JP2001342686A - 接合具及びそれを用いた構造部材の接合構造並びに構造部材の接合方法 - Google Patents

接合具及びそれを用いた構造部材の接合構造並びに構造部材の接合方法

Info

Publication number
JP2001342686A
JP2001342686A JP2000163116A JP2000163116A JP2001342686A JP 2001342686 A JP2001342686 A JP 2001342686A JP 2000163116 A JP2000163116 A JP 2000163116A JP 2000163116 A JP2000163116 A JP 2000163116A JP 2001342686 A JP2001342686 A JP 2001342686A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
connector
structural member
joint
joining
structural
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000163116A
Other languages
English (en)
Inventor
Hatsuo Fujita
初雄 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2000163116A priority Critical patent/JP2001342686A/ja
Publication of JP2001342686A publication Critical patent/JP2001342686A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 木材や集成材等の構造部材からなる木造建築
物の構造強度や耐震性を向上できるとともに、引張力や
水平力による接合部の接合力の低下や構造部材の変形を
防止でき、また、木材等の痩せによる構造部材同士の接
合部の緩みにも対応できる構造部材の接合構造の提供を
目的とする。 【解決手段】 接合具1と、接合面8で当接され同一平
面上に位置する横架構造部材7,縦構造部材6と、縦構
造部材6の外周壁部から接合面8に対して直交して横架
構造部材7と連通して穿設された接合具螺着部9と、接
合具螺着部9の両端部側に縦構造部材6,横架構造部材
7の外周壁部から接合具螺着部9の長さ方向と略直角に
連通して穿設された止着用孔10と、を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、簡単な構造で木材
や集成材等からなる構造部材の接合面同士を密着させて
接合することができる接合具、及び、柱,梁,桁等が木
材や集成材等の構造部材からなる木造建築物の構造部材
同士を強固に接合でき建物強度を向上できるとともに、
木材等の痩せによる構造部材同士の接合部の緩みにも対
応できる構造部材の接合構造、並びに、構造部材を簡単
かつ確実強固に接合できる構造部材の接合方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、構造部材の接合部には、種々
の形状の接合金具(接合具)が用いられており、柱と
梁,梁と梁等の構造部材同士の接合構造においては、構
造部材の接合面を所定の形状に切欠形成して大入れによ
り接合する構造や、種々の接合金具(接合具)を用いて
構造部材同士を接合する構造が用いられている。また、
従来から、木造建築物の軸組においては、構造部材の接
合部の強度は無いものとして筋交い等を配置し、筋交い
等により軸組の水平力を維持している。
【0003】従来の接合具、及び従来の接合具を用いた
構造部材の接合構造並びに構造部材の接合方法として
は、種々のものが開発,使用されている。柱の一側面に
梁を接合する際に用いられている一般的な接合具や接合
構造(以下、イ号という)としては、ボルト孔又は釘孔
を有した板状体の一方にボルトが突設された羽子板ボル
トと呼ばれる接合具を用い、羽子板ボルトの板状体側を
梁の側面に長ボルト又は長釘で固定するとともに、柱に
孔部を穿孔して羽子板ボルトのボルトを柱の孔部に挿入
し、柱の接合面と対向した側面に突出したボルトをナッ
トで締めつけることにより、柱と梁の接合をしているも
のがある。
【0004】柱を介して柱の両側面に梁を接合する際に
用いられている接合具や接合構造としては、柱と梁の接
合面に所定の形状で切欠形成された大入れ部と、柱を貫
通した貫通孔と、梁の柱との接合面側端面から穿孔され
貫通孔に連通する孔部と、孔部の長手方向と直交した側
面から孔部に連通して梁に穿孔された作業孔と、を有
し、両端部にボルト部を有した両引きボルト(接合具)
を貫通孔と孔部に挿入してボルト部を作業孔に露出させ
るとともに、柱と梁の大入れ部を大入れし、次いで、作
業孔でボルト部にナットを螺着することにより、ナット
の締めつけにより柱と梁を引き寄せ接合するもの(以
下、ロ号という)がある。また、梁の側面に長ボルトで
固定されたL型金具と、柱に穿孔された貫通孔に挿通さ
れ両端部にボルト部を有した両引きボルトと、からなる
接合具を用い、柱と梁の接合面に所定の形状で切欠形成
された大入れ部で柱と梁を大入れするとともに、両引き
ボルトの両端部をL型金具に挿通してボルト部にナット
を螺着することにより、柱と梁を引き寄せ接合するもの
(以下、ハ号という)がある。
【0005】更に、特開平10−46679号公報(以
下、ニ号公報という)には、一端が係止構造とされ、他
端に頭部が設けられたシャフトと、このシャフトが挿通
される係合溝が一端から他端側へ設けられ、頭部に当接
する係合溝の両端部分の肉厚が一端から他端側へ順次増
加する円筒状の楔部材と、を備え、柱と梁に穿孔された
貫通孔にシャフトを挿入し、梁に穿孔された楔挿入穴に
シャフトの頭部を位置させるとともに、係合溝の肉厚の
薄い方から楔部材を楔挿入穴に挿入し、楔部材の係合溝
とシャフトの頭部とを係合することにより、柱と梁を引
き寄せて柱と梁を連結する木質部材連結具が開示されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の接合具及び構造部材の接合構造並びに構造部材の接
合方法は、以下の課題を有していた。イ号の接合具や接
合構造では、以下の課題を有していた。 a.羽子板ボルトと呼ばれる接合具の耐力に欠けるた
め、柱と梁を接合する補助的な働きしかできず、柱や梁
の構造部材同士の接合部の強度に欠け、その結果、筋交
いや火打ち材等による接合部の強度向上構造を要し、構
造が複雑で接合作業性に欠ける。 b.接合具の板状体が、構造部材の表面に露出している
ので、接合具に結露が発生し易く、接合具に錆が生じ接
合具や構造部材の耐久性に欠けるとともに、火災時に接
合具が加熱され、構造部材の接合部が炭化して接合部が
倒壊し易く安全性に欠け、また、構造部材の接合部の外
観性に欠ける。 c.接合具のボルトに螺着されたナットが構造部材の側
面に当接するため、ナットが構造部材の側面にめり込み
易く、構造部材が破壊を引き起こし易く、接合構造の安
全性に欠ける。
【0007】ロ号の接合具や接合構造,接合方法では、
以下の課題を有していた。 d.両引きボルトを柱の貫通孔と梁の孔部に挿入し、両
引きボルトのボルト部にナットを螺着することにより、
梁の長手方向と略平行に位置した両引きボルトで柱や梁
の構造部材を接合しているので、柱に接合された梁にね
じれが生じ易く、両引きボルトの破損を引き起し易く両
引きボルトの耐久性に欠ける。 e.梁のねじれにより、両引きボルトで梁の外周壁面に
ひび割れ等の破損を引き起し易い。 f.作業孔でボルト部にナットを螺着するので、ナット
の螺着作業がし難く、構造部材の接合作業性に欠けると
ともに、作業孔の形成により、構造部材が強度低下を引
き起し、作業孔から構造部材が破損され易く、接合構造
の安全性に欠ける。
【0008】ハ号の接合具や接合構造,接合方法では、
以下の課題を有していた。 g.L型金具や両引きボルトからなる接合具が構造部材
の表面に露出しているので、L型金具や両引きボルトに
結露が発生し易く、錆が生じL型金具や両引きボルト,
構造部材の耐久性に欠けるとともに、火災時にL型金具
や両引きボルトが加熱され、構造部材の接合部が炭化し
て接合部が倒壊し易くなり安全性に欠け、また、構造部
材の接合部の外観性に欠ける。
【0009】ニ号公報の接合具や接合構造,接合方法で
は、以下の課題を有していた。 h.シャフトや楔部材の形状が複雑でシャフトや楔部材
の生産性に欠けるとともに、シャフトや楔部材等の種々
の部品を要し、接合構造が複雑で接合作業性に欠ける。 i.柱を介して柱の対向する側面に梁を接合する際に、
シャフトを柱から突出しないように挿入するので、梁に
余掘の形成を要し梁の欠損部分が大きく、梁の強度低下
を引き起し易く、柱や梁等の構造部材の接合部の強度に
欠ける。 j.柱と梁の構造部材を接合する際に、シャフトが梁の
長手方向と略平行に位置しているので、梁にねじれが生
じ易くシャフトの耐久性に欠け、シャフトの破損を引き
起し易い。
【0010】更に、イ号乃至ハ号のいずれも、構造部材
の接合後に木材等の痩せにより構造部材同士の接合部が
緩んだ際にナットの締め増しを行うと、一方の構造部材
のみを他方の構造部材側に引き寄せることになり、接合
部の位置がずれるので、建築物の精度を維持し難い。ま
た、ニ号公報では、構造部材の接合後に木材等の痩せに
より構造部材同士の接合部が緩んだ際に、接合部の締め
増しができないので、建築物の強度低下を引き起し、建
築物の強度維持が困難で建築物の耐久性に欠ける。
【0011】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、簡単な構造で構造部材を接合面で密着させて接合す
ることができるとともに構造部材の接合作業が簡単な接
合具の提供、及び、木材や集成材等の構造部材(柱,
梁,桁等)からなる木造建築物の構造強度や耐震性を向
上できるとともに、引張力や水平力による接合部の接合
力の低下や構造部材の変形を防止でき、また、木材等の
痩せによる構造部材同士の接合部の緩みにも対応できる
構造部材の接合構造の提供、並びに、構造部材を簡単か
つ確実強固に接合でき、構造部材の接合作業性に優れた
構造部材の接合方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るために本発明における接合具及び構造部材の接合構造
並びに構造部材の接合方法は、以下の構成を有してい
る。本発明の請求項1に記載の接合具は、外周面がねじ
状に形成された棒状の接合具本体と、前記接合具本体の
一端部側又は両端部側に前記接合具本体の長さ方向と直
交して穿孔された止着孔と、前記接合具本体の一端又は
両端の端部若しくは端面に形成された締付作業部と、前
記止着孔に挿着される止着部材と、を備えた構成を有し
ている。
【0013】これにより、以下の作用を有する。 (a)柱と梁,柱を介した2以上の梁,登り梁,等の縦
構造部材や横架構造部材等の構造部材同士を接合する際
に、1構造部材の外周壁部から接合具本体を構造部材に
ねじ込んで螺着するだけで構造部材同士を連結・接合で
き、また、構造部材の外周壁部から接合具本体の止着孔
に止着部材を挿着するだけで、接合具本体の回転を防止
でき強固に構造部材同士を接合できる。 (b)外周面がねじ状に形成された棒状体に止着孔を穿
孔し、端部に締付作業部を形成するだけで該接合具を形
成でき、構造が簡単で該接合具の生産性を向上でき、ま
た、要求される構造部材の接合強度に応じて接合具本体
の長さや直径等を容易に変更することができ、該接合具
の使用性に優れる。 (c)接合具本体の一端又は両端に締付作業部を有して
いるので、締付作業部を用いて接合具本体を構造部材に
ねじ込むことができ、構造部材同士の接合が容易にで
き、また、接合具本体の両端に締付作業部を形成した場
合、接合具本体のいずれの端部側からでも構造部材に接
合具本体を挿着することができ、該接合具の取扱性を向
上できる。 (d)接合具本体の外周面がねじ状に形成されているの
で、接合具本体を構造部材に螺着した際に、接合具本体
の外周面のねじ山を構造部材にねじ込むことができ、そ
の結果、接合具本体と構造部材を高い引き抜き力や剪断
力で螺着することができ、該接合具で構造部材同士を高
い接合力で剛接合することができる。 (e)接合具本体を構造部材に直接螺着するので、接合
具本体の外周面を構造部材に密接させることができ、特
に、構造部材が乾燥等により収縮した場合、構造部材が
接合具本体の外周面により密着されるので、該接合具で
構造部材同士をより強固に接合することができ、経年に
よる接合部分の強度の低下を防止できる。
【0014】ここで、止着孔としては、接合具本体の一
端部側や両端部側に穿孔する他、接合具本体の長さ方向
の所定部に穿孔してもよい。この場合、すべての止着孔
に止着部材を挿着することにより、構造部材への接合具
本体の固定力を向上することができる。また、止着孔
は、接合具本体の外径の0.2倍〜0.8倍の大きさで
形成するのが好ましい。0.2倍より小さくなるにつ
れ、止着孔に挿着される止着部材の外径が小さくなり止
着部材の強度が低下して接合具本体の構造部材への固定
力が低下する傾向があり、0.8倍より大きくなるにつ
れ、接合具本体の欠損が大きくなり接合具本体の強度が
低下して構造部材の接合力が低下する傾向がある。尚、
接合具本体の大きさや材質,接合具本体の構造部材との
螺着力等に応じては、止着孔を接合具本体に形成しなく
てもよく、また、止着部材を止着孔に挿着しなくてもよ
い。これにより、接合具の構造がより単純化し接合具の
生産性を向上できるとともに、構造部材の接合作業にか
かる工程を少なくすることができ、接合作業性を向上で
きる。
【0015】締付作業部としては、接合具本体の端面に
ドライバー等の工具が係合される−状や+状に切欠形成
したものや、接合具本体の端面に六角レンチ等の工具が
係合される六角形状等の凹部を形成したもの、接合具本
体の端部にスパナ等の工具が係合される四角形や六角形
等の多角形状のナット等からなる頭部を形成したもの
等、種々のものが用いられる。
【0016】止着部材としては、止着孔に挿着される棒
状体からなるピンや釘、コーチスクリューやラグスクリ
ュー等のネジ等が用いられる。また、棒状体からなるピ
ンを用いた場合、止着部材を止着孔に接着固定してもよ
い。これにより、より強固に接合具を構造部材に固定す
ることができる。尚、市販の釘やネジ等を用いた場合、
該接合具の低コスト化を図ることができる。
【0017】本発明の請求項2に記載の接合具は、棒状
の接合具本体と、前記接合具本体の長さ方向の所定部の
外周面に形成された2以上の平面部からなる締付作業部
と、前記締付作業部の両側の前記接合具本体の外周面に
各々右ねじ状,左ねじ状に形成された雄ねじ部と、を備
えた構成を有している。
【0018】これにより、以下の作用を有する。 (f)柱と梁,柱を介した2以上の梁,登り梁,等の縦
構造部材や横架構造部材等の構造部材同士を接合する際
に、接合する構造部材の接合面から各構造部材に接合具
本体の両端部側の雄ねじ部をねじ込んで螺着するだけで
構造部材同士を連結・接合できる。 (g)長さ方向の所定部に締付作業部を形成し、締付作
業部の両側の外周面に各々右ねじ状,左ねじ状の雄ねじ
部を形成するだけで該接合具を形成でき、構造が簡単で
該接合具の生産性を向上でき、また、要求される構造部
材の接合強度に応じて接合具本体の長さや直径等を容易
に変更することができ、該接合具の使用性に優れる。 (h)接合具本体の長さ方向の所定部に締付作業部を有
しているので、締付作業部に工具等を係合して接合具本
体を回転させ接合具本体を構造部材にねじ込むことがで
き、また、締付作業部の両側の雄ねじ部が各々右ねじ状
と左ねじ状に形成されているので、接合具本体を回転す
るだけで締付作業部の両側の雄ねじ部を構造部材に螺着
できるとともに接合する構造部材同士を接合面側へ引き
寄せることができ、構造部材同士の接合が容易にでき
る。 (i)接合具本体の外周面が右ねじ状や左ねじ状のねじ
状に形成されているので、接合具本体を構造部材に螺着
した際に、接合具本体の外周面のねじ山を構造部材にね
じ込むことができ、その結果、接合具本体と構造部材を
高い引き抜き力や剪断力で螺着することができ、該接合
具で構造部材同士を高い接合力で剛接合することができ
る。 (j)接合具本体を構造部材に直接螺着するので、接合
具本体の外周面を構造部材に密接させることができ、特
に、構造部材が乾燥等により収縮した場合、構造部材が
接合具本体の外周面により密着されるので、該接合具で
構造部材同士をより強固に接合することができ、経年に
よる接合部分の強度の低下を防止できる。
【0019】本発明の請求項3に記載の接合具は、a.
棒状の接合具本体と、前記接合具本体の長さ方向の所定
部の外周面に形成された2以上の平面部からなる締付作
業部と、前記締付作業部の両側の前記接合具本体の外周
面に各々右ねじ状,左ねじ状に形成された雄ねじ部と、
b.外周面がねじ状に形成された端部部材と、前記端部
部材の一端面から前記雄ねじ部が螺着される右ねじ状又
は左ねじ状で所定長さ形成された雌ねじ部と、前記端部
部材の一端面に形成された挿着作業部と、を備えた構成
を有している。
【0020】これにより、以下の作用を有する。 (k)柱と梁,柱を介した2以上の梁,登り梁,等の縦
構造部材や横架構造部材等の構造部材同士を接合する際
に、接合する構造部材の接合面から各構造部材に端部部
材を螺着し、次いで、接合具本体の両端部を各々端部部
材に螺着するだけで構造部材同士を連結・接合できる。 (l)該接合具が、長さ方向の所定部に締付作業部を有
し締付作業部の両側の外周面に各々右ねじ状,左ねじ状
の雄ねじ部を有した棒状体からなる接合具本体と、雌ね
じ部を有した外周面がねじ状の端部部材と、からなり、
簡単な構造で、該接合具の生産性を向上でき、また、要
求される構造部材の接合強度に応じて接合具本体や端部
部材の長さや直径等を容易に変更することができ、該接
合具の使用性に優れる。 (m)端部部材の端面に挿着作業部を有しているので、
挿着作業部に工具等を係合して端部部材を構造部材に容
易に螺着することができ、また、接合具本体の長さ方向
の所定部に締付作業部を有しているので、締付作業部に
工具等を係合して接合具本体を回転させ接合具本体を端
部部材の雌ねじ部に螺着することができ、また、端部部
材の雌ねじ部や締付作業部の両側の雄ねじ部が各々右ね
じ状と左ねじ状に形成されているので、接合具本体を回
転するだけで締付作業部の両側の雄ねじ部を端部部材に
螺着できるとともに接合する構造部材同士を接合面側へ
引き寄せることができ、構造部材同士の接合が容易にで
きる。 (n)端部部材の外周面がねじ状に形成されているの
で、端部部材を構造部材に螺着した際に、端部部材の外
周面のねじ山を構造部材にねじ込むことができ、その結
果、端部部材と構造部材を高い引き抜き力や剪断力で螺
着することができ、該接合具で構造部材同士を高い接合
力で剛接合することができる。 (o)端部部材を構造部材に直接螺着するので、端部部
材の外周面を構造部材に密接させることができ、特に、
構造部材が乾燥等により収縮した場合、構造部材が端部
部材の外周面により密着されるので、該接合具で構造部
材同士をより強固に接合することができ、経年による接
合部分の強度の低下を防止できる。
【0021】ここで、端部部材の雌ねじ部としては、端
部部材の一端面から端部部材の長さ方向に接合具本体の
雄ねじ部が螺着できる長さだけ形成してもよく、また、
端部部材の一端面から他端面にかけて貫通して形成して
もよい。また、挿着作業部としては、端部部材の雌ねじ
部側の端面に、ドライバー等の工具が係合できる−状や
+状等に溝部を切欠形成したもの等が用いられる。尚、
請求項2,3の締付作業部は、雄ねじ部の外径と略同一
大きさ又は雄ねじ部の外径より小さく形成される。これ
により、雄ねじ部とともに締付作業部を構造部材や端部
部材に挿着することができる。
【0022】本発明の請求項4に記載の接合具は、請求
項1乃至3のいずれか1項に記載された2本の接合具を
有し、一方の接合具の接合具本体の所定部に、前記接合
具本体の長さ方向と直交して、他方の接合具の接合具本
体が挿通される挿通孔を備えた構成を有している。
【0023】これにより、請求項1乃至3の作用に加え
て、以下の作用を有する。 (p)一方の接合具の接合具本体の所定部に挿通孔を有
しているので、他方の接合具の接合具本体を挿通孔に挿
通することができ、その結果、一方の接合具で接合した
構造部材に、その構造部材と直交して他の構造部材を他
方の接合具で接合することができ、2方向や3方向,4
方向に接合する構造部材の接合にも該接合具を使用で
き、多方向の構造部材の接合が容易にできる。
【0024】ここで、挿通孔としては、一方の接合具の
接合具本体に1乃至複数形成される。複数の挿通孔を形
成した場合、各挿通孔のそれぞれに他方の接合具の接合
具本体を挿通することができ、構造部材の大きさ等に応
じて接合具の使用本数を調整することができ、使用性や
汎用性に優れる。また、挿通孔は、他方の接合具の接合
具本体が挿通できる大きさで、好ましくは、一方の接合
具の接合具本体の外径の A 倍〜0.8倍の大きさで
形成される。挿通孔が、一方の接合具の接合具本体の外
径の A 倍より小さくなるにつれ、他方の接合具の接
合具本体の外径が小さくなり他方の接合具の強度が低下
して構造部材の接合力が低下する傾向があり、0.8倍
より大きくなるにつれ、一方の接合具の接合具本体の欠
損が大きくなり接合具の強度が低下して構造部材の接合
力が低下する傾向がある。尚、挿通孔を形成する一方の
接合具に請求項1又は2に記載の接合具を用い、挿通孔
に挿通される他方の接合具に請求項3に記載の接合具を
用いるのが好ましい。これにより、他方の接合具の両端
部が端部部材で確実に構造部材に螺着されているので、
他方の接合具の接合具本体の外径が小さくなっても構造
部材と接合具との固定力を維持することができ、接合強
度を維持することができる。
【0025】本発明の請求項5に記載の接合具は、請求
項2乃至4の内いずれか1項に記載の発明において、前
記接合具本体の一端部側又は両端部側、若しくは、前記
端部部材の他端部側に前記接合具本体又は前記端部部材
の長さ方向と直交して穿孔された止着孔と、前記止着孔
に挿着される止着部材と、を備えた構成を有している。
【0026】これにより、請求項2乃至4の作用に加え
て、以下の作用を有する。 (q)接合具本体や端部部材を構造部材に螺着した後、
構造部材の外周壁部から接合具本体や端部部材の止着孔
に止着部材を挿着することができ、その結果、構造部材
に螺着した接合具本体や端部部材が回転するのを確実に
防止でき、強固に接合具本体や端部部材を構造部材に固
定することができる。
【0027】ここで、止着孔としては、接合具本体の一
端部側や両端部側に穿孔する他、接合具本体の長さ方向
の所定部に穿孔してもよい。この場合、すべての止着孔
に止着部材を挿着することにより、構造部材への接合具
本体の固定力を向上することができる。また、止着孔
は、接合具本体や端部部材の外径の0.2倍〜0.8倍
の大きさで形成するのが好ましい。0.2倍より小さく
なるにつれ、止着孔に挿着される止着部材の外径が小さ
くなり止着部材の強度が低下して接合具本体や端部部材
の構造部材への固定力が低下する傾向があり、0.8倍
より大きくなるにつれ、接合具本体や端部部材の欠損が
大きくなり接合具本体や端部部材の強度が低下して構造
部材の接合力が低下する傾向がある。更に、止着部材と
しては、止着孔に挿着される棒状体からなるピンや釘、
コーチスクリューやラグスクリュー等のネジ等が用いら
れる。また、棒状体からなるピンを用いた場合、止着部
材を止着孔に接着固定してもよい。これにより、より強
固に接合具を構造部材に固定することができる。尚、市
販の釘やネジ等を用いた場合、該接合具の低コスト化を
図ることができる。
【0028】尚、請求項1乃至5において、接合具本体
や止着部材,端部部材の材質としては、ステンレス鋼,
クロム,鉄鋼,カーボン鉄鋼等の鉄製品やアルミニウム
合金等の金属製の他、カーボン繊維やボロン繊維,ガラ
ス繊維,金属繊維等の有機や無機の繊維と合成樹脂で成
形加工したものが用いられる。また、金属製の場合、防
錆加工されたものが好適に用いられる。これにより、接
合具本体が構造部材内で錆びつくのを防止でき、締め増
しの際の接合具本体の取扱性を向上できる。接合具本体
としては、中実状の棒状体や中空状の肉厚パイプからな
る棒状体等が用いられる。特に、中空状の棒状体を用い
た場合、接合具本体を軽量化することができ、該接合具
の搬送性や取扱性を向上できる。
【0029】尚、構造部材同士をコの字状の箱金物やフ
ック状の金物等の従来の接合金具で連結・接合するとと
もに、各構造部材に請求項1乃至5のいずれかの接合具
を螺着して構造部材同士を連結・接合し、該接合具と従
来の接合金具を併用してもよい。この場合、接合金具で
部材同士を仮固定した後に構造部材同士を該接合具で接
合でき接合精度を向上でき、また、接合金具に加えて該
接合具で構造部材同士の剪断,張力等の接合強度を維持
することができるとともに、接合金具と該接合具を併用
することにより該接合具や接合金具の小型化を図ること
ができ、更に、地震等で接合金具と該接合具のいずれか
一方が万が一破損した場合にも建築物が完全に破壊され
るのを防止でき、安全性を向上できる。
【0030】本発明の請求項6に記載の構造部材の接合
構造は、請求項1に記載された接合具と、所定の接合面
で当接され同一平面上に位置する横架構造部材や縦構造
部材等の2以上の構造部材と、前記構造部材の外周壁部
から前記接合面に対して直交若しくは所定の傾斜角度を
有して他の前記構造部材と連通して穿設された1以上の
接合具螺着部と、前記接合具螺着部の一端部側又は両端
部側に前記構造部材の外周壁部から前記接合具螺着部の
長さ方向と略直角に連通して穿設された止着用孔と、を
備えた構成を有している。
【0031】これにより、以下の作用を有する。 (1)構造部材に穿設された接合具螺着部に接合具の接
合具本体を螺着し、接合具の締付作業部で接合具本体を
構造部材にねじ込むことにより、接合具本体で構造部材
同士を接合面で当接させて連結・接合することができ、
また、止着用孔から接合具本体の止着孔に止着部材を挿
着することにより、接合具本体を構造部材内に強固に固
定することができるとともに、構造部材同士を強固に接
合できる。 (2)横架構造部材や縦構造部材等の構造部材に接合具
螺着部と止着用孔を穿設するだけで、請求項1に記載の
接合具で構造部材同士を接合することができ、簡単な構
造で構造部材の接合ができる。 (3)接合具螺着部に螺着された接合具本体で構造部材
同士を接合できるので、確実かつ高強度な接合ができ、
建築物の耐震性を向上できる。 (4)構造部材に予め接合具螺着部を穿設しているの
で、接合具の接合具本体を構造部材の接合具螺着部に螺
着した際に、構造部材に無理な力が働くのを防止でき、
接合具本体の螺着時の構造部材の割れや破断を防止で
き、また、接合具本体の螺着後に構造部材にストレスが
かかって割れ等の破損が発生するのを防止できる。 (5)接合具螺着部が構造部材の外周壁部から穿設さ
れ、接合具が構造部材の外周壁部側から螺着されている
ので、構造部材の接合後に乾燥等により構造部材が収縮
して構造部材の接合面間等に隙間が生じたり、ガタが発
生した際にも、接合具の締付作業部で接合具の締め増し
作業をすることができる。 (6)接合具螺着部を複数形成し、各接合具螺着部に接
合具を螺着して複数の接合具で構造部材を接合した場
合、構造部材の接合力を向上できるとともに、接合面積
の大きな構造部材でも複数の接合具で接合することがで
き構造部材の大きさ等に応じて接合具の本数を調整する
ことにより多様な設計に対応することができる。 (7)複数の接合具を用いて構造部材を接合する場合、
各接合具の接合具本体の外径を小さくすることができる
とともに、構造部材に穿設する接合具螺着部の断面積を
小さくすることができ、構造部材の断面欠損を減少させ
構造部材の強度低下を抑制できる。 (8)接合具螺着部を構造部材の接合面に対し所定の傾
斜角度を有して穿設した場合、接合具螺着部に接合具を
螺着するだけで、構造部材の鉛直荷重に対する変形に耐
えることができ、構造部材同士の剛性を向上できる。 (9)特に、接合具螺着部がクロス状になるように構造
部材に複数形成した場合、接合具を各接合具螺着部に螺
着して構造部材同士を連結・接合するだけで、構造部材
の上下左右からの荷重を各接合具の偶力で打ち消すこと
ができ、極めて機械的強度に優れた接合を可能にするこ
とができる。
【0032】ここで、接合具螺着部としては、構造部材
の外周壁部から接合する構造部材の所定部まで連通し
て、タップ等で雌ねじ状に穿設するのが好ましい。これ
により、接合具螺着部に接合具の接合具本体を螺着する
際の螺着作業性を向上できるとともに、接合具本体を接
合具螺着部に螺着する際に、構造部材に無理な力が働く
のを防止でき、接合具本体の螺着時の構造部材の割れや
破断を防止できる。また、接合具螺着部は、接合具本体
の長さに応じて、接合具本体を構造部材に埋設できる深
さ(長さ)で形成するのが好ましい。これにより、接合
具本体の締付作業部が構造部材の外周壁部に突出するの
を防止できる。更に、接合具螺着部は、構造部材の大小
や材質等にもよるが、構造部材の外周壁面から内側に、
接合具本体の外径の1.1倍〜6倍の位置に形成され
る。接合具螺着部が、構造部材の外周壁面から接合具本
体の外径の1.1倍より小さい位置になるにつれ構造部
材に大きな外力がかかった際に構造部材の端部や表面が
破損する傾向があり、6倍より大きい位置になるにつれ
構造部材に形成できる接合具螺着部の数が減少し構造部
材同士の接合力を向上させ難い傾向がある。
【0033】特に、横架構造部材同士を接合する場合
や、縦構造部材を介して2本の横架構造部材を接合する
場合等、接合具螺着部を接合面に対して傾斜角度αを有
して形成する場合の傾斜角度αとしては、接合面に対し
て20°≦α≦90°好ましくは20°≦α≦70°よ
り好ましくは30°≦α≦60°で形成される。構造部
材の材質や接合具本体の大きさ等にもよるが、傾斜角度
αが30°よりも小さくなるにつれ接合具螺着部の形成
位置が構造部材の端部(接合面側)に近づき大きな外力
に対して構造部材が接合具螺着部で破損し易くなる傾向
があり、傾斜角度αが60°よりも大きくなるにつれ接
合具本体の長さが長くなりすぎて接合具本体の螺着作業
性が低下する傾向があり、更に、傾斜角度αが20°よ
りも小さくなるにつれ、また、90°に近づくにつれこ
れらの傾向が強くなる。尚、縦構造部材の対向する側壁
の接合面に各々横架構造部材を接合する場合、接合具螺
着部としては、一方の横架構造部材の外周壁部から縦構
造部材の対向する接合面を貫通して他方の横架構造部材
の所定部まで穿設される。
【0034】止着用孔としては、接合具の止着孔や止着
部材と略同一大きさで、接合具螺着部に螺着された接合
具の止着孔に止着部材を挿着できる位置に形成される。
また、止着用孔を構造部材に貫通して形成、若しくは接
合具螺着部に連通して所定深さで形成してもよく、更
に、止着部材の一端部に頭部がある場合、頭部が嵌合で
きるように止着用孔の一端部側(構造部材の外周壁部
側)を大径に形成してもよい。更に、止着用孔に止着部
材を挿着した後、止着用孔の開口部に木栓等の込栓を打
ち込み、構造部材の外周壁部と面一にしてもよい。これ
により、構造部材の外観を向上できる。
【0035】本発明の請求項7に記載の構造部材の接合
構造は、請求項2又は3に記載された接合具と、所定の
接合面で当接され同一平面上に位置する横架構造部材や
縦構造部材等の2以上の構造部材と、各前記構造部材の
前記接合面から各前記構造部材に各々連通して穿孔され
た1以上の接合具螺着部と、前記構造部材の内いずれか
1以上の前記構造部材の外周壁部から前記接合具螺着部
と略直角に連通して形成された締付溝と、を備えた構成
を有している。
【0036】これにより、以下の作用を有する。 (10)請求項2の接合具において、構造部材に穿設さ
れた接合具螺着部に接合具本体を螺着し、接合具の締付
作業部で接合具本体の雄ねじ部を構造部材にねじ込むこ
とにより、接合具本体で構造部材同士を接合面側に引き
寄せて連結・接合することができ、構造部材同士を該接
合具で強固に接合できる。 (11)請求項3の接合具において、構造部材に穿設さ
れた接合具螺着部に端部部材を螺着することにより、構
造部材に端部部材を固定することができるとともに、端
部部材の雌ねじ部に接合具本体の雄ねじ部を螺着するこ
とにより、接合具本体で構造部材同士を接合面側に引き
寄せて連結・接合することができ、構造部材同士を該接
合具で強固に接合できる。 (12)横架構造部材や縦構造部材等の構造部材に接合
具螺着部と締付溝を穿設するだけで、請求項2又は3に
記載の接合具で構造部材同士を接合することができ、簡
単な構造で構造部材の接合ができる。 (13)接合具螺着部に螺着された接合具本体、又は、
接合具螺着部に螺着された端部部材と端部部材に螺着さ
れた接合具本体で構造部材同士を接合できるので、確実
かつ高強度な接合ができ、建築物の耐震性を向上でき
る。 (14)構造部材に予め接合具螺着部を穿設しているの
で、接合具の接合具本体又は端部部材を構造部材の接合
具螺着部に螺着した際に、構造部材に無理な力が働くの
を防止でき、接合具本体又は端部部材の螺着時の構造部
材の割れや破断を防止でき、また、接合具本体又は端部
部材の螺着後に構造部材にストレスがかかって割れ等の
破損が発生するのを防止できる。 (15)構造部材に締付溝を有しているので、構造部材
の接合後に乾燥等により構造部材が収縮して構造部材の
接合面間等に隙間が生じたり、ガタが発生した際にも、
締付溝から接合具の締付作業部を回転させて接合具の締
め増し作業をすることができる。 (16)接合具螺着部を複数形成し、各接合具螺着部に
接合具を螺着して複数の接合具で構造部材を接合した場
合、構造部材の接合力を向上できるとともに、接合面積
の大きな構造部材でも複数の接合具で接合することがで
き構造部材の大きさ等に応じて接合具の本数を調整する
ことにより多様な設計に対応することができる。 (17)複数の接合具を用いて構造部材を接合する場
合、各接合具の接合具本体や端部部材の外径を小さくす
ることができるとともに、構造部材に穿設する接合具螺
着部の断面積を小さくすることができ、構造部材の断面
欠損を減少させ構造部材の強度低下を抑制できる。
【0037】ここで、接合具螺着部としては、タップ等
で雌ねじ状に穿設するのが好ましい。これにより、接合
具螺着部に接合具の接合具本体又は端部部材を螺着する
際の螺着作業性を向上できるとともに、接合具本体又は
端部部材を接合具螺着部に螺着する際に、構造部材に無
理な力が働くのを防止でき、接合具本体又は端部部材の
螺着時の構造部材の割れや破断を防止できる。また、接
合具螺着部の全長は、接合具本体の長さに応じて、接合
具本体を構造部材に埋設できる深さ(長さ)で形成する
のが好ましい。これにより、接合具を構造部材に埋設す
ることができるとともに、構造部材の接合面同士を当接
させて構造部材を密接に接合することができる。尚、接
合具螺着部の全長を接合具の全長よりも長く形成した場
合、構造部材の接合後に乾燥等により構造部材が収縮し
た際に接合具の締め増しをすることができる。更に、接
合具螺着部は、構造部材の大小や材質等にもよるが、構
造部材の外周壁面から接合具本体又は端部部材の外径の
3倍〜10倍の位置に形成される。接合具螺着部が、構
造部材の外周壁面から接合具本体又は端部部材の外径の
3倍より小さい位置になるにつれ構造部材に大きな外力
がかかった際に接合具螺着部が接合具により破損される
傾向があり、10倍より大きくなるにつれ構造部材に形
成できる接合具螺着部の数が減少し構造部材同士の接合
力を向上させ難い傾向がある。
【0038】締付溝としては、接合具の接合具本体を操
作するスパナやモンキースパナ等の工具が挿入できる大
きさで、構造部材の外周壁部から接合具螺着部に連通す
るように形成される。特に、構造部材の接合面に凸部や
凹部からなる大入れ部を形成する場合、凹部の深さより
凸部の突出長さを長く形成し、接合面同士を接合した際
に接合面間に隙間ができるようにしてもよい。これによ
り、締付溝の形成作業性を向上できるとともに、締付溝
形成による構造部材の欠損の影響を小さくすることがで
きる。また、接合具を操作する工具として、板状のスパ
ナ等の工具を用いるのが好ましく、これにより、締付溝
の切欠幅を狭くすることができ、構造部材の欠損による
強度低下を抑制することができる。
【0039】尚、縦構造部材の対向する側壁の接合面に
各々横架構造部材を接合する場合、接合具螺着部は、縦
構造部材の接合面に貫通して形成された接合具螺着貫通
部と、各横架構造部材の接合面から各横架構造部材の所
定部まで接合具螺着貫通部と連通して穿設された螺着部
と、で形成される。
【0040】本発明の請求項8に記載の構造部材の接合
構造は、a.請求項4に記載された接合具と、b.縦構
造部材と,前記縦構造部材の対向する一側壁又は両側壁
に当接された横架構造部材(A)と,前記横架構造部材
(A)と略直角に位置し前記縦構造部材の対向する側壁
の一側壁又は両側壁に当接された横架構造部材(B)
と,からなる構造部材と、c.前記縦構造部材又は前記
横架構造部材(A)の外周壁部から前記横架構造部材
(A)又は前記縦構造部材若しくは他の前記横架構造部
材(A)の所定部まで穿設、又は、前記縦構造部材と前
記横架構造部材(A)の接合面から前記縦構造部材と前
記横架構造部材(A)に各々連通して穿孔された1以上
の接合具螺着部(A)と、d.前記接合具螺着部(A)
と直交かつ連通して、前記縦構造部材又は前記横架構造
部材(B)の外周壁部から前記横架構造部材(B)又は
前記縦構造部材若しくは他の前記横架構造部材(B)の
所定部まで穿設、又は、前記縦構造部材と前記横架構造
部材(B)の接合面から前記縦構造部材と前記横架構造
部材(B)に各々連通して穿孔された1以上の接合具螺
着部(B)と、を備えた構成を有している。
【0041】これにより、請求項6又は7の作用に加え
て、以下の作用を有する。 (18)縦構造部材と横架構造部材(A),縦構造部材
と横架構造部材(B)に各々が直交かつ連通した接合具
螺着部(A),接合具螺着部(B)を穿孔するだけで、
接合具螺着部(A),接合具螺着部(B)の各々に請求
項4に記載された接合具を螺着でき、縦構造部材を中心
とした構造部材の2方向や3方向,4方向の多方向の接
合も該接合具を用いて容易にできる。
【0042】ここで、接合具螺着部(B)としては、接
合具螺着部(A)と直交し、接合具螺着部(A)に螺着
された請求項1乃至3のいずれかの接合具の接合具本体
に形成された挿通孔と連通するように形成される。これ
により、接合具螺着部(A)に螺着された請求項1乃至
3のいずれかの接合具の接合具本体の挿通孔に、接合具
螺着部(B)に螺着される請求項1乃至3のいずれかの
接合具の接合具本体を挿通することができ、各接合具を
互いに構造部材から抜け難くすることができ、構造部材
の接合部分の接合強度を向上できる。また、請求項1の
接合具を用いて構造部材を接合する場合、接合具螺着部
(A)や接合具螺着部(B)は構造部材の外周壁部側か
ら穿設して形成される。尚、接合具螺着部(A),接合
具螺着部(B)は、螺着される接合具に応じて、請求項
6又は7で記載したように形成される。
【0043】本発明の請求項9に記載の構造部材の接合
構造は、請求項8に記載の発明において、前記構造部材
の内いずれか1以上の前記構造部材の外周壁部から前記
接合具螺着部(A),前記接合具螺着部(B)のいずれ
か1以上に略直角に連通して形成された1以上の締付溝
を備えた構成を有している。
【0044】これにより、請求項8の作用に加えて、以
下の作用を有する。 (19)接合具螺着部(A)や接合具螺着部(B)に請
求項2又は3に記載の接合具を螺着した際に、締付溝か
ら接合具の締付作業部を操作することができ、構造部材
の接合作業が容易にできるとともに、構造部材の接合面
を密接させて構造部材を接合することができる。 (20)構造部材の接合後に乾燥等により構造部材が収
縮して構造部材の接合面間等に隙間が生じたり、ガタが
発生した際にも、締付溝から接合具の締付作業部を回転
させて接合具の締め増し作業をすることができる。
【0045】尚、締付溝は請求項7で記載した締付溝と
同様に形成される。
【0046】本発明の請求項10に記載の構造部材の接
合構造は、請求項7乃至9の内いずれか1項に記載の発
明において、請求項2乃至5の内いずれか1項に記載さ
れた接合具と、前記接合具螺着部,前記接合具螺着部
(A),前記接合具螺着部(B)の一端部側又は両端部
側に前記構造部材の外周壁部から前記接合具螺着部,前
記接合具螺着部(A),前記接合具螺着部(B)の長さ
方向と略直角に連通して穿設された止着用孔と、を備え
た構成を有している。
【0047】これにより、請求項7乃至9の作用に加え
て、以下の作用を有する。 (21)止着用孔から接合具の止着孔に止着部材を挿着
することができ、止着部材で接合具をより強固に構造部
材の接合具螺着部,接合具螺着部(A),接合具螺着部
(B)に固定することができる。 (22)止着用孔から接合具の止着孔に止着部材を挿着
することができ、止着部材の挿着作業性を向上できると
ともに、予め構造部材に止着用孔を有しているので、止
着部材の挿着時に構造部材に割れ等が発生するのを防止
できる。
【0048】ここで、止着用孔としては、接合具の止着
孔や止着部材と略同一大きさで、接合具螺着部,接合具
螺着部(A),接合具螺着部(B)に螺着された接合具
の止着孔に止着部材を挿着できる位置に形成される。ま
た、止着用孔を構造部材に貫通して形成、若しくは接合
具螺着部,接合具螺着部(A),接合具螺着部(B)に
連通して所定深さで形成してもよく、更に、止着部材の
一端部に頭部がある場合、頭部が嵌合できるように止着
用孔の一端部側(構造部材の外周壁部側)を大径に形成
してもよい。更に、止着用孔に止着部材を挿着した後、
止着用孔の開口部に木栓等の込栓を打ち込み、構造部材
の外周壁部と面一にしてもよい。これにより、構造部材
の外観を向上できる。
【0049】本発明の請求項11に記載の構造部材の接
合構造は、請求項6,8乃至10の内いずれか1項に記
載の発明において、前記接合具螺着部,前記接合具螺着
部(A),前記接合具螺着部(B)の開口部に穿設され
前記接合具螺着部,前記接合具螺着部(A),前記接合
具螺着部(B)と直交する座部を有し、前記座部の開口
側に埋設され表面が前記構造部材の外周壁面と略面一に
形成された埋設材を備えた構成を有している。
【0050】これにより、請求項6,8乃至10の作用
に加えて、以下の作用を有する。 (23)特に、接合具螺着部,前記接合具螺着部
(A),前記接合具螺着部(B)を構造部材の接合面に
対して所定の傾斜角度で形成し、請求項1の接合具を接
合具螺着部,前記接合具螺着部(A),前記接合具螺着
部(B)に螺着した場合に、接合具の締付作業部が構造
部材の外周壁部に突出するのを防止でき、構造部材の外
観を向上できる。 (24)座部の開口側に埋設材を埋設することにより、
接合具の端部が構造部材の表面に露出するのを防止で
き、特に、火災時等に構造部材の炭化皮膜により接合具
を火災の高温から守ることができ安全性を向上できると
ともに、接合具に外部の熱が伝わるのを防止でき、外部
の熱が接合具を介して構造部材の内部に伝わるのを防止
できる。 (25)埋設材を構造部材の外周壁面と略面一にしてい
るので、構造部材の外観を向上できる。
【0051】本発明の請求項12に記載の構造部材の接
合構造は、請求項7乃至11の内いずれか1項に記載の
発明において、前記締付溝に埋設される溝埋設材を備え
た構成を有している。
【0052】これにより、請求項7乃至11の作用に加
えて、以下の作用を有する。 (26)締付溝に溝埋設材を埋設することにより、接合
具が構造部材の外周壁面側に露出するのを防止でき、接
合具に結露が発生するのを防止でき、接合具の錆の発生
や、構造部材の腐食を防止できる。 (27)接合具が構造部材の外周壁面側に露出しないの
で、特に、火災の際等に接合具が加熱されて熱橋とな
り、構造部材の接合具螺着部内が炭化されるのを防止で
き、該接合構造の耐火性を向上できる。 (28)構造部材の外周壁面に接合具が露出しないの
で、外観を向上でき、特に、化粧梁等の多様なデザイン
にも対応ができる。
【0053】ここで、溝埋設材としては、締付溝の形状
に応じて形成される。また、締付溝に溝埋設材を埋設し
た際に、溝埋設材と構造部材の外周壁面が面一になるよ
うに形成するのが好ましい。これにより、構造部材の外
観を向上できる。更に、溝埋設材を締付溝に接着剤によ
り接着固定してもよい。これにより、溝埋設材の落下を
防止することができる。
【0054】本発明の請求項13に記載の構造部材の接
合構造は、請求項6乃至12の内いずれか1項に記載の
発明において、前記構造部材の各接合面に形成された大
入れ部を備えた構成を有している。
【0055】これにより、請求項6乃至12の作用に加
えて、以下の作用を有する。 (29)大入れ部を介して各構造部材の各接合面を接合
することができるので、接合する構造部材の接合面をず
らすことなく接合させることができ、構造部材に形成さ
れた接合具螺着部を確実に合わせて接合することができ
る。
【0056】ここで、大入れ部としては、接合する構造
部材の接合面の一方に凹状に形成された凹部、他方に凸
状に形成され凹部に嵌合される凸部、からなるもの等が
用いられる。特に、凹部を凸部の突出長さより浅く、又
は凸部の突出長さを凹部の深さより長く形成するととも
に、接合具螺着部と連通するように形成した場合、大入
れ部と同時に接合部に締付溝を形成することができ、締
付溝の形成作業性を向上できる。
【0057】本発明の請求項14に記載の構造部材の接
合方法は、a.所定の接合面で接合される縦構造部材や
横架構造部材等の2以上の構造部材のいずれか1の前記
構造部材の外周壁部から他の前記構造部材の所定部まで
若しくは各前記構造部材の前記接合面から各前記構造部
材の所定部まで各々連通した1以上の接合具螺着部を穿
設する螺着部穿設工程,前記接合具螺着部の一端部側又
は両端部側に前記構造部材の外周壁部から前記接合具螺
着部の長さ方向と略直角に連通した止着用孔を穿設する
止着用孔穿設工程,前記構造部材の外周壁部から前記接
合具螺着部と略直角に連通した締付溝を形成する締付溝
形成工程,前記接合具螺着部の開口部に前記接合具螺着
部と直交した座部を穿設する座部形成工程,の内いずれ
か1以上を有した部材穿設工程と、b.請求項1乃至5
の内いずれか1項に記載の接合具の接合具本体及び/又
は端部部材を前記接合具螺着部に螺着し前記構造部材を
連結する部材連結工程と、c.前記接合具で前記構造部
材を前記接合面で当接させて前記構造部材を接合する部
材接合工程と、を備えた構成を有している。
【0058】これにより、以下の作用を有する。 (ア)使用する接合具に応じて、部材穿設工程で、構造
部材に接合具螺着部や止着用孔、締付溝,座部を穿設
し、部材連結工程で接合具螺着部に接合具を螺着するだ
けで、2以上の構造部材を接合具で連結することがで
き、また、部材接合工程で構造部材の接合面を当接させ
ることにより、接合具で構造部材を確実に接合すること
ができ、少ない工程で構造部材を容易に接合することが
できる。 (イ)構造部材を順に組み立てていくことでき、建設現
場で直接構造部材の接合ができ建築物の建築作業性を向
上できる。
【0059】ここで、接合具螺着部,止着用孔,締付
溝,座部としては、建設現場で穿設してもよく、また、
工場でプレカット方式等で予め形成してもよい。尚、接
合具螺着部はタップ等によりネジ加工するのが好まし
い。これにより、接合具螺着部への接合具の螺着作業が
容易にできる。また、止着用孔としては、接合具の止着
孔や止着部材と略同一大きさで、接合具螺着部に螺着さ
れた接合具の止着孔に止着部材を挿着できる位置に形成
される。また、止着用孔を構造部材に貫通して形成、若
しくは接合具螺着部に連通して所定深さで形成してもよ
く、更に、止着用孔の一端部側(構造部材の外周壁部
側)を大径に形成してもよく、この場合、止着部材を止
着用孔に埋設することができる。
【0060】螺着部穿設工程において、接合具螺着部に
建設現場で直接ネジ加工をする場合、予め構造部材に下
孔を形成するのが好ましい。これにより、ネジ加工が容
易にできる。尚、接合具螺着部を穿設する場合、接合す
る構造部材を予めコーチスクリューや羽子板ボルト等で
接合するのが好ましい。これにより、容易に接合具螺着
部を穿設することができるとともに、加工精度を向上で
きる。また、締付溝形成工程において、特に、構造部材
の接合面に締付溝を形成する場合、一方の接合面に凸
部,他方の接合面に凹部を形成して接合具螺着部に連通
した大入れ部を形成するとともに、凸部の突出長さを凹
部の深さより長く形成することにより締付溝を形成して
もよい。これにより、構造部材の大入れ部の形成と同時
に締付溝を形成することができる。
【0061】尚、特に、請求項1の接合具で構造部材を
接合する場合、部材連結工程で、接合具螺着部に接合具
を螺着する前に、接合する構造部材同士を接合面で当接
させて構造部材をコーチスクリューや羽子板ボルト等で
接合してもよい。これにより、接合具の螺着作業が容易
にできる。また、特に、請求項3の接合具を用いて構造
部材を接合する場合、接合具螺着部を予め構造部材に形
成するとともに、接合具螺着部に接合具の端部部材を螺
着してもよい。これにより、建設現場での端部部材の螺
着作業を要さず、建設現場での作業性を向上できる。
【0062】本発明の請求項15に記載の構造部材の接
合方法は、請求項14に記載の発明において、前記部材
連結工程及び/又は前記部材接合工程が、前記止着用孔
から前記接合具の止着孔に止着部材を挿着する止着部材
挿着工程を備えた構成を有している。
【0063】これにより、請求項14の作用に加えて、
以下の作用を有する。 (ウ)接合具螺着部に螺着した接合具を止着部材で構造
部材に固定することができ、接合具を接合具螺着部で回
転させることなく強固に固定することができ、接合具の
固定力を向上できる。
【0064】ここで、止着部材は、構造部材の外周壁部
側から接合具の止着孔にかけて嵌合又は打設若しくは螺
着される。尚、止着部材の挿着時に止着用孔や止着孔,
止着部材に接着剤を塗布し、止着部材を止着用孔や止着
孔に接着固定してもよい。これにより、止着部材の固定
力を向上できる。また、止着部材を止着用孔に挿着した
後、止着用孔の開口部に木栓等の込栓を打ち込み、構造
部材の外周壁部と面一にしてもよい。これにより、構造
部材の外観を向上できる。
【0065】尚、特に、請求項1又は請求項2の接合具
で構造部材を接合する場合、部材接合工程で、構造部材
を接合した後、止着部材挿着工程で接合具の止着孔に止
着部材が挿着される。また、特に、請求項3の接合具で
構造部材を接合する場合、部材連結工程で接合具の端部
部材を接合具螺着部に螺着した後、止着部材挿着工程で
端部部材の止着孔に止着部材が挿着される。
【0066】本発明の請求項16に記載の構造部材の接
合方法は、請求項14又は15に記載の発明において、
前記締付溝に溝埋設材を埋設、及び/又は、前記座部に
埋設材を埋設する埋設工程を備えた構成を有している。
【0067】これにより、請求項14又は15の作用に
加えて、以下の作用を有する。 (エ)締付溝や座部に溝埋設材や埋設材が埋設されるの
で、接合具が構造部材の外周壁面に露出するのを防止で
き、接合具に結露が発生するのを防止できるとともに、
火災時等に接合具が加熱され締付溝や座部が炭化して接
合部分が容易に倒壊するのを防止できる。
【0068】ここで、溝埋設材や埋設材は、締付溝や座
部に嵌合又は打設される。尚、溝埋設材や締付溝,埋設
材や座部に接着剤を塗布してから溝埋設材や埋設材を埋
設してもよい。これにより、溝埋設材や埋設材を確実に
接着固定することができる。
【0069】
【発明の実施の形態】(実施の形態1,2,3)本発明
の実施の形態1における接合具について、以下図面を用
いて説明する。図1は実施の形態1における接合具の要
部分解全体斜視図である。図1において、1は実施の形
態1におけるステンレス等の金属製の接合具、2は外周
面がねじ状に形成された中実棒状の接合具本体、3は接
合具本体2の両端部側に接合具本体2の長さ方向と直交
して穿孔された止着孔、4は接合具本体2の一端面に+
状に切欠形成された締付作業部、5は止着孔3に挿着さ
れる棒状体からなる止着部材である。
【0070】ここで、実施の形態1では、接合具本体2
として中実棒状のものを用いているが、中空棒状のもの
を用いてもよく、この場合、接合具本体2の軽量化を図
ることができる。また、実施の形態1では、止着孔3は
接合具本体2の外径の0.2倍〜0.8倍で形成してい
る。接合具本体2の外径の0.2倍より小さくなるにつ
れ止着孔3が小径となるので止着孔3に挿着される止着
部材5も小径となり止着部材5の強度が低下する傾向が
あり、また、接合具本体2の外径の0.8倍より大きく
なるにつれ接合具本体2の欠損が大きくなり接合具本体
2の機械的強度が低下する傾向がある。更に、実施の形
態1では、止着部材5として棒状体のものを用いている
が、ピンや釘,コーチスクリューやラグスクリュー等の
ネジ等,止着孔3に挿着できるものを用いてもよい。締
付作業部4としては、接合具本体2の一端面に+状に切
欠形成したものを用いているが、−状に切欠形成したも
のや六角形状等の凹部を形成したもの、また、接合具本
体2の一端部にナット等からなる頭部を形成したもの等
を用いてもよく、更に、接合具本体2の両端に締付作業
部4を形成してもよい。特に、締付作業部4を接合具本
体2の両端に形成した場合、接合具本体2のいずれの端
部側からでも構造部材に接合具本体2を螺着することが
でき接合具1の取扱性を向上できる。
【0071】以上のように構成された実施の形態1の接
合具1を用いて、以下、実施の形態2における木造建築
物の構造部材の接合構造について、図面を用いて説明す
る。図2は実施の形態2における構造部材の仕口の接合
構造を示す要部側面断面図であり、図3は図2のA−A
線断面図である。図中、6は柱等の縦構造部材、7は桁
等の横架構造部材、8は縦構造部材6と横架構造部材7
が当接される接合面、9は縦構造部材6の外周壁部から
接合面8に対して略直交して横架構造部材7の所定部ま
で連通して穿設された接合具螺着部、10は接合具螺着
部9の両端部側の止着孔3,3と連通するように縦構造
部材6,横架構造部材7の各外周壁部から縦構造部材
6,横架構造部材7を各々貫通して穿設された止着用
孔、11は縦構造部材6の外周壁部から接合面8に対し
て略直角に横架構造部材7に螺着され縦構造部材6と横
架構造部材7を仮固定したコーチスクリュー等の仮固定
部材である。
【0072】ここで、実施の形態2では、接合具螺着部
9は、縦構造部材6や横架構造部材7の外周壁面から内
側に接合具本体2の外径の1.1倍〜6倍の位置の2ヵ
所に形成している。接合具螺着部9の形成位置が接合具
本体2の外径の1.1倍より小さい位置になるにつれ、
特に大きな外力がかかった際に縦構造部材6や横架構造
部材7の外周壁面に割れ等の破損が発生する傾向があ
り、6倍より大きい位置になるにつれ、接合具螺着部9
の形成数が減少し接合力の向上を図り難い傾向がある。
尚、実施の形態2では2ヵ所に接合具螺着部9を形成し
ているが、縦構造部材6や横架構造部材7の大きさ,接
合具1の大きさ等に応じて1以上の任意の数形成され、
接合具1の使用本数が任意に調整される。接合具1の使
用本数が多い場合、接合具1にかかる荷重を分布させる
ことができるとともに、接合具1を小型化することがで
き縦構造部材6や横架構造部材7の断面欠損を減少する
ことができる。また、接合具螺着部9は縦構造部材6,
横架構造部材7にタップ等で雌螺子状に穿設されてい
る。これにより、接合具1を接合具螺着部9に螺着する
際の螺着作業性を向上できるとともに、接合具1の螺着
時に縦構造部材6や横架構造部材7に無理な力がかかる
のを防止でき縦構造部材6や横架構造部材7に割れ等の
破損が発生するのを防止できる。
【0073】また、実施の形態2では、接合具螺着部9
の形成長さ(全長)は、縦構造部材6に形成される接合
具螺着部9の長さの2倍〜3.5倍で形成しており、接
合具1として、全長が縦構造部材6に形成される接合具
螺着部9の長さの2倍〜3.5倍のものを用いている。
接合具螺着部9の全長が縦構造部材6に形成される接合
具螺着部の長さの2倍より短くなるにつれ、接合具1と
接合具螺着部9との螺着距離が短くなり縦構造部材6と
横架構造部材7の接合力が低下する傾向があり、3.5
倍より長くなるにつれ、横架構造部材7の欠損が増え横
架構造部材の機械的強度が低下する傾向がある。尚、接
合具螺着部9の全長を接合具1の全長より長く形成した
場合、縦構造部材6,横架構造部材7の接合後の縦構造
部材6や横架構造部材7の乾燥等による収縮等の経年変
化に応じて接合具1の締め増し作業ができる。
【0074】更に、実施の形態2では、止着用孔10
は、接合具1の止着孔3,止着部材5と略同一の大きさ
で、接合具1を接合具螺着部9に螺着した際の止着孔3
と同位置になるように形成している。尚、実施の形態2
では、止着用孔10を縦構造部材6,横架構造部材7の
各々に貫通して形成しているが、止着部材5の長さに応
じて縦構造部材6,横架構造部材7の所定部まで穿設し
貫設しなくてもよい。また、仮固定部材11としては、
コーチスクリュー等のネジ部材の他、箱金物や羽子板ボ
ルト等の従来の接合金具を用いてもよい。
【0075】以上のように構成された実施の形態2の構
造部材の接合構造について、以下その接合方法を説明す
る。まず、部材穿設工程において、螺着部穿設工程で縦
構造部材6と横架構造部材7を接合面8で当接させて仮
固定部材11で縦構造部材6と横架構造部材7を仮固定
し、次いで、縦構造部材6の外周壁部から接合面8に対
して直角に横架構造部材7の所定部まで連通した接合具
螺着部9を穿設する。ここで、接合具螺着部9はタップ
等でネジ加工してもよく、また、建設現場で接合具螺着
部9のネジ加工を行う場合は、接合具螺着部9の下孔だ
けを穿設してもよい。次いで、止着用孔穿設工程で、接
合具螺着部9の両端部側の止着孔3,3の位置に縦構造
部材6,横架構造部材7の各外周壁部から接合具螺着部
9の長さ方向と略直角に連通した止着用孔10を穿設す
る。尚、この螺着部穿設工程や止着用孔穿設工程からな
る部材穿設工程は、建築物の建設現場で行うこともでき
るが、予め工場でプレカット方式等で形成しておくこと
もできる。
【0076】次に、部材連結工程において、縦構造部材
6と横架構造部材7を接合面8で当接させて仮固定部材
11を縦構造部材6の外周壁部から横架構造部材7に螺
着等で固定し、縦構造部材6と横架構造部材7を仮固定
した後、接合具1の接合具本体2の他端部側(締付作業
部4と反対側の端部)から、接合具螺着部9に接合具本
体2を螺着し、縦構造部材6と横架構造部材7を接合具
本体2で連結する。
【0077】次に、部材接合工程において、接合具本体
2の締付作業部4にドライバー等の工具を係合して、接
合具本体2の締付作業部4が縦構造部材6の外周壁面と
面一若しくは縦構造部材6中に埋設されるまで接合具本
体2を接合具螺着部9に螺着する。接合具本体2の螺着
作業が終了した後、止着部材挿着工程において、止着用
孔10,止着孔3に止着部材5を挿着し、縦構造部材6
と横架構造部材7を接合面8で当接させて接合する。こ
こで、止着部材5を止着用孔10,止着孔3に挿着する
際、止着部材5,止着用孔10,止着孔3に接着剤を塗
布してから止着部材5を挿着してもよい。これにより、
止着部材5を止着用孔10,止着孔3に接着固定するこ
とができる。
【0078】次に、実施の形態1の接合具1を用いて、
以下、実施の形態3における木造建築物の構造部材の他
の接合構造について、図面を用いて説明する。図4は実
施の形態3における構造部材の接合構造を示す要部側面
断面図であり、図5は実施の形態3における構造部材の
接合構造を示す平面図である。尚、実施の形態2と同様
のものには同一の符号を付して説明を省略する。図中、
7A,7Bは縦構造部材6を介して同一平面上で接合さ
れる桁等の横架構造部材、8aは横架構造部材7Aと縦
構造部材6が当接される接合面、8bは横架構造部材7
Bと縦構造部材6が当接される接合面、12a,12b
は横架構造部材7A,7Bの各外周壁部から接合面8
a,8bに対して傾斜角度αを有して縦構造部材6を貫
通して横架構造部材7B,7Aの所定部まで穿孔された
接合具螺着部、13は横架構造部材7A,7Bの外周壁
部側に開口された接合具螺着部12a,12bの開口部
に穿設され接合具螺着部12a,12bと直交した座
部、14は座部13に埋設され表面が横架構造部材7
A,7Bの外周壁面と略面一に形成された埋設材、15
は接合具螺着部12a,12b両端部側に横架構造部材
7A,横架構造部材7Bの各外周壁部から接合具螺着部
12a,12bの長さ方向と直角に連通し横架構造部材
7A,横架構造部材7Bを各々貫通して穿設された止着
用孔である。
【0079】ここで、実施の形態3では、接合具螺着部
12a,12bの傾斜角度αは、接合面8a,8bに対
して20°≦α≦70°若しくは30°≦α≦60°で
形成されている。傾斜角度αが30°よりも小さくなる
につれ接合具螺着部12a,12bの形成位置が接合面
8a,8b側に近づき横架構造部材7A,7Bの端部側
になり、外力に対して横架構造部材7A,7Bが破損し
易くなる傾向が有り、傾斜角度αが60°よりも大きく
なるにつれ接合具1の長さが長くなりすぎて接合作業性
が低下する傾向が有る。また、実施の形態3では、横架
構造部材7A,横架構造部材7Bに形成する接合具螺着
部12a、12bは、略同一長さとなるように形成して
いる。これにより、接合具1と接合具螺着部12a,1
2bとの螺着量を横架構造部材7A,横架構造部材7B
で略同一にすることができ、横架構造部材7A,横架構
造部材7Bに対して略均等な接合力を維持することがで
きる。更に、接合具螺着部12a、12bの全長を接合
具1の全長より長く形成した場合、縦構造部材6と横架
構造部材7A,横架構造部材7Bの接合後の縦構造部材
6や横架構造部材7A,横架構造部材7Bの乾燥等によ
る収縮等の経年変化に応じて接合具1の締め増し作業が
できる。
【0080】以上のように構成された実施の形態3の構
造部材の接合構造について、以下その接合方法を説明す
る。まず、部材穿設工程において、螺着部穿設工程で縦
構造部材6と横架構造部材7A,横架構造部材7Bを接
合面8a,8bで当接させて横架構造部材7A,横架構
造部材7Bの各外周壁部から接合面8a,8bに対して
傾斜角度αで縦構造部材6を貫通して横架構造部材7
B,横架構造部材7Aの所定部まで連通した接合具螺着
部12a,12bを穿設する。ここで、接合具螺着部1
2a,12bはタップ等でネジ加工してもよく、また、
建設現場で接合具螺着部12a,12bのネジ加工を行
う場合は、接合具螺着部12a,12bの下孔だけを穿
設してもよい。次いで、止着用孔穿設工程で、接合具螺
着部12a,12bの各両端部側に横架構造部材7A,
横架構造部材7Bの各外周壁部から接合具螺着部12
a,12bの長さ方向と略直角に接合具1の止着孔3と
連通する止着用孔15を穿設する。次に、座部形成工程
で、各接合具螺着部12a,12bの開口部に接合具螺
着部12a,12bと直交した座部13を穿設する。
尚、この螺着部穿設工程や止着用孔穿設工程,座部形成
工程からなる部材穿設工程は、建築物の建設現場で行う
こともできるが、予め工場でプレカット方式等で形成し
ておくこともできる。
【0081】次に、部材連結工程において、縦構造部材
6と横架構造部材7A,横架構造部材7Bを接合面8
a,8bで当接させて、接合具1の接合具本体2の他端
部側(締付作業部4と反対側の端部)から、接合具螺着
部12a,12bの各々に接合具本体2を螺着し、縦構
造部材6と横架構造部材7A,横架構造部材7Bを接合
具本体2で連結する。次に、実施の形態2と同様に、部
材接合工程において、縦構造部材6と横架構造部材7
A,横架構造部材7Bを接合面8a,8bで当接させて
接合した後、埋設工程において、座部13に埋設材14
を埋設する。ここで、埋設材14や座部13に接着剤を
塗布して埋設材14を座部13に埋設してもよい。これ
により、埋設材14を座部13に確実に接着固定するこ
とができる。
【0082】以上のように実施の形態1における接合具
及びそれを用いた実施の形態2,実施の形態3における
構造部材の接合構造並びに接合方法によれば、以下の作
用を有する。 (1)外周面がねじ状に形成された棒状体に止着孔を穿
孔し、端部に締付作業部を形成するだけで該接合具を形
成でき、構造が簡単で該接合具の生産性を向上でき、ま
た、要求される構造部材の接合強度に応じて接合具本体
の長さや直径等を容易に変更することができ、該接合具
の使用性や汎用性に優れる。 (2)接合具本体の外周面がねじ状に形成されているの
で、接合具本体を構造部材に螺着した際に、接合具本体
の外周面のねじ山を構造部材にねじ込むことができ、接
合具本体と構造部材を高い引き抜き力や剪断力で螺着す
ることができ、該接合具で構造部材同士を高い接合力で
剛接合することができる。 (3)接合具本体を構造部材に直接螺着しているので、
接合具本体の外周面を構造部材に密接させることがで
き、特に、構造部材が乾燥等により収縮した場合、構造
部材が接合具本体により密着され、該接合具で構造部材
をより強固に接合することができ、経年による接合部分
の接合力の低下を防止できる。 (4)柱と梁や桁,柱を介した2以上の梁,等の縦構造
部材や横架構造部材に穿設された接合具螺着部に接合具
の接合具本体を螺着し、締付作業部で接合具本体を構造
部材にねじ込むことにより、接合具本体で構造部材同士
を接合面で当接させて連結・接合することができ、確実
かつ高強度な接合ができるとともに建築物の耐震性を向
上でき、また、止着用孔から接合具本体の止着孔に止着
部材を挿着することにより、接合具本体が構造部材で回
転するのを防止して強固に固定することができ、構造部
材同士を強固に接合できる。 (5)縦構造部材や横架構造部材に接合具螺着部と止着
孔部を穿設するだけで該接合具で縦構造部材と横架構造
部材を接合でき、簡単な構造で構造部材の接合ができ
る。 (6)構造部材に予め接合具螺着部を穿設しているの
で、接合具本体を接合具螺着部に螺着した際に、構造部
材に無理な力が働くのを防止でき、接合具本体の螺着時
の構造部材の割れや破断を防止でき、また、接合具本体
の螺着後に構造部材にストレスがかかって割れ等の破損
が発生するのを防止できる。 (7)接合具螺着部が構造部材の外周壁部から穿設さ
れ、接合具が構造部材の外周壁部側から螺着されている
ので、構造部材の接合後に乾燥等により構造部材が収縮
して構造部材の接合面間等に隙間が生じたり、ガタが発
生した際にも、接合具の締付作業部で接合具の締め増し
をすることができ、構造部材の経年変化による接合力の
低下を防止できる。 (8)接合具螺着部を複数形成して複数の接合具で構造
部材を接合した場合、構造部材の接合力を向上できると
ともに、接合面積の大きな構造部材でも複数の接合具で
接合することができ構造部材の大きさ等に応じて接合具
の本数を調整することにより多様な設計に対応すること
ができる。 (9)複数の接合具を用いて構造部材を接合した場合、
各接合具の接合具本体の外径を小さくすることができる
とともに、構造部材に穿設する接合具螺着部の断面積を
小さくすることができ、構造部材の断面欠損を減少させ
構造部材の強度低下を抑制でき、また、特に、ラグスク
リューや従来の接合金具等と該接合具を併用することに
より、該接合具の小型化を図ることができるとともに、
構造部材の接合部分の接合強度や安全性を向上できる。 (10)接合具螺着部を構造部材の接合面に対して傾斜
角度αで穿設した場合、接合具螺着部に接合具本体を螺
着するだけで、構造部材の鉛直荷重に対する変形に耐え
ることができ、接合された構造部材の剛性を向上でき
る。 (11)接合具螺着部をクロス状に構造部材に形成した
場合、接合具を接合具螺着部に螺着して構造部材を連結
・接合するだけで、構造部材の上下左右からの荷重を各
接合具の偶力で打ち消すことができ、極めて機械的強度
に優れた接合ができる。 (12)接合具螺着部の開口部に座部を形成した場合、
該接合具が構造部材の外周壁部に突出するのを防止でき
構造部材の外観を向上でき、また、座部を埋設材で埋設
した場合、該接合具の端部が構造部材の表面に露出する
のを防止でき、特に、火災時等に構造部材の炭化皮膜に
より接合具を火災の高温から守ることができ、安全性を
向上できるとともに、接合具に外部の熱が伝わるのを防
止でき、外部の熱が接合具を介して構造部材の内部に伝
わるのを防止できる。 (13)埋設材を構造部材の外周壁面と面一にしている
ので、構造部材の外観を向上できる。 (14)螺着部穿設工程や止着用孔穿設工程,座部形成
工程からなる部材穿設工程と、部材連結工程と、止着部
材挿着工程を有した部材接合工程と、埋設工程と、の少
ない作業工程で縦構造部材や横架構造部材の構造部材を
該接合具で簡単に接合することでき、構造部材の接合作
業性に優れる。 (15)該接合具を接合具螺着部に螺着することによ
り、構造部材を順に組み立てていくことができ、建設現
場で直接構造部材の接合ができ建築物の建築作業性を向
上できる。 (16)螺着部穿設工程で接合具螺着部を穿設する際
に、縦構造部材と横架構造部材を接合面で当接させて仮
固定部材で仮固定した場合、接合具螺着部の加工精度を
向上でき、また、部材連結工程で、縦構造部材と横架構
造部材を接合面で当接させて仮固定部材で仮固定した後
に接合具螺着部に該接合具を螺着した場合、縦構造部材
と横架構造部材の接合面間に隙間を形成することなく接
合面を密着させて縦構造部材と横架構造部材を連結・接
合することが容易にでき、接合精度を向上できる。
【0083】(実施の形態4,5)本発明の実施の形態
4における接合具について、以下図面を用いて説明す
る。図6は実施の形態4における接合具の全体斜視図で
ある。図6において、20は実施の形態4におけるステ
ンレス等の金属製の接合具、21は断面が円形状の中実
棒状体からなる接合具本体、22は接合具本体21の長
さ方向の略中央部の外周面に形成された2以上の平面部
からなる締付作業部、23a,23bは締付作業部22
の両側の接合具本体21の外周面に各々右ねじ状,左ね
じ状に形成された雄ねじ部である。
【0084】ここで、実施の形態4では、接合具本体2
1として中実棒状のものを用いているが、中空棒状のも
のを用いてもよく、この場合、接合具本体21の軽量化
を図ることができる。また、実施の形態4では、締付作
業部22は、6面の平面部からなる断面六角形状に形成
している。尚、締付作業部22の形成位置は、接合具2
0を用いて接合する構造部材の形態や接合場所に応じ
て、接合具本体21の長さ方向の任意の位置に形成され
る。
【0085】以上のように構成された実施の形態4の接
合具20を用いて、以下、実施の形態5における木造建
築物の構造部材の接合構造について、図面を用いて説明
する。図7(a)は実施の形態5における横架構造部材
同士の継手接合構造を示す要部分解側面断面図であり、
図7(b)は溝埋設材の全体斜視図である。尚、実施の
形態2又は3と同様のものには同一の符号を付して説明
を省略する。図中、24は横架構造部材7Aと横架構造
部材7Bが接合される接合端面、25は横架構造部材7
Aの接合面24に凸状に形成された凸部25aと横架構
造部材7Bの接合面24に凹状に形成され凸部25aが
嵌合される凹部25bとからなる大入れ部、26a,2
6bは横架構造部材7A,7Bの各接合端面24から横
架構造部材7A,7Bの各々に連通して穿孔された接合
具螺着部、27は横架構造部材7A,7Bの接合端面2
4間に接合具螺着部26a,26bと略直角に連通して
形成された締付溝、28は締付溝27に埋設される溝埋
設材、28aは溝埋設材28に略逆U字状に切欠形成さ
れた切欠部である。
【0086】ここで、実施の形態5では、接合具螺着部
26a,26bは、横架構造部材7A,7Bの外周壁面
から接合具本体21の外径の3倍〜10倍の位置の2ヵ
所に形成している。接合具螺着部26a,26bの形成
位置が接合具本体21の外径の3倍より小さい位置にな
るにつれ、特に大きな外力がかかった際に接合具螺着部
26a,26bが接合具20により破損される傾向があ
り、10倍より大きい位置になるにつれ、接合具螺着部
26a,26bの形成数が減少し接合力の向上を図り難
い傾向がある。尚、実施の形態5では2ヵ所に接合具螺
着部26a,26bを形成しているが、横架構造部材7
A,7Bの大きさ,接合具20の大きさ等に応じて1以
上の任意の数形成され、接合具20の使用本数が任意に
調整される。接合具20の使用本数が多い場合、接合具
20にかかる荷重を分布させることができるとともに、
接合具20を小型化することができ横架構造部材7A,
7Bの断面欠損を減少することができる。また、接合具
螺着部26a,26bは各々連通するように形成されて
いるとともに、接合具20の右ねじ状の雄ねじ部23
a,左ねじ状の雄ねじ部23bが各々螺着できるよう
に、各々右ねじ状,左ねじ状にタップ等で穿設されてい
る。更に、実施の形態5では、接合具螺着部26a,2
6bは、各々略同一長さで形成している。これにより、
横架構造部材7A,7Bの接合具螺着部26a,26b
に各々略均等に接合具20を螺着することができる。
【0087】また、実施の形態5では、大入れ部25の
凸部25aの突出長さを凹部25bの深さより長く形成
し、凸部25aを凹部25bに嵌合した際に、横架構造
部材7A,7Bの接合端面24間に締付溝27が形成で
きるようにしている。溝埋設材28としては、締付溝2
7に埋設した際に溝埋設材28と横架構造部材7A,7
Bの外周壁面が略面一になるように形成している。
【0088】以上のように構成された実施の形態5の構
造部材の接合構造について、以下その接合方法を説明す
る。まず、部材穿設工程において、螺着部穿設工程で横
架構造部材7A,横架構造部材7Bの各接合端面24か
ら横架構造部材7A,7Bの所定部まで各々連通した右
ねじ状,左ねじ状の接合具螺着部26a,26bを穿設
する。ここで、接合具螺着部26a,26bはタップ等
でネジ加工してもよく、また、建設現場で接合具螺着部
26a,26bのネジ加工を行う場合は、接合具螺着部
26a,26bの下孔だけを穿設してもよい。次いで、
締付溝形成工程で、横架構造部材7Aの接合端面24に
凸部25aを形成するとともに、横架構造部材7Bの接
合端面24に凸部25aの突出長さより浅い凹部24を
形成し、横架構造部材7A,7Bの外周壁部から接合具
螺着部26a,26bに略直角に連通した締付溝27を
形成する。尚、この螺着部穿設工程や締付溝形成工程か
らなる部材穿設工程は、建築物の建設現場で行うことも
できるが、予め工場でプレカット方式等で形成しておく
こともできる。
【0089】次に、部材連結工程において、横架構造部
材7A,7Bの各接合具螺着部26a,26bに接合具
20の雄ねじ部23a,23bを略同時に螺着し、横架
構造部材7A,横架構造部材7Bを接合具本体21で連
結する。次に、部材接合工程において、締付溝27にス
パナ等の工具を挿入して接合具20の締付作業部22に
工具を係合し、締付作業部22を回転させて横架構造部
材7A,7Bの凸部25aと凹部25bが嵌合されるま
で接合具20を接合具螺着部26a,26bに螺着し、
横架構造部材7A,横架構造部材7Bを接合する。次い
で、埋設工程において、締付溝27に溝埋設材28を埋
設し、締付溝27を塞ぐ。ここで、溝埋設材28は切欠
部28aに接合具20が嵌合されるように埋設される。
【0090】以上のように実施の形態4における接合具
及びそれを用いた実施の形態5における構造部材の接合
構造並びに接合方法によれば、実施の形態1乃至3の作
用に加えて、以下の作用を有する。 (1)長さ方向の所定部に締付作業部を形成し、締付作
業部の両側の外周面に各々右ねじ状,左ねじ状の雄ねじ
部を形成するだけで該接合具を形成でき、構造が簡単で
該接合具の生産性を向上でき、また、要求される構造部
材の接合強度に応じて接合具本体の長さや直径等を容易
に変更することができ、該接合具の使用性や汎用性に優
れる。 (2)接合具本体の長さ方向の所定部に締付作業部を有
しているので、締付作業部に工具等を係合して接合具本
体を回転させ接合具本体を構造部材の接合具螺着部にね
じ込むことができ、また、締付作業部の両側の雄ねじ部
が各々右ねじ状と左ねじ状に形成されているので、接合
具本体を回転させるだけで締付作業部の両側の雄ねじ部
を各々接合する構造部材の接合具螺着部に螺着すること
ができ、構造部材同士を接合面側へ引き寄せて容易に接
合することができる。 (3)構造部材に接合具螺着部と締付溝を穿設するだけ
で、該接合具で構造部材同士を接合面側に引き寄せて連
結・接合することができ、簡単な構造で構造部材の接合
ができる。 (4)接合具螺着部に螺着された接合具本体で構造部材
同士を接合できるので、確実かる高強度な接合ができ、
建築物の耐震性を向上できる。 (5)構造部材に締付溝を形成しているので、構造部材
の接合後に乾燥等により構造部材が収縮して構造部材の
接合面間に隙間が生じたり、ガタが発生した際にも、締
付溝から接合具の締付作業部を回転させて接合具の締め
増しができ、構造部材の経年変化による接合力の低下を
防止できる。 (6)大入れ部を介して構造部材を接合しているので、
接合する構造部材の接合面をずらすことなく接合させる
ことができ、各構造部材に形成された接合具螺着部を容
易かつ確実に合わせることができる。 (7)大入れ部の凸部の突出長さを凹部の深さより長く
形成し、大入れ部に締付溝を形成しているので、大入れ
部の形成と同時に締付溝を形成でき、締付溝を形成作業
性を向上できる。 (8)締付溝に埋設される溝埋設材を有しているので、
締付溝に溝埋設材を埋設することにより、接合具が構造
部材の外周壁面側に露出するのを防止でき、接合具に結
露が発生するのを防止でき、接合具の錆の発生や構造部
材の腐食を防止できる。 (9)接合具が構造部材の外周壁面側に露出しないの
で、特に、火災の際等に接合具が加熱されて熱橋とな
り、構造部材の接合具螺着部内が炭化され接合部分が崩
壊するのを防止でき、該接合構造の耐火性を向上でき
る。 (10)締付溝に溝埋設材を埋設しているので、接合具
が構造部材の外周壁面に露出しないとともに、締付溝に
埋設した溝埋設材が構造部材の外周壁面と面一に形成さ
れているので、構造部材の外観を向上でき、また、締付
溝による構造部材の接合面間の欠損を補強することがで
きる。 (11)螺着部穿設工程や締付溝形成工程からなる部材
穿設工程と、部材連結工程と、部材接合工程と、埋設工
程と、の少ない作業工程で構造部材を該接合具で簡単に
接合することでき、構造部材の接合作業性に優れる。
【0091】(実施の形態6,7)本発明の実施の形態
6における接合具について、以下図面を用いて説明す
る。図8は実施の形態6における接合具の要部分解全体
斜視図である。図8において、30は実施の形態6にお
けるステンレス等の金属製の接合具、31は断面が円形
状の中実棒状体からなる接合具本体、32は接合具本体
31の長さ方向の所定部の外周面に形成された2以上の
平面部からなる締付作業部、33a,33bは締付作業
部32の両側の接合具本体31の外周面に各々右ねじ
状,左ねじ状に形成された雄ねじ部、34A,34Bは
外周面がねじ状に形成された端部部材、35a,35b
は各端部部材34A,34Bの各一端面から各々右ねじ
状,左ねじ状に所定長さ形成された雌ねじ部、36は各
端部部材34A,34Bの各一端面に雌ねじ部35a,
35bを中心として略十字溝状に切欠形成された挿着作
業部、37は各端部部材34A,34Bの他端部側に端
部部材34A,34Bの長さ方向と直交して穿孔された
止着孔、38は止着孔37に挿着される釘からなる止着
部材である。
【0092】ここで、実施の形態6では、接合具本体3
1として中実棒状のものを用いているが、中空棒状のも
のを用いてもよく、この場合、接合具本体31の軽量化
を図ることができる。また、実施の形態6では、止着孔
37は端部部材34A,34Bの外径の0.2倍〜0.
8倍で形成している。端部部材34A,34Bの外径の
0.2倍より小さくなるにつれ止着孔37が小径となる
ので止着孔37に挿着される止着部材38も小径となり
止着部材38の強度が低下する傾向があり、また、0.
8倍より大きくなるにつれ端部部材34A,34Bの欠
損が大きくなり端部部材34A,34Bの機械的強度が
低下する傾向がある。更に、実施の形態6では、止着部
材38として釘を用いているが、コーチスクリューやラ
グスクリュー等のネジや棒状体のもの等,止着孔37に
挿着できるものを用いてもよい。挿着作業部36として
は、十字状に切欠形成する他、−状に切欠形成したもの
を用いてもよい。
【0093】以上のように構成された実施の形態6の接
合具30を用いて、以下、実施の形態7における木造建
築物の構造部材の接合構造について、図面を用いて説明
する。図9は実施の形態7における構造部材の接合構造
を示す要部側面分解断面図であり、図10は図9のB−
B線断面図である。尚、実施の形態2,3,5と同様の
ものには同一の符号を付して説明を省略する。図中、3
9a,39b,39cは横架構造部材7A,7B,縦構
造部材6の各接合面8a,8bから横架構造部材7A,
7B,縦構造部材6に各々連通して穿孔された接合具螺
着部、40は横架構造部材7Aの外周壁部から接合具螺
着部39a,39cと略直角に連通して縦構造部材6,
横架構造部材7A間に形成された締付溝、41は横架構
造部材7A,7Bの外周壁部から接合具螺着部39a,
39bの底部側の端部に接合具螺着部39a,39bの
長さ方向と略直角に連通して穿設された止着用孔、41
aは止着用孔41の横架構造部材7A,7Bの外周壁部
側の端部に止着用孔41より大径で凹状に形成された凹
部である。
【0094】ここで、実施の形態7では、接合具螺着部
39a,39bは、接合具30の端部部材34A,34
Bが螺着できる大きさ及び長さ(深さ)で、横架構造部
材7A,7Bの外周壁面から端部部材34A,34Bの
外径の3倍〜10倍の位置に形成している。接合具螺着
部39a,39bの形成位置が端部部材34A,34B
の外径の3倍より小さい位置になるにつれ、特に大きな
外力がかかった際に接合具螺着部39a,39bが破損
される傾向があり、10倍より大きい位置になるにつ
れ、接合具螺着部39a,39bの形成数が減少し接合
力の向上を図り難い傾向がある。尚、実施の形態7では
横架構造部材7A,7Bに各々1ヵ所に接合具螺着部3
9a,39bを形成しているが、横架構造部材7A,7
Bの大きさ,接合具30の大きさ等に応じて1以上の任
意の数形成され、接合具30の使用本数が任意に調整さ
れる。接合具30の使用本数が多い場合、接合具30に
かかる荷重を分布させることができるとともに、接合具
30を小型化することができ横架構造部材7A,7Bの
断面欠損を減少することができる。また、接合具螺着部
39cは、接合具30の接合具本体31と略同一大きさ
かつ接合具本体31の左ねじ状の雄ねじ部33bが螺着
できる左ねじ状で、縦構造部材6の接合面8a,8bに
貫通して形成されている。更に、接合具螺着部39a,
39b,39cは、各々連通するように形成されている
とともに、右ねじ状や左ねじ状にタップ等で穿設されて
いる。
【0095】また、実施の形態7では、止着用孔41
は、接合具30の止着孔37,止着部材38と略同一の
大きさで、端部部材34A,34Bを接合具螺着部39
a,39bに螺着した際の止着孔37と同位置になるよ
うに形成している。尚、実施の形態7では、止着用孔4
1を横架構造部材7A,7Bの各々に接合具螺着部39
a,39bに連通して所定部まで形成しているが、止着
部材38の長さや種類等に応じて横架構造部材7A,7
Bに貫通して穿設してもよい。
【0096】以上のように構成された実施の形態7の構
造部材の接合構造について、以下その接合方法を説明す
る。まず、部材穿設工程において、螺着部穿設工程で横
架構造部材7A,横架構造部材7Bの各接合面8a,8
bから横架構造部材7A,7Bの所定部まで各々連通し
た接合具螺着部39a,39bを穿設するとともに、縦
構造部材6の接合面8a,8bを貫通した接合具螺着部
39cを穿設する。ここで、接合具螺着部39a,39
b,39cはタップ等でネジ加工してもよく、また、建
設現場で接合具螺着部39a,39b,39cのネジ加
工を行う場合は、接合具螺着部39a,39b,39c
の下孔だけを穿設してもよい。次いで、止着用孔穿設工
程で、接合具螺着部39a,39bの底部側の端部に横
架構造部材7A,7Bの各外周壁部から接合具螺着部3
9a,39bの長さ方向と略直角に連通した止着用孔4
1及び凹部41aを穿設する。次いで、締付溝形成工程
で、横架構造部材7Aの外周壁部から接合具螺着部39
a,39cに略直角に連通した締付溝40を形成する。
尚、この螺着部穿設工程や止着用孔穿設工程,締付溝形
成工程からなる部材穿設工程は、建築物の建設現場で行
うこともできるが、予め工場でプレカット方式等で形成
しておくこともできる。
【0097】次に、部材連結工程において、横架構造部
材7A,7Bの各接合具螺着部39a,39bに接合具
30の端部部材34A,34Bを各々螺着する。ここ
で、端部部材34A,34Bを接合具螺着部39a,3
9bに螺着する際、端部部材34A,34Bの挿着作業
部36にドライバー等の工具を係合して螺着作業を行
う。次いで、止着部材挿着工程で、横架構造部材7A,
7Bの各止着用孔41から端部部材34A,34Bの各
止着孔37に止着部材38を挿通するとともに、横架構
造部材7A,7Bに止着部材38を打設する。ここで、
止着部材38の頭部は止着用孔41の凹部41aに嵌合
される。次に、接合具30の接合具本体31の雄ねじ部
33bを縦構造部材6の接合面8a側から接合具螺着部
39cに螺着する。雄ねじ部33bの端部(接合具本体
31の端部)が縦構造部材6の接合面8bまで螺着され
ると、接合具本体31の雄ねじ部33a,33bを、横
架構造部材7A,7Bの接合具螺着部39a,39bに
挿着された端部部材34A,34Bの雌ねじ部35a,
35bに同時に螺着し、縦構造部材6,横架構造部材7
A,横架構造部材7Bを接合具30で連結する。尚、端
部部材34A,34Bの接合具螺着部39a,39bへ
の挿着作業は、建築物の建設現場で行うこともできる
が、部材穿設工程と同時に予め工場で行っておいてもよ
い。この場合、建設現場での建設作業工程を削減するこ
とができ作業性を向上できる。
【0098】次に、部材接合工程において、締付溝40
にスパナ等の工具を挿入して接合具本体31の締付作業
部32に工具を係合し、締付作業部32を回転させて横
架構造部材7A,7B,縦構造部材6の接合面8a,8
bが当接するまで接合具本体31の螺着作業を行い、縦
構造部材6と横架構造部材7A,7Bを接合する。次い
で、埋設工程において、締付溝40に溝埋設材28を埋
設し、締付溝40を塞ぐ。尚、実施の形態7で用いた接
合具30としては、接合具本体31の全長が、図10に
示すように、接合具30で縦構造部材6,横架構造部材
7A,7Bを接合した際に、端部部材34A,34Bの
雌ねじ部35a,35bの底部間の長さより短く形成さ
れ、かつ、締付作業部32が、接合具本体31で縦構造
部材6,横架構造部材7A,7Bを接合した際に、締付
作業部32が締付溝40に位置するように形成されたも
のを用いている。
【0099】以上のように実施の形態6における接合具
及びそれを用いた実施の形態7における構造部材の接合
構造並びに接合方法によれば、実施の形態1乃至5の作
用に加えて、以下の作用を有する。 (1)該接合具が、長さ方向の所定部に締付作業部を有
し締付作業部の両側に右ねじ状,左ねじ状の雄ねじ部を
有した棒状体からなる接合具本体と、雌ねじ部と止着孔
を有した外周面がねじ状の端部部材と、からなり、簡単
な構造で該接合具の生産性を向上でき、また、要求され
る構造部材の接合強度に応じて接合具本体や端部部材の
長さや直径等を容易に変更することができ、該接合具の
使用性や汎用性に優れる。 (2)端部部材の雌ねじ部や、接合具本体の締付作業部
の両側の雄ねじ部が各々右ねじ状,左ねじ状に形成され
ているので、接合具本体を回転するだけで締付作業部の
両側の雄ねじ部を、構造部材の接合具螺着部に螺着され
た端部部材に螺着することができるとともに、接合する
構造部材同士を接合面側へ引き寄せることができ、構造
部材同士の接合が容易にできる。 (3)端部部材に止着孔を有しているので、止着孔に止
着部材を挿着することにより、端部部材が構造部材で回
転することなく、より確実強固に端部部材を構造部材に
挿着固定することができる。 (4)構造部材に接合具螺着部と止着用孔,締付溝を穿
設するだけで、該接合具で構造部材同士を接合面側に引
き寄せて連結・接合することができ、簡単な構造で構造
部材の接合ができる。 (5)止着用孔から接合具の端部部材の止着孔に止着部
材を挿着することができ、止着部材の挿着作業性を向上
できるとともに、予め構造部材に止着用孔を形成してい
るので、止着部材の挿着時に構造部材に割れ等が発生す
るのを防止できる。 (6)止着部材として釘を用いているので、止着部材の
端部を構造部材に打設することができ、簡単かつより強
固に端部部材を構造部材に固定することができ、また、
止着用孔の開口側に凹部を有しているので、止着部材と
して釘等の頭部を有したものを用いた場合にも、凹部に
頭部を嵌合することができ、頭部が構造部材の外周壁面
に突出せず、構造部材の外観を向上できる。 (7)螺着部穿設工程や止着用孔穿設工程,締付溝形成
工程からなる部材穿設工程と、止着部材挿着工程を有し
た部材連結工程と、部材接合工程と、埋設工程と、の少
ない作業工程で構造部材を該接合具で簡単に接合するこ
とでき、構造部材の接合作業性に優れる。
【0100】(実施の形態8,9)本発明の実施の形態
8における接合具について、以下図面を用いて説明す
る。図11は実施の形態8における接合具の要部分解全
体斜視図である。尚、実施の形態1,6と同様のものに
は同一の符号を付して説明を省略する。図11におい
て、50は実施の形態8におけるステンレス等の金属製
の接合具、51は第1接合具、52は実施の形態6の接
合具30と同じ形状の第2接合具、53は外周面がねじ
状に形成された中実棒状の接合具本体、54は接合具本
体53の一端部側に接合具本体53の長さ方向と直交し
て穿孔された止着孔、55は接合具本体53の所定部に
接合具本体53の長さ方向と直交して第2接合具52の
接合具本体31が挿通される挿通孔である。
【0101】ここで、実施の形態8では、接合具本体5
3として中実棒状のものを用いているが、中空棒状のも
のを用いてもよく、この場合、接合具本体53の軽量化
を図ることができる。また、実施の形態8では、止着孔
54は接合具本体53の外径の0.2倍〜0.8倍で形
成している。更に、実施の形態8では、挿通孔55は、
接合具本体31が挿通できる大きさで接合具本体53の
外径の0.4倍〜0.8倍で形成している。接合具本体
53の外径の0.4倍より小さくなるにつれ接合具本体
31が小径となるので挿通孔55に挿着される接合具本
体31も小径となり接合具本体31の強度が低下する傾
向があり、また、接合具本体53の外径の0.8倍より
大きくなるにつれ接合具本体53の欠損が大きくなり接
合具本体53の機械的強度が低下する傾向がある。
【0102】以上のように構成された実施の形態8の接
合具50を用いて、以下、実施の形態9における木造建
築物の構造部材の接合構造について、図面を用いて説明
する。図12は実施の形態9における構造部材の3方向
の接合構造を示す要部分解斜視図である。尚、実施の形
態2,7と同様のものには同一の符号を付して説明を省
略する。
【0103】図12に示すように構成された実施の形態
9の構造部材の接合構造について、以下その接合方法を
説明する。まず、実施の形態2の構造部材の接合構造の
接合方法と同様に、螺着部穿設工程と止着用孔穿設工程
の部材穿設工程で、縦構造部材6と横架構造部材7に接
合具螺着部9,止着用孔10を穿設する。次いで、実施
の形態7の構造部材の接合構造の接合方法と同様に、螺
着部穿設工程,止着用孔穿設工程,締付溝形成工程で、
縦構造部材6と横架構造部材7A、7Bに接合具螺着部
39a,39b,39c,止着用孔41,締付溝40を
穿設・形成する。
【0104】次に、部材連結工程において、実施の形態
2と同様に、縦構造部材6と横架構造部材7を接合面8
で当接させて仮固定部材11で縦構造部材6と横架構造
部材7を仮固定した後、第1接合具51の接合具本体5
3を接合具螺着部9に螺着し、縦構造部材6と横架構造
部材7を接合具本体53で連結する。ここで、接合具本
体53の挿通孔55と縦構造部材6に穿設された接合具
螺着部39cが同位置になるように接合具本体53の位
置を調整し、第1接合具51で縦構造部材6と横架構造
部材7を接合する。
【0105】次いで、実施の形態7と同様に、部材連結
工程において、横架構造部材7A,7Bの各接合具螺着
部39a,39bに第2接合具52の端部部材34A,
34Bを各々螺着する。次いで、止着部材挿着工程で、
実施の形態2,7と同様に、横架構造部材7,7A,7
Bの各止着用孔10,41から接合具本体53,端部部
材34A,34Bの各止着孔54,37に止着部材5,
38を挿着し、接合具本体53,端部部材34A,34
Bを横架構造部材7,7A,7Bに固定する。次に、第
2接合具52の接合具本体31の雄ねじ部33bを縦構
造部材6の接合面8a側から接合具螺着部39cに螺着
し、雄ねじ部33bの端部(接合具本体31の端部)が
縦構造部材6の接合面8bにくるまで螺着した後、接合
具本体31の雄ねじ部33a,33bを、横架構造部材
7A,7Bの接合具螺着部39a,39bに挿着された
端部部材34A,34Bの雌ねじ部35a,35bに同
時に螺着し、縦構造部材6,横架構造部材7A,横架構
造部材7Bを第2接合具52で連結する。
【0106】次に、部材接合工程において、締付溝40
にスパナ等の工具を挿入して第2接合具52の接合具本
体31の締付作業部32に工具を係合し、締付作業部3
2を回転させて横架構造部材7A,7B,縦構造部材6
の接合面8a,8bが当接するまで接合具本体31の螺
着作業を行い、縦構造部材6と横架構造部材7A,7B
を接合する。次いで、埋設工程において、締付溝40に
溝埋設材28を埋設し、締付溝40を塞ぐ。
【0107】以上のように実施の形態8における接合具
及びそれを用いた実施の形態9における構造部材の接合
構造並びに接合方法によれば、実施の形態1乃至7の作
用に加えて、以下の作用を有する。 (1)第1接合具の接合具本体に、第2接合具の接合具
本体が挿通される挿通孔を有しているので、第1接合具
と第2接合具の接合具本体同士を、直交させることがで
き、該接合具で3方向の構造部材の接合もでき、接合具
の汎用性に優れる。 (2)第1接合具と第2接合具を挿通孔で直交させて3
方向の構造部材を接合しているので、各接合具同士で各
接合具が構造部材から抜けるのを防止でき、構造部材の
接合部分の接合強度に優れる。 (3)縦構造部材と縦構造部材の3方向の側面に接合さ
れる3本の横架構造部材を、各構造部材に接合具螺着
部,止着用孔,締付溝を形成するだけで、接合具で接合
することができ、簡単な構造で3方向の構造部材の接合
ができる。
【0108】(実施の形態10,11)本発明の実施の
形態10における接合具について、以下図面を用いて説
明する。図13は実施の形態10における接合具の要部
分解全体斜視図である。尚、実施の形態4,6と同様の
ものには同一の符号を付して説明を省略する。図13に
おいて、60は実施の形態10におけるステンレス等の
金属製の接合具、61は第1接合具、62は第1接合具
61の中実棒状の接合具本体、63はは接合具本体62
の両端部側に接合具本体62の長さ方向と直交して穿孔
された止着孔、64は接合具本体62の所定部に接合具
本体62の長さ方向と直交して第2接合具52の接合具
本体31が挿通される挿通孔である。ここで、実施の形
態10では、接合具本体62として中実棒状のものを用
いているが、中空棒状のものを用いてもよく、この場
合、接合具本体62の軽量化を図ることができる。ま
た、実施の形態10では、止着孔63は接合具本体62
の外径の0.2倍〜0.8倍で形成している。更に、実
施の形態10では、挿通孔64は、接合具本体31が挿
通できる大きさで接合具本体62の外径の0.4倍〜
0.8倍で形成している。接合具本体62の外径の0.
4倍より小さくなるにつれ接合具本体31が小径となる
ので挿通孔64に挿着される接合具本体31も小径とな
り接合具本体31の強度が低下する傾向があり、また、
接合具本体62の外径の0.8倍より大きくなるにつれ
接合具本体62の欠損が大きくなり接合具本体62の機
械的強度が低下する傾向がある。
【0109】以上のように構成された実施の形態10の
接合具60を用いて、以下、実施の形態11における木
造建築物の構造部材の接合構造について、図面を用いて
説明する。図14は実施の形態11における構造部材の
4方向の接合構造を示す要部分解斜視図である。尚、実
施の形態5,7,9と同様のものには同一の符号を付し
て説明を省略する。図中、65A,65Bは横架構造部
材7A,7Bと直角に位置し縦構造部材6の対向する側
壁の両側壁に当接された横架構造部材、66a,66b
は横架構造部材65A,65Bと縦構造部材6とが当接
する接合面、67a,67b,67cは横架構造部材6
5A,65B,縦構造部材6の各接合面66a,66b
から横架構造部材65A,65B,縦構造部材6に各々
連通して穿孔された接合具螺着部、68は横架構造部材
65Aの外周壁部から接合具螺着部67a,67cと略
直角に連通して縦構造部材6,横架構造部材65A間に
形成される締付溝、69は横架構造部材65A,65B
の外周壁部から接合具螺着部67a,67bの底部側の
端部に接合具螺着部67a,67bの長さ方向と略直角
に連通して穿設された止着用孔である。
【0110】ここで、実施の形態11では、接合具螺着
部67a,67bは、第1接合具61の接合具本体62
が螺着できる大きさ及び長さ(深さ)で、横架構造部材
65A,65Bの外周壁面から接合具本体62の外径の
3倍〜10倍の位置に形成している。接合具螺着部67
a,67bの形成位置が接合具本体62の外径の3倍よ
り小さい位置になるにつれ、特に大きな外力がかかった
際に接合具螺着部67a,67bが破損される傾向があ
り、10倍より大きい位置になるにつれ、接合具螺着部
67a,67bの形成数が減少し接合力の向上を図り難
い傾向がある。また、接合具螺着部67cは、第1接合
具61の接合具本体62と略同一大きさかつ接合具本体
62の左ねじ状の雄ねじ部32bが螺着できる左ねじ状
で、縦構造部材6の接合面66a,66bに貫通して形
成されている。更に、接合具螺着部67a,67b,6
7cは、各々連通するように形成されているとともに、
右ねじ状や左ねじ状にタップ等で穿設されている。
【0111】図14に示すように構成された実施の形態
11の構造部材の接合構造について、以下その接合方法
を説明する。まず、実施の形態7の構造部材の接合構造
の接合方法と同様に、螺着部穿設工程と止着用孔穿設工
程,締付溝形成工程で、縦構造部材6と横架構造部材7
A,7B,65A,65Bに接合具螺着部39a,39
b,39c,67a,67b,67c,止着用孔41,
69,締付溝40,68を穿設・形成する。
【0112】次に、部材連結工程において、縦構造部材
6の接合具螺着部67cに第1接合具61の接合具本体
62の雄ねじ部23bを縦構造部材6の接合面66a側
から接合具螺着部67cに螺着し、雄ねじ部23bの端
部(接合具本体62の端部)が縦構造部材6の接合面6
6bにくるまで螺着した後、接合具本体62の雄ねじ部
23a,23bを、横架構造部材65A,65Bの接合
具螺着部67a,67bに同時に螺着し、縦構造部材
6,横架構造部材65A,横架構造部材65Bを第1接
合具61で連結する。次に、部材接合工程において、締
付溝68にスパナ等の工具を挿入して第1接合具61の
締付作業部22に工具を係合し、締付作業部22を回転
させて縦構造部材6と横架構造部材65A,65Bを接
合する。ここで、接合具本体62の挿通孔64と縦構造
部材6に穿設された接合具螺着部39cが同位置になる
ように接合具本体62の位置を調整し、第一接合具61
で縦構造部材6と横架構造部材65A、65Bを接合す
る。
【0113】次に、実施の形態9と同様に、部材連結工
程において、横架構造部材7A,7Bの各接合具螺着部
39a,39bに第2接合具52の端部部材34A,3
4Bを各々螺着する。次いで、止着部材挿着工程で、実
施の形態9と同様に、横架構造部材7A,7B,65
A,65Bの各止着用孔41,69から端部部材34
A,34B,接合具本体62の各止着孔37,63に止
着部材38を挿着し、端部部材34A,34B,接合具
本体62を横架構造部材7A,7B,65A,65Bに
固定する。次に、実施の形態9と同様に、第2接合具5
2の接合具本体31を横架構造部材7A,7Bの接合具
螺着部39a,39bに挿着された端部部材34A,3
4Bに螺着し、縦構造部材6,横架構造部材7A,横架
構造部材7Bを第2接合具52で連結した後、部材接合
工程において、縦構造部材6と横架構造部材7A,7B
を接合する。次いで、埋設工程において、締付溝40,
68に溝埋設材28を埋設し、締付溝40,68を塞
ぐ。
【0114】以上のように実施の形態10における接合
具及びそれを用いた実施の形態11における構造部材の
接合構造並びに接合方法によれば、実施の形態1乃至9
の作用に加えて、以下の作用を有する。 (1)第1接合具の接合具本体に、第2接合具の接合具
本体が挿通される挿通孔を有しているので、第1接合具
と第2接合具の接合具本体同士を、直交させることがで
き、該接合具で4方向の構造部材の接合もでき、接合具
の汎用性に優れる。 (2)縦構造部材と縦構造部材の4方向の側面に接合さ
れる4本の横架構造部材を、各構造部材に接合具螺着
部,止着用孔,締付溝を形成するだけで、接合具で接合
することができ、簡単な構造で4方向の構造部材の接合
ができる。
【0115】
【発明の効果】以上のように本発明における接合具によ
れば、以下の優れた効果を実現できる。
【0116】請求項1に記載の発明によれば、 (a)柱と梁,柱を介した2以上の梁,登り梁,等の縦
構造部材や横架構造部材等の構造部材同士を接合する際
に、1構造部材の外周壁部から接合具本体を構造部材に
ねじ込んで螺着するだけで構造部材同士を連結・接合で
き、また、構造部材の外周壁部から接合具本体の止着孔
に止着部材を挿着するだけで、接合具本体の回転を防止
して強固に該接合具を構造部材に固定するとともに、簡
単な構造で高い接合力で構造部材同士を接合できる。 (b)外周面がねじ状に形成された棒状体に止着孔を穿
孔し、端部に締付作業部を形成するだけで該接合具を形
成でき、構造が簡単で該接合具の生産性に優れ、また、
要求される構造部材の接合強度等に応じて接合具本体の
長さや直径等を容易に変更することができ、該接合具の
使用性や汎用性に優れる。 (c)接合具本体の一端又は両端に締付作業部を有して
いるので、締付作業部を用いて接合具本体を構造部材に
ねじ込むことができ、構造部材同士の接合が容易にで
き、また、接合具本体の両端に締付作業部を形成した場
合、接合具本体のいずれの端部側からでも構造部材に接
合具本体を挿着することができ、該接合具の取扱性を向
上できる。 (d)接合具本体の外周面がねじ状に形成されているの
で、接合具本体を構造部材に螺着した際に、接合具本体
の外周面のねじ山を構造部材にねじ込むことができ、そ
の結果、接合具本体と構造部材を高い引き抜き力や剪断
力で螺着することができ、該接合具で構造部材同士を剛
接合することができ、高い接合力を維持することができ
る。 (e)接合具本体を構造部材に直接螺着するので、接合
具本体の外周面を構造部材に密接させることができ、特
に、構造部材が乾燥等により収縮した場合、構造部材が
接合具本体の外周面により密着されるので、該接合具で
構造部材同士をより強固に接合することができ、構造部
材の経年変化による接合部分の強度の低下を防止でき、
長期間接合強度を維持することができ安全性に優れる。
【0117】請求項2に記載の発明によれば、 (f)柱と梁,柱を介した2以上の梁,登り梁,等の縦
構造部材や横架構造部材等の構造部材同士を接合する際
に、接合する構造部材の接合面から各構造部材に接合具
本体の両端部側の雄ねじ部をねじ込んで螺着するだけで
構造部材同士を連結・接合でき、簡単な構造で容易に構
造部材同士の連結・接合ができる。 (g)長さ方向の所定部に締付作業部を形成し、締付作
業部の両側の外周面に各々右ねじ状,左ねじ状の雄ねじ
部を形成するだけで該接合具を形成でき、構造が簡単で
該接合具の生産性を向上でき、また、要求される構造部
材の接合強度等に応じて接合具本体の長さや直径等を容
易に変更することができ、該接合具の使用性や汎用性に
優れる。 (h)接合具本体の長さ方向の所定部に締付作業部を有
しているので、締付作業部に工具等を係合して接合具本
体を回転させ接合具本体を構造部材にねじ込むことがで
き、また、締付作業部の両側の雄ねじ部が各々右ねじ状
と左ねじ状に形成されているので、接合具本体を回転す
るだけで締付作業部の両側の雄ねじ部を構造部材に螺着
できるとともに接合する構造部材同士を接合面側へ引き
寄せることができ、構造部材同士の接合が容易にでき、
該接合具の使用性に優れる。 (i)接合具本体の外周面が右ねじ状や左ねじ状のねじ
状に形成されているので、接合具本体を構造部材に螺着
した際に、接合具本体の外周面のねじ山を構造部材にね
じ込むことができ、その結果、接合具本体と構造部材を
高い引き抜き力や剪断力で螺着することができ、該接合
具で構造部材同士を剛接合することができ、高い接合力
を維持することができる。 (j)接合具本体を構造部材に直接螺着するので、接合
具本体の外周面を構造部材に密接させることができ、特
に、構造部材が乾燥等により収縮した場合、構造部材が
接合具本体の外周面により密着されるので、該接合具で
構造部材同士をより強固に接合することができ、構造部
材の経年変化による接合部分の強度の低下を防止でき、
長期間接合強度を維持することができ安全性に優れる。
【0118】請求項3に記載の発明によれば、 (k)柱と梁,柱を介した2以上の梁,登り梁,等の縦
構造部材や横架構造部材等の構造部材同士を接合する際
に、接合する構造部材の接合面から各構造部材に端部部
材を螺着し、次いで、接合具本体の両端部を各々端部部
材に螺着するだけで構造部材同士を連結・接合でき、簡
単な構造で容易に構造部材同士の連結・接合ができる。 (l)該接合具が、長さ方向の所定部に締付作業部を有
し締付作業部の両側の外周面に各々右ねじ状,左ねじ状
の雄ねじ部を有した棒状体からなる接合具本体と、雌ね
じ部を有した外周面がねじ状の端部部材と、からなり、
簡単な構造で、該接合具の生産性を向上でき、また、要
求される構造部材の接合強度等に応じて接合具本体や端
部部材の長さや直径等を容易に変更することができ、該
接合具の使用性や汎用性に優れる。 (m)端部部材の端面に挿着作業部を有しているので、
挿着作業部に工具等を係合して端部部材を構造部材に容
易に螺着することができ、また、接合具本体の長さ方向
の所定部に締付作業部を有しているので、締付作業部に
工具等を係合して接合具本体を回転させ接合具本体を端
部部材の雌ねじ部に螺着することができ、また、端部部
材の雌ねじ部や締付作業部の両側の雄ねじ部が各々右ね
じ状と左ねじ状に形成されているので、接合具本体を回
転するだけで締付作業部の両側の雄ねじ部を端部部材に
螺着できるとともに接合する構造部材同士を接合面側へ
引き寄せることができ、構造部材同士の接合が容易にで
き、該接合具の使用性に優れる。 (n)端部部材の外周面がねじ状に形成されているの
で、端部部材を構造部材に螺着した際に、端部部材の外
周面のねじ山を構造部材にねじ込むことができ、その結
果、端部部材と構造部材を高い引き抜き力や剪断力で螺
着することができ、該接合具で構造部材同士を剛接合す
ることができ、高い接合力を維持することができる。 (o)端部部材を構造部材に直接螺着するので、端部部
材の外周面を構造部材に密接させることができ、特に、
構造部材が乾燥等により収縮した場合、構造部材が端部
部材の外周面により密着されるので、該接合具で構造部
材同士をより強固に接合することができ、構造部材の経
年変化による接合部分の強度の低下を防止でき、長期間
接合強度を維持することができ安全性に優れる。
【0119】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
乃至3の効果に加えて、 (p)一方の接合具の接合具本体の所定部に挿通孔を有
しているので、他方の接合具の接合具本体を挿通孔に挿
通することができ、その結果、一方の接合具で接合した
構造部材に、その構造部材と直交して他の構造部材を他
方の接合具で接合することができ、2方向や3方向,4
方向に接合する構造部材の接合にも該接合具を使用で
き、多方向の構造部材の接合も容易にでき、該接合具の
使用性や汎用性に優れる。
【0120】請求項5に記載の発明によれば、請求項2
乃至4の効果に加えて、 (q)接合具本体や端部部材を構造部材に螺着した後、
構造部材の外周壁部から接合具本体や端部部材の止着孔
に止着部材を挿着することができ、その結果、構造部材
に螺着した接合具本体や端部部材が回転するのを確実に
防止でき、強固に接合具本体や端部部材を構造部材に固
定することができ、該接合具の固定力に優れるととも
に、該接合具で接合した構造部材の接合力を向上でき
る。
【0121】本発明における接合具を用いた構造部材の
接合構造によれば、以下の優れた効果を実現できる。請
求項6に記載の発明によれば、 (1)構造部材に穿設された接合具螺着部に接合具の接
合具本体を螺着し、接合具の締付作業部で接合具本体を
構造部材にねじ込むことにより、接合具本体で構造部材
同士を接合面で当接させて連結・接合することができ、
また、止着用孔から接合具本体の止着孔に止着部材を挿
着することにより、接合具本体を構造部材内に強固に固
定することができるとともに、構造部材同士を強固に接
合でき、接合強度に優れた構造部材の接合ができる。 (2)横架構造部材や縦構造部材等の構造部材に接合具
螺着部と止着用孔を穿設するだけで、請求項1に記載の
接合具で構造部材同士を接合することができ、簡単な構
造で構造部材の接合ができるとともに、既存建屋にも接
合具螺着部と止着用孔を穿設するだけで該接合具を用い
た接合構造が使用でき、既存建屋の耐震補強や耐震性等
に優れた増築も容易にできる。 (3)接合具螺着部に螺着された接合具本体で構造部材
同士を接合できるので、確実かつ高強度な接合ができ、
建築物の耐震性に優れる。 (4)構造部材に予め接合具螺着部を穿設しているの
で、接合具の接合具本体を構造部材の接合具螺着部に螺
着した際に、構造部材に無理な力が働くのを防止でき、
接合具本体の螺着時の構造部材の割れや破断を防止で
き、また、接合具本体の螺着後に構造部材にストレスが
かかって割れ等の破損が発生するのを防止でき、構造部
材の接合精度に優れる。 (5)接合具螺着部が構造部材の外周壁部から穿設さ
れ、接合具が構造部材の外周壁部側から螺着されている
ので、構造部材の接合後に乾燥等により構造部材が収縮
して構造部材の接合面間等に隙間が生じたり、ガタが発
生した際にも、接合具の締付作業部で接合具の締め増し
作業をすることができ、構造部材の経年変化に応じて接
合力を調整することができ、建築物の接合強度を長期間
維持することができる。 (6)接合具螺着部を複数形成し、各接合具螺着部に接
合具を螺着して複数の接合具で構造部材を接合した場
合、構造部材の接合力を向上できるとともに、接合面積
の大きな構造部材でも複数の接合具で接合することがで
き構造部材の大きさ等に応じて接合具の本数を調整する
ことにより多様な設計に対応することができ、使用性や
汎用性に優れる。 (7)複数の接合具を用いて構造部材を接合する場合、
各接合具の接合具本体の外径を小さくすることができる
とともに、構造部材に穿設する接合具螺着部の断面積を
小さくすることができ、構造部材の断面欠損を減少させ
構造部材の強度低下を抑制できる。 (8)接合具螺着部を構造部材の接合面に対し所定の傾
斜角度を有して穿設した場合、接合具螺着部に接合具を
螺着するだけで、構造部材の鉛直荷重に対する変形に耐
えることができ、構造部材同士の剛性に優れる。 (9)特に、接合具螺着部がクロス状になるように構造
部材に複数形成した場合、接合具を各接合具螺着部に螺
着して構造部材同士を連結・接合するだけで、構造部材
の上下左右からの荷重を各接合具の偶力で打ち消すこと
ができ、極めて機械的強度に優れた接合ができる。 (10)該接合構造で建築された建築物を解体する際、
止着部材を引き抜き、接合具本体を緩めるだけで構造部
材同士を解体することができ、建築物全体を破壊するこ
となく解体ができ、構造部材のリサイクルが可能であ
る。
【0122】請求項7に記載の発明によれば、 (11)請求項2の接合具において、構造部材に穿設さ
れた接合具螺着部に接合具本体を螺着し、接合具の締付
作業部で接合具本体の雄ねじ部を構造部材にねじ込むこ
とにより、接合具本体で構造部材同士を接合面側に引き
寄せて連結・接合することができ、構造部材同士を該接
合具で簡単に接合強度に優れた構造部材の接合ができ
る。 (12)請求項3の接合具において、構造部材に穿設さ
れた接合具螺着部に端部部材を螺着することにより、構
造部材に端部部材を固定することができるとともに、端
部部材の雌ねじ部に接合具本体の雄ねじ部を螺着するこ
とにより、接合具本体で構造部材同士を接合面側に引き
寄せて連結・接合することができ、構造部材同士を該接
合具で簡単に接合強度に優れた構造部材の接合ができ
る。 (13)横架構造部材や縦構造部材等の構造部材に接合
具螺着部と締付溝を穿設するだけで、請求項2又は3に
記載の接合具で構造部材同士を接合することができ、簡
単な構造で構造部材の接合ができ、また、構造部材の接
合後に乾燥等により構造部材が収縮して構造部材の接合
面間等に隙間が生じたり、ガタが発生した際には、締付
溝から接合具の締付作業部を回転させて接合具の締め増
し作業をすることができ、構造部材の経年変化に応じて
接合力を調整することもでき、建築物の接合強度を長期
間維持することができる。 (14)接合具螺着部に螺着された接合具本体、又は、
接合具螺着部に螺着された端部部材と端部部材に螺着さ
れた接合具本体で構造部材同士を接合できるので、確実
かつ高強度な接合ができ、建築物の耐震性に優れる。 (15)構造部材に予め接合具螺着部を穿設しているの
で、接合具の接合具本体又は端部部材を構造部材の接合
具螺着部に螺着した際に、構造部材に無理な力が働くの
を防止でき、接合具本体又は端部部材の螺着時の構造部
材の割れや破断を防止でき、また、接合具本体又は端部
部材の螺着後に構造部材にストレスがかかって割れ等の
破損が発生するのを防止でき、構造部材の接合精度に優
れる。 (16)接合具螺着部を複数形成し、各接合具螺着部に
接合具を螺着して複数の接合具で構造部材を接合した場
合、構造部材の接合力を向上できるとともに、接合面積
の大きな構造部材でも複数の接合具で接合することがで
き構造部材の大きさ等に応じて接合具の本数を調整する
ことにより多様な設計に対応することができ、使用性や
汎用性に優れる。 (17)複数の接合具を用いて構造部材を接合する場
合、各接合具の接合具本体や端部部材の外径を小さくす
ることができるとともに、構造部材に穿設する接合具螺
着部の断面積を小さくすることができ、構造部材の断面
欠損を減少させ構造部材の強度低下を抑制できる。 (18)該接合構造で建築された建築物を解体する際、
接合具本体を緩めるだけで構造部材同士を解体すること
ができ、建築物全体を破壊することなく解体ができ、構
造部材のリサイクルが可能である。
【0123】請求項8に記載の発明によれば、請求項6
又は7の効果に加えて、 (19)縦構造部材と横架構造部材(A),縦構造部材
と横架構造部材(B)に各々が直交かつ連通した接合具
螺着部(A),接合具螺着部(B)を穿孔するだけで、
接合具螺着部(A),接合具螺着部(B)の各々に請求
項4に記載された接合具を螺着でき、縦構造部材を中心
とした構造部材の2方向や3方向,4方向の多方向の接
合が該接合具を用いて容易にできる。 (20)接合具螺着部(A),接合具螺着部(B)が各
々直交しているので、接合具螺着部(A),接合具螺着
部(B)の各々に挿着した接合具の接合具本体の一方に
他方の接合具本体を挿通することができ、互いにピンの
働きをして各接合具本体が接合具螺着部(A),接合具
螺着部(B)から抜けるのを防止でき、高い接合力を得
ることができる。
【0124】更に、請求項6乃至8に記載の発明によれ
ば、 (21)構造部材の接合部分が、接合具の接合具本体に
よって強固に接合されたラーメン構造となるので、建築
物の間口(スパン)を著しく広げることができ、筋交い
や耐力壁を要さず、柱のない車庫や店舗の形成ができ、
特に、1階に車庫を有し車庫の上方に部屋等を有した3
階建て住宅の建築時に、本発明における接合構造によ
り、柱のない大口の間口を高い安全率で形成することが
でき、従来のように、1階だけを鉄筋構造にする必要も
なく、建築作業性の向上や工期の短縮を図ることができ
る。 (22)特に、大きな間口を設計した場合、まぐさと柱
の接合部に本発明の接合構造を採用すると、開口部に大
きな耐力を有すので、耐力壁の偏りを解消することがで
き、偏心率を小さくでき、地震等の揺れに対して高い安
全性を得ることができる。
【0125】請求項9に記載の発明によれば、請求項8
の効果に加えて、 (23)接合具螺着部(A)や接合具螺着部(B)に請
求項2又は3に記載の接合具を螺着した際に、締付溝か
ら接合具の締付作業部を操作することができ、構造部材
の接合作業が容易にできるとともに、構造部材の接合面
を密接させて構造部材を接合することができ、接合精度
を向上できる。 (24)構造部材の接合後に乾燥等により構造部材が収
縮して構造部材の接合面間等に隙間が生じたり、ガタが
発生した際にも、締付溝から接合具の締付作業部を回転
させて接合具の締め増し作業をすることができ、構造部
材の接合力を長期間維持することができ建築物の安全性
に優れる。
【0126】請求項10に記載の発明によれば、請求項
7乃至9の効果に加えて、 (25)止着用孔から接合具の止着孔に止着部材を挿着
することができ、止着部材で接合具をより強固に構造部
材の接合具螺着部,接合具螺着部(A),接合具螺着部
(B)に固定することができ、接合具の固定力に優れ
る。 (26)止着用孔から接合具の止着孔に止着部材を挿着
することができ、止着部材の挿着作業性を向上できると
ともに、予め構造部材に止着用孔を有しているので、止
着部材の挿着時に構造部材に割れ等が発生するのを防止
でき、構造部材の耐久性を向上できる。
【0127】請求項11に記載の発明によれば、請求項
6,8乃至10の効果に加えて、 (27)特に、接合具螺着部,前記接合具螺着部
(A),前記接合具螺着部(B)を構造部材の接合面に
対して所定の傾斜角度で形成し、請求項1の接合具を接
合具螺着部,前記接合具螺着部(A),前記接合具螺着
部(B)に螺着した場合に、接合具の締付作業部が構造
部材の外周壁部に突出するのを防止でき、構造部材の外
観を向上できる。 (28)座部の開口側に埋設材を埋設することにより、
接合具の端部が構造部材の表面に露出するのを防止で
き、特に、火災時等に構造部材の炭化皮膜により接合具
を火災の高温から守ることができ安全性を向上できると
ともに、接合具に外部の熱が伝わるのを防止でき、外部
の熱が接合具を介して構造部材の内部に伝わるのを防止
でき、結露防止性や腐食防止性に優れる。 (29)埋設材を構造部材の外周壁面と略面一にしてい
るので、構造部材の外観性に優れる。
【0128】請求項12に記載の発明によれば、請求項
7乃至11の効果に加えて、 (30)締付溝に溝埋設材を埋設することにより、接合
具が構造部材の外周壁面側に露出するのを防止でき、接
合具に結露が発生するのを防止でき、接合具の錆の発生
や、構造部材の腐食を防止できる。 (31)接合具が構造部材の外周壁面側に露出しないの
で、特に、火災の際等に接合具が加熱されて熱橋とな
り、構造部材の接合具螺着部内が炭化されるのを防止で
き、該接合構造の耐火性に優れる。 (32)構造部材の外周壁面に接合具が露出しないの
で、外観を向上でき、特に、化粧梁等の多様なデザイン
にも対応ができる。
【0129】請求項13に記載の発明によれば、請求項
6乃至12の効果に加えて、 (33)大入れ部を介して各構造部材の各接合面を接合
することができるので、接合する構造部材の接合面をず
らすことなく接合させることができ、構造部材に形成さ
れた接合具螺着部を確実に合わせて接合することがで
き、接合精度を向上できる。 (34)特に、凹部を凸部の突出長さより浅く、又は凸
部の突出長さを凹部の深さより長く形成するとともに、
接合具螺着部と連通するように形成した場合、大入れ部
と同時に接合部に締付溝を形成することができ、締付溝
の形成作業性を向上できる。
【0130】本発明における接合具を用いた構造部材の
接合方法によれば、以下の優れた効果を実現できる。請
求項14に記載の発明のよれば、 (ア)使用する接合具に応じて、部材穿設工程で、構造
部材に接合具螺着部や止着用孔、締付溝,座部を穿設
し、部材連結工程で接合具螺着部に接合具を螺着するだ
けで、2以上の構造部材を接合具で連結することがで
き、また、部材接合工程で構造部材の接合面を当接させ
ることにより、接合具で構造部材を確実に接合すること
ができ、少ない工程で構造部材を容易に接合することが
でき、構造部材の接合作業性に優れる。 (イ)構造部材を順に組み立てていくことでき、建設現
場で直接構造部材の接合ができ建築物の建築作業性に優
れる。
【0131】請求項15に記載の発明によれば、請求項
14の効果に加えて、 (ウ)接合具螺着部に螺着した接合具を止着部材で構造
部材に固定することができ、接合具を接合具螺着部で回
転させることなく強固に固定することができ、簡単な作
業で接合具の固定力を向上できる。
【0132】請求項16に記載の発明によれば、請求項
14又15の効果に加えて、 (エ)締付溝や座部に溝埋設材や埋設材が埋設されるの
で、接合具が構造部材の外周壁面に露出するのを防止で
き、接合具に結露が発生するのを防止できるとともに、
火災時等に接合具が加熱され締付溝や座部が炭化して接
合部分が容易に倒壊するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における接合具の要部分解全体斜
視図
【図2】実施の形態2における構造部材の仕口の接合構
造を示す要部側面断面図
【図3】図2のA−A線断面図
【図4】実施の形態3における構造部材の継手接合構造
を示す要部側面断面図
【図5】実施の形態3における構造部材の継手接合構造
を示す平面図
【図6】実施の形態4における接合具の全体斜視図
【図7】(a)実施の形態5における横架構造部材同士
の継手接合構造を示す要部分解側面断面図 (b)溝埋設材の全体斜視図
【図8】実施の形態6における接合具の要部分解全体斜
視図
【図9】実施の形態7における構造部材の接合構造を示
す要部側面分解断面図
【図10】図9のB−B線断面図
【図11】実施の形態8における接合具の要部分解全体
斜視図
【図12】実施の形態9における構造部材の3方向の接
合構造を示す要部分解斜視図
【図13】実施の形態10における接合具の要部分解全
体斜視図
【図14】実施の形態11における構造部材の4方向の
接合構造を示す要部分解斜視図
【符号の説明】
1,20,30,50,60 接合具 2,21,31,53,62 接合具本体 3,37,54,63 止着孔 4,22,32 締付作業部 5,38 止着部材 6 縦構造部材 7,7A,7B,65A,65B 横架構造部材 8,8a,66a,66b 接合面 9,12a,12b,26a,26b,39a,39
b,39c,67a,67b,67c 接合具螺着部 10,15,41,69 止着用孔 11 仮固定部材 13 座部 14 埋設材 23a,23b,33a,33b 雄ねじ部 24 接合端面 25 大入れ部 25a 凸部 25b 凹部 27,40,68 締付溝 28 溝埋設材 28a 切欠部 34A,34B 端部部材 35a,35b 雌ねじ部 36 挿着作業部 41a 凹部 51,61 第1接合具 52 第2接合具 55,64 挿通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 1/58 506 E04B 1/58 506L

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面がねじ状に形成された棒状の接合
    具本体と、前記接合具本体の一端部側又は両端部側に前
    記接合具本体の長さ方向と直交して穿孔された止着孔
    と、前記接合具本体の一端又は両端の端部若しくは端面
    に形成された締付作業部と、前記止着孔に挿着される止
    着部材と、を備えていることを特徴とする接合具。
  2. 【請求項2】 棒状の接合具本体と、前記接合具本体の
    長さ方向の所定部の外周面に形成された2以上の平面部
    からなる締付作業部と、前記締付作業部の両側の前記接
    合具本体の外周面に各々右ねじ状,左ねじ状に形成され
    た雄ねじ部と、を備えていることを特徴とする接合具。
  3. 【請求項3】 a.棒状の接合具本体と、前記接合具本
    体の長さ方向の所定部の外周面に形成された2以上の平
    面部からなる締付作業部と、前記締付作業部の両側の前
    記接合具本体の外周面に各々右ねじ状,左ねじ状に形成
    された雄ねじ部と、 b.外周面がねじ状に形成された端部部材と、前記端部
    部材の一端面から前記雄ねじ部が螺着される右ねじ状又
    は左ねじ状で所定長さ形成された雌ねじ部と、前記端部
    部材の一端面に形成された挿着作業部と、を備えている
    ことを特徴とする接合具。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載さ
    れた2本の接合具を有し、一方の接合具の接合具本体の
    所定部に、前記接合具本体の長さ方向と直交して、他方
    の接合具の接合具本体が挿通される挿通孔を備えている
    ことを特徴とする接合具。
  5. 【請求項5】 前記接合具本体の一端部側又は両端部
    側、若しくは、前記端部部材の他端部側に前記接合具本
    体又は前記端部部材の長さ方向と直交して穿孔された止
    着孔と、前記止着孔に挿着される止着部材と、を備えて
    いることを特徴とする請求項2乃至4の内いずれか1項
    に記載の接合具。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載された接合具と、所定の
    接合面で当接され同一平面上に位置する横架構造部材や
    縦構造部材等の2以上の構造部材と、前記構造部材の外
    周壁部から前記接合面に対して直交若しくは所定の傾斜
    角度を有して他の前記構造部材と連通して穿設された1
    以上の接合具螺着部と、前記接合具螺着部の一端部側又
    は両端部側に前記構造部材の外周壁部から前記接合具螺
    着部の長さ方向と略直角に連通して穿設された止着用孔
    と、を備えていることを特徴とする構造部材の接合構
    造。
  7. 【請求項7】 請求項2又は3に記載された接合具と、
    所定の接合面で当接され同一平面上に位置する横架構造
    部材や縦構造部材等の2以上の構造部材と、各前記構造
    部材の前記接合面から各前記構造部材に各々連通して穿
    孔された1以上の接合具螺着部と、前記構造部材の内い
    ずれか1以上の前記構造部材の外周壁部から前記接合具
    螺着部と略直角に連通して形成された締付溝と、を備え
    ていることを特徴とする構造部材の接合構造。
  8. 【請求項8】 a.請求項4に記載された接合具と、 b.縦構造部材と,前記縦構造部材の対向する側壁の一
    側壁又は両側壁に当接された横架構造部材(A)と,前
    記横架構造部材(A)と略直角に位置し前記縦構造部材
    の対向する側壁の一側壁又は両側壁に当接された横架構
    造部材(B)と,からなる構造部材と、 c.前記縦構造部材又は前記横架構造部材(A)の外周
    壁部から前記横架構造部材(A)又は前記縦構造部材若
    しくは他の前記横架構造部材(A)の所定部まで穿設、
    又は、前記縦構造部材と前記横架構造部材(A)の接合
    面から前記縦構造部材と前記横架構造部材(A)に各々
    連通して穿孔された1以上の接合具螺着部(A)と、 d.前記接合具螺着部(A)と直交かつ連通して、前記
    縦構造部材又は前記横架構造部材(B)の外周壁部から
    前記横架構造部材(B)又は前記縦構造部材若しくは他
    の前記横架構造部材(B)の所定部まで穿設、又は、前
    記縦構造部材と前記横架構造部材(B)の接合面から前
    記縦構造部材と前記横架構造部材(B)に各々連通して
    穿孔された1以上の接合具螺着部(B)と、 を備えていることを特徴とする構造部材の接合構造。
  9. 【請求項9】 前記構造部材の内いずれか1以上の前記
    構造部材の外周壁部から前記接合具螺着部(A),前記
    接合具螺着部(B)のいずれか1以上に略直角に連通し
    て形成された1以上の締付溝を備えていることを特徴と
    する請求項8に記載の構造部材の接合構造。
  10. 【請求項10】 請求項2乃至5の内いずれか1項に記
    載された接合具と、前記接合具螺着部,前記接合具螺着
    部(A),前記接合具螺着部(B)の一端部側又は両端
    部側に前記構造部材の外周壁部から前記接合具螺着部,
    前記接合具螺着部(A),前記接合具螺着部(B)の長
    さ方向と略直角に連通して穿設された止着用孔と、を備
    えていることを特徴とする請求項7乃至9の内いずれか
    1項に記載の構造部材の接合構造。
  11. 【請求項11】 前記接合具螺着部,前記接合具螺着部
    (A),前記接合具螺着部(B)の開口部に穿設され前
    記接合具螺着部,前記接合具螺着部(A),前記接合具
    螺着部(B)と直交する座部を有し、前記座部の開口側
    に埋設され表面が前記構造部材の外周壁面と略面一に形
    成された埋設材を備えていることを特徴とする請求項
    6,8乃至10の内いずれか1項に記載の構造部材の接
    合構造。
  12. 【請求項12】 前記締付溝に埋設される溝埋設材を備
    えていることを特徴とする請求項7乃至11の内いずれ
    か1項に記載の構造部材の接合構造。
  13. 【請求項13】 前記構造部材の各接合端面に形成され
    た大入れ部を備えていることを特徴とする請求項6乃至
    12の内いずれか1項に記載の構造部材の接合構造。
  14. 【請求項14】 a.所定の接合面で接合される縦構造
    部材や横架構造部材等の2以上の構造部材のいずれか1
    の前記構造部材の外周壁部から他の前記構造部材の所定
    部まで若しくは各前記構造部材の前記接合面から各前記
    構造部材の所定部まで各々連通した1以上の接合具螺着
    部を穿設する螺着部穿設工程,前記接合具螺着部の一端
    部側又は両端部側に前記構造部材の外周壁部から前記接
    合具螺着部の長さ方向と略直角に連通した止着用孔を穿
    設する止着用孔穿設工程,前記構造部材の外周壁部から
    前記接合具螺着部と略直角に連通した締付溝を形成する
    締付溝形成工程,前記接合具螺着部の開口部に前記接合
    具螺着部と直交した座部を穿設する座部形成工程,の内
    いずれか1以上を有した部材穿設工程と、 b.請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の接合具の
    接合具本体及び/又は端部部材を前記接合具螺着部に螺
    着し前記構造部材を連結する部材連結工程と、 c.前記接合具で前記構造部材を前記接合面で当接させ
    て前記構造部材を接合する部材接合工程と、 を備えていることを特徴とする構造部材の接合方法。
  15. 【請求項15】 前記部材連結工程及び/又は前記部材
    接合工程が、前記止着用孔から前記接合具の止着孔に止
    着部材を挿着する止着部材挿着工程を備えていることを
    特徴とする請求項14に記載の構造部材の接合方法。
  16. 【請求項16】 前記締付溝に溝埋設材を埋設、及び/
    又は、前記座部に埋設材を埋設する埋設工程を備えてい
    ることを特徴とする請求項14又は15に記載の構造部
    材の接合方法。
JP2000163116A 2000-05-31 2000-05-31 接合具及びそれを用いた構造部材の接合構造並びに構造部材の接合方法 Withdrawn JP2001342686A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000163116A JP2001342686A (ja) 2000-05-31 2000-05-31 接合具及びそれを用いた構造部材の接合構造並びに構造部材の接合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000163116A JP2001342686A (ja) 2000-05-31 2000-05-31 接合具及びそれを用いた構造部材の接合構造並びに構造部材の接合方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001342686A true JP2001342686A (ja) 2001-12-14

Family

ID=18666923

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000163116A Withdrawn JP2001342686A (ja) 2000-05-31 2000-05-31 接合具及びそれを用いた構造部材の接合構造並びに構造部材の接合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001342686A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012136881A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Sumitomo Forestry Co Ltd 木造建築物
JP2013104240A (ja) * 2011-11-15 2013-05-30 Daidohant Co Ltd 木造建築物における建築金物の取付装置
JP2019509790A (ja) * 2016-07-14 2019-04-11 エーエムディーティー ホールディングス インコーポレイテッドAmdt Holdings, Inc. 外部骨固定システム
JP2020066955A (ja) * 2018-10-26 2020-04-30 株式会社エヌ・シー・エヌ ラグスクリューボルトの埋設方法、同方法による木造建築物の構造躯体の接合構造及び木造建築物
JP2020153149A (ja) * 2019-03-20 2020-09-24 株式会社ブルーム 木材連結用補強ロッド及び木材連結構造
RU207007U1 (ru) * 2021-06-15 2021-10-06 Михаил Васильевич Поцелуйко Разъемное торцовое соединение деревянных реек

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012136881A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Sumitomo Forestry Co Ltd 木造建築物
JP2013104240A (ja) * 2011-11-15 2013-05-30 Daidohant Co Ltd 木造建築物における建築金物の取付装置
JP2019509790A (ja) * 2016-07-14 2019-04-11 エーエムディーティー ホールディングス インコーポレイテッドAmdt Holdings, Inc. 外部骨固定システム
JP2022031641A (ja) * 2016-07-14 2022-02-22 エーエムディーティー ホールディングス インコーポレイテッド 外部骨固定システム
US11471192B2 (en) 2016-07-14 2022-10-18 Amdt Holdings, Inc. External bone fixation systems
JP7390347B2 (ja) 2016-07-14 2023-12-01 エーエムディーティー ホールディングス インコーポレイテッド 外部骨固定システム
US11969191B2 (en) 2016-07-14 2024-04-30 Arthrex, Inc. External bone fixation struts and systems
JP2020066955A (ja) * 2018-10-26 2020-04-30 株式会社エヌ・シー・エヌ ラグスクリューボルトの埋設方法、同方法による木造建築物の構造躯体の接合構造及び木造建築物
JP2020153149A (ja) * 2019-03-20 2020-09-24 株式会社ブルーム 木材連結用補強ロッド及び木材連結構造
RU207007U1 (ru) * 2021-06-15 2021-10-06 Михаил Васильевич Поцелуйко Разъемное торцовое соединение деревянных реек

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9976298B2 (en) Concealed structural post fastening device and method
JP3041271B2 (ja) 木造接合工法
JP4628212B2 (ja) 締結具
JP2019119990A (ja) 木質系壁パネル用接合金物、およびその木質系壁パネル用接合金物を用いた木造建物
JP4546492B2 (ja) 木質構造物における木材接合部の補強構造
JP4649303B2 (ja) 柱の締結具
JP2001342686A (ja) 接合具及びそれを用いた構造部材の接合構造並びに構造部材の接合方法
JP2007218043A (ja) 木造建築物における接合緊締構造とその金具,柱脚構造とその金具,および柱・梁接合構造とその金具
JP2004244941A (ja) 接合具及びそれを用いた構造部材の仕口接合構造並びに構造部材の接合方法
JP4252932B2 (ja) 鉄筋木造建築
JP2001355287A (ja) 木造建造物の構造部材の接合構造及びその接合方法
JP3103077B2 (ja) 接合具及びそれを用いた柱、梁、桁等の接合装置並びに柱、梁、桁等の接合方法
JP2009062775A (ja) 木造建築構造材の接合・固定方法
JP2006307568A (ja) 梁と柱との接合構造及び梁と柱との接合方法
JP4143482B2 (ja) 耐震補強構造
JPH083259B2 (ja) 石材等構造物の連結装置
JP3957402B2 (ja) 建築用柱固定金具部品、建築用柱固定金具及び該建築用柱固定金具を用いた柱固定方法
JP7378187B1 (ja) ラグスクリューボルトの取付け治具及び取付け方法
JP7397546B1 (ja) ラグスクリューボルト
JP2003213800A (ja) ボルトナット式緊結構造
JP2003129568A (ja) 木造建物の火打ち構造および方杖構造ならびに内法構造
JP2000129782A (ja) 接合用治具及びそれを用いた構造部材の接合構造並びに構造部材の接合方法
JP3251251B2 (ja) 建築物の接合金具
JPH0213601Y2 (ja)
JPH11350601A (ja) 木造建築物の構造部材の接合構造およびその接合方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070807