JP2001348728A - 極細繊維 - Google Patents

極細繊維

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JP2001348728A
JP2001348728A JP2000169162A JP2000169162A JP2001348728A JP 2001348728 A JP2001348728 A JP 2001348728A JP 2000169162 A JP2000169162 A JP 2000169162A JP 2000169162 A JP2000169162 A JP 2000169162A JP 2001348728 A JP2001348728 A JP 2001348728A
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ultrafine fibers
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JP2000169162A
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English (en)
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佳憲 ▲高▼田
Yoshinori Takada
Bungo Goto
文悟 後藤
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的な連続生産性に優れ、ウエブとして、
フィルター用途、隔離膜用途、衣料用用途等に有用で、
特に血液分離フィルター用途として有用な極細繊維を提
供する。 【解決手段】 重縮合触媒としてTiO2 :SiO2
90:20〜20:80モル/モルの組成を有する二酸
化チタン/二酸化ケイ素共沈物を使用してエステル及び
/又はオリゴエステルを重縮合してなり、極限粘度が
0.3〜1.5、ポリスチレン換算重量平均分子量が4
000〜20000であるポリエステル又は/及びコポ
リエステルで構成され、平均繊維径が0.7〜5μmで
ある極細繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウェブ状物として
有用な、ポリエステル系の極細繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】メルトブロー法による重合体の紡糸法に
ついては、インダストリアル・アンド・エンジニアリン
グ・ケミストリー第48巻、第8号(1956年)、第
1342頁〜1346頁に記載されており、その中では
ポリエステルを用いた極細繊維が記載されており、それ
以降、メルトブロー法による極細繊維の特許出願が数多
くなされている(特開昭53−65471号公報、特公
昭63−53309号公報、特開平3−8855号公
報、特開平4−2850号公報など)。
【0003】極細繊維を作る方法としては、他に、特公
昭62−35481号公報等に開示されているように、
細い口径のノズルからポリマーを押出し、直接、極細繊
維を紡糸するような方法もある。一方、ポリエステルの
重縮合触媒としては、3酸化2アンチモンやチタンテト
ライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド等を1種
又は2種以上使用した触媒があり、工業的には一般的に
3酸化2アンチモンが使用されている。
【0004】ところで、特表平9−507514号公報
には、2酸化チタン共沈物を用いたポリエステルの重縮
合触媒が提案されている。2酸化チタン共沈物触媒は反
応性が高く、触媒量として少量でも反応が起こることか
ら、3酸化2アンチモン代替として有効であると考えら
れる。しかし、この2酸化チタン共沈物を用いて重合さ
れたポリエステル、コポリエステルを使用した極細繊維
については、その特徴や工業的手法などを含めて未だ知
られていない。
【0005】エステル、オリゴエステルの重縮合触媒と
しては、一般に、工業的には3酸化2アンチモン系の触
媒が使用されているが、しかし、本発明者らの知見によ
れば、触媒としての3酸化2アンチモンの使用量が多い
ために、極細繊維を長時間にわたり生産を続けている
と、紡口付近に3酸化2アンチモンが析出・付着するた
め、紡口の吐出量が変化し、糸切が起こったり、ウエブ
の目付斑が大きくなる等、工業的な連続生産性を低下さ
せる原因となっている。
【0006】また、3酸化2アンチモン触媒で作られた
ポリエステル、コポリエステルの極細繊維から成るウエ
ブは、表面に微量の3酸化2アンチモンが付着していた
り、内部に存在しているものがブリードアウトする現象
が見られる。したがって、このような極細繊維から成る
ウエブを血液分離フィルター等のフィルター用途に使用
する場合は、極細繊維から成るウエブを洗浄処理するこ
とが行われており、コストアップの要因となっている。
【0007】また、触媒である3酸化2アンチモンの使
用量を減少させる事も考えられるが、重縮合反応速度が
低下したり、反応が不十分となったり、分子量分布が大
きくなったりするので、工業的に安定に生産するには問
題が多い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題の無い、ウエブ状物として有用な極細繊維を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、重縮合触媒と
してTiO2 :SiO2 =90:20〜20:80モル
/モルの組成を有する二酸化チタン/二酸化ケイ素共沈
物を使用してエステル又は/及びオリゴエステルを重縮
合してなり、極限粘度が0.3〜1.5、ポリスチレン
換算重量平均分子量が4000〜20000であるポリ
エステル又は/及びコポリエステルで構成され、平均繊
維径が0.7〜5μmである極細繊維に関する。
【0010】本発明は、エステル、オリゴエステルの重
縮合触媒として従来使用されていた3酸化2アンチモン
系を使用せず、平均繊維径が0.7〜5μmの極細繊維
を工業的に安定に長期間生産することが出来、また、該
極細繊維から成るウエブを血液分離フィルターに用いる
場合、洗浄工程が不要なためコスト的に極めて有利であ
る。
【0011】本発明に用いるエステル、オリゴエステル
の重縮合触媒は、TiO2 :SiO 2 =90:20〜2
0:80モル/モルの組成を有する二酸化チタン/二酸
化ケイ素共沈物である。触媒の使用量は、重合すべきエ
ステル、オリゴエステルに対し全量で1ppm〜250
ppmが好ましく、より好ましくは2ppm〜150p
pm、さらに好ましくは5ppm〜50ppmである。
触媒量が少なすぎると重合反応速度が低下したり、オリ
ゴマー等が増加し、また触媒量が多すぎると、所望の極
限粘度に制御するのが難しくなったり、紡糸後、極細繊
維に付着する触媒の量が多くなる傾向がある。
【0012】本発明においては、上記触媒により重合さ
れたポリエステル、コポリエステルであればいかなるも
のでも良い。かかるポリエステル、コポリエステルとし
ては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、1,2−
ビス(4−カルボフェノキシ)エタン、2,6−ナフタ
リンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸や、アジピ
ン酸、セバシン酸、シュウ酸等の脂肪族ジカルボン酸
と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエ
トキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコール、
グリセリン、ペンタエリスリトールなどのグリコール等
を用いることにより得られる。また、これらのジカルボ
ン酸成分及びグリコール成分の夫々1種づつを用いても
良く、いずれか一方又は双方の成分を2種以上用いても
良い。
【0013】必要に応じて、各種の添加剤、例えば、艶
消し剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白
剤などを共重合、または混合してもよい。本発明に用い
るポリエステル、コポリエステルは、ポリエステル、コ
ポリエステルのオリゴマーの含有量が3wt%以下であ
ることが好ましく、これによって繊維の強度低下を避け
ることが可能になるほか、工業的に必要な紡糸安定性を
確保できる。尚、ポリエステル、コポリエステルのオリ
ゴマーとは、通常、ポリエステル、コポリエステル単位
が2〜4個繋がったオリゴマーであり、線状構造であっ
ても、環状構造であってもよい。
【0014】オリゴマーの含有量が3wt%を越える場
合には、例えば、紡糸する場合にオリゴマーがノズル周
りに析出し、ポリマー玉が生成しやすくなる。長時間安
定に紡糸を行うためには、1.5wt%以下が好まし
く、更に好ましくは1wt%以下である。更に、得られ
た繊維の毛羽が少なくなるという点からは、0.5wt
%以下、更に好ましくは0.3wt%以下が好ましく、
もちろん理想的にはオリゴマーを含まないことである。
【0015】尚、ポリマー玉とは、ウエブを構成する極
細繊維の直径約10〜500倍程度の直径を有する玉状
ポリマー、または極細繊維の端部や中央部に生成したコ
ブ状ポリマーである。このポリマー玉は、顕微鏡を用い
て観察するか、またはウエブをそのまま、もしくはウエ
ブにプレス、カレンダー、交絡処理、その他の手段を施
して、その繊維密度を高めた後、これを染色することに
よって検知できる。ポリマー玉が多く存在すると、得ら
れる極細繊維から成るウエブの用途が大きく制限され、
特に血液分離フィルターとしては使用が困難となる。
【0016】本発明の極細繊維を構成するポリエステ
ル、コポリエステルの極限粘度は0.3〜1.5であ
り、好ましくは0.4〜1.0、更に好ましくは0.4
〜0.7である。このため、得られるウエブは、柔軟性
に富んだものであるにも関わらず、強度が高く、熱、
光、薬品等に対しての耐久性にも優れている。極限粘度
が0.3未満であると、繊維の強度が低く、ポリマー玉
が生じることがあり、また、紡糸する場合に繊維状のも
のに成りにくく、ウエブの形成が困難となる。1.5を
越える場合は、平均繊維径が0.7〜5μmの極細繊維
を安定して紡糸する事が出来ず、糸切れが多くなった
り、平均繊維径が5μmよりも大きくなり、また、繊維
がもつれてがさついたり、ピリングが生じたりする。
【0017】本発明の極細繊維を構成するポリエステ
ル、コポリエステルのポリスチレン換算重量平均分子量
は4000〜20000であり、好ましくは5000〜
15000である。ポリスチレン換算重量平均分子量が
4000未満であると、紡糸時に糸切れ等が発生し、連
続的に紡糸を行うことが困難となり好ましくなく、20
000を越えると、本発明で規定するような平均繊維径
の細い極細繊維を安定して紡糸する事が出来ない。
【0018】本発明に用いるポリエステル、コポリエス
テルの製法として好ましい一例を挙げるならば、テレフ
タル酸、またはテレフタル酸ジメチルを原料とし、これ
にエチレングリコールと、さらに酢酸カルシウム、酢酸
マグネシウム、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、酢酸マンガン
等の金属酢酸塩1種あるいは2種以上を0.03〜0.
1wt%加え、常圧下あるいは加圧下、エステル交換率
90〜98%でビスヒドロキシエチルテレフタレートを
得る。本発明の目的を達成するためには、このように遷
移金属以外の金属の酢酸塩を用いることが好ましい。
【0019】次に、TiO2 :SiO2 =90:20〜
20:80モル/モルの組成を有する二酸化チタン/二
酸化ケイ素共沈物を、重合すべきエステル、オリゴエス
テルに対し全量で1ppm〜250ppm添加し、25
0〜290℃で減圧下反応させる。重合の任意の段階、
好ましくは重縮合反応の前に安定剤を入れることが、樹
脂組成物の白度、ポリエステル、コポリエステルのオリ
ゴマー量や、分子量が300以下の有機物量を特定量に
制御できる観点から好ましい。この場合の安定剤として
は、5価または/および3価のリン化合物やヒンダード
フェノール系化合物が好ましい。
【0020】5価または/および3価のリン化合物とし
ては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート、トリフェニルホスフェー
ト、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイ
ト、トリブチルホスファイト、トリフェニルホスファイ
ト等が挙げられ、特に、トリメチルホスファイトが好ま
しい。
【0021】ヒンダードフェノール系化合物とは、フェ
ノール系水酸基の隣接位置に立体障害を有する置換基を
持つフェノール系誘導体であり、分子内に1個以上のエ
ステル結合を有する化合物である。具体的には、ペンタ
エリスリトール−テトラキス[3(3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス
{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジ
メチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリス(4−te
rt−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンゼ
ン)イソフタル酸、トリエチルグリコール−ビス[3
(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−
ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチ
レン−ビス[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3
−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]を例示しうる。中でもペンタエリ
スリトール−テトラキス[3(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ま
しい。
【0022】本発明の極細繊維は、平均繊維径が0.7
〜5μm、好ましくは0.8〜3μmであって、適度な
繊維径分布を有する混合繊維である。平均繊維径が0.
7μm未満では、得られる繊維の強度が不十分になると
同時に、発色性、堅牢性の低下が起こる。例えば、0.
7μm未満の平均繊維径のものを用いた血液フィルター
は、圧損が高くなり処理するのに時間がかかる。一方、
5μmを越えると柔軟性に乏しい粗悪な感触を与える極
細繊維にしかならない。例えば、5μmを越える平均繊
維径のものを用いた血液フィルターは、除去能力が低
い。
【0023】また、メルトブロー法により得られた極細
繊維は、極めて小さな繊維径を有しているため、血液フ
ィルター用途として好ましい。メルトブロー法による極
細繊維は、繊維の平均長さを測定することは困難である
が、30mm以上、多くの場合は70〜350mm程度
と推定される。本発明のポリエステル極細繊維から成る
ウエブ状物の目付量は用途によって任意に設定できる
が、一般に5〜200g/m2 の範囲である。
【0024】本発明の極細繊維を、ウエブ状物として得
るための好ましい製造法として、メルトブロー法の一例
を図面に基づいて以下に説明する。押出機内で溶融され
たポリエステル又は/及びコポリエステルの溶融ポリマ
ー流は、適当なフィルターによって濾過された後、メル
トブローダイ(1)の溶融ポリマー導入部(2)へ導か
れ、その後、オリフィス状ノズル(3)から吐出され
る。それと同時に加熱気体導入部(4)に導入された加
熱気体を、メルトブローダイ(1)とリップ(6)によ
り形成された加熱気体噴出スリット(5)へ導き、ここ
から噴出させて、前記吐出ポリマー液に当て、これを細
化して極細繊維を形成する。
【0025】本発明においては、ポリマーの溶融押し出
し温度を260〜320℃にすることが好ましい。32
0℃を越えると、ポリマーが熱劣化、加水分解の加速な
どを起こして溶融粘度が低下し、得られるウエブの強度
が低下する他、ポリマー玉の生成、目付斑、染色堅牢性
の低下を起こす場合がある。本発明においては、噴出さ
せる高温高速気体としては、スチーム及び/又は空気
が、ポリマーの劣化が少なくコスト面からも有利であ
り、なかでも高圧のスチームが好ましい。高圧のスチー
ムは熱量が多く、ポリマーの細化が容易に達成され、平
均繊維径0.7〜5μmの本発明の極細繊維から成るウ
エブを効果的に得ることが出来る。
【0026】高温高速気体の温度は270〜380℃が
好ましい。270℃未満では、吐出ポリマー流に対する
冷却効果が過大になるため、ポリマー流の細化が不十分
となり、ポリマー玉が増大しウエブの品質を低下させる
傾向がある。一方、380℃を越えると、気体からの伝
熱によって溶融ポリマー導入部(2)やオリフィス状ノ
ズル(3)の温度が300℃を越えてしまう。より好ま
しくは340〜380℃である。
【0027】高温高速気体の噴出圧力は、0.03〜
0.4MPaの範囲に設定することが好ましい。尚、噴
出圧力は加熱気体導入部(4)のリップ(6)に近い点
で測定した値である。この噴出圧力が0.03MPa未
満の場合には、噴出する気体のポリマー細化エネルギー
が小さくなるために、ポリマーの細化が不十分となり、
そのために、柔軟性の低下、目付斑が起こる傾向があ
る。一方、0.4MPaを越えると、ポリマーの細化が
進み、ウエブの強度が強くなって好ましい方向となるも
のの、発色性、堅牢性が低下する傾向があり、また、噴
出する高温高速気体の力が強すぎるために、捕集された
ウエブの一部が巻き上げられたりして表面品位が劣る場
合がある。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定さ
れるものでない。尚、測定法、評価法等は下記の通りで
ある。 (1)極限粘度 極限粘度[η]は、次の定義式に基づいて求めた値であ
る。
【0029】
【数1】
【0030】定義式中のηrは、純度98%以上のo−
クロロフェノールで溶解した試料の希釈溶液の35℃で
の粘度を、同一温度で測定した上記溶剤自体の粘度で割
った値であり、相対粘度と定義されているものである。
またCは、上記溶液100ml中のグラム単位による溶
質の質量値である。 (2)分子量 島津製作所製の高速液体クロマトグラフィーLC−10
Advpを用いて、以下の条件で測定した。 ・カラム:Shodex社製、GPCカラムを繋ぎ使用
した。
【0031】(HFIP−803)−(HFIP80
4)−(HFIP−805) ・移動相:10mM CF3 COONa/HFIP ・温度:40℃ ・流量:0.8ml/分 ・検出:RI PMMA標準ポリマーにより検量線を作成し、下記の換
算式により、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)
を求めた。
【0032】ポリスチレン換算重量平均分子量=(当該
ポリマーの分子量)×41.3/(当該ポリマーのQフ
ァクター) 尚、当該ポリマーのQファクターは39とした。 (3)平均繊維径 サンプルの任意の10ヶ所について、電子顕微鏡によ
り、倍率2000倍で10枚写真撮影を行った。1枚の
写真につき、任意の10本の繊維の直径を測定し、これ
を10枚の写真について行った。合計100本の繊維径
測定値を求め、平均値を計算した。
【0033】(4)目付斑 ウエブの巾方向にわたって連続的に10cm×10cm
のサンプルを切り取り、この質量を計量した。その値の
平均値Aと、最大値と最小値の差Rを求め、次式により
目付斑を測定した。 目付斑=R/A×100 (5)柔軟度 カンチレバー法(45度)を用いて評価した。数値が小
さいほど柔軟性が高いことを示す。
【0034】(6)生産性 メルトブロー法により極細繊維から成るウエブを連続的
に生産し、目付斑が30%以上となるまで生産を行い、
この連続日数を比較した。 〔実施例1〕テレフタル酸ジメチルとエチレングリコー
ルを1:2のモル比で仕込み、理論ポリマー量の0.0
5wt%に相当する酢酸マンガンを加え、徐々に昇温し
て240℃でエステル交換反応を完結させた。得られた
エステル交換物に、TiO2/SiO2 共沈物(商品名
C94:Akuzo社製)を理論ポリマー量の35pp
m加え、290℃で1時間反応させた。得られたポリマ
ーの極限粘度は0.67であり、ポリスチレン換算重量
平均分子量(Mw)は14000であった。
【0035】得られたポリマーを押出機を用いて290
℃で溶解し、溶融ポリマーを1mmピッチで1500個
一列に並んだ0.3mmφのオリフィスから吐出させ、
ダイオリフィス下60cmに位置せしめた移動する捕集
面上に連続的に集積し、目付100g/m2 になる様に
ランダムウエブとして巻き取った。メルトブロー条件お
よび得られたウエブの物性を表1に示した。
【0036】この極細繊維から成るウエブは、そのまま
でも血液分離フィルター等のフィルター用途として用い
られるが、この後、プレス機等で厚み調整する事で毛羽
が押さえられ更に有用になる。次に、このランダムウエ
ブを金網上に乗せ、下方から真空度50mmHgで吸引
しながら、3mmピッチで一直線に配列された0.2m
mの径のオリフィスより3.0MPaの圧力で連続的に
噴出する高速水流をシート全面に噴き当て、次いで1.
0MPaの圧力で同様に処理した。得られたシートの物
性も表1に示した。
【0037】得られたウエブ、シートは、柔軟性、磨耗
性、摩擦堅牢性、発色性に優れ、常圧で濃色に染色する
ことができ、ポリマー玉が少ない優れたものであり、人
工皮革基布等の衣料用として有用である。表1に結果を
示す。 〔実施例2〕TiO2 /SiO2 共沈物の量を理論ポリ
マー量の10ppmとし、実施例1と同様の操作を行っ
た。得られたポリマーの極限粘度は0.46であった。
ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は9000で
あった。
【0038】実施例1と同様に、メルトブロー法を用い
極細繊維から成るウエブを作製した後、同様な操作で高
圧水処理を行った。表1に結果を示す。 〔実施例3〕TiO2 /SiO2 共沈物の量を理論ポリ
マー量の10ppmとし、実施例1と同様の操作を行っ
た。得られたポリマーの極限粘度は0.36であった。
ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は5500で
あった。
【0039】実施例1と同様に、メルトブロー法を用い
極細繊維から成るウエブを作製した後、同様な操作で高
圧水処理を行った。表1に結果を示す。 〔比較例1、2〕実施例1で製造したポリマーを用い
て、メルトブロー条件を表1に記載のように変えて実験
を行った。得られたウエブ及びシートの物性を表1に示
した。いずれの場合も、平均繊維径が本発明の範囲をは
ずれるために、ポリマー玉の発生が多く、目付斑が大き
い粗悪なものであった。表1に結果を示す。
【0040】〔比較例3〕TiO2 /SiO2 共沈物の
量を理論ポリマー量の0.2ppmとし、実施例1と同
様のポリマーを作成しようとしたが、重縮合反応時間を
4時間経過しても反応は起こらなかった。 〔比較例4〕TiO2 /SiO2 共沈物の量を理論ポリ
マー量の350ppmとし、実施例1と同様のポリマー
を作製した。極限粘度1.7、ポリスチレン換算重量平
均分子量(Mw)は47000であった。
【0041】実施例1と同様に、メルトブロー法を用い
て極細繊維から成るウエブを作成しようとしたが、触媒
量、極限粘度が本発明の範囲をはずれるため、平均繊維
径が大きく、目付斑の大きい粗悪なウエブで、また生産
性も悪かった。また、より高温のスチームでブローを行
っても、平均繊維径が5μm以下の極細繊維を得ること
は出来なかった。表1に結果を示す。
【0042】〔比較例5〕重縮合触媒として3酸化2ア
ンチモンを理論ポリマー量に対し350ppm使用し、
実施例1と同様のポリマーを作製した。極限粘度0.6
7、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は140
00であった。実施例1と同様に、メルトブロー法を用
いて極細繊維から成るウエブを作成したが、紡口づまり
が激しく、目付斑が大きく、生産性も悪かった。表1に
結果を示す。
【0043】〔比較例6〕重縮合触媒として3酸化2ア
ンチモンを理論ポリマー量に対し250ppm使用し、
実施例1と同様のポリマーを作製した。極限粘度0.4
9、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は900
0であった。実施例1と同様に、メルトブロー法を用い
て極細繊維から成るウエブを作成したが、紡口づまりが
激しいため、目付斑が大きく、生産性も悪かった。ブロ
ー終了後に、紡口付近に析出した物を解析したところ、
その殆どがアンチモン系の化合物であった。表1に結果
を示す。
【0044】〔比較例7〕重縮合触媒として3酸化2ア
ンチモンを理論ポリマー量に対し35ppm使用し、実
施例1と同様のポリマーを作成しようとしたが、重縮合
反応時間を4時間経過しても反応は起こらなかった。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明の極細繊維は、ポリマーの重縮合
触媒が従来の3酸化2アンチモンとは異なっているた
め、紡糸における工業的な連続生産性に優れている。す
なわち、従来の連続生産日数5日に対し、16〜20日
と3倍以上の連続生産が可能である。
【0047】また、本発明の極細繊維から成るウエブ状
物は、繊維の細さ均一性に優れ、柔軟性、磨耗性、発色
性、摩擦堅牢性に優れ、常圧で濃色に染色することがで
き、ポリマー玉が少ない。従って、その用途として、血
液分離フィルター、防塵フィルター、耐熱フィルター等
のフィルター用途、気液セパレータ、溶液セパレータ、
電池セパレータの隔離膜用途、人工皮革基布等の衣料用
用途、テープ、テープ芯地、使い捨ておむつ、生理用
品、パップ剤基布等の薬剤保持基布、作業着、眼鏡拭
き、水拭きや油拭きのワイピングクロスなどの各種ワイ
パー用途、保温中綿、芯地、シート、キャップ等に有用
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の極細繊維をウエブ状物として得るため
のメルトブロー法の一例における、ダイ及びその周辺部
を示す概略図である。
【符号の説明】
1…メルトブローダイ 2…溶融ポリマー導入部 3…ノズル 4…加熱気体導入部 5…加熱気体噴出スリット 6…リップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA03 AB04 AB07 AC01 AC02 AD01 AE02 BA03 BA08 BA09 BA10 BF26 CA01 CA02 CA06 CB05A CB06A CC06A CF15 FC03 FC08 HA01 HB01 HB02 JA091 JA291 JB171 JB193 JB233 JC483 JC583 JF321 KB05 KE02 KE05 4L035 BB31 DD13 FF01 FF05 GG02 HH01 HH10 4L047 AA21 AA29 AB08 AB10 BA04 CC01 CC12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重縮合触媒としてTiO2 :SiO2
    90:20〜20:80モル/モルの組成を有する二酸
    化チタン/二酸化ケイ素共沈物を使用してエステル又は
    /及びオリゴエステルを重縮合してなり、極限粘度が
    0.3〜1.5、ポリスチレン換算重量平均分子量が4
    000〜20000であるポリエステル又は/及びコポ
    リエステルで構成され、平均繊維径が0.7〜5μmで
    ある極細繊維。
  2. 【請求項2】 メルトブロー法により製造されてなる請
    求項1記載の極細繊維。
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