JP2001348071A - 平版印刷版包装構造、平版印刷版包装方法及び平版印刷版用包装材 - Google Patents

平版印刷版包装構造、平版印刷版包装方法及び平版印刷版用包装材

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JP2001348071A
JP2001348071A JP2000168973A JP2000168973A JP2001348071A JP 2001348071 A JP2001348071 A JP 2001348071A JP 2000168973 A JP2000168973 A JP 2000168973A JP 2000168973 A JP2000168973 A JP 2000168973A JP 2001348071 A JP2001348071 A JP 2001348071A
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Takayuki Usui
孝之 碓井
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで平版印刷版を確実に遮光、断熱及
び防湿して包装できる平版印刷版包装構造及び平版印刷
版包装方法を得る。 【解決手段】 平版印刷版の積層束12の周囲に配置さ
れた包装材20には、重合部26が構成され、積層束1
2の外側全体に渡って接着剤で封止されるので、平版印
刷版は確実に遮光、断熱及び防湿される。包装材20と
しては一般的な段ボール等を使用できるので、低コスト
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版包装構
造、平版印刷版包装方法及び平版印刷版用包装材に関
し、さらに詳しくは、平版印刷版を確実に遮光して包装
可能な平版印刷版包装構造及び平版印刷版包装方法と、
これらの平版印刷版包装構造及び平版印刷版包装方法に
使用される平版印刷版用包装材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の製版法(電子写真製版法を含む)
では、製版工程の自動化を容易にすべく、感光性印刷版
や感熱性印刷版等の平版印刷版が広く用いられている。
平版印刷版は、一般にシート状或いはコイル状のアルミ
ニウム板等の支持体に、例えば、砂目立て、陽極酸化、
シリケート処理、その他化成処理等の表面処理を単独又
は適宜組み合わせて行い、次いで、感光層又は感熱層
(これらをまとめて「塗布膜」という)の塗布、乾燥処
理を行った後に所望のサイズに切断されることで製造さ
れる。この平版印刷版は、露光、現像処理、ガム引き等
の製版処理が行われ、印刷機にセットされ、インクが塗
布されることで、紙面に文字、画像等が印刷される。
【0003】これらの感光性印刷版及び感熱性印刷版
は、いずれも一枚の薄い板状とされているため、角や
辺、内部等に傷や変形があると、感光や感熱によって現
像した際に像がぼけたり、印刷した際にインクが不均一
になる等の問題が生じやすい。
【0004】そこで、このような傷や変形を防止するた
めに、平版印刷版を外力から保護して包装する段ボール
箱が提案されている(特開平10−16946号参
照)。
【0005】図14に示すように、この段ボール箱50
は、底面板52の対向する2辺を折り曲げて三角管状体
54を形成することで、側面板56や面板58に対する
底面板52の直角度を強力に維持し、内容物の重量で形
状を崩さないようになっている。
【0006】ところで、感光性印刷版は感光性が高く、
僅かな可視光波長帯域の光によって露光されても感光層
に変化が生じるため、遮光する必要がある。また、感熱
性印刷版も、当たる光の熱エネルギーによって感熱層が
変質したり、反応進行によって感度変化が起こったりす
る場合があるため、適度な遮光を行うことが好ましい。
【0007】しかし、図14に示した段ボール箱50で
は、三角管状体54の近傍や段ボールの貼り合わせ部分
等から内部に光が入ってしまうため、内部に入れた平版
印刷版にいわゆる光被りが生じてしまうおそれがある。
【0008】このような光被りを防止するために、従来
から、平版印刷版を製造してから自動製版機等に装填す
るまでの間、遮光性を有する内装紙によって平版印刷版
を包装している。内装紙としては、例えば、クラフト紙
に13μm程度の低密度ポリエチレンを溶融塗布して、
6μm程度のアルミニウム箔を貼着したアルミクラフト
紙を使用し、このアルミクラフト紙で製品束(平版印刷
版の束)を包装した後、アルミクラフト紙の一部(いわ
ゆる耳部分や上面部分)をクラフト粘着テープやホット
メルト等で接着している。また、内装紙として、このア
ルミクラフト紙のアルミニウム箔上に10μm〜70μ
m程度の低密度ポリエチレンを貼り合わせたものや、さ
らに、この低密度ポリエチレンに70μm程度の黒ポリ
エチレンフィルムを貼り合わせて遮光性を高めたものも
使用されている。
【0009】しかし、このアルミクラフト紙は、廃却時
に故紙回収ができず、産業廃棄物として埋め立て、焼却
等の処分が必要となるため、廃却に高いコストを要して
いる。
【0010】これに対し、アルミニウム箔を貼着するこ
となく、必要な遮光性を満たした遮光紙が提案されてい
るが(特開平9−111697号参照)、この遮光紙で
は、紙表面に遮光層を設けなければならないため高価に
なる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実を
考慮し、低コストで平版印刷版を確実に遮光して包装で
きる平版印刷版包装構造及び平版印刷版包装方法と、こ
れらの平版印刷版包装構造及び平版印刷版包装方法に使
用される平版印刷版用包装材を得ることを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、平版印刷版を包装する平版印刷版包装構造であっ
て、平版印刷版の周囲に配置される平版印刷版用包装材
と、前記平版印刷版用包装材に、この平版印刷版用包装
材どうしが部分的に重なり合うように設けられた重合部
と、を有し、前記重合部が前記平版印刷版の外側全体に
渡って封止されていることを特徴とする。
【0013】すなわち、平版印刷版の周囲に配置された
平版印刷版用包装材の重合部を封止することで、本発明
の平版印刷版包装構造が構成され、平版印刷版が包装さ
れる。この状態で、重合部は平版印刷版の外側全体に渡
って封止されているので、平版印刷版は包装材によって
外部から完全に隔離され、外部の光が平版印刷版に当た
らなくなる。
【0014】このように、本発明の平版印刷版包装構造
では、平版印刷版用包装材に設けた重合部を封止するこ
とで、平版印刷版包装構造自体が一定の遮光性を有する
ようになり、平版印刷版は確実に遮光されるので、平版
印刷版の感光層又は感熱層が変質することはない。
【0015】しかも、本発明の平版印刷版用包装材とし
ては、一般的な包装に使用されている材料(例えば、断
ボ−ル、ハニカム構造材、クラフト紙、厚紙等)を使用
することができる。従来のアルミクラフト紙等、廃却が
困難な材料を使用する必要はなく、廃却が容易な一般紙
等を使用することが可能なので、低コストで平版印刷版
を包装できる。平版印刷版用包装材をリユース又はリサ
イクル(例えば故紙として)することもできるため、廃
材の量を従来より減らすことも可能になる。
【0016】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記重合部に、外部から前記平版印
刷版までの直線的な経路を遮る折り曲げ部が設けられて
いることを特徴とする。
【0017】光は直進性を有するので、折り曲げ部によ
って外部から平版印刷版までの直線的な経路が遮される
ことで、外部の光が平版印刷版にさらに達しにくくな
り、平版印刷版はさらに確実に遮光される。
【0018】請求項1又は請求項2に記載の発明におい
て、重合部を封止する手段は特に限定されないが、例え
ば、請求項3に記載のように、接着手段によって接着し
封止してもよい。これにより、簡単な構造で重合部を封
止できる。接着手段としては、例えば接着剤や粘着テー
プ等を挙げることができる。
【0019】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれかに記載の発明において、前記平版印刷
版用包装材に、厚み方向の水分移動を制限する防湿層が
設けられていることを特徴とする。
【0020】このように、防湿層が設けられた平版印刷
版用包装材を使用して平版印刷版を包装することで、外
部の湿度変化に対して平版印刷版包装材が緩衝作用を奏
し、湿度変化の影響を平版印刷版は受けにくくなる。す
なわち、平版印刷版は外部から遮光されるだけでなく、
防湿もされるため、例えば感光層又は感熱層が周囲の湿
度変化やこれに起因する結露等によって変質しやすい平
版印刷版であっても、感光層又は感熱層の変質がより確
実に防止される。
【0021】この防湿層の具体的構成は、包装された平
版印刷版を確実に防湿できれば限定されず、例えば、平
版印刷版包装材に樹脂をラミネートしたものや、防湿剤
を塗布したもの等を挙げることができる。防湿剤として
故紙回収可能なものを使用すると、平版印刷版用包装材
のリサイクルが容易になるので、好ましい。
【0022】ラミネートされる樹脂の例としては、低密
度ポリエチレン(LDPE)を挙げることができる。ま
た、低密度ポリエチレンの厚みは5μm以上100μm
以下とすると、十分な防湿性を確保できると共に、過剰
に多くの樹脂を使用しないので低コストとなる。
【0023】防湿層の透湿度としては、例えば請求項5
に記載のように50(g/m2・24h)以下とする
と、確実に平版印刷版を防湿できる。なお、ここでいう
透湿度は、JIS Z 0208に規定される。
【0024】請求項6に記載の発明では、平版印刷版を
包装する包装方法であって、平版印刷版用包装材を平版
印刷版の周囲に配置すると共に、平版印刷版用包装材ど
うしを部分的に重なり合せて重合部を構成する配置工程
と、前記配置工程によって構成された前記重合部を平版
印刷版の外側全体に渡って封止する封止工程と、を有す
ることを特徴とする。
【0025】すなわち、配置工程によって平版印刷版の
周囲に配置された平版印刷版用包装材に対し、封止工程
によってこの平版印刷版用包装材の重合部を封止するこ
とで、平版印刷版包装構造が構成され、平版印刷版が包
装される。重合部は平版印刷版の外側全体に渡って封止
されているので、平版印刷版は平版印刷版用包装材によ
って外部から完全に隔離され、外部の光が平版印刷版に
当たらなくなる。
【0026】このように、本発明の平版印刷版包装方法
では、包装工程によって平版印刷版用包装材に設けられ
た重合部を、封止工程によって平版印刷版の外側全体に
わたって封止することで、平版印刷版用包装材自体が一
定の遮光性を有するようになり、平版印刷版は確実に遮
光されるので、平版印刷版の感光層又は感熱層の変質が
防止され、平版印刷版は一定の品質に維持される。
【0027】しかも、本発明では、平版印刷版用包装材
として一般的な包装に使用されている材料(例えば、段
ボール、ハニカム構造の紙、クラフト紙、厚紙等)を使
用することができる。すなわち、従来のアルミクラフト
紙等、廃却が困難な材料を使用する必要はなく、廃却が
容易な一般紙等を使用することが可能なので、低コスト
で平版印刷版を包装できる。平版印刷版用包装材をリユ
ース又はリサイクル(例えば故紙として)することもで
きるため、廃材の量を従来より減らすことも可能にな
る。
【0028】なお、請求項6に記載の平版印刷版包装方
法において使用される平版印刷版用包装材として、請求
項4に記載したような、厚み方向の水分移動を制限する
防湿層が設けられているものを使用してもよい。これに
より、外部の湿度変化に対して平版印刷版用包装材が緩
衝作用を奏し、湿度変化の影響を平版印刷版は受けにく
くなる。このため、平版印刷版に結露等の湿度変化に起
因する問題が生じて感光層又は感熱層が変質することを
防止できる。
【0029】請求項7に記載の発明では、請求項6に記
載の発明において、前記配置工程によって構成された前
記重合部に、外部から平版印刷版までの直線的な経路を
遮る折り曲げ部を形成する折り曲げ工程、を有すること
を特徴とする。
【0030】光は直進性を有するので、折り曲げ工程に
よって形成された折り曲げ部により、外部から平版印刷
版までの直線的な経路が遮される。これにより、外部の
光が平版印刷版にさらに達しにくくなり、平版印刷版は
さらに確実に遮光される。
【0031】請求項8に記載の発明では、請求項6又は
請求項7に記載の発明において、前記配置工程によって
構成された前記重合部を、平版印刷版用包装材の厚み方
向に圧縮する圧縮工程、を有することを特徴とする。
【0032】従って、重合部の厚みが薄くなり、平版印
刷版を包装した状態で重合部が外側に出っ張らなくなる
ので、荷扱いが容易になる。なお、かかる観点からは、
重合部の厚みが平版印刷版用包装材自体の厚み以下とな
るように圧縮することが好ましい。
【0033】請求項9に記載の発明では、請求項1〜請
求項5のいずれかに記載の平版印刷版包装構造又は請求
項6〜請求項8のいずれかに記載の平版印刷版包装方法
に使用される平版印刷版用包装材であって、前記平版印
刷版を包装した状態で前記重合部となる部分が、これ以
外の部分よりもあらかじめ薄くされていることを特徴と
する。
【0034】従って、平版印刷版包装構造を構成した状
態では、重合部の厚みが薄くなり(好ましくは、平版印
刷版用包装材の厚み以下となり)、平版印刷版を包装し
た状態で重合部が外側に出っ張らなくなるので、荷扱い
が容易になる。
【0035】なお、請求項9に記載の平版印刷版用包装
材を使用した場合であっても、請求項8に記載ように圧
縮工程によって重合部を圧縮してもよい。これにより、
重合部の厚みをさらに薄くすることができる。特に、圧
縮前の重合部の厚みが平版印刷版用包装材の厚みの半分
より厚い場合は、平版印刷版を包装した状態で重合部が
外側(平版印刷版用包装材の厚み方向)に出っ張る。こ
のような場合であっても、圧縮工程によって重合部を圧
縮することで、重合部の厚みをより薄くする(好ましく
は平版印刷版用包装材の厚み以下とする)ことができ
る。
【0036】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の第1実施形態
の平版印刷版包装構造(以下、単に「包装構造」とい
う)30によって平版印刷版10(感光性印刷版又は感
熱性印刷版)の積層束12を包装する初期状態が示され
ている。また、図2〜図4には、本発明の平版印刷版包
装方法によって平版印刷版を包装する工程(包装構造3
0を構成する工程)が順に示されている。
【0037】平版印刷版10は、長方形の板状に形成さ
れた薄いアルミニウム製の支持体上に、塗布膜(感光性
印刷版の場合には感光層、感熱性印刷版の場合には感熱
層)を塗布して形成されている。この塗布膜に、露光、
現像処理、ガム引き等の製版処理が行われ、印刷機にセ
ットされ、インクが塗布されることで、紙面に文字、画
像等が印刷される。なお、本実施形態の平版印刷版10
は、印刷に必要な処理(露光や現像等)が施される前段
階のものであり、場合によっては平版印刷版原版あるい
は平版印刷版材と称されることもある。
【0038】なお、このような構成とされていれば、平
版印刷版10の具体的構成は特に限定されないが、例え
ば、ヒートモード方式およびフォトン方式のレーザ刷版
用の平版印刷版とすることによって、デジタルデータか
ら直接製版可能な平版印刷版とすることができる。
【0039】また、平版印刷版10は、感光層又は感熱
層中の成分を種々選択することによって、種々の製版方
法に対応した平版印刷版とすることができる。本発明の
平版印刷版の具体的態様の例としては、下記(1)〜
(11)の態様が挙げられる。 (1) 感光層が赤外線吸収剤、熱によって酸を発生す
る化合物、および酸によって架橋する化合物を含有する
態様。 (2) 感光層が赤外線吸収剤、および熱によってアル
カリ溶解性となる化合物を含有する態様。 (3) 感光層が、レーザ光照射によってラジカルを発
生する化合物、アルカリに可溶のバインダー、および多
官能性のモノマーあるいはプレポリマーを含有する層
と、酸素遮断層との2層を含む態様。 (4) 感光層が、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層
との2層からなる態様。 (5) 感光層が、多官能性モノマーおよび多官能性バ
インダーとを含有する重合層と、ハロゲン化銀と還元剤
を含有する層と、酸素遮断層との3層を含む態様。 (6) 感光層が、ノボラック樹脂およびナフトキノン
ジアジドを含有する層と、ハロゲン化銀を含有する層と
の2層を含む態様。 (7) 感光層が、有機光導電体を含む態様。 (8) 感光層が、レーザー光照射によって除去される
レーザー光吸収層と、親油性層および/または親水性層
とからなる2〜3層を含む態様。 (9) 感光層が、エネルギーを吸収して酸を発生する
化合物、酸によってスルホン酸またはカルボン酸を発生
する官能基を側鎖に有する高分子化合物、および可視光
を吸収することで酸発生剤にエネルギーを与える化合物
を含有する態様。 (10) 感光層が、キノンジアジド化合物と、ノボラ
ック樹脂とを含有する態様。 (11) 感光層が、光又は紫外線により分解して自己
もしくは層内の他の分子との架橋構造を形成する化合物
とアルカリに可溶のバインダーとを含有する態様。
【0040】特に、近年では、レーザーで露光する高感
度感光タイプの塗布膜を塗布した平版印刷版や、感熱タ
イプの平版印刷版が使用されることもあるが(例えば上
記した(1)〜(3)の態様等)、このような高感度タ
イプの平版印刷版の場合には、本発明の平版印刷版用包
装構造30を適用して包装することで、画像形成面(塗
布膜が形成された面)の品質低下を確実に防止できる。
【0041】平版印刷版10の形状等は特に限定され
ず、例えば、厚み0.12〜0.5mm、長辺(幅)3
00〜2050mm、短辺(長さ)200〜1500m
mのアルミニウム板の片面又は両面に感光層又は感熱層
が塗布されたもの等とすることができる。
【0042】そして、図1からも分かるように、塗布膜
を保護する合紙14と、平版印刷版10と、を交互に厚
み方向に重ね合わせ、さらに重ね合わせ方向の両端面
(天面及び底面)に平版印刷版10と略同サイズの保護
用厚紙22を配置して、平版印刷版10の積層束12が
構成されている。1つの積層束12を構成する平版印刷
版10の数は特に限定されないが、運搬や保管の効率化
の観点等から、例えば10枚〜100枚とすることがで
きる。また、このように10枚〜100枚の平版印刷版
10によって積層束12を構成した場合には、平版印刷
版10と保護用厚紙22とがずれないように、粘着テー
プ等の固定手段でこれらを固定することが好ましい。ま
た、さらに多くの平版印刷版10によって積層束12を
構成し、より効率的に(少ない荷扱いの回数で)運搬や
保管をできるようにすることも可能である。例えば、平
版印刷版10の枚数を最大で4000枚程度とし、平版
印刷版10の20〜100枚ごとに保護用厚紙22を入
れるようにしてもよい。さらに、平版印刷版10の枚数
を最大で4000枚程度とし、その上下にのみ保護用厚
紙22を配置してもよい。加えて、平版印刷版10の種
類によっては、保護用厚紙22を省略してもよい。
【0043】合紙14としては、例えば、漂白クラフト
パルプから抄造した坪量20〜60g/m2、密度0.
7〜0.85g/cm3、水分4〜6%、ベック平滑度
10〜800秒、PH4〜6の紙を使用し、このような
構成の合紙14を平版印刷版10の感光層(又は感熱
層)に密着させて使用することができる。なお、平版印
刷版10の種類によっては、合紙14を省略してもよ
い。
【0044】保護用厚紙22としては、例えば、故紙か
ら抄造した坪量200〜1500g/m2、密度0.7
〜0.85g/cm3、水分4〜6%、ベック平滑度3
〜20秒、PH4〜6の紙を使用することができる。
【0045】本実施形態の包装構造30では、段ボール
製の包装材20を使用して平版印刷版10の積層束12
を包装している。
【0046】この包装材20は、図1からも分かるよう
に、包装材20上に置かれた積層束12の底面から前面
12F及び天面12Uに接触するように巻き付け、さら
に後面12Bに、包装材20の長手方向両端部を重ね合
わせることが可能となるように、十分な長さL1を有し
ている。また、このように積層束12に巻きつけた状態
で、幅方向の端部が積層束12の外側において重ね合わ
さるように、十分な幅W1を有している。
【0047】従って、図1に矢印Aで示すように包装材
20を積層束12に巻き付けると、図2(A)に示すよ
うに、包装材20の長手方向端部が、積層束12の後面
12Bに折り重なって重合部24が構成される。この重
合部24を接着剤により接着する。なお、図2(A)で
は、包装材20のうち、上側のはみ出し部分を先に折り
こみ、ついで下側のはみ出し部分を折りこんで重合部2
2を構成しているが、この上下関係は全く逆になってい
てもよい。
【0048】また、図2(B)に示すように、包装材2
0の幅方向両端は、積層束12の側面12Sよりも外側
にはみ出しているので、図3に示すように、このはみ出
し部分を上下方向に押しつぶすようにして重合させ、接
着剤で接着して重合部26を構成する。これにより、平
版印刷版10の積層束12の外側全体に包装材20が配
置されると共に、重合部24、26の全てが封止される
(なお、図3及び図4では、図2(B)と同一の箇所の
断面図としている)。
【0049】最後に、図4に示すように、接着された重
合部26を、積層束12の側面12Sに沿うように折り
曲げて接着し、折り曲げ部28を形成する。以上によ
り、本実施形態の平版印刷版包装構造30が構成され
る。なお、包装材20を接着して重合部24、26を構
成するための接着手段としては、上記した接着剤に限ら
れる、例えば粘着テープ等を使用してもよい。これらの
接着剤や粘着テープを使用すると、重合部24、26を
容易に封止でき、好ましい。
【0050】なお、図3及び図4では、積層束12の側
面12Sからはみ出した包装材20のうち、上側のはみ
出し部分を下側のはみ出し部分に向かって折りこんで重
合部26を構成し、この重合部を上方へ折り上げて折り
曲げ部28を構成しているが、この上下関係は全く逆に
なっていてもよい。
【0051】このように、本実施形態の平版印刷版包装
構造30では、平版印刷版10の積層束12の周囲に包
装材20が配置されると共に、重合部24、26の全て
が積層束12(平版印刷版10)の外側全体に渡って封
止されることで、積層束12が外部から完全に隔離され
る。このため、外部の光が包装された平版印刷版10の
積層束12に達しなくなり、平版印刷版10は確実に遮
光されるので、いわゆる光被りが生じない。特に、本実
施形態の平版印刷版包装構造30では、折り曲げ部28
を形成することで、外部から平版印刷版10のまでの直
線的な経路を遮っている。光は直進性を有するので、こ
のように直線的な経路を遮ることで、外部の光が平版印
刷版10にさらに達しにくくなり、平版印刷版10はさ
らに確実に遮光される。
【0052】しかも、本実施形態の平版印刷版包装構造
30自体が一定の遮光性を有しているので、従来のアル
ミクラフト紙等のような、廃却が困難な包装材料を使用
する必要がない。すなわち、包装材20として、上述の
段ボール等、廃却が容易な材料(後述するハニカム構造
の紙や厚紙、クラフト紙等)を使用することができ、低
コストで平版印刷版包装構造30を構成して平版印刷版
10の積層束12を包装できる。また、段ボールやハニ
カム構造の紙(ハニカム構造材)、厚紙、クラフト紙等
は、使用後においても必要な強度や剛性等の条件を満た
している場合にはリユースでき、リユース不能の場合で
あっても故紙としてリサイクルすることができるため、
廃材の量を従来より減らすことが可能になる。
【0053】また、本実施形態の平版印刷版包装構造3
0では、平版印刷版10の積層束12の周囲の全ての部
分に包装材20が配置されていることになる。このた
め、運搬時や保管時などに外部から物が当たったりして
も、このエネルギーが段ボールによって吸収される。平
版印刷版10には外力が作用しないか、作用しても、実
質的に変形や傷を生じさせない程度に外力が弱められて
(エネルギーが吸収されて)作用するので、平版印刷版
10は、角や辺、内部等いずれの部位も変形したり傷つ
いたりしない。このため、この包装構造30によって包
装された平版印刷版10を搬送後あるいは保管後に使用
し感光や感熱によって現像した際に、像がぼけたり、印
刷した際にインクが不均一になる等の問題が生じること
がなく、常に鮮明な画像を得ることが可能となる。
【0054】なお、上記説明では、折り曲げ部28を形
成することでさらに遮光性が高められた平版印刷版包装
構造30を例に挙げて説明したが、重合部24、26を
封止することで十分な遮光性、断熱性及び防湿性を確保
できる場合には、折り曲げ部28は形成されていなくて
もよい。
【0055】また、折り曲げ部28の具体的形状として
も、上記したものに限られない。例えば図5(A)に示
すように、重合部24の幅方向中央で折り返してさらに
重合させてもよい。また、図5(B)に示すように、重
合部24の幅が十分長くなるように包装材20の幅W1
(図1参照)を設定し、重合部24を積層束12の天面
12Uに向かってさらに折り曲げてもよい。加えて、折
り曲げ部28は、重合部24が屈曲されることで形成さ
れている必要はなく、例えば図5(C)に示すようにロ
ール状に丸めた折り曲げ部28であってもよい。すなわ
ち、図5に示したいずれの折り曲げ部においても、重合
部24の間で外部から平版印刷版10に達する直線的な
経路が遮られており、平版印刷版10の光被りがさらに
効果的に防止される。
【0056】重合部26を封止する構成としても、上記
した接着剤に限られない。すなわち、重合部26を確実
に封止できるものであればよく、例えばクリップで重合
部26を留めたり、ベルトを包装構造30の全体に巻き
つけて外側から押さえつけて封止してもよいが、接着剤
を使用すれば部品点数が増加したり、包装構造30が嵩
張ったりすることなく、簡単な構成で重合部26を確実
に封止でき、好ましい。
【0057】図6には、本発明の第2実施形態の平版印
刷版包装構造40を構成する工程が(A)〜(C)へと
順に示されている。以下、第1実施形態と同一の構成要
素、部材等については同一符号を付して説明を省略す
る。
【0058】第2実施形態の包装材42は、この包装材
42の略中央に積層束12を置いて、包装材42の長手
方向両側を天面12Uに接触するように巻き付けると、
長手方向両端部(先端近傍部分)が重ね合わさるよう
に、十分な長さL2を有している。また、このように積
層束12に巻きつけた状態で、図6(C)に示すように
幅方向の端部が積層束12の外側において重ね合わさる
ように、十分な幅W2を有している。
【0059】図6(A)から分かるように、包装材42
の長手方向両端部(天面12U上で重なる部分)は、予
めその厚みT2が包装材42自体の厚みT1の約半分に
形成された薄肉部44とされている。従って、図6
(B)及び(C)に示すようにこの薄肉部44を重ね合
わせて接着し、重合部46を構成すると、重合部46の
厚みが包装材42自体の厚みとほぼ等しくなる。
【0060】また、第1実施形態の包装材20と同様、
包装材42の幅方向両端部分、すなわち積層束12の側
面12Sよりも外側にはみ出した部分を上下方向に押し
つぶすようにして重合させ、接着剤で接着して重合部4
8を構成する。これにより、平版印刷版10の積層束1
2の外側全体に包装材42が配置されると共に、重合部
46、48の全てが封止される。
【0061】なお、第2実施形態においても第1実施形
態と同様、重合部48を積層束12の側面12Sに沿う
ように折り曲げて接着し、図4あるいは図5(A)〜
(C)に示す形状の折り曲げ部28を形成してもよい。
【0062】このように、第2実施形態の包装材42で
は、平版印刷版包装構造40を構成した状態で重合部4
6となる部分が、あらかじめ包装材42自体よりも薄い
薄肉部44とされている。従って、平版印刷版包装構造
40において、重合部46が外側に出っ張ることがな
い。このため、例えば平版印刷版包装構造40を厚み方
向に積層した場合に、平版印刷版包装構造40どうしの
接触面積が広くなり、安定して荷扱いできる。
【0063】薄肉部44の厚みT2としては、必ずしも
包装材42自体の厚みT1の半分程度とされている必要
はなく、例えば半分以上であっても、重合部46の出っ
張りを少なくすることは可能であるが、出っ張りを完全
になくすためには包装材42自体の厚みT1の半分以下
とされていることが好ましい。また、薄肉部44の厚み
T2をあまりに薄くすると平版印刷版包装構造40を構
成した状態で重合部46の強度が低下するので、このよ
うな強度低下を防止する観点からは、厚いほうがよい。
従って、これらの条件をすべて勘案すると、薄肉部44
の厚みT2は包装材42自体の厚みT1の半分程度とさ
れていることが好ましい。
【0064】また、重合部46の出っ張りを少なくする
(好ましくは完全に無くす)ための構成としては、必ず
しも予め包装材42に薄肉部44を形成しておく構成に
限られない。すなわち、包装材42としては薄肉部44
が形成されておらず、一様な厚みを有するものを使用
し、図6(B)に示すように重合部46を構成した状態
で厚み方向に圧縮して、重合部46の厚みを薄くしても
よい。さらに、薄肉部44が形成された包装材42を使
用した場合であっても、重合部46を構成した状態で厚
み方向に圧縮して、重合部46の厚みをさらに薄くして
もよい。
【0065】薄肉部44を形成する方法や、薄肉部44
の具体的構成は特に限定されないが、包装材42が段ボ
ール製であることを考慮すると、例えば、コルゲータ等
の段ボール製造装置によって段ボールを製造する工程の
最後で段ボールを部分的に圧縮し、薄肉部44を形成す
ることもできる。また、包装材42を、複数枚(例えば
2枚)の段ボールを貼り合わせて形成し、薄肉部44に
ついては段ボールの枚数を減らす(例えば1枚)ような
構成や、包装材42を複両面段ボールで形成し、薄肉部
44については両面段ボールとする(中しん及びライナ
ーの一部を省略する)ような構成でもよい。
【0066】また、包装材20、42は必ずしも1枚で
平版印刷版10の積層束12を包装可能とされている必
要はなく、複数枚の包装材によって積層束12を包装で
きるような構造でもよい。例えば、図7に示すように、
積層束12の天面12Fよりも大きく形成された2枚の
包装材32を使用してもよい。この場合には、例えば、
積層束12を上下から挟むようにしてそれぞれの包装材
32を積層束の天面12F及び底面に接触させ、天面1
2U及び底面からはみ出した部分の包装材32を重合さ
せて、接着剤等により封止すればよい。これにより、平
版印刷版10は包装材32によって遮光、断熱及び防湿
された状態で包装される。なお、必要に応じ、例えば図
4、図5(A)〜(C)に示すように重合部を折り曲げ
て折り曲げ部を構成し、さらに遮光性を高めてもよい。
【0067】図8には、本発明の第3実施形態の平版印
刷版包装構造60が示されている。また、図9には、こ
の平版印刷版包装構造60を構成する段ボール製の包装
箱62が展開図にて示されている。
【0068】この包装箱62は、図9に示す展開図から
も分かるように、底面板72の短辺側及び上面板74の
短辺側に、底面積層板76及び上面積層板78が隣接し
て設けられている。底面積層板76及び上面積層板78
には複数の折り曲げ線80が形成されており、この折り
曲げ線80で折り曲げることで、図8に示すように、組
立状態では渦巻き状の積層部82、84が構成される。
そして、包装箱70に外部から大きな力が作用しても、
積層束12を構成する平版印刷版10には、少なくとも
品質上問題となるような傷や変形が生じない程度に確実
に保護される。
【0069】上面板74のそれぞれからは、さらに図9
における幅方向に延長された延長部86が形成されてい
る。図8から分かるように、包装箱62が組み立てられ
た状態で、この延長部86が積層束12の天面12U上
で重合する重合部88となる。また、積層部82、84
も積層束12の側面12Sの外側で重合する重合部90
となっている。
【0070】従って、図8から分かるように、この包装
箱62によって構成された第3実施形態の平版印刷版包
装構造60においても、第1実施形態の平版印刷版包装
構造30や第2実施形態の平版印刷版包装構造40と同
様、平版印刷版10の積層束12の周囲に包装材(包装
箱62を構成する段ボール)が配置される.そして、重
合部88、90の全てが積層束12(平版印刷版10)
の外側全体に渡って封止されることで、積層束12が外
部から完全に隔離される。このため、外部の光が包装さ
れた平版印刷版10の積層束12に達しなくなり、平版
印刷版10は確実に遮光されるので、いわゆる光被りが
生じない。なお、重合部88、90の封止には、第1実
施形態及び第2実施形態と同様、接着手段を使用するこ
とができる。接着手段としては、接着剤や粘着テープを
使用することが好ましい。
【0071】なお、図8では、重合部88全体の厚みが
包装箱62を構成する段ボールの厚みと等しくされるこ
とで、重合部88が外側に出っ張らないように構成され
たものを示している。これにより、第2実施形態と同様
に、平版印刷版包装構造60を厚み方向に積層した場合
に、平版印刷版包装構造60どうしの接触面積が広くな
り、安定して荷扱いできる。このように、重合部88が
外側に出っ張らないようにするための構成としては、第
2実施形態と同様に、予め延長部86の厚みがこれ以外
部分の厚みよりも薄くされた(好ましくは半分程度とさ
れた)段ボールを使用することができる。あるいは、段
ボールとしては一様な厚さのものを使用し、重合部88
を構成した後に厚み方向に圧縮して重合部88の厚みを
薄くしてもよい。
【0072】また、重合部88、90の構成としても図
8及び図9に示したものに限られない。例えば、図10
及び図11に示す包装箱92では、一方の上面板74の
みから、延長部86が形成されている。すなわち、この
ような構成でも、図10から分かるように、上面板74
の一部と延長部86とで重合部88が構成される。な
お、重合部88を外側に出っ張らないようにするために
は、上面板74の一部(重合部88となる部分)と延長
部86との厚みを予め薄くした段ボールを使用してもよ
いし、重合部88を構成した後に厚み方向に圧縮しても
よい。
【0073】図12及び図13に示す包装箱102で
は、上面板74だけでなく、上面積層板78からも延長
部104が形成されている。従って、図13から分かる
ように、上側の積層部84は2枚の段ボールが重なった
状態でさらに渦巻状に構成される。なお、この構成で
は、積層部84の中央部分(延長部104に対応する部
分)の高さが高くなり、上面板74よりも上方に出っ張
る可能性がある。従って、延長部104の板厚を予め薄
くしたり、積層部82を構成した後に圧縮する等によっ
て高さを低くし、上方に出っ張らないようにすることが
特に好ましい。
【0074】もちろん、図12及び図13に示す包装箱
102だけでなく、図8及び図9に示す包装箱62や、
図10及び図11に示す包装箱92においても、重合部
90(すなわち、積層部82、84を上下方向に圧縮し
てもよい。
【0075】本実施形態の包装構造30、40、60を
構成する包装材は、上記した段ボール製の包装材20、
42及び包装箱62、92、102に限られず、それ自
体として十分な遮光性を有するものであれば使用でき
る。例えば、段ボールに代えて、ハニカム構造の紙(ハ
ニカム構造材)や一般的なクラフト紙、厚紙等を使用す
ることが可能である。また、これらの材料はリサイクル
も可能であるため、省資源という観点からも好ましい。
【0076】包装材(又は包装箱)として段ボールを使
用する場合には、強度及び剛性の観点から、以下の構成
とすることが好ましい。
【0077】まず、段ボールの段(フルート)を好まし
い順に挙げると、Aフルート、Cフルート、Bフルー
ト、Eフルートである。段ボールの層構成を好ましい順
に挙げると、複々両面段ボール(AAA等)、複両面段
ボール(AA等)、両面段ボール(A等)である。
【0078】段ボールの表ライナー及び裏ライナーの級
を好ましい順に挙げると、AA級、A級、B級、C級で
あり、表ライナー及び裏ライナーの坪量としては、16
0(g/m2)以上440(g/m2)以下である。段ボ
ールの中しんの種類を好ましい順に挙げると、強化中し
ん、A級、B級、C級であり、中しんの坪量としては、
100(g/m2)以上280(g/m2)以下である。
【0079】また、段ボールに代えて紙製のハニカム構
造材を使用する場合には、上記した段ボールと同様の表
ライナー、裏ライナー及び中しんであることが好まし
い。
【0080】さらに、段ボールに代えて厚紙を使用する
場合には、坪量が200(g/m2)以上2000(g
/m2)以下であることが好ましい(なお、段ボール及
びハニカム構造材の表ライナー、裏ライナー及び中しん
の坪量や、厚紙の坪量は、数値が大きい程強度が高くな
る)。。
【0081】特に、段ボールや紙製のハニカム構造材
は、一般に強度の高いものほど高価であるため、必要な
強度が得られ、且つ比較的安価とするために、段がAフ
ルート又はABフルート、層構成がA又はAB、表ライ
ナー及び裏ライナーの種類及び坪量がそれぞれA級また
はB級で280〜180(g/m2)程度、中しんの種
類及び坪量が強化中しん、B級又はC級で220〜12
0(g/m2)程度のものを使用することがより好まし
い。
【0082】また、これらの材料に、包装材の厚み方向
の水分透過を制限する防湿層が設けられたものを使用し
てもよい。特に、平版印刷版の種類によっては、塗布膜
(感光層又は感熱層)が周囲の湿度変化やこれに起因す
る結露等によって変質しやすい場合がある。このような
平版印刷版を包装する場合には、防湿層が設けられた包
装材を使用して本発明の平版印刷版包装構造を構成する
と、外部の湿度変化に対して平版印刷版包装材が緩衝作
用を奏し、湿度変化の影響を平版印刷版は受けにくくな
って、感光層又は感熱層の変質がより確実に防止され
る。
【0083】防湿層の具体的構成も、包装される平版印
刷版の種類に応じて、平版印刷版を防湿できるものであ
れば特に限定されないが、例えば、上記した包装材2
0、42を構成する段ボール等の表面に樹脂をラミネー
トしたものを挙げることができる。この樹脂の材料とし
ては、低密度ポリエチレン(LDPE)を挙げることが
できる。また、低密度ポリエチレンの厚みは5μm以上
100μm以下とすると、十分な防湿性を確保できると
共に、過剰に多くの樹脂を使用しないので低コストとな
る。
【0084】防湿剤の他の例として、段ボール等の表面
に防湿剤を塗布したものでもよい。防湿剤として故紙回
収可能なものを使用すると、包装材のリサイクルが容易
になるので、好ましい。
【0085】防湿層の透湿度も、包装される平版印刷版
の種類に応じて必要な防湿性を確保できれば限定されな
いが、例えば,JIS Z 0208に規定される透湿
度を50(g/m2・24h)以下とすると、確実に平
版印刷版を防湿できる。
【0086】このような防湿層が設けられた包装材を使
用して平版印刷版を包装する場合、防湿層が内側になる
ように包装すると、包装材自体に含まれている水分の影
響も平版印刷版は受けることがなくなるので、より好ま
しい。
【0087】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、平版印刷版
を包装する平版印刷版包装構造であって、平版印刷版の
周囲に配置される平版印刷版用包装材と、前記平版印刷
版用包装材に、この平版印刷版用包装材どうしが部分的
に重なり合うように設けられた重合部と、を有し、前記
重合部が前記平版印刷版の外側全体に渡って封止されて
いるので、平版印刷版を確実に遮光でき、しかも、低コ
ストで平版印刷版を包装できる。
【0088】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記重合部に、外部から前記平版印
刷版までの直線的な経路を遮る折り曲げ部が設けられて
いるので、平版印刷版をさらに確実に遮光できる。
【0089】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、前記重合部が接着手段
によって接着され封止されている、簡単な構造で重合部
を封止できる。
【0090】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれかに記載の発明において、前記平版印刷
版用包装材に、厚み方向の水分移動を制限する防湿層が
設けられているので、、平版印刷版は外部から遮光され
るだけでなく、防湿され、感光層又は感熱層の変質がよ
り確実に防止される。
【0091】請求項5に記載の発明では、請求項4に記
載の発明において、前記防湿層の透湿度が50(g/m
2・24h)以下とされているので、確実に平版印刷版
を防湿できる。
【0092】請求項6に記載の発明では、平版印刷版を
包装する包装方法であって、平版印刷版用包装材を平版
印刷版の周囲に配置すると共に、平版印刷版用包装材ど
うしを部分的に重なり合せて重合部を構成する配置工程
と、前記配置工程によって構成された前記重合部を平版
印刷版の外側全体に渡って封止する封止工程と、を有す
るので、平版印刷版を確実に遮光でき、しかも、低コス
トで平版印刷版を包装できる。
【0093】請求項7に記載の発明では、請求項6に記
載の発明において、前記配置工程によって構成された前
記重合部に、外部から平版印刷版までの直線的な経路を
遮る折り曲げ部を形成する折り曲げ工程、を有するの
で、平版印刷版をさらに確実に遮光できる。
【0094】請求項8に記載の発明では、請求項6又は
請求項7に記載の発明において、前記配置工程によって
構成された前記重合部を、平版印刷版用包装材の厚み方
向に圧縮する圧縮工程、を有するので、重合部の厚みが
薄くなり、平版印刷版を包装した状態で重合部が外側に
出っ張らなくなるので、荷扱いが容易になる。
【0095】請求項9に記載の発明では、請求項1〜請
求項5のいずれかに記載の平版印刷版包装構造又は請求
項6〜請求項8のいずれかに記載の平版印刷版包装方法
に使用される平版印刷版用包装材であって、前記平版印
刷版を包装した状態で前記重合部となる部分が、これ以
外の部分よりもあらかじめ薄くされているので、重合部
の厚みが薄くなり、平版印刷版を包装した状態で重合部
が外側に出っ張らなくなるので、荷扱いが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る平版印刷版包装構
造において平版印刷版を包装する初期状態を示す斜視図
である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る平版印刷版包装構
造において平版印刷版を包装する工程を示し、(A)は
平版印刷版用包装材の長さ方向に破断した断面図、
(B)は幅方向に破断した断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る平版印刷版包装構
造において平版印刷版を包装する工程を平版印刷版用包
装材の長さ方向に破断して示す断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る平版印刷版包装構
造によって平版印刷版を包装した状態を平版印刷版用包
装材の長さ方向に破断して示す断面図である。
【図5】(A)〜(C)は、本発明の第1実施形態に係
る平版印刷版包装構造の折り曲げ部の別の例を示す断面
図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る平版印刷版包装構
造を構成する工程を(A)〜(C)へと順に示す斜視図
である。
【図7】図1〜図6に示すものとは異なる本発明の平版
印刷版包装構造において平版印刷版を包装する初期状態
を示す斜視図である。
【図8】本発明の第3実施形態の平版印刷版包装構造を
一部破断して示す斜視図である。
【図9】本発明の第3実施形態の平版印刷版包装構造を
構成する包装箱を示す展開図である。
【図10】本発明の第3実施形態の変形例の平版印刷版
包装構造を一部破断して示す斜視図である。
【図11】本発明の第3実施形態の変形例の平版印刷版
包装構造を構成する包装箱を示す展開図である。
【図12】本発明の第3実施形態のさらに別の変形例の
平版印刷版包装構造を一部破断して示す斜視図である。
【図13】本発明の第3実施形態のさらに別の変形例の
平版印刷版包装構造を構成する包装箱を示す展開図であ
る。
【図14】従来の平版印刷版包装構造を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10 平版印刷版 12 積載束 20 平版印刷版包装材 24 重合部 26 重合部 28 折り曲げ部 30 平版印刷版包装構造 40 平版印刷版包装構造 42 包装材 44 薄肉部 46 重合部 48 重合部 60 平版印刷版包装構造 62 包装箱(平版印刷版包装材) 88 重合部 90 重合部 92 包装箱(平版印刷版包装材) 102 包装箱(平版印刷版包装材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 3/00 510 G03C 3/00 510C 566 566K 570 570E 585 585C 590 590B 590F 590E Fターム(参考) 3E066 AA14 BA05 CA04 GA01 HA05 JA03 NA60 3E067 AA12 AB39 AC03 BA06A BA19A BA20A BB02A CA05 CA12 CA13 EA04 EA24 EC32 3E086 AD02 BA04 BA14 BA15 BB21 BB22 BB23 BB24 BB42 CA40

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平版印刷版を包装する平版印刷版包装構
    造であって、 平版印刷版の周囲に配置される平版印刷版用包装材と、 前記平版印刷版用包装材に、この平版印刷版用包装材ど
    うしが部分的に重なり合うように設けられた重合部と、 を有し、 前記重合部が前記平版印刷版の外側全体に渡って封止さ
    れていることを特徴とする平版印刷版包装構造。
  2. 【請求項2】 前記重合部に、外部から前記平版印刷版
    までの直線的な経路を遮る折り曲げ部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版包装構
    造。
  3. 【請求項3】 前記重合部が接着手段によって接着され
    封止されていることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の平版印刷版包装構造。
  4. 【請求項4】 前記平版印刷版用包装材に、厚み方向の
    水分移動を制限する防湿層が設けられていることを特徴
    とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の平版印刷
    版包装構造。
  5. 【請求項5】 前記防湿層の透湿度が50(g/m2
    24h)以下とされていることを特徴とする請求項4に
    記載の平版印刷版包装構造。
  6. 【請求項6】 平版印刷版を包装する包装方法であっ
    て、 平版印刷版用包装材を平版印刷版の周囲に配置すると共
    に、平版印刷版用包装材どうしを部分的に重なり合せて
    重合部を構成する配置工程と、 前記配置工程によって構成された前記重合部を平版印刷
    版の外側全体に渡って封止する封止工程と、 を有することを特徴とする平版印刷版包装方法。
  7. 【請求項7】 前記配置工程によって構成された前記重
    合部に、外部から平版印刷版までの直線的な経路を遮る
    折り曲げ部を形成する折り曲げ工程、 を有することを特徴とする請求項6に記載の平版印刷版
    包装方法。
  8. 【請求項8】 前記配置工程によって構成された前記重
    合部を、平版印刷版用包装材の厚み方向に圧縮する圧縮
    工程、 を有することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載
    の平版印刷版包装方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の
    平版印刷版包装構造又は請求項6〜請求項8のいずれか
    に記載の平版印刷版包装方法に使用される平版印刷版用
    包装材であって、 前記平版印刷版を包装した状態で前記重合部となる部分
    が、これ以外の部分よりもあらかじめ薄くされているこ
    とを特徴とする平版印刷版包装材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007098629A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Fujifilm Corp 平版印刷版の包装体及び包装装置

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