JP2001335548A - シクロアルカノンオキシムの製造法 - Google Patents

シクロアルカノンオキシムの製造法

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JP2001335548A
JP2001335548A JP2000157356A JP2000157356A JP2001335548A JP 2001335548 A JP2001335548 A JP 2001335548A JP 2000157356 A JP2000157356 A JP 2000157356A JP 2000157356 A JP2000157356 A JP 2000157356A JP 2001335548 A JP2001335548 A JP 2001335548A
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imide
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JP2000157356A
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Yasutaka Ishii
康敬 石井
Tatsuya Nakano
達也 中野
Junro Tatsumi
淳郎 巽
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シクロアルカノンオキシムを安価な原料から
簡易に製造できる方法を提供する。 【解決手段】 下記式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
びR2は互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しく
は非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又は
ヒドロキシル基を示す。前記R1、R2、又はR1及びR2
が互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若し
くは非芳香族性の環には、上記式中に示されるN−置換
環状イミド基がさらに1又は2個形成されていてもよ
い)で表されるイミド化合物触媒の存在下、シクロアル
カンと一酸化窒素とを反応させて対応するシクロアルカ
ノンオキシムを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一酸化窒素を用い
てシクロアルカンから直接シクロアルカノンオキシムを
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シクロアルカノンオキシムはポリアミド
の中間原料など、有機合成中間体として重要な化合物で
ある。シクロアルカノンオキシムの製造法として、シク
ロアルカノンとヒドロキシルアミンとを脱水縮合させる
方法、ニトロシクロアルケノンをパラジウム触媒存在下
で接触水添する方法、ヒドロキシアミノシクロアルカン
を2価のコバルト存在下で空気酸化する方法などが知ら
れている。しかし、これらの方法では、原料化合物が比
較的高価である。
【0003】一方、シクロヘキサンを塩化ニトロシルの
存在下で光照射することにより、ニトロソシクロヘキサ
ンを経由してシクロヘキサノンオキシムを製造する方法
が工業的に行われている。この方法によれば、シクロヘ
キサンを直接オキシムに変換できるので、上記の方法と
比較して製造コストを低くできるという利点があるもの
の、原料として用いる塩化ニトロシルは、通常一酸化炭
素と塩素との反応により製造されるので、設備面や操作
性の点で不利であり、しかも環境への負荷が大きいとい
う欠点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、シクロアルカノンオキシムを安価な原料から簡易に
製造できる方法を提供することにある。本発明の他の目
的は、シクロアルカノンオキシムを、シクロアルカンと
一酸化窒素から直接製造できる方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、特定の触媒を用いる
と、シクロアルカンと一酸化窒素から直接シクロアルカ
ノンオキシムが生成することを見出し、本発明を完成し
た。
【0006】すなわち、本発明は、下記式(1)
【化2】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
びR2は互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しく
は非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又は
ヒドロキシル基を示す。前記R1、R2、又はR1及びR2
が互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若し
くは非芳香族性の環には、上記式中に示されるN−置換
環状イミド基がさらに1又は2個形成されていてもよ
い)で表されるイミド化合物触媒の存在下、シクロアル
カンと一酸化窒素とを反応させて対応するシクロアルカ
ノンオキシムを得るシクロアルカノンオキシムの製造法
を提供する。前記一酸化窒素として一酸化窒素を含有す
る窒素酸化物混合物を用いることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】[シクロアルカン]本発明におい
て原料化合物として用いるシクロアルカンとしては、例
えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタ
ン、シクロノナン、シクロデカン、シクロドデカン、シ
クロテトラデカン、シクロヘキサデカン、シクロオクタ
デカン、シクロイコサン、シクロドコサン、シクロトリ
アコンタン等の3〜40員程度、好ましくは3〜30員
程度のシクロアルカンなどが挙げられる。なかでも、シ
クロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シク
ロドデカン等の5〜20員程度のシクロアルカンが好ま
しい。
【0008】前記シクロアルカンは反応を阻害しない範
囲で置換基を有していてもよい。このような置換基とし
て、例えば、ハロゲン原子、オキソ基、ヒドロキシル
基、メルカプト基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アシルオキシ基など)、置換チ
オ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換
又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置換
又は無置換アミノ基、アルキル基(例えば、メチル、エ
チル、イソプロピル、t−ブチル、ヘキシル、オクチ
ル、デシル基等のC1-20アルキル基など、特にC1-4
ルキル基)、アルケニル基、アルキニル基、シクロアル
キル基、シクロアルケニル基、アリール基(例えば、フ
ェニル、ナフチル基など)、アラルキル基(例えば、ベ
ンジル基など)、複素環基などが挙げられる。また、シ
クロアルカンは、シクロアルカン環に反応を阻害しない
範囲で芳香族性又は非芳香族性の炭素環や複素環が縮合
していてもよい。
【0009】[一酸化窒素]一酸化窒素(NO)として
は純粋な一酸化窒素であっても、他の成分を含む混合物
であってもよい。一酸化窒素を含む混合物として、一酸
化窒素と他の窒素酸化物とを含む窒素酸化物の混合物を
使用できる。また、窒素、アルゴンなどの不活性ガス
や、空気、酸素などで希釈された一酸化窒素を用いても
よい。
【0010】前記他の窒素酸化物として、式NxOy
(式中、xは1又は2、yは1〜6の整数を示す。但
し、xが1のときはyは2〜6の整数である)で表され
る化合物が挙げられる。この化合物において、xが1の
場合、yは通常2又は3であり、xが2の場合、yは通
常1〜6の整数である。このような窒素酸化物には、例
えば、N2O、N23、NO2、N24、N25、N
3、N26等が含まれる。これらの中でも、二酸化窒
素(NO2)などが特に好ましい。
【0011】また、前記窒素酸化物混合物として、例え
ば硝酸酸化製造設備等から排出された一酸化窒素含有ガ
ス(一酸化窒素含有NOxガス)を使用することができ
る。このような排ガスを用いる場合には、本発明によ
り、該排ガスから一酸化窒素等の窒素酸化物を効率よく
除去することができる。
【0012】一酸化窒素の使用量は、シクロアルカンに
対して等モル又は過剰モル量(例えば1〜50モル倍)
用いてもよく、逆にシクロアルカンに対して等モル未満
(例えば0.0001モル倍以上1モル倍未満)の量用
いてもよい。一酸化窒素の転化率等の点からは、一酸化
窒素をシクロアルカン1モルに対して1モル未満用いる
のが好ましい。
【0013】また、反応に一酸化窒素を含む窒素酸化物
の混合物を用いる場合、窒素酸化物の総量を、シクロア
ルカン1モルに対して、例えば4モル未満、好ましくは
1モル未満(例えば、0.0001モル以上1モル未
満)、さらに好ましくは0.1モル以下(例えば、0.
001〜0.1モル)とすることにより、窒素酸化物の
転化率や反応の選択性を向上させることができる。ま
た、一酸化窒素を含む窒素酸化物混合物を用いる場合、
一酸化窒素と他の窒素酸化物との比(NO/他の窒素酸
化物)が大きいほど、目的化合物であるシクロヘキサノ
ンオキシムの生成量が増大する。
【0014】[イミド化合物触媒]前記式(1)で表さ
れるイミド化合物触媒において、置換基R1及びR2のう
ちハロゲン原子には、ヨウ素、臭素、塩素およびフッ素
が含まれる。アルキル基には、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s
−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、デシル基などの炭素数1〜10程度の直
鎖状又は分岐鎖状アルキル基が含まれる。好ましいアル
キル基としては、例えば、炭素数1〜6程度、特に炭素
数1〜4程度の低級アルキル基が挙げられる。
【0015】アリール基には、フェニル、ナフチル基な
どが含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチル、
シクロヘキシル基などが含まれる。アルコキシ基には、
例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポ
キシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチ
ルオキシ、ヘキシルオキシ基などの炭素数1〜10程
度、好ましくは炭素数1〜6程度、特に炭素数1〜4程
度の低級アルコキシ基が含まれる。
【0016】アルコキシカルボニル基には、例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボ
ニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニ
ル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボ
ニル基などのアルコキシ部分の炭素数が1〜10程度の
アルコキシカルボニル基が含まれる。好ましいアルコキ
シカルボニル基にはアルコキシ部分の炭素数が1〜6程
度、特に1〜4程度の低級アルコキシカルボニル基が含
まれる。
【0017】アシル基としては、例えば、ホルミル、ア
セチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレ
リル、イソバレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6
程度のアシル基が例示できる。
【0018】前記置換基R1及びR2は、同一又は異なっ
ていてもよい。また、前記式(1)において、R1及び
2は互いに結合して、二重結合、または芳香族性又は
非芳香属性の環を形成してもよい。好ましい芳香族性又
は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員環程度
であり、複素環又は縮合複素環であってもよいが、炭化
水素環である場合が多い。このような環には、例えば、
非芳香族性脂環式環(シクロヘキサン環などの置換基を
有していてもよいシクロアルカン環、シクロヘキセン環
などの置換基を有していてもよいシクロアルケン環な
ど)、非芳香族性橋かけ環(5−ノルボルネン環などの
置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素環など)、
ベンゼン環、ナフタレン環などの置換基を有していても
よい芳香族環(縮合環を含む)が含まれる。前記環は、
芳香族性環で構成される場合が多い。前記環は、アルキ
ル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ
基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル
基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子など
の置換基を有していてもよい。前記一般式(1)におい
て、Xは酸素原子又はヒドロキシル基を示し、窒素原子
NとXとの結合は単結合又は二重結合である。
【0019】前記R1、R2、又はR1及びR2が互いに結
合して形成された二重結合又は芳香族性若しくは非芳香
族性の環には、上記式(1)中に示されるN−置換環状
イミド基がさらに1又は2個形成されていてもよい。例
えば、R1又はR2が炭素数2以上のアルキル基である場
合、このアルキル基を構成する隣接する2つの炭素原子
を含んで前記N−置換環状イミド基が形成されていても
よい。また、R1及びR2が互いに結合して二重結合を形
成する場合、該二重結合を含んで前記N−置換環状イミ
ド基が形成されていてもよい。さらに、R1及びR2が互
いに結合して芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成す
る場合、該環を構成する隣接する2つの炭素原子を含ん
で前記N−置換環状イミド基が形成されていてもよい。
【0020】好ましいイミド化合物には、下記式で表さ
れる化合物が含まれる。
【化3】 (式中、R3〜R6は、同一又は異なって、水素原子、ア
ルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキ
シ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシ
ル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子を
示す。R3〜R6は、隣接する基同士が互いに結合して芳
香族性又は非芳香族性の環を形成していてもよい。式
(1f)中、Aはメチレン基又は酸素原子を示す。R1
2、Xは前記に同じ。式(1c)のベンゼン環には、式
(1c)中に示されるN−置換環状イミド基がさらに1又
は2個形成されていてもよい)
【0021】置換基R3〜R6において、アルキル基に
は、前記例示のアルキル基と同様のアルキル基、特に炭
素数1〜6程度のアルキル基が含まれ、ハロアルキル基
には、トリフルオロメチル基などの炭素数1〜4程度の
ハロアルキル基、アルコキシ基には、前記と同様のアル
コキシ基、特に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基、
アルコキシカルボニル基には、前記と同様のアルコキシ
カルボニル基、特にアルコキシ部分の炭素数が1〜4程
度の低級アルコキシカルボニル基が含まれる。また、ア
シル基としては、前記と同様のアシル基、特に炭素数1
〜6程度のアシル基が例示され、ハロゲン原子として
は、フッ素、塩素、臭素原子が例示できる。置換基R3
〜R6は、通常、水素原子、炭素数1〜4程度の低級ア
ルキル基、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子で
ある場合が多い。R3〜R6が互いに結合して形成する環
としては、前記R1及びR2が互いに結合して形成する環
と同様であり、特に芳香族性又は非芳香族性の5〜12
員環が好ましい。
【0022】好ましいイミド化合物の代表的な例とし
て、例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒド
ロキシマレイン酸イミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロ
フタル酸イミド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサ
ンテトラカルボン酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イ
ミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N
−ヒドロキシテトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロ
キシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミ
ド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N′−
ジヒドロキシピロメリット酸イミド、N,N′−ジヒド
ロキシナフタレンテトラカルボン酸イミドなどが挙げら
れる。
【0023】式(1)で表されるイミド化合物は、慣用
のイミド化反応、例えば、対応する酸無水物とヒドロキ
シルアミンNH2OHとを反応させ、酸無水物基の開環
及び閉環を経てイミド化する方法により調製できる。
【0024】前記酸無水物には、例えば、無水コハク
酸、無水マレイン酸などの飽和又は不飽和脂肪族ジカル
ボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
無水物)、1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカル
ボン酸1,2−無水物などの飽和又は不飽和非芳香族性
環状多価カルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水
物)、無水ヘット酸、無水ハイミック酸などの橋かけ環
式多価カルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水
物)、無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テト
ラクロロ無水フタル酸、無水ニトロフタル酸、無水トリ
メリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水
物、無水ピロメリット酸、無水メリト酸、1,8;4,
5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族
多価カルボン酸無水物が含まれる。
【0025】特に好ましいイミド化合物は、脂環式多価
カルボン酸無水物又は芳香族多価カルボン酸無水物、な
かでも芳香族多価カルボン酸無水物から誘導されるN−
ヒドロキシイミド化合物、例えば、N−ヒドロキシフタ
ル酸イミド等が含まれる。
【0026】式(1)で表されるイミド化合物は一種又
は二種以上使用できる。前記イミド化合物は、担体に担
持した形態で用いてもよい。担体としては、活性炭、ゼ
オライト、シリカ、シリカ−アルミナ、ベントナイトな
どの多孔質担体を用いる場合が多い。前記イミド化合物
の担体への担持量は、担体100重量部に対して、例え
ば0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量
部、さらに好ましくは1〜20重量部程度である。
【0027】前記イミド化合物の使用量は、広い範囲で
選択でき、例えば、シクロアルカン1モルに対して、
0.001〜1モル、好ましくは0.001〜0.5モ
ル、さらに好ましくは0.01〜0.3モル程度であ
る。
【0028】なお、本発明では、必要に応じて、イミド
化合物触媒とともに助触媒を用いることもできる。助触
媒として、例えば、バナジウム化合物、マンガン化合
物、コバルト化合物等の金属化合物などが挙げられる。
また、系内にラジカル開始剤や酸化剤など初期活性化剤
を添加してもよい。
【0029】[反応]反応は、溶媒の存在下又は非存在
下で行うことができる。溶媒としては、例えば、ベンゼ
ンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホ
ルム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロベンゼンなど
のハロゲン化炭化水素類;t−ブタノール、t−アミル
アルコールなどのアルコール類;アセトニトリル、ベン
ゾニトリルなどのニトリル類;酢酸、プロピオン酸など
の有機酸;ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホル
ムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミドなどのアミ
ド類などが例示でき、これらの溶媒は混合して使用して
もよい。なお、シクロアルカンを一酸化窒素に対して過
剰量用いて溶媒として使用することもできる。
【0030】系内に水分が多いと、生成したシクロアル
カノンオキシムが加水分解して収率が低下しやすくな
る。そのため、系内の水分は1重量%程度以下であるの
が好ましい。
【0031】反応温度は、反応原料の種類などに応じ
て、例えば、40〜200℃、好ましくは60〜150
℃、さらに好ましくは70〜100℃程度の範囲から選
択できる。反応圧力は、常圧、加圧下の何れであっても
よい。反応は、回分式、半回分式、連続式などの慣用の
方法により行うことができる。
【0032】本発明では、反応により、原料として用い
たシクロアルカンに対応するシクロアルカノンオキシム
が生成する。例えば、シクロヘキサンからはシクロヘキ
サノンオキシム、シクロドデカンからはシクロドデカノ
ンオキシムが生成する。なお、反応条件により、ニトロ
シクロアルカンやシクロアルカノンが副生することがあ
る。
【0033】反応終了後、反応生成物は、例えば、濾
過、濃縮、蒸留、抽出、昌析、再結晶、吸着、カラムク
ロマトグラフィーなどの分離手段やこれらを組み合わせ
た分離手段により分離精製できる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、シクロアルカノンオキ
シムを安価な原料から簡易に製造することができる。ま
た、シクロアルカノンオキシムを、シクロアルカンと一
酸化窒素から直接製造することができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。
【0036】実施例1 フラスコ内にシクロヘキサン3g(35.6ミリモ
ル)、N−ヒドロキシフタルイミド0.58g(3.5
6ミリモル)及び酢酸27gを秤り取り、氷冷した後、
冷却した二酸化窒素を2.85ミリモル導入した。フラ
スコをドライアイス−メタノール浴に漬けて内容物を凍
結し、系内を窒素置換した後、一酸化窒素を0.71ミ
リモル導入した。この混合液を80℃で8時間攪拌し、
得られた反応混合液をガスクロマトグラフィーを用いて
分析したところ、転化したシクロヘキサンを基準とし
て、シクロヘキサノンオキシムが選択率16%、ニトロ
シクロヘキサンが選択率40%、シクロヘキサノンが選
択率29%で生成していた。
【0037】実施例2 フラスコ内にシクロヘキサン3g(35.6ミリモ
ル)、N−ヒドロキシフタルイミド0.58g(3.5
6ミリモル)及び酢酸27gを秤り取り、氷冷した後、
冷却した二酸化窒素を3.524ミリモル導入した。フ
ラスコをドライアイス−メタノール浴に漬けて内容物を
凍結し、系内を窒素置換した後、一酸化窒素を0.03
6ミリモル導入した。この混合液を80℃で8時間攪拌
し、得られた反応混合液をガスクロマトグラフィーを用
いて分析したところ、転化したシクロヘキサンを基準と
して、シクロヘキサノンオキシムが選択率11%、ニト
ロシクロヘキサンが選択率40%、シクロヘキサノンが
選択率34%で生成していた。
【0038】比較例1 N−ヒドロキシフタルイミドを用いることなく実施例1
と同様の操作を行ったところ、反応は全く進行しなかっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA02 AA08 BA21A BA21B BE01A BE05A BE05B BE08A BE08B BE13A BE13B BE33A BE36A BE37A BE37B BE38A CB25 DA02 FA01 4H006 AA02 AC59 BA12 BA16 BA20 BA51 BB11 BB12 BB14 BB17 BB20 BB21 BC10 BC11 BE44 BE90 4H039 CA72 CC50 CC90

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、
    ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
    ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
    基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    びR2は互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しく
    は非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又は
    ヒドロキシル基を示す。前記R1、R2、又はR1及びR2
    が互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若し
    くは非芳香族性の環には、上記式中に示されるN−置換
    環状イミド基がさらに1又は2個形成されていてもよ
    い)で表されるイミド化合物触媒の存在下、シクロアル
    カンと一酸化窒素とを反応させて対応するシクロアルカ
    ノンオキシムを得るシクロアルカノンオキシムの製造
    法。
  2. 【請求項2】 一酸化窒素として一酸化窒素を含有する
    窒素酸化物混合物を用いる請求項1記載のシクロアルカ
    ノンオキシムの製造法。
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