JP4211421B2 - クラッチ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本願出願人は、構成簡素なクラッチ装置を提案している(特許文献1参照)。このクラッチ装置は、筒軸と、その内周に転がり軸受を介して相対回転可能に挿通される中心軸と、前記筒軸の内周に対して前記中心軸と同一軸線上に向き合う状態で挿通配置される制御軸と、前記制御軸が回転抵抗を受けないときに前記筒軸と中心軸との間で回転動力を伝達しない切断状態とする一方で制御軸が回転抵抗を受けたときに筒軸と中心軸との間で回転動力を伝達する接続状態にするクラッチ作用部とを有する。なお、制御軸に対して回転抵抗を付与するものとして、電磁ブレーキを用いている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−213500号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本願出願人は、上記クラッチ装置の開発を進めている過程で、さらなる構成簡素化と低コスト化を図ることを見出した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のクラッチ装置は、同一軸線上に沿って配置される第1、第2回転軸の間で回転動力を伝達する接続状態や伝達しない切断状態に切り換えるクラッチ装置であって、前記第1回転軸の外周に軸方向ならびに周方向に相対変位可能に嵌合されかつ摩擦面を有するクラッチ体と、前記第2回転軸に設けられて前記クラッチ体の摩擦面が接触または離隔される摩擦面と、前記クラッチ体の摩擦面を前記第2回転軸側の摩擦面から離す向きに常時付勢する付勢部材と、所定以上の遠心力を受けていないときに前記クラッチ体と第2回転軸との間で回転抵抗を付与する一方で、所定以上の遠心力を受けたときに前記クラッチ体と第2回転軸との間で回転抵抗を付与しない遠心摩擦部材と、前記遠心摩擦部材で前記クラッチ体に回転抵抗を付与しているときに、当該クラッチ体の摩擦面を前記第2回転軸の摩擦面に対して圧接させて前記接続状態として第1、第2回転軸の間で回転動力を伝達する一方で、前記遠心摩擦部材で前記クラッチ体に回転抵抗を付与していないときに、当該クラッチ体の摩擦面を第2回転軸の摩擦面から離して前記切断状態として第1、第2回転軸の間で回転動力を伝達しないカム機構とを含むことを特徴とするものである。
【0006】
この構成では、クラッチ体に対して回転抵抗を付与するかしないかを、遠心力で動作する遠心摩擦部材で自動的に行うようにしている。これにより、従来例のような電磁ブレーキと異なり、構成が簡素で済むとともに、電磁ブレーキの動作を制御するための装置や電力が不要となる。
【0007】
ところで、上記前記カム機構は、前記第1回転軸の外周において前記クラッチ体よりも外端側に軸方向隣り合わせで軸方向ならびに周方向に不動に嵌合される固定環体と、この固定環体および前記クラッチ体において互いに対向する面の円周数ヶ所に設けられかつ少なくとも周方向一方へ向けて溝深さが漸次浅く設定されるカム溝と、両カム溝間に周方向転動可能に介装されるクラッチ用玉とを含み、前記クラッチ用玉が前記両カム溝の深い部分に位置したときに、前記クラッチ体を前記固定環体側に近づけて前記両摩擦面を離隔させる一方で、前記クラッチ用玉が前記両カム溝の浅い部分に位置したときに、前記クラッチ体を前記固定環体から遠ざけて前記両摩擦面を圧接させるものとすることができる。
【0008】
この場合、接続状態や切断状態を維持しやすくなり、動作が安定する。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1から図7に本発明の一実施形態を示している。図例のクラッチ装置1は、同一軸線上に沿って配置されている第1回転軸2と第2回転軸3との間で回転動力を伝達するクラッチ接続状態と回転動力の伝達を遮断するクラッチ切断状態とに切り換えるものである。
【0010】
第1回転軸2の外周面において軸方向中間領域は大径に設定されている。第2回転軸3は、外周にスプライン歯3cが形成された軸部3aと、軸部3aにおいて第1回転軸2側の端部に一体形成された円筒部3bとを有している。
【0011】
第2回転軸3の円筒部3bの内周に対して第1回転軸2の内端側が深溝型玉軸受などの転がり軸受20を介して相対回転可能な状態で挿入されている。第1回転軸2の外端側には深溝型玉軸受などの転がり軸受21が取り付けられている。
【0012】
第1回転軸2の大径領域には、固定環体4およびクラッチ体5が軸方向隣り合わせで嵌合されている。具体的に、固体環体4の円筒部4aが第1回転軸2に対して周方向に不動に嵌合されており、クラッチ体5の円筒部5aが第1回転軸2に対して軸方向ならびに周方向に相対変位可能に「すきま嵌め」されている。これら両環体4,5は、第1回転軸2の軸方向両端に取り付けてある転がり軸受20,21で軸方向に位置決めされている。クラッチ体5と図中右側の転がり軸受20との間には、クラッチ体5を固定環体4側へ弾発付勢する付勢部材として皿ばね7が介装されている。
【0013】
固定環体4およびクラッチ体5の各鍔部4b,5bの各対向面の円周数ヶ所には、一対となるカム溝4c,5cが設けられている。両カム溝4c,5cの間にクラッチ用玉6が介装されている。両カム溝4c,5cは、それぞれ、周方向に沿う長溝形状に形成されており、その周方向中央から周方向両側へ向けて漸次浅くなるすり鉢形状になっている。
【0014】
上記固定環体4のカム溝4c、クラッチ体5のカム溝5c、クラッチ用玉6がカム機構を構成している。つまり、このカム機構は、固定環体4とクラッチ体5との相対回転に伴い両カム溝4c,5c間においてクラッチ用玉6が周方向に転動して可動部材5を制御部材4に対して近接・離隔させるよう動作する。
【0015】
第2回転軸3の円筒部3bの開口側内周面には、外側へ向けて拡径するテーパコーン形状の摩擦面3dが設けられている。クラッチ体5の外周面は、第2回転軸3の円筒部3bに設けてある摩擦面3dに対して合致するテーパコーン形状の摩擦面5dとされている。
【0016】
固定環体4の鍔部4bの外径部分には、歯車22がボルトにより取り付けられている。この歯車22には、図示しないモータなどの出力ギヤが噛合される。一方、第2回転軸3の軸部3aのスプライン歯3cには、歯車23がスプライン嵌合されている。この歯車23は、軸部3aにおいて図中の右側に外装される深溝型玉軸受などの転がり軸受24と円筒部3bとにより軸方向に位置決めされている。
【0017】
第2回転軸3の円筒部3bの内周とクラッチ体5の円筒部5aの外周との間の空間には、遠心摩擦部材としての二つの半円筒形のブレーキシュー10,11が円筒形となるように配置されている。これらブレーキシュー10,11において、各一端は、第2回転軸3の円筒部3b内底部に対してピン12a,12bを介して揺動可能に支持されており、各他端には、引っ張りばね13が互いを近接させるように取り付けられている。なお、ブレーキシュー10,11の内径部分には、クラッチ体5の円筒部5a外周面に対して当接される凸部10a,11aが設けられている。なお、この凸部10a,11aは、ブレーキシュー10,11においてピン12a,12b寄りに設けており、この配置により、円筒部5a外周面に対して大きな摩擦力を付与できるようになる。
【0018】
次に、動作について説明する。ここでは、図示しないモータの回転動力を歯車22を介して第1回転軸2に入力させて、第1回転軸2の回転速度に応じて第1回転軸2から第2回転軸3に対して回転動力を伝達または遮断するようにしている。つまり、第1回転軸2を回転動力の入力側とし、第2回転軸3を出力側とする。
【0019】
まず、第1回転軸2が非回転の状態では、図6に示すように、クラッチ用玉6が両カム溝4c,5cの浅い部分に位置していて、クラッチ体5が皿ばね7の弾発付勢力に抗して固定環体4から遠ざけられているとともに、クラッチ体5の摩擦面5dが第2回転軸3の摩擦面3dに対して圧接されている。このとき、ブレーキシュー10,11に対して遠心力が作用していないので、引っ張りばね13の引っ張り弾力でもってブレーキシュー10,11の凸部10a,11aがクラッチ体5の円筒部5aの外周面に対して圧接されており、この摩擦トルクによってクラッチ体5が軸方向に不動となっている。このため、第1回転軸2と第2回転軸3が一体化して同期回転する状態、つまり第1回転軸2から第2回転軸3へ回転動力を伝達できる接続状態になっている。
【0020】
ここで、第1回転軸2に回転動力を入力することにより、第1回転軸2の回転速度が所定の回転速度を越えるまでは、上記接続状態を維持するが、前記所定の回転速度を越えると、ブレーキシュー10,11に作用する遠心力が、引っ張りばね13の引っ張り弾力に打ち勝つことになって、ブレーキシュー10,11が径方向外向きに開いてブレーキシュー10,11の凸部10a,11aがクラッチ体5の円筒部5aの外周面から離隔する。これにより、皿ばね7の弾発付勢力によってクラッチ体5が固定環体4に近づく向きに移動させられるととともに、クラッチ体5の回転速度が固定環体4および第1回転軸2よりも遅くなる。そのため、固定環体4のカム溝4cがクラッチ体5のカム溝5cに対して周方向一方へずれ動かされて、図7に示すように、クラッチ用玉6が両カム溝4c,5cの深い部分に位置する。これにより、クラッチ体5の摩擦面5dが第2回転軸3の摩擦面3dから離隔されて、第1回転軸2に対して第2回転軸3が相対回転する状態、つまり第1回転軸2から第2回転軸3に対して回転動力を伝達しない切断状態になる。
【0021】
このような状態から、第1回転軸2の回転数が所定未満に下がって、ブレーキシュー10,11に作用する遠心力よりも引っ張りばね13の引っ張り弾力が勝ると、ブレーキシュー10,11が径方向内向きに閉じてその凸部10a,11aがクラッチ体5の円筒部5a外周に圧接されるので、その摩擦トルクによりクラッチ体5の回転速度が固定環体4よりも遅れる。これにより、クラッチ用玉6が両カム溝4c,5cの浅い部分に位置することになり、クラッチ体5が皿ばね7の弾発付勢力に抗して固定環体4から遠ざかる向きに移動させられるので、クラッチ体5の摩擦面5dが第2回転軸3の摩擦面3dに圧接されることになる。このため、第1回転軸2に対して第2回転軸3が一体化して同期回転する状態、つまり第1回転軸2から第2回転軸3に対して回転動力を伝達する接続状態になる。
【0022】
なお、上記とは逆に、第2回転軸3を入力側として、第1回転軸2を出力側としても上記同様に接続状態と切断状態とに切り換えることができる。
【0023】
以上説明したように、上記クラッチ装置1は、接続状態と切断状態との切り換えを、遠心力で動作するブレーキシュー10,11で自動的に行うようにしているから、従来例の電磁ブレーキよりも遥かに簡素な構成であるとともに、電磁ブレーキの動作を制御するための装置や前記動作制御のための電力が不要となるなど、イニシャルコストならびにランニングコストの低減に貢献できる。
【0024】
図8から図10に、本発明の他の実施形態を示している。この実施形態では、クラッチ体5の円筒部5aを無くし、第2回転軸3の円筒部3bにおいて摩擦面3dの領域の円周1ヶ所に、径方向に貫通する貫通孔3eを設け、この貫通孔3eに対して円柱形状の遠心摩擦部材15をスライド自在に収納するとともに、この遠心摩擦部材15の外径側に円筒コイルバネ16を配置し、この円筒コイルバネ16を止め輪17で抜け止めしている。なお、皿ばね7の代わりに、円錐コイルバネ7aを用いている。
【0025】
この場合の動作を説明する。まず、第1回転軸2が回転していない状態では、クラッチ用玉6が両カム溝4c,5cの浅い部分に位置しているとともに、クラッチ体5が円錐コイルバネ7aの弾発付勢力に抗して固定環体4から遠ざけられており、クラッチ体5の摩擦面5dが円筒部3bの摩擦面3dに圧接されている。これにより、第1回転軸2と第2回転軸3とが接続状態になっている。このとき、遠心力が働いていないので、円筒コイルバネ16により弾発付勢されている遠心摩擦部材15がクラッチ体5の摩擦面5dに押し付けられている。そのため、クラッチ体5の摩擦面5dが円筒部3bの摩擦面3dに対して滑らなくなっており、前記接続状態が保たれている。
【0026】
この状態で第1回転軸2および第2回転軸3を所定の回転速度以上で回転させると、遠心力により遠心摩擦部材15が円筒コイルバネ16を圧縮させつつ径方向外向きに変位してクラッチ体5の摩擦面5dから離れる。これにより、クラッチ体5の摩擦面5dと円筒部3bの摩擦面3dとの間の摩擦トルクよりも、円錐コイルバネ8aの弾発付勢力が打ち勝つので、クラッチ体5が固定環体4側へ旋回移動することになって、クラッチ用玉6が両カム溝4c,5cの深い部分に移動し、クラッチ体5の摩擦面5dが円筒部3bの摩擦面3dから離隔される。したがって、第1回転軸2から第2回転軸3へ回転動力を伝達しない切断状態になる。
【0027】
ところで、上記各実施形態の動作を成立させるための条件を説明する。
【0028】
Ti:入力側トルク
To:出力側トルク
Ni:入力側回転数
No:出力側回転数
Tf:入力側で発生する摩擦トルク(ひきずりトルク)
Fc1:切断状態においてカム機構部によりクラッチ体5を摩擦面3dに押し付ける力(カム押付力)
Fc2:接続状態においてカム機構部によりクラッチ体5を摩擦面3dに押し付ける力(カム押付力)
Fs1:切断状態における皿ばね7(円錐コイルバネ7a)の反力
Fs2:接続状態における皿ばね7(円錐コイルバネ7a)の反力
Ts1:切断状態で皿ばね7(円錐コイルバネ7a)の反力を加味したブレーキシュー10,11の摩擦トルク
Ts2:接続状態で皿ばね7(円錐コイルバネ7a)の反力を加味したブレーキシュー10,11の摩擦トルク
rc:カム溝の回転半径
θc:カム溝の円周方向での占有角度
(1)切断状態を保持する条件を説明する。
【0029】
Ni=0,To=0
Fc1=(Tf+Ts1)/(rc・tanθc)<Fs1…(1)
Tf>Ts1…(2)
(2)接続状態を保持する条件を説明する。
【0030】
Ni≠0,Ti=To≠0,Ti>Tf
Fc2=Ti/(rc・tanθc)>Fs2…(3)
(3)切断状態から接続状態に切り換わるときの条件を説明する。
【0031】
Fc1>Fs1…(4)
Fc2Fs2(摩擦面3d,5dの接触直前)…(5)
Ti>Ts1…(6)
Ti>Ts2(摩擦面3d,5dの接触直前)…(7)
(4)接続状態から切断状態に切り換わるときの条件を説明する。
【0032】
Fc2=(Tf+Ts2)/(rc・tanθc)<Fs2…(8)
Fc1<Fs1…(9)
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々な応用や変形が可能である。
【0033】
(1)上述したクラッチ装置1は、例えば自動車のエンジンとモータの2種の動力源を有するハイブリッドカーにおいて、自動車の走行速度が一定の速度に到達するまでの間において上記エンジン動力で前輪を駆動させるとともに上記モータ動力で後輪を駆動させる四輪駆動形態とし、自動車の走行速度が一定の速度を越えた場合に、後輪へのモータ動力の伝達を遮断して前二輪駆動形態とするために利用することができる。
【0034】
(2)上記実施形態のカム溝4c,5cについては、周方向一方へのみ漸次浅くした形状にすることができる。この場合、一対のカム溝4c,5cは、互いに周方向逆向きに配置する必要がある。このような構成では、入力軸となる第1回転軸2をいずれか一方のみに回転駆動させる必要がある。
【0035】
(3)上記実施形態において、クラッチ装置1の皿ばね7は、円錐コイルバネや円筒コイルバネなどを用いても同様に実施できる。
【0036】
【発明の効果】
本発明では、第1回転軸と第2回転軸との間で回転動力を伝達させる接続状態と伝達しない切断状態との切り換えについて、遠心力に応じて動作する遠心摩擦部材で自動的に行わせるようにしており、構成簡素化ならびに低コスト化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るクラッチ装置の接続状態を示す断面図
【図2】図1のクラッチ装置の切断状態を示す断面図
【図3】図1の(3)−(3)線断面の矢視図
【図4】図2の(4)−(4)線断面の矢視図
【図5】図1の固定環体およびクラッチ体の斜視図
【図6】図1のカム機構の接続状態を示す要部拡大図
【図7】図2のカム機構の切断状態を示す要部拡大図
【図8】本発明の他の実施形態に係るクラッチ装置の接続状態を示す断面図
【図9】図1のクラッチ装置の切断状態を示す断面図
【図10】図8の(10)−(10)線断面の矢視図
【符号の説明】
1 クラッチ装置
2 第1回転軸
3 第2回転軸
3d 第2回転軸の摩擦面
4 固定環体
4c 固定環体のカム溝
5 クラッチ体
5c クラッチ体のカム溝
5d クラッチ体の摩擦面
6 クラッチ用玉
7 皿ばね
10,11 ブレーキシュー
Claims (2)
- 同一軸線上に沿って配置される第1、第2回転軸の間で回転動力を伝達する接続状態や伝達しない切断状態に切り換えるクラッチ装置であって、
前記第1回転軸の外周に軸方向ならびに周方向に相対変位可能に嵌合されかつ摩擦面を有するクラッチ体と、
前記第2回転軸に設けられて前記クラッチ体の摩擦面が接触または離隔される摩擦面と、
前記クラッチ体の摩擦面を前記第2回転軸側の摩擦面から離す向きに常時付勢する付勢部材と、
所定以上の遠心力を受けていないときに前記クラッチ体と第2回転軸との間で回転抵抗を付与する一方で、所定以上の遠心力を受けたときに前記クラッチ体と第2回転軸との間で回転抵抗を付与しない遠心摩擦部材と、
前記遠心摩擦部材で前記クラッチ体に回転抵抗を付与しているときに、当該クラッチ体の摩擦面を前記第2回転軸の摩擦面に対して圧接させて前記接続状態として第1、第2回転軸の間で回転動力を伝達する一方で、前記遠心摩擦部材で前記クラッチ体に回転抵抗を付与していないときに、当該クラッチ体の摩擦面を第2回転軸の摩擦面から離して前記切断状態として第1、第2回転軸の間で回転動力を伝達しないカム機構とを含む、クラッチ装置。 - 前記カム機構は、前記第1回転軸の外周において前記クラッチ体よりも外端側に軸方向隣り合わせで軸方向ならびに周方向に不動に嵌合される固定環体と、この固定環体および前記クラッチ体において互いに対向する面の円周数ヶ所に設けられかつ少なくとも周方向一方へ向けて溝深さが漸次浅く設定されるカム溝と、両カム溝間に周方向転動可能に介装されるクラッチ用玉とを含み、
前記クラッチ用玉が前記両カム溝の深い部分に位置したときに、前記クラッチ体を前記固定環体に近づけて前記両摩擦面を離隔させる一方で、前記クラッチ用玉が前記両カム溝の浅い部分に位置したときに、前記クラッチ体を前記固定環体から遠ざけて前記両摩擦面を圧接させる、請求項1のクラッチ装置。
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