JP2001334766A - 平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法 - Google Patents
平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法Info
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Abstract
による汚れの発生の防止、印刷開始時の印刷損紙の低
減、及び経時保存後の性能のバラツキの低減を可能とし
た平版印刷版原版を提供すること。又それを用いて平版
印刷版を作製する方法を提供することこと。 【解決手段】 親水性支持体上に、親油性の熱溶融性粒
子を含有する感熱性画像形成層を有する平版印刷版原版
において、前記親水性支持体表面にはピット形状が形成
され、該ピット形状の曲率半径(μm)の10点平均が
前記親油性の熱溶融性粒子の平均粒子径(μm)の1/
2より大であることを特徴とする平版印刷版原版。
Description
する画像形成層を有する平版印刷版原版及びそれを用い
た平版印刷版の作製方法に関する。
ピューターの普及に伴い、フィルム原稿を介さず画像デ
ータに基づいて平版印刷版原版に直接露光する、コンピ
ューター・トゥー・プレートの技術(CTP)が普及し
つつある。これによりフィルム作製の必要がなくなりコ
ストの削減、ワークフローの簡略化が可能となった。当
初、CTP用の平版印刷版原版の技術としては銀塩拡散
系材料、光重合系材料のものなどが主流であったが、こ
れらは画像形成の為にアルカリ現像処理が必要であっ
た。CTP普及と同期して印刷環境もオフィス化が進
み、又環境適性の面からもアルカリ現像液を必要としな
い、更には全く現像処理を必要としない平版印刷版原版
が望まれるようになってきた。
技術は、例えば特開平9−131850号、特開平9−
127683号に記載されている。これらの技術によれ
ば、親水性支持体上に、熱溶融性粒子を含有し、水で現
像可能な画像形成層を有する平版印刷版原版をレーザー
光源で画像露光した後、現像処理を施さないまま印刷機
の版胴に取り付け、インク、湿し水を用いて現像処理を
することにより、特別に自動現像機を使用することな
く、作業者にとって現像処理の煩雑さを感じさせない印
刷技術が提供できる。
いない。というのは、耐刷性を向上させるアクションを
起こすと印刷開始時における非画像部の汚れの抜けが遅
くなったり、爪などで平版印刷版原版を擦った時にその
部分が汚れやすくなり、これらの性能の両立を取るのが
とても困難である。又同様に耐刷性を向上させるアクシ
ョンを起こすと、経時保存後の性能がばらつくという問
題も抱えている。
みてなされたものであり、その目的は画像耐久力(耐刷
性)の向上、爪などの擦りによる汚れの発生の防止、印
刷開始時の印刷損紙の低減、及び経時保存後の性能のバ
ラツキの低減を可能とした平版印刷版原版を提供するこ
とである。又それを用いて優れた印刷物が得られる平版
印刷版を作製する方法を提供することことである。
の構成により達成された。
粒子を含有する感熱性画像形成層を有する平版印刷版原
版において、前記親水性支持体表面にはピット形状が形
成され、該ピット形状の曲率半径(μm)の10点平均
が前記親油性の熱溶融性粒子の平均粒子径(μm)の1
/2より大であることを特徴とする平版印刷版原版。
点平均が前記親油性の熱溶融性粒子の平均粒子径(μ
m)より小さいことを特徴とする1記載の平版印刷版原
版。
1.0μm以下であることを特徴とする1又は2記載の
平版印刷版原版。
粒子を含有する感熱性画像形成層を有する平版印刷版原
版において、前記親水性支持体が空隙を有し、該親水性
支持体の空隙容量が20〜40ml/m2であることを
特徴とする平版印刷版原版。
粒子を含有する感熱性画像形成層を有する平版印刷版原
版において、前記親油性の熱溶融性粒子が架橋性物質を
内包することを特徴とする平版印刷版原版。
支持体と共有結合、もしくはイオン結合し得ることを特
徴とする5記載の平版印刷版原版。
しくはイオン結合し得る架橋性物質の架橋反応を促進さ
せる物質を含有することを特徴とする6記載の平版印刷
版原版。
粒子、架橋性物質を含有する感熱性画像形成層を有する
平版印刷版原版において、前記熱溶融性粒子が前記架橋
性物質の架橋反応を促進させる物質を含有することを特
徴とする平版印刷版原版。
支持体と共有結合、もしくはイオン結合し得ることを特
徴とする8記載の平版印刷版原版。
℃における溶融粘度が20cps以下であり、かつ針入
度が1以下であることを特徴とする1〜9の何れか1項
記載の平版印刷版原版。
刷版原版にレーザー光源もしくはサーマルヘッドを用い
て画像描画した後、印刷機の版胴上でインキ及び湿し水
の少なくとも一方を用いて現像処理をすることを特徴と
する平版印刷版の作製方法。
平版印刷版原版は、 1)親水性支持体上に、親油性の熱溶融性粒子(以下、
単に親油性熱溶融性粒子という)を含有する感熱性画像
形成層を有し、前記親水性支持体表面にはピット形状が
形成され、該ピット形状の曲率半径(μm)の10点平
均が前記親油性熱溶融性粒子の平均粒子径(μm)の1
/2より大である態様、 2)親水性支持体上に、親油性熱溶融性粒子を含有する
感熱性画像形成層を有し、かつ前記親水性支持体が空隙
を有し、該親水性支持体の空隙容量が20〜40ml/
m2である態様、 3)親水性支持体上に、親油性熱溶融性粒子を含有する
感熱性画像形成層を有し、前記親油性熱溶融性粒子が架
橋性物質を内包する態様、 4)親水性支持体上に、親油性熱溶融性粒子、架橋性物
質を含有する感熱性画像形成層を有し、前記親油性熱溶
融性粒子が前記架橋性物質の架橋反応を促進させる物質
(以下、単に架橋反応促進剤という)を含有する態様、
に大別できる。
び/又は機械的に研磨され、陽極酸化されたアルミニウ
ム板が挙げられる。更に具体的には、表面を砂目立て、
陽極酸化処理、封孔処理を施したアルミニウム板が挙げ
られる。
しては、例えば、機械的方法、電解によりエッチングす
る方法が挙げられる。機械的方法としては、例えば、ボ
ール研磨法、ブラシ研磨法、液体ホーニングによる研磨
法、バフ研磨法が挙げられる。アルミニウム材の組成等
に応じて上述の各種方法を単独もしくは組合せて用いる
ことができる。好ましいのは、電解エッチングによる方
法である。
酸等の無機酸を単独ないし2種以上混合した浴で行われ
る。砂目立て処理の後、必要に応じて、アルカリ或いは
酸の水溶液によってデスマット処理を行い中和して水洗
する。
ム酸、シュウ酸、燐酸、マロン酸等を一種又は二種以上
含む溶液を用い、アルミニウム板を陽極として電解して
行われる。形成された陽極酸化被覆量は1〜50mg/
dm2が適当であり、好ましくは10〜40mg/dm2
である。
イ酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理等が具体例と
して挙げられる。この他にアルミニウム板支持体に対し
て、水溶性高分子化合物や、フッ化ジルコン酸等の金属
塩の水溶液による下引き処理を施すこともできる。
支持体上に親水性結着剤及び/又は自己造膜可能なコロ
イダルシリカなど高親水性の粒子よりなる相を必要に応
じて架橋することで親水性層を形成したものが挙げられ
る。親水性を有する支持体に用いられる柔軟性支持体と
しては、プラスチックフィルム、例えば、飽和ポリエチ
レンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレー
トフィルム、酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフ
ィルム、ポリカーボネートフィルムなど、又紙支持体な
ども使用できる。これら柔軟性支持体には親水性層の接
着を向上させるための下引き層が設けられていても良
い。
は、親水性(コ)ポリマー、例えば、ビニルアルコー
ル、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メチ
ロールメタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、
ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタ
クリレートのホモポリマー又はコポリマー、或いはマレ
イン酸/ビニルメチルエーテルコポリマーを用いること
ができる。自己造膜可能な高親水性の粒子としては、数
珠形状もしくはネックレス形状をしたコロイドシリカ、
アルミナ粒子、酸化チタン又は他の重金属酸化物の粒
子、多孔質シリカをボールミルなどで破砕して平均粒子
径を0.2μm程度にしたものなどが挙げられる。
はホルムアルデヒド、グリオキサル、ポリイソシアナー
ト、加水分解テトラ−アルキルオルトシリケートなどが
使用できる。
はピット形状を有している。ここでいうピット形状とは
凹状で半球状の形状をいい、図1にその概略を図示す
る。図1は親水性支持体に形成されたピット形状の概略
を示した横断面図である。ピット形状の曲率半径R(μ
m)の10点平均は感熱性画像形成層に含有される親油
性熱溶融性粒子の平均粒子径(μm)の1/2倍より大
であることを要する。この範囲を外れてしまうと露光時
に溶融した親油性熱溶融性粒子が親水性支持体に十分に
密着せず耐刷力が劣化してしまう。又、ピット形状の深
さL(μm)の10点平均は感熱性画像形成層に含有さ
れる親油性熱溶融性粒子の平均粒子径(μm)より浅い
ことが好ましい。この範囲を超えてしまうと印刷開始時
の非画像部の汚れの抜けが悪くなり、印刷損紙が増えて
しまう傾向にある。
いた親水性支持体の場合には電解エッチングの条件を適
宜選択することで作製することが可能である。又柔軟性
支持体上に親水性結着剤及び/又は自己造膜可能なコロ
イダルシリカなど高親水性の粒子よりなる相を必要に応
じて架橋することで親水性層を形成したタイプについて
は特願平11−276607号に記載される方法により
作製可能である。この方法によれば、親水性層を形成す
る為の親水性結着剤及び/又は自己造膜可能なコロイダ
ルシリカなど高親水性の粒子よりなる相及びピット形状
を付与する為の粒子を含有する塗布液を柔軟性支持体に
塗布、乾燥した後、水を注ぎながら表面を擦り、ピット
形状を付与させる為の粒子を除去することでピット形状
を有する親水性支持体が得られる。所望のピット形状の
曲率半径Rを得る為には、ピット形状を付与させる為の
粒子の平均粒子径を親油性熱溶融性粒子の平均粒径より
大きいものを選択する。又、所望のピット形状の深さL
を得る為には、(ピット形状を付与させる為の粒子):
(親水性層を形成する為の親水性結着剤及び/又は自己
造膜可能なコロイダルシリカなど高親水性の粒子よりな
る相)の質量比率を80〜50:20〜50の範囲にす
ると良い。
曲率半径R、及び深さLは、親水性支持体上にあるピッ
ト形状を無作為に10点抽出し、それらのピット形状の
各曲率半径、及び深さの平均値を指す。これらのピット
形状はWYKO社製の非接触型表面粗さ計で観測でき、
その観測結果より曲率半径R、及び深さLを概算でき
る。
水性支持体が空隙を有し、特に該親水性支持体の空隙容
量は20〜40ml/m2である。この範囲より小さい
と露光時に溶融した親油性熱溶融性粒子が親水性支持体
に十分に浸透せず十分な耐刷性が得られない傾向にあ
る。一方この範囲より大きいと印刷開始時の非画像部の
汚れの抜けが悪くなり、印刷損紙が増えてしまったり、
更には親水性支持体自身の強度が弱くなり、耐刷性が得
られなくなる傾向にある。
は、アルミニウム板を用いた親水性支持体の場合には、
封孔処理の条件を弱くすることで達成される。又柔軟性
支持体上に親水性層を形成したタイプについては、親水
性層を構成する成分のうち、30〜70質量%をネック
レス形状のコロイダルシリカや多孔質シリカを破砕した
ものを使用することにより達成できる。ネックレス形状
のコロイダルシリカとしては、日産化学工業株式会社の
スノーテックスPS−M、PS−MOなどが挙げられ
る。
水性支持体上に親油性熱溶融性粒子を含有する感熱性画
像形成層が形成され、該感熱性画像形成層が少なくとも
架橋性物質、更には架橋反応促進剤を含有している。
親油性熱溶融性粒子に内包された形態で含有している場
合は、架橋反応促進剤は感熱性画像形成層中でかつ親油
性熱溶融性粒子の外部に、架橋反応促進剤が親油性熱溶
融性粒子に内包された形態で含有している場合は、架橋
性物質は感熱性画像形成層中でかつ親油性熱溶融性粒子
の外部に含有させることが好ましい。このようにするこ
とで、経時保存に依存せず安定した平版印刷版が提供で
きる。
イソシアネート基、エポキシ基、水酸基、カルボキシル
基、メチロール基、アミノ基などの官能基を有する化合
物が利用できる。又イオン架橋性物質してはアイオノマ
ー樹脂が挙げられる。
は、例えば架橋性物質としてイソシアネート基を含有す
るものを用いる場合には有機錫化合物が、又エポキシ基
を含有するものを用いる場合には公知の酸発生剤が利用
できる。
己架橋しても良いが、親水性支持体と層間架橋している
ことが更に好ましい。この場合、親水性層に架橋性物質
と結合し得るイソシアネート基、エポキシ基、水酸基、
カルボキシル基、メチロール基、アミノ基などの官能基
を付与する。又架橋性物質としてアイオノマー樹脂を利
用する場合には2価以上のイオンを含む物質を付与す
る。これらの官能基又はイオンを含む物質を親水性支持
体に付与する方法としては、例えば前述の官能基を有す
るシランカップリング剤の希薄溶液、もしくは2価以上
のイオンを含有する粘土鉱物の希薄溶液を親水性支持体
上に薄膜塗布する方法が挙げられる。
は架橋反応促進剤を含有させることが好ましく、それに
伴って感熱性画像形成層の親油性熱溶融性粒子の外部に
架橋反応促進剤、又は架橋性物質を含有させることも好
ましい。このように、架橋性物質と架橋反応促進剤を感
熱性画像形成層中に分離して存在させることにより、露
光部に架橋性を付与しかつ耐刷性も向上させ、更に保存
による性能の安定性も確保される。前記架橋性物質とし
てイソシアネート基を有する架橋性物質を使用する場合
はその架橋反応促進剤として有機錫化合物が、又エポキ
シ基などを使用する場合には公知の酸発生剤が使用でき
る。
性粒子は親油性、かつ熱可塑性を有する樹脂を水分散体
に調製したものが使用される。
樹脂としては融点が70〜180℃のものが使用でき、
ワックス類ではカルナバワックス、蜜ろう、鯨ろう、木
ろう、ホホバ油、ラノリン、オゾケライト、パラフィン
ワックス、モンタンワックス、キャンデリラワックス、
セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ラ
イスワックスなどの天然ワックス、ポリエチレンワック
ス、FTワックス、モンタンワックス誘導体、パラフィ
ンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導
体、高級脂肪酸等が、アクリル系樹脂では、例えばメタ
クリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、スチレンなどの一
種もしくは2種以上を共重合したものが、合成ゴム類で
はポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステ
ル−ブタジエン共重合体、メタアクリル酸エステル−ブ
タジエン共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロ
ニトリル−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン
共重合体等が挙げられる。又その他に、アイオノマー樹
脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン
樹脂等が使用できる。
の140℃における溶融粘度が20cps以下であるこ
とが好ましい。これより高いと露光時に溶融した親油性
熱溶融性粒子が親水性支持体に十分に浸透せず十分な耐
刷性が得られない傾向にある。又針入度は1以下である
ことが好ましい。これより高いと圧力に対する強度が不
足し十分な耐刷性が得られなかったり、爪などで版の表
面を擦ってしまった部分が汚れてしまうことがある。こ
れら物性を満たす親油性熱溶融性樹脂としてカルナバワ
ックス、キャンデリラワックス、FTワックスなどが挙
げられる。
法が使用でき、例えば「分散技術総合資料集」(経営開
発センター出版部)などに記載された方法が使用でき
る。又別の方法としては、熱溶融性物質と親水性結着剤
又はコロイダルシリカなどの親水性を有する物質を高温
下で溶融混合させ、その溶融混合物を温水の中に滴下
後、スターラー、ホモジナイザーなどを用いて強攪拌す
る、もしくは小径の孔を通して水中に射出して熱溶融性
樹脂の水分散体を得る方法なども挙げられる。
溶融性粒子の融着を防止する為に水溶性樹脂を含有させ
ても良い。使用可能な水溶性樹脂としては公知のものを
挙げることができ、水溶性(コ)ポリマー、例えば、合
成ホモポリマーもしくはコポリマー、例えばポリビニル
アルコール、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)ア
クリルアミド、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、ポリビニルメチルエーテル、又は天然結合剤、例
えばゼラチン、多糖類、例えばデキストラン、プルラ
ン、セルロース、アラビアゴム、アルギニン酸、ポリエ
チレングリコール、ポリエチレンオキサイドなどが使用
できる。
性を早めるため、又印刷機の汚染を防止するために、感
熱性画像形成層の皮膜形成を確保できる範囲で少ない方
が好ましく、該画像形成層の構成成分の40質量%以下
が好ましい。
上に形成される親水性結着剤及び/又は自己造膜可能な
コロイダルシリカなど高親水性の粒子よりなる層には、
レーザー光源を吸収して発熱を生じる光熱変換剤を使用
できる。
変換する材料が好ましく、使用する光源によって異なる
が、例えば近赤外光を放出する半導体レーザーを光源と
して使用する場合、近赤外に吸収帯を有する近赤外光吸
収剤が好ましく、例えば、カーボンブラツク、シアニン
系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スク
ワリリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノ
ン系色素、アントラキノン系色素等の有機化合物、フタ
ロシアニン系、アゾ系、チオアミド系の有機金属錯体な
どが好適に用いらる。
号、同64−33547号、特開平1−160683
号、同1−280750号、同1−293342号、同
2−2074号、同3−26593号、同3−3099
1号、同3−34891号、同3−36093号、同3
−36094号、同3−36095号、同3−4228
1号、同3−97589号、同3−103476号等に
記載の化合物が挙げられる。これらは1種又は2種以上
を組み合わせて用いることができる。 (2)平版印刷版の作製方法 本発明の平版印刷版原版はサーマルヘッド、又はレーザ
ー光源で画像記録が可能である。レーザー光源としては
発光波長が300〜1500nmの範囲にあるものが用
いられ、Arイオン、Krイオン、He−Ne、He−
Cd、ルビー、ガラス、チタンサファイヤ、色素、窒
素、金属蒸気、エキシマ、半導体、YAGなど、各種レ
ーザーが使用できる。これら画像記録はプレートセッタ
ーなどにより露光することも出来るし、近年開発されて
きた、印刷機上に露光装置を具備したダイレクトイメー
ジング印刷機でも露光可能である。
いまま、印刷機の版胴上に設置され、該版胴を回転しな
がら、インキ及び/又は湿し水の供給下で現像処理を行
ない、そのまま印刷工程に移ることが出来る。
本発明はこれらの例に限定されるものではない。尚、以
下の「部」は特に断りのない限り「質量部」を表す。又
親油性熱溶融性粒子を単に熱溶融性粒子とする。
た後、下記組成よりなる下引き層塗布液を乾燥膜厚4.
0μmとなるように塗布し、70℃で3分間の熱処理を
行なった。
燥膜厚4.0μmとなるように塗布し、70℃で3分間
の乾燥をした。
液1〜7をワイヤーバー#10を用いて塗布し、70℃
で3分間乾燥し、親水性支持体を得た。塗布された親水
性層のうち、親水性支持体1〜4(表1においては平版
印刷版原版1〜4)については表面に流水を当てながら
製版用スポンジでこすった後、70℃で3分間乾燥処理
を行なった。
体表面のピット形状の有無は非接触の3次元粗さ計(W
YKO社製のRST Plus)を用いて観察した。観
察の結果、ピット形状を有しているものについては、ピ
ット形状を無作為に10点選び出し、その曲率半径、ピ
ット深さを確認した後、その平均値を求めた。又親水性
支持体の空隙容量を熊谷理機工業社製Bristow試
験機II型(加圧式)を用いて測定した。
作製>下記組成をオイルバスで150℃に加温されたフ
ラスコに入れ、30分間溶融混合した。得られた溶融混
合物をpH12に調整された70℃の水の中に滴下する
と共に1時間〜5時間強攪拌することによって所望の平
均粒子径に調整された熱溶融性粒子の水分散体を得た。
得られた水分散体は水を添加することで固形分を40%
に調整した。詳細は以下の表2に示す。
上に下記処方の画像形成層塗布液1〜5を塗布付量が
0.5μmとなるように塗布し、55℃で5分間乾燥さ
せることで平版印刷版原版を完成した。
長830nm、スポット寸法10μm、解像度は走査方
向、副走査方向ともに2000dpi)を用い、画像面
におけるエネルギー量が200〜500mJ/cm2の
範囲で50mJ/cm2刻みになるように走査速度を変
えながら、175線相当で2%網点画像、50%スクエ
アードット画像を露光した。尚、dpiとは2.54c
m当たりのドットの数を表す。
ことなくハイデルGTO印刷機の版胴に取り付け、エッ
チング液としてSEU−3(コニカ(株)製)の45倍
希釈水溶液、インキとしてハイエコー紅(東洋インキ製
造(株)製)を用い、印刷紙にアート紙を用いて印刷を
行った。
に示す。
04(マクベス社製)を用いて測定)が0.02未満に
なるまでに要する枚数をカウントした。
りすることがなく原稿画像を忠実に再現しているエネル
ギー量における2%画像が欠け始める枚数を耐刷枚数と
した。
擦りによる汚れが生じない場合を○、生じる場合を×と
して評価した。
支持体のピット形状、空隙容量が最適の場合、刷り出し
が早く、耐刷性の高い印刷版原版が得られ、更に画像形
成層に含有される熱溶融性粒子の物性を規定することに
より、耐傷性の向上及び耐刷性が更に向上し、性能バラ
ンスが良好となることが分かる。しかしながらピット形
状、空隙容量が本発明の範囲外である印刷版原版5、9
及び10はそれらの何れか2つ以上が充分な効果が得ら
れていないことが分かる。
ウム板(材質1050、調質H16)を65℃に保たれ
た5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間脱脂処
理を行なった後水洗した。この脱脂したアルミニウム板
を、25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸漬
して中和した後水洗した。次いで、このアルミニウム板
を0.3質量%の硝酸水溶液において、温度25℃、電
流密度100A/dm2の条件で交流電流により60秒
間電解粗面化を行なった後、60℃に保たれた5%水酸
化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行
なった。デスマット処理を行なった粗面化アルミニウム
板を15%硫酸溶液中で、温度25℃、電流密度10A
/dm2、電圧15Vの条件で1分間陽極酸化処理を行
ない、更に3%硅酸ソーダ、温度90℃で封孔処理を行
ない、親水性支持体8を得た。
をアミノシランカプラーTSL8331の0.1%水溶
液に浸漬塗布した後、100℃で10分間熱処理して、
表面にアミノ基を有する親水性支持体9を得た。
作製>下記組成の熱溶融性粒子をオイルバスで120℃
に加温されたフラスコに入れ、30分間溶融混合した。
得られた溶融混合物を界面活性剤5質量%含有する70
℃の温水400部の中に滴下すると共に2時間強攪拌す
ることにより、平均粒子径が0.5μmよりなる熱架橋
性物質を含有した熱溶融性粒子の水分散物を得た。得ら
れた水分散物に水を添加し固形分を20%に調整した。
であり、R1〜R4は同じでも異なっていても良い。
体8又は9上に下記組成よりなる、画像形成層塗布液を
ワイヤーバーで塗布し、50℃・3分間の乾燥を行なう
ことにより、乾燥膜厚0.5μmよりなる画像形成層を
塗設し、平版印刷版原版を得た。
光源(発光波長830nm、スポット寸法10μm、解
像度は走査方向、副走査方向ともに2000dpi)を
用い、画像面におけるエネルギー量が200〜500m
J/cm2の範囲で50mJ/cm2刻みになるように走
査速度を変えながら、175線相当で2%網点画像、5
0%スクエアードット画像を露光した。尚、dpiとは
2.54cm当たりのドットの数を表す。
ことなくハイデルGTO印刷機の版胴に取り付け、エッ
チング液としてSEU−3(コニカ(株)製)の45倍
希釈水溶液、インキとしてハイエコー紅(東洋インキ製
造(株)製)を用い、印刷紙としてアート紙を用いて印
刷を行った。又、ドライサーモ55℃で3日間安置処理
された平版印刷版原版についても同様に露光し、印刷を
行なった。引き続き実施例1同様の刷り出し、耐刷性の
評価を行い、得られた結果を以下の表4に示す。
性粒子に親水性支持体と架橋し得る物質を含有させるこ
とで耐刷性が向上し、更に架橋反応促進剤を、親水性支
持体に架橋し得る物質を含有する熱溶融性粒子と別個に
添加することで耐刷性の向上と保存性の確保の両立が図
れたことが分かる。しかしながら塗布液9で画像形成層
が形成された平版印刷版原版15は架橋性物質と架橋反
応促進剤が層中で同居しているため、ドライサーモ55
℃で3日間安置処理した場合には現像が出来ないという
状態になってしまい、保存後の性能安定性という面で劣
っている。又塗布液10で画像形成層が形成された平版
印刷版原版16は架橋性物質と架橋反応促進剤が層中に
存在していないので、耐刷力の向上を達成するという面
で劣っている。
なく、又保存後の性能安定性を確保しつつ、耐刷力の向
上を達成することが可能であり、又爪擦りなどに対して
も汚れが発生しにくく、平版印刷版原版の取り扱い性を
大きく向上できるという顕著に優れた効果を奏する。
示した横断面図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 親水性支持体上に、親油性の熱溶融性粒
子を含有する感熱性画像形成層を有する平版印刷版原版
において、前記親水性支持体表面にはピット形状が形成
され、該ピット形状の曲率半径(μm)の10点平均が
前記親油性の熱溶融性粒子の平均粒子径(μm)の1/
2より大であることを特徴とする平版印刷版原版。 - 【請求項2】 前記ピット形状の深さ(μm)の10点
平均が前記親油性の熱溶融性粒子の平均粒子径(μm)
より小さいことを特徴とする請求項1記載の平版印刷版
原版。 - 【請求項3】 前記親油性の熱溶融性粒子の粒径が1.
0μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載
の平版印刷版原版。 - 【請求項4】 親水性支持体上に、親油性の熱溶融性粒
子を含有する感熱性画像形成層を有する平版印刷版原版
において、前記親水性支持体が空隙を有し、該親水性支
持体の空隙容量が20〜40ml/m2であることを特
徴とする平版印刷版原版。 - 【請求項5】 親水性支持体上に、親油性の熱溶融性粒
子を含有する感熱性画像形成層を有する平版印刷版原版
において、前記親油性の熱溶融性粒子が架橋性物質を内
包することを特徴とする平版印刷版原版。 - 【請求項6】 前記架橋性物質が熱の存在下で親水性支
持体と共有結合、もしくはイオン結合し得ることを特徴
とする請求項5記載の平版印刷版原版。 - 【請求項7】 前記感熱性画像形成層が共有結合、もし
くはイオン結合し得る架橋性物質の架橋反応を促進させ
る物質を含有することを特徴とする請求項6記載の平版
印刷版原版。 - 【請求項8】 親水性支持体上に、親油性の熱溶融性粒
子、架橋性物質を含有する感熱性画像形成層を有する平
版印刷版原版において、前記熱溶融性粒子が前記架橋性
物質の架橋反応を促進させる物質を含有することを特徴
とする平版印刷版原版。 - 【請求項9】 前記架橋性物質が熱の存在下で親水性支
持体と共有結合、もしくはイオン結合し得ることを特徴
とする請求項8記載の平版印刷版原版。 - 【請求項10】 前記親油性の熱溶融性粒子の140℃
における溶融粘度が20cps以下であり、かつ針入度
が1以下であることを特徴とする請求項1〜9の何れか
1項記載の平版印刷版原版。 - 【請求項11】 請求項1〜10の何れか1項記載の平
版印刷版原版にレーザー光源もしくはサーマルヘッドを
用いて画像描画した後、印刷機の版胴上でインキ及び湿
し水の少なくとも一方を用いて現像処理をすることを特
徴とする平版印刷版の作製方法。
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