JP2001330527A - 力検出装置 - Google Patents

力検出装置

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JP2001330527A
JP2001330527A JP2000147853A JP2000147853A JP2001330527A JP 2001330527 A JP2001330527 A JP 2001330527A JP 2000147853 A JP2000147853 A JP 2000147853A JP 2000147853 A JP2000147853 A JP 2000147853A JP 2001330527 A JP2001330527 A JP 2001330527A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で安価で、測定精度の高い静電容量式の
力検出装置を提供する。 【解決手段】 セラミック基板110上に、シリコンゴ
ムからなる変位生成体120が配置される。変位生成体
120は、作用部121と、肉薄円環状の可撓部122
と、その周囲の固定部123によって構成され、固定部
材140によって基板110上に固定される。基板11
0上には、電極E1〜E5と、その上を覆う絶縁層I1
〜I5が形成され、作用部121の下面には、導電性ゴ
ムからなる弾性導電層130が形成される。弾性導電層
130の下面には多数の凹凸構造が形成され、作用部1
21に加えられた力に応じて凹凸構造が潰れ、絶縁層I
1〜I5に対する接触状態が変化する。各電極E1〜E
5と弾性導電層130との間の静電容量値の変化に基づ
いて、作用した力の方向と大きさを検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は力検出装置に関し、
特に、コンピュータゲーム用や小型電子機器用の入力装
置などに用いるのに適した力検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な力検出装置としては、ピエゾ抵
抗素子、圧電素子、容量素子などを利用した種々のタイ
プのものが普及している。これらの力検出装置は、マン
・マシンインターフェイスとして、様々な装置に対する
操作量検出装置としても利用することが可能である。た
とえば、コンピュータゲーム用の入力装置や、携帯電話
などの小型電子機器用の入力装置としては、種々の力検
出装置が利用されている。特に、容量素子を利用した力
検出装置は、構造が単純であり、安価に供給することが
できるというメリットを有するため、コストダウンが要
求される電子機器の入力装置として様々な分野で利用さ
れている。
【0003】容量素子を利用した一般的な力検出装置
は、固定部材側に形成された固定電極と、変位部材側に
形成された変位電極と、によって容量素子を構成し、こ
れら一対の電極間隔の変化を容量素子の静電容量値とし
て検出するものである。変位部材側に力が作用したとき
に、この作用した力の大きさに応じて変位が生じるよう
にすれば、作用した力の大きさを静電容量値の変化とし
て検出することができる。しかも、検出に必要な構成要
素は、固定部材および変位部材と、これらの対向面に形
成される一対の電極と、この一対の電極によって構成さ
れる容量素子の静電容量値を測定する回路と、を用意し
ておけばよいので、構造は非常に単純になり、コストダ
ウンを図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の静電容量式の力検出装置には、十分な測定精度
を確保することが困難であるという問題点がある。一般
に、静電容量は、様々な外乱による影響を受けやすく、
精度の高い検出を行うためには、電極面積をできるだけ
広くするか、電極間隔をできるだけ狭くして、静電容量
の絶対量を多くするようにしなければならない。しかし
ながら、電極面積を広くすれば、装置の小型化を図るこ
とができなくなる。また、電極間隔を狭くするには、機
械的な構造部分の寸法精度を向上させる必要があり、コ
ストダウンを図ることができなくなる。
【0005】そこで、本発明は、小型で安価で、かつ、
測定精度の高い静電容量式の力検出装置を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明の第1の態
様は、容量素子を用いた力検出装置において、平板状の
電極と、この電極の上面を覆う絶縁層と、を有する固定
部材と、少なくとも底部が弾性変形を生じる導電性材料
からなり、この底部の下面に凹凸構造からなる粗面もし
くは凹凸面が形成された変位部材と、を設け、変位部材
を、固定部材の上方に上下方向に変位可能となるように
配置し、絶縁層を挟んで電極の上面と粗面もしくは凹凸
面とにより容量素子が形成されるようにし、この容量素
子の静電容量値に基づいて変位部材に作用した力を検出
できるようにしたものである。
【0007】(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1
の態様に係る力検出装置において、変位部材を下方に変
位させる力が作用したときに、粗面もしくは凹凸面が絶
縁層の上面に押圧されて凹凸構造が変形し、この凹凸構
造の変形状態を容量素子の静電容量値として検出できる
ようにしたものである。
【0008】(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1
の態様に係る力検出装置において、絶縁層の厚みと粗面
の表面粗さもしくは凹凸面の凹凸度合いとの関係を、粗
面もしくは凹凸面の凹凸構造の変形に基づいて生じる静
電容量値の変化が有意に検出できる関係となるようにし
たものである。
【0009】(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1
〜第3の態様に係る力検出装置において、検出対象とな
る力が作用していない状態においては、絶縁層の上面と
粗面もしくは凹凸面とが初期接触状態を維持するように
し、検出対象となる力が作用している状態においては、
粗面もしくは凹凸面の凹凸構造の変形に起因して、絶縁
層の上面と粗面もしくは凹凸面との接触状態が、作用し
た力に応じて変化するようにしたものである。
【0010】(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1
〜第3の態様に係る力検出装置において、検出対象とな
る力が作用していない状態においては、絶縁層の上面と
粗面もしくは凹凸面とが所定間隔をあけて非接触状態を
維持するようにし、所定以上の大きさをもった下方への
力成分が作用している状態においては、絶縁層の上面と
粗面もしくは凹凸面とが接触状態となり、この接触状態
が、粗面もしくは凹凸面の凹凸構造の変形に起因して、
作用した力に応じて変化するようにしたものである。
【0011】(6) 本発明の第6の態様は、XYZ三次
元座標系において、所定の作用点に作用した外力または
この外力と同等の押圧力を検出する力検出装置におい
て、座標系におけるXY平面に沿った上面を有する主基
板と、主基板の上面のほぼ中心位置に座標系の原点を定
義したときに、主基板のX軸正領域上に形成された第1
の電極と、主基板のX軸負領域上に形成された第2の電
極と、各電極の上面を覆う絶縁層と、主基板の上方に配
置された作用部と、主基板に固定された固定部と、作用
部と固定部との間に形成された可撓部と、を有する変位
生成体と、作用部の底面に形成され、弾性変形を生じる
導電性材料からなり、下面に多数の凹凸構造からなる粗
面もしくは凹凸面が形成された弾性導電層と、を設け、
絶縁層を挟んで、第1の電極と弾性導電層とにより第1
の容量素子が、第2の電極と弾性導電層とにより第2の
容量素子が、それぞれ形成されるようにし、第1の容量
素子の静電容量値と第2の容量素子の静電容量値との差
に基づいて、作用部内の作用点に作用した外力のX軸方
向成分または当該外力と同等の変位を作用部に生じさせ
る押圧力を検出できるようにしたものである。
【0012】(7) 本発明の第7の態様は、上述の第6
の態様に係る力検出装置において、主基板のY軸正領域
上に形成された第3の電極と、主基板のY軸負領域上に
形成された第4の電極と、これらの電極の上面を覆う絶
縁層と、を更に設け、絶縁層を挟んで、第3の電極と弾
性導電層とにより第3の容量素子が、第4の電極と弾性
導電層とにより第4の容量素子が、それぞれ形成される
ようにし、第3の容量素子の静電容量値と第4の容量素
子の静電容量値との差に基づいて、作用部内の作用点に
作用した外力のY軸方向成分または当該外力と同等の変
位を作用部に生じさせる押圧力を更に検出できるように
したものである。
【0013】(8) 本発明の第8の態様は、上述の第6
または第7の態様に係る力検出装置において、主基板の
上面に形成された第5の電極と、この電極の上面を覆う
絶縁層と、を更に設け、絶縁層を挟んで、第5の電極と
弾性導電層とにより第5の容量素子が形成されるように
し、第5の容量素子の静電容量値に基づいて、作用部内
の作用点に作用した外力のZ軸方向成分または当該外力
と同等の変位を作用部に生じさせる押圧力を更に検出で
きるようにしたものである。
【0014】(9) 本発明の第9の態様は、上述の第6
〜第8の態様に係る力検出装置において、検出対象とな
る力が作用していない状態においては、絶縁層の上面と
弾性導電層の粗面もしくは凹凸面とが初期接触状態を維
持し、検出対象となる力が作用している状態において
は、粗面もしくは凹凸面の凹凸構造の変形に起因して、
絶縁層の上面と弾性導電層の粗面もしくは凹凸面との接
触状態が、作用した力に応じて変化するように、作用部
が可撓部によって支持されるようにしたものである。
【0015】(10) 本発明の第10の態様は、上述の第
6〜第8の態様に係る力検出装置において、検出対象と
なる力が作用していない状態においては、絶縁層の上面
と弾性導電層の粗面もしくは凹凸面とが所定間隔をあけ
て非接触状態を維持し、所定以上の大きさをもった下方
への力成分が作用している状態においては、絶縁層の上
面と弾性導電層の粗面もしくは凹凸面とが接触状態とな
り、この接触状態が、粗面もしくは凹凸面の凹凸構造の
変形に起因して、作用した力に応じて変化するように、
作用部が可撓部によって支持されるようにしたものであ
る。
【0016】(11) 本発明の第11の態様は、上述の第
10の態様に係る力検出装置において、主基板の上面
に、スイッチ動作用電極を更に設け、所定以上の大きさ
をもった下方への力成分が作用している状態において
は、スイッチ動作用電極の上面と弾性導電層の粗面もし
くは凹凸面とが電気的に接触するようにし、スイッチの
ON/OFF状態の検出を行う機能を付加するようにし
たものである。
【0017】(12) 本発明の第12の態様は、上述の第
11の態様に係る力検出装置において、スイッチ動作用
電極を、物理的に分離された一対の電極によって構成
し、これら一対の電極間の導通状態を電気的に検出する
ことにより、ON/OFF状態の検出を行うことができ
るようにしたものである。
【0018】(13) 本発明の第13の態様は、上述の第
6〜第12の態様に係る力検出装置において、作用部の
上面に複数の指標を配置し、個々の指標位置に加えられ
た押圧力によって作用部が主基板に対して変位を生じる
ように構成し、どの指標位置にどれだけの押圧力が加え
られたかを検出できるようにしたものである。
【0019】(14) 本発明の第14の態様は、上述の第
6〜第13の態様に係る力検出装置において、少なくと
も作用部と弾性導電層とを同一の材料による一体構造と
したものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施形態
に基づいて説明する。
【0021】§1.基本的な実施形態 はじめに、本発明の基本的な実施形態を述べる。図1
は、この基本的な実施形態に係る力検出装置の側断面図
である。この装置の主たる構成要素は、固定部材10と
変位部材20である。固定部材10は、平板状の電極1
1と、この電極の上面を覆う絶縁層12によって構成さ
れている。一方、変位部材20は、作用部21と弾性導
電層22によって構成されている。弾性導電層22は、
変位部材20の底部を構成しており、弾性変形を生じる
導電性材料(たとえば、導電性ゴム)からなる。しか
も、この弾性導電層22の下面には、多数の凹凸構造か
らなる粗面(いわゆる梨地面)が形成されている。
【0022】変位部材20は、固定部材10の上方に配
置されているが、固定部材10とは別体となっており、
上下方向に変位可能である。ここでは、基本原理を示す
ために、固定部材10の上面に変位部材20を載置した
だけの構造からなる力検出装置を示すが、実用上は、§
2で述べる実施形態のように、両者を可撓性をもった構
造体によって連結するのが好ましい。固定部材10側の
電極11と、変位部材20側の弾性導電層22とは、い
ずれも導電性材料から構成された層である。したがっ
て、絶縁層12を挟んで、電極11の上面と弾性導電層
22の下面(粗面)により容量素子が形成されることに
なる。
【0023】いま、図2に示すように、作用部21の上
面に、下方向を向いた力Fが加わった場合を考えると、
弾性導電層22は弾性変形を生じる材料から構成されて
いるため、力Fに基づいて加わる押圧力により、上下方
向に潰れて変形することになる。このとき、弾性導電層
22の下面を構成する粗面には、凹凸構造による多数の
空隙部が形成されているため、この空隙部を埋めるよう
な変形が起こることになる。ここで、検出対象となる力
が何ら加えられていない図1の状態(変位部材20を固
定部材10の上に載置した場合、変位部材20の自重に
よる力が加わることになるが、これは検出対象となる力
ではない)と、変位部材20の上面から下方への力Fが
加えられた図2の状態とを比べると、弾性導電層22の
下面と絶縁層12の上面との間の接触状態が変わり、電
極11と弾性導電層22とによって構成された容量素子
の静電容量値に変化することになる。
【0024】ここで、図1に示すように、検出対象とな
る力が加えられていないときの接触状態を初期接触状態
と呼ぶことにすると、この初期接触状態では、弾性導電
層22の下面の凹凸構造により多数の空隙部が確保され
ている。容量素子の電極間隔は、電極11の上面と弾性
導電層22の下面との間隔ということになるが、弾性導
電層22の下面は凹凸構造をもった粗面であるため、個
々の部分ごとに電極間隔は異なる。したがって、この初
期接触状態における容量素子の静電容量値は、両者の平
均的な間隔によって定まることになる。ところが、図2
に示すように、力Fが加えられて弾性導電層22が上下
に潰れた接触状態になると、空隙部を埋めるように弾性
導電層22が充填されることになるので、平均的な電極
間隔は小さくなり、電極の面積も若干広くなる。このた
め、図2に示す接触状態における容量素子の静電容量値
は、図1に示す初期接触状態におけるものよりも大きく
なる。
【0025】結局、変位部材20を下方に変位させる力
Fが作用すると、弾性導電層22の下面に形成された粗
面が、絶縁層12の上面に押圧されて凹凸構造が変形
し、この凹凸構造の変形状態を容量素子の静電容量値と
して検出できることになる。しかも、弾性導電層22の
変形の程度は、力Fの大きさが所定の範囲内をとる間
は、力Fが大きくなればなるほど大きくなる。したがっ
て、力Fの大きさと、容量素子の静電容量値との間に
は、線形関係は得られないかもしれないが、力Fが大き
くなれば静電容量値も大きくなる一価の関係が得られる
ことになる(両者の関係は、弾性導電層22の材質や、
凹凸構造の形状などによって定まり、現在のところ、理
論的な解析は行っていない)。そこで、この両者の関係
を予め求めておけば、電極11と弾性導電層22との間
の静電容量値を測定することにより、作用部21の上面
に加えられた下方向の力Fの大きさを検出することがで
きる。これが、本発明の基本原理である。
【0026】もちろん、力Fの大きさが所定のしきい値
を越えると、弾性導電層22の変形がそれ以上は生じな
くなり、力Fの大きさを検出することはできなくなる。
したがって、このしきい値までの力の検出しか行うこと
はできないが、このしきい値は、弾性導電層22の材
質、厚み、凹凸構造の形状などによって支配される値で
あるため、用途に応じて、所望の検出範囲に適合するよ
うな弾性導電層22を設計するようにすれば、実用上は
問題は生じない。
【0027】なお、実用上の設計を行う上では、絶縁層
12の厚みと弾性導電層22の粗面の表面粗さ(凹凸構
造の大きさ)との関係にも留意する必要がある。たとえ
ば、絶縁層12の厚みが1mm程度であるのに対し、粗
面を構成する凹凸構造の凹部と凸部との高低差が1μm
程度しかなかったとすると、容量素子の電極間隔は、検
出のフルレンジにおいて1000〜1001μm程度の
差しか生じなくなり、十分な精度の検出は期待できな
い。結局、実用上、十分な精度の力検出装置を実現する
ためには、粗面の凹凸構造の変形に基づいて生じる静電
容量値の変化が有意に検出できるように、絶縁層12の
厚みと弾性導電層22の粗面の表面粗さ(凹凸構造の大
きさ)との関係を設定する必要がある。
【0028】逆言すれば、絶縁層12の厚みと弾性導電
層22の粗面の表面粗さとの関係を適切に設定し(たと
えば、絶縁層12の厚みと弾性導電層22の凹凸高低差
とを同程度に設定する)、設定どおりの厚みと粗さを有
する構造体を製造することができれば、単純な構造であ
っても、十分に高精度な検出結果が得られる力検出装置
を実現することが可能になる。近年、成膜技術、印刷技
術、金型技術はかなり進歩しており、設定どおりの厚み
や粗さを有する構造体を量産することは比較的容易にで
きるようになってきている。したがって、本発明を利用
すれば、小型で安価で、かつ、測定精度の高い静電容量
式の力検出装置を量産することが可能になる。すなわ
ち、所定の設計寸法どおりの固定部材10および変位部
材20を用意することができれば、図1に示すように、
固定部材10の上に変位部材20を載置するだけで、高
精度の力検出装置が製造できることになる。細かな位置
合わせ作業や、精度の高い位置決めを行うための部材な
どは、一切必要ない。また、弾性導電層22の大きさ
(層面の広さ)と電極11の大きさ(層面の広さ)を同
一にせずに、図の例のように一方が他方より大きくなる
ように設計しておけば、平面的な位置ずれに基づく検出
値への影響を少なくすることができる。結局、この力検
出装置の検出精度は、絶縁層12および弾性導電層22
の寸法精度に依存して定まることになる。
【0029】なお、図1に示す実施形態では、検出対象
となる力が作用していない状態においては、絶縁層12
の上面と弾性導電層22の粗面とが初期接触状態を維持
するようにし、検出対象となる力が作用している状態に
おいては、粗面の凹凸構造の変形に起因して、絶縁層1
2の上面と粗面との接触状態が、作用した力に応じて変
化するようにしているが、検出対象となる力が作用して
いない状態において、必ずしも初期接触状態が維持され
るようにする必要はない。たとえば、検出対象となる力
が作用していない状態においては、絶縁層12の上面と
弾性導電層22の粗面とが所定間隔をあけて非接触状態
を維持するようにしてもよい。この場合、変位部材20
は固定部材10の上方の離れた位置に配置されることに
なるので、変位部材20を固定部材10に対して浮いた
状態に支持する支持部材を用意する必要がある。
【0030】後に§3で述べる実施形態では、可撓性を
もった支持部材によって変位部材20を浮いた状態で支
持できるようにしている。この場合、変位部材20に対
して、所定以上の大きさをもった下方への力成分が作用
すると、可撓性をもった支持部材が撓み、弾性導電層2
2の粗面が絶縁層12の上面に接触する状態となる。し
かも、このときの接触状態は、粗面の凹凸構造の変形に
起因して、作用した力に応じて変化することになる。詳
細は§3において述べる。
【0031】§2.実用的な実施形態(その1) 図3は、本発明の第1の実用的な実施形態に係る力検出
装置の基本構成を示す側断面図である。§1で述べた基
本的な実施形態は、図の下方への力Fのみを検出する一
次元力検出装置であったが、ここで述べる実施形態は、
XYZ三次元座標系において、所定の作用点に作用した
外力を各座標軸方向成分ごとに検出することができる三
次元力検出装置である。
【0032】ここに示す力検出装置の主要な構成要素
は、主基板110と、変位生成体120と、弾性導電層
130と、固定部材140と、5枚の電極E1〜E5
と、絶縁層I1〜I5である。主基板110は、この力
検出装置の支持層となる基板であり、この実施形態で
は、セラミック基板、ガラス基板あるいはガラスエポキ
シ基板などの絶縁基板を主基板110として用いている
が、ポリイミドフィルムなどのフィルム材料を主基板1
10として用いることも可能であるし(本発明における
「基板」とは、このようなフィルムまでも含む広い概念
で用いている。)、金属などの導電性基板を主基板11
0として用いることも可能である。ただし、主基板11
0の上面には複数の電極を形成するため、導電性基板を
主基板110として用いた場合には、上面に絶縁膜を形
成する必要がある。ここでは、説明の便宜上、この主基
板110の上面の中心位置に原点Oを定義し、図におけ
る右方向にX軸、上方向にZ軸、紙面に対して垂直な方
向にY軸をそれぞれとることにより、XYZ三次元座標
系を定義することにする。主基板110の上面は、この
座標系におけるXY平面に沿った面ということになる。
【0033】変位生成体120は、この主基板110の
上に配置された部材であり、図示のとおり、中心部分の
作用部121と、その周囲に形成された可撓部122
と、更にその周囲に形成された固定部123と、の3つ
の部分から構成されている。図4に、この変位生成体1
20の上面図を示す。作用部121は、中央の円柱状の
部分であり、§1で述べた力検出装置における作用部2
1に相当する部分である。ここでは、この作用部121
の上面中心位置に作用点Pを定義し、この作用点Pに加
えられた力を検出する例について、以下の説明を行うこ
とにする。可撓部122は、作用部121を周囲から支
持する円環状の部分であり、図3の側断面図に示されて
いるように、肉厚が非常に薄くなっており可撓性を有し
ている。固定部123は、可撓部122の更に外側の部
分であり、変位生成体120を主基板110に固定する
機能を有している。固定部123の下面には、4か所に
突起部124が形成されており、この突起部124を主
基板110側の貫通孔111に嵌合することにより、変
位生成体120の位置決めを行うことができる。
【0034】この実施形態では、絶縁性のシリコンゴム
あるいは絶縁性のエラストマーを一体成型することによ
り変位生成体120を形成している。したがって、変位
生成体120は弾性変形する性質を有しており、特に、
作用部121と固定部123との間に形成され、肉厚が
薄くなった可撓部122は、弾性変形によって容易に撓
む構造となっており、この可撓部122が撓むことによ
り、作用部121はある程度の自由度をもって、主基板
110に対して変位を生じることができる。もっとも、
変位生成体120は、可撓部122がある程度の可撓性
をもつのであれば、どのような材質で形成してもかまわ
ない。
【0035】図5は、主基板110の上面図である。4
か所に形成された貫通孔111は、上述したように、変
位生成体120の位置決めを行うためのものである。主
基板110の上面には、5枚の電極E1〜E5(§1で
述べた力検出装置における電極11に相当)が形成され
ており、これらの電極は、それぞれ絶縁層I1〜I5
(§1で述べた力検出装置における絶縁層12に相当)
によって覆われた状態となっている。電極E1〜E4
は、図に破線で示されているとおり、扇形をした平板状
の電極であり、第1の電極E1はX軸正領域上に、第2
の電極E2はX軸負領域上に、第3の電極E3はY軸正
領域上に、第4の電極E4はY軸負領域上に、それぞれ
形成されている。いずれも、X軸もしくはY軸に対して
線対称となる形状を有し、線対称となる位置に配置され
ている。一方、第5の電極E5は、円盤状の電極であ
り、中心が原点Oの位置にくるように配置されている。
これらの電極は、導電性材料であれば、どのような材質
で構成してもかまわないが、銅やアルミニウムなどの金
属を用いれば、プリント基板で利用されている印刷手法
を用いて容易に形成することができる。
【0036】絶縁層I1〜I5は、これらの各電極E1
〜E5の上面を覆うようにして形成されている。ここで
は、半導体デバイスに一般的に利用されているレジスト
によって絶縁層I1〜I5を形成しているが、絶縁性材
料であれば、どのような材質を用いてもかまわない。ま
た、ここに示す例では、個々の電極E1〜E5のそれぞ
れについて、別個に絶縁層I1〜I5を形成している
が、全電極E1〜E5を覆う領域に単一の絶縁層を形成
するようにしてもよい。
【0037】図3に示すように、円柱状の作用部121
は、ちょうどこれら5枚の電極E1〜E5の上方に配置
されていることになる。作用部121の円形底面は、ち
ょうど、5枚の電極E1〜E5の外輪郭線にほぼ等しい
大きさを有している。この作用部121の円形底面に
は、弾性導電層130(§1で述べた力検出装置におけ
る弾性導電層22に相当)が形成されている。この弾性
導電層130は、5枚の電極E1〜E5に対向する共通
電極E0として機能することになる。すなわち、各絶縁
層I1〜I5を挟んで、第1の電極E1と共通電極E0
とによって第1の容量素子C1が形成され、第2の電極
E2と共通電極E0とによって第2の容量素子C2が形
成され、第3の電極E3と共通電極E0とによって第3
の容量素子C3が形成され、第4の電極E4と共通電極
E0とによって第4の容量素子C4が形成され、第5の
電極E5と共通電極E0とによって第5の容量素子C5
が形成される。
【0038】しかも、この作用部121の底面に形成さ
れた円盤状の弾性導電層130は、弾性変形を生じる導
電性材料からなり、下面に多数の凹凸構造からなる粗面
が形成されている。具体的には、導電性シリコンゴムや
導電性のエラストマーなどによって、弾性導電層130
を構成することができる。また、弾性導電層130の下
面に形成する粗面の構造については、§1で述べたとお
りである。ここで、作用部121に対して、検出対象と
なる力が作用していない状態においては、絶縁層I1〜
I5の上面と弾性導電層130の下面(粗面)とが、図
3に示すとおり初期接触状態を維持しているが、作用部
121に対して、検出対象となる力が作用すると、粗面
の凹凸構造の変形に起因して、個々の絶縁層I1〜I5
の上面と弾性導電層130の粗面との接触状態が、作用
した力に応じて変化することになる。
【0039】図6は、図3に示す力検出装置の上面図で
あり、この図6に示す装置をX軸に沿って切断した断面
が図3に示されていることになる。上述したように、主
基板110の上に変位生成体120が載置されており、
固定部123はその周囲において固定部材140によっ
て主基板110に固定されている。ここでは、この力検
出装置が、コンピュータゲームや小型電子機器用の入力
操作用装置として用いられる場合を例にとって、この力
検出装置の動作を説明する。この場合、操作者は、作用
部121の上面を指で操作することにより、種々の操作
入力を行うことになる。
【0040】まず、操作者が、作用部121をX軸正方
向に倒す操作を行ったとしよう。この場合、作用点Pを
下方へと押し込む力−Fzとともに、X軸正方向へ移動
させる力+Fxが加わることになる。すなわち、図3に
おいて、作用部121に対して図の右下方向への押圧力
が加わることになる。その結果、弾性導電層130の各
部に加わる押圧力に差が生じることになる。具体的に
は、弾性導電層130のうち、絶縁層I1の上面に接触
している部分は、絶縁層I2の上面に接触している部分
に比べて強い押圧力を受けることになる。したがって、
第1の容量素子C1の静電容量値は、第2の容量素子C
2の静電容量値よりも大きくなり、結局、両者の差が、
作用点Pに作用した力のX軸方向成分の大きさを示すこ
とになる。
【0041】逆に、操作者が、作用部121をX軸負方
向に倒す操作を行うと、作用点Pを下方へと押し込む力
−Fzとともに、X軸負方向へ移動させる力−Fxが加
わることになる。この場合は、弾性導電層130のう
ち、絶縁層I2の上面に接触している部分が、絶縁層I
1の上面に接触している部分に比べて強い押圧力を受け
ることになり、第2の容量素子C2の静電容量値が、第
1の容量素子C1の静電容量値よりも大きくなる。した
がって、第1の容量素子C1の静電容量値から第2の容
量素子C2の静電容量値を減じる演算を行うようにすれ
ば、この演算結果の符号が、作用点Pについて、X軸方
向に作用した力の向き(X軸正方向か負方向か)を示
し、この演算結果の絶対値が、X軸方向に作用した力の
大きさを示すことになる。
【0042】このような検出原理は、Y軸方向に作用し
た力についても全く同様である。すなわち、第3の容量
素子C3の静電容量値から第4の容量素子C4の静電容
量値を減じる演算を行うようにすれば、この演算結果の
符号が、作用点Pについて、Y軸方向に作用した力の向
き(Y軸正方向か負方向か)を示し、この演算結果の絶
対値が、Y軸方向に作用した力の大きさを示すことにな
る。一方、Z軸方向に作用した力は、第5の容量素子C
5の静電容量値に基づいて求めることができる。これ
は、§1で述べた基本的実施形態と同様である。
【0043】もっとも、ここに示す実施形態の場合、Z
軸負方向の力(図3における下方向の力)の検出につい
ては、§1で述べた原理に基づいて行うことができる
が、Z軸正方向の力(図3における上方向の力)が作用
した場合には(操作者が作用部121を持ち上げるよう
な操作を行った場合ということになるので、実用上は、
このような力を検出する必要が生じるケースは少な
い)、弾性導電層130が絶縁層I1〜I5から浮き上
がった状態となるので、「弾性導電層130の粗面の凹
凸構造の変化に基づいて生じる静電容量値の変化を検出
する」という原理による検出はできなくなる。ただ、弾
性導電層130と電極E5との距離に変化が生じること
には変わりないので、Z軸正方向の力が作用した場合
に、これを第5の容量素子C5の静電容量値に基づいて
検出することは可能である。
【0044】図7は、図3に示す力検出装置を用いて、
作用点Pに加えられた力の各座標軸方向成分を検出する
ための検出回路の一例を示す回路図である。図の左端に
示すC1〜C5は、上述した第1〜第5の容量素子C1
〜C5を示しており、これらの容量素子は、第1〜第5
の電極E1〜E5と共通電極E0(弾性導電層130)
とによって構成されている。この検出回路では、各容量
素子C1〜C5の静電容量値を、CV変換回路151〜
155を用いて電圧値V1〜V5に変換し、更に、差動
増幅器161,162を用いて、(V1−V2)なる差
を求める演算および(V3−V4)なる差を求める演算
を行っている。その結果、出力端子Txには、第1の容
量素子C1の静電容量値から第2の容量素子C2の静電
容量値を減じた演算結果、すなわち、作用点Pに加えら
れた力のX軸方向を示す値が得られ、出力端子Tyに
は、第3の容量素子C3の静電容量値から第4の容量素
子C4の静電容量値を減じた演算結果、すなわち、作用
点Pに加えられた力のY軸方向を示す値が得られ、出力
端子Tzには、第5の容量素子C5の静電容量値、すな
わち、作用点Pに加えられた力のZ軸方向を示す値が得
られる。
【0045】§3.実用的な実施形態(その2) 図8は、本発明の第2の実用的な実施形態に係る力検出
装置の基本構成を示す側断面図である。ここで述べる実
施形態は、§2で述べた実施形態の変形例に相当するも
のであり、XYZ三次元座標系において、所定の作用点
に作用した外力を各座標軸方向成分ごとに検出する三次
元力検出装置としての機能に、押しボタンスイッチのO
N/OFF状態の検出を行う機能を付加したものであ
る。
【0046】この力検出装置の主要な構成要素は、§2
で述べた装置とほぼ同様である。すなわち、主基板21
0と、変位生成体220と、弾性導電層230と、固定
部材240と、5枚の電極E1〜E5と、絶縁層Iであ
る。この他に、2枚のスイッチ動作用電極E6,E7が
付加されている。ここで、主基板210は、ガラス基板
あるいはガラスエポキシ基板などの絶縁基板からなる基
板であり、ここでも、この主基板210の上面の中心位
置に原点Oを定義し、図示のように、XYZ三次元座標
系を定義する。
【0047】変位生成体220は、絶縁性のシリコンゴ
ムあるいは絶縁性のエラストマーを一体成型することに
より形成された部材であり、§2の実施形態における変
位生成体120とほぼ同じ構成を有する。すなわち、円
柱状の作用部221と、その周囲に形成された可撓部2
22と、更にその周囲に形成された固定部223と、の
3つの部分から構成されており、各部の機能も、変位生
成体120と同じである。固定部223の下面には突起
部224が形成されており、主基板210に形成された
貫通孔211に嵌合させることにより位置決めがなされ
る。また、作用部221の下面には、円盤状の弾性導電
層230が形成されており、この弾性導電層230が、
導電性シリコンゴムや導電性のエラストマーなど、弾性
変形を生じる導電性材料からなり、下面に多数の凹凸構
造からなる粗面が形成されている点も§2の実施形態と
同様である。
【0048】ただ、可撓部222の形状は、§2の実施
形態とは若干異なっている。すなわち、図3に示す可撓
部122は、XY平面に平行な円環状であったのに対
し、図8に示す可撓部222は、円形ドームの一部をな
す形状となっている。可撓部222がこのような形状を
有しているため、検出対象となる力が作用していない状
態では、図8に示すように、作用部221は主基板21
0の上方に浮いたような状態となっている。作用部22
1の上面に、所定の大きさをもった下方への力−Fzが
加えられると、図9に示すように、可撓部222が変形
し、作用部221が下方へと変位することになる。
【0049】図10は、主基板210の上面図である。
4か所に形成された貫通孔211は、上述したように、
変位生成体220の位置決めを行うためのものである。
主基板210の上面には、5枚の電極E1〜E5と、2
枚のスイッチ動作用電極E6,E7とが形成されてい
る。図10に示す5枚の電極E1〜E5は、図5に示す
5枚の電極E1〜E5と形状は若干異なっているが、全
く同一の機能を果たす電極である。これに対して、2枚
のスイッチ動作用電極E6,E7は、この実施形態に特
有の付加機能のために設けられた電極である。絶縁層I
は、5枚の電極E1〜E5の上面を覆うための共通の絶
縁層である。ただし、スイッチ動作用電極E6,E7の
表面は絶縁層Iに覆われることなしに露出している。図
8に示すように、スイッチ動作用電極E6,E7の上面
は、絶縁層Iの上面と同位置になるように設定されてい
る。したがって、図9に示すように、作用部221に対
して下方への力−Fzが加えられ、弾性導電層230の
粗面が絶縁層Iの上面に接触する状態になると、スイッ
チ動作用電極E6,E7の上面も弾性導電層230の粗
面に接触した状態になる。
【0050】この図8に示す力検出装置における力検出
動作は、図3に示す力検出装置と全く同様である。すな
わち、5枚の電極E1〜E5と、弾性導電層230(共
通電極E0として機能する)とによって、それぞれ容量
素子C1〜C5が形成され、これら容量素子C1〜C5
に、たとえば、図7に示すような検出回路を付加すれ
ば、XYZ三次元座標系において加えられた力の各座標
軸方向成分を検出することができる。
【0051】この図8に示す力検出装置の特徴は、更
に、スイッチのON/OFF状態の検出機能を付加した
点にある。すなわち、図8に示すように、検出対象とな
る力が作用していない状態においては、絶縁層Iおよび
スイッチ動作用電極E6,E7の上面と弾性導電層23
0の粗面とが所定間隔をあけて非接触状態を維持してい
る。このときのスイッチの状態はOFFである。一方、
作用部221の上面に対し、下方向の力−Fzを加えて
ゆくと、この力−Fzの大きさが所定以上の大きさにな
ったときに、図9に示すように、可撓部222が一部分
で折れ曲がるように変形し、作用部221が下方へと変
位する。その結果、弾性導電層230の粗面が、絶縁層
Iおよびスイッチ動作用電極E6,E7の上面に接触し
た状態になる。このときのスイッチの状態はONであ
る。
【0052】結局、この力検出装置に付加的に設けられ
たスイッチの機能は、図8の状態ではOFFであるが、
図9のように、作用部221を押しボタンのように押し
込むことによりONとなる。このON/OFF状態は、
弾性導電層230(共通電極E0)とスイッチ動作用電
極E6,E7とが電気的に接触したか否かにより検出す
ることができる。このように、スイッチのON/OFF
状態は、主基板210側に設けられたスイッチ動作用電
極と、作用部221側に設けられた弾性導電層230と
の物理的な接触の有無を電気的に検出することにより認
識する。したがって、原理的には、主基板210側のス
イッチ動作用電極は、1つだけあれば十分である。た
だ、この実施形態のように、スイッチ動作用電極を、物
理的に分離された一対の電極E6,E7によって構成し
ておけば、これら一対の電極E6,E7間の導通状態を
電気的に検出することにより、ON/OFF状態の検出
を行うことができるようになるメリットが得られる。す
なわち、この実施形態の場合、スイッチのON/OFF
を検出するための配線は、主基板210側についてのみ
行えばよいことになる。
【0053】この力検出装置における本来の力検出の機
能は、図9に示すように、スイッチがON状態になった
後に行われる(もちろん、図8に示すように作用部22
1が主基板210の上方に浮いたような状態となってい
る場合でも、容量素子C1〜C5の静電容量値に基づく
力検出は可能であるが、測定される静電容量値がかなり
小さいため、本来の精度をもった力検出はできな
い。)。したがって、操作者の操作としては、まず、作
用部221を下方へと押し込む操作をしてスイッチをO
N状態とする。上述したように、図8に示すスイッチO
FF状態から、図9に示すスイッチON状態へと移行す
るためには、作用部221の上面に対してある程度の大
きさの力を加えて、可撓部222の変形を誘発させる必
要がある。しかも弾性導電層230の粗面が絶縁層Iお
よびスイッチ動作用電極E6,E7の上面に到達した瞬
間に、操作者の指先には大きな抵抗力が伝わる。このた
め、ON状態への移行操作時には、操作者の指先に独特
のクリック感が伝わることになり、操作者は、触覚を通
じて、スイッチがON状態になったことを確実に認識す
ることができる。
【0054】こうして、スイッチがON状態となった
ら、このON状態を維持したまま、更に、所定の座標軸
方向への力を加えるようにすれば、§2で述べた力検出
装置と同様に、加えられた力を各座標軸方向成分ごとに
検出することができる。このように、この力検出装置で
は、力検出動作が行われるときには、必ずスイッチがO
N状態となっているので、弾性導電層230に対する配
線を行う必要がない。すなわち、力検出動作が行われる
際には、図9に示すように、弾性導電層230はスイッ
チ動作用電極E6,E7に接触した状態となるので、こ
のスイッチ動作用電極E6,E7の配線を、そのまま弾
性導電層230(共通電極E0)への配線として利用す
ることができる。別言すれば、配線は、主基板210側
に対してのみ行えば十分であり、変位生成体220に対
する配線は一切不要になる。これは、製造プロセスを単
純化する上で大きなメリットである。なお、ここでは、
図が繁雑になるのを避けるため、配線についての図示は
省略している(もちろん、図3に示す実施形態の場合
も、主基板110側に弾性導電層130に接触する配線
用電極を設けることにより、変位生成体120に対する
配線は不要になる。)。
【0055】図11は、この実施形態に係る力検出装置
の上面図である。主基板210上に変位生成体220が
配置され、その周囲が固定部材240によって固定され
ている点は、§2で述べた力検出装置と同様である。た
だ、この実施形態では、作用部221の上面に複数の指
標M1〜M5が描かれており、操作者は、いずれかの指
標の位置に対して押圧力を加えることにより、必要な操
作入力を行うことができる。操作者がいずれかの指標位
置に対して押圧力を加えると、この指標位置に加えられ
た押圧力によって作用部221が主基板210に対して
変位を生じることになるが、その変位の態様は、押圧力
が加えられた指標位置に応じて異なる。具体的には、図
11において、指標M1の位置に対して押圧力を加える
と、作用点PにX軸正方向の力成分+Fxを含む外力が
作用したのと同等の変位が生じることになる。同様に、
指標M2,M3,M4,M5の位置に対して押圧力を加
えると、それぞれ作用点Pに、X軸負方向の力成分−F
x,Y軸正方向の力成分+Fy,Y軸負方向の力成分−
Fy,Z軸負方向の力成分−Fzを含む外力が作用した
のと同等の変位が生じることになる。
【0056】したがって、図7に示す検出回路を用いれ
ば、出力端子Txの出力電圧に基づいて、指標M1,M
2に対する押圧力を検出することができ(出力電圧が正
なら指標M1への押圧力を示し、負なら指標M2への押
圧力を示す)、出力端子Tyの出力電圧に基づいて、指
標M3,M4に対する押圧力を検出することができ(出
力電圧が正なら指標M3への押圧力を示し、負なら指標
M4への押圧力を示す)、出力端子Tzの出力電圧に基
づいて、指標M5に対する押圧力を検出することができ
る。このように、どの指標位置にどれだけの押圧力が加
えられたかを検出することができる。もちろん、作用点
Pに作用した外力の各座標軸方向成分を検出すること
と、各指標M1〜M5に加えられた押圧力を検出するこ
ととは、物理現象を説明する上での把握の仕方が異なる
だけであり、実際に起こっている物理現象は同じもので
ある。したがって、操作者がこの力検出装置に対して操
作入力を行う上では、特定の指標位置に対する押圧操作
を行ったのか、作用点Pを特定の方向へ移動させる力を
加えたのか、ということを意識する必要はなく、上下左
右のいずれかの方向への指示を与えた、という漠然とし
た意識で操作を行えば十分である。もちろん、§2で述
べた力検出装置にも、同じような指標を描くことができ
る。
【0057】§4.弾性導電層の凹凸構造 最後に、本発明に用いられる変位部材の底面に形成され
る弾性導電層の凹凸構造の変形例を示しておく。図12
(a) は、この変形例に係る変位部材20の底面図であ
り、弾性導電層22の下面が示されている。図12(b)
は、この変位部材20を切断線A−Aに沿って切った側
断面図である。図12(a) の底面図に示されているよう
に、弾性導電層22の下面には、多数の同心円状凸部が
形成されている。各凸部は、いわゆる土手のように、中
心点を幾重にも取り巻くように配置されており、その断
面は、図12(b) に示すように三角形状をしている。ち
ょうど、図12(b) に示すような平面図形を、その左右
の中心位置を軸として回転して得られる回転体が、変位
部材20の形状となっている。なお、図12(a) では、
図示の便宜上、同心円状凸部の峰筋部分を実線で示し、
谷筋部分を破線で示して区別してある。
【0058】図13(a) は、また別な変形例に係る変位
部材20の底面図であり、弾性導電層22の下面が示さ
れている。図13(b) は、この変位部材20を切断線A
−Aに沿って切った側断面図であり、作用部21の下面
は円錐状をなしている。図13(a) の底面図に示されて
いるように、弾性導電層22は、8個の錐状凸部23を
作用部21の円錐面上に放射状に配置してなる。図13
(c) は、この錐状凸部23の斜視図である。図示のとお
り、錐状凸部23は、ほぼ三角錐の形状をしており、図
の奥に描かれた頂点Oが、図13(a) における中心点に
配置されることになる。なお、図13(a) では、図示の
便宜上、この錐状凸部23からなる凹凸構造の峰筋部分
(図13(c) の23aの部分)を実線で示し、谷筋部分
(図13(c) の23bの部分)を破線で示して区別して
ある。
【0059】図14(a) は、更に別な変形例に係る変位
部材20の底面図であり、弾性導電層22の下面が示さ
れている。図14(b) は、この変位部材20を切断線A
−Aに沿って切った側断面図である。図14(a) の底面
図に示されているように、弾性導電層22は、10個の
錐状凸部24を互いに隣接して配置することにより構成
される。図14(c) は、この錐状凸部24の斜視図であ
る。図示のとおり、錐状凸部24は、ほぼ四角錐の形状
(いわゆるピラミッド形)をしており、四方に隣接する
ピラミッド同士の底辺が互いに接触するように配置され
ている。
【0060】以上、弾性導電層の下面に形成する凹凸構
造のいくつかの例を示したが、もちろん、この凹凸構造
はどのような形状のものでもかまわない。また、これま
での説明では、この凹凸構造をもった面を「粗面」と呼
んできたが、本発明において弾性導電層の下面に形成す
る凹凸構造は、「凹凸面」と呼ぶことができる面であれ
ば、必ずしもザラザラとした感触をもった面(比較的凹
凸構造が小さな面)である必要はなく、デコボコとした
感触をもった面(比較的凹凸構造が大きな面)であって
もかまわない。要するに、弾性導電層の下面は、押圧力
によって凹凸構造が変化する性質を有していれば、ザラ
ザラした感触のいわゆる「粗面あるいは梨地面」でもよ
いし、デコボコした感触の「凹凸面」であってもよい。
実際、これまでに述べてきた実施形態やその変形例の場
合、凹凸構造を構成する凹部と凸部との段差は0.2〜
0.5mm程度であり、たとえば、図14(c) に示すピ
ラミッド形の錐状凸部24の場合、底辺が1mm程度、
高さが0.5mm程度であるが、検出対象となる押圧力
によって凹凸構造が変化し、静電容量値の変化が生じる
ような構造であれば、凹部と凸部との段差をより大きく
設定した「凹凸面」にしてもかまわない。
【0061】以上、本発明を図示するいくつかの実施形
態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限
定されるものではなく、この他にも種々の形態で実施可
能である。たとえば、§2および§3に示す実施形態
は、三次元座標系における3つの座標軸方向成分の力
(もしくは、これらの座標軸方向を示す指標に対する押
圧力)を検出する三次元力検出装置としての機能を有し
ているが、二次元力検出装置あるいは一次元力検出装置
としての機能で十分な場合には、一部の電極は不要にな
る。具体的に言えば、X軸方向に関する力検出には、電
極E1,E2があれば十分であり、Y軸方向に関する力
検出には、電極E3,E4があれば十分であり、Z軸方
向に関する力検出には、電極E5があれば十分である。
また、上述の実施形態で述べた各部の材料は、あくまで
も一例を示したものであり、これらと同等の機能を果た
す材料であれば、もちろん、他の材料を代用してもかま
わない。たとえば、上述の実施形態では、作用部と弾性
導電層とを別な材料によって構成しているが、両者を同
一材料(たとえば導電性ゴム)によって構成して一体構
造とすることもできる。もちろん、作用部、可撓部、固
定部、弾性導電層をすべて同一材料で構成し、一体形成
してもよい。また、図3あるいは図8に示す実施形態で
は、弾性導電層130,230の直径と、電極E1〜E
4の外周部の直径とを、ほぼ同じ寸法にしているが、製
造プロセスにおいて発生するXY平面に沿った方向に関
する位置ずれに対する対策という意味では、前者を後者
より大きく設計しておくのが好ましい。更に、ヒステリ
シスや零点温度特性を考慮すると、図3のような接触式
の構造よりも、図8のように非接触式の構造の方が、容
量素子を構成する一対の電極間隔が離れているために優
れている。したがって、基本的には図3のような構造を
もった製品を設計する場合であっても、ヒステリシスや
零点温度特性が問題となる場合には、絶縁層と弾性導電
層との間を若干空けるような構造にするとよい。
【0062】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、小型で安
価で、かつ、測定精度の高い静電容量式の力検出装置を
提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な実施形態に係る力検出装置の
構成を示す側断面図である。
【図2】図1に示す力検出装置に力Fが加わったときの
状態を示す側断面図である。
【図3】本発明の実用的な実施形態に係る力検出装置の
構成を示す側断面図である。
【図4】図3に示す力検出装置における変位生成体12
0の上面図である。
【図5】図3に示す力検出装置における主基板110の
上面図である。
【図6】図3に示す力検出装置全体の上面図であり、こ
の装置をX軸に沿って切断した断面が図3に相当する。
【図7】図3に示す力検出装置に利用される検出回路の
一例を示す回路図である。
【図8】本発明の別な実用的実施形態に係る力検出装置
の構成を示す側断面図である。
【図9】図8に示す力検出装置に力−Fzが加わったと
きの状態を示す側断面図である。
【図10】図8に示す力検出装置における主基板210
の上面図である。
【図11】図8に示す力検出装置全体の上面図であり、
この装置をX軸に沿って切断した断面が図8に相当す
る。
【図12】本発明に用いられる弾性導電層の凹凸構造の
第1の変形例を示す図であり、図(a) は底面図、図(b)
は側断面図である。
【図13】本発明に用いられる弾性導電層の凹凸構造の
第2の変形例を示す図であり、図(a) は底面図、図(b)
は側断面図、図(c) は単一の錐状凸部23の斜視図であ
る。
【図14】本発明に用いられる弾性導電層の凹凸構造の
第3の変形例を示す図であり、図(a) は底面図、図(b)
は側断面図、図(c) は単一の錐状凸部24の斜視図であ
る。
【符号の説明】
10…固定部材 11…電極 12…絶縁層 20…変位部材 21…作用部 22…弾性導電層 23…錐状凸部 23a…峰筋部分 23b…谷筋部分 24…錐状凸部 110…主基板 111…貫通孔 120…変位生成体 121…作用部 122…可撓部 123…固定部 124…突起部 130…弾性導電層(共通電極E0) 140…固定部材 151〜155…CV変換回路 161,162…差動増幅器 210…主基板 211…貫通孔 220…変位生成体 221…作用部 222…可撓部 223…固定部 224…突起部 230…弾性導電層(共通電極E0) 240…固定部材 C1〜C5…容量素子 E0…共通電極(弾性導電層) E1〜E5…電極 E5,E6…スイッチ動作用電極 I,I1〜I5…絶縁層 M1〜M5…指標 O…座標系の原点 P…作用点 Tx,Ty,Tz…出力端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 伸光 埼玉県上尾市菅谷四丁目73番地 株式会社 ワコー内 (72)発明者 岡田 和廣 埼玉県上尾市菅谷四丁目73番地 株式会社 ワコー内 Fターム(参考) 2F051 AA21 AB06 BA07 DA01 DA02 DA03

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状の電極と、この電極の上面を覆う
    絶縁層と、を有する固定部材と、 少なくとも底部が弾性変形を生じる導電性材料からな
    り、この底部の下面に凹凸構造からなる粗面もしくは凹
    凸面が形成された変位部材と、 を備え、前記固定部材の上方に前記変位部材が上下方向
    に変位可能となるように配置され、前記絶縁層を挟んで
    前記電極の上面と前記粗面もしくは凹凸面とにより容量
    素子が形成されるようにし、この容量素子の静電容量値
    に基づいて前記変位部材に作用した力を検出できるよう
    にしたことを特徴とする力検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の力検出装置において、 変位部材を下方に変位させる力が作用したときに、粗面
    もしくは凹凸面が絶縁層の上面に押圧されて凹凸構造が
    変形し、この凹凸構造の変形状態を容量素子の静電容量
    値として検出できるようにしたことを特徴とする力検出
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の力検出装置において、 絶縁層の厚みと粗面の表面粗さもしくは凹凸面の凹凸度
    合いとの関係が、前記粗面もしくは凹凸面の凹凸構造の
    変形に基づいて生じる静電容量値の変化が有意に検出で
    きる関係に設定されていることを特徴とする力検出装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の力検出
    装置において、 検出対象となる力が作用していない状態においては、絶
    縁層の上面と粗面もしくは凹凸面とが初期接触状態を維
    持するようにし、 検出対象となる力が作用している状態においては、粗面
    もしくは凹凸面の凹凸構造の変形に起因して、絶縁層の
    上面と粗面もしくは凹凸面との接触状態が、作用した力
    に応じて変化するようにしたことを特徴とする力検出装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の力検出
    装置において、 検出対象となる力が作用していない状態においては、絶
    縁層の上面と粗面もしくは凹凸面とが所定間隔をあけて
    非接触状態を維持するようにし、 所定以上の大きさをもった下方への力成分が作用してい
    る状態においては、絶縁層の上面と粗面もしくは凹凸面
    とが接触状態となり、前記接触状態が、粗面もしくは凹
    凸面の凹凸構造の変形に起因して、作用した力に応じて
    変化するようにしたことを特徴とする力検出装置。
  6. 【請求項6】 XYZ三次元座標系において、所定の作
    用点に作用した外力またはこの外力と同等の押圧力を検
    出する力検出装置であって、 前記座標系におけるXY平面に沿った上面を有する主基
    板と、 前記主基板の上面のほぼ中心位置に前記座標系の原点を
    定義したときに、前記主基板のX軸正領域上に形成され
    た第1の電極と、前記主基板のX軸負領域上に形成され
    た第2の電極と、 前記各電極の上面を覆う絶縁層と、 前記主基板の上方に配置された作用部と、前記主基板に
    固定された固定部と、前記作用部と前記固定部との間に
    形成された可撓部と、を有する変位生成体と、前記作用
    部の底面に形成され、弾性変形を生じる導電性材料から
    なり、下面に多数の凹凸構造からなる粗面もしくは凹凸
    面が形成された弾性導電層と、 を備え、 前記絶縁層を挟んで、前記第1の電極と前記弾性導電層
    とにより第1の容量素子が、前記第2の電極と前記弾性
    導電層とにより第2の容量素子が、それぞれ形成され、
    前記第1の容量素子の静電容量値と前記第2の容量素子
    の静電容量値との差に基づいて、前記作用部内の作用点
    に作用した外力のX軸方向成分または当該外力と同等の
    変位を前記作用部に生じさせる押圧力を検出できるよう
    にしたことを特徴とする力検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の力検出装置において、 主基板のY軸正領域上に形成された第3の電極と、主基
    板のY軸負領域上に形成された第4の電極と、これらの
    電極の上面を覆う絶縁層と、を更に有し、 絶縁層を挟んで、前記第3の電極と弾性導電層とにより
    第3の容量素子が、前記第4の電極と弾性導電層とによ
    り第4の容量素子が、それぞれ形成され、前記第3の容
    量素子の静電容量値と前記第4の容量素子の静電容量値
    との差に基づいて、作用部内の作用点に作用した外力の
    Y軸方向成分または当該外力と同等の変位を前記作用部
    に生じさせる押圧力を更に検出できるようにしたことを
    特徴とする力検出装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載の力検出装置に
    おいて、 主基板の上面に形成された第5の電極と、この電極の上
    面を覆う絶縁層と、を更に有し、 絶縁層を挟んで、前記第5の電極と弾性導電層とにより
    第5の容量素子が形成され、前記第5の容量素子の静電
    容量値に基づいて、作用部内の作用点に作用した外力の
    Z軸方向成分または当該外力と同等の変位を前記作用部
    に生じさせる押圧力を更に検出できるようにしたことを
    特徴とする力検出装置。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれかに記載の力検出
    装置において、 検出対象となる力が作用していない状態においては、絶
    縁層の上面と弾性導電層の粗面もしくは凹凸面とが初期
    接触状態を維持し、 検出対象となる力が作用している状態においては、粗面
    もしくは凹凸面の凹凸構造の変形に起因して、絶縁層の
    上面と弾性導電層の粗面もしくは凹凸面との接触状態
    が、作用した力に応じて変化するように、作用部が可撓
    部によって支持されていることを特徴とする力検出装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項6〜8のいずれかに記載の力検
    出装置において、 検出対象となる力が作用していない状態においては、絶
    縁層の上面と弾性導電層の粗面もしくは凹凸面とが所定
    間隔をあけて非接触状態を維持し、 所定以上の大きさをもった下方への力成分が作用してい
    る状態においては、絶縁層の上面と弾性導電層の粗面も
    しくは凹凸面とが接触状態となり、前記接触状態が、粗
    面もしくは凹凸面の凹凸構造の変形に起因して、作用し
    た力に応じて変化するように、作用部が可撓部によって
    支持されていることを特徴とする力検出装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の力検出装置におい
    て、 主基板の上面に、スイッチ動作用電極を更に設け、所定
    以上の大きさをもった下方への力成分が作用している状
    態においては、前記スイッチ動作用電極の上面と弾性導
    電層の粗面もしくは凹凸面とが電気的に接触するように
    し、スイッチのON/OFF状態の検出を行う付加的な
    機能を更に有することを特徴とする力検出装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の力検出装置におい
    て、 スイッチ動作用電極が、物理的に分離された一対の電極
    から構成され、これら一対の電極間の導通状態を電気的
    に検出することにより、ON/OFF状態の検出を行う
    ことができるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  13. 【請求項13】 請求項6〜12のいずれかに記載の力
    検出装置において、 作用部の上面に複数の指標を配置し、個々の指標位置に
    加えられた押圧力によって作用部が主基板に対して変位
    を生じるように構成し、どの指標位置にどれだけの押圧
    力が加えられたかを検出できるようにしたことを特徴と
    する力検出装置。
  14. 【請求項14】 請求項6〜13のいずれかに記載の力
    検出装置において、 少なくとも作用部と弾性導電層とを同一の材料による一
    体構造としたことを特徴とする力検出装置。
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