JP2001340771A - 選別装置 - Google Patents

選別装置

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JP2001340771A
JP2001340771A JP2000163350A JP2000163350A JP2001340771A JP 2001340771 A JP2001340771 A JP 2001340771A JP 2000163350 A JP2000163350 A JP 2000163350A JP 2000163350 A JP2000163350 A JP 2000163350A JP 2001340771 A JP2001340771 A JP 2001340771A
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rice
mixed rice
sorting
mixed
supply
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JP2000163350A
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Soichi Yamamoto
惣一 山本
Bunya Ishiyama
文弥 石山
Yukio Endo
幸夫 遠藤
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Yamamoto and Co Ltd
Yamamoto Co Ltd
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Yamamoto and Co Ltd
Yamamoto Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造により各揺動選別板に均一に混合
米を供給することができ、コストの低減を図ることがで
き、また、各揺動選別板に供給される混合米の量を調節
することもできる選別装置を得る。 【解決手段】 籾摺選別装置10の選別部10Bでは、
複数の揺動選別板74が上下に重なって配置されてお
り、貯留部68から送り込まれた混合米を供給樋72に
よって揺動選別板74毎に分配して混合米供給口85か
らそれぞれに供給できる。供給樋72は、単一の構成と
されているため、従来では不可欠であった仕切り板が不
要であり、極めて構造が簡単となる。したがって、部品
点数が低減すると共に組付性も向上し、コストの低減を
図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は脱ぷ処理された後の
籾と玄米とが混在する混合米から玄米を選別する選別装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】供給された籾を脱ぷ処理すると共に脱ぷ
処理された後の籾と玄米とが混在する混合米から玄米を
選別して玄米を取り出す籾摺選別装置が知られている
(一例として、特開平10−28882号公報)。
【0003】このような籾摺選別装置では、供給された
籾を脱ぷ処理する籾摺部と、この籾摺部において脱ぷ処
理された後の籾摺米(玄米及び脱ぷされなかった籾)か
ら玄米を選別して取り出す選別部と、を有している。
【0004】籾摺部には、一対の籾摺ロール(ゴムロー
ル)が対向して配置されており、互いに若干異なる回転
数で回転する。これら一対の籾摺ロールの間を籾が通過
することで、籾が擦られて脱ぷ処理される(所謂籾摺り
がなされる)ようになっている。一方、選別部には、複
数枚の揺動選別板が互いに上下に隣接し三次元的に傾斜
して配置されている。これらの揺動選別板の表面には、
断面略三角形状の無数の突起が形成されており、選別処
理時には揺動選別板が左右に揺動(振動)するようにな
っている。籾摺部において脱ぷ処理された後の籾摺米
(玄米及び脱ぷされなかった籾)は、選別部において揺
動選別板上に供給され、揺動選別板の左右の揺動(振
動)によって、玄米と、籾と、これらが混在する混合米
とに選別されるようになっている。さらに、前記籾摺米
から選別された玄米は装置外へ取り出され、脱ぷされな
かった籾は再び籾摺部へ返送され、両者が混在する混合
米は再び揺動選別板上に供給される構成となっている。
【0005】なお、この揺動選別板による籾摺米の選別
技術(揺動式選別装置)は、既に本出願人が提案してい
る(特公平2−4349号公報)。
【0006】ところで、このような構成の籾摺選別装置
の選別部には、図8及び図9に示す如く、籾摺部におい
て脱ぷ処理された後の混合米(玄米及び脱ぷされなかっ
た籾)を揺動選別板200へ供給するための供給板20
2及び分配樋204が設けられている。供給板202は
装置の一側へ向けて傾斜して設けられており、さらにそ
の表面には略階段状の突起が連続して形成されている。
また、分配樋204は、供給板202の混合米送り込み
方向終端部分に、揺動選別板200の数に応じて互いに
隣接して設けられており、さらに、各揺動選別板200
に混合米供給口206を介してそれぞれ独立して連通さ
れている。揺動選別板200の混合米供給口206は、
揺動選別板200のそれぞれの角部に対応して設けられ
ており、したがって各混合米供給口206は互いに上下
に隣接して位置している。
【0007】脱ぷ処理された後の混合米は、供給板20
2によって揺動選別板200へ向けて順次送り込まれ、
さらに、供給板202から送り込まれた混合米は分配樋
204によって受け取られ、各揺動選別板200毎に分
配されて各混合米供給口206からそれぞれに供給され
る構成となっている。
【0008】しかしながらここで、このような従来の籾
摺選別装置の選別部では、各揺動選別板200に混合米
を供給するための供給板202及び分配樋204の構造
が複雑であった。特に、各分配樋204は互いに独立し
て隣接して設けられた構成であったため、複数枚の仕切
り板が不可欠であり、部品点数が多く組付性を低下させ
たりコスト高の原因であった。
【0009】またさらに、従来の籾摺選別装置の選別部
では、混合米は分配樋204によって分配されて各揺動
選別板200毎にそれぞれ供給されるようになっている
が、仮に分配樋204による分配が不完全であったり不
適切であると、各揺動選別板200毎に分配されて供給
される混合米の量を調節することができず、このための
対策も切望されていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、簡単な構造により各揺動選別板に均一に混合米を
供給することができ、コストの低減を図ることができ、
また、各揺動選別板に供給される混合米の量を調節する
こともできる選別装置を得ることが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の選
別装置は、上下に隣接して複数設けられ、揺動すること
によって、籾と玄米とが混在する混合米から玄米を選別
する揺動選別板を備えた選別装置において、上下方向に
沿って設けられ、前記各揺動選別板のそれぞれに混合米
供給口を介して連通され、脱ぷ処理された後の前記混合
米を前記各揺動選別板へ供給するための単一の供給樋を
備えたことを特徴としている。
【0012】請求項1記載の選別装置では、脱ぷ処理後
の混合米は供給樋内に送り込まれて、この供給樋の最下
部から最上部へと順次充満される。これに伴って、供給
樋内の混合米は、最下部に位置する混合米供給口から最
上部に位置する混合米供給口を介して順次それぞれの揺
動選別板に供給される。揺動選別板に供給された混合米
は、この揺動選別板が揺動することによって、混合米か
ら玄米が選別される。
【0013】ここで、供給樋は単一の構成とされている
ため、従来では不可欠であった仕切り板が不要で(換言
すれば、従来の如く互いに隣接して設けられた各分配樋
が不要になり)、極めて構造が簡単となる。したがっ
て、部品点数が低減すると共に組付性も向上し、コスト
の低減を図ることができる。
【0014】このように、請求項1記載の選別装置で
は、簡単な構造により各揺動選別板に均一に混合米を供
給することができ、コストの低減を図ることができる。
【0015】請求項2に係る発明の選別装置は、請求項
1記載の選別装置において、前記供給樋に連通してこの
供給樋の直上に位置し、脱ぷ処理された後の前記混合米
が供給されて一定量貯留し貯留した前記混合米を前記供
給樋へ順次供給する貯留部を備えたことを特徴としてい
る。
【0016】請求項2記載の選別装置では、脱ぷ処理後
の混合米は貯留部内に一定量が貯留される。これによ
り、供給樋内の混合米は、全ての混合米供給口から順次
それぞれの揺動選別板に一定量が供給される。換言すれ
ば、貯留部内に一定量の混合米を貯留しておくことによ
って、全ての混合米供給口を介して全ての揺動選別板に
均一の混合米を供給することができる。
【0017】請求項3に係る発明の選別装置は、請求項
1または請求項2記載の選別装置において、前記揺動選
別板の混合米供給口の開口面積を変更可能な開度調節板
を設けたことを特徴としている。
【0018】請求項3記載の選別装置では、揺動選別板
の混合米供給口に設けられた開度調節板によって、混合
米供給口の開口面積すなわち揺動選別板に供給される混
合米の量を調節することができる。したがって、揺動選
別板上の混合米の層厚を最適な状態として選別処理を実
施することができる。
【0019】なお、開度調節板は、全ての混合米供給口
を全体的に(一度に)調節するように一枚で構成しても
よく、各混合米供給口を個々に(単独で)調節するよう
にあるいは数カ所毎に調節するように複数枚で構成して
もよい。
【0020】
【発明の実施の形態】図1には本発明の実施の形態に係
る籾摺選別装置10の全体構成が断面図にて示されてお
り、図2にはこの籾摺選別装置10の全体構成が模式的
に示されている。また、図3には籾摺選別装置10の外
観斜視図が示されている。
【0021】籾摺選別装置10は、供給された籾Mを脱
ぷ処理して玄米Gとして取り出すためのものであり、全
体として籾摺部10Aと選別部10Bとによって構成さ
れている。
【0022】籾摺部10Aには、上面に開口する籾供給
ホッパ12が設けられており、籾Mが投入されるように
なっている。この籾供給ホッパ12は、開口部が矩形で
底部に至るに従い徐々に狭くなるテーパ形状となってい
る。籾供給ホッパ12の最底部には、矩形状の供給口1
4が設けられ、籾Mはこの供給口14から順次籾摺部1
0Aの内部へと流入する。
【0023】また、供給口14には、籾供給シャッター
16が設けられている。この籾供給シャッター16は、
籾供給モータ(図示省略)の駆動力で開閉させることが
できるようになっており、籾Mを最初に籾供給ホッパ1
2に投入するときは閉状態となっており、所定量の籾M
が籾供給ホッパ12へ投入され、装置の運転スイッチが
操作された時点で開状態となるように制御されている。
そして、この籾供給シャッター16の開度は、後述する
混合米タンク56内に配設された混合米センサ66から
の信号に応じて制御され、供給口14を通過する籾Mの
量を制限することができるようになっている。
【0024】また、籾供給ホッパ12には、籾センサ1
8が取付けられており、籾供給ホッパ12に籾Mが有る
か否かを検出することができるようになっている。
【0025】供給口14の下方には籾摺室20が設けら
れている。籾摺室20には、一対の籾摺ロール22、2
4が配設されている。これら一対の籾摺ロール22、2
4は、互いに対向し合うと共にその最接近位置における
接線が図1の右上がりに傾いた状態で配置されている。
前記供給口14から籾摺室20に流入した籾Mは、これ
ら一対の籾摺ロール22、24の最接近位置に案内され
るようになっている。なお、一対の籾摺ロール22、2
4の最接近位置の間隙寸法は、標準が0.8mm であり、0.
1mm 単位で調整可能となっている。また、この調整はロ
ール間隔調整用モータ(図示省略)によって調整される
ようになっている。
【0026】これら一対の籾摺ロール22、24は、メ
インモータ120の駆動力が伝達されて回転する。この
場合、互いの回転数が若干異なっている。すなわち、図
1の左側に位置する籾摺ロール22が1200rpm とされ、
図1の右側に位置する籾摺ロール24が1000rpm とされ
ている。このため、両者の最接近位置接触点では、互い
に相対回転しており、この最接近位置に入り込む籾Mの
厚みが前記間隙寸法よりも大きいため、籾Mが擦られ
て、所謂籾摺り(脱ぷ処理)がなされる。なお、以下
は、籾Mが一対の籾摺ロール22、24を通過し脱ぷ処
理されたものを籾摺米Sという。この籾摺米Sは、脱ぷ
された多量の玄米Gと、脱ぷしきれなかった少量の籾M
と、籾殻Nとが混在している。
【0027】一対の籾摺ロール22、24の籾摺米排出
側には、拡散板26が配設されている。この拡散板26
は、一対の籾摺ロール22、24から排出される籾摺米
Sを、図1の紙面手前から奥側にかけて均一な量となる
ように拡散する役目を有している。
【0028】籾摺室20の底壁28は下方へ向けて傾斜
されており、拡散板26によって拡散された籾摺米S
は、底壁28上を滑りながら下方へ案内される。
【0029】籾摺室20の下方には、風選室30が設け
られている。風選室30には隔壁32によって上下に風
選路34、36が設けられており、さらに、これらの風
選路34、36は、籾殻排出ブロワ38の吸引口40と
連通されている。これにより、風選室30へ案内された
籾摺米Sは、その中に混入した籾殻N、及び粃T(未熟
粒であり、殻ばかりで実の殆どない籾)が籾殻排出ブロ
ワ38の吸引力によって吸い取られるようになってい
る。吸い取られた籾殻Nは排気ダクト部42を介して外
部に排出される構成である。
【0030】また、下側に位置する風選路36の直下に
は、この風選路36に連通して、二番粒樋44が設けら
れている。この二番粒樋44は、装置の前後方向(奥行
き方向)に沿って設けられている。これにより、前述し
た粃Tは、籾殻Nよりも重いため、上側の風選路34か
らは吸い取られず(上りきらず)、下側の風選路36に
おいて若干吸い上げられると、この吸い上げに耐えられ
ずに落下して前記二番粒樋44に案内される構成であ
る。
【0031】二番粒樋44の底部には、スクリューコン
ベア46が配設されており、二番粒樋44内の粃Tを一
端部(装置手前側、図1の紙面手前側)に集積回収する
ことができるようになっている。このスクリューコンベ
ア46は、メインモータ120の駆動力が伝達されて回
転する。
【0032】以上の構成の風選室30の下方には、一番
粒樋48が設けられている。この一番粒樋48は、二番
粒樋44側方の風選室30の底壁37によって風選室3
0(風選路36)に連通しており、風選室30を通過し
籾殻N及び粃Tが除去された籾摺米Sが案内されるよう
になっている。なお、以下は、風選室30を通過し籾殻
N及び粃Tが除去された籾摺米Sを混合米Kという。す
なわち、この混合米Kには、多量の玄米Gと少量の籾M
とが混在している。
【0033】この一番粒樋48も、装置の前後方向(奥
行き方向)に沿って設けられており、さらに、その底部
には、スクリューコンベア50が配設されている。
【0034】このスクリューコンベア50は、軸線方向
において2分割され(図1の手前側:奥側=2:8程
度)、送り方向がそれぞれ互いに相反する方向となるよ
うにスクリューの向きが設定されている。
【0035】ここで、前記風選室30(底壁37)から
案内されてくる混合米Kは、図1の奥側のスクリューに
落下し装置の奥側端へ搬送されるようになっている。
【0036】スクリューコンベア50の装置手前側端部
(図1の紙面手前側)には、籾戻しスロワ52が連結さ
れている。すなわち、スクリューコンベア50のうち、
装置手前側(図1の紙面手前側)のスクリューに落下す
るのは、後述する選別部10B(選別装置)によって選
別され再度一対の籾摺ロール22、24によって籾摺り
が必要な籾Mであり、この選別部10Bからの籾Mが送
り込まれるようになっている。スクリューコンベア50
の手前側スクリューに落下した選別部10Bからの籾M
は、図1の紙面手前端に集積され、籾戻しスロワ52に
よって撥ね出されて、再び一対の籾摺ロール22、24
の上流側に返送される構成である。なお、スクリューコ
ンベア50及び籾戻しスロワ52は、メインモータ12
0の駆動力が伝達されて作動する。
【0037】一方、スクリューコンベア50の装置奥側
端部(図1の紙面奥側)には、混合米昇降機54が連結
されている。この混合米昇降機54は上下方向に立設さ
れており、風選室30から案内されてスクリューコンベ
ア50のうち装置奥側(図1の紙面奥側)のスクリュー
によって装置の奥側端へ搬送された混合米Kを籾摺選別
装置10の最上部まで搬送し、この籾摺選別装置10の
最上に位置する混合米タンク56へ送り込むようになっ
ている。なお、この混合米昇降機54も、メインモータ
120の駆動力が伝達されて作動する。
【0038】混合米タンク56は、円錐ホッパ状に形成
されると共に、箱形のケーシング58によって被覆され
ている。混合米昇降機54により持上げ搬送された混合
米Kは、この混合米タンク56内に集積されるようにな
っている。なお、混合米タンク56の側壁一部には、オ
ーバーフロー管60が連結されており、所定量以上の混
合米Kが混合米タンク56に集積された場合には、混合
米Kの一部がこのオーバーフロー管60を通って、前記
籾摺室20の一対の籾摺ロール22、24の上流側に戻
されるようになっている。
【0039】混合米タンク56の最底部は漏斗状に形成
されると共に供給管62が設けられており、混合米タン
ク56に集積された混合米Kを後述する選別部10Bへ
供給することができる。
【0040】前記混合米タンク56の下方には、選別装
置としての選別部10Bが配置されており、供給管62
を通過した混合米Kは選別部10Bへと案内されるよう
になっている。
【0041】選別部10Bの最上部には、貯留部68が
設けられている。この貯留部68は、上部が開口する箱
状に形成されており、供給管62から送られた混合米K
を受け取って一定量貯留することができる。この貯留部
68は、選別部10Bが全体として図1の左右方向に揺
動(振動)するときに同時に揺動される。
【0042】貯留部68の下方には、装置の上下方向に
沿って単一の供給樋72が設けられている。図4乃至図
6に示す如く、この供給樋72は、それぞれ所定の隙間
をおいて積層配置された各揺動選別板74の角部に、そ
れぞれ混合米供給口85を介して連通している。これに
より、この単一の供給樋72は、貯留部68から送り込
まれた混合米Kを受け取って各揺動選別板74毎に分配
して各混合米供給口85からそれぞれに分配供給するこ
とができるようになっている。
【0043】また、揺動選別板74の混合米供給口85
には、開度調節板92が設けられている。開度調節板9
2は、混合米供給口85の開口面積を変更可能であり、
開度調節板92を操作することによって、揺動選別板7
4に供給される混合米Kの量を調節することができる構
成である。したがって、揺動選別板74上の混合米Kの
層厚を最適な状態として選別処理を実施することができ
るようになっている。
【0044】揺動選別板74は、その1つの角部(図1
の左側かつ手前側)の高さ位置が、当該角部の対角線上
の角部の高さ位置よりも低くなるように調整され、三次
元的に傾斜している。すなわち、図1において、揺動選
別板74の右側が高く左側が低く傾斜しており、かつ、
紙面奥側が高く紙面手前側が低く傾斜している。そし
て、この揺動選別板74の表面全体には、右側面が起立
し左側面が緩傾斜した断面略三角形状の無数の突起73
がエンボス加工によって形成されている。しかして、供
給樋72によって分配された混合米Kは、前記各混合米
供給口85を介してそれぞれ揺動選別板74上へ落下流
入するようになっている。
【0045】さらに、図7に詳細に示す如く、揺動選別
板74の角部の近傍には、各混合米供給口85に対応し
て、供給補助板76が設けられている。この供給補助板
76は、右側面が起立し左側面が緩傾斜した断面略三角
形の凸部が階段状(波形形状)に連続して形成されてお
り、揺動選別板74の揺動方向に沿った混合米Kの拡が
り速度を増大させるようになっている。これにより、混
合米Kが揺動選別板74の表面全域に迅速に拡がること
を助長し、供給量すなわち処理量が増加するように構成
されている。
【0046】以上の構成の供給樋72及び揺動選別板7
4が組み付けられた選別部10Bは、メインモータ12
0の駆動力が伝達されて作動し、回転駆動力がクランク
機構(カム機構)によって往復駆動力に変換されて図1
の左右方向に揺動(振動)するようになっている。揺動
選別板74上に供給された混合米Kは、この揺動選別板
74の左右の揺動(振動)によって、玄米Gと、籾M
(脱ぷ処理なれなかったもの)と、これらが混在する混
合米Kとに選別される構成である。
【0047】すなわち、比重が大きい玄米Gは、混合米
層の下方に沈んで前記突起73により押し出されるよう
にして揺動選別板74の右側へと順次移行し、比重が小
さい籾Mは、混合米層の上方に浮いて層の表面上を滑り
落ちるようにして揺動選別板74の左側へと順次移行す
ることになる。この移行度合いの差によって、揺動選別
板74上において、図1の右側の領域に玄米G、中央の
領域に混合米K、左側の領域に籾Mが集中し、もって選
別(分離)されるようになっている。この現象は、揺動
選別板74の奥側(供給側)から手前側に自然に流下し
つつ徐々にはっきりと現れてくる。しかして、揺動選別
板74上の玄米Gと混合米Kと籾M(以下、混合米等と
いう)は、各段(6枚)の揺動選別板74の手前側から
下方に落下するようになっている。
【0048】また、揺動選別板74の落下側端部(図1
の紙面手前側端部)には、固定仕切板78が配設されて
いる。
【0049】固定仕切板78は、前述の如く揺動選別板
74によって選別(分離)された籾Mと混合米Kとの境
界付近に位置しており、この固定仕切板78よりも図1
の左側には籾Mが落下し、固定仕切板78よりも図1の
右側には混合米Kが落下するようになっている。
【0050】また、固定仕切板78の下方には、揺動排
出樋82が設けられており、さらに、この揺動排出樋8
2には、籾戻し口84、混合米排出口86及び玄米排出
口88が設けられている。このため、固定仕切板78に
よって選別(分離)された籾Mは、籾戻し口84へ案内
され、この籾戻し口84から籾戻しホッパ90へ落下す
るようになっている。さらに、籾戻しホッパ90は前述
した一番粒樋48のスクリューコンベア50に連通して
いる。このため、籾戻しホッパ90へ落下した籾Mは、
一番粒樋48のスクリューコンベア50へ案内される構
成である。さらにここで、一番粒樋48のスクリューコ
ンベア50においては、前述の如く2分割されたうちの
図1の紙面手前側のスクリューに前記籾Mが落下するよ
うになっている。このため、固定仕切板78によって選
別(分離)された籾Mは、スクリューコンベア50によ
って図1の紙面手前端に集積され、籾戻しスロワ52に
よって撥ね出されて、再び一対の籾摺ロール22、24
の上流側に返送されることになる。
【0051】またさらに、籾戻しスロワ52の直後(籾
の返送経路の途中)には、図2に示す如く切換弁53が
設けられている。この切換弁53は、「開放」状態とな
ることにより、前記籾Mの返送経路を装置外部に開放さ
せることができる。したがって、この切換弁53を作動
させ「開放」状態とすれば、籾戻しスロワ52によって
返送する籾Mを直接装置外へ排出することができるよう
になっている。
【0052】また、揺動排出樋82には、玄米排出シャ
ッター106が設けられている。玄米排出シャッター1
06は、混合米排出口86と玄米排出口88との間に設
けられており、前記揺動選別板74から落下する前記玄
米と混合米との排出領域を仕切ると共にその仕切り位置
を変更可能で、かつ、前記玄米排出口88を閉鎖可能と
なっている。
【0053】すなわち、籾摺選別装置10の運転開始直
後から所定時間(すなわち、過渡期)は、選別部10B
による選別が完全に行われず、揺動選別板74の図1の
右端においても混合米Kが存在することがある。このた
め、前記過渡期は、玄米排シャッター106によって玄
米排出口88を閉じておき、全て混合米排出口86へ案
内するようにしている。過渡期が終了すると、玄米排出
シャッター106は開放され、玄米は玄米排出口88か
ら排出される。
【0054】さらに、この玄米排出シャッター106
は、玄米排出口88を開放した状態においては、前記揺
動選別板74から落下する前記玄米Gと混合米Kとの排
出領域を仕切ることができる。このため、玄米排出シャ
ッター106で案内された玄米Gは前記玄米排出口88
に落下し、混合米Kは前記混合米排出口86に落下す
る。この玄米排出シャッター106の開放度合いは、揺
動選別板74の揺動による玄米選別時の選別度合いによ
ってその位置が定められる。すなわち、米の種類や周囲
の環境等により、選別がし易い場合としにくい場合とが
あり、選別し易い場合には玄米Gを落下させる領域が拡
がるためその分玄米排出シャッター106を図1の左に
回転させる。一方、選別がしにくい場合には玄米Gを落
下させる領域が狭まるためその分玄米排出シャッター1
06を図1の右に回転させる。
【0055】また、揺動選別板74の手前から落下する
落下流路における図1の手前側端部近傍には、複数枚の
整流フィン102がそれぞれ設けられている。このた
め、揺動選別板74上で選別され落下する玄米G及び混
合米Kは、玄米排出シャッター106による仕切り位置
へ整流フィン102によって案内されるようになってい
る。したがって、揺動選別板74が揺動していても玄米
G及び混合米Kが散乱することが無く(混じり合うこと
がなく)、玄米排出シャッター106による仕切り位置
へ正確に落下することになる。
【0056】また、最上段に位置する揺動選別板74A
の落下側端部(図1の紙面手前側端部)には、この揺動
選別板74Aの幅方向両端部近傍(図1の左右端部近
傍)に、落下確認用の(混合米等の層厚センサとして
の)一対の回転フィン96、98がそれぞれ設けられて
いる。このため、揺動選別板74から混合米等が落下す
ると、この混合米等が回転フィン96、98に係合して
回転フィン96、98を回転させることができる。
【0057】この回転フィン96、98には永久磁石が
埋設されており、その回転軌跡の一部に沿って近接スイ
ッチが配設されている。このため、回転フィン96、9
8が回転すると、近接スイッチがオン・オフを繰り返し
てパルス信号を出力することができる。これにより、両
方の回転フィン96、98が同一回転数で回転すること
により、揺動選別板74上の混合米等が均一に拡散した
こと(混合米等の層厚が均一であること)を認識でき
る。
【0058】選別部10Bの下方、すなわち、前述した
混合米排出口86及び玄米排出口88と対向する位置に
は、排出樋100が配置されている。この排出樋100
は、混合米排出口86と玄米排出口88との中間部分を
境にして、装置の左右方向それぞれに向かって下向きに
傾斜して設けられている。これにより、前記混合米排出
口86から排出された混合米Kは、排出樋100の左側
の傾斜面によって図1の左方向へ搬送され、前述した一
番粒樋48のスクリューコンベア50(図1の紙面奥
側)へ落下するようになっている。この結果、この混合
米Kは、再度混合米昇降機54によって混合米タンク5
6へと送られ、再び選別部10Bでの選別が実行される
ことになる。
【0059】一方、玄米排出口88から排出された玄米
Gは、前記排出樋100の右側の傾斜面によって図1の
右方向へ搬送される。
【0060】前記排出樋100の右側の傾斜面の終端部
には、玄米排出スロワ108が一体的に設けられてい
る。このため、玄米排出口88から排出され排出樋10
0の右側の傾斜面によって搬送された玄米Gは、玄米排
出スロワ108によって撥ね出されて、玄米取出樋11
0から外部に取り出されるようになっている。
【0061】また、玄米取出樋110の開口部には、蓋
体114が設けられている。この蓋体114は、閉状態
または開状態の何れでも保持でき、かつ、閉状態であっ
ても玄米Gの排出力によって押圧され、玄米Gを排出す
ることができるようになっている。したがって、この蓋
体114を閉状態としておけば、玄米Gを餌とする外部
からの小動物(鼠等)の侵入を防止することができる。
【0062】次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0063】上記構成の籾摺選別装置10では、籾摺部
10Aの籾供給ホッパ12に籾Mが投入され装置の運転
が開始されると、籾Mは順次籾摺室20へ流入し、一対
の籾摺ロール22、24の間へ供給されて籾摺り(脱ぷ
処理)がなされる。一対の籾摺ロール22、24を通過
し脱ぷ処理された籾摺米Sは、順次風選室30へ流入
し、この中に混入した籾殻N及び粃T等が籾殻排出ブロ
ワ38の吸引力によって吸い取られる。この籾殻Nは排
気ダクト部42を介して外部に排出され、粃Tは二番粒
樋44に案内されてスクリューコンベア46により装置
手前側に集積回収される。
【0064】一方、風選室30を通過し籾殻N及び粃T
等が除去された混合米Kは、一番粒樋48へ案内され、
スクリューコンベア50によって混合米昇降機54へ搬
送され、さらに、混合米昇降機54によって混合米タン
ク56へ送り込まれる。混合米タンク56に送り込まれ
た混合米Kは、所定量たまった時点で選別部10Bへと
案内される。
【0065】選別部10Bでは、当初は、供給管62を
通過した混合米Kは貯留部68で受け取られ、さらに供
給樋72へ送り込まれ、この供給樋72の最下部から最
上部へと順次充満される。これに伴って、供給樋72内
の混合米Kは、最下部に位置する混合米供給口85から
最上部に位置する混合米供給口85を介して順次それぞ
れの揺動選別板74に供給される。しかる後には、貯留
部68内に混合米Kが順次追加的に送り込まれて一定量
貯留される。これにより、供給樋72内の混合米Kは、
全ての混合米供給口85から順次それぞれの揺動選別板
74に一定量が供給される。換言すれば、貯留部68内
に一定量の混合米Kを貯留しておくことによって、全て
の混合米供給口85を介して全ての揺動選別板74に均
一の混合米が供給される。
【0066】各揺動選別板74上に供給された混合米K
は、この揺動選別板74の左右の揺動(振動)によっ
て、玄米Gと、籾Mと、これらが混在する混合米Kとに
選別される。
【0067】さらに、固定仕切板78によって選別(分
離)された籾Mは、籾戻し口84へ案内され、この籾戻
し口84から籾戻しホッパ90、一番粒樋48のスクリ
ューコンベア50、及び籾戻しスロワ52によって、再
び一対の籾摺ロール22、24の上流側に返送される。
また、玄米排出シャッター106によって選別(分離)
された混合米Kは、混合米排出口86から排出され、排
出樋100の左側の傾斜面によって一番粒樋48のスク
リューコンベア50へと搬送される。この結果、この混
合米Kは、再度混合米昇降機54によって混合米タンク
56へと送られ、再び選別部10Bでの選別が実行され
る。
【0068】一方、玄米排出シャッター106によって
選別(分離)された玄米Gは、玄米排出口88から排出
され、排出樋100の右側の傾斜面によって玄米排出ス
ロワ108へと搬送された後に、玄米排出スロワ108
によって撥ね出されて玄米取出樋110から外部に取り
出される。
【0069】ここで、この籾摺選別装置10(選別装置
としての選別部10B)においては、脱ぷ処理された後
の混合米Kを各揺動選別板74へ供給するための供給樋
72は、単に混合米供給口85を有した単一の構成とさ
れているため、従来では不可欠であった仕切り板が不要
で(換言すれば、従来の如く互いに隣接して設けられた
各分配樋が不要になり)、極めて構造が簡単となる。し
たがって、部品点数が低減すると共に組付性も向上し、
コストの低減を図ることができる。
【0070】また、籾摺選別装置10(選別装置として
の選別部10B)では、供給樋72に連通してこの供給
樋72の直上に位置し、脱ぷ処理された後の混合米Kを
一定量貯留し貯留した混合米Kを供給樋72へ順次供給
する貯留部68を備えているため、供給樋72内の混合
米Kを全ての混合米供給口85から順次それぞれの揺動
選別板74に一定量を供給することができる。換言すれ
ば、貯留部68内に一定量の混合米Kを貯留しておくこ
とによって、全ての混合米供給口85を介して全ての揺
動選別板74に均一の混合米Kを供給することができ
る。
【0071】このように、本実施の形態に係る籾摺選別
装置10(選別装置としての選別部10B)では、簡単
な構造により各揺動選別板74に均一に混合米Kを供給
することができ、コストの低減を図ることができる。
【0072】またさらに、籾摺選別装置10(選別装置
としての選別部10B)では、供給樋72の混合米供給
口85にはこの混合米供給口85の開口面積を変更可能
な開度調節板92を設けているため、この開度調節板9
2によって、混合米供給口85の開口面積すなわち揺動
選別板74に供給される混合米Kの量を調節することが
できる。したがって、揺動選別板74上の混合米Kの層
厚を最適な状態として選別処理を実施することができ
る。
【0073】なお、本実施の形態においては、開度調節
板92を一枚で構成し全ての混合米供給口85を全体的
に(一度に)調節するように構成したが、これに限ら
ず、各混合米供給口85を個々に(単独で)調節するよ
うにあるいは数カ所毎に調節するように複数枚で構成し
てもよい。
【0074】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る選別装置
は、簡単な構造により各揺動選別板に均一に混合米を供
給することができ、コストの低減を図ることができ、ま
た、各揺動選別板に供給される混合米の量を調節して混
合米の層厚を最適な状態として選別処理を実施すること
もできるという優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る籾摺選別装置の全体
構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る籾摺選別装置の全体
構成を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る籾摺選別装置の外観
斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る籾摺選別装置の揺動
選別板及び供給樋の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る籾摺選別装置の揺動
選別板及び供給樋の構成を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る籾摺選別装置の揺動
選別板及び貯留部の構成を示す平面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る籾摺選別装置の供給
補助板の構成を示す斜視図である。
【図8】従来の籾摺選別装置の選別部における揺動選別
板、供給板、及び分配樋の構成を示す斜視図である。
【図9】従来の籾摺選別装置の選別部における揺動選別
板、供給板、及び分配樋の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 籾摺選別装置 10A 籾摺部 10B 選別部(選別装置) 12 籾供給ホッパ 20 籾摺室 22 籾摺ロール 24 籾摺ロール 30 風選室 52 籾戻しスロワ 54 混合米昇降機 56 混合米タンク 68 貯留部 72 供給樋 74 揺動選別板 85 混合米供給口 92 開度調節板 M 籾 S 籾摺米 K 混合米 G 玄米 N 籾殻 T 粃
フロントページの続き (72)発明者 遠藤 幸夫 山形県天童市大字老野森404番地 株式会 社山本製作所内 Fターム(参考) 4D021 JA05 JB03 KA12 KB05 LA01 LA02 LA07 LA08 MA06 NA03 4D043 GA02 GB10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下に隣接して複数設けられ、揺動する
    ことによって、籾と玄米とが混在する混合米から玄米を
    選別する揺動選別板を備えた選別装置において、 上下方向に沿って設けられ、前記各揺動選別板のそれぞ
    れに混合米供給口を介して連通され、脱ぷ処理された後
    の前記混合米を前記各揺動選別板へ供給するための単一
    の供給樋を備えたことを特徴とする選別装置。
  2. 【請求項2】 前記供給樋に連通してこの供給樋の直上
    に位置し、脱ぷ処理された後の前記混合米が供給されて
    一定量貯留し貯留した前記混合米を前記供給樋へ順次供
    給する貯留部を備えたことを特徴とする請求項1記載の
    選別装置。
  3. 【請求項3】 前記揺動選別板の混合米供給口の開口面
    積を変更可能な開度調節板を設けたことを特徴とする請
    求項1または請求項2記載の選別装置。
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