JP2001342480A - 粘度指数向上剤および潤滑油組成物 - Google Patents

粘度指数向上剤および潤滑油組成物

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JP2001342480A
JP2001342480A JP2000162564A JP2000162564A JP2001342480A JP 2001342480 A JP2001342480 A JP 2001342480A JP 2000162564 A JP2000162564 A JP 2000162564A JP 2000162564 A JP2000162564 A JP 2000162564A JP 2001342480 A JP2001342480 A JP 2001342480A
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oil
acid
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Takeshi Yuki
剛 由岐
Yoshihisa Ota
義久 太田
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のポリメタクリレート系粘度指数向上剤並
みの粘度指数を保持し、かつ、少量の添加量で増粘性に
優れた粘度指数向上剤を提供する。 【解決手段】特定の数平均分子量、溶解性パラメータ
ー、結晶化開始温度および立体障害ファクターを満た
し、かつ活性水素を6〜10個含有する化合物の油溶性
ポリアルキレン(チオ)エーテル誘導体からなる粘度指
数向上剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘度指数向上剤お
よびそれを含む潤滑油組成物に関する。詳しくは、増粘
性に優れた粘度指数向上剤およびそれを含む潤滑油組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護ならびに省資源の気
運が高まり、自動車における潤滑油のロングライフ性が
一層要求されてきている。一般にエンジン油や駆動系潤
滑油はその使用温度範囲を広げるため粘度指数向上剤を
添加してマルチグレード化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、粘度指
数向上剤を添加することにより、剪断による潤滑油の粘
度低下や、酸化による酸価の上昇が起こるため、ロング
ライフ性が損なわれる。従って、従来のポリメタクリレ
ート系粘度指数向上剤並みの粘度指数を保持し、かつ、
少量の添加量で増粘性に優れた粘度指数向上剤が要望さ
れている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、特定の単量体から構成され、かつ特定の化合
物の誘導体で、特定の物性値を有する重合体が増粘性に
優れていることを見出し本発明に至った。
【0005】すなわち本発明は、下記(i)〜(iv)を
満たし、かつ活性水素を6〜10個含有する化合物
(a)の油溶性ポリアルキレン(チオ)エーテル誘導体
(A)からなる粘度指数向上剤および粘度指数向上剤を
含む潤滑油組成物である。 (i) 数平均分子量が11,000〜250,000 (ii)溶解性パラメーターが8.6〜9.4 (iii)示差走査熱量計による結晶化開始温度が−15
℃以下 (iv)式(1)で表される立体障害ファクター(F)
{(A)中のポリアルキレン(チオ)エーテル部分を構
成する単量体のモル分率に基づいて平均した値}が12
以下 F=4X+Y (1) {構成単量体単位において、側鎖に含まれる主鎖から6
番目の総原子数をX、7番目の総原子数をYとする。}
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、(A)として
は、下記一般式(2)で示されるものが使用できる。 Q−[(D−Z)m−R]n (2) [式中、Qは(a)の残基;nは6〜10の整数;mは
(A)の数平均分子量が15,000〜500,000
となる0または1以上の整数(n個のmは同一でも異な
っていてもよい);ZはOまたはS;Dはアルキレン基
または置換アルキレン基;RはH、ハイドロカルビル基
(例えば炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル基、
アラルキル基、アリール基、アルキルアリール基)およ
びアシル基(例えば炭素数1〜18の脂肪族もしくは芳
香族カルボン酸アシル基)からなる群から選ばれる1種
以上を表わす]
【0007】本発明において、化合物(a)中の活性水
素は、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基
および酸アミド基などの基に含まれる活性水素であり、
(a)はこれらから選ばれる1種以上の活性水素を6〜
10個含有する化合物である。化合物(a)の具体的な
例としては、次の〜が挙げられ、これらの1種また
は2種以上の混合物が使用できる。
【0008】多価アルコール類; (1)6価アルコール(ソルビトール、キシリトール、マ
ンニトール、ジペンタエリスリト−ル、テトラグリセリ
ンなど)、(2)7価アルコール(ペンタグリセリンな
ど)、(3)8価アルコール(ショ糖、ヘキサグリセリ
ン、トリペンタエリスリトールなど)、(4)9価アルコ
ール(ヘプタグリセリンなど)、(5)10価アルコール
(オクタグリセリンなど)、(6)重合度6〜10のポリ
ビニルアルコール、ポリ(メタ)アリルアルコール、ポ
リヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレートなどのオリゴマー、
(7)6〜10価のウレタン化ポリオールおよびポリエス
テルポリオール(例えば上記多価アルコールおよび/ま
たは後述の(a’)の多価アルコールと後述のポリイソ
シアネートもしくはポリカルボン酸化合物との反応生成
物、(8)1分子当たり2〜8個の水酸基を有するポリオ
ールとジエポキシ化合物の反応物(例えば特公昭46−
24255号公報に記載のもの)、該ジエポキシ化合物
としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、環状脂肪
族ジエポキサイド(1−エポキシエチル−3,4−エポ
キシシクロヘキサンなど)、ポリオキシアルキレン(ア
ルキレン基の炭素数2〜4;重合度2〜100)型エポ
キシ樹脂などが挙げられる。 ポリカルボン酸類;不飽和モノカルボン酸の6〜10
量体(モノカルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル
酸など)、不飽和ジカルボン酸の3〜5量体(不飽和ジ
カルボン酸としては、マレイン酸、イタコン酸など)な
ど、 ポリアミン類;ポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリ
アミン類(トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペ
ンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなど)、枝分かれ
したポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン(例え
ば、特公昭51−44275号公報記載の、ダイマー酸
と上記ポリアルキレンポリアミン類との縮合物など)、 ポリチオール類;上記の多価アルコールとチオ尿素
との反応により得られる6〜10官能のチオール、エピ
クロルヒドリンの6〜10量体と水硫化ナトリウムとの
反応により得らる6〜10官能のチオールなど)など、 ポリカルボン酸アミド類;不飽和モノカルボン酸アミ
ドの3〜5量体(モノカルボン酸アミドとしてはアクリ
ルアミド、メタクリルアミドなど)、N−モノアルキル
置換不飽和モノカルボン酸アミド(例えば、N−モノメ
チルアクリルアミド、N−モノイソプロピルアクリルア
ミドなど)の6〜10量体など、 多価フェノール類;フェノール樹脂(核体数5〜9の
ノボラック型フェノール樹脂、核体数4〜8のレゾール
型フェノール樹脂など)など、
【0009】(a)の数平均分子量は通常146〜1
0,900であり、活性水素1個当たりの数平均分子量
は通常24〜1,820である。
【0010】(a)のうち好ましくは、誘導体の製造の
しやすさから〜の化合物であり、(a)の活性水素
の数は通常6〜10、好ましくは6〜9、さらに好まし
くは6〜8である。活性水素が6未満では増粘性に乏し
く、10を越えると低温粘度が高くなり好ましくない。
(a)のうち、好ましくはの多価アルコール類であ
り、さらに好ましくは、6価アルコールのソルビトー
ル、テトラグリセリン、ジペンタエリスリトールおよび
8価アルコールのショ糖である。
【0011】本発明のポリアルキレン(チオ)エーテル
誘導体(A)において、ポリアルキレン(チオ)エーテ
ル部分を構成する単量体としては、以下のものが挙げら
れる。 環状エーテル類 炭素数2〜6のアルキレンオキサイド[エチレンオキサ
イド(以下EOと略記)、1,2−プロピレンオキサイ
ド(PO)、1,3−プロピレンオキサイド、イソブチ
レンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド(B
O)、2,3−ブチレンオキサイド、1,3−ブチレン
オキサイド、トリメチルエチレンオキサイド、テトラメ
チルエチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、
オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラ
ン、1,2−ペンテンオキサイド、1,2−ヘキセンオ
キサイドなど]、炭素数7〜20のα−オレフィンオキ
サイド[1,2−オクテンオキサイド(OO)、1,2
−ドデセンオキサイドなど]、芳香族炭化水素基置換ア
ルキレンオキサイド[スチレンオキサイド(SO)、α
−メチルスチレンオキサイド、1,1−ジフェニルエチ
レンオキサイドなど]、不飽和脂肪族炭化水素基置換ア
ルキレンオキサイド(ブタジエンモノオキサイド、ビニ
ルシクロヘキセンモノオキサイドなど)など、 エピハロヒドリン類(エピフルオヒドリン、エピクロ
ロヒドリン、エピブロモヒドリンなど)など。 グリシジルエーテル類(炭素数1〜10のアルキル
基、アルケニル基、アリール基を有するものなど;例え
ば、ブチルグリシジルエーテル、n−ヘキシルグリシジ
ルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリ
シジルエーテルなど;これらのハロ置換体、例えば2−
クロロエチルグリシジルエーテルなど)、炭素数3〜5
の飽和または不飽和モノカルボン酸(メタクリル酸、ア
クリル酸、クロトン酸など)のグリシジルエステル類
(例えば、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシ
ジルなど)、並びにグリシドールなど、 環状チオエーテル類;上記の環状エーテルのヘテロ環
を形成する酸素原子を硫黄原子に置換した構造のもの、
例えば、エチレンスルフィド、イソブチレンスルフィ
ド、スチレンスルフィドなど、
【0012】(A)が単独重合体の場合は、溶解性およ
び粘度特性の観点から、炭素数2〜6の単量体から構成
されていることが好ましく、具体的には、炭素数2〜6
の脂肪族飽和アルキレンオキサイド、例えば、EO、P
O、オキセタン、BOおよびテトラヒドロフランなどが
さらに好ましい。また、さらに好ましくは、炭素数3〜
5の単量体である。特に好ましくはBOである。
【0013】(A)が共重合体の場合は、単量体の種類
とモル分率は特に限定されないが、上記と同様に溶解性
および粘度特性の観点から、構成する単量体のモル分率
に基づいて平均した平均炭素数が2.2〜6.2になる
ような単量体の組み合わせが好ましい。さらに好ましい
範囲は3.0〜4.5である。具体的には、上記の炭素
数2〜6のアルキレンオキサイドおよび炭素数7〜20
のα−オレフィンオキサイド(OO、1,2−ドデセン
オキサイドなど)から選ばれる2種以上の単量体の共重
合体が好ましい。これらのうちでさらに好ましくはBO
が50重量%以上、EOおよび/またはPOが50重量
%以下から構成される共重合体であり、特に好ましく
は、BOが75重量%以上、EOおよび/またはPOが
25重量%以下から構成される共重合体である。また、
共重合体の場合、ランダム重合体、ブロック重合体のい
ずれであってもよい。本発明のポリアルキレン(チオ)
エーテルまたはその誘導体(A)は油溶性である。ここ
で油溶性とは、スピンドル油(「SYピュアスピンC」
コスモブリカンツ(株))100重量部に粘度指数向上
剤20重量部を添加・混合したとき0〜85℃のいずれ
の温度でも相溶することを言う。
【0014】開環付加重合の方法としては、化合物
(a)に、必要により適当な溶媒(鉱物油、キシレン
等)中、重合触媒の存在下、上記単量体を開環付加させ
る方法が挙げられる。上記の開環付加に使用される付加
触媒としては、アニオン付加重合触媒(例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアル
カリ金属の水酸化物;メトキシナトリウム、ブトキシナ
トリウム、メトキシカリウム、ブトキシカリウム等のア
ルカリ金属アルコラート化合物;テトラブチルアミン等
のアルキルアミン)、カチオン付加重合触媒(例えば、
アルミニウム、アンチモン、硼素、燐、鉄、亜鉛、チタ
ン等の塩化物;塩酸、臭酸、硫酸、過塩素酸等の鉱
酸)、配位アニオン付加重合触媒(例えば、トリエトキ
シ鉄等の金属アルコシドやアルカリ土類金属化合物と、
アセチルアセトン等の活性水素化合物やルイス酸を組み
合わせたもの)等]が挙げられる。経済性、生産性の観
点から、アニオン付加重合触媒による製造が好ましい。
アニオン重合による(A)の製造は、上記活性水素を含
有する化合物(a)と上記重合触媒を加熱しながら、上
記の単量体を反応させることによってできる。反応温度
としては、40〜150℃、好ましくは90〜130℃
である。
【0015】また、(A)の製造においては、開環付加
重合が逐次付加反応であるため、任意の数平均分子量ま
でのものを製造した段階で、付加重合反応を中断しても
よいし、いったん取り出して精製し、精製したものを出
発物質としてさらに付加重合して目的の数平均分子量の
ものを得ることもできる。
【0016】本発明において、(A)には、化合物
(a)に上記単量体を開環付加重合して得られるもの、
およびさらにその末端を変性して得られるものが含まれ
る。また、上記単量体の開環付加重合物もしくはその変
性物と(a)を反応させたもの、さらに、(a)に代え
て活性水素を3〜5個有する化合物(a’)を用いて上
記単量体を開環付加重合し生成した開環付加重合体をジ
ョイントして6〜10官能に多官能化したものも(A)
に含まれる。
【0017】本発明の(A)の末端をさらに変性する場
合の変性方法としては、末端の水酸基またはチオール基
などと、有機酸、無機酸またはそれらの誘導体とのエス
テル化反応、イソシアネート基含有化合物とのウレタン
化反応、さらには、末端基をアルカリ金属でまずアルコ
ラートまたはチオラートとし、ハロゲン化炭化水素との
脱塩反応によるエーテル化などが挙げられる。
【0018】上記の変性に使用される化合物としては以
下のものが挙げられる。 有機酸およびこれらのエステル形成性誘導体;炭素数
1〜12の脂肪族モノカルボン酸(酢酸、プロピオン
酸、酪酸、ラウリン酸など)、炭素数7〜16の芳香族
モノカルボン酸(安息香酸、桂皮酸、ナフチル酸な
ど)、およびこれらの酸無水物、酸ハロゲン化物など、 無機酸;硫酸、クロルスルホン酸、サルファン、スル
ファミン酸、塩化チオニル、無水リン酸など、 イソシアネート基含有化合物;炭素数(NCO基中の
炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシア
ネート[1,3−および/または1,4−フェニレンジ
イソシアネート、2,4−および/または2,6−トリ
レンジイソシアネート、2,4’−および/または4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなど]、炭素
数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート[エチレンジイ
ソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネートなど]、炭素数4〜15の
脂環式ポリイソシアネート[イソホロンジイソシアネー
ト、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネ
ート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシク
ロヘキシレンジイソシアネートなど]、炭素数8〜15
の芳香脂肪族ポリイソシアネート[m−および/または
p−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’
−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど]、お
よびこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン
基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、
ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イ
ソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)
およびこれらの2種以上の混合物など。 アルカリ金属およびハロゲン化炭化水素;アルカリ金
属としては、ナトリウム、カリウムおよびリチウム、ハ
ロゲン化炭化水素としては、炭素数1〜18の直鎖また
は分岐のアルキル基もしくはアラルキル基を有するハロ
ゲン(塩素、臭素、フッ素)化物、例えば、塩化メチ
ル、塩化エチル、臭化メチル、塩化オクチル、塩化ラウ
リル、塩化ベンジルなど、
【0019】また、これらの変性反応を利用して(A)
をジョイントするか、もしくは上記のように(a)に代
えて活性水素を3〜5個有する化合物(a’)を用いて
上記単量体を開環付加重合し生成した開環付加重合体
(A’)をジョイントして6〜10官能に多官能化する
ことにより高分子量化物を得ることもでき、これらも本
発明の(A)に含まれる。ジョイント反応の例として
は、(A)の末端をカルボン酸変性した変性物と(A)
もしくは(A’)とのポリエステル化反応、またはポリ
カルボン酸化合物と(A)もしくは(A’)との(ポ
リ)エステル化反応、上記ポリイソシアネートもしくは
末端ポリイソシアネート変性されたポリアルキレン(チ
オ)エーテルと(A)もしくは(A’)との(ポリ)ウ
レタン化反応、末端ポリエポキシドのポリアルキレン
(チオ)エーテルと(A)もしくは(A’)との開環付
加反応、ジハロゲン化炭化水素による2分子以上のポリ
アルキレン(チオ)エーテル(チオ)アルコラートの縮
合脱塩反応等が挙げられる。
【0020】上記の活性水素を3〜5個有する化合物
(a’)としては以下のものが挙げられる。 多価アルコール類; (1)3価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロ
パンなど)、(2)4価アルコール(ペンタエリスリトー
ル、ジグリセリンなど)、(3)5価アルコール(トリグ
リセリンなど)、(4)重合度3〜5のポリビニルアルコ
ール、ポリ(メタ)アリルアルコール、ポリヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレートなどのオリゴマー、(5)3〜5価
のウレタン化ポリオールおよびポリエステルポリオール
(例えば上記多価アルコールと後述のポリイソシアネー
トもしくはポリカルボン酸化合物との反応生成物、(6)
1分子当たり2個の水酸基を有するポリオールとジエポ
キシ化合物の反応物(例えば特公昭46−24255号
公報に記載のもの)、該ジエポキシ化合物としては上記
のものなどが挙げられる。 ポリカルボン酸類;不飽和モノカルボン酸の3〜5量
体(モノカルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸
など)、不飽和ジカルボン酸の2量体(不飽和ジカルボ
ン酸としては、マレイン酸、イタコン酸など)など、 ポリアミン類;(ポリ)アルキレン(炭素数2〜6)
ポリアミン類(エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、ポリアミドポリアミン[例えば、特公昭51−44
275号公報記載の、ダイマー酸と上記(ポリ)アルキ
レンポリアミン類との縮合物など]、 ポリチオール類;上記の多価アルコールとチオ尿素
との反応により得られる3〜5官能のチオール、エピク
ロルヒドリンの3〜5量体と水硫化ナトリウムとの反応
により得らる3〜5官能のチオールなど)など、 ポリカルボン酸アミド類;不飽和モノカルボン酸アミ
ドの2量体(モノカルボン酸アミドとしてはアクリルア
ミド、メタクリルアミドなど)、N−モノアルキル置換
不飽和モノカルボン酸アミド(例えば、N−モノメチル
アクリルアミド、N−モノイソプロピルアクリルアミド
など)の3〜5量体など、 多価フェノール類;ピロガロール、フェノール樹脂
(核体数2〜4のノボラック型フェノール樹脂、核体数
2または3のレゾール型フェノール樹脂など)など。
【0021】ジョイント反応に用いられる末端をカルボ
ン酸変性した変性物ポリカルボン酸化合物としては、
(A)とモノハロゲン化脂肪酸(例えば、モノクロル酢
酸、モノブロム酢酸、モノクロルプロピオン酸など)と
の反応により得られる末端カルボキシアルキル化物、お
よびこれらのエステル形成性誘導体(酸無水物、低級ア
ルキルエステル、酸ハロゲン化物など)が挙げられる。
【0022】ジョイント反応に用いられるポリカルボン
酸化合物としては炭素数2〜40の脂肪族ジカルボン
酸、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン
酸、アゼライン酸、ダイマー酸など、炭素数8〜24の
芳香族ポリカルボン酸、例えばフタル酸、テレフタル
酸、トリメリット酸など、およびこれらのエステル形成
性誘導体(酸無水物、低級アルキルエステル、酸ハロゲ
ン化物など)があげられる。
【0023】ジョイント反応に用いられるジハロゲン化
炭化水素としては炭素数1〜6のアルキレンジハライド
(ジクロルメタン、ジブロムメタン、クロムブロムメタ
ン、ジクロルエタン、ジブロムエタン、ジクロルブタン
など)などが挙げられる。
【0024】本発明の重合体(A)は、数平均分子量が
11,000〜250,000、好ましくは17,00
0〜200,000、さらに好ましくは20,000〜
150,000である。数平均分子量が11,000未
満では、増粘性が小さく、250,000を超えると剪
断安定性に乏しくなる。なお、数平均分子量は、ゲルパ
ーミュエーションクロマトグラフィーによる測定であ
り、ポリスチレンに換算して求めたものである。
【0025】本発明の重合体(A)は、溶解性パラメー
ターが8.6〜9.4、好ましくは8.8〜9.3、さ
らに好ましくは8.8〜9.2であり、溶解性パラメー
ターが8.6未満では粘度指数が悪化し、9.4を超え
ると、基油への溶解性が悪化する。なお、本発明におけ
る溶解性パラメーターは、Fedors法[Poly
m.Eng.Sci.14(2)152,(197
4)]によって算出される値である。
【0026】本発明の重合体(A)は示差走査熱量計に
より測定した結晶化開始温度が−15℃以下であり、好
ましくは−20℃以下、さらに好ましくは−25℃以下
である。−15℃を超えると、低温で増粘し低温特性に
悪影響する。本発明の示差走査熱量計による結晶化開始
温度は、PERKIN−ELMER社製UNIXDSC
7を使用し、粘度指数向上剤5mgを試料とし、10℃
/分の等温速度で140℃から−75℃まで冷却したと
きに観測される結晶化開始温度である。
【0027】さらに、本発明の重合体(A)は、下記一
般式(1)で表わされる立体障害ファクター(F){共
重合体組成の場合は、構成単量体のモル分率に基づいて
平均した値}の平均値が12以下であり、好ましくは8
以下、さらに好ましくは5以下、特に好ましくは0であ
る。 F=4X+Y (1) 立体障害ファクター(F)の平均値が12を超えると、
主鎖まわりの立体障害が大きくなり、低温で収縮し難く
なり低温粘度が高くなる傾向がある。
【0028】立体障害ファクター(F)とは、(A)の
ポリアルキレン(チオ)エーテル部分の構成単量体単位
において、側鎖が結合した主鎖の原子を0番目とした場
合、側鎖の方向に数えて6番目の総原子数(X)(原子
の種類にかかわらない)を4倍し、7番目の総原子数
(Y)(原子の種類にかかわらない)との和である。こ
の立体障害ファクター(F)は、ポリマー主鎖からの見
た側鎖の立体障害の大きさを便宜的に表したものであ
り、数字が大きいほど立体障害が大きくなる。計算例を
挙げると次のようになる。原子の右肩の数字は主鎖から
の原子の順番を示している。なお複数の側鎖がある場合
は、それらについても計算した総和を(F)とする。
【0029】例a)1,2−ヘプテンオキサイドの単独
重合体の場合
【0030】
【化1】
【0031】6番目の原子数=3 7番目の原子数=0 構成単量体の立体障害ファクター(F)=4×3+0=
12
【0032】なお、(A)のポリアルキレン(チオ)エ
ーテル部分が2種以上の単量体から構成される場合はそ
れぞれの構成単量体単位から計算される立体障害ファク
ター(F)からその共重合体を構成する単量体単位のモ
ル分率に基づいて平均値を計算することによって立体障
害ファクター(F)の平均値が求められる。
【0033】例b)1,2−ブチレンオキサイドと1,
2−オクテンオキサイドの75/25(モル比)の場合
【0034】
【化2】
【0035】 6番目の原子数=0 6番目の原子数=3 7番目の原子数=0 7番目の原子数=3 構成単量体の立体障害 構成単量体の立体障害 ファクター(F)=0×4+0=0 ファクター(F)=4×3+3=15 立体障害ファクター(F)=0×0.75+12×0.25 =3
【0036】(A)のHLB値は0.5〜6.0が好ま
しく、さらに好ましくは1.0〜5.5、特に好ましく
は1.5〜5.0である。HLB値が0.5〜6.0の
範囲内にあると抗乳化性が特に良好である。本発明のH
LB値は、グリフィンのHLB計算式(「新・界面活性
剤入門」三洋化成工業株式会社発行P128)によって
算出される値である。
【0037】本発明の粘度指数向上剤には、(A)に加
えて、さらに、アルキル(メタ)アクリレート(b1)
を必須構成単量体とする重合体(B)を併用してもよ
い。
【0038】重合体(B)の必須構成単量体であるアル
キル(メタ)アクリレート(b1)の具体例としては、
アルキル基が炭素数1〜6の直鎖または分枝アルキル基
である(メタ)アクリレート(b11)、およびアルキ
ル基が炭素数7〜24の直鎖または分枝アルキル基であ
る(メタ)アクリレート(b12)が挙げられ、(b1
1)のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−
およびiso−プロピル基、n−、iso−、sec−およびt−
ブチル基、n−、iso−、sec−およびネオペンチル基、
ヘキシル基など、(b12)のアルキル基としては、ヘ
プチル基、n−およびiso−オクチル基、2−エチルヘ
キシル基、n−およびiso−ノニル基、n−およびiso−
デシル基、n−およびiso−ドデシル基、n−およびiso
−トリデシル基、n−およびiso−テトラデシル基、n
−およびiso−ペンタデシル基、n−およびiso−ヘキサ
デシル基、ならびにn−およびiso−オクタデシル基な
どが挙げられる。
【0039】重合体(B)は、これらの単独重合体およ
び2種類以上を構成単量体とした共重合体が挙げられ
る。(B)に使用される(b1)のうち、(b11)と
(b12)のモル比(b11)/(b12)は通常0/
100〜55/45であり、好ましくは0/100〜4
0/60である。
【0040】重合体(B)の構成単位として、アルキル
(メタ)アクリレート以外に、さらに共重合可能な他の
ビニル単量体(b2)を使用してもよい。(b2)には
窒素原子を有するもの(b21)と有しないもの(b2
2)が含まれる。これらの例としては以下のものが挙げ
られる。
【0041】(b21)としては、 (b211)窒素原子を含有するビニル単量体;N−ビ
ニルピロリドン、ビニルピリジン、N,N−ジアルキル
アミノアルキル(メタ)アクリレート(アルキル基の炭
素数は通常1〜4)、N,N−ジアルキルアミノアルキ
ル(メタ)アクリルアミド(アルキル基の炭素数は、通
常1〜4)、ビニルイミダゾール、モルフォリノアルキ
レン(メタ)アクリレート等、
【0042】(b212)窒素原子と、さらに硫黄原子
を含有するビニル単量体;アミノフェノチアジン、N−
アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、ア
ミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、
アミノイミダゾリン、アミノメルカプトチアゾール、ア
ミノピペリジン残基を有する(メタ)アクリレート誘導
体およびN−ビニルチオピロリドンなど
【0043】(b22)としては、 (b221)(ポリ)アルキレングリコール[(ポリ)
アルキレングリコールはアルキレングリコールおよび/
またはポリアルキレングリコールを表す。以下同様の表
現を用いる。]またはそのモノアルキルエーテルのモノ
(メタ)アクリル酸エステル;(ポリ)アルキレングリ
コールを構成する単量体としては、前述のポリアルキレ
ン(チオ)エーテル部分を構成する単量体と同様のも
の、またモノアルキルエーテルを構成するアルキル基と
しては前述のアルキル基が挙げられる。(ポリ)アルキ
レングリコールにおけるアルキレングリコールの重合度
(オキシアルキレン単位の数)は通常1〜50、好まし
くは1〜20であり、数平均分子量は通常62〜200
0であり、好ましくは62〜1000である。(ポリ)
アルキレングリコールもしくはそのモノアルキルエーテ
ルのモノ(メタ)アクリル酸エステルの具体例として
は、ポリエチレングリコール(重合度=9)モノメタク
リレート、ポリエチレングリコール(重合度=18)モ
ノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度
=3)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール、
(重合度=6)モノメチルエーテルモノメタクリレー
ト、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエー
テルモノメタクリレート、ポリプロピレングリコール
(重合度=3)モノブチルエーテルモノメタクリレート
などが挙げられる。
【0044】(b222)グリシジルエーテル重合体の
モノ(メタ)アクリル酸エステル;グリシジルエーテル
重合体のモノ(メタ)アクリル酸エステルを構成するグ
リシジルエーテル重合体としては、炭素数が1〜12の
アルキル基、アルケニル基もしくは芳香族環を有するア
ルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエー
テルもしくは芳香族グリシジルエーテルのグリシジル基
を開環重合して得られる重合体が挙げられる。アルキル
グリシジルエーテルとしては、例えば、エチルグリシジ
ルエーテル、n−プロピルグリシジルエーテル、n−お
よびiso−ブチルグリシジルエーテル、n−ヘキシルグ
リシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエー
テルなど、アルケニルグリシジルエーテルとしては、ア
リルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテ
ル、プロペニルグリシジルエーテルなど、芳香族グリシ
ジルエーテルとしては、フェニルグリシジルエーテルな
どが挙げられる。ポリ(グリシジルエーテル)のグリシ
ジルエーテル単位の数は、通常1〜30、好ましくは1
〜20であり、数平均分子量は通常60〜2000、好
ましくは60〜1000である。
【0045】(b223)脂肪酸ビニルエステル;脂肪
酸中のアルキル基(直鎖もしくは分岐アルキル基)の炭
素数が1〜30、好ましくは1〜22、さらに好ましく
は1〜10である脂肪酸のビニルエステルが挙げられ、
該アルキル基としては前述のアルキル基が挙げられる。
具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビ
ニル、ヘキサン酸ビニル、ヘプタン酸ビニル、2−エチ
ルヘキサン酸ビニル、n−オクタン酸ビニルなどが挙げ
られる。
【0046】(b224)アルキル(メタ)アクリレー
ト以外の不飽和モノまたは/およびポリカルボン酸(ク
ロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸など)の
アルキルエステル類(アルキル基の炭素数1〜30);
例えば、ブチルクロトネート、オクチルクロトネート、
ドデシルクロトネート、ジブチルマレエート、ジオクチ
ルフマレート、ジラウリルマレエート、ジステアリルフ
マレート、ジオクチルイタコネート、ジラウリルイタコ
ネートなどが挙げられる。
【0047】(b225)脂肪族ビニル系炭化水素;炭
素数2〜18のアルケン[エチレン、プロピレン、ブテ
ン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレ
ン、オクテン、ドデセンおよびオクタデセン等]、炭素
数4〜18のアルカジエン[ブタジエン、イソプレン、
1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエンおよび
1,7−オクタジエン等]等が挙げられる。
【0048】(b226)脂環式ビニル系炭化水素;シ
クロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ピネン、リ
モネン、インデン、ビニルシクロヘキセンおよびエチリ
デンビシクロヘプテン等
【0049】(b227)芳香族ビニル系炭化水素;ス
チレン、置換スチレン[α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、
イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチ
レン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレンおよ
びクロチルベンゼンなど]、ジビニル置換芳香族炭化水
素[ジビニルベンゼン、ジビニルトルエンおよびジビニ
ルキシレンなど]、ビニルナフタレン等
【0050】(b228)アルキルビニルエーテル、ア
ルキルアリルエーテル、ビニルケトン類;炭素数1〜1
2のアルキル基を有するアルキルビニルエーテル[メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−および
iso−プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル
および2−エチルヘキシルビニルエーテル等]、炭素数
1〜18の直鎖または分岐アルキル基を有するアルキル
(メタ)アリルエーテル[メチルアリルエーテル、エチ
ルアリルエーテル、プロピルアリルエーテル、ブチルア
リルエーテル、アミルアリルエーテル、ヘキシルアリル
エーテル、ヘプチルアリルエーテル、オクチルアリルエ
ーテル、ノニルアリルエーテル、デシルアリルエーテ
ル、ドデシルアリルエーテル、トリデシルアリルエーテ
ル、テトラデシルアリルエーテル、ペンタデシルアリル
エーテル、ヘキサデシルアリルエーテル、オクタデシル
アリルエーテルなど、およびこれらに相当するメタリル
エーテル]、並びに、炭素数1〜8のアルキル基もしく
はアリール基を有するビニルケトン[メチルビニルケト
ン、エチルビニルケトンおよびフェニルビニルケトンな
ど]等
【0051】(b229)カルボキシル基含有ビニルモ
ノマーおよびこれらの塩;モノカルボキシル基含有ビニ
ルモノマー[(メタ)アクリル酸、マレイン酸モノアル
キル(炭素数1〜18)エステル、フマル酸モノアルキ
ル(炭素数1〜18)エステル、イタコン酸モノアルキ
ル(炭素数1〜18)エステル、クロトン酸および桂皮
酸等]、ジカルボキシル基含有ビニルモノマー[(無
水)マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸など]、ト
リまたはテトラ以上のカルボキシル基含有ビニルモノマ
ー[シトラコン酸およびアコニット酸など];並びに、
これらのアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩
等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウ
ム塩等)、アミン塩もしくはアンモニウム塩
【0052】(b2210)ヒドロキシル基含有ビニル
単量体;ヒドロキシスチレン、(メタ)アリルアルコー
ル、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1
−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−
ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、
2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、ショ糖アリ
ルエーテル等。
【0053】アルキル(メタ)アクリレートを必須構成
単量体とする重合体(B)において、構成単量体の重量
比率は、通常、(b1)/(b2)=100/0〜30
/70、好ましくは95/5〜60/40である。(b
2)のうち、(b21)を用いると、清浄分散性や抗酸
化性などを付与できるため好ましい。この場合は、
(B)における(b21)の合計重量割合は、(B)の
重量のうち通常0.1〜10重量%、好ましくは0.2
〜5重量%であり、(b2)の重量のうち通常0.5〜
50重量%である。
【0054】本発明における共重合体(B)は、通常の
方法によって得ることができる。例えば前記した単量体
類を鉱物油などの溶剤中でラジカル重合することにより
得られる。この場合、重合触媒としてアゾ系(例えば、
アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル
など)や過酸化物系(例えば、ベンゾイルパーオキシ
ド、クミルパーオキシド、ラウリルパーオキシドなど)
を用いることができる。また(B)が共重合体の場合、
ランダム、ブロック、グラフト共重合体のいずれでもよ
い。(B)の数平均分子量は、通常5,000〜50
0,000であり、好ましくは1,000〜300,0
00である。
【0055】本発明の(A)と(B)を併用する場合の
(B)の量は、(A)100重量部に対して、通常0〜
100重量部、好ましくは0.05〜50重量部であ
る。
【0056】本発明の粘度指数向上剤を添加する基油と
しては、100℃における動粘度が1〜6mm2/s、
特に1.5〜5mm2/sの基油が好ましい。動粘度が
1〜6mm2/sの基油に添加した場合、製造された潤
滑油は低温特性がさらに良好となる。
【0057】また、本発明の粘度指数向上剤を用いる基
油の曇点(JIS K2269)は−5℃以下がよい。
好ましくは−15℃以下である。基油の曇点がこの範囲
であるとワックスの析出量が少なく低温粘度がさらに良
好である。基油としては、溶剤精製油、イソパラフィン
を含有するおよび/または水素化分解による高粘度指数
油(粘度指数=70〜150)、α−オレフィンの低重
合により得られる炭化水素系合成潤滑油、長鎖脂肪酸の
多価アルコールエステル化により得られるエステル系合
成潤滑油およびナフテン油などが挙げられる。
【0058】本発明の粘度指数向上剤は、基油に対して
(A)として通常1〜30重量%添加し、本発明の潤滑
油として、エンジン油、ギア油、ATF(オートマティ
ック・トランスミッション・フルード)、CVT(コン
ティニュアスリー・バリュアブル・トランスミッショ
ン)油(ベルト式、トロイダル式)、トラクション油、
ショックアブソーバ油またはパワーステアリング油に好
適に使用できる。添加量はエンジン油の場合には1〜1
0重量%、ギヤ油、ATFおよびCVT油(ベルト式)
の場合は5〜25重量%、CVT油(トロイダル式)の
場合は0.4〜10重量%の範囲内で、特に好ましい結
果を与える。
【0059】本発明の粘度指数向上剤は、他の任意成分
を含んでいてもよい。他の任意成分の例としては、以下
のものが挙げられ、これらの任意成分の全重量は潤滑油
組成物の全重量中の通常1〜20重量%であり、エンジ
ン油の場合は、好ましくは1〜10重量%である。ギヤ
油の場合は好ましくは5〜20重量%である。 清浄剤(スルフォネート系、サリシレート系、フェネ
ート系、ナフテネート系のもの等) 分散剤[アルケニルコハク酸系(例えばイソブテニル
コハク酸イミドなど)等]、 抗酸化剤(ジンクジチオフォスフェート、アミン系、
ヒンダードフェノール系等)、 油性向上剤(脂肪酸系、脂肪酸エステル系等)、 摩擦摩耗調整剤(モリブデンジチオフォスフェート、
モリブデンカーバメイト、ジンクジチオフォスフェート
等)、 極圧剤(硫黄リン系、クロル系等)、
【0060】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実
施例、比較例中の%および部は重量%および重量部を表
す。 (GPCによる重量平均分子量の測定法) 装置 : 東洋曹達製 HLC−802A カラム : TSK gel GMH6 2本 測定温度 : 40℃ 試料溶液 : 0.5重量%のTHF溶液 溶液注入量 : 200μl 検出装置 : 屈折率検出器 標準 : ポリスチレン
【0061】(動粘度の試験方法)JIS K2283
の方法で100℃の粘度を測定した。
【0062】(低温粘度の試験方法)JPI−5S−2
6−99の方法で−20℃の粘度を測定した。
【0063】使用した活性水素含有化合物(a) TETA :トリエチレンテトラミン(活性水素の数=
6、分子量=146) SG :ショ糖 (活性水素の数=8、分子量=3
42) DPE :ジペンタエリスリトール(活性水素の数=
6、分子量=254) PGC :ポリ(n=10)グリセリン(活性水素の
数=12、分子量718)
【0064】製造例1 温度計、撹拌機、還流冷却器および窒素導入口を備えた
耐圧反応容器に、表1に示す量の活性水素含有化合物、
キシレン100部、及び、付加重合触媒として水酸化カ
リウム1.20部を仕込み、反応容器内の空気を窒素ガ
スで置換した後、反応温度125℃で5時間加熱し、脱
水後、表1に示す量のアルキレンオキシド(ao1)を
滴下し、反応温度125℃で25時間反応させた。その
後、更にアルキレンオキシド(ao2)を加え、反応温
度125℃で25時間反応させた。反応終了後、60℃
まで冷却し、得られたポリアルキレンエーテルのうちの
90%を反応容器から取り出し、10%のみを反応容器
内に残した。反応容器内に、さらにキシレン100部、
及び、付加触媒として水酸化カリウム1.20部を仕込
み、上記と同様の反応条件で、アルキレンオキシド(a
o3)を滴下し、更にアルキレンオキシド(ao4)を
反応させた。反応終了後、60℃まで冷却し、反応溶液
を塩酸によりPH7.0まで中和し、濾過して付加触媒
の中和物を除去した。その後、常圧下で130℃まで昇
温し、130℃になった時点で減圧に切り替え、溶剤の
留去を1.5時間行った後、室温まで冷却して、本発明
の重合体A1を得た。
【0065】製造例2、3 活性水素化合物、アルキレンオキシド(ao1)〜(a
o4)を表1のように代えた以外は製造例1と同様にし
て、本発明の重合体A2およびA3を得た。
【0066】製造例4 撹拌装置、加熱装置、温度計、窒素吹き込み管を備えた
反応容器に、トルエンを28部仕込み窒素雰囲気とし9
5℃とする。反応容器内を撹拌しながら、n−ドデシル
メタクリレート237.5部およびメチルメタクリレー
ト12.5部からなる溶液と、トルエン20部に2,
2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル2.
5部およびドデシルメルカプタン1.5部を溶解した溶
液を、それぞれ別の滴下ロートから2時間かけて等速度
で全量を仕込み、仕込み終了から2時間、85℃で熟成
し、重合反応を行なった。反応終了後、130℃でトル
エンを減圧除去し、数平均分子量21,800のアルキ
ルメタクリレート系の重合体B1を得た。
【0067】比較製造例1〜4 活性水素化合物、アルキレンオキシド(ao1)〜(a
o4)を表1のように代えた以外は製造例1と同様にし
て、比較例の重合体の比A1〜比A4を得た。
【0068】
【表1】
【0069】重合体A1〜3および比較重合体比A1〜
5の数平均分子量、溶解性パラメーター、結晶化開始温
度、立体障害ファクターおよびHLB値を表2.に示し
た。
【0070】
【表2】
【0071】実施例1〜4および比較例1〜5 重合体のA1〜A3、B1および比A1〜5を使用し
て、下記のように潤滑油組成物を作成し、それぞれ実施
例1〜4および比較例1〜5とした。
【0072】表3の重合体からなる粘度指数向上剤を溶
剤精製油(曇点:−22.5℃、100℃の動粘度:
4.5mm2/s)に溶解し潤滑油を作成する。そしてその
潤滑油の100℃の動粘度が14.0〜14.4(mm2
s)になるよう粘度指数向上剤の濃度を調整し試験用潤滑
油組成物とした。
【0073】
【表3】
【0074】表3.からわかるように、本発明の粘度指
数向上剤を使用した実施例1〜4は、比較例1〜5に比
べ、少量の添加量で増粘性が良く、低温粘度が低く、溶
解性もよい。
【0075】
【発明の効果】本発明の粘度指数向上剤を使用した潤滑
油は、従来の粘度指数向上剤を使用した潤滑油と比べ、
増粘性に優れ、低温粘度が低く、今後の自動車のロング
ライフ性の要求に対応できる優れた潤滑油を提供するこ
とができる。さらに、本発明の粘度指数向上剤は、上記
特徴に加え、フレキシブルなエーテル結合を主鎖中に有
すことから、剪断安定性にも優れるため、極めて有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 145/14 C10M 145/14 149/02 149/02 149/10 149/10 149/12 149/12 151/02 151/02 151/04 151/04 // C10N 20:00 C10N 20:00 A Z 20:02 20:02 20:04 20:04 30:02 30:02 30:06 30:06 30:08 30:08 40:04 40:04 40:08 40:08 40:25 40:25 Fターム(参考) 4H104 CB08C CB14C CE01C CE05C CE19C CG01C CG03C CG09C EA01C EA02A EA03C EA04A EA04C EA21C LA01 LA03 LA04 PA02 PA03 PA05 PA41 4J002 BG042 BG052 BG062 CH051 CN011 GD00 GM00 GN00 GT00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(i)〜(iv)を満たし、かつ活性水
    素を6〜10個含有する化合物(a)の油溶性ポリアル
    キレン(チオ)エーテル誘導体(A)からなる粘度指数
    向上剤。 (i) 数平均分子量が11,000〜250,000 (ii)溶解性パラメーターが8.6〜9.4 (iii)示差走査熱量計による結晶化開始温度が−15
    ℃以下 (iv)式(1)で表される立体障害ファクター(F)
    {(A)中のポリアルキレン(チオ)エーテル部分を構
    成する単量体のモル分率に基づいて平均した値}が12
    以下 F=4X+Y (1) {構成単量体単位において、側鎖に含まれる主鎖から6
    番目の総原子数をX、7番目の総原子数をYとする。}
  2. 【請求項2】(A)中のポリアルキレン(チオ)エーテ
    ル部分を構成する単量体の平均炭素数が2.2〜6.2
    である請求項1記載の粘度指数向上剤。
  3. 【請求項3】(A)中のポリアルキレン(チオ)エーテ
    ル部分を構成する単量体として1,2−ブチレンオキサ
    イドを50〜100重量%、エチレンオキサイドおよび
    /またはプロピレンオキサイドを0〜50重量%を含有
    する請求項1または2記載の粘度指数向上剤。
  4. 【請求項4】(a)中の活性水素を含有する基が、水酸
    基、カルボキシル基、アミノ基およびチオール基の群か
    ら選ばれる1種以上の基である請求項1〜3のいずれか
    記載の粘度指数向上剤。
  5. 【請求項5】(a)が、ソルビトール、ショ糖、テトラ
    グリセリン、ジペンタエリスリトールの群から選ばれる
    1種以上である請求項1〜4のいずれか記載の粘度指数
    向上剤。
  6. 【請求項6】(A)のHLB値が0.5〜6.0である
    請求項1〜5のいずれか記載の粘度指数向上剤。
  7. 【請求項7】さらに、アルキル(メタ)アクリレートを
    必須構成単量体とする重合体(B)を含有してなる請求
    項1〜6のいずれか記載の粘度指数向上剤。
  8. 【請求項8】100℃における動粘度が1〜6mm2
    s、かつ曇点が−5℃以下の基油と請求項1〜7のいず
    れか記載の粘度指数向上剤からなる潤滑油組成物。
  9. 【請求項9】エンジン油、ギア油、ATF、CVT油、
    トラクション油、ショックアブソーバ油またはパワース
    テアリング油である請求項8記載の潤滑油組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106046341A (zh) * 2016-07-19 2016-10-26 辽宁科技学院 一种用于增粘剂的聚氧富烯基醇醚及其制备装置

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