JP2001335454A - 肌荒れ防止・改善剤 - Google Patents

肌荒れ防止・改善剤

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JP2001335454A
JP2001335454A JP2000150994A JP2000150994A JP2001335454A JP 2001335454 A JP2001335454 A JP 2001335454A JP 2000150994 A JP2000150994 A JP 2000150994A JP 2000150994 A JP2000150994 A JP 2000150994A JP 2001335454 A JP2001335454 A JP 2001335454A
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Koji Miyazaki
幸司 宮▲崎▼
Tomoko Hanamizu
智子 花水
Katsuyoshi Chiba
勝由 千葉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚のヒアルロン酸産生の促進およびコラー
ゲン代謝の改善により、肌荒れ防止・改善効果、角質改
善効果、保湿効果、はり消失の予防効果を有する、皮膚
の老化の予防に有効な肌荒れ防止・改善剤を提供するこ
と。 【解決手段】 イソフラボンアグリコンを有効成分とす
る肌荒れ防止・改善剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肌荒れ防止・改善
剤に関し、更に詳しくは、イソフラボンアグリコンを有
効成分とし、皮膚のヒアルロン酸産生を促進し、また、
コラーゲン代謝を改善することにより肌荒れ防止・改善
効果、角質改善効果、保湿効果、はり消失、しわ形成の
予防効果等の効果を有し、皮膚の老化を予防することの
できる肌荒れ防止・改善剤に関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚の老化に係わる直接的な因子として
は、加齢の他に、外的要因、すなわち紫外線曝露、乾
燥、酸化等があげられる。これらの影響による皮膚老化
の具体的な現象としては、皮膚表皮・真皮におけるヒア
ルロン酸を始めとするムコ多糖類の減少、皮膚真皮にお
けるコラーゲンやエラスチンの架橋形成等の変質、紫外
線や過酸化物質等による細胞の損傷等が知られている。
【0003】このうち、ヒアルロン酸は、皮膚、腱、軟
骨等広範に分布するグリコサミノグリカンの一種であ
り、多くの場合タンパク質と複合体を形成したプロテオ
グリカンの形で存在する。また、非常に多量の水と結合
する性質を有しており、細胞間隙への水分の保持、組織
の潤滑性(三好照三 他,Bio Industry,
11,632,1994.)並びに、細菌感染の防止、
ドライアイの改善作用、角膜の創傷治癒作用(S.Mi
yauchi et al., J.Ocular P
harmacol.,6,91,1990.)、抗アレ
ルギー作用(特開平4−41431号)、抗潰瘍作用
(特開平6−48950号)及び抗炎症作用(特開平6
−107550号)等の多くの機能を有している。
【0004】一方、コラーゲンは、動物の結合組織を形
成する繊維状タンパク質であり、皮膚、腱、血管、骨等
のほとんどすべての臓器に存在し、哺乳動物の全タンパ
ク質の約1/3を占めている。また、吸湿性を示すこと
から保湿剤、皮膚柔軟化剤として使用されている。ヒア
ルロン酸とコラーゲンは、他のプロテオグリカン、エラ
スチンと共にゲル状の細胞外マトリックスを形成し、細
胞の保持、細胞の増殖環境の調節、臓器の物理的な障害
に対する抵抗性、柔軟性の保持等の機能を有することが
知られている。
【0005】例えば、皮膚中のヒアルロン酸は加齢や外
的ストレスにより減少し、一方、皮膚中のコラーゲンは
架橋が増加し、代謝されにくくなる。その結果、乾燥、
かさつき、小じわの形成、皮膚のたるみ、はりの消失等
の皮膚の老化をもたらすと言われている。そのため、こ
のような症例の改善方法として、コラーゲンやヒアルロ
ン酸を配合した化粧料が使用されているが、皮膚表面の
乾燥は改善されるものの一過的であり、本質的な改善効
果を得ることはできない。また、ビタミン類や生薬等の
天然物等も使用されているが、やはり皮膚の老化の本質
的な改善には至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、皮膚のヒアルロン酸産生の促進およびコラーゲン代
謝の改善により、肌荒れ防止・改善効果、角質改善効
果、保湿効果、はり消失の予防効果を有する、皮膚の老
化の予防に有効な肌荒れ防止・改善剤を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情を鑑み鋭意研究を行った結果、イソフラボンアグリコ
ン、特にゲニステイン及びダイゼインが、皮膚のヒアル
ロン酸産生を促進し、またコラーゲン代謝を改善し、肌
荒れを改善することができることを見出し、本発明を完
成した。
【0008】すなわち、本発明は、イソフラボンアグリ
コンを有効成分とする肌荒れ防止・改善剤を提供するも
のである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の肌荒れ防止・改善剤で使
用するイソフラボンアグリコンは特に限定されるもので
はないが、例えば4’,5,7−トリヒドロキシイソフ
ラボン(ゲニステイン)、4’,7−ジヒドロキシイソ
フラボン(ダイゼイン)、グリシチン等のイソフラボン
アグリコンが例示され、特にゲニステイン、ダイゼイン
が好ましい。これらのイソフラボンアグリコンは、合成
によって得られたものであっても、天然抽出物より精製
したものであっても良い。
【0010】ところで、一般に植物等に含まれるイソフ
ラボンは大部分が配糖体であり、アグリコン含量は低
い。そのため、植物抽出物に麹菌や乳酸菌を接種させ、
配糖体からアグリコンを遊離させる方法(特開平8−2
14787号、特開平9−238647号)、該抽出物
にβ−グルコシダーゼ活性を有する酵素を作用させ、配
糖体からアグリコンを遊離させる方法(特開平11−0
89589号)、アルコール、或いは油溶液中でアルカ
リ分解させる方法(特開平10−218874号)等が
開示されていて、いずれの方法で得られたイソフラボン
アグリコンも好適に使用することができる。また、これ
らイソフラボンは化粧品素材としても使用されており、
これまでに美白化粧料(特公昭60−019885号、
特開昭60−61513号)や、抗酸化剤(特開平3−
170495号)等が報告されている。
【0011】また、イソフラボンアグリコンのうち、ゲ
ニステインおよびダイゼインは、大豆及びその加工食品
に多く含まれるイソフラボンアグリコンであり、大豆加
工食品が数百年にわたり日常的に食べられてきたことか
ら極めて安全性が高いと考えられ、また、近年癌細胞転
移抑制作用(S.C.Muller et.al.,
J.Cell Biol.,119,1309,199
2.)、抗酸化・抗炎症作用(H.Wei,et.a
l.,Nutr.Cancer,20,1,199
3.)の他、血清LDL低下作用(F.Balmis,
et.al.,J.Nutr.,125,803S,1
995)、骨吸収抑制作用(JJ.Anderson,
et.al.,J.Nutr.,125,799S,1
995)等の多様な生理活性が知られている。しかしな
がら、本発明の肌荒れ防止・改善剤の作用であるヒアル
ロン酸の産生促進効果や、コラーゲンの代謝促進作用に
ついては、全く報告されていない。
【0012】本発明で使用するイソフラボンアグリコン
は、前記何れかの方法でイソフラボン配糖体から遊離等
して得たものであるが、その配合量は通常使用される量
であれば特に制限されない。例えばイソフラボンアグリ
コンとしての配合量は、一般に0.1μg/ml〜10
0000μg/mlであり、ゲニステインを配合する場
合は好ましくは10〜100μg/ml、ダイゼインを
配合する場合は好ましくは50〜100μg/mlであ
り、特にゲニステインの使用が好ましい。
【0013】本発明の肌荒れ防止・改善剤は、前記した
イソフラボンアグリコンを有効成分とし、肌のヒアルロ
ン酸産生の促進や、コラーゲンの代謝を改善する作用を
有するものであるが、その製造にあたっては、医薬品
類、医薬部外品類、化粧品類、浴用剤等各種の製剤を製
造する場合において通常用いられている原料、例えば、
界面活性剤、油分、アルコール類、保湿剤、増粘剤、防
腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、香料、色
素、紫外線吸収・散乱剤、ビタミン類、アミノ酸類、水
等を適宜配合することができる。具体的な例としてはそ
れぞれ以下に示すものが挙げられる。また、公知の種々
製剤用成分あるいは飲食品素材と組み合わせて、経口剤
又は飲食品とすることもできる。
【0014】界面活性剤としては、親油型グリセリンモ
ノステアレート、自己乳化型グリセリンモノステアレー
ト、ポリグリセリンモノステアレート、ソルビタンモノ
オレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキ
シエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン化ステ
ロール、ポリオキシエチレン化ラノリン、ポリオキシエ
チレン化蜜ロウ、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の
ノニオン界面活性剤、ステアリン酸ナトリウム、パルミ
チン酸カリウム、セチル硫酸ナトリウム、ラウリルリン
酸ナトリウム、パルミチン酸トリエタノールアミン、ポ
リオキシエチレンラウリルリン酸ナトリウム、N−アシ
ルグルタミン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤、塩
化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステ
アリルトリメチルアンモニウム等のカチオン界面活性
剤、塩酸アルキルアミノエチルグリシン液、レシチン等
の両性界面活性剤等が挙げられる。
【0015】油分としては、ヒマシ油、オリーブ油、カ
カオ油、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシ
ード油、アボガド油等の植物油脂類、ミンク油、卵黄油
等の動物油脂類、蜜ロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウ
バロウ、キャンデリラロウ等のロウ類、流動パラフィ
ン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレ
シンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化
水素類、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然およ
び合成脂肪酸類、セタノール、ステアリルアルコール、
ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ラウリル
アルコール等の天然および合成高級アルコール類、ミリ
スチン類イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミ
リスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデ
シル、コレステロールオレート等のエステル類等が挙げ
られる。
【0016】保湿剤としては、グリセリン、プロピレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトー
ル、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール等の多価アルコール類、アミノ酸、乳
酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等のN
MF成分、ヒアルロン酸、コラーゲン、ムコ多糖類、コ
ンドロイチン硫酸等の水溶性高分子物質等が挙げられ
る。
【0017】増粘剤としては、アルギン酸ナトリウム、
キサンタンガム、硅酸アルミニウム、マルメロ種子抽出
物、トラガントガム、デンプン等の天然高分子物質、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、可溶性デンプン、カチオン化セ
ルロース等の半合成高分子物質、カルボキシビニルポリ
マー、ポリビニルアルコール等の合成高分子物質等が挙
げられる。
【0018】防腐剤としては、安息香酸塩、サリチル酸
塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香
酸エステル、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロ
キシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカ
ルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、
レゾルシン、エタノール等が挙げられる。
【0019】酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシ
トルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロ
ピル、アスコルビン酸等が挙げられる。
【0020】キレート剤としては、エデト酸二ナトリウ
ム、エチレンジアミン四酢酸塩、ピロリン酸塩、ヘキサ
メタリン酸塩、クエン酸、酒石酸、グルコン酸等を、p
H調整剤としては、水酸化ナトリウム、トリエタノール
アミン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ
砂、リン酸水素カリウム等が挙げられる。
【0021】紫外線吸収・散乱剤としては、2−ヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチル
パラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシ
サイナメート、酸化チタン、カオリン、タルク等を例示
することができる。ビタミン類としては、ビタミンA、
ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビ
タミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カル
ニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、α−リポ酸、
オロット酸およびそれらの誘導体等を例示することがで
きる。アミノ酸類としては、グリシン、アラニン、バリ
ン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フ
ェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、シスチ
ン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプ
ロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、
ヒスチジン、リジンおよびそれらの誘導体等が挙げられ
る。
【0022】本発明の肌荒れ防止・改善剤は、種々の形
態の化粧品、医薬品、医薬部外品等とすることができ、
常法に従い、化粧水、乳液、保湿クリーム、クレンジン
グクリーム、マッサージクリーム、洗顔クリーム、パッ
ク、美容液等の化粧用皮膚外用剤を始め、入浴剤、軟膏
剤、硬膏剤、液剤(酒精剤、チンキ剤、ローション
剤)、湿布剤(ハップ剤、パスター剤)、リニメント
剤、クリーム剤、乳剤等の医療用外用剤等種々の形態と
することができる。
【0023】
【実施例】次に試験例および実施例によって本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制約さ
れるものではない。
【0024】試 験 例 1 ヒアルロン酸産生試験(1):皮膚のヒアルロン酸含量
に及ぼすゲニステインおよびゲニスチンの効果について
以下の実験方法により検討した。試料としてはゲニステ
イン(EXTRASYNTHESE社製)及びその配糖
体であるゲニスチン(EXTRASYNTHESE社
製)を使用した。
【0025】( 試 験 方 法 )実験動物としてはヘア
レスマウス(Hos:hr−1)を使用した。前記ヘア
レスマウスの皮膚にゲニステインおよびゲニスチンの5
0%エタノール溶液並びに基剤(50%エタノール溶
液、コントロール)を2週間、100μl/5cm 2
匹/日で塗布し、最終塗布24時間後に皮膚を採取し
た。採取したヘアレスマウスの皮膚を以下に示す方法で
処理することにより、皮膚中のヒアルロン酸の定量を行
った。
【0026】ヒアルロン酸の定量:上記方法により採取
したヘアレスマウス皮膚中のヒアルロン酸画分は、橋爪
らの方法(日本油化学会誌46,985−989,19
97)で調製した。すなわち、アセトンで脱脂したマウ
ス皮膚を細切した後、アルカリ処理、中和、プロナーゼ
E(Sigma社製)処理、トリクロロ酢酸処理および
透析(Spectra/POR 1、分画分子量600
0〜8000、Spectrum社製)を行い調製し
た。ヒアルロン酸の定量は、ビオチン標識ヒアルロン酸
結合性タンパク(生化学工業社製)を用いたELISA
法(A.J.Fosang et al.,Matri
x,10,306−313,1990)で行った。な
お、皮膚のヒアルロン酸含量の指標として、コントロー
ルに対する乾燥皮膚重量あたりのヒアルロン酸含量(相
対値%)を用いた。
【0027】( 結 果 )結果を図1に示す。この図
1に示すように、ゲニステインは皮膚のヒアルロン酸産
生を促進し、特に10〜100μg/mlの濃度で高い
効果を得られることが明らかとなった。一方、ゲニステ
インの配糖体であるゲニスチンはヒアルロン酸の産生に
は全く影響を及ぼさなかった。
【0028】試 験 例 2 ヒアルロン酸産生試験(2):皮膚のヒアルロン酸含量
に及ぼすダイゼインおよびダイジンの効果を試験例1と
同様にして検討した。試料としてはダイゼイン(EXT
RASYNTHESE社製)及びその配糖体であるダイ
ジン(EXTRASYNTHESE社製)を使用した。
この結果を図2に示す。
【0029】( 結 果 )図2の結果より、ダイゼイ
ンは皮膚のヒアルロン酸産生を促進し、特に50〜10
0μg/mlの濃度で高い効果を得られることが明らか
となった。一方、ダイゼインの配糖体であるダイジンは
ヒアルロン酸産生には全く影響を及ぼさなかった。
【0030】試 験 例 3 コラーゲン代謝試験(1):皮膚のコラーゲン代謝に及
ぼすゲニステインおよびゲニスチンの効果を検討した。
試料としては上記のゲニステイン、その配糖体であるゲ
ニスチンを使用し、試験は試験例1に準じて行い、コラ
ーゲンの定量は下に示す方法で行った。なお、コラーゲ
ン代謝の指標として、皮膚中の低架橋(新生された)コ
ラーゲン量/中程度架橋コラーゲン量を意味する中性塩
可溶性コラーゲン量/酸可溶性コラーゲン量を用いた。
【0031】コラーゲンの定量:採取したヘアレスマウ
ス皮膚中の中性塩可溶性コラーゲン画分および酸可溶性
コラーゲン画分は、砂田、永井の方法(砂田泰伸,永井
裕,コラーゲン実験法,永井裕,藤本大三郎編,講談
社,東京,pp.31−40,1986)で調製した。
すなわち、皮下脂肪を除去したマウス皮膚を細切し、蒸
留水で洗浄後、0.45M NaCl,0.05M T
ris HCl buffer(pH7.5)中で振と
う抽出(4℃、24時間、2回)し、遠心分離(180
00g、4℃、15分間)で得られた上清を中性塩可溶
性コラーゲン画分とした。さらに、残渣に0.5M酢酸
を加え、同様に振とう抽出、遠心分離を行い、得られた
上清を酸可溶性コラーゲン画分とした。コラーゲンの定
量は、色素結合法(M.Marotta and G.
Martino,Anal.Biochem.,15
0,86−90,1985)を一部改良したSirco
l Collagen Assay Kit(Bioc
olor社製)を用い行った。
【0032】( 結 果 )結果を図3に示す。この結
果より、ゲニステインは中性塩可溶性コラーゲン量/酸
可溶性コラーゲン量を高め、皮膚のコラーゲン代謝を亢
進した。本作用は特に50〜100μg/mlの濃度で
顕著にみられることが明らかとなった。一方、ゲニステ
インの配糖体であるゲニスチンはこれに影響を及ぼさな
かった。
【0033】試 験 例 4 コラーゲン代謝試験(2):試料を上記ダイゼイン、そ
の配糖体であるダイジンにかえる以外は試験例3と同様
にして皮膚のコラーゲン代謝に及ぼすダイゼインおよび
ダイジンの効果を検討した。その結果を図4に示す。
【0034】図4の結果より、ダイゼインは中性塩可溶
性コラーゲン量/酸可溶性コラーゲン量を高め、皮膚の
コラーゲン代謝を亢進した。本作用は特に50〜100
μg/mlの濃度で顕著にみられることが明らかとなっ
た。一方、ダイジンはわずかに高めただけであった。
【0035】実 施 例 1 化粧水:下記組成の化粧水を常法により製造した。 ( 組 成 ) ( % ) ゲニステイン 0.1 エタノール 10.0 1,3−ブチレングリコール 2.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.) 0.05 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 香料 0.1 精製水 残 部
【0036】実施例1で得られた化粧水は肌あれ防止・
改善作用に優れ、且つさっぱりした使用感のものであっ
た。また、保存安定性も良好であった。
【0037】実 施 例 2 乳液:下記組成の乳液を常法により製造した。 ( 組 成 ) ( % ) ダイゼイン 0.2 ステアリン酸 2.0 流動パラフィン 6.0 スクワラン 2.0 ソルビタンモノステアレート 1.5 ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート (20E.O.) 2.0 パラオキシ安息香酸メチル 0.05 1,3−ブチレングリコール 1.0 香料 0.15 精製水 残 部
【0038】実施例2で得られた乳液は角質改善作用、
保湿効果に優れ、しっとりした使用感のものであった。
また保存安定性にも優れていた。
【0039】実 施 例 3 クリーム:下記組成のクリームを常法により製造した。 ( 組 成 ) ( % ) ダイゼイン 0.5 流動パラフィン 23.0 ワセリン 7.0 ベヘニルアルコール 1.0 ステアリン酸 2.0 ミツロウ 2.0 ソルビタンモノステアレート 1.5 ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート (20E.O.) 2.5 パラオキシ安息香酸ブチル 0.05 1,3−ブチレングリコール 3.0 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 香料 0.15 精製水 残 部
【0040】得られたクリームは肌荒れ防止・改善作用
に優れ、使用感も良好であった。また保存安定性にも優
れていた。
【0041】実 施 例 4 軟膏:下記組成の軟膏を常法により製造した。 ( 組 成 ) ( % ) ゲニステイン 0.5 日本薬局方親水軟膏 99.5
【0042】本軟膏を一日2回皮膚に塗布(5mg/c
2 )したところ、優れた肌荒れ防止・改善作用がみら
れ、また、保存安定性も良好であった。
【0043】
【発明の効果】本発明のイソフラボンアグリコンを有効
成分とする肌荒れ防止・改善剤は、イソフラボンアグリ
コンの有するヒアルロン酸産生促進作用や、コラーゲン
代謝改善作用により、肌荒れ防止・改善効果、角質改善
効果、保湿効果、はり消失の予防効果や、皮膚の老化を
予防する効果を有するものである。また、慢性関節リュ
ウマチや外傷性関節炎等の、組織中のヒアルロン酸量の
減少によって引き起こされる疾患の改善及び疼痛抑制、
並びに熱傷治療の初期段階において肉芽組織の増生を促
進するための治療薬としても使用できるものである。
【0044】従って、本発明の肌荒れ防止・改善剤は、
化粧品、医薬品、医薬部外品等の皮膚外用剤や入浴剤等
として有利に利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 皮膚のヒアルロン酸含量に及ぼすゲニステイ
ンおよびゲニスチンの影響を示した図面。
【図2】 皮膚のヒアルロン酸含量に及ぼすダイゼイン
およびダイジンの影響を示した図面。
【図3】 皮膚のコラーゲン代謝に及ぼすゲニステイン
およびゲニスチンの影響を示した図面。
【図4】 皮膚のコラーゲン代謝に及ぼすダイゼインお
よびダイジンの影響を示した図面。 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 105 A61P 43/00 105 // C07D 311/38 C07D 311/38 (72)発明者 千葉 勝由 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式会 社ヤクルト本社内 Fターム(参考) 4C062 EE85 4C083 AA082 AC012 AC022 AC072 AC102 AC122 AC242 AC432 AC442 AC482 AC841 AC842 CC02 CC04 CC05 DD22 DD23 DD27 DD31 EE12 4C086 AA01 AA02 BA08 MA01 MA04 MA63 NA14 ZA89 ZB21

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソフラボンアグリコンを有効成分とす
    る肌荒れ防止・改善剤。
  2. 【請求項2】 ヒアルロン酸産生促進作用を有する請求
    項第1項記載の肌荒れ防止・改善剤。
  3. 【請求項3】 コラーゲン代謝改善作用を有する請求項
    第1項記載の肌荒れ防止・改善剤。
  4. 【請求項4】 イソフラボンアグリコンがゲニステイン
    またはダイゼインである請求項第1項ないし第3項の何
    れかの項記載の肌荒れ防止・改善剤。
  5. 【請求項5】 皮膚外用剤である請求項第1項ないし第
    4項記載の肌荒れ防止・改善剤。
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