JP2001333728A - 桑葉エキス配合甘味料およびその製造方法 - Google Patents
桑葉エキス配合甘味料およびその製造方法Info
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Abstract
異臭、異色が除去されていて通常の糖類と同様に使用で
き、しかも、摂取しても低カロリーで、糖質の急激な血
糖値上昇作用を抑えることのできる甘味料を提供する。 【解決手段】桑葉から水、アルコールあるいはその混合
溶液により抽出した桑葉エキスを陽イオン交換樹脂ある
いは活性炭で脱色、脱臭処理して得た本精製桑葉エキス
を、この本精製桑葉エキスの有効成分であるDNJ(1-
デオキシノジリマイシン)が、糖類に対して含量比で0.
0001〜0.1%となるよう糖類に配合した。
Description
配合せしめた甘味料及びその製造方法に関する。
は大きな社会問題となってきており、エネルギー摂取を
抑制する食生活のスタイルが求められている。このよう
な状況の中で、砂糖はその摂取が急激な血糖値の上昇に
つながることやその代謝にインスリン分泌を伴うことな
どから過剰摂取は肥満そして糖尿病の原因になるとして
敬遠される傾向が見られる。
ネルギー甘味料が開発されているが、砂糖の優れた味質
に対抗できる甘味料は未だになく、また、保存性の向
上、保水性、保型性、ボディー感、ツヤ出しなど砂糖の
持つ二次機能すべてを代替できる甘味料もない。
によってグルコースとフラクトースに分解された後に吸
収される。このスクラーゼの作用を阻害するような食品
素材があれば、この素材を砂糖と混合して砂糖の吸収を
抑制することにより、低カロリーかつ急激な血糖値の上
昇を抑制することが可能な甘味料となる。そして、摂取
過剰でも肥満や糖尿病を予防できる可能性がある。
ターゼのような小腸二糖類分解酵素の強力な阻害物質で
あるアカルボース、ボグリボースなどが糖類の消化、吸
収を抑制することが知られ、糖尿病治療薬として開発さ
れている。
ス、D-キシロースなどの五炭糖類、桑葉エキス、スリラ
ンカのツル性植物であるサラシアエキスなどの植物エキ
スが小腸二糖類分解酵素を阻害することが知られてい
る。
物質は砂糖などの糖類へ多量に配合しないと効果が得ら
れず、また、同阻害物質が配合された糖類は本来の味質
やその他の二次機能が損なわれるなどの理由から商品を
実用化した例は現在のところ見られない。それで、糖類
に配合しても糖類本来の味質やその他の二次機能が損な
われることのない食品素材が求められている。
に、本発明者らは食品素材の中から、強力な小腸二糖類
分解酵素の阻害作用を持つ桑葉エキスに着目し、これを
砂糖などの糖類に配合することにより、砂糖などの糖類
本来の品質が保持された低カロリーの甘味料を提供でき
るようにした。
マイシン)と呼ばれる桑特有の成分が含まれており、こ
のDNJは小腸二糖類分解酵素であるスクラーゼやマル
ターゼの阻害物質であり、血糖値上昇抑制効果があるこ
とが知られている(Y. Yoshikuni : Agric. Biol. Che
m., 52, (1), 121 (1988))。
アルコールあるいはその混合溶液で抽出したもので、市
販品として「DNJ エキスパウダー」、「DNJ エキスB25
」(いずれもトヨタマ健康食品(株) 製)などがあ
り、これらはお茶やタブレットといった製品に配合さ
れ、食品として用いられている。
合する場合、一般的な桑葉エキスの糖類への配合比をそ
の有効量の下限であるDNJ含量比で0.001%と低く抑え
たものでも、桑葉独特の苦味・渋味、匂い、色(色素)
が強いため甘味料としては問題がある。
J含量はそのままに、色(色素)成分や異味・異臭の原
因となる物質を除去した本精製桑葉エキスを作成し、そ
の本精製桑葉エキスを砂糖などの糖類に配合した。
るいはその混合溶液により抽出した桑葉エキスを、陽イ
オン交換樹脂あるいは活性炭で脱色、脱臭処理して本精
製桑葉エキスを作成した。
NJ含有量はそのままであるが、それ以外の色(色素)
成分や異味・異臭の原因となる物質が除去されているこ
とが確認された。
糖類に配合した甘味料は、糖類本来の甘味は損なわれて
いないが、匂い、色が抑えられたものとなっており、し
かも、低カロリーで、摂取によっても血糖値の急激な上
昇を抑えるという新たな機能性を有するものであること
を確認した。
合比をDNJ含量で0.0001%以下とすると、小腸二糖類
分解酵素の阻害作用が弱いため、血糖値の上昇抑制など
の効果が期待できず、また、本精製桑葉エキスの配合比
をDNJ含量で0.1%以上とすると、糖類の甘味以外の異
味や異臭が強すぎて甘味料として使用できない。したが
って、本発明においては糖類に対する本精製桑葉エキス
のDNJ配合比を0.0001〜0.1%とした。
二糖類分解酵素で分解されるものが対象となるので、ス
クロース、マルトースあるいはマルトースを構成糖とす
るオリゴ糖、あるいはこれらの混合物である。
製造方法は、桑葉から、水、アルコールあるいはその混
合溶液により抽出した桑葉エキスを陽イオン交換樹脂あ
るいは活性炭で脱色、脱臭処理して得た本精製桑葉エキ
スの水溶液を、例えば回転釜中で糖類の粒子表面に噴霧
し付着させた後、熱風乾燥、あるいは噴霧乾燥などの手
段により製造することができる。
スを濾過(0.45μm、クロマトディスク13A、クラボウ
製)し、10μlを試料とした。 分析条件はカラム:Hibar LiChrosorbNH2 (5μm、Cica
-MERCK製)、移動相:アセトニトリル−水(70:30)、
流速:1.0ml/min、検出:RI(L-7490、日立製)とし
た。DNJのピーク面積から含有量を求めた。
による脱色、脱臭 陽イオン交換樹脂カラム(ダウエックス50W×4、H+
型、23mm×120mm)に桑葉エキス水溶液(「DNJ エキスB
25」トヨタマ健康食品(株)製、DNJ含有率0.2%)5.
0ml(固形分1.25g)を供給した後、脱塩水100mlを通し
て非吸着分を除去した。次いで、カラム吸着部を100ml
の2Nアンモニア水で溶出させ、このアンモニア溶出液を
ロータリーエバポレーターで減圧濃縮してアンモニアを
除去した後、脱塩水で5mlに調整した。
後の桑葉エキスのDNJ含量に変化はなかった。陽イオ
ン交換樹脂処理前と処理後の桑葉エキスの色度の比較を
表1に示す。このように樹脂処理により色度は低く抑え
られることが判明した。
品(株)製、DNJ含有率0.2%)5.0ml(固形分1.25g)に
粒状活性炭(白鷺MC100)12.5mgを添加し、沸騰水浴中
で10分間撹拌した。遠心分離(15,000rpm、5分間)し
て活性炭を除き、この除いた活性炭に脱塩水5mlを加え
てから前と同様に遠心分離して活性炭を除いた。この2
回の遠心分離で得られた上澄み液を合わせた後、処理前
と同じ容量(5.0ml)になるようにロータリーエバポレ
ーターで濃縮して調整した。
キスのDNJ含量に変化はなかった。活性炭処理前と処
理後の桑葉エキスの色度の比較を同じく表1に示す。こ
のように活性炭処理により色度は低く抑えられることが
判明した。
ス配合甘味料の製造 陽イオン交換樹脂あるいは活性炭で処理した本精製桑葉
エキス水溶液30mlをロータリーエバポレーターで5倍に
濃縮した。グラニュ糖(日新製糖(株)製)1.0kgを回転
釜に投入し、回転釜中で転動させつつドライヤーの熱風
を吹き付け、糖内部温度を約60℃とした。濃縮した本精
製桑葉エキス6.0mlを少量ずつ噴霧して、グラニュ糖の
粒子表面に本精製桑葉エキスを付着させた後、熱風の吹
き込みにより40分間乾燥させて、乾燥物992.7g(DNJ
の含量比0.006%)を得た。
料の官能検査 未処理桑葉エキス、陽イオン交換樹脂処理の本精製桑葉
エキスおよび活性炭処理の本精製桑葉エキスをそれぞれ
配合したグラニュ糖の匂い・味の官能検査を5人で行っ
たところ、次表2に示す結果が得られた。
や活性炭で処理して本精製桑葉エキスとすることにより
明らかに異味・異臭が減少することが判明した。また、
これらをコーヒー・紅茶に10% 入れ、官能検査を行った
ところ、活性炭処理、陽イオン交換樹脂処理ともに異味
・異臭は全く感じられず、グラニュ糖のみの場合と変わ
らず良好であった。
ースを溶解して2%としたものを使用し、酵素液としてラ
ット小腸アセトン粉末(Sigma製)より超音波処理で抽
出した水溶液を使用し、また被検液として各濃度の桑葉
エキス水溶液を使用した。上述した基質液 200μl、被
検液 150μl、酵素液50μlの合計 400μlを混合し、
37℃、60分間反応を行った後、沸騰水浴中で5分間処理
し反応を停止させた。
m、5分間)した後、生成グルコース量をグルコースBテ
ストワコー(和光純薬工業(株)製)にて測定し、桑葉エ
キス無添加の反応における生成グルコース量に対する各
桑葉エキス添加反応における生成グルコース量の割合か
らスクラーゼ阻害率を求めた(図1)。
とによって、スクラーゼの阻害作用の強さはほとんど変
わらないことから、有効成分のDNJ含量も変わらない
と判断できた。
上昇抑制作用 一晩絶食した健常ボランティア(32歳、男性) にグラニ
ュ糖50gのみあるいは前記5で製造した桑葉エキス配合
グラニュ糖50gを摂取させ、指先から摂取直後、0.5、1.
0、1.5、2.0および3.0時間後に血液を採取し、富士ドラ
イケム血糖値測定機で血糖値を測定した。グラニュ糖摂
取、桑葉エキス配合グラニュ糖摂取をそれぞれ3回ずつ
試験し、平均値を比較した(図2)。このようにグラニ
ュ糖のみを摂取した場合と比較して桑葉エキス配合グラ
ニュ糖は血糖値の上昇を有効に抑制した。
よび活性炭は、上述した実施例にて使用したものに限定
されるものではなく、市販されているものはどれでも使
用することができる。
を糖類に配合した本発明の甘味料は、糖類本来の甘味が
損なわれることなく保持されており、また、異味や異
臭、緑色等の異色が除去されたものとなっていて、通常
の糖類と同様に使用できる。しかも、小腸二糖類分解酵
素の阻害効果が未処理の桑葉エキスとそのまま変わらな
いので、摂取しても低カロリーで、糖質の急激な血糖値
上昇作用が抑えられ、健康甘味料としてまことに有用で
ある。
フ。
抑制作用を示すグラフ。
Claims (4)
- 【請求項1】桑葉から水、アルコールあるいはその混合
溶液により抽出した桑葉エキスを陽イオン交換樹脂ある
いは活性炭で脱色、脱臭処理して得た本精製桑葉エキス
を、この本精製桑葉エキスの有効成分であるDNJ(1-
デオキシノジリマイシン)が、糖類に対して含量比で0.
0001〜0.1%となるよう糖類に配合してなることを特徴と
する桑葉エキス配合甘味料。 - 【請求項2】前記糖類がスクロース、マルトースあるい
はマルトースを構成糖とするオリゴ糖、またはこれらの
混合物であることを特徴とする請求項1に記載の甘味
料。 - 【請求項3】桑葉から水、アルコールあるいはその混合
溶液により抽出した桑葉エキスを陽イオン交換樹脂ある
いは活性炭で脱色、脱臭処理して得た本精製桑葉エキス
を、この本精製桑葉エキスの有効成分であるDNJ(1-
デオキシノジリマイシン)が、糖類に対して含量比で0.
0001〜0.1%となるよう糖類に噴霧することにより糖類の
粒子表面に前記本精製桑葉エキスを付着させ、乾燥させ
ることを特徴とする甘味料の製造方法。 - 【請求項4】前記糖類がスクロース、マルトースあるい
はマルトースを構成糖とするオリゴ糖、またはこれらの
混合物であることを特徴とする請求項3に記載の甘味料
の製造方法。
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JP2000153918A JP2001333728A (ja) | 2000-05-25 | 2000-05-25 | 桑葉エキス配合甘味料およびその製造方法 |
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