JP2001341968A - エスカレータ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車椅子利用者が一人でエスカレーターに乗り
込む場合でも恐怖感を感じず、安心して利用できるエス
カレーター装置を得る。 【解決手段】 エスカレーター上部の乗り口に車椅子利
用者１が到着したことを第１の車椅子検出手段８ａ，８
ｂにより検出し、制御手段により、エスカレーターを車
椅子運転モードに切換えて転落防止用ストッパー６ａ，
６ｂを踏段部４側に突出させる。また、踏段部４に車椅
子利用者１が到着したことを第２の車椅子検出手段１０
ａ，１０ｂにより検出し、制御手段により、転落防止用
ストッパー６ａ，６ｂを収納してエスカレーターの運行
を開始する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、車椅子利用者が
係員のいないエスカレータに一人で乗り込むことができ
るエスカレータ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般の健常者が利用する場合には通常の
エスカレータとして動作し、車椅子利用者が利用する場
合には車椅子を搬送可能な構造に変態するエスカレータ
が利用されている。このようなエスカレータにおいて
は、通常運転の場合と車椅子運転の場合とで運転モード
の切換が必要となるが、従来は人間系によるスイッチ操
作が一般的であり、車椅子を搬送する場合は、操作をあ
る程度熟知した係員に頼らなければならなかった。近
年、特開平４−２３５８９２号公報に示されるように、
エスカレータの乗口近傍に、車椅子が到着したことを検
出する検出手段を設け、車椅子が安全に搬送できるよう
に、案内放送により誘導し、車椅子利用者が車椅子運転
による利用を修了すると、出口の検出手段の出力により
自動的に通常運転に復帰するようにして、係員がいなく
ても運行できるようにしたものが提案されている。この
ようにすると、操作に熟知した係員の手間を必要とせ
ず、車椅子利用者の介添え者もしくは、周囲の通行人の
介添えだけで利用可能となり、エスカレータのスムーズ
な運行が可能となる。

【０００３】図３は従来のエスカレータ装置の利用状態
を示す説明図であり、図において、１は車椅子利用者、
２は車椅子、３は係員、４は踏段部、５は欄干である。
この図３は、車椅子利用者１が下りのエスカレータを利
用しようとしているところを示したものであり、この従
来のエスカレータ装置では、車椅子利用者１が上部から
乗り込む場合に、踏段部４から下を見下ろす状態とな
り、自分の前に、自分を支えるものが何も無いために恐
怖感を感じてしまう。図３に示すように、係員３が付い
ている場合は安心感があるが、係員３がいない場合には
一人でエスカレータに乗り込むために恐怖感をまともに
感じることになる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来のエスカレータ装
置は以上のように構成されているので、車椅子利用者１
が上部から乗り込む場合に、自分の前に、自分を支える
ものが何も無いために恐怖感を感じてしまう。特に、係
員３がいない場合には一人でエスカレータに乗り込むた
めに恐怖感をまともに感じることになるなどの課題があ
った。

【０００５】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、車椅子利用者が一人でエスカレー
タに乗り込む場合でも恐怖感を感じず、安心して利用で
きるエスカレータ装置を得ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明に係るエスカレ
ータ装置は、エスカレータ上部の乗り口に車椅子利用者
が到着したことを検出する第１の車椅子検出手段と、踏
段部に車椅子利用者が到着したことを検出する第２の車
椅子検出手段と、欄干に収納され要時に踏段部側に突出
する転落防止用ストッパーと、第１の車椅子検出手段の
検出信号に基づいてエスカレータを車椅子運転モードに
切換えて転落防止用ストッパーを踏段部側に突出させ、
第２の車椅子検出手段の検出信号に基づいて転落防止用
ストッパーを収納してエスカレータの運行を開始する制
御手段とを備えたものである。

【０００７】この発明に係るエスカレータ装置は、エス
カレータ上部の乗り口近傍に設けられ車椅子利用者が操
作自在な第１の操作手段と、踏段部近傍に設けられ車椅
子利用者が操作自在な第２の操作手段と、欄干に収納さ
れ要時に踏段部側に突出する転落防止用ストッパーと、
第１の操作手段の操作信号に基づいてエスカレータを車
椅子運転モードに切換えて転落防止用ストッパーを踏段
部側に突出させ、第２の操作手段の操作信号に基づいて
転落防止用ストッパーを収納してエスカレータの運行を
開始する制御手段とを備えたものである。

【０００８】この発明に係るエスカレータ装置は、車椅
子利用者のエスカレータ上部の乗り口への到着に応じた
乗り口到着遠隔操作、および車椅子利用者の踏段部への
到着に応じた踏段部到着遠隔操作自在な遠隔操作手段
と、欄干に収納され要時に踏段部側に突出する転落防止
用ストッパーと、遠隔操作手段の乗り口到着遠隔操作信
号に基づいてエスカレータを車椅子運転モードに切換え
て転落防止用ストッパーを踏段部側に突出させ、遠隔操
作手段の踏段部到着遠隔操作信号に基づいて転落防止用
ストッパーを収納してエスカレータの運行を開始する制
御手段とを備えたものである。

【０００９】この発明に係るエスカレータ装置は、踏段
部側に突出した転落防止用ストッパーの車椅子利用者に
対する対向面に車椅子運転モードに関する内容を表示し
たものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態１．図１はこの発明の実施の形態１によるエ
スカレータ装置を示す構成図であり、図において、１は
車椅子利用者、２は車椅子、４は踏段部で複数枚の踏段
を組み合わせて車椅子積載面が構成されたものである。
５は欄干、６ａ，６ｂは欄干５に収納突出自在に設けら
れた転落防止用ストッパー、７は床板である。８ａ，８
ｂはエスカレータ上部の乗り口の両側に設けられ、車椅
子利用者１が到着したことを検出する第１の車椅子検出
手段、９ａ〜９ｃは第１の車椅子検出手段８ａ，８ｂの
検出部である光電スイッチである。１０ａ，１０ｂは両
側の欄干５に対向して設けられ、踏段部４に車椅子利用
者１が到着したことを検出する第２の車椅子検出手段、
１１ａ〜１１ｃは第２の車椅子検出手段１０ａ，１０ｂ
の検出部である光電スイッチである。光電スイッチ９ａ
と光電スイッチ９ｃとの間隔、および光電スイッチ１１
ａと光電スイッチ１１ｃとの間隔は、車椅子２の進行方
向の長さより若干狭く設定されている。

【００１１】次に動作について説明する。図１におい
て、車椅子利用者１がエスカレータ上部の乗り口に到着
した際に、乗り口の両側に設けられた第１の車椅子検出
手段８ａ，８ｂにより車椅子２を検出する。この第１の
車椅子検出手段８ａ，８ｂによる車椅子２の検出は、両
側の光電スイッチ９ａ〜９ｃの６個が同時に検出した場
合に車椅子２が乗り口に到着したと判断する。制御手段
（図示せず）は、第１の車椅子検出手段８ａ，８ｂの検
出信号の出力によりエスカレータ装置を車椅子運転モー
ドに切換えて踏段部４を停止すると共に、転落防止用ス
トッパー６ａ，６ｂを、踏段部４を遮るように突出させ
る。図２はこの発明の実施の形態１によるエスカレータ
装置の利用状態を示す説明図であり、図では、転落防止
用ストッパー６ａ，６ｂを、突出させた状態を示したも
のである。また、制御手段は、踏段部４の先端側におい
て、車椅子２の前方への移動を防止する車止め（図示せ
ず）を下部より突出させる。さらに、制御手段は、アナ
ウンスにより車椅子利用者１に踏段部４の車止めの位置
まで前進することを促す。次に、車椅子利用者１が前進
して踏段部４に到着したことを欄干５の両側に設けられ
た第２の車椅子検出手段１０ａ，１０ｂにより検出す
る。この第２の車椅子検出手段１０ａ，１０ｂによる車
椅子２の検出は、両側の光電スイッチ１１ａ〜１１ｃの
６個が同時に検出した場合に車椅子２が踏段部４に到着
したと判断する。第２の車椅子検出手段１０ａ，１０ｂ
の車椅子２の検出信号の出力により、制御手段は、転落
防止用ストッパー６ａ，６ｂを欄干５に収納した後、エ
スカレータの下り運転を開始する。

【００１２】以上のように、この実施の形態１によれ
ば、車椅子利用者１が一人で下りのエスカレータを利用
する場合に、転落防止用ストッパー６ａ，６ｂが自動的
に車椅子利用者１の前を遮ると共に、踏段部４の先端側
において、車椅子２の前方への移動を防止する車止めが
自動的に下部より突出するので、エスカレータを転がり
落ちる恐怖感がなくなり、安心して利用できるようにな
る。

【００１３】なお、上記実施の形態１では、制御手段
は、第１の車椅子検出手段８ａ，８ｂ、および第２の車
椅子検出手段１０ａ，１０ｂの検出信号に基づいて制御
するようにしたが、車椅子利用者１のスイッチ操作によ
り制御するようにしても良い。この場合、乗り口近傍に
車椅子利用者１が操作自在な第１の操作手段を設けると
共に、踏段部近傍に車椅子利用者１が操作自在な第２の
操作手段を設け、制御手段は、第１の操作手段の操作信
号に基づいてエスカレータを車椅子運転モードに切換え
て転落防止用ストッパー６ａ，６ｂを踏段部４側に突出
させ、第２の操作手段の操作信号に基づいて転落防止用
ストッパー６ａ，６ｂを収納してエスカレータの運行を
開始するようにすれば良い。

【００１４】また、制御手段は、遠隔監視を行っている
管理者の遠隔操作により制御するようにしても良い。こ
の場合、管理者により車椅子利用者１の乗り口への到着
に応じた乗り口到着遠隔操作、および車椅子利用者１の
踏段部４への到着に応じた踏段部到着遠隔操作自在な遠
隔操作手段を設け、制御手段は、遠隔操作手段の乗り口
到着遠隔操作信号に基づいてエスカレータを車椅子運転
モードに切換えて転落防止用ストッパー６ａ，６ｂを踏
段部４側に突出させ、遠隔操作手段の踏段部到着遠隔操
作信号に基づいて転落防止用ストッパー６ａ，６ｂを収
納してエスカレータの運行を開始するようにすれば良
い。

【００１５】さらに、上記実施の形態１では、アナウン
スにより、車椅子利用者１に踏段部４まで前進すること
を促すようにしたが、転落防止用ストッパー６ａ，６ｂ
の車椅子利用者１の対向面にエスカレータ装置の利用方
法や注意書き、例えば、「踏段部の車止めの位置まで前
進して停止すると、転落防止用ストッパーが収納され
て、運転を開始します。」等を表示するようにしても良
く、車椅子利用者１が初めて一人で下りのエスカレータ
を利用する場合でも、安心して利用できる。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、エス
カレータ上部の乗り口に車椅子利用者が到着したことを
検出する第１の車椅子検出手段と、踏段部に車椅子利用
者が到着したことを検出する第２の車椅子検出手段と、
欄干に収納され要時に踏段部側に突出する転落防止用ス
トッパーと、第１の車椅子検出手段の検出信号に基づい
てエスカレータを車椅子運転モードに切換えて転落防止
用ストッパーを踏段部側に突出させ、第２の車椅子検出
手段の検出信号に基づいて転落防止用ストッパーを収納
してエスカレータの運行を開始する制御手段とを備える
ように構成したので、車椅子利用者が一人で下りのエス
カレータを利用する場合に、エスカレータを転がり落ち
る恐怖感がなくなり、安心して利用できるようになる効
果が得られる。

【００１７】この発明によれば、エスカレータ上部の乗
り口近傍に設けられ車椅子利用者が操作自在な第１の操
作手段と、踏段部近傍に設けられ車椅子利用者が操作自
在な第２の操作手段と、欄干に収納され要時に踏段部側
に突出する転落防止用ストッパーと、第１の操作手段の
操作信号に基づいてエスカレータを車椅子運転モードに
切換えて転落防止用ストッパーを踏段部側に突出させ、
第２の操作手段の操作信号に基づいて転落防止用ストッ
パーを収納してエスカレータの運行を開始する制御手段
とを備えるように構成したので、車椅子利用者が一人で
下りのエスカレータを利用する場合に、エスカレータを
転がり落ちる恐怖感がなくなり、安心して利用できるよ
うになる効果が得られる。

【００１８】この発明によれば、車椅子利用者のエスカ
レータ上部の乗り口への到着に応じた乗り口到着遠隔操
作、および車椅子利用者の踏段部への到着に応じた踏段
部到着遠隔操作自在な遠隔操作手段と、欄干に収納され
要時に踏段部側に突出する転落防止用ストッパーと、遠
隔操作手段の乗り口到着遠隔操作信号に基づいてエスカ
レータを車椅子運転モードに切換えて転落防止用ストッ
パーを踏段部側に突出させ、遠隔操作手段の踏段部到着
遠隔操作信号に基づいて転落防止用ストッパーを収納し
てエスカレータの運行を開始する制御手段とを備えるよ
うに構成したので、車椅子利用者が一人で下りのエスカ
レータを利用する場合に、エスカレータを転がり落ちる
恐怖感がなくなり、安心して利用できるようになる効果
が得られる。

【００１９】この発明によれば、踏段部側に突出した転
落防止用ストッパーの車椅子利用者に対する対向面に車
椅子運転モードに関する内容を表示するように構成した
ので、車椅子利用者が初めて一人で下りのエスカレータ
を利用する場合でも、安心して利用できる効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の実施の形態１によるエスカレータ
装置を示す構成図である。

【図２】 この発明の実施の形態１によるエスカレータ
装置の利用状態を示す説明図である。

【図３】 従来のエスカレータ装置の利用状態を示す説
明図である。

【符号の説明】

１ 車椅子利用者、２ 車椅子、４ 踏段部、５ 欄
干、６ａ，６ｂ 転落防止用ストッパー、７ 床板、８
ａ，８ｂ 第１の車椅子検出手段、９ａ〜９ｃ，１１ａ
〜１１ｃ 光電スイッチ、１０ａ，１０ｂ 第２の車椅
子検出手段。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エスカレータ上部の乗り口に車椅子利用
   者が到着したことを検出する第１の車椅子検出手段と、
   踏段部に車椅子利用者が到着したことを検出する第２の
   車椅子検出手段と、欄干に収納され要時に踏段部側に突
   出する転落防止用ストッパーと、前記第１の車椅子検出
   手段の検出信号に基づいてエスカレータを車椅子運転モ
   ードに切換えて前記転落防止用ストッパーを踏段部側に
   突出させ、前記第２の車椅子検出手段の検出信号に基づ
   いて前記転落防止用ストッパーを収納してエスカレータ
   の運行を開始する制御手段とを備えたエスカレータ装
   置。
2. 【請求項２】 エスカレータ上部の乗り口近傍に設けら
   れ車椅子利用者が操作自在な第１の操作手段と、踏段部
   近傍に設けられ車椅子利用者が操作自在な第２の操作手
   段と、欄干に収納され要時に踏段部側に突出する転落防
   止用ストッパーと、前記第１の操作手段の操作信号に基
   づいてエスカレータを車椅子運転モードに切換えて前記
   転落防止用ストッパーを踏段部側に突出させ、前記第２
   の操作手段の操作信号に基づいて前記転落防止用ストッ
   パーを収納してエスカレータの運行を開始する制御手段
   とを備えたエスカレータ装置。
3. 【請求項３】 車椅子利用者のエスカレータ上部の乗り
   口への到着に応じた乗り口到着遠隔操作、および車椅子
   利用者の踏段部への到着に応じた踏段部到着遠隔操作自
   在な遠隔操作手段と、欄干に収納され要時に踏段部側に
   突出する転落防止用ストッパーと、前記遠隔操作手段の
   乗り口到着遠隔操作信号に基づいてエスカレータを車椅
   子運転モードに切換えて前記転落防止用ストッパーを踏
   段部側に突出させ、前記遠隔操作手段の踏段部到着遠隔
   操作信号に基づいて前記転落防止用ストッパーを収納し
   てエスカレータの運行を開始する制御手段とを備えたエ
   スカレータ装置。
4. 【請求項４】 踏段部側に突出した転落防止用ストッパ
   ーの車椅子利用者に対する対向面に車椅子運転モードに
   関する内容を表示したことを特徴とする請求項１から請
   求項３のうちのいずれか１項記載のエスカレータ装置。