JP2001335641A - カレンダー成形用熱可塑性エラストマー組成物及びシート - Google Patents

カレンダー成形用熱可塑性エラストマー組成物及びシート

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JP2001335641A
JP2001335641A JP2001023246A JP2001023246A JP2001335641A JP 2001335641 A JP2001335641 A JP 2001335641A JP 2001023246 A JP2001023246 A JP 2001023246A JP 2001023246 A JP2001023246 A JP 2001023246A JP 2001335641 A JP2001335641 A JP 2001335641A
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Takeshi Tominaga
武史 富永
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カレンダー成形性に優れ、製品外観が良好な
カレンダー成形シートを与えることができる熱可塑性エ
ラストマー組成物並びに該熱可塑性エラストマー組成物
をカレンダー成形して得られるシートを提供する。 【解決手段】 下記の成分(A)40〜95重量%及び
(B)60〜5重量%を、有機過酸化物及びメタクリレ
ート系架橋助剤の存在下で動的熱処理することにより、
架橋して得られるカレンダー成形用熱可塑性エラストマ
ー組成物。 (A):オレフィン系共重合体ゴム (B):ポリオレフィン系樹脂

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カレンダー成形用
熱可塑性エラストマー組成物及び該組成物をカレンダー
成形して得られるシートに関するものである。更に詳し
くは、本発明は、オレフィン系共重合体ゴム及びポリオ
レフィン系樹脂を用い、カレンダー成形性に優れ、外観
が良好なカレンダー成形シートを与えることができる熱
可塑性エラストマー組成物並びに該熱可塑性エラストマ
ー組成物をカレンダー成形して得られるシートに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系共重合体ゴム及びポリオレ
フィン系樹脂からなる熱可塑性エラストマーは、加硫工
程が不要であり、通常の熱可塑性樹脂の成形機で加工が
可能という特徴をいかして、自動車部品、家電部品或い
は雑貨等を始めとする広い分野において用途が開発され
ている。
【0003】熱可塑性エラストマーをシート状に成形加
工する方法のひとつに、カレンダー成形法がある。この
方法は、他の成形方法、例えば、T−ダイによる押し出
し成形法等に比較して、生産性に優れることが知られて
いる。ところが、熱可塑性エラストマーをカレンダー成
形法に付した場合、ローラに熱可塑性エラストマーが巻
き付いたり、付着したりして、得られるシートの外観が
劣るという問題があった。これらの性能を改良するた
め、熱可塑性エラストマーにエチレン系重合体樹脂及
び、高級脂肪酸アミド等を添加させることにより改良を
加えた組成物が提案されている(特開平7−16601
2号公報)。しかしながら、これらにより、組成ひいて
は適用用途が限定される又は高級脂肪酸アミドがシート
表面に析出して外観を損なう等の問題があった。また、
架橋助剤としてp−キノンジオキシムやジビニルベンゼ
ンを使用することが提案されている。しかしながら、p
−キノンジオキシムは得られる熱可塑性エラストマーの
色相が悪化し、外観を損なう等の問題があり、ジビニル
ベンゼンは熱可塑性エラストマー製造時の臭気が大きい
ため、脱臭工程等の特殊な設備を要し、経済的に劣る等
の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況の下、本発
明が解決しようとするのは、オレフィン系共重合体ゴム
及びポリオレフィン系樹脂を用い、カレンダー成形性に
優れ、外観が良好なカレンダー成形シートを与えること
ができる熱可塑性エラストマー組成物並びに該熱可塑性
エラストマー組成物をカレンダー成形して得られるシー
トを提供する点に存する。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のうち
1の発明は、下記の成分(A)40〜95重量%及び
(B)60〜5重量%を、有機過酸化物及びメタクリレ
ート系架橋助剤の存在下で動的熱処理することにより、
架橋して得られるカレンダー成形用熱可塑性エラストマ
ー組成物に係るものである。 (A):オレフィン系共重合体ゴム (B):ポリオレフィン系樹脂 また、本発明のうち他の発明は、上記の該熱可塑性エラ
ストマー組成物をカレンダー成形して得られるシートに
係るものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の成分(A)は、オレフィ
ン系共重合体ゴムである。オレフィン系共重合体ゴムと
しては、たとえばエチレン−プロピレン系共重合体ゴム
(EPM)、エチレン−プロピレン−非共役ジエン系共
重合体ゴム(EPDM)、エチレン−ブテン−非共役ジ
エン系共重合体ゴム、プロピレン−ブタジエン系共重合
体ゴムの如く、オレフィンを主成分とする無定型ランダ
ムな弾性共重合体である。これらの中では、成形品の諸
物性のバランスの観点より特にエチレン−プロピレン−
非共役ジエン系共重合体ゴムが好ましい。非共役ジエン
としてはジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエ
ン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチ
リデンノルボルネン等があるが、特にエチリデンノルボ
ルネンが好ましい。
【0007】より好ましい具体的な例としては、プロピ
レン含有量が10〜55重量%、好ましくは20〜40
重量%、エチリデンノルボルネン等の非共役ジエン含有
量が1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%のエチ
レン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体ゴ
ムである。プロピレン含有量が10重量%より少ないと
柔軟性が失われる場合があり、55重量%より多いと機
械的特性が低下する場合がある。エチリデンノルボルネ
ンに代表される非共役ジエン含有量が1重量%より少な
いと機械的特性が低下する場合があり、30重量%より
多いと耐光性、熱老化性等の耐久性能が低下する場合が
ある。
【0008】本発明に用いるオレフィン系共重合体ゴム
はとしては、ムーニー粘度(ML1+ 4100℃)が12
0〜350であるオレフィン系共重合体ゴム100重量
部及び鉱物油系軟化剤20〜150重量部を含有する油
展オレフィン系共重合体ゴムが好ましい。
【0009】鉱物油系軟化剤としては、高沸点の石油留
分でパラフィン系、ナフテン系又は芳香族系等がある
が、パラフィン系のものが好ましく用いられる。ナフテ
ン系のものは、芳香族成分が多くなり、汚染性が強くな
り、透明製品或は明色製品を目的とする用途に限界を生
じ、また耐光性等の耐久物性が低下し好ましくない。鉱
物油系軟化剤の含有量は、オレフィン系共重合体ゴム1
00重量部あたり20〜150重量部が好ましく、更に
好ましくは30〜120重量部であり、最も好ましくは
35〜80重量部である。鉱物油系軟化剤の含有量が少
なすぎると熱可塑性エラストマー組成物の流動性が低下
し、成形加工性が損なわれる。一方、該含有量が多すぎ
ると塑性が著しく増加して粘着性が増加し加工性が悪く
なり、その上、成形品の物性などの性能が低下する。
【0010】油展オレフィン系共重合体ゴムである
(A)のムーニー粘度(ML1+4 100℃)は、30〜
100が好ましく、より好ましくは40〜90である。
ムーニー粘度が低すぎると粘着性が増加したり、機械的
特性が失われ、一方高すぎるとシート表面が荒れ、平滑
シートの成形加工が困難になる。
【0011】前記のとおりのムーニー粘度が120〜3
50のオレフィン系共重合体ゴムを用いて鉱物油系軟化
剤を大量に配合すると、柔軟性の確保と流動性の向上に
よる加工性の改良及び機械的特性の改良を同時に満足さ
せることの可能なオレフィン系熱可塑性エラストマー組
成物を得ることができる。一般にオレフィン系熱可塑性
エラストマー組成物には、流動性向上剤として鉱物油系
軟化剤が用いられているが、本発明者らの研究によれ
ば、油展ゴムを用いない場合にはゴムの粘度には関係な
く、ゴム100重量部当たり鉱物油系軟化剤を40重量
部以上配合すると、熱可塑性エラストマー組成物表面に
軟化剤のブリードが発生し、成形品の汚染、粘着等がみ
られて好ましくない。しかし、100℃ムーニー粘度が
120〜350のオレフィン系共重合体ゴム100重量
部当たり20〜150重量部の鉱物油系軟化剤を予め配
合した油展ゴムを用いると、軟化剤のブリードがなく、
製品の汚染や粘着が認められず、かつ破断強度、破断伸
び、圧縮永久歪みなどの物性の優れる熱可塑性エラスト
マー組成物を得ることができる。この鉱物油系軟化剤の
配合比が大きいにもかかわらず、軟化剤のブリードが認
められないのは、ムーニー粘度の高いゴムを用いると鉱
物油系軟化剤の許容油展量の上限が上昇すること、予め
好適に加えられた軟化剤がゴムの中に均一分散するため
等と考えられる。
【0012】油展方法は公知の方法が用いられる。たと
えば、ロールやバンバリーミキサーのような装置を用
い、ゴムと鉱物油系軟化剤を機械的に混練する方法で油
展する方法、あるいはゴム溶液に所定量の鉱物油系軟化
剤を添加し、その後、スチームストリッピング等の方法
により脱溶媒して得る方法などがある。このうち好まし
い油展方法としてはゴム溶液を用いる方法であり、ゴム
溶液は重合で得られるゴム溶液を用いる方が、操作が容
易である。
【0013】本発明の成分(B)は、ポリオレフィン系
樹脂である。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロ
ピレン又はプロピレンと炭素数が2個以上のα−オレフ
ィンとのランダム共重合体及びホモポリマー/ポリプロ
ピレン又はプロピレンと炭素数が2個以上のα−オレフ
ィンとのランダム共重合体からなるブロック共重合体等
があげられる。好ましくは下記の第1セグメント及び第
2セグメントを有し、かつ第1セグメント/第2セグメ
ントの重量比が95/5〜50/50であるポリオレフ
ィン系樹脂である。 第1セグメント:ポリプロピレンのホモポリマーからな
るセグメント 第2セグメント:温度135℃のテトラリン溶液の極限
粘度が0.5〜6.0dl/gであり、エチレン/プロ
ピレンの重量比率が10/90〜60/40であるプロ
ピレン−エチレンランダム共重合体からなるセグメント
【0014】第1セグメントの温度135℃のテトラリ
ン溶液の極限粘度は0.5〜3.0dl/gが好まし
く、更に好ましくは0.9〜1.5dl/gである。該
粘度が低すぎると機械的強度が低下し、一方該粘度が高
すぎるとシート加工時配向による方向性が大きくなり、
2次成形加工時にしわを生じやすくなる。
【0015】第2セグメントは温度135℃のテトラリ
ン溶液の極限粘度が0.5〜6.0dl/gであり、エ
チレン/プロピレンの重量比率が10/90〜60/4
0であるプロピレン−エチレンランダムコポリマーから
なるセグメントである。
【0016】第2セグメントの温度135℃のテトラリ
ン溶液の極限粘度は0.5〜6.0dl/gであり、好
ましくは2.0〜5.5dl/gである。該粘度が低す
ぎると流動性が高くなりシート加工性が低下し、一方該
粘度が高すぎるとブツ部が発生し成形品外観が悪化す
る。
【0017】第2セグメントのエチレン/プロピレンの
重量比率は10/90〜60/40であり、好ましくは
25/75〜50/50であり、更に好ましくは30/
70〜50/50である。プロピレンに対するエチレン
の比率が過小であると(A)成分である油展オレフィン
系共重合体ゴムとの親和性が低下し、成形シートの肌、
柔軟性、しなやかさ等が悪化する場合がある。一方同比
率が過大であると第1セグメントと第2セグメントの親
和性が低下し、機械的強度が低下、又は成形シートの肌
が悪化する。
【0018】(B)の第1セグメント/第2セグメント
の重量比は95/5〜50/50であり、好ましくは9
0/10〜70/30である。第2セグメントに対する
第1セグメントの重量比が過小であると、流動性低下に
伴い、成形品の外観が劣る場合があり、一方該比率が過
大であると(A)成分である油展オレフィン系共重合体
ゴムとの親和性が低下し、成形品の肌が悪化する場合が
ある。
【0019】(B)のMFRは0.1〜100の範囲の
ものが好ましく、更に好ましくは0.5〜50であり、
最も好ましくは5〜40である。MFRが低すぎると成
形品の肌が悪化し、一方MFRが高すぎるとロールに粘
着してシート加工ができない場合がある。
【0020】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
(A)40〜95重量%及び(B)60〜5重量%を、
有機過酸化物及びメタアクリレート系架橋助剤の存在下
で動的熱処理することにより、架橋して得られるもので
ある。
【0021】(A)と(B)の量比は、(A)40〜9
5重量%及び(B)5〜60重量%であり、好ましくは
(A)60〜90重量%及び(B)10〜40重量%で
ある。ただし、(A)と(B)の合計を100重量%と
する。(A)が過少((B)が過多)であると成形品の
柔軟性が損なわれ、一方(A)が過多((B)が過少)
であると流動性が低下し、成形品の外観不良を引き起こ
す。
【0022】有機過酸化物としては、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソ
プロピル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシ
ン−3、ジクミルパーオキシド等がある。これらの中で
は臭気性、スコーチ性の点で特に2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好まし
い。
【0023】有機過酸化物の使用量は(A)と(B)の
合計100重量部に対して0.005〜2.0重量部が
好ましく、より好ましくは0.01〜0.6重量部であ
る。該使用量が過少であると架橋反応の効果が小さい場
合があり、一方過多であると反応の制御が難しく、また
経済的にも有利ではない場合がある。
【0024】メタアクリレート系架橋助剤としては、エ
チレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタ
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジメタクリレート、プロピレングリコー
ルジメタクリレート等があげられる。なかでもトリメチ
ロールプロパントリメタクリレートが好ましい。
【0025】メタアクリレート系架橋助剤の使用量は
(A)と(B)の合計100重量部に対して、0.01
〜4.0重量部の範囲で選ぶことができ、好ましくは
0.05〜2.0重量部である。該使用量が過少である
と効果が現れ難い場合があり、一方過多であると経済的
に有利ではない場合がある。
【0026】また、架橋の程度としては、部分架橋の程
度で留める事が好ましい。すなわち、架橋後にゴム用溶
剤に(B)成分が数%溶出する程度である。この様な操
作により成形シートを真空成形等の2次成形に付して
も、大きな成形品に対応可能である良好な伸び挙動を有
するものが得られる。
【0027】有機過酸化物、及びメタクリレート系架橋
助剤の存在下に動的熱処理することにより、架橋するに
は、たとえば次のようにすればよい。
【0028】(A)、(B)及び有機過酸化物及びメタ
クリレート系架橋助剤を、所定の割合で混合し、動的に
熱処理する。すなわち溶融して混練する。混合混練装置
としては従来より公知の非開放型バンバリーミキサー、
2軸押出機等が用いられる。混練温度は150〜300
℃で30秒〜10分位行えばよい。この組成物の製造に
おいて必要により、無機充填剤、酸化防止剤、耐候剤、
帯電防止剤、着色剤等の副資材を配合することができ
る。
【0029】更に詳しくは、(A)、(B)、及びメタ
クリレート系架橋助剤、必要により更に副資材を所定の
割合で配合し、非解放型混練機のバンバリーミキサー等
を用いて150〜250℃の温度範囲で充分混練均一化
を図った後、得られた組成物と有機過酸化物をタンブラ
ー又はスーパーミキサー等の密閉式混合機で充分にブレ
ンドする。次いで、このブレンド物を強混練力の得られ
る2軸連続押出機等を用いて、200〜300℃で動的
に熱処理することにより、部分架橋組成物を得ることが
できる。
【0030】本発明による熱可塑性エラストマー組成物
には、流動性及びゴム的性質を損わない範囲で無機充填
剤、たとえば炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、クレ
ー、カオリン、タルク、シリカ、ケイソウ土、雲母粉、
アスベスト、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウ
ム、硫酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、2硫化
モリブデン、グラファイト、ガラス繊維、ガラス球、シ
ラスバルーン、カーボン繊維等あるいは着色剤、たとえ
ばカーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、べんがら、
群青、紺青、アゾ顔料、ニトロソ顔料、レーキ顔料、フ
タロシアニン顔料等を配合することができる。本発明で
はまたフェノール系、サルファイト系、フェニルアルカ
ン系、フォスフアイト系あるいはアミン系安定剤の如き
公知の耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、帯電防止
剤等をオレフィン系プラスチックあるいはオレフィン系
共重合体ゴムで使用する程度配合することができる。
【0031】本発明による熱可塑性エラストマー組成物
は、通常の熱可塑性プラスチックで使用されているカレ
ンダー成形装置で成形したときのカレンダー成形加工性
に優れている。
【0032】本発明による熱可塑性エラストマー組成物
は、また(A)成分が架橋されているため、耐熱性、耐
候性、引張特性、柔軟性及び反撥弾性等のゴム的性質が
優れており、かつ流動性が良好であるため、カレンダー
成形によるシートの高速加工が可能であり、外観の良好
な成形品が得られる。
【0033】本発明による熱可塑性エラストマー組成物
から得られるカレンダー成形シートの用途としては、ボ
デイパネル、サイドシールド、内装部品表皮等の自動車
部品、靴底、サンダル等の履物、水泳プール、水泳用フ
イン等のレジャー用品、ガスケット、防水布、ベルト等
の製品があげられる。
【0034】
【実施例】以下、実施例によって本発明の内容を具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定され
るものではない。なお、これらの実施例及び比較例にお
けるカレンダーシート成形加工及び物性測定に用いた試
験方法は以下のとおりである。 (1)ムーニー粘度(ML1+4 100℃):ASTM
D−927−57Tに準拠した。EPDMについて下式
で算出した。 log(ML1/ML2)=0.0066(△PHR) ML1 :EPDMのムーニー粘度 ML2 :油展EPDMのムーニー粘度 △PHR:EPDM 100重量部当たりの油展量 (2)カレンダー成形加工性:2本ロール(関西ロール
製8インチロール)を用い、ロール温度170℃、ガイ
ド幅30cm、ロ−ルギャップ1mmで、ペレット15
0gを巻き付け、3分間切り返しを行い、その後ロール
ギャップを0.6mmにし、5分間放置後、ロールから
切り出した。判定は成形シート肌、混練中のバンク形
状、及び加熱ロールへの粘着性について行った。判定ラ
ンクについては以下のとおりである。 加熱ロールへの粘着; ○:8分間を通して粘着性が低く加工性に優れる。 △:初期3分間は良好だが、間隙を狭くした後に粘着性
が大きくなり加工が困難になる。 ×:初期3分間で粘着性が大きくなり加工が困難にな
る。 ××:試料を巻きつけた直後に粘着性が大きくなり後の
評価が不可能になる バンク形状; ○:乱れなく均一なバンク形状。 △:時々乱れが発生する。 ×:常時乱れ、正常なバンクが全く出来ない。 成形品肌; ○:優れる。 △:やや劣る。 ×:劣る。
【0035】実施例1 EPDM(ML1+4 100℃=143、プロピレン含量
=30重量%、ヨウ素価=10)の5重量%ヘキサン溶
液中に、EPDM100重量部当り鉱物油系軟化剤(出
光興産、ダイアナプロセスオイルPW−380)40重
量部を添加し、その後スチームストリッピングで脱溶媒
した油展EPDM1(ML1+4 100℃=78)70重
量部、ポリプロピレン1(MFR=0.9g/10分、
第1セグメント/第2セグメント重量比=84/16、
第2セグメントのエチレン/プロピレン比=35/6
5、第1セグメントの温度135℃のテトラリン溶液の
極限粘度(以下、「η1」と記す。)が2.3、第2セ
グメントの温度135℃のテトラリン溶液の極限粘度
(以下、「η2」と記す。)が4.5)30重量部、更
に光安定剤として、スミソーブ300(住友化学社製)
0.05重量部、熱安定剤として、イルガノックス10
10(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.1
重量部、滑剤としてカオーワックス 230−2 (花王
株式会社製)0.05重量部、及び、架橋助剤としてト
リメチロールプロパントリメタクリレート0.1重量
部、をバンバリーミキサーで170〜200℃×7分間
マスターバッチを混練した後、得られた混練物をオープ
ンロールに通してシート状にし、シートペレタイザーで
角ペレットにした。次いで、マスターバッチ100重量
部当り0.32重量部の2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(以下、「有機過酸
化物」と記す。)をタンブラーミキサーを用いて均一ブ
レンド操作を10分間行った。このブレンド物を強混練
力の得られる2軸混練押出機を用いて、230℃±20
℃で60秒間動的熱処理を行い、部分架橋組成物を得
た。評価結果を表1に示す。
【0036】実施例2 実施例1においてポリプロピレン1をポリプロピレン2
(MFR=3g/10分、第1セグメント/第2セグメ
ント重量比=83/17、第2セグメントのエチレン/
プロピレン比=37.5/62.5、η1が1.8、η
2が3.1)、30重量部に代え、さらに加える有機過
酸化物をマスターバッチ100重量部当り 0.2重量
部に代えた。他は実施例1と同様に実施した。評価結果
を表1に示す。
【0037】比較例1 実施例1においてポリプロピレン1をポリプロピレン3
(MFR=15g/10分、第1セグメント/第2セグ
メント重量比=86/14、第2セグメントのエチレン
/プロピレン比=35/65、η1が1.3、η2が
2.4)、30重量部に代え、架橋助剤としてトリメチ
ロールプロパントリメタクリレートをスミファインBM
(N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、住友化学
社製)0.4重量部に代え、さらに加える有機過酸化物
をマスターバッチ100重量部当り0.04重量部に代
えた。他は実施例1と同様に実施した。評価結果を表1
に示す。
【0038】比較例2 実施例1においてポリプロピレン1をポリプロピレン4
(MFR=13g/10分、第1セグメント/第2セグ
メント重量比=100/0、η1が1.45)30重量
部に代え、カオーワックス 230−2を添加せず、架
橋助剤としてトリメチロールプロパントリメタクリレー
トをスミファインBM0.4重量部に代え、さらに加え
る有機過酸化物をマスターバッチ100重量部当り
0.04重量部に代えた。他は実施例1と同様に実施し
た。評価結果を表1に示す。
【0039】結果から次のことがわかる。本発明の条件
を充足する全ての実施例は、全ての評価項目においてほ
ぼ満足すべき結果を示している。一方、本発明のメタク
リレート系架橋助剤を用いなかった比較例1、2は実施
例に比較して満足な加工性、および成形品を得ることが
出来ず、実施例に対して劣る。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、カ
レンダー成形性に優れ、製品外観が良好なカレンダー成
形シートを与えることができる熱可塑性エラストマー組
成物並びに該熱可塑性エラストマー組成物をカレンダー
成形して得られるシートを提供することができた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 53/00 C08L 53/00 91/00 91/00 (72)発明者 重松 広信 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内 Fターム(参考) 4F070 AA12 AB08 AB11 AB16 AB24 AC44 AC56 AC94 AE02 AE08 GA05 GB08 GC02 4F071 AA15X AA20X AA21X AA75 AA88 AH03 AH11 BA01 BB04 BC01 4J002 AE05Y BB05W BB14W BB15W BP02X EH107 EK016 EK036 EK046 EK056 FD02Y FD146 FD157 GT00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(A)40〜95重量%及び
    (B)60〜5重量%を、有機過酸化物及びメタクリレ
    ート系架橋助剤の存在下で動的熱処理することにより、
    架橋して得られるカレンダー成形用熱可塑性エラストマ
    ー組成物。 (A):オレフィン系共重合体ゴム (B):ポリオレフィン系樹脂
  2. 【請求項2】 (A)が、ムーニー粘度(ML1+410
    0℃)が120〜350であるオレフィン系共重合体ゴ
    ム100重量部及び鉱物油系軟化剤20〜150重量部
    を含有する油展オレフィン系共重合体ゴムである請求項
    1記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 (B)が、下記の第1セグメント及び第
    2セグメントを有し、かつ第1セグメント/第2セグメ
    ントの重量比が95/5〜50/50であるである請求
    項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。 第1セグメント:ポリプロピレンのホモポリマーからな
    るセグメント 第2セグメント:温度135℃のテトラリン溶液の極限
    粘度が0.5〜6.0dl/gであり、エチレン/プロ
    ピレンの重量比率が10/90〜60/40であるプロ
    ピレン−エチレンランダム共重合体からなるセグメント
  4. 【請求項4】 請求項1記載の熱可塑性エラストマー組
    成物をカレンダー成形して得られるシート。
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