JP2005169642A - 印刷版材料及び印刷版材料の製造方法 - Google Patents

印刷版材料及び印刷版材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、印刷機上で現像可能であり、印刷時のインキ着肉性及び汚れ防止性、印刷機上での現像性及び耐刷性に優れる印刷版材料及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】 アルミニウム基材上に印刷機上現像可能な感熱画像形成層を有する印刷版材料において、該アルミニウム基材表面が粗面化されたベーマイト層であり、該粗面化されたベーマイト層の表面が平均高さ50nm〜250nmの突起物形状を有し、該ベーマイト層の表面に親水性化合物を有することを特徴とする印刷版材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は印刷版材料に関し、特にコンピューター・トゥー・プレート(以下CTPと称す)方式に用いられ印刷機上で現像可能な印刷版材料に関する。
現在、印刷の分野においては、印刷画像データのデジタル化に伴い、CTP方式による印刷が行われるようになってきているが、この印刷においては、安価で取り扱いが容易で従来の所謂PS版と同等の印刷適性を有したCTP方式用印刷版材料が求められている。
特に近年、特別な薬剤による現像処理が不要であるダイレクトイメージング(以下DIと称す)性能を有し、この機能を備えた印刷機に適用可能であり、またPS版と同等の使い勝手を有するものとして、汎用タイプのプロセスレスプレートが求められている。
これに対して特別な湿式現像処理を必要としない、いわゆるドライCTP(印刷機上での現像を含む)方式の開発が進められている。ドライCTP方式は、印刷装置上で直接画像記録を行いそのまま印刷を行うダイレクトイメージング(DI)方式の印刷装置に、適用することが可能であることからも大きな注目を集めている。
ドライCTP方式に用いられるものとして、例えば、特開平8−507727号、同6−186750号、同6−199064号、同7−314934号、同10−58636号、同10−244773号に記載のアブレーションタイプのCTP方式、基材上に感熱性画像形成層を設け、レーザー露光による画像様の発熱により画像部を親水性層上に形成させる方式のもの等が挙げられる(例えば特許文献1、特許文献2参照。)。
レーザー光を熱に変換し画像部を親水性層上に形成する、感熱画像形成層を有する印刷版材料は、鮮鋭なドット形状が得られ、高精細な画像形成に適している。
しかしながら、上記の感熱画像形成層を有する印刷版材料においては、印刷機上での湿し水による現像スピードが不十分であり所謂損紙の枚数が多い、印刷時、汚れを生ずる場合がある、インキの着肉性不十分である、耐刷力が少ない等の問題点があった。
又、DI用のサーマルプロセスレスプレートとしては、例えばアグファ社製のThermoLiteがあるが、機上現像操作が必要であり、PS版と同じ印刷機のシークエンスで印刷を開始した場合の刷り出し性は不十分である。また、湿し水とインキとの組み合わせによっては地汚れを生じる場合があるといった問題点があった。
特開平11−265062には、カルボキシル基を含有する親水性ポリマーとアニオン性IR−シアニン色素との組み合わせで刷り出し性や地汚れを改善した印刷版材料が提案されているが、その性能はまだ十分であるとは言いがたいものである。
他方、アルミニウムを支持体とし光重合性組成物の層を感光層として有する感光性平版印刷版において、耐刷力と印刷時の汚れを改善する目的で、アルミニウム砂目支持体表面にベーマイトからなる特定の平均高さを有する突起状物を生成し、その上に重合性性組成物層を設けることが知られている(特許文献3参照)。
しかしながら、プロセスレスプレートに単に上記支持体を適用しても印刷インキの着肉性が不十分である、正常な印刷物が得られるまでの印刷枚数が多く印刷機上で現像性が不十分であるといった問題点があった。
特開2001−96710号公報 特開2003−25750号公報 特開2000−255177号公報
本発明の目的は、印刷機上で現像可能であり、印刷時のインキ着肉性及び汚れ防止性、印刷機上での現像性及び耐刷性に優れる印刷版材料及びその製造方法を提供することにある。
本発明の目的は、下記の構成により達成される。
(請求項1)
アルミニウム基材上に印刷機上現像可能な感熱画像形成層を有する印刷版材料において、該アルミニウム基材表面が粗面化されたベーマイト層であり、該粗面化されたベーマイト層の表面が平均高さ50nm〜250nmの突起物形状を有し、該ベーマイト層の表面に親水性化合物を有することを特徴とする印刷版材料。
(請求項2)
前記アルミニウム基材が陽極酸化された基材であることを特徴とする請求項1に記載の印刷版材料。
(請求項3)
前記感熱画像形成層が、前記ベーマイト層上に親水性化合物を付着させた後、設層されたものであることを特徴とする請求項1乃至2記載の印刷版材料。
(請求項4)
前記親水性化合物が前記ベーマイト層を親水性化合物を含む水溶液で処理した後、乾燥することにより得られたものであることを特徴とする請求項1乃至3記載の印刷版材料。
(請求項5)
前記処理の温度が85℃〜100℃であることを特徴とする請求項4記載の印刷版材料。
(請求項6)
前記感熱画像形成層が熱可塑性物質及び光熱変換材を含むことを特徴とする請求項1乃至5記載の印刷版材料。
(請求項7)
前記熱可塑性物質がワックスであることを特徴とする請求項6記載の印刷版材料。
(請求項8)
陽極酸化されたアルミニウム基材上にベーマイトからなる平均高さ50nm〜250nmの突起物形状のベーマイト層を形成し、該ベーマイト層に親水性化合物を付着させた後、該ベーマイト層上に機上現像可能な感熱画像形成層を設けることを特徴とする印刷版材料の製造方法。
(請求項9)
前記親水性化合物の付着が、前記ベーマイト層を親水性化合物を含む水溶液を用い85℃〜100℃で処理し、乾燥することにより、行われることを特徴とする請求項8記載の印刷版材料の製造方法。
本発明の構成により、特別な現像処理工程を経ることなく印刷が可能であり、印刷時のインキ着肉性及び汚れ防止性に優れ、印刷の刷り出し時に少ない印刷枚数で汚れを発生することなく良好な印刷物が得られ、かつ多数枚印刷が可能である印刷版材料及びその製造方法が提供できる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の特徴は、感熱画像形成層を有する印刷版材料において、支持体として特定の表面を有するアルミニウム基材を使用することにある。
上記特定の表面とは、平均高さ50nm〜250nmの突起物形状を有するベーマイト層の上に親水性化合物を有するものである。
(アルミニウム基材)
本発明の印刷版材料に使用されるアルミニウム基材は、純アルミニウムまたはアルミニウム合金よりなる基板である。アルミニウム合金としては種々のものが使用でき、例えば珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル、チタン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの合金が用いられる。
アルミニウム基材は、その表面が粗面化されていることが好ましい。
粗面化処理に先立ってアルミニウム表面の圧延油を除去するために脱脂処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロン、トリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処理等が用いられる。また、脱脂処理には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂処理にアルカリ水溶液を用いた場合、上記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去することができる。
脱脂処理にアルカリ水溶液を用いた場合には、燐酸、硝酸、塩酸、硫酸、クロム酸等の酸、あるいはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。中和処理の次に電解粗面化を行う場合は、中和に使用する酸を電解粗面化に使用する酸に合わせることが特に好ましい。
粗面化処理としては公知の方法での電解粗面化処理を行うのが好ましいが、その前処理として、適度な処理量の化学的粗面化や機械的粗面化を適宜くみあわせた粗面化処理を行なってもかまわない。
化学的粗面化は脱脂処理と同様に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリの水溶液を用いる。処理後には燐酸、硝酸、塩酸、硫酸、クロム酸等の酸、あるいはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。中和処理の次に電解粗面化を行う場合は、中和に使用する酸を電解粗面化に使用する酸に合わせることが特に好ましい。
機械的粗面化処理方法は特に限定されないがブラシ研磨、ホーニング研磨が好ましい。ブラシ研磨では、例えば毛径0.2〜1mmのブラシ毛を植毛した円筒状ブラシを回転し、接触面に研磨材を水に分散させたスラリーを供給しながら、基板表面に押しつけて粗面化を行う。
ホーニング研磨では、研磨材を水に分散させたスラリーをノズルより圧力をかけ射出し、基板表面に斜めから衝突させて粗面化を行う。
研磨材としては、火山灰、アルミナ、炭化珪素等の一般に研磨に使用されるものがあげられ、その粒度は#200〜#3000、好ましくは#400〜#2000、さらに好ましくは#600〜#1000である。
機械的に粗面化された基板は、基板の表面に食い込んだ研磨剤、アルミニウム屑等を取り除いたり、ピット形状をコントロールしたりする等のために、酸またはアルカリの水溶液に浸漬して表面をエッチングすることが好ましい。酸としては、例えば硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が含まれ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が含まれる。これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好ましい。
機械的粗面化処理に#400よりも細かい粒度の研磨剤を用い、かつ、機械的粗面化処理の後にアルカリ水溶液によるエッチング処理を行うことで、機械的粗面化処理による入り組んだ粗面化構造を滑らかな凹凸の表面とすることができる。このため、本発明の画像形成層を設けた際にも機上現像性を損なうことなく数μm〜数十μmの比較的長波長のうねりを形成することができ、これに後述する電解粗面化処理を加えることで、印刷性能が良好で、かつ、耐刷性向上にも寄与するアルミニウム基板とすることができる。また、電解粗面化処理時の電気量を低減することもでき、コストダウンにもつながる。
上記をアルカリの水溶液で浸漬処理を行った場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、あるいはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
中和処理の次に電解粗面化処理を行う場合は、中和に使用する酸を電解粗面化処理に使用する酸に合わせることが特に好ましい。
電解粗面化処理は一般に酸性電解液中で交流電流を用いて粗面化を行うものである。酸性電解液は通常の電解粗面化法に用いられるものが使用できるが、塩酸系または硝酸系電解液を用いるのが好ましく、本発明においては塩酸系電解液を用いるのが特に好ましい。電解に使用する電源波形は、矩形波、台形波、のこぎり波等さまざまな波形を用いることができるが、特に正弦波が好ましい。
また、特開平10−869号公報に開示されているような分割電解粗面化処理も好ましく用いることができる。
硝酸系電解液を用いての電解粗面化において印加される電圧は、1〜50Vが好ましく、5〜30Vが更に好ましい。電流密度(ピーク値)は、10〜200A/dm2が好ましく、20〜150A/dm2が更に好ましい。電気量は全処理工程を合計して、100〜2000C/dm2、好ましくは200〜1500C/dm2、より好ましくは200〜1000C/dm2である。温度は、10〜50℃が好ましく、15〜45℃が更に好ましい。硝酸濃度は0.1〜5質量%が好ましい。電解液には、必要に応じて硝酸塩、塩化物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、蓚酸等を加えることが出来る。
塩酸系電解液を用いての電解粗面化において印加される電圧は、1〜50Vが好ましく、5〜30Vが更に好ましい。電流密度(ピーク値)は、10〜200A/dm2が好ましく、20〜150A/dm2が更に好ましい。電気量は全処理工程を合計して、100〜2000C/dm2が好ましく、200〜1000C/dm2が更に好ましい。温度は、10〜50℃が好ましく、15〜45℃が更に好ましい。塩酸濃度は0.1〜5質量%が好ましい。電解液には、必要に応じて硝酸塩、塩化物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、蓚酸等を加えることが出来る。
本発明においては、電解粗面化処理された基板は、表面のスマット等を取り除いたり、ピット形状をコントロールしたりする等のために、アルカリの水溶液に浸漬して表面のエッチングを行うことができる。
アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が含まれる。
アルカリの水溶液で浸漬処理を行った後には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、あるいはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。中和処理の次に陽極酸化処理を行う場合は、中和に使用する酸を陽極酸化処理に使用する酸に合わせることが特に好ましい。
粗面化処理の次に陽極酸化処理を行ことが耐刷性などの面で好ましく、本発明の効果は陽極酸化処理を施した場合に著しい。
本発明で用いられる陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理により基板上には酸化皮膜が形成される。本発明において、陽極酸化処理には、硫酸および/または燐酸等を10〜50%の濃度で含む水溶液を電解液として、電流密度1〜10A/dm2で電解する方法が好ましく用いられるが、他に米国特許第1、412、768号に記載されている硫酸中で高電流密度で電解する方法や、米国特許第3、511、661号に記載されている燐酸を用いて電解する方法等を用いることができる。
(ベーマイト層)
本発明におけるアルミニウム基材表面とは、アルミニウム基材の感熱画像形成層を有する側の表面である。
表面が突起物形状を有するとは、表面にベーマイト(AlO(OH))からなる突起状物を多数有することをいう。
突起状物を有するベーマイト層は、例えば陽極酸化処理された基板に、熱水処理、沸騰水処理、水蒸気処理、酢酸アンモニウム処理等公知の方法を用いてベーマイト皮膜を形成することで生成でき、処理の温度、処理液の濃度を調製することにより、平均高さを50〜250nmの範囲にすることができる。
好ましい具体例として、酢酸アンモニウム水溶液での浸漬処理を挙げて説明すると、濃度は0.01g/L以上、10g/L以下で、液温としては、80℃〜100℃、浸漬時間としては5秒から120秒程度である。
処理液のpHはアルカリ性であることが好ましく、7.5から10.0である。効率的に、かつ安定したベーマイト皮膜を形成するためには、液温としては、85℃〜95℃、pHは通常pH9.0前後が好ましい。
尚、ベーマイト層の突起状物の前記平均高さは、原子間力顕微鏡(AFM)を用い、測定することができる。AFM(例えば、DigitalInstruments社製「NanoscopeIII」マルチ−モードユニット)を用いタッピングモードで、10mm×10mmの大きさに切り出した支持体試料をスキャナー試料台上にセットし、XY方向にそれぞれ2μmスキャンし、ベーマイト突起状物のZ方向の変位を捉え、XY方向の分解能は8nm、Z方向の分解能は1nm、スキャン速度は8nm/秒とし、そのZ方向高さを、得られたAFM像の断面プロファイルにおける頂点と裾部の高さの差より求め、その測定点10点の平均値をいう。
(親水性化合物)
本発明に用いられるアルミニウム基材上の表面は、平均高さが50nm〜250nmである突起物形状を有するベーマイト層を有し、その上に親水性化合物を有するものである。即ち本発明の印刷版材料において、親水性化合物はベーマイト層と感熱画像形成層との間に存在する。親水性化合物がベーマイト層の全面にわたり存在しても良いが、存在しない部分があるのが好ましい態様である。
本発明の親水性化合物としては、25℃の水に0.1質量%以上溶解する化合物であれば、特に制限はないが、中でも好ましく用いられる化合物としては、ケイ酸、リン酸、ポリビニルホスホン酸などの無機、有機酸及びその塩、プルラン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド等のグリコール類、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、デキストラン、ポリエチレンイミン、ポリアクルルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸カリウム、ポリメタクリル酸アンモニウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムといった化合物が挙げられる。
また、特開平8−314157号に記載の炭酸水素塩を含有する水溶液による処理や、炭酸水素塩を含有する水溶液による処理に続けてクエン酸のような有機酸処理を行ってもよい。
なかでも、カルボキシメチルセルロースの金属塩やメチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体(VEMA)等が好ましく用いられる。
親水性化合物水溶液の濃度は通常0.1g/L以上100g/L以下が好ましい。
又、親水性化合物水溶液に浸漬する条件としては、温度は70℃以上であることが好ましく、より好ましくは85℃以上100℃以下である。
浸漬時間はアルミニウム基材が液温と同じになるまでの時間浸漬することが好ましく、また長時間浸漬しても生産効率が低下するため、通常3秒から120秒程度である。
また、処理条件を均一化、効率化するために親水性化合物水溶液を攪拌しながら浸漬することが好ましい。
本発明では、アルミニウム基材表面に突起状物を形成後、親水性化合物を付着させた後、ベーマイト層上に感熱画像形成層を設けることが好ましい態様である。
付着の方法としては、アルミニウム基材表面に突起状物を形成後、70℃〜100℃の親水性化合物水溶液に浸漬、乾燥して親水性化合物を付着させるのが、好ましい態様であり、さらに85℃100℃の親水性化合物水溶液に浸漬、乾燥して親水性化合物を付着する態様が好ましい。
また、親水性化合物をベーマイト層上に存在させる方法としては、上記の親水性化合物の水溶液にアルミニウム基材を浸漬する他に塗布する方法が挙げられる。
親水性化合物がベーマイト層上に存在する質量の割合は、基材の面積に対して、0.1pg/m2〜0.1g/m2が好ましく、特に1pg/m2〜10mg/m2が好ましい。
(感熱画像形成層)
本発明の感熱画像形成層は加熱により画像を形成し得る層でありかつ、印刷機上で湿し水、湿し水と印刷インキにより現像可能な層であって、熱可塑性物質を含む。
加熱の方法は、熱源による方法、レーザー等の光露光により発生する熱による方法などがあるが、レーザー等の光露光により発生する熱により画像形成するものが好ましい。この場合は、後述の光熱変換材を含む層を有する態様が好ましく用いられる。
熱可塑性物質は、下記のような熱溶融性微粒子および熱融着性微粒子が例として挙げられる。また、熱可塑性微粒子中に、後述する光熱変換色素を相溶させるかまたは分散させて複合化させた微粒子も好ましく用いることができる。
[熱溶融性微粒子]
本発明に用いられる熱溶融性微粒子とは、熱可塑性素材の中でも特に溶融した際の粘度が低く、一般的にワックスとして分類される素材で形成された微粒子である。物性としては、軟化点40℃以上120℃以下、融点60℃以上150℃以下であることが好ましく、軟化点40℃以上100℃以下、融点60℃以上120℃以下であることが更に好ましい。融点が60℃未満では保存性が問題であり、融点が300℃よりも高い場合はインキ着肉感度が低下する。
使用可能な素材としては、パラフィン、ポリオレフィン、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、脂肪酸系ワックスあるいは、蜜蝋、鯨蝋、モンタンワックス、カルナバワックス等が挙げられる。又、乳化しやすくするためにこれらのワックスを酸化し、水酸基、エステル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ペルオキシド基などの極性基を導入することもできる。更には、軟化点を下げたり作業性を向上させるためにこれらのワックスにステアロアミド、リノレンアミド、ラウリルアミド、ミリステルアミド、硬化牛脂肪酸アミド、パルミトアミド、オレイン酸アミド、米糖脂肪酸アミド、ヤシ脂肪酸アミド又はこれらの脂肪酸アミドのメチロール化物、メチレンビスステラロアミド、エチレンビスステラロアミドなどを添加することも可能である。又、クマロン−インデン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、アクリル樹脂、アイオノマー、これらの樹脂の共重合体も使用することができる。
これらの中でも特にカルナバワックス、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス等のワックスを含有することが好ましい。
これらの素材は融点が比較的低く、溶融粘度も低いため、高感度の画像形成を行うことができる。又、これらの素材は潤滑性を有するため、印刷版材料の表面に剪断力が加えられた際のダメージが低減し、擦りキズ等による印刷汚れ耐性が向上する。
又、熱溶融性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。平均粒径が0.01μmよりも小さい場合、熱溶融性微粒子を含有する層の塗布液を後述する多孔質な親水性層上に塗布した際に、熱溶融性微粒子が親水性層の細孔中に入り込んだり、親水性層表面の微細な凹凸の隙間に入り込んだりしやすくなり、機上現像が不十分になって、地汚れの懸念が生じる。熱溶融性微粒子の平均粒径が10μmよりも大きい場合には、解像度が低下する。
又、熱溶融性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていたりしてもよい。
被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。
層中の熱溶融性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がさらに好ましい。
[熱融着性微粒子]
本発明に用いられる熱融着性微粒子としては、熱可塑性疎水性高分子重合体微粒子が挙げられ、該熱可塑性疎水性高分子重合体粒子の軟化温度に特定の上限はないが、温度は高分子重合体微粒子の分解温度より低いことが好ましい。高分子重合体の重量平均分子量(Mw)は10、000〜1、000、000の範囲であることが好ましい。
高分子重合体微粒子を構成する高分子重合体の具体例としては、例えば、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−ブタジエン共重合体等のジエン(共)重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の合成ゴム類、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、メチルアクリレート−(N−メチロールアクリルアミド)共重合体、ポリアクリロニトリル等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体等のビニルエステル(共)重合体、酢酸ビニル−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン等及びそれらの共重合体が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ビニルエステル(共)重合体、ポリスチレン、合成ゴム類が好ましく用いられる。
また、特開2002−251005号に記載の窒素を0.1質量%より多く含む疎水性ポリマー粒子も好ましく用いることができる。
高分子重合体微粒子は乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、気相重合法等、公知の何れの方法で重合された高分子重合体からなるものでもよい。溶液重合法又は気相重合法で重合された高分子重合体を微粒子化する方法としては、高分子重合体の有機溶媒に溶解液を不活性ガス中に噴霧、乾燥して微粒子化する方法、高分子重合体を水に非混和性の有機溶媒に溶解し、この溶液を水又は水性媒体に分散、有機溶媒を留去して微粒子化する方法等が挙げられる。
又、何れの方法においても、必要に応じ重合あるいは微粒子化の際に分散剤、安定剤として、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等の界面活性剤やポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を用いてもよい。
熱可塑性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。
熱可塑性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていたりしてもよい。
被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。
層中の熱可塑性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がさらに好ましい。
(光熱変換材)
本発明の感熱画像形成層は、露光光を熱に変換する光熱変換材を含む態様が好ましい態様である。光熱変換材としては、下記の光変換色素、その他の光熱変換材が用いられる。
[光熱変換色素]
本発明では、光熱変換色素を光熱変換材として好ましく用いることができる。
光熱変換色素としては下記のようなものを用いることができる。
一般的な赤外吸収色素であるシアニン系色素、クロコニウム系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素などの有機化合物、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系、ジチオール系、インドアニリン系の有機金属錯体などが挙げられる。具体的には、特開昭63−139191号、特開昭64−33547号、特開平1−160683号、特開平1−280750号、特開平1−293342号、特開平2−2074号、特開平3−26593号、特開平3−30991号、特開平3−34891号、特開平3−36093号、特開平3−36094号、特開平3−36095号、特開平3−42281号、特開平3−97589号、特開平3−103476号等に記載の化合物が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
また、特開平11−240270号、特開平11−265062号、特開2000−309174号、特開2002−49147号、特開2001−162965号、特開2002−144750号、特開2001−219667号に記載の化合物も好ましく用いることができる。
[その他の光熱変換材]
本発明においては、光熱変換色素に加えて、それ以外の光熱変換材を併用することも可能である。
好ましく用いられる光熱変換材としては、カーボン、グラファイト、金属、金属酸化物等が挙げられる。
カーボンとしては特にファーネスブラックやアセチレンブラックの使用が好ましい。粒度(d50)は100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることが更に好ましい。
グラファイトとしては粒径が0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下の微粒子を使用することができる。
金属としては粒径が0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下の微粒子であれば何れの金属であっても使用することができる。形状としては球状、片状、針状等何れの形状でも良い。特にコロイド状金属微粒子(Ag、Au等)が好ましい。
金属酸化物としては、可視光域で黒色を呈している素材、または素材自体が導電性を有するか、半導体であるような素材を使用することができる。
前者としては、黒色酸化鉄(Fe34)や、二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物が挙げられる。
後者とては、例えばSbをドープしたSnO2(ATO)、Snを添加したIn23(ITO)、TiO2、TiO2を還元したTiO(酸化窒化チタン、一般的にはチタンブラック)などが挙げられる。
又、これらの金属酸化物で芯材(BaSO4、TiO2、9Al2O3・2B2O、K2O・nTiO2等)を被覆したものも使用することができる。
これらの粒径は、0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下である。
これらの光熱変換材のうち、二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物がより好ましい素材として挙げられる。
具体的には、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sb、Baから選ばれる二種以上の金属からなる複合金属酸化物である。これらは、特開平8−27393号公報、特開平9−25126号公報、特開平9−237570号公報、特開平9−241529号公報、特開平10−231441号公報等に開示されている方法により製造することができる。
本発明に用いる複合金属酸化物としては、特にCu−Cr−Mn系またはCu−Fe−Mn系の複合金属酸化物であることが好ましい。Cu−Cr−Mn系の場合には、6価クロムの溶出を低減させるために、特開平8−27393号公報に開示されている処理を施すことが好ましい。これらの複合金属酸化物は添加量に対する着色、つまり、光熱変換効率が良好である。
これらの複合金属酸化物は平均1次粒子径が1μm以下であることが好ましく、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にあることがより好ましい。平均1次粒子径が1μm以下とすることで、添加量に対する光熱変換能がより良好となり、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲とすることで添加量に対する光熱変換能がより良好となる。
ただし、添加量に対する光熱変換能は、粒子の分散度にも大きく影響を受け、分散が良好であるほど良好となる。
したがって、これらの複合金属酸化物粒子は、層の塗布液に添加する前に、別途公知の方法により分散して、分散液(ペースト)としておくことが好ましい。平均1次粒子径が0.01未満となると分散が困難となるため好ましくない。分散には適宜分散剤を使用することができる。分散剤の添加量は複合金属酸化物粒子に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
(画像形成層に含有可能なその他の素材)
本発明に用いられる画像形成層にはさらに以下のような素材を含有させることができる。
水溶性樹脂、水分散性樹脂として、オリゴ糖、多糖類、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、ビニル系重合体ラテックス、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の樹脂がを用いることができる。
これらのなかでは、オリゴ糖、多糖類、ポリアクリル酸が好ましい。
オリゴ糖としては、ラフィノース、トレハロース、マルトース、ガラクトース、スクロース、ラクトースといったものが挙げられるが、特にトレハロースが好ましい。
多糖類としては、デンプン類、セルロース類、ポリウロン酸、プルランなどが使用可能であるが、特にメチルセルロース塩、カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース塩等のセルロース誘導体が好ましく、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩やアンモニウム塩がより好ましい。
ポリアクリル酸としては、分子量3000〜100万であることが好ましく、5000〜50万であることがより好ましい。
また、画像形成層には、水溶性の界面活性剤を含有させることができる。Si系、又はF系等の界面活性剤を使用することができるが、特にSi元素を含む界面活性剤を使用することが印刷汚れを生じる懸念がなく、好ましい。該界面活性剤の含有量は親水性層全体(塗布液としては固形分)の0.01〜3質量%が好ましく、0.03〜1質量%が更に好ましい。
さらに、pH調整のための酸(リン酸、酢酸等)またはアルカリ(水酸化ナトリウム、ケイ酸塩、リン酸塩等)を含有していても良い。
実施例1
(アルミニウム基材)
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を、50℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、溶解量が2g/m2になるように溶解処理を行い水洗した後、25℃の0.1質量%塩酸水溶液中に30秒間浸漬し、中和処理した後水洗した。
次いでこのアルミニウム板を、塩酸10g/L、アルミニウムを0.5g/L含有する電解液により、正弦波の交流を用いて、ピーク電流密度が60A/dm2の条件で電解粗面化処理を行った。この際の電極と試料表面との距離は10mmとした。電解粗面化処理は12回に分割して行い、一回の処理電気量(陽極時)を40C/dm2とし、合計で480C/dm2の処理電気量(陽極時)とした。また、各回の粗面化処理の間に4秒間の休止時間を設けた。
電解粗面化後は、50℃に保たれた1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、粗面化された面のスマット含めた溶解量が0.2g/m2になるようにエッチングし、水洗し、次いで25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、中和処理した後水洗した。
次いで、20%硫酸水溶液中で、20Vの定電圧条件で電気量が150C/dm2となるように陽極酸化処理を行い、さらに水洗した。
(突起状物の形成)
0.1質量%の酢酸アンモニウム水溶液を25℃でのpHが9.0となるように0.5%水酸化ナトリウム水溶液で調整した後、90℃に加温した浴中に、攪拌しながら上記基材を45秒間浸漬した後、流水で十分に洗浄した。その後、80℃の温風で乾燥した。
支持体表面のベーマイト突起状物の高さの測定:原子間力顕微鏡(AFM)(DigitalInstruments社製「NanoscopeIII」マルチ−モードユニット)を用い、タッピングモードで、10mm×10mmの大きさに切り出した支持体試料をスキャナー試料台上にセットし、XY方向にそれぞれ2μmスキャンし、ベーマイト突起状物のZ方向の変位を捉えた。
その際のXY方向の分解能は8nm、Z方向の分解能は1nm、スキャン速度は8nm/秒とした。そのZ方向高さを、得られたAFM像の断面プロファイルにおける頂点と裾部の高さの差より求め、測定点10点の平均値で表した。上記突起の平均高さは90nmであった。
(親水性化合物水溶液による処理)
上記の突起状物が形成された基材を、下記親水性化合物を固形分濃度0.1質量%の水溶液とした浴中に、攪拌しながら30秒浸漬処理後、水洗、乾燥して基材1〜3を作製し、比較として下記基材4、5を作製した。
なお、浸漬時の液温を表1記載の温度に設定した。
基材1
メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体(ダイセル化学工業(株)製VEMA A103)(実施例表中ではVEMAと記載)
基材2
カルボキシメチルセルロースナトリウム(関東化学製(株))0.1質量%水溶液(実施例表中ではCMC−Naと記載)
基材3
けい酸ナトリウム溶液3号(昭和化学株式会社製)
(実施例表中ではけい酸Naと記載)
基材4
比較として、親水性化合物の浸漬処理を行わなかったものを基材4とした。
基材5
基材2において、ベーマイト皮膜の形成工程を省略した以外は基材2と同様にして作製したものを基材5とした。
(画像形成層塗布液の調製)
各素材が下記組成比率からなる画像形成層塗布液、画−1〜画−2を作製し、上記基材1〜5上に乾燥後の固形分付量が0.6g/m2となるように塗布し、55℃で2分乾燥処理をおこない、表1に示す印刷版材料1〜10を作製した。
<画−1>
カルナバワックスエマルション:A118(岐阜セラック社製、固形分40質量%)
7.5部
トレハロース粉体(林原商事社製商品名トレハ、融点97℃)の水溶液固形分10質量% 30.0部
光熱変換色素:ADS830WS(AmericanDyeSource社製)の1質量%水溶液 50.0部
ネックレス状コロイダルシリカ:スノーテックス−PSM(日産化学社製、固形分20質量%) 17.5部
最後に純水で全体の固形分濃度が10質量%となるように添加、調整した。
<画−2>
アクリロニトリル・スチレン・アクリル酸アルキル・メタアクリル酸共重合体エマルション:ヨドゾールGD87B(日本NSC社製、固形分35質量%)
8.6部
トレハロース粉体(林原商事社製商品名トレハ、融点97℃)の水溶液固形分10質量量% 40.0部
光熱変換色素:ADS830WS(AmericanDyeSource社製)の1質量%水溶液 50.0部
ネックレス状コロイダルシリカ:スノーテックス−PSM(日産化学社製、固形分20質量%) 12.5部
最後に純水で全体の固形分濃度が10質量%となるように添加、調整した。
(画像形成)
画像形成は赤外線レーザー露光により行った。露光には波長830nm、スポット径約18μmのレーザービームを用い、レーザービームの焦点を印刷版材料表面に合わせて、露光エネルギーを230mJ/cm2とした条件で、2400dpi(dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す)でベタ露光部と1%から99%までの網点を含む画像を形成した。
(印刷方法)
印刷機:三菱重工業社製DAIYA1F−1の版胴に印刷版材料を取り付け、コート紙、湿し水:アストロマーク3(日研化学研究所製)2質量%、インキ:TKハイエコーM紅(東洋インキ社製)を使用して印刷を行った。
印刷開始のシークエンスはPS版の印刷シークエンスで行い、特別な機上現像操作は行わなかった。
(ベタ部(100%)濃度の測定)
露光部のインキ着肉性を評価するために、100枚印刷した時点でのベタ部の反射濃度を、X−Rite社製X−Rite530を用いてstatus−Tの条件におけるマゼンタ濃度を測定した。
○:1.5以上
△:1.0以上〜1.5未満
×:1.0未満
(機上現像性の評価)
ベタ画像部に適性濃度のインキが着肉し、かつ、95%の網点が開き、さらに地汚れがない印刷物が得られるまでの刷り出し枚数を求め、機上現像性の評価とした。結果を表1に示した。なお、表中の記号は下記の評価結果を示している。
◎:10枚未満
○:10枚以上25枚未満
△:25枚以上50枚未満
×:50枚以上100枚未満
××:100枚以上
(地汚れの評価1)
100枚印刷した時点での地汚れを評価し、結果を表1に示した。なお、表中の記号は下記の評価結果を示している。
○:地汚れなしで良好
△:わずかに地汚れあり
×:地汚れあり
(地汚れの評価2)
3000枚印刷した時点での地汚れを評価し、結果を表1に示した。なお、表中の記号は下記の評価結果を示している。
◎:地汚れなしで良好
○:わずかに地汚れあり
×:地汚れあり
(耐刷性評価)
3%網点画像が欠け始めた時点の印刷枚数を耐刷性の指標とし、結果を表1に示した。
Figure 2005169642
表1に示されたように、本発明の印刷版材料は、良好な刷り出し性を示し、機上現像性に優れており、印刷時地汚れがなく、インキ着肉性が良好であり、かつ印刷枚数を増やしても、網点の欠けや地汚れを生じることがなく、耐刷性に優れていることがわかる。
実施例2
基材2を使用した印刷版6における、酢酸アンモニウム水溶液に浸漬する時間を調整して、表2のように突起の平均高さを調整した以外は、実施例1と同様にして印刷版材料11〜16を作製した。
結果を表2に示す。表2から、本発明の印刷版材料を用いたものは、良好な刷り出し性を示し、機上現像性に優れており、印刷時地汚れがなく、インキ着肉性が良好であり、かつ印刷枚数を増やしても、網点の欠けや地汚れを生じることがなく、耐刷性に優れていることがわかる。
Figure 2005169642

Claims (9)

  1. アルミニウム基材上に印刷機上現像可能な感熱画像形成層を有する印刷版材料において、該アルミニウム基材表面が粗面化されたベーマイト層であり、該粗面化されたベーマイト層の表面が平均高さ50nm〜250nmの突起物形状を有し、該ベーマイト層の表面に親水性化合物を有することを特徴とする印刷版材料。
  2. 前記アルミニウム基材が陽極酸化された基材であることを特徴とする請求項1に記載の印刷版材料。
  3. 前記感熱画像形成層が、前記ベーマイト層上に親水性化合物を付着させた後、設層されたものであることを特徴とする請求項1乃至2記載の印刷版材料。
  4. 前記親水性化合物が前記ベーマイト層を親水性化合物を含む水溶液で処理した後、乾燥することにより得られたものであることを特徴とする請求項1乃至3記載の印刷版材料。
  5. 前記処理の温度が85℃〜100℃であることを特徴とする請求項4記載の印刷版材料。
  6. 前記感熱画像形成層が熱可塑性物質及び光熱変換材を含むことを特徴とする請求項1乃至5記載の印刷版材料。
  7. 前記熱可塑性物質がワックスであることを特徴とする請求項6記載の印刷版材料。
  8. 陽極酸化されたアルミニウム基材上にベーマイトからなる平均高さ50nm〜250nmの突起物形状のベーマイト層を形成し、該ベーマイト層に親水性化合物を付着させた後、該ベーマイト層上に機上現像可能な感熱画像形成層を設けることを特徴とする印刷版材料の製造方法。
  9. 前記親水性化合物の付着が、前記ベーマイト層を親水性化合物を含む水溶液を用い85℃〜100℃で処理し、乾燥することにより、行われることを特徴とする請求項8記載の印刷版材料の製造方法。
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