチ操作軸25をその軸芯周りで回転すると、カム面となっている大径の操作面25aで中間伝動部材8Eを戻しバネ8Dの付勢力に抗してクラッチケース8A内に押し込む。そうすると、クラッチボディ8Bがクラッチケース8A内に入り込み、摩擦多板8Cに対する押圧力が弱められ、クラッチ圧が低下する。完全に押し込めば、サイドクラッチ8は切り状態となる。
クラッチ操作軸25を戻し操作すると、戻しバネ8Dの付勢力でサイドクラッチ8は入り状態に復帰する。
図7に示すように、以上のような構成において、中間伝動部材8Eとクラッチボディ8Bとの接触面、及び、中間伝動部材8Eとクラッチ操作軸25の操作面25aとの接触面のうち少なくとも中間伝動部材8Eに、図8に示すように、次ぎのようなドライコート処理層Dが形成されて、摺接抵抗の低減が図られている。このドライコーティング処理についての詳細は後述する第1実施例において説明する。
ただし、焼き付き防止を更に効果的に行うためには、第2実施例に示すコーティング剤を使用することが望ましい。
このようなドライコート処理面Dを形成することによって、中間伝動部材8Eがクラッチボディ8Bと連れ回りすることを抑制でき、中間伝動部材8Eとクラッチボディ8Bとの間にベアリングを介在させる必要がなくなる。
株間変速装置10の構成について説明する。図2に示すように、静油圧式無段変速装置2のモータ軸26とモータ軸26に対向するミッションケース21の側壁21Aに亘って、株間変速装置10の3個の変速出力ギヤ30を一体形成した株間出力軸27を架設する。株間出力軸27をミッションケース21の側壁21Aより突出させるとともに、株間出力軸27に平行に株間受動軸28を配置してミッションケース21の側壁21Aに二つのベアリング28A、28Aで架設し、この株間受動軸28の内側端にべべルギヤ29を取付てある。
尚、このべべルギヤ29は、トルクリミッタ11の植付伝動軸13に装着したべべルギヤ14に交合して、苗植付装置Aに植付動力を供給すべく構成したものである。
3個の変速出力ギヤ30によって、3つの株間を得ることができるが、それに加えて、株間変速装置10としては、次ぎのような構成を備えている。図2に示すように、ミッションケース21の側壁21Aに凹入空間Sを形成し、その凹入空間S内に、一対の第1、第2株間伝動ギヤ31、32が収納されている。第1株間伝動ギヤ31は、株間出力軸27に取付固定され、第2株間伝動ギヤ32は、株間受動軸28に取付固定してある。また、第2株間伝動ギヤ32は、第1株間伝動ギヤ31に対して歯数が僅かに少ない歯数に設定してある。
第1、第2株間伝動ギヤ31、32とがミッションケース21の側壁21Aの外側に設けてあるのは、使用者が任意に株間を変更したい場合に、任意の変速比を備えたギヤ対に付け替えることができることを可能にするためである。
そうすると、第1、第2株間伝動ギヤ31、32とは歯数の余り変わらないギヤであるので、形状として区別し難い。その為に、図6(イ)に示すように、両ギヤ31、32を区別するために、第2株間伝動ギヤ32に刻印aが施されている。
この刻印aによって、メインテナンスや変速比の異なるギヤ対に変更するために第1、第2株間伝動ギヤ31、32を取り外しても、取り違えることは少ない。
この第2株間伝動ギヤ32に対して、図6(イ)(ロ)に示すように、後記するドライコーティング処理によってドライコート処理面Dが形成されており、刻印a部分が長期に亘って摩滅することがない。また、歯部32aにもドライコート処理面Dが形成されることとなるので、噛み合いが円滑となる。
以上のように、第2株間伝動ギヤ32にドライコート処理面Dを形成することによって、次ぎのようなこと言える。
(1)刻印a、歯数の確認が容易で、組付け間違いを未然に阻止できる。
(2)第2株間伝動ギヤ32を取り外した場合の保存油を使用した管理負担が軽減されるとともに、梱包コスト等の低減に寄与でき、メインテンス性も向上する。
次ぎに、走行伝動系のみを駆動して、苗植付装置A等の作業装置を停止する場合に、作業装置を駆動する伝動系に空転するものがでる。ここでは植付クラッチ12より伝動上手側に位置する株間変速装置10を構成する、株間出力軸27や株間受動軸28に対してもギヤ等と同様にドライコート処理面Dを形成し、動力損失を抑制する構成を採ることができる。
トルクリミッタ11に使用されたドライコーティングについて詳述する。
1.コーティング剤は次ぎのような構成のものである。
上記した出力ディスク体11Aと入力ディスク体11Bとに形成されている係合突起11a、11b及び摺動面には次ぎのようなコーティング剤が使用される。
(1)コーティング剤は未硬化状態では次ぎのようなものである。
(イ)比重 1.11
(ロ)粘度 15.1秒(イワタNK−2,25℃)
(ハ)引火点 14℃
(2)コーティング剤の硬化物の性状は次ぎのようなものである。
(イ)硬化条件 200℃―30分
(ロ)外観色彩 灰黒色
(ハ)主成分 PTFE(テフロン樹脂)+MoS(二硫化モリブデン)
(二)バインダー 熱硬化性樹脂(エポキシ、ポリイミド)
(3)硬化物の特性
(イ)耐荷重性 7779N
(ロ)潤滑耐久性 110000cycles
(ハ)鉛筆硬度 2H(JIS K 5400 8.4)
(二)碁盤目試験 0/100(JIS K 5400 8.5、2)
(ホ)耐屈曲性試験 Φ2合格(JIS K 5400 8.1)
(へ)耐衝撃性試験 50cm合格(JIS K 5400 8.3、2)
(ト)塩水噴霧試験 360時間(JIS Z 2371)
(チ)使用温度範囲 −200〜300℃
(リ)試験片は燐酸処理後10μm塗膜処理を施してある。0/100を剥離なしとする。
(4)上記した潤滑耐久性のテスト結果を図9に示す。テスト方法は、図10のように、テスト対象となるドライコート剤を塗布されたテスト片35を上下向きにして上下向き軸芯周りで回転させながら、左右方向から荷重を掛ける方法である。
(5)このテストによって、長期に亘って安定した摩擦係数を確保することができることが読み取れる。
2. ドライコーティング処理工程は図11に示す工程によって行われる。
(1)対象部品に対して『脱脂処理』を行う。
(2)脱脂処理を行った後に『防錆処理』を施す。
ここでは、「酸洗い」と「サンドブラスト」処理を行って防錆処理を行う。
(3)防錆処理を施した後に『化成被膜処理』を行う。
化成被膜処理は対象部品の材質によって異なり、次ぎのような処理が行われる。
(イ)対象部品が鉄鋼である場合には、「燐酸亜鉛処理」又は「燐酸マンガン処理」が行われる。
(ロ)対象部品がアルミニウム合金である場合には、「酸処理」又は「酸化処理」が行われる。
(ハ)対象部品がステンレスである場合は、「蓚酸処理」が行われる。
(二)対象部品が銅合金である場合は、「酸化処理」が行われる。
(4)化成被膜処理が終わった段階で必要な場合には、上記した処理を繰り返してもよい。
(5)次ぎに、『乾燥処理』を行う。
(6)乾燥処理を行った後に『ドライコートコーティング処理』を行う。
ドライコートコーティング剤を塗布するには、次ぎのような方法が選択される。
(イ)コーティング剤を「スプレー塗装法」によって塗布する。
(ロ)コーティング剤を「浸漬塗装法」によって塗布する。
(ハ)コーティング剤を「刷毛塗り・その他の塗装法」によって塗布する。
(7)ドライコーティングを施した後に『硬化処理』を行う。
硬化処理を行うには、次ぎのような方法が選択される。
(イ)「加熱硬化」によって処理する。
(ロ)「常温硬化」によって処理する。
(8)以上の処理を行った後、検査して処理は終了する。
植付クラッチ12、及び、サイドクラッチ8に対して使用することが可能なコーティング剤について詳述する。
コーティング剤の硬化物の性状は次ぎのようなものである。
(イ)硬化条件 200℃―30分
(ロ)外観色彩 黒色
(ハ)主成分 PTFE(テフロン樹脂)
(二)バインダー 熱硬化性樹脂(エポキシ、ポリイミド)
〔別実施形態〕
(1)トルクリミッター11にドライコート処理面Dを形成するに、出力ディスク体11Aと入力ディスク体11Bとの係合突起11a、11bの少なくともいずれか一方に設けてあればよい。
(2)植付クラッチ12に、ドライコート処理面Dを形成するに、入切操作用のシフター19と植付入力回転体17との接触面、植付入力回転体17と植付出力軸16との接触面の少なくともいずれか一つに設けてあればよい。入切操作用のシフター19が植付出力ディスク体15に設けてあれば、その植付出力ディスク体15とシフター19との接触面に設けてあればよい。
(3)ドライコート剤としては、バインダー樹脂として熱硬化性樹脂を使用したが、熱可塑性樹脂を使用してもよい。
(4)固体潤滑剤としては、PTFEを主体としたものを説明したが、さらに、鉱油やグラファイト等を混合して、母材への接着性、焼き付き特性を向上させたものを採用してもよい。
伝動構成図 トルクリミッターと植付クラッチとを示す横断平面図 トルクリミッターの入力ディスク体と出力ディスク体とにドライコート処理面を設けた状態を示す縦断側面図 植付クラッチの植付入力回転体にドライコート処理面を設けた状態を示す横断平面図 植付クラッチの入切操作用のシフターにドライコート処理面を設けた状態を示す平面図 (イ)株間変速装置の第2株間伝動ギヤを示し、そのギヤにドライコート処理面を設けた状態を示す正面図、(ロ)株間変速装置の第2株間伝動ギヤにドライコート処理面を設けた状態を示す縦断側面図 サイドクラッチを示す横断平面図 サイドクラッチの中間伝動部材にドライコート処理面を設けた状態を示す縦断側面図 摩擦係数の変動を示す特性図 図9に示す結果を得る為のテスト構成図 ドライ処理工程を示す工程図
符号の説明
8E 中間伝動部材
11 トルクリミッター(動力入切機構)
11A 出力ディスク体(駆動回転体)
11B 入力ディスク体(入力回転体)
11C 付勢バネ
15 植付出力ディスク(駆動回転体)
17 植付入力回転体(入力回転体)
19 入切用のシフター
D ドライコート処理面

Claims (4)

  1. 駆動回転体と入力回転体とを互いに連係する方向に付勢する付勢手段を設けるとともに、前記付勢手段の付勢力に抗して駆動回転体と入力回転体とを非連係状態に切り換える動力入切機構を設け、前記動力入切機構に、バインダー樹脂にPTFEを主体とした固体潤滑剤を分散させ溶媒に混合したドライコート剤を施したドライコート処理面を形成してある農作業機。
  2. 前記動力入切機構が前記付勢手段の付勢力に抗して駆動回転体と入力回転体とを離間させて非連係状態に切り換えるカム機構を備えたトルクリミッターであり、
    前記カム機構のカム面とそのカム面に摺接する相手側面との、少なくともいずれか一方に、前記ドライコート処理面を形成してある請求項1記載の農作業機。
  3. 前記動力入切機構が前記付勢手段の付勢力に抗してシフターによって駆動回転体と入力回転体との少なくとも一方を支持部材に沿って離間移動させて非連係状態に切り換えるクラッチ機構であり、
    前記駆動回転体の前記支持部材に対する摺接面と、前記入力回転体の前記支持部材に対する摺接面と、前記支持部材の前記駆動回転体又は前記入力回転体に対する摺接面と、前記シフターと、前記シフターが接触作用する前記駆動回転体の接触面と、前記シフターが接触作用する前記入力回転体の接触面とのうちの、少なくともいずれか一つに、前記ドライコート処理面を形成してある請求項1記載の農作業機。
  4. 前記シフターと前記駆動回転体及び前記入力回転体との少なくとも一方との間に前記シフターの駆動力を伝達する中間伝動部材を設け、
    前記中間伝動部材の支持部材に対する摺動移動面と前記摺接移動面に摺接する前記シフターの接触面との、少なくともいずれか一方に、前記ドライコート処理面を形成してある請求項3記載の農作業機。
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