JP2001343763A - 電荷輸送層用塗布液、電子写真感光体および電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
電荷輸送層用塗布液、電子写真感光体および電子写真感光体の製造方法Info
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Abstract
に広い塗布条件で白化せず、電子写真特性が従来のハロ
ゲン系溶媒を用いた時と同等以上であり、広い使用条件
下で画像形成の初期から長期間にわたって電位特性、耐
久性や画像特性、解像度に優れた電子写真感光体の電荷
輸送層用塗布液、それを用いた製造方法および、電子写
真感光体を提供する。 【解決手段】導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層
を積層してなる電子写真感光体において、1,3−ジオ
キソランと芳香族炭化水素溶媒(ベンゼンを除く)を組
み合せて、前記電荷輸送層を構成するための塗布液の溶
媒を調製する。
Description
塗布液、およびそれを用いて製造した電子写真感光体に
関するもので、詳しくは積層感光体の電荷輸送層用塗布
液の溶媒に関するものである。
ン、酸化亜鉛、硫化カドミウム、シリコン等の無機光導
電性化合物を主成分とする感光層を有する無機感光体
が、広く用いられてきた。しかし、これらは感度、熱安
定性、耐湿性、耐久性等において必ずしも満足し得るも
のではなく、また一部の無機感光体では感光体中に人体
に有害な物質を含むため、廃棄に際して問題がある。
的で様々な有機光導電性化合物を主成分とする感光層を
有する有機感光体の研究・開発が近年盛んに行われてい
る。特に電荷発生機能と電荷輸送機能とを異なる物質に
それぞれ分担させた機能分離型の感光体は、それぞれの
材料を広い範囲から選択することができ、所望の性能を
有する感光体を比較的容易に作製し得ることから多くの
研究がなされており、実用に供されているものも多い。
支持体上に電荷発生機能や電荷輸送機能を持つ化合物を
積層塗布して作製される。従って、通常は多層構造を有
し、各層は固体状の化合物を溶媒で溶解した塗工液を、
各種の塗布方式を用いて溶媒塗布することになる。
高い溶解力と適当な沸点を有する溶媒は、意外に少な
い。
上、溶解能や適当な沸点をもつと共に、電子写真感光体
としての特性に悪影響を与えないものでないと使用する
ことができないから、これらをすべて満足する溶媒の必
要性は近年ますます高まっている。
目的は、電子写真感光体を製造する際に広い塗布条件で
白化せず、電子写真特性が従来のハロゲン系炭化水素溶
媒を用いた時と同等以上であり、画像形成の初期から長
期間にわたって電位特性、耐久性や画像特性、解像度に
優れた電子写真感光体の電荷輸送層用塗布液、それを用
いた製造方法および、電子写真感光体を提供することに
ある。
記構成を採ることにより達成される。 (1)導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層を積層
してなる電子写真感光体において、前記電荷輸送層を構
成するための塗布液の溶媒が、1,3-ジオキソランと
芳香族炭化水素(ベンゼンを除く)とからなる混合物で
あることを特徴とする電荷輸送層用塗布液。 (2)前記芳香族炭化水素の沸点が200℃以下(10
1kPa下で)であることを特徴とする(1)に記載の
電荷輸送層用塗布液。 (3)前記1,3-ジオキソランと芳香族炭化水素の混
合比率が10/90〜90/10(重量比)であること
を特徴とする(1)または(2)に記載の電荷輸送層用
塗布液。 (4)バインダー樹脂が前記電荷輸送層用塗布液に溶解
され、該バインダー樹脂がポリカーボネートからなるこ
とを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の
電荷輸送層用塗布液。 (5)バインダー樹脂が前記電荷輸送層用塗布液に溶解
され、該バインダー樹脂がポリアリレートからなること
を特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の電
荷輸送層用塗布液。 (6)酸化防止剤が前記電荷輸送層用塗布液に含有され
ていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1つ
に記載の電荷輸送層用塗布液。 (7)導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層を積層
してなる電子写真感光体において、前記電荷輸送層を構
成するための塗布液の溶媒が、1,3-ジオキソランと
芳香族炭化水素(ベンゼンを除く)とからなる混合物で
あることを特徴とする上記電子写真感光体。 (8)(1)〜(6)のいずれか1つに記載の前記電荷
輸送層用塗布液を用いて製造することを特徴とする電子
写真感光体の製造方法。
はその感光層を形成するために、それらを構成する各固
形材料を溶媒に溶かして塗布するのが一般的な製造方法
である。
構造にした積層感光体の場合、感光層の膜厚の殆どが電
荷輸送層(10〜40μm程度)であり、そのため、電
荷輸送層の塗布液に使う溶媒には、高い溶解性、適当な
沸点をもつことにより感光層内に残留しないこと、沸点
が高すぎて塗布液がダレないことや不純物として残留し
電子写真特性に悪影響を及ぼさないこと等、種々の必要
特性が求められる。
れているポリカーボネートやポリアリレート系バインダ
ーは優れたバインダーとして電子写真感光体の表面層等
に用いられてきた。しかし、これらの塗布溶媒は、メチ
レンクロライド、エチレンクロライド、クロロホルム、
モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の含ハロゲン
系の有機溶媒を組み合わせたものまたは単体である場合
が多い。
トン、酢酸、メチルエチルケトン、トルエン、テトラヒ
ドロフラン(THF)、ジオキサン、シクロヘキサノン
等多数あるが、表面層の結着樹脂として強度的に優れて
いるポリカーボネートやポリアリレート系バインダーに
対して溶解能、塗膜形成時にダレない(適当な沸点を有
する)、更には電子写真感光体となった時に感度的に優
れている、等のあらゆる必要特性を全て満たす非ハロゲ
ン系溶剤はなかなか見つかっていない。特に電荷輸送層
の場合、通常膜厚が15μm以上必要とされるので、高
分子化されたポリカーボネートやポリアリレートをバイ
ンダーとして用いる場合等には、これら高分子の溶解能
が十分である必要がある。
に酸素原子を含む環状エーテルのテトラヒドロフラン等
や酸素原子を2個含むジオキサン等があるが、テトラヒ
ドロフラン等は構造的に不安定なので安定化剤などトラ
ップとなりうるものを相当量添加しなければならず、ま
た、ジオキサン等は毒性が強く、発ガン性の疑いもあり
極力製造工程に投入したくない。
の溶解能が高く、沸点も74〜75℃程度であり、感光
体用塗布液の溶媒に適しているものの、実際の感光体の
製造に当たっては、塗布後の白化(ブラッシング)を避
けるため、狭い範囲での温湿度管理が必要であり、ま
た、電子写真特性的にも感度が十分とれない場合がある
ため、感光体の製造、性能的に制約があった。
点溶媒とし、高沸点溶媒に芳香族炭化水素(ベンゼンを
除く)を組み合わせることにより、固形分(CT材や結
着材など)を広く溶解し、芳香族炭化水素を含有してい
るため塗布〜乾燥の工程で広い温湿度範囲に渡って白化
し難く、かつ、ハロゲン系炭化水素やハロゲン系芳香族
炭化水素を好ましく組み合わせた溶媒と同等かそれ以上
の電子写真特性を発揮する。この時、電荷輸送層の膜厚
プロフィール(膜厚ダレなど)の許容範囲が広ければ、
1,3−ジオキソランに限定することなく、メチル基、
エチル基他の置換基が1個以上ついていて、その沸点が
1,3−ジオキソランより高い1,3−ジオキソラン誘
導体を単体、組み合わせ、または1,3−ジオキソラン
と組み合わせて電荷輸送層用塗布液の1,3−ジオキソ
ラン溶媒としてもよい。
香族炭化水素溶媒の混合比は白化のし易さと乾燥後の膜
厚ダレの関係より所望の混合比を選択することができ、
通常1,3−ジオキソラン/芳香族炭化水素=5/95
〜95/5(重量比)で、より一般的には10/90〜
90/10と広い混合比率で混合溶媒を構成できる。
り、下記の構造を有している。
ール、ケトン、エステル、カルボン酸やエーテル等の脂
肪族溶媒にはみられない脂肪族でありながら、高分子ポ
リカーボネートやポリアリレート等の結着材高分子を溶
解せしめることが可能であり、かつ、電荷輸送材等の低
分子機能材料をも十分溶解させることができる電子写真
感光体の塗布液の良溶媒である。また、沸点も74〜7
5℃程度と感光体の塗布溶媒に適した蒸発特性を備えて
いる。
ンのように無置換のものの他に、トルエン、キシレン、
アニソール、ベンジルアルコール、フェノール、クレゾ
ール、モノクロロベンゼンやジクロロベンゼンなど各種
置換基を有するものも多数ある。この芳香族炭化水素
は、塗布液の構成溶媒として塗布され、しかる後に高温
乾燥にて溶媒を蒸発により除去される工程をとるので、
蒸発し難い溶媒であれば感光層の中に残留溶媒として存
在し、表面層の塗布液であれば、耐摩耗性の障害とな
る。したがって、本発明に係わる芳香族炭化水素は、通
常の乾燥温度とかけ離れた沸点を有するのでは感光体用
塗布液の溶媒に適さないので、常圧下で沸点が200℃
以下であることが好ましい。
例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソー
ル、クロロベンゼンなどである。ただしベンゼンは、人
体への悪影響の知見及び、後述の白化の観点から本発明
の芳香族炭化水素には含めない。
ソランと組み合わせた感光体の電荷輸送層用の塗布液と
することで、脱ハロゲン系溶媒を確立するだけでなく、
塗布〜乾燥時の急激な温度低下を妨げられるため、広い
温湿度にわたって白化(ブラッシング)が防げ、更に、
この組み合わせで他の非ハロゲン系溶媒単体や非ハロゲ
ン系溶媒の組み合わせではみられない良好な電子写真特
性(感光体の初期から耐久後にわたり高感度/低残留電
位を維持)を発現することが可能となる。
上に電荷輸送層を積層した感光体の電荷輸送層の塗布液
の低沸点良溶媒に適当量の芳香族炭化水素(蒸発の遅い
溶媒)が混合されていることで、芳香族炭化水素のポリ
カーボネートやポリアリレート等の結着材や各種電荷輸
送材への高溶解能をもちながらも、電荷発生層に用いら
れる樹脂(各種アセタール樹脂など)を膨潤させること
はできても自由に溶解させることはできない。そのた
め、電荷発生層と電荷輸送層の界面を残しつつも、電荷
輸送層塗布液は十分に電荷発生層を濡らすことができる
ので、結果として非常に広い面積の電荷発生層/電荷輸
送層界面を形成することができ、かつ、顔料を覆う樹脂
を溶解せしめることはないこと、等が高感度の一因と考
えられる。
に微少量残留しても他の脂肪族飽和炭化水素や極性の強
い有機化合物等に比べて、電荷の電導性や移動性の妨げ
になることが幾分小さくなることも期待できる。
化水素の感光体中に含まれる残留含有量は電荷輸送層厚
さ、バインダーとの親和性、塗布スピード、ドラム径、
工程プロセス等によって微妙に変わってくるので、実際
はドラム中の含有量分析によって確認後生産するのがよ
い。含有量制御は乾燥温度、乾燥時間、乾燥風速、風量
等の好ましい組み合わせにより行われる。
留含有量の検出は当業者においてよく知られている方
法、例えばガスクロマトグラフィー等により定量でき
る。
溶解させるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート
やポリアリレート等があり、これらのバインダーは公知
であり、各種資料例えば、特開平07−092703号
公報や特開平10−020523号公報などに記述され
ている。これらポリカーボネートやポリアリレートの例
を以下に示すが、これらに限定されるものではない。な
お、例示中のnおよびmは重合度(モル比)を表す。
防止剤(AO剤)の添加を行ってもよい。その際、用い
られる酸化防止剤としては、電子写真特性に悪影響を及
ぼすものでなければ特に化学構造等に限定はない。好ま
しく用いられる化合物の例としては、例えばヒンダード
アミン構造単位もしくはヒンダードフェノール構造単位
を有するもの、或いはその双方を有するもの、有機リン
系化合物、有機硫黄系化合物、ハイドロキノン系化合
物、フェニルアミン系化合物等があるが、これらに限定
されるものではない。 (1)ヒンダードフェノール構造単位を有する化合物例
誘導体)
ノール構造単位を有するものが、塗布液組成物の安定性
と成膜された感光体の繰り返し特性や電位の安定性の点
で有利であり、酸化防止剤の異種混合物を用いてもよ
い。
ンに対して30〜1000ppmが好ましく、添加量が少
ないと塗布液の経時劣化が早く、添加量が多すぎると電
子写真特性に悪影響を及ぼす(感度劣化、残留電位の増
加など)ので、所望の液保存期間に応じてできるだけ少
ない添加量にとどめるのが好ましい。
について説明する。
送層と電荷発生層に分離した積層型であり、表面層は電
荷輸送層である方がより機能を発現できる。
のであればよく、アルミニウム、ステンレスなどの金
属、あるいは導電層を設けた金属、紙、プラスチックな
どが挙げられ、形状はシート状、円筒状などが挙げられ
る。
電層を設けてもよい。これはカーボンブラック、金属粒
子などの導電性粉体をバインダー樹脂に分散させて形成
することができる。導電層の膜厚は5〜40μm、好ま
しくは10〜30μmが適当である。
る。中間層の材料としてはポリアミド、ポリビニルアル
コール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、カ
ゼイン、ポリウレタン、ポリエーテルウレタンなどが挙
げられる。これらは適当な溶剤に溶解して塗布される。
中間層の膜厚は0.05〜5μm、好ましくは0.3〜
1μmが適当である。
本発明に用いられる電荷発生層としては、電荷発生材料
およびバインダー樹脂を溶剤中に分散させた塗料を塗工
乾燥して形成する。機能分離型の場合、電荷発生層は電
荷発生材料を結着剤樹脂および溶剤とともにホモジナイ
ザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サン
ドミル、アトライター、ロールミルおよび液衝突型高速
分散機などの方法でよく分散する。ここで用いる電荷発
生材料としてはピリリウム、チアピリリウム系染料、フ
タロシアニン、アントアントロン、ジベンズピレンキノ
ン、トリスアゾ、シアニン、ジスアゾ、モノアゾ、イン
ジゴ、キナクリドン、非対称キノシアニン系の各顔料が
挙げられる。バインダー樹脂としては、例えばポリエス
テル樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリビニルカルバゾール
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリス
チレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリサルフォ
ン樹脂、ポリアリレート樹脂、塩化ビニルデン、ポリビ
ニルベンザール樹脂、ポリブチラール樹脂などが主とし
て用いられる。顔料とバインダー樹脂の比率(重量比)
は1/0.1〜1/10が好ましく、より好ましくは1
/1〜3/1である。分散液を塗布、乾燥させて形成さ
れる電荷発生層の膜厚は5μm以下、好ましくは0.1
〜2μmが適当である。
着材(バインダー)とを本発明に基づく混合溶媒中に溶
解させた塗料を塗工/乾燥して形成する。用いられる電
荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ヒ
ドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合
物、オキサゾール系化合物、トリアリールメタン系化合
物、チアゾール系化合物などの低分子化合物が挙げられ
る。電荷輸送層のバインダーとしては、例えば、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアクリレー
ト樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレ
ン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸
エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるわけでは
ない。電荷輸送材は、0.5〜2倍量のバインダー樹脂
と組み合わされ、塗工、乾燥し電荷輸送層を形成する。
電荷輸送層の膜厚は5〜40μm、好ましくは15〜3
0μmが適当である。
て説明する。
を示した。本例は転写式複写機もしくはプリンタであ
り、1の感光体、2の帯電ローラ、4の現像器と8のク
リーニングブレードが9のプロセスカートリッジ枠体の
中に組み込まれたカートリッジ方式の場合の例である。
光体でドラム型のものである。この電子写真感光体1は
矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)を
もって回転駆動される。
帯電ローラである。この帯電ローラ2は該帯電ローラに
圧接した感光体1の回転に従動して回転し、バイアス電
源(不図示)からAC電圧を重畳されたDC電圧が印加
される。この帯電ローラ2により感光体1の周面が所定
の極性/電位に一様に帯電される。その感光体1の帯電
処理面に不図示の露光手段(レーザービームスキャナな
ど)により目的画像情報の露光3がなされて、感光体1
面に目的画像情報に対応した静電潜像が形成されてい
く。
子(トナー)で正規現像または反転現像により可転写粒
子像(トナー像)として顕画化される。
体に圧接している転写ローラ5との間に給送された用紙
6に転写される。この時、転写ローラ5にはバイアス電
源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイア
ス電圧が印加されている。
から分離されて定着ローラ7へ搬送されてトナー像の定
着処理を受ける。
(クリーニングブレード)8により転写残りトナーなど
の付着物の除去を受け、全工程を終了する。
支持体とし、それに、以下の材料より構成される塗料を
支持体上に浸せき法で塗布し140℃、30分熱硬化し
て15μmの導電層を形成した。 導電性顔料:SnO2コート処理硫酸バリウム 10部 抵抗調節用顔料:酸化チタン 2部 バインダー樹脂:フェノール樹脂 6部 レベリング材:シリコーンオイル 0.001部 溶剤:メタノール、メトキシプロパノール0.2/0.8 20部 次にこの上にNメトキシメチル化ナイロン3部および共
重合ナイロン3部をメタノール65部、nブタノール3
0部の混合溶媒に溶解した溶液を浸せき法で塗布し、
0.5μmの中間層を形成した。
±0.2°が9.0°、14.2°、23.9°及び2
7.1°に強いピークを有するオキシチタウムフタロシ
アニン(TiOPc)4部及びポリビニルブチラール(商品
名:エスレックBM2、積水化学工業製)2部およびシ
クロヘキサノン60部を、φ1mmガラスビーズ入りのサ
ンドミル装置で4時間分散したあと、エチルアセテート
100部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これ
を浸せき法で塗布し0.2μmの電荷発生層を形成し
た。
菱エンジニアリングプラスチックス社製 Z−400)
10部を1,3−ジオキソラン40部とトルエン(沸点
110.6℃)40部の混合溶媒に溶解させて電荷輸送
層用塗布液とした。
定)し、120℃で1時間乾燥し、28μm(中心付
近)の電荷輸送層を形成した。この時、乾燥後の電荷輸
送層を光学顕微鏡で観察して微小泡が多数観察された場
合は白化:×、みられないものは白化:○ とした。結
果を表2に示した。
ら180mmの位置(感光体のほぼ中心)と同20mm
の位置の膜厚差を測定し、膜厚差が7μm未満の場合を
ダレ:○、7μm以上の場合を×と評価した。結果を表
2に示した。
ススピード106mm/秒の初期設定を倍速の212m
m/秒に、レーザー照射部にフィルターをつけ、レーザ
ー光量は通常の50%まで弱めた設定に改造した)及び
そのプロセスカートリッジを用いた。
常湿下(23℃/60%程度)でレター紙耐久をおこな
い、シーケンスはプリント1枚ごとに1回停止する間欠
モードで印字率は2%の文字画像で、初期と2,000
枚後の明部電位(Vl)を測定した結果を表2に示し
た。
2〜13の電荷輸送層の溶媒組成であること、添加剤と
してBHT(2、6−ジ−tert−ブチル−4−メチ
ルフェノール)の添加の有無と電荷輸送層の膜厚を26
μmに変えたこと以外は、実施例1と同様に電子写真感
光体を作製し、白化、ダレと耐久前後の感度(V1)を
評価/測定した。その結果を表2に示す。
送層の溶媒組成であることと電荷輸送層の膜厚を26μ
mに変えたこと以外は、実施例1と同様に電子写真感光
体を作製し、白化、ダレと耐久前後の感度(V1)を評
価/測定 した。その結果を表4に示す。
の電荷輸送層の溶媒組成であること、電荷輸送層用の結
着樹脂に前記(2−2)のポリアリレート(Mw=10
万)を使用し、電荷輸送層の膜厚を26μmに変えたこ
と以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、白
化、ダレと耐久前後の感度(V1)を評価/測定 し
た。その結果を表6に示す。
の電荷輸送層の溶媒組成であること、電荷輸送層用の結
着樹脂に前記ポリカーボネート樹脂Z400と前記(2
−2)のポリアリレートを1:1の比率で混合して使用
したこと、電荷輸送層の膜厚を26μmに変えたこと以
外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、白化、
ダレと耐久前後の感度(V1)を評価/測定した。その
結果を表6に示す。
の電荷輸送層の溶媒組成であること、電荷輸送層用の結
着樹脂にポリメチルメタクリレート(Mw=10万)を
使用し、電荷輸送層の膜厚を26μmに変えたこと以外
は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、白化、ダ
レと耐久前後の感度(V1)を評価/測定した。その結
果を表6に示す。
後12ヶ月後に外観を観察すると、添加剤が含有されて
いる実施例5〜7に変化は見られなかったが、無添加の
実施例1〜4は僅かに黄色味が増加し、環状エーテル溶
媒の劣化を示唆する結果となった。
溶媒(ベンゼンを除く)を組み合わせて電荷輸送層用塗
布液の溶媒として用いることにより、固形分の十分な溶
解能、白化しない温湿度範囲が広いこと、膜厚のダレが
少ないこと、更には電子写真感光体として十分な特性を
有すること、というハロゲン系溶媒でなければ困難であ
った電荷輸送層用の溶媒に求められる各種特性を、本発
明はハロゲン系溶媒に限定されない溶媒構成で全て満た
すことができた。
Claims (8)
- 【請求項1】 導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送
層を積層してなる電子写真感光体において、前記電荷輸
送層を構成するための塗布液の溶媒が、1,3-ジオキ
ソランと芳香族炭化水素(ベンゼンを除く)とからなる
混合物であることを特徴とする電荷輸送層用塗布液。 - 【請求項2】 前記芳香族炭化水素の沸点が200℃以
下(101kPa下で)であることを特徴とする請求項
1記載の電荷輸送層用塗布液。 - 【請求項3】 前記1,3-ジオキソランと芳香族炭化
水素の混合比率が10/90〜90/10(重量比)で
あることを特徴とする請求項1または2に記載の電荷輸
送層用塗布液。 - 【請求項4】 バインダー樹脂が電荷輸送層用塗布液に
溶解され、該バインダー樹脂がポリカーボネートからな
ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
の電荷輸送層用塗布液。 - 【請求項5】 バインダー樹脂が電荷輸送層用塗布液に
溶解され、該バインダー樹脂がポリアリレートからなる
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
電荷輸送層用塗布液。 - 【請求項6】 酸化防止剤が前記電荷輸送層用塗布液に
含有されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
か1項に記載の電荷輸送層用塗布液。 - 【請求項7】 導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送
層を積層してなる電子写真感光体において、前記電荷輸
送層を構成するための塗布液の溶媒が、1,3-ジオキ
ソランと芳香族炭化水素(ベンゼンを除く)とからなる
混合物であることを特徴とする上記電子写真感光体。 - 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の前
記電荷輸送層用塗布液を用いて製造することを特徴とす
る電子写真感光体の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2000162817A JP4227288B2 (ja) | 2000-05-31 | 2000-05-31 | 電荷輸送層用塗布液および電子写真感光体の製造方法 |
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