JP2001096710A - 平版印刷版原版、平版印刷版、それらの作製方法、及び印刷方法 - Google Patents

平版印刷版原版、平版印刷版、それらの作製方法、及び印刷方法

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JP2001096710A JP27660899A JP27660899A JP2001096710A JP 2001096710 A JP2001096710 A JP 2001096710A JP 27660899 A JP27660899 A JP 27660899A JP 27660899 A JP27660899 A JP 27660899A JP 2001096710 A JP2001096710 A JP 2001096710A
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Saburo Hiraoka
三郎 平岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱溶融性粒子を用いて画像形成を行うことに
より得られる平版印刷版の画像にじみを低減し、耐汚れ
性の向上を図り、感度ラチチュードを改善し、耐刷力を
向上すること。前記の平版印刷版の原版を提供するこ
と。版表面に親水性を付与して平版印刷版の耐汚れ性を
向上した印刷方法を提供すること。 【解決手段】 親水性を有する支持体上に、親水材が物
理的に被覆固定された熱溶融性粒子により画像形成が為
されていることを特徴とする平版印刷版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷版に関し、
特に親水材が物理的に被覆固定された熱溶融性粒子によ
り画像形成がなされた平版印刷版に関するものである。
又その平版印刷版の一連の技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の印刷工程は、原稿画像からネガも
しくはポジフィルムを作製、フィルムを介してアルミ砂
目支持体上に感光層を有する平版印刷版材料(原版)に
画像を露光、アルカリ性現像液で現像処理を行うことで
平版印刷版を作製、これを印刷機に取り付け印刷、の作
業を順次行っていた。近年、コンピューターの普及に伴
い、フィルムを介さずに原稿画像データを直接印刷版に
描画するコンピューター・トゥー・プレート(CTP)
技術が普及しつつあり、フィルム作製に要していた時間
短縮、コスト削減が可能となってきている。
【0003】CTPの平版印刷版材料としては、アルミ
砂目支持体上に光重合性感光層を有するものや銀塩を利
用したものなどがあるが、これらの材料は画像形成のた
めにアルカリ性現像液を必要とする。又、CTP普及と
同期して印刷環境もオフィス化が進み、又環境適性の面
からもアルカリ現像液を必要としない、更には全く現像
処理を必要としない平版印刷版材料が望まれるようにな
ってきた。
【0004】例えば特開平11−78226号には親水
性支持体上にインクジェット記録で親油性の画像を描画
し、平版印刷版として利用する方法が開示されている。
又特開平9−1233879号、同9−123388
号、及び同9−127683号には支持体、もしくは印
刷用親水性支持体上に親水性樹脂に分散された熱可塑性
樹脂粒子を含有する画像形成層を担持した平版印刷版と
その作製方法が開示されている。これらの材料では、画
像部は熱可塑性樹脂粒子の熱融着により画像形成され、
一方非画像部では分散された熱可塑性樹脂粒子が親水性
樹脂と共に水で除去できるため、水現像処理可能な画像
形成材料、平版印刷版材料が提供でき、又これらの技術
では直接印刷機に取り付け、印刷時に用いられるエッチ
ング液で現像することにより、専用の現像機を使用とし
ない、セミドライの平版印刷版材料が提供できる。又別
の画像形成方法よりなる平版印刷版材料としては特開昭
57−82825号、同63−265686号、及び同
62−148665号に記載されている、親水性層中に
熱溶融性物質を含有し、ヒートモード記録により画像形
成する平版印刷版材料が開示されている。
【0005】しかしながら、前記平版印刷版には種々の
問題があった。例えば特開平11−78226号記載の
平版印刷版材料では描画時にインクが版面で滲んでしま
うため解像度が劣化することがあり、又特開平9−12
3387号、同9−123388号、同9−12768
3号に記載の平版印刷版材料では水現像性が充分でない
ために、非画線部の汚れが課題となっている。特開昭5
7−82825号、同63−265686号、及び同6
2−148665号に記載の平版印刷版材料は親水性層
中での熱溶融性物質の分散性が悪く、該熱溶融性物質が
版表面に露出し、非画線部の領域において汚れが発生し
やすいという課題が残されている。又いずれも熱溶融性
物質を用いているため、印刷中の印圧により、耐刷性が
劣化するなどの問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、その第1の目的は、熱溶融性
粒子を用いて画像形成を行うことにより得られる平版印
刷版の画像にじみ等に起因する耐汚れ性の向上を図り、
感度ラチチュードを改善し、耐刷力を向上することにあ
る。第2の目的は、前記の平版印刷版が得られる平版印
刷版原版を提供することにある。第3の目的は、版表面
に親水性を付与して平版印刷版の耐汚れ性を向上した印
刷方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上述した目的は
以下の構成により達成された。
【0008】1.親水性を有する支持体上に、親水材が
物理的に被覆固定された熱溶融性粒子により画像形成が
為されていることを特徴とする平版印刷版。
【0009】2.前記親水材の酸価が100〜300で
あることを特徴とする1記載の平版印刷版。
【0010】3.前記熱溶融性粒子が2種以上の熱溶融
成分を有することを特徴とする1又は2記載の平版印刷
版。
【0011】4.1〜3の何れか1項記載の平版印刷版
の作製方法であって、親水材が物理的に被覆固定された
熱溶融性粒子を外部からの付与手段によって平版印刷版
原版上に画像状に付与することを特徴とする平版印刷版
の作製方法。
【0012】5.親水性を有する支持体上に、親水材が
物理的に被覆固定された熱溶融性粒子を含有する層を有
することを特徴とする平版印刷版原版。
【0013】6.前記親水材の酸価が100〜300で
あることを特徴とする5記載の平版印刷版原版。
【0014】7.前記熱溶融性粒子が2種以上の熱溶融
成分を有することを特徴とする5又は6記載の平版印刷
版原版。
【0015】8.5〜7の何れか1項記載の平版印刷版
原版を用いて画像形成を行い、平版印刷版を作製する平
版印刷版の作製方法であって、熱溶融性粒子含有層にお
ける熱溶融性粒子を親水性を有する支持体に画像状に融
着させることを特徴とする平版印刷版の作製方法。
【0016】9.支持体上に親水材が物理的に被覆固定
された熱溶融性粒子を含有する親水性層を有することを
特徴とする平版印刷版原版。
【0017】10.前記親水材の酸価が100〜300
であることを特徴とする9記載の平版印刷版原版。
【0018】11.前記熱溶融性粒子が2種以上の熱溶
融成分を有することを特徴とする9又は10記載の平版
印刷版原版。
【0019】12.9〜11の何れか1項記載の平版印
刷版原版を用いて画像形成を行い、平版印刷版を作製す
る平版印刷版の作製方法であって、親水性層への印字に
より溶融した熱溶融性粒子成分を画像状に該親水性層表
面に染み出させることを特徴とする平版印刷版の作製方
法。
【0020】13.親水材が物理的に被覆固定された熱
溶融性粒子により画像形成が為された平版印刷版を用い
て印刷する方法であって、前記親水材に作用して不感脂
化性を示す湿し水を用いることを特徴とする平版印刷版
の印刷方法。
【0021】14.支持体上に熱溶融性粒子を含有する
親水性層を有する平版印刷版原版の作製方法であって、
前記親水性層を塗設した後、前記熱溶融性粒子表面を親
水化する処理を親水性層表面より施すことを特徴とする
平版印刷版原版の作製方法。
【0022】本発明は熱溶融性粒子を用いた平版印刷版
原版及び熱溶融性粒子を用いて画像形成された平版印刷
版、及び平版印刷版並びにその原版の作製方法に関す
る。又熱溶融性粒子を用いて画像形成された平版印刷版
の印刷方法に関する。
【0023】以下は、本発明の平版印刷版原版、平版印
刷版、及びそれらの作製方法、及び印刷方法について詳
細に記載したものである。
【0024】本発明に用いられる親水材が物理的に被覆
固定された熱溶融性粒子(以下、本発明の熱溶融性粒子
ともいう)は、熱を印加することにより可塑化、流動す
る熱溶融性物質を親水性を有する材料で物理的に被覆
し、粒子状に水分散化したものより得られる。ここでい
う「物理的に被覆固定された」とは、界面活性剤を用い
た熱溶融性粒子の水分散体のように、界面活性剤が熱溶
融性粒子に吸着している形態は含まない。親水材の一部
が熱溶融性粒子内部に埋め込まれ、投錨効果により固定
されていることをいう。
【0025】熱溶融性粒子を用いた種々の平版印刷版、
平版印刷版原版において、本発明の熱溶融製粒子を用い
る場合に、非画線部の耐汚れ性や生保存性などの性能が
向上する。
【0026】本発明の熱溶融性粒子に用いられる熱溶融
性物質としては公知のものが利用でき、例えばワックス
類、アクリル系樹脂、アイオノマー樹脂、酢酸ビニル系
樹脂、塩化ビニル系樹脂、合成ゴム類、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂
などが挙げられる。
【0027】上記の熱溶融性物質は融点が70℃〜18
0℃のものが好ましく、表面エネルギーの親水性成分が
10dyn/cm2以下であることが好ましい。融点が
この温度より低い場合には保存時における性能劣化が起
こり易く、この温度より高い場合には画像の強度が得ら
れず耐刷性が劣化し易い。又表面エネルギーがこの範囲
であると画像部のインク着肉性が良好になる。このよう
な点で熱溶融性物質としてはワックス類、アクリル系樹
脂、合成ゴム類が特に好ましい。
【0028】本発明に利用可能なワックス類としてはカ
ルナバワックス、蜜ろう、鯨ろう、木ろう、ホホバ油、
ラノリン、オゾケライト、パラフィンワックス、モンタ
ンワックス類、キャンデリンワックス、セレシンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、ライスワックスな
どの天然ワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ
ートロプシュワックス、モンタンワックス誘導体、パラ
フィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス
誘導体、高級脂肪酸等が挙げられる。又、乳化しやすく
するためにこれらのワックスを酸化し、水酸基、エステ
ル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ペルオキシド基
などの極性基を導入することもできる。
【0029】本発明に利用可能なアクリル系樹脂として
は、アクリル酸エステル、メタアクリル酸共を必須成分
とした共重合体が挙げられ、例えばメタクリル酸メチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、スチレンなどの少なくとも一種
以上を共重合したものが挙げられる。
【0030】本発明に利用可能な合成ゴム類としては、
ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、
スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル−
ブタジエン共重合体、メタアクリル酸エステル−ブタジ
エン共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリ
ル−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合
体が挙げられる。
【0031】本発明の熱溶融性粒子は2種以上の熱溶融
成分を含有していることが好ましい。ここでいう2種以
上の熱溶融成分とは、構成する熱溶融成分の物性に明ら
かな差があるもので、例えば融点では20℃以上、結晶
化度では10%以上の差があるものが挙げられる。これ
らは感度ラチチュードを拡大したり、耐刷性、生保存性
などにおいて有利に働く。これら2種類の熱溶融性物質
は上述の熱溶融性物質より適宜選ぶことができる。
【0032】本発明の熱溶融性粒子に用いられる親水材
としては公知のものが利用でき、水酸基、カルボキシル
基、(2級又は3級)アミンを有する基、アミノ基、ア
ミド基、カルバモイル基、スルホン酸基、スルホンアミ
ド基、ホスホン酸基、メルカプト基、アルキルエーテル
基のような親水性基を有する化合物等が挙げられ、例え
ば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール骨格
部分を50モル%以上含有する、カルボキシル基,スル
ホ基等のアニオンで変性されたアニオン変性ポリビニル
アルコール、アミノ基,アンモニウム基等のカチオンで
変性されたカチオン変性ポリビニルアルコールなどのポ
リアルコール類、ポリエチレングリコール類、ポリサッ
カライド、例えば、特公昭38−4854号、同40−
12237号、英国特許2,525,753号等に記載
のゼラチン、膠、カゼインなど天然高分子、ヒドロキシ
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチ
ルセルロース、ヒドロキシエチル澱粉、サクローズオク
タアセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナ
トリウム、アラビヤガムなどの多糖類、ポリアクリル
酸、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリビニルアミ
ン、ポリビニルピロリドン、ポリアリルアミン、ポリス
チレンスルホン酸、無水マレイン酸共重合体など下記モ
ノマーの共重合体によるビニル系共重合体、ポリウレタ
ン、ポリエステル等が挙げられる。これらの化合物を単
独又は2種以上混合したものを主成分として用いること
ができる。
【0033】ビニル系共重合体を構成するモノマーとし
ては、下記のものを用いることができる。
【0034】(1)芳香族水酸基を有するモノマー:例
えば、o−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレ
ン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシフェニル
アクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、
m−ヒドロキシフェニルアクリレート等。
【0035】(2)脂肪族水酸基を有するモノマー:例
えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルア
ミド、N−メチロールメタクリルアミド、4−ヒドロキ
シブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルアク
リレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6
−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘ
キシルメタクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)
アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタク
リルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル等。
【0036】(3)アミノスルホニル基を有するモノマ
ー:例えば、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレ
ート、p−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、
m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p−アミ
ノフェニルアクリレート、N−(p−アミノスルホニル
フェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホ
ニルフェニル)アクリルアミド等。
【0037】(4)スルホンアミド基を有するモノマ
ー:例えば、N−(p−トルエンスルホニル)アクリル
アミド、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルア
ミド等。
【0038】(5)α、β−不飽和カルボン酸類:例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレ
イン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等。
【0039】(6)置換又は無置換のアルキルアクリレ
ート:例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ア
ミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アク
リル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシ
ル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アク
リル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル
酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチル
アクリレート、グリシジルアクリレート等。
【0040】(7)置換又は無置換のアルキルメタクリ
レート:例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル
酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニ
ル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メ
タクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、メタク
リル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタク
リル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエ
チルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等。
【0041】(8)アクリルアミド若しくはメタクリル
アミド類:例えば、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリル
アミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェ
ニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミ
ド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−
(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4
−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒ
ドロキシフェニル)メタクリルアミド等。
【0042】(9)フッ化アルキル基を含有するモノマ
ー:例えば、トリフルオロエチルアクリレート、トリフ
ルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピル
メタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレー
ト、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフル
オロペンチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシ
ルメタクリレート、N−ブチル−N−(2−アクリロキ
シエチル)ヘプタデカフルオロオクチルスルホンアミド
等。
【0043】(10)ビニルエーテル類:例えば、エチ
ルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、
プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オク
チルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル類。
【0044】(11)ビニルエステル類:例えば、ビニ
ルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレ
ート、安息香酸ビニル等。
【0045】(12)スチレン類:例えば、スチレン、
メチルスチレン、クロロメチルスチレン等。
【0046】(13)ビニルケトン類:例えば、メチル
ビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケ
トン、フェニルビニルケトン等。
【0047】(14)オレフィン類:例えば、エチレ
ン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレ
ン等。
【0048】(15)N−ビニルピロリドン、N−ビニ
ルカルバゾール、4−ビニルピリジン等。
【0049】(16)シアノ基を有するモノマー:例え
ば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ペン
テンニトリル、2−メチル−3−ブテンニトリル、2−
シアノエチルアクリレート、o−シアノスチレン、m−
シアノスチレン、p−シアノスチレン等。
【0050】(17)アミノ基を有するモノマー:例え
ば、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−
ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリブタジエン
ウレタンアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピ
ルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、
アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルア
ミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等。
【0051】本発明において親水材の好ましい性状とし
ては、その酸価が100〜300のものが良好な印刷適
性を得られる点、粒子作製の面において好ましい。酸価
が100より小さい場合、熱溶融性粒子表面の親水性が
少なくなり、種々の平版印刷版において非画線部の汚れ
性、耐刷性の劣化が見られる。又酸価が300を超える
場合、親水材を被覆することが困難であるなどの製造的
負荷や、その被覆強度が低いことに伴う耐刷性の劣化な
どが見られる。
【0052】本発明において親水材の別の好ましい性状
としては、印刷時に使われる湿し水に含有される成分を
吸着して不感脂化性を示すものが挙げられる。このよう
なものとしてはエッチング液としてカルボキシメチルセ
ルロース(CMC)とリン酸を含有したものを利用する
場合は、親水材としてCMCが、エッチング液としてア
ラビヤガムとリン酸を含有しているものを利用する場合
は、親水材としてアラビヤガムが、エッチング液として
フィチン酸が含有されたものを用いた場合には、親水材
として酸化亜鉛微粒子などが利用できる。
【0053】本発明の熱溶融性粒子の作製方法としては
公知のいくつかの方法が挙げられるが、例えば下記のも
のがある。
【0054】(1)熱溶融性物質及び親水材を高温下に
て溶融混合させ、その溶融混合物を温水の中に滴下後、
スターラー、ホモジナイザーなどを用いて強撹拌、もし
くは小径の孔を通して小粒径化する方法。
【0055】これらの方法によれば、溶媒が水となる
為、混合された親水材が粒子表面に局在化し、かつ粒子
に固定されている。
【0056】(2)熱溶融性粒子に相溶する部位と熱溶
融性粒子と相溶する部位を共に持つブロック構造高分子
の親水材を分散助剤として、その存在下で熱溶融性粒子
を乳化重合により合成する方法。
【0057】この場合、得られた熱溶融性粒子は、親水
材が熱溶融性粒子に相溶する部位で固定された状態で被
覆されている。
【0058】(3)親水材を予め温水に溶解させ、そこ
に溶融した熱溶融性物質を滴下、強撹拌し、単に親水材
で被覆された熱溶融性物質の水分散体を作製した後、更
にこれを加熱撹拌することにより、熱溶融性物質の表面
を軟化させ、親水材−熱溶融性粒子界面の混合を生じさ
せることにより親水材を固定する方法。
【0059】(4)固体状の熱溶融性粒子及び親水材を
ハイブリダイゼーションシステムなどを用いて、高風速
化で衝突させ、熱溶融性粒子表面に親水材を埋め込むメ
カノケミカル法。
【0060】本発明の熱溶融性粒子の親水材と熱溶融性
物質の含有比率は重量比で1:5〜5:5であることが
好ましい。又、熱溶融性粒子の平均粒径としては0.1
〜10μm、更に好ましくは、0.1〜1.5μmであ
ることが好ましい。
【0061】続いて、本発明の熱溶融性粒子を用いて画
像形成が為される平版印刷版について説明する。
【0062】本発明の平版印刷版は親水性を有する支持
体上に、本発明の熱溶融性粒子により画像形成が為され
ていることを特徴とする。
【0063】親水性を有する支持体(即ち平版印刷版原
版)に画像形成を為す方法としては従来より幾多のもの
が知られているが、ここで応用可能な技術としては例え
ば、インクジェット記録タイプ、溶融転写記録タイプ、
熱融着記録タイプ、及び相変化記録タイプなどが挙げら
れる。以下、順に説明する。
【0064】a)親水材が物理的に被覆固定された熱溶
融性粒子を外部からの付与手段にて平版印刷版原版上に
付与することにより画像形成が為される平版印刷版。
【0065】・インクジェット記録タイプ インクジェット記録タイプの平版印刷版は、画像データ
に基づいてインクジェット方式でインクを平版印刷版原
版(ここでは印刷用支持体)上に射出して画像形成を行
い、作製することにより得られる。本発明においては、
射出するインクの一成分として親水材が物理的に被覆固
定された熱溶融性粒子が用いられる。本発明の如く親水
材が物理的に被覆固定された熱溶融性粒子を用いること
で、インクの分散安定性が確保され、印字特性が向上す
る。又、画像状にインクを射出した後のインクが印刷用
支持体表面に浸透し易く、解像度、耐刷性が向上する。
印刷用支持体上に形成した画像を定着する為に、加熱処
理、キセノンフラッシュで全面爆射などをしてもよい。
【0066】本発明においては更に該熱溶融性粒子が2
種以上の熱溶融成分よりなる熱溶融性粒子であること
が、上述の定着処理における印加エネルギーが低くとも
良好な耐刷性が確保できる点で更に好ましい。
【0067】上述のインクには、本発明の熱溶融性粒
子、特に2種以上の熱溶融成分よりなる熱溶融性粒子の
他に水、アルコール類、セルソロブ類、グリコール類、
ケトン類などの溶媒、アゾ系、フタロシアニン系、キナ
クリドン系、アントラキノン系、インジゴ系、メチン系
等の有機顔料もしくは染料、白色顔料、蛍光顔料、カー
ボンブラックなど色素や顔料などの着色剤、公知の界面
活性剤などで構成される。
【0068】インクジェット記録タイプの平版印刷版に
用いられる印刷用支持体としては電気化学的及び/又は
機械的に研磨され、陽極酸化されたアルミニウム板、プ
ラスチックや紙などの柔軟性支持体上に親水性層を塗設
したものなどが挙げられる。キセノンフラッシュで全面
爆射して画像を定着する為には前述のインク、もしくは
親水性層に光熱変換剤を含有させてもよい。
【0069】・溶融転写記録タイプ 溶融転写記録タイプの平版印刷版は、印刷用支持体にド
ナーシート(転写シートともいう)を密着させ、ドナー
シート側から画像データに基づいてサーマルヘッド、も
しくはレーザーヘッドで画像描画して、ドナーシート上
のドナー層(転写層)の一部を印刷用支持体に転写する
ことにより画像形成して平版印刷版を作製するものであ
る。印刷用支持体上に形成した画像を定着する為に、画
像形成後の平版印刷版を加熱処理、キセノンフラッシュ
で全面爆射などをしてもよい。
【0070】この形態においてはドナー層に親水材が物
理的に被覆固定された熱溶融性粒子が含有される。本発
明の如く親水材が物理的に被覆固定された熱溶融性粒子
を用いることで、不本意ながら転写してしまった非画線
部におけるドナー層成分の除去性が改善し耐地汚れ性が
向上する。又該熱溶融性粒子として特に2種以上の熱溶
融成分よりなる熱溶融性粒子が含有されることが好まし
く、感度の向上及び、感度ラチチュードの向上が見込め
る。
【0071】ドナーシートに用いられる支持体としては
プラスチックなど公知の柔軟性支持体が利用できる。ド
ナー層は親水材が物理的に被覆固定された熱溶融性粒
子、特に2種以上の熱溶融成分よりなる熱溶融性粒子
と、その他にドナー層の皮膜形成の為に公知のバインダ
ー、レーザーヘッドで画像形成をする場合には公知の光
熱変換剤などを含有させることができる。
【0072】印刷用支持体としては電気化学的及び/又
は機械的に研磨され、陽極酸化されたアルミニウム板、
プラスチックや紙などの柔軟性支持体上に親水性層を塗
設したものなどが挙げられる。キセノンフラッシュで全
面爆射して画像を定着する為には前述親水性層に光熱変
換剤を含有させてもよい。
【0073】b)親水材が物理的に被覆固定された熱溶
融性粒子含有層における熱溶融性粒子が親水性を有する
支持体に融着することにより画像形成が為される形態。
【0074】・熱融着タイプ 熱融着タイプの平版印刷版原版は、印刷用支持体上に、
親水材が物理的に被覆固定された熱溶融性粒子を含有す
る層を有することを特徴としている。
【0075】熱融着タイプの平版印刷版原版は印刷用支
持体(親水性を有する支持体)上に親水材が物理的に被
覆固定された熱溶融性粒子、特に熱溶融性粒子として2
種以上の熱溶融成分よりなる熱溶融性粒子を含有した画
像形成層を有し、その層表面に画像データに基づいてサ
ーマルヘッドもしくはレーザーヘッドで画像描画して、
描画部における熱溶融性粒子成分を印刷用支持体に融着
(溶融固定)させ、その他の部分は水などで除去するこ
とにより平版印刷版が得られるというものである。
【0076】この形態においては親水材が物理的に被覆
固定された熱溶融性粒子を用いることにより、非画線部
の熱溶融性粒子の除去性が良好になり、耐汚れ性が向上
する。又熱溶融性粒子として特に2種以上の熱溶融成分
よりなる熱溶融性粒子が含有されることが好ましく、感
度の向上及び、感度ラチチュードの向上が見込める。
【0077】又このタイプの平版印刷版原版は画像描画
後、現像処理を行うことなく直接印刷機に設置し印刷機
上で現像処理することも可能である。印刷機上での現像
は特願平10−236521号、及び同10−2491
83号記載の方法及びシステム等が利用できる。このよ
うな方法、システムに用いる場合において親水材が物理
的に被覆固定された熱溶融性粒子を用いることにより、
印刷機の汚染を防止でき、安定した印刷品質が得られ
る。
【0078】親水材が物理的に被覆固定された熱溶融性
粒子を含有する層は該熱溶融性粒子、特に2種以上の熱
溶融成分よりなる熱溶融性粒子の他に、保存時の熱溶融
性粒子の融着を防止する為に特願平11−39883号
に記載される樹脂粒子隔離物質、レーザーヘッドで画像
形成をする場合には公知の光熱変換剤などを含有させる
ことができる。好ましい熱溶融性粒子とその他成分の重
量比率は70:30〜95:5である。
【0079】印刷用支持体としては電気化学的及び/又
は機械的に研磨され、陽極酸化されたアルミニウム板、
プラスチックや紙などの柔軟性支持体上に親水性層を塗
設したものなどが挙げられる。レーザーヘッドで画像形
成をする場合には公知の光熱変換剤などを含有させるこ
とができる。
【0080】c)親水性層への印字により溶融した、親
水材が物理的に被覆固定された熱溶融性粒子成分を画像
状に該親水性層表面に染み出させることにより画像形成
が為される形態。
【0081】・相変化タイプ 相変化タイプの平版印刷版原版は、支持体上に形成され
た親水性層中に、親水材が物理的に被覆固定された熱溶
融性粒子を含有することを特徴としている。該親水性層
に画像データに基づきサーマルヘッドもしくはレーザー
ヘッドで画像描画して、描画部の親水性層中に存在する
熱溶融性粒子成分が表面に浸み出してくる現象を利用し
て画像形成を行い、その他の部分は親水性を維持するこ
とで平版印刷版を形成するものである。
【0082】この形態においては親水材が物理的に被覆
固定された熱溶融性粒子を用いることにより、該熱溶融
性粒子が親水性層中に良好に分散され該親水性層表面に
露出しにくくなる、もしくは露出していても熱溶融性粒
子表面の親水性が高い為に非画線部の耐汚れ性が向上す
る。又熱溶融性粒子として特に2種以上の熱溶融成分よ
りなる熱溶融性粒子が含有されることが好ましく、感度
及び、感度ラチチュードの向上、耐刷性の向上が見込め
る。
【0083】親水材が物理的に被覆固定された熱溶融性
粒子を含有する親水性層としては親水性樹脂を架橋させ
たものが挙げられる。レーザーヘッドで画像形成をする
場合には親水性層中に公知の光熱変換剤などを含有させ
ることができる。
【0084】本発明における相変化タイプの平版印刷版
原版の製造方法としては、支持体上に親水材が物理的に
被覆固定された熱溶融性粒子を含有する親水性層塗布液
を塗布・乾燥する方法が挙げられる。又、本発明におい
ては(前述の熱溶融性粒子が被覆されていようが、いま
いが)、前述の熱溶融性粒子表面を親水化する処理を、
塗設された親水性層表面より施す方法も挙げられる。こ
のような製造方法の一例としては、カルナバワックスな
どエステル結合を有するものを熱溶融性粒子の成分とし
て用い、親水化処理としてアルカリ溶液を塗設された親
水性層表面に塗布する方法が挙げられる。このようにす
ることで、熱溶融性粒子表面に存在するエステル結合が
解裂し、水酸基及びカルボキシル基が発現し、熱溶融性
粒子表面の親水性が向上し、平版印刷版原版自体の親水
性を更に向上させることに繋がる。
【0085】続いて、前述した各種平版印刷版、及び平
版印刷版材料を構成する材料について説明する。
【0086】インクジェット記録タイプ、溶融転写記録
タイプ、熱融着タイプの平版印刷版もしくは平版印刷版
原版に用いられる支持体としては電気化学的及び/又は
機械的に研磨され、陽極酸化されたアルミニウム板が挙
げられる。更に具体的には、表面を砂目立て、陽極酸化
処理、封孔処理を施したアルミニウム板である。
【0087】アルミニウム板を砂目立て処理する方法と
しては、例えば、機械的方法、電解によりエッチングす
る方法が挙げられる。機械的方法としては、例えば、ボ
ール研磨法、ブラシ研磨法、液体ホーニングによる研磨
法、バフ研磨法が挙げられる。アルミニウム材の組成等
に応じて上述の各種方法を単独もしくは組合せて用いる
ことができる。好ましいのは、電解エッチングによる方
法である。
【0088】電解エッチングは、燐酸、硫酸、塩酸、硝
酸等の無機酸を単独ないし2種以上混合した浴で行われ
る。砂目立て処理の後、必要に応じて、アルカリ或いは
酸の水溶液によってデスマット処理を行い中和して水洗
する。
【0089】陽極酸化処理は、電解液として硫酸、クロ
ム酸、シュウ酸、燐酸、マロン酸等を一種又は二種以上
含む溶液を用い、アルミニウム板を陽極として電解して
行われる。形成された陽極酸化被覆量は1〜50mg/
dm2が適当であり、好ましくは10〜40mg/dm2
である。
【0090】封孔処理は、沸騰水処理、水蒸気処理、ケ
イ酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理等が具体例と
して挙げられる。この他にアルミニウム板支持体に対し
て、水溶性高分子化合物や、フッ化ジルコン酸等の金属
塩の水溶液による下引き処理を施すこともできる。
【0091】親水性を有する支持体はその表面の水に対
する接触角が60度以下、より好ましくは40度以下で
ある。親水性を有する支持体の厚さは50〜1000μ
m、好ましくは75〜500μmの範囲であるものを好
適に使用することができる。又、表面粗さが中心線表面
粗さRaで0.2〜0.6μmの範囲及び最大粗さRz
で3.0〜6.0μmの範囲であることが好ましい。
【0092】インクジェット記録タイプ、溶融転写記録
タイプ、熱融着タイプの平版印刷版もしくは平版印刷版
原版に用いられる親水性支持体の別の形態としては、柔
軟性支持体上に親水性結着剤及び/又は自己増膜可能な
コロイダルシリカなど高親水性の粒子よりなる相を必要
に応じて架橋することで親水性層を形成したものが挙げ
られる。親水性を有する支持体に用いられる柔軟性支持
体としては、プラスチックフィルム、例えば、飽和ポリ
エチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタ
レートフィルム、酢酸セルロースフィルム、ポリスチレ
ンフィルム、ポリカーボネートフィルムなど、又紙支持
体なども使用できる。これら柔軟性支持体には親水性層
の接着を向上させるための下引き層が設けられていても
良い。
【0093】親水性層を構成する親水性結着剤として
は、親水性(コ)ポリマー、例えば、ビニルアルコー
ル、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メチ
ロールメタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、
ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタ
クリレートのホモポリマー又はコポリマー、或いはマレ
イン酸/ビニルメチルエーテルコポリマーを用いること
ができる。自己増膜可能な高親水性の粒子としては、コ
ロイドシリカ、アルミナ粒子、酸化チタン又は他の重金
属酸化物の粒子などが挙げられる。
【0094】親水性結着剤を架橋する為の架橋剤として
はホルムアルデヒド、グリオキサル、ポリイソシアナー
ト、加水分解テトラ−アルキルオルトシリケートなどが
利用できる。
【0095】上述の親水性層には、機械的強度の付与、
保水性向上、適度な凹凸付与の為に平均粒径0.1〜5
μmの粒子を含有させてもよい。粒子としてはシリカ、
アルミナ、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルギン酸カ
ルシウム粒子、ポリメタクリル酸メチルの架橋粒子など
公知の粒子を利用できる。
【0096】このようにして構成される親水性層は、相
変化タイプの平版印刷版原版の親水性層にも利用でき
る。
【0097】インクジェット記録タイプのインク及び/
又は親水性を有する支持体、溶融熱転写タイプのドナー
シートのドナー層及び/又は親水性を有する支持体、熱
融着タイプの本発明の熱溶融性粒子を含有する層及び/
又は親水性を有する支持体、相変化タイプの親水性層に
利用できる光熱変換剤としては赤外線を吸収して熱に変
換し得るものであれば制限がない。
【0098】光熱変換剤は、効率良く光を吸収し熱に変
換する材料が好ましく、使用する光源によって異なる
が、例えば、近赤外光を放出する半導体レーザーを光源
として使用する場合、近赤外に吸収帯を有する近赤外光
吸収剤が好ましく、例えば、カーボンブラック、シアニ
ン系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、ス
クワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノ
ン系色素、アントラキノン系色素等の有機化合物、フタ
ロシアニン系、アゾ系、チオアミド系の有機金属錯体な
どが好適に用いられる。
【0099】具体的には、特開昭63−139191
号、同64−33547号、特開平1−160683
号、同1−280750号、同1−293342号、同
2−2074号、同3−26593号、同3−3099
1号、同3−34891号、同3−36093号、同3
−36094号、同3−36095号、同3−4228
1号、同3−97589号、同3−103476号等に
記載の化合物が挙げられる。これらは1種又は2種以上
を組み合わせて用いることができる。
【0100】インクジェット記録タイプ、溶融転写記録
タイプの平版印刷版の印刷用支持体、熱融着タイプ、相
変化タイプの平版印刷版原版に利用できる柔軟性支持体
としてはポリエチレンテレフタレートフィルムやポリナ
フタレートフィルム、酢酸セルロースフィルム、ポリス
チレンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどのプラ
スチックフィルムの他、紙支持体、アルミニウム板など
が利用できる。これらの柔軟性支持体には親水性層の接
着性を向上させる為に、下引き層を塗設しても良い。
【0101】続いて、本発明の平版印刷版を用いた印刷
方法について説明する。
【0102】種々の方法により画像形成された平版印刷
版は、印刷機のシリンダーに取り付けられ、公知の印刷
用インク及び湿し水を用いて、公知の方法で印刷するこ
とが可能である。本発明においては湿し水成分に、熱溶
融性粒子を被覆している親水材と作用して、不感脂化性
を発現するものを選択することが非画線部の耐汚れ性を
向上させる点で好ましい。例えば、親水材としてカルボ
キシメチルセルロースを用いた場合には、湿し水にカル
ボキシメチルセルロースを含有したものを用いる、もし
くは一般に用いられる湿し水にカルボキシメチルセルロ
ースを含有させても良い。別の組合せとしては親水材に
アラビヤガムを用いた場合には湿し水にアラビヤガムを
含有したもの、親水材に酸化亜鉛を用いた場合には湿し
水にフィチン酸を含有したものが用いられることが好ま
しい。
【0103】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれらの例に限定されるものではない。尚、以
下の「部」は特に断りのない限り「重量部」を表す。
【0104】(熱溶融性粒子の作製)下記組成をオイル
バスで150℃に加温されたフラスコに入れ、30分間
溶融混合した。得られた溶融混合物をpH12に調整さ
れた70℃の水の中に滴下すると共に2時間強撹拌する
ことにより、平均粒径が0.3〜1.5μmよりなる親
水材で被覆された熱溶融性粒子の水分散物を得た。得ら
れた水分散物に水を添加し固形分を40%に調整した。
【0105】尚、酸価は各親水材についてNaOHを用
いて中和滴定することにより算出した。又、結晶化度は
熱溶融性物質をフィルム化し、小角散乱X線解析により
得られた散乱光強度データの、全散乱光強度の総和と結
晶部における散乱光強度との比より算出した。
【0106】 ・熱溶融性粒子1の水分散物の組成(酸価100未満) カルナバワックス(融点75℃、結晶化度2%) 38.5部 ケン価度70%のポリビニルアルコール(酸価12mg) 1.5部 ・熱溶融性粒子2の水分散物の組成(酸価300以上) カルナバワックス(融点75℃、結晶化度2%) 38.5部 ポリアクリル酸(酸価420mg) 1.5部 ・熱溶融性粒子3の水分散物の組成(酸価100以上) カルナバワックス(融点75℃、結晶化度2%) 38.5部 ポリビニルアルコールとポリアクリル酸のホモポリマー(酸価140mg) 1.5部 ・熱溶融性粒子4の水分散物の組成(酸価300以上) カルナバワックス(融点75℃、結晶化度2%) 38.5部 ポリヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート・サクシネート (酸価270mg) 1.5部 ・熱溶融性粒子5の水分散物の組成(親水材が湿し水と吸着して不感脂化) カルナバワックス(融点75℃、結晶化度2%) 19.25部 マイクロクリスタリンワックス(融点110℃、結晶化度14%) 19.25部 アラビアガム(酸価120mg) 1.5部 ・熱溶融性粒子6の水分散物の組成(ワックスの融点2種) カルナバワックス(融点75℃、結晶化度2%) 19.25部 ポリエチレンワックス(融点120℃、結晶化度7%) 19.25部 ポリヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート・サクシネート (酸価270mg) 1.5部 ・熱溶融性粒子7の水分散物の組成(ワックスの結晶化度2種) カルナバワックス(融点75℃、結晶化度2%) 19.25部 マイクロクリスタリンワックス(融点110℃、結晶化度14%) 19.25部 ポリヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート・サクシネート (酸価270mg) 1.5部 ・熱溶融性粒子8の水分散物の組成(高融点ワックス1種) ポリエチレンワックス(融点120℃、結晶化度7%) 38.5部 ポリヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート・サクシネート (酸価270mg) 1.5部 ・熱溶融性粒子9の水分散物の組成(高結晶性ワックス1種) マイクロクリスタリンワックス(融点110℃、結晶化度14%) 38.5部 ポリヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート・サクシネート (酸価270mg) 1.5部 ・熱溶融性粒子10の水分散物の組成(ワックス1種、親水材被覆なし) カルナバワックス(融点75℃、結晶化度2%)100
gをオイルバスで150℃に加温されたフラスコに入
れ、30分間溶融した。得られた溶融物を、界面活性剤
レベノールWX(ポリオキシエチレンアルキルエーテル
硫酸ナトリウム)を1%含有した70℃の水500g中
に滴下し、2時間撹拌することにより、加熱残分20%
の熱溶融性粒子10の水分散物を得た。
【0107】・熱溶融性粒子11の水分散物の組成(高
融点ワックス1種、親水材被覆なし) カルナバワックスをポリエチレンワックス(融点120
℃、結晶化度7%)に変更した以外は熱溶融性粒子10
と同様の方法により、熱溶融性粒子11の水分散物を得
た。
【0108】・熱溶融性粒子12の水分散物の組成(高
結晶性ワックス1種、親水材被覆なし) カルナバワックスをマイクロクリスタリンワックス(融
点110℃、結晶化度14%)に変更した以外は熱溶融
性粒子10と同様の方法により、熱溶融性粒子12の水
分散物を得た。
【0109】実施例1 (1)インクジェット記録タイプ (親水性を有する支持体の作製)平版ベースの製造厚さ
が0.24mmのアルミニウム箔を50℃において5g
/lの水酸化ナトリウムを含有する水溶液に沈め、脱イ
オン水で濯ぐことにより脱脂した。次いで35℃の温度
及び1200A/m2の電流密度において交流を用い、
4g/lの塩酸、4g/lの硼酸及び5g/lのアルミ
ニウムイオンを含有する水溶液中で箔を電気化学的に研
磨し、0.5μmの平均中心線粗さを有する表面トポロ
ジーを形成した。脱イオン水で濯いだ後、次いで300
g/lの硫酸を含有する水溶液を用い、60℃において
180秒間アルミニウム箔をエッチングし、25℃にお
いて30秒間脱イオン水で濯いだ。続いて箔を200g
/lの硫酸を含有する水溶液中で、45℃の温度、約1
0Vの電圧及び150A/m2の電流密度において約3
00秒間陽極酸化に供し、3.00g/m2のAl23
の陽極酸化フィルムを形成し、次いで脱イオン水で濯
ぎ、20g/lの重炭酸ナトリウムを含有する溶液を用
い、40℃で30秒間後処理し、続いて脱イオン水を用
い、20℃で120秒間濯ぎ、乾燥した。研磨され、陽
極酸化された平版ベースを次いで5%w/wのクエン酸
を含有する水溶液に60秒間沈め、2Nの水酸化ナトリ
ウムの水溶液を用いて60秒間、pH7とし、脱イオン
水で濯ぎ、25℃で乾燥し、印刷版用の親水性を有する
支持体(印刷用支持体)を得た。
【0110】(インクジェットインクの調製及び平版印
刷版の作製)前記熱溶融性粒子を用いて以下のインク1
〜5を作製し、インクジェットヘッドにより150線で
2%相当のドットを前記印刷用支持体上に描画し、平版
印刷版1〜5を得た。得られた平版印刷版を画像定着の
為、100℃及び150℃で1分間加熱処理をした。
【0111】 ・インク1 熱溶融性粒子1の水分散物(40%の水分散物) 10部 純水 10部 ・インク2 熱溶融性粒子7の水分散物(40%の水分散物) 10部 純水 10部 ・インク3 熱溶融性粒子9の水分散物(40%の水分散物) 10部 純水 10部 ・インク4 熱溶融性粒子1の水分散物(40%の水分散物) 5部 熱溶融性粒子9の水分散物(40%の水分散物) 5部 純水 10部 ・インク5 熱溶融性粒子の水分散物10(20%の水分散物) 20部 得られた平版印刷版をハイデルGTO印刷機に取り付
け、エッチング液としてSEU−3(コニカ(株)製)
の45倍水希釈液、インクとしてハイエコー紅(東洋イ
ンキ製造(株)製)を用い、印刷紙としてアート紙を用
いて印刷を行った。以下のように評価を行い、得られた
結果を以下の表1に示す。
【0112】(評価) ・画像滲み 印刷物上の2%網点画像の形状より、画像滲みがあるか
否かを判断した。
【0113】○・・・滲みがない ×・・・滲みがある。
【0114】・耐刷性 印刷物上の2%網点画像がかすれる枚数を耐刷性の指標
とした。
【0115】
【表1】
【0116】粒子:インクに用いられた熱溶融性粒子 表1から明らかなように、親水性樹脂で被覆された熱溶
融性粒子をインクに用いることにより、画像滲みのない
良好な印刷物が得られることが分かる(印刷版1〜
4)。これは、熱溶融性粒子の表面の親水性が高いこと
により、印刷用支持体に浸透しやすい為と推測される。
又、熱溶融性粒子が印刷用支持体に浸透しやすい為に、
より高い耐刷性が得られることが確認された。
【0117】又結晶性の高いものと低いものの異なる2
成分のワックスよりなる熱溶融性粒子7を用いること
で、低い温度での定着処理でも良好な耐刷性を示すこと
が確認された(印刷版2)。
【0118】実施例2 (2)熱融着タイプ 下記組成よりなる親水性層塗布液にSGI分散を2時間
施した後、厚み175μmよりなるPETのコロナ放電
処理面に膜厚2.5g/m2になるように塗設した後、
100℃で10分間乾燥し、親水性支持体を得た。
【0119】 ・親水性層塗布液 AMTシリカ200B(水澤化学工業) 8.0部 スノーテックスOS(日産化学(株)製) 24.8部 チタンブラック13M(三菱マテリアル) 1.9部 ゴーセファイマーZ−100(反応性PVA ;日本合成化学工業(株))の10%水溶液 11.2部 スミレーズレジン613(メラミン樹脂の80%水溶液 ;住友化学工業(株))の10%水溶液 1.6部 純水 34.3部 前記親水性支持体上に以下の画像形成層組成を乾燥時の
膜厚が1.0g/m2になるように塗布し、50℃、3
分間乾燥させ、平版印刷版原版1〜4を得た。
【0120】 ・画像形成層組成1 熱溶融性粒子8の水分散物(40%の水分散物) 18.75部 スノーテックス20L(固形分20%:日産化学工業(株))12.5部 純水 8.75部 ・画像形成層組成2 熱溶融性粒子6の水分散物(40%の水分散物) 18.75部 スノーテックス20L(固形分20%:日産化学工業(株))12.5部 純水 8.75部 ・画像形成層組成3 熱溶融性粒子1の水分散物(40%の水分散物) 9.4部 熱溶融性粒子8の水分散物(40%の水分散物) 9.4部 スノーテックス20L(固形分20%:日産化学工業(株))12.5部 純水 8.75部 ・画像形成層組成4 熱溶融性粒子11の水分散物(20%の水分散物) 37.5部 スノーテックス20L(固形分20%:日産化学工業(株))12.5部 純水 50部 得られた平版印刷版原版に半導体レーザー光源(発光波
長830nm、スポット寸法10μmの光源で走査速度
2.2m/秒、解像度は走査方向、副走査方向ともに2
000dpi)を用い、175線相当で2%網点画像、
50%スクウェアードット画像を、画像面におけるエネ
ルギー量を50mJ/cm2おきに200〜500mJ
/cm2の範囲で画像形成層側から照射した。
【0121】露光処理され得られた平版印刷版は現像処
理をしないでハイデルGTO印刷機に取り付け、エッチ
ング液としてSEU−3(コニカ(株)製)の45倍水
希釈液、インクとしてハイエコー紅(東洋インキ製造
(株)製)を用い、印刷紙としてアート紙を用いて印刷
を行った。以下のように評価を行い、得られた結果を以
下の表2に示す。
【0122】(評価) ・非画線部汚れ 得られた印刷物の非画線部に、汚れがなく実用上利用可
能なものを○、汚れがあり利用不可能なものを×として
評価した。
【0123】・感度、及び感度ラチチュード 得られた印刷物の50%スクウェアードット画像が細っ
たり太ったりすることのないエネルギー量の範囲を感度
ラチチュードとした。又、そのエネルギー量の範囲の最
低点をその平版印刷版の感度とした。
【0124】・耐刷性 前記感度における印刷物上の2%網点画像がかすれる枚
数を耐刷性の指標とした。
【0125】
【表2】
【0126】粒子:画像形成層中の熱溶融性粒子 表2から明らかなように、親水性樹脂で被覆された熱溶
融性粒子を用いることで、非画線部が汚れない良好な印
刷物が得られた(印刷版原版1〜3)。又、融点の異な
る2成分のワックスよりなる熱溶融性粒子を用いること
で、感度ラチチュードの広い平版印刷版が提供された
(印刷版原版2)。
【0127】実施例3 (3)相変化(浸み出し)タイプ 厚み175μmのPET支持体のコロナ放電処理面に下
記の画像形成層組成を乾燥時の膜厚が2g/m2となる
ように塗布、70℃で10分乾燥した後、55℃で24
時間キュア処理をして平版印刷版原版5〜13を得た。
【0128】得られた平版印刷版原版に半導体レーザー
光源(発光波長830nm、スポット寸法10μmの光
源で走査速度2.2m/秒、解像度は走査方向、副走査
方向ともに2000dpi)を用い、175線相当で2
%網点画像、50%スクウェアードット画像を画像面に
おけるエネルギー量を50mJ/cm2おきに200〜
500mJ/cm2の範囲で画像形成層側から照射し
た。
【0129】露光処理され得られた平版印刷版は現像処
理をしないでハイデルGTO印刷機に取り付け、エッチ
ング液としてSEU−3(コニカ(株)製)の45倍水
希釈液、インクとしてハイエコー紅(東洋インキ製造
(株)製)を用い、印刷紙としてアート紙を用いて印刷
を行い、実施例1及び2と同様にして評価をした。
【0130】 ・平版印刷版原版5の画像形成層組成 熱溶融性粒子2の水分散物(40%の水分散物) 7.5部 スノーテックスS(固形分30%:日産化学工業(株)) 10.5部 シルトンAMT08 3.1部 SD Black9020(カーボンブラック含有率30% 水分散液大日本インキ化学工業(株)製) 2.3部 純水 26.6部 ・平版印刷版原版6の画像形成層組成 熱溶融性粒子3の水分散物(40%の水分散物) 7.5部 スノーテックスS(固形分30%:日産化学工業(株)) 10.5部 シルトンAMT08 3.1部 SD Black9020(カーボンブラック含有率30% 水分散液大日本インキ化学工業(株)製) 2.3部 純水 26.6部 ・平版印刷版原版7の画像形成層組成 熱溶融性粒子4の水分散物(40%の水分散物) 7.5部 スノーテックスS(固形分30%:日産化学工業(株)) 10.5部 シルトンAMT08 3.1部 SD Black9020(カーボンブラック含有率30% 水分散液大日本インキ化学工業(株)製) 2.3部 純水 26.6部 ・平版印刷版原版8の画像形成層組成 熱溶融性粒子5の水分散物(40%の水分散物) 7.5部 スノーテックスS(固形分30%:日産化学工業(株)) 10.5部 シルトンAMT08 3.1部 SD Black9020(カーボンブラック含有率30%水分散液 大日本インキ化学工業(株)製) 2.3部 純水 26.6部 ・平版印刷版原版9の画像形成層組成 熱溶融性粒子6の水分散物(40%の水分散物) 7.5部 スノーテックスS(固形分30%:日産化学工業(株)) 10.5部 シルトンAMT08 3.1部 SD Black9020(カーボンブラック含有率30%水分散液 大日本インキ化学工業(株)製) 2.3部 純水 26.6部 ・平版印刷版原版10の画像形成層組成 熱溶融性粒子7の水分散物(40%の水分散物) 7.5部 スノーテックスS(固形分30%:日産化学工業(株)) 10.5部 シルトンAMT08 3.1部 SD Black9020(カーボンブラック含有率30% 水分散液大日本インキ化学工業(株)製) 2.3部 純水 26.6部 ・平版印刷版原版11の画像形成層組成 熱溶融性粒子1の水分散物(40%の水分散物) 3.7部 熱溶融性粒子9の水分散物9(40%の水分散物) 3.7部 スノーテックスS(固形分30%:日産化学工業(株)) 10.5部 シルトンAMT08 3.1部 SD Black9020(カーボンブラック含有率30% 水分散液大日本インキ化学工業(株)製) 2.3部 純水 26.6部 ・平版印刷版原版12の画像形成層組成 熱溶融性粒子9の水分散物9(40%の水分散物) 7.5部 スノーテックスS(固形分30%:日産化学工業(株)) 10.5部 シルトンAMT08 3.1部 SD Black9020(カーボンブラック含有率30% 水分散液大日本インキ化学工業(株)製) 2.3部 純水 26.6部 ・平版印刷版原版13の画像形成層組成 熱溶融性粒子12の水分散物(20%の水分散物) 15.0部 スノーテックスS(固形分30%:日産化学工業(株)) 10.5部 シルトンAMT08 3.1部 SD Black9020(カーボンブラック含有率30% 水分散液大日本インキ化学工業(株)製) 2.3部 純水 19.1部 (評価) ・感度、感度ラチチュード 実施例2と同様の方法により評価した。
【0131】・耐刷性 非画線部汚れについては、得られた印刷物非画線部を反
射濃度計マクベスRD904で測定し、濃度が0.01
以上になった枚数を、非画線部の耐刷性として評価し
た。
【0132】画像部の滲みについては、得られた印刷物
の画像部フリンジに滲みが見られる枚数を画像部の耐刷
性として評価した。得られた結果を以下の表3に示す。
【0133】
【表3】
【0134】粒子:画像形成層中の熱溶融性粒子 表3から明らかなように、親水性樹脂で被覆された熱溶
融性粒子を用いることで、非画線部に汚れのない印刷物
が得られることが分かる(印刷版原版5〜12)。更
に、親水材の酸価が100〜300mg/gの範囲にあ
るものは更に非画線部の耐刷性が改善されている。又、
結晶性の高いものと低いもの、融点の異なる2成分のワ
ックスよりなる熱溶融性粒子を用いることで、感度ラチ
チュードが広く、画像部の滲みの出にくい良好な印刷物
が得られる平版印刷版が作製できた(印刷版原版8、
9)。
【0135】実施例4 実施例3における平版印刷版原版8を用い、エッチング
液としてSEU−3(コニカ(株)製)の45倍水希釈
液にアラビアガムとリン酸を各々0.5wt%の濃度に
なるように添加したものを用いた以外は実施例3と同様
の印刷方法で印刷し、同様の評価をした。これを印刷版
原版14とする。得られた結果を表4に示す。
【0136】
【表4】
【0137】粒子:画像形成層中の熱溶融性粒子 表4から明らかなように、エッチング液として熱溶融性
粒子表面に配向して不感脂性を示すものを用いることで
非画線の耐刷性が更に向上することが分かる。
【0138】実施例5実施例3における平版印刷版原版
7の画像形成層表面を水酸化ナトリウム1%水溶液で3
0秒間浸漬した後、純水で水洗、乾燥した以外は実施例
3と同様の印刷方法で印刷し、同様の評価をおこなっ
た。これを印刷版原版15とする。得られた結果を表5
に示す。
【0139】
【表5】
【0140】粒子:画像形成層中の熱溶融性粒子 表5から明らかなように、非画線部の耐刷性が向上して
いる。これは熱溶融性粒子の一成分であるカルナバワッ
クスのエステル結合がアルカリにより開裂し、表面にカ
ルボキシル基、水酸基が配向することにより非画線部の
親水性が強化され、耐刷性が向上した為と推測される。
【0141】
【発明の効果】本発明によれば、熱溶融性粒子を用いて
画像形成を行うことにより得られる平版印刷版の画像に
じみを低減し、耐汚れ性の向上を図り、感度ラチチュー
ドを改善し、耐刷力を向上することができるという顕著
に優れた効果を奏する。又、前記の平版印刷版の原版と
なる優れた平版印刷版原版を提供することができるだけ
でなく、得られた平版印刷版表面に親水性を付与して平
版印刷版の耐汚れ性を向上した印刷方法についても提供
することができる。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性を有する支持体上に、親水材が物
    理的に被覆固定された熱溶融性粒子により画像形成が為
    されていることを特徴とする平版印刷版。
  2. 【請求項2】 前記親水材の酸価が100〜300であ
    ることを特徴とする請求項1記載の平版印刷版。
  3. 【請求項3】 前記熱溶融性粒子が2種以上の熱溶融成
    分を有することを特徴とする請求項1又は2記載の平版
    印刷版。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項記載の平版印
    刷版の作製方法であって、親水材が物理的に被覆固定さ
    れた熱溶融性粒子を外部からの付与手段によって平版印
    刷版原版上に画像状に付与することを特徴とする平版印
    刷版の作製方法。
  5. 【請求項5】 親水性を有する支持体上に、親水材が物
    理的に被覆固定された熱溶融性粒子を含有する層を有す
    ることを特徴とする平版印刷版原版。
  6. 【請求項6】 前記親水材の酸価が100〜300であ
    ることを特徴とする請求項5記載の平版印刷版原版。
  7. 【請求項7】 前記熱溶融性粒子が2種以上の熱溶融成
    分を有することを特徴とする請求項5又は6記載の平版
    印刷版原版。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7の何れか1項記載の平版印
    刷版原版を用いて画像形成を行い、平版印刷版を作製す
    る平版印刷版の作製方法であって、熱溶融性粒子含有層
    における熱溶融性粒子を親水性を有する支持体に画像状
    に融着させることを特徴とする平版印刷版の作製方法。
  9. 【請求項9】 支持体上に親水材が物理的に被覆固定さ
    れた熱溶融性粒子を含有する親水性層を有することを特
    徴とする平版印刷版原版。
  10. 【請求項10】 前記親水材の酸価が100〜300で
    あることを特徴とする請求項9記載の平版印刷版原版。
  11. 【請求項11】 前記熱溶融性粒子が2種以上の熱溶融
    成分を有することを特徴とする請求項9又は10記載の
    平版印刷版原版。
  12. 【請求項12】 請求項9〜11の何れか1項記載の平
    版印刷版原版を用いて画像形成を行い、平版印刷版を作
    製する平版印刷版の作製方法であって、親水性層への印
    字により溶融した熱溶融性粒子成分を画像状に該親水性
    層表面に染み出させることを特徴とする平版印刷版の作
    製方法。
  13. 【請求項13】 親水材が物理的に被覆固定された熱溶
    融性粒子により画像形成が為された平版印刷版を用いて
    印刷する方法であって、前記親水材に作用して不感脂化
    性を示す湿し水を用いることを特徴とする平版印刷版の
    印刷方法。
  14. 【請求項14】 支持体上に熱溶融性粒子を含有する親
    水性層を有する平版印刷版原版の作製方法であって、前
    記親水性層を塗設した後、前記熱溶融性粒子表面を親水
    化する処理を親水性層表面より施すことを特徴とする平
    版印刷版原版の作製方法。
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