JP2001330409A - 干渉計測方法および干渉計測装置 - Google Patents

干渉計測方法および干渉計測装置

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JP2001330409A JP2000149533A JP2000149533A JP2001330409A JP 2001330409 A JP2001330409 A JP 2001330409A JP 2000149533 A JP2000149533 A JP 2000149533A JP 2000149533 A JP2000149533 A JP 2000149533A JP 2001330409 A JP2001330409 A JP 2001330409A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フリンジスキャン干渉法により被検面の形状
情報を得る干渉計測方法、および干渉計測装置に関し、
フリンジスキャン干渉法を応用することによって、被検
光光路および参照光光路の少なくとも一部を経由した所
定のノイズ光が前記被検光または前記参照光に干渉する
ことにより生じるコヒーレントノイズ成分の影響を確実
に低減させることを目的とする。 【解決手段】 前記被検光光路の光学的距離と、前記参
照光光路の光学的距離との双方をそれぞれ所定のパター
ンで同時に変化させることによって、干渉信号のうち必
要な信号成分の強度変化周期とコヒーレントノイズ成分
の強度変化周期とに差異を設け、前記変調走査手順が行
われているときに前記受光素子から出力される干渉信号
に基づき、所定の状態における前記被検光と前記参照光
との位相差を前記被検面の形状情報として求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、干渉計による干渉
計測方法、および干渉計測装置に関し、特に、被検面か
らの被検光と参照面からの参照光との間の位相差を変化
させる走査(フリンジスキャン)を行い、その結果得ら
れる干渉信号に基づいて、所定の状態における前記被検
光と前記参照光との位相差を前記被検面の形状情報とし
て求める干渉計測方法、および干渉計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、被検面72の面形状を測定する
ための従来の干渉計測装置70の構成図である。干渉計
測装置70では、光源71から出射された光が被検面7
2と参照面73との双方に導かれると共に、その光が被
検面72で反射することにより生じた被検光72aと、
その光が参照面73で反射することにより生じた参照光
73aとが干渉して干渉縞を生じさせ、その干渉縞はC
CD型撮像素子などの撮像素子76によって検知され
る。このようにして検知された干渉縞から、被検光72
aと参照光73aとの間の位相差の二次元分布を知るこ
とができ、この二次元分布によって、参照面73を基準
とした被検面72の面形状が表される。
【0003】さらに高精度化を図る場合には、以下に説
明するフリンジスキャン干渉法が適用される。フリンジ
スキャン干渉法は、ピエゾ素子などの移動機構77によ
り参照面73を1/2波長分程度移動させることで、被
検光72aと参照光73aとの光学的距離を1波長分
(位相差にして1周期分)程度変化させ(フリンジスキ
ャン)、そのときの干渉縞の濃淡の変化の仕方を検知す
ることにより、所定の状態(例えばフリンジスキャン開
始時の初期状態)における被検光72aと参照光73a
との位相差(初期位相差)の値を正確に求めるものであ
る。
【0004】一般に、干渉計測装置70では、このフリ
ンジスキャンの際に、参照面73の位置が時間に対して
直線的に変化するように設定されている(移動機構7
7、および制御回路78の設定による。)。また、撮像
素子76は、受光面に配置された各画素において、入射
光強度に応じた量の電荷を単位時間Tc毎に蓄積し、入
射光強度の時間Tc間に亘る時間積分値、すなわち蓄積
データB0、B1、B2、・・・を順次出力する。この蓄
積データB0、B1、B2、・・・が、干渉信号として使
用される。
【0005】いま仮に、干渉縞のある点Aにおける、被
検光72aと参照光73aとの初期位相差をφ0とお
き、単位時間Tc当たりの位相差変化量を2πa(定
数)とおくと、フリンジスキャン開始からの時間t経過
時における被検光73aと参照光72aとの位相差φ
(t)は、式(1)で表される。
【数1】 また、被検光72aと参照光73aとによる干渉光強度
I(t)は、この位相差φ(t)を用いて式(2)で表
される。なお、I0、γはそれぞれ光源71から出射さ
れる光の強度(振幅)等により定まる数(定数)であ
る。
【数2】 また、干渉光強度I(t)と、干渉光強度のTc間に亘
る時間積分値である蓄積データB0、B1、B2、・・・
との関係は、式(3)で表される。
【数3】 したがって、各蓄積データB0、B1、B2、・・・は、
式(4)で表される。
【数4】 この式(4)を変形すると、式(5)、および式(6)
が得られる。
【数5】
【数6】 また、上式(4)からは、単位時間Tc当たりの位相差
変化量2πaを、4つの蓄積データB0、B1、B3、B4
で表す式(7)が導かれる。
【数7】 これらの関係に基づき、干渉計測装置70の演算回路7
9は、撮像素子76が出力する各蓄積データB0、B1
2、・・・(実測値)に、式(7)を適用してaの値
を求め、さらに求めたaの値と、式(5)および式
(6)から、初期位相差φ0の値を求める。
【0006】さらにこの初期位相差φ0の値の算出は、
撮像素子76の各画素の出力についてそれぞれ行われ、
算出された初期位相差φ0の二次元分布が、参照面73
を基準とした被検面72の形状情報として、モニタなど
の表示器(不図示)に出力される。ここで、以上のよう
なフリンジスキャン干渉法においては、参照面73の移
動のさせ方を限定して演算を簡略化させることができ
る。
【0007】例えば、図8(a)に示すように、単位時
間Tc当たりの被検光72aと参照光73aとの位相差
変化量2πaがπ/2となるよう(すなわち、a=1/
4となるよう)設定すれば、次式(8a)又は式(8
b)(何れも式(4)においてa=1/4とおくことで
導かれる式である。)によって、連続する4つの蓄積デ
ータ、例えばB0、B1、B2、B3(実測値)、または連
続する5つの蓄積データ、例えばB0、B1、B2、B3
4(実測値)から、直接的に初期位相差φ0を求めるこ
とができる(図8(b)、(c)参照)。
【数8】 なお、4つの蓄積データから式(8a)により初期位相
φ0を求める方法は「4バケット法」と呼ばれ、5つの
蓄積データから式(8b)により初期位相φ0を求める
方法(但しこの場合、フリンジスキャンは、少なくとも
位相差にして(1+1/4)周期分行われる。)は「5
バケット法」と呼ばれる。因みに、4バケット法より
も、5バケット法の方が、基づくべき蓄積データの数が
1多い分だけ処理時間が長くかかるが、その分高精度で
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、撮像素子7
6が出力する各蓄積データB0、B1、B2、・・・(実
測値)には、必要な信号成分(参照光73aと被検光7
2aとが成す干渉光による)の他に、コヒーレントノイ
ズ成分(余分な反射を行って撮像素子76に入射したノ
イズ光が成す干渉光による)が重畳されている。
【0009】ここで、ノイズ光は、図7中細線で示すよ
うに、光源71からの出射光の一部であって干渉計75
内の何れかの箇所で反射して被検面72や参照面73を
介することなく被検光72aや参照光73aに干渉する
ノイズ光(ノイズ光b(N))、および、被検面72ま
たは参照面73からの反射光の一部であって干渉光学系
74の表面や光源71の射出口などで反射して再び被検
面72または参照面73に向かい、被検面72または参
照面73で反射した後に被検光72aや参照光73aに
干渉するノイズ光(ノイズ光c(WNW)、ノイズ光d
(WNR)、ノイズ光e(RNR)、ノイズ光f(RN
W))である。
【0010】なお、括弧内に示したアルファベットは、
反射経路を示す。すなわち、被検面72の反射経路が
W、参照面73の反射経路がR、干渉計75内の何れか
の箇所の反射経路がNで表される(干渉計75内の何れ
かの箇所の反射率は、被検面72や参照面73の反射率
と比較して十分に低いので、その箇所で2回以上反射し
たノイズ光については無視する)。
【0011】これらノイズ光b、c、d、e、fによっ
て干渉信号に重畳されるコヒーレントノイズ成分は、何
らかの演算によって必要な信号成分と分離し、かつ除去
することが望まれる。しかしながら、従来の干渉計測装
置70では、上記したように式(8a)や式(8b)が
適用されることからも明らかなように、蓄積データ
0、B1、B2、・・・(実測値)にコヒーレントノイ
ズ成分が重畳されていないとみなされていたので、最終
的に形状情報として求められる初期位相差φ0には、誤
差が含まれていた。
【0012】ここで、必要な信号成分とは異なった周期
で変化するコヒーレントノイズ成分については、何らか
の演算によってその信号成分からの分離が可能である
が、必要な信号成分と同じ周期で変化するコヒーレント
ノイズ成分については、如何なる演算を適用しても、そ
の分離が不可能である。因みに、干渉計測装置70で
は、コヒーレントノイズ成分のうち、ノイズ光bが参照
光73aに干渉して生じさせるもの、ノイズ光cが参照
光73aに干渉して生じさせるもの、ノイズ光dが被検
光72aに干渉して生じさせるもの、ノイズ光eが参照
光73aに干渉して生じさせるもの、ノイズ光fが参照
光73aに干渉して生じさせるものについては、参照面
73の移動に伴って必要な信号成分と同じ周期で変化す
るために、分離(すなわち除去)できない(なお、詳細
は後述する表2参照。)。
【0013】そこで考えられるのは、コヒーレントノイ
ズ成分の原因であるノイズ光b、c、d、e、fの発生
自体を、干渉計75内の光学素子の変更などにより回避
することであるが、光学素子の面の反射率と配置角度な
どに応じて生じるノイズ光は、どのような光学素子から
なる干渉計においても少なからず発生し得るため、その
完全な回避は不可能である。
【0014】したがって従来では、コヒーレントノイズ
成分による影響を抑えることは、演算内容の変更によっ
ても、ハードウエアの変更によっても不可能と考えら
れ、光学素子の表面に反射防止膜を形成したり、余分な
反射光を光路から外すための素子を挿入したりして、コ
ヒーレントノイズ成分の強度を僅かに抑えるという程度
のことしかされていなかった。
【0015】そこで、本発明は、上記のフリンジスキャ
ン干渉法を応用することによって、コヒーレントノイズ
成分による影響を確実に低減させることができる干渉計
測方法および干渉計測装置を提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の干渉計
測方法は、光源から出射された光を被検面と参照面との
双方に導くと共に、その光が前記被検面で反射すること
により生じた被検光と、その光が前記参照面で反射する
ことにより生じた参照光とを干渉させる干渉光学系と、
前記被検光と前記参照光とが成す干渉光の光路に配置さ
れ、入射光の強度に応じた干渉信号を出力する受光素子
とを備えた干渉計による干渉計測方法であって、前記被
検光と前記参照光との位相差を変化させる走査の際に、
前記被検光光路の光学的距離と、前記参照光光路の光学
的距離との双方をそれぞれ所定のパターンで同時に変化
させることによって、前記干渉信号のうち、前記参照光
と前記被検光との間の位相差に応じて変化する必要な信
号成分の強度変化周期と、前記被検光光路および前記参
照光光路の少なくとも一部を経由した所定のノイズ光が
前記被検光または前記参照光に干渉することにより生じ
るコヒーレントノイズ成分の強度変化周期とに、差異を
設ける変調走査手順と、前記変調走査手順が行われてい
るときに前記受光素子から出力される干渉信号に基づ
き、前記走査中の所定の状態における前記被検光と前記
参照光との位相差を前記被検面の形状情報として求める
算出手順とを有することを特徴とする。
【0017】一般に、変化周期の互いに異なる2つの信
号は、演算により分離可能である。したがって、前記変
調走査手順によってその強度変化周期に差異が設けられ
た必要な信号成分とコヒーレントノイズ成分とは、演算
により互いに分離可能である。したがって、受光素子が
出力する干渉信号に、上記のようなコヒーレントノイズ
成分が重畳されていたとしても、その後行われる算出手
順においてその影響を除去することができる。
【0018】請求項2に記載の干渉計測方法は、請求項
1に記載の干渉計測方法において、前記変調走査手順で
は、前記被検光光路の光学的距離の変化量と、前記参照
光光路の光学的距離の変化量との比が1:−1に保たれ
ることを特徴とする。ここで、コヒーレントノイズ成分
を重畳させるノイズ光は、光源からの出射光の一部であ
って干渉計内の何れかの箇所で反射して被検面や参照面
を介することなく被検光や参照光に干渉するノイズ光、
および、被検面または参照面からの反射光の一部であっ
て干渉光学系の表面や光源の射出口などで反射して再び
被検面または参照面に向かい、被検面または参照面で反
射した後に被検光や参照光に干渉するノイズ光である。
【0019】しかし、上記した変調走査手順では、前記
被検光光路の光学的距離の変化量と前記参照光光路の光
学的距離の変化量との比が1:−1に保たれるので、少
なくともこれらのノイズ光が成すコヒーレントノイズ成
分の強度変化周期は、必要な信号成分の強度変化周期と
は異なるものとなる。つまりこのコヒーレントノイズ成
分による影響を、その後行われる算出手順において確実
に除去することができる。
【0020】なお、干渉計内では、何れかの箇所で2回
以上反射したノイズ光が発生するが、その箇所の反射率
は、被検面や参照面の反射率と比較して十分に低いの
で、このノイズ光が成すコヒーレントノイズ成分は、先
に示したコヒーレントノイズ成分と比較して十分に小さ
い。したがって、この干渉計測方法によると、コヒーレ
ントノイズ成分による影響は十分に小さく抑えられる。
【0021】また、変調走査手段による移動量比につい
ては1:−1以外の他の値であっても同じ効果が得られ
るようなものはあるが、1:−1の比によれば、被検光
光路と参照光光路との光学的距離の変化量の合計を小さ
く抑えられる点で好ましい。請求項3に記載の干渉計測
方法は、請求項1に記載の干渉計測方法において、前記
変調走査手順では、前記被検光光路の光学的距離の変化
量と、前記参照光光路の光学的距離の変化量との比が
1:3または3:1に保たれることを特徴とする。
【0022】この比が保たれているときには、請求項2
に記載の干渉計測方法と同じノイズ光によるコヒーレン
トノイズ成分の強度変化周期が、必要な信号成分の強度
変化周期とは異なるものとなるので、請求項2に記載の
干渉計測方法と同様にして、コヒーレントノイズ成分に
よる影響を十分に小さく抑えることができる。また、こ
のような移動量の比1:3、または3:1によると、光
学的距離の変化量の合計は、比1:−1による場合と比
較すると大きくなるものの、その他の比が設定された場
合よりは小さく抑えられる。
【0023】請求項4に記載の干渉計測方法は、請求項
1〜請求項3の何れか1項に記載の干渉計測方法におい
て、前記変調走査手順では、前記走査が、少なくとも前
記必要な信号成分の強度変化の2周期分行われ、前記算
出手順では、前記被検面の形状情報が、少なくとも前記
必要な信号成分の強度変化の2周期分に対応する前記干
渉信号に基づいて求められることを特徴とする。
【0024】このように、基づくべき干渉信号を2周期
分とすれば、必要な信号成分の周期的な性質と、コヒー
レントノイズ成分の周期的な性質とを利用して、コヒー
レントノイズ成分を除去して必要な信号成分のみを残留
させることができる。この結果、コヒーレントノイズ成
分による影響を、確実に抑えることができる。請求項5
に記載の干渉計測装置は、光源から出射された光を被検
面と参照面との双方に導くと共に、その光が前記被検面
で反射することにより生じた被検光と、その光が前記参
照面で反射することにより生じた参照光とを干渉させる
干渉光学系と、前記被検光と前記参照光とが成す干渉光
の光路に配置され、入射光の強度に応じた干渉信号を出
力する受光素子と、前記被検光光路の光学的距離と前記
参照光光路の光学的距離との双方を同時に移動させる移
動手段と、前記被検光と前記参照光との位相差を変化さ
せる走査の際に、前記移動手段を動作させて、前記被検
光光路の光学的距離と前記参照光光路の光学的距離との
双方をそれぞれ所定のパターンで同時に変化させること
により、前記干渉信号のうち、前記参照光と前記被検光
との間の位相差に応じて変化する必要な信号成分の強度
変化周期と、前記被検光光路および前記参照光光路の少
なくとも一部を経由した所定のノイズ光が前記被検光ま
たは前記参照光に干渉することにより生じるコヒーレン
トノイズ成分の強度変化周期とに、差異を設ける変調走
査手段と、前記変調走査手段による走査中に前記受光素
子から出力される干渉信号に基づき、前記走査中の所定
の状態における前記被検光と前記参照光との位相差を前
記被検面の形状情報として求める算出手段とを備えたこ
とを特徴とする。
【0025】請求項6に記載の干渉計測装置は、請求項
5に記載の干渉計測装置において、前記変調走査手段
は、前記被検光光路の光学的距離の変化量と、前記参照
光光路の光学的距離の変化量との比を1:−1に保つこ
とを特徴とする。請求項7に記載の干渉計測装置は、請
求項5に記載の干渉計測装置において、前記変調走査手
段は、前記被検光光路の光学的距離の変化量と、前記参
照光光路の光学的距離の変化量との比を1:3または
3:1に保つことを特徴とする。
【0026】請求項8に記載の干渉計測装置は、請求項
5〜請求項7の何れか1項に記載の干渉計測装置におい
て、前記変調走査手段は、前記走査を、少なくとも前記
必要な信号成分の強度変化の2周期分行い、前記算出手
段は、前記被検面の形状情報を、少なくとも前記必要な
信号成分の強度変化の2周期分に対応する前記干渉信号
に基づいて求めることを特徴とする。
【0027】請求項5、請求項6、請求項7、請求項8
に記載の干渉計測装置によれば、それぞれ請求項1、請
求項2、請求項3、請求項4に記載の干渉計測方法が自
動的に実施される。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 <第1実施形態>以下、図1、図2、図3、図4に基づ
いて本発明の第1実施形態を説明する。 (第1実施形態の構成)図1は、本実施形態の干渉計測
装置10(および後述する第2実施形態の干渉計測装置
20)の構成図である。図1において、図7に示す従来
の干渉計測装置70と同じものについては同一の符号を
付して示した。
【0029】干渉計測装置10は、図7に示した干渉計
測装置70において、被検面72を移動させる移動機構
17がさらに備えられ、制御回路78に代えて制御回路
18が備えられ、演算回路79に代えて演算回路19が
備えられたものに等しい。すなわち、干渉計測装置10
は、光源71と、干渉光学系74(ビームスプリッタ7
4b、ビームエキスパンダ74a、結像レンズ74c
等)と、撮像素子76と、2つの移動機構77、17
と、制御回路18と、演算回路19とを備える(以下、
光源71、干渉光学系74、撮像素子76からなる系
を、干渉計75とする)。
【0030】この中で干渉光学系74は、光源71から
出射された光を被検面72と参照面73との双方に導く
と共に、その光が被検面72で反射することにより生じ
た被検光72aと、その光が参照面73で反射すること
により生じた参照光73aとを干渉させるものである。
移動機構17は、被検光72aの光路の光学的距離を変
化させるために、与えられる駆動電圧に応じた距離だけ
被検面72を光軸方向へ移動させるものであり、移動機
構77は、参照光73aの光路の光学的距離を変化させ
るために、与えられる駆動電圧に応じた距離だけ参照面
73を光軸方向に移動させるものである。これら移動機
構17、77は、例えばピエゾ素子などからなり、本実
施形態では、互いに同じ特性のものが使用されるとす
る。
【0031】撮像素子76は、被検光72aと参照光7
3aとが成す干渉光の光路に配置されたCCD型撮像素
子などであり、制御回路18により駆動されると、各画
素において入射光強度に応じた量の電荷を単位時間Tc
毎に蓄積し、入射光強度の時間Tcに亘る時間積分値を
示す信号である蓄積データB0、B1、B2、・・・(実
測値)を順次出力する(本明細書では、取得順に添え字
を付す。)。干渉計測装置10においては、この蓄積デ
ータB0、B1、B2、・・・(実測値)が、干渉縞の濃
淡を示す干渉信号として利用される。
【0032】制御回路18は、フリンジスキャン時に、
光源71を駆動すると共に、移動機構77、17のそれ
ぞれに対して所定のパターンで駆動電圧を印加し、参照
面73と被検面72とをそれぞれ所定のパターンで移動
させる。また、制御回路18はこのときに撮像素子76
を駆動し、撮像素子76から出力される蓄積データ
0、B1、B2、・・・(実測値)を演算回路19に与
える。
【0033】演算回路19は、所定状態(例えばフリン
ジスキャン開始時の初期状態)における参照光73aと
被検光72aとの間の位相差(例えば初期位相差φ0
を求める際に、蓄積データB0、B1、B2、・・・(実
測値)に対して所定の演算を施す。なお、この演算回路
19は、干渉計測装置10の外部に備えられていてもよ
い。また、この演算回路19に代えて、演算回路19と
同じ動作をするコンピュータを利用してもよい。
【0034】(第1実施形態の動作)図2は、本実施形
態の動作を説明する図である。本実施形態では、蓄積デ
ータB0、B1、B2、・・・(実測値)に重畳されるコ
ヒーレントノイズ成分の強度変化周期を、必要な信号成
分の強度変化周期と違うものとするために、フリンジス
キャン時に被検面72と参照面73との双方を、同時に
移動させる。この際、被検面72の移動量と参照面73
の移動量との比は、1:−1に保たれる。
【0035】さらに、必要な信号成分の2周期分に相当
する情報を得るために、図2(a)に示すように、被検
光72aと参照光73aの光学的距離の差を、少なくと
も光源71から出射される光の2波長分(位相差にして
2周期分)変化させる。また、後述する式(9)を適用
するための条件として、参照面73の位置と被検面72
の位置とが何れも十分な精度で時間に対して直線的に変
化し、かつ単位時間Tc当たりの被検光72aと参照光
73aとの位相差変化量2πaがπ/2となるよう(す
なわち、a=1/4となるよう)設定される(図2
(a)参照)。
【0036】すなわち、制御回路18は、8Tcの期間
中に、移動機構77に与える駆動電圧を時間に応じて変
化させて参照面73を1/2波長分均等に移動させると
同時に、移動機構17に与える駆動電圧を時間に応じて
変化させて被検面72を−1/2波長分均等に移動させ
る(なお、移動量の正/負の相違は、光路短縮方向/光
路拡張方向の相違に対応する。ただし、どちらの方向を
正にとってもよい)。
【0037】このフリンジスキャンの結果、順に蓄積デ
ータB0、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7(実測
値)が得られる(図2(b)参照)。これらの各蓄積デ
ータは、それぞれ必要な信号成分の1/4周期分に相当
し、これらの蓄積データの全体は、必要な信号成分の2
周期分のデータに相当する。さらに、本実施形態の演算
回路19は、初期位相差φ0を求める際に、これら2周
期分の蓄積データB0、B1、B2、B3、B4、B5
6、B7(実測値)に対して、次式(9)を適用する
(図2(c)参照)(なお、この式(9)の意味につい
ては後述する。)。
【数9】 (第1実施形態におけるコヒーレントノイズ成分の振る
舞い) ここで、干渉計測装置10においてコヒーレントノイズ
成分に関係するノイズ光は、従来と同様、ノイズ光b
(N)、ノイズ光c(WNW)、ノイズ光d(WN
R)、ノイズ光e(RNR)、ノイズ光f(RNW)で
ある。なお、括弧内に示したアルファベットは、反射経
路を示す。すなわち、被検面72の反射経路がW、参照
面73の反射経路がR、干渉計75内の何れかの箇所の
反射経路がNで表される。また、干渉計75内の何れか
の箇所の反射率は、被検面72や参照面73の反射率と
比較して十分に低いので、その箇所で2回以上反射した
ノイズ光については無視する。
【0038】次に、表1に基づいて、必要な信号成分の
強度変化周期と、各コヒーレントノイズ成分の強度変化
周期とを比較する。表1は、本実施形態における各光の
光路差、および光路差変化量を比較する表である。
【表1】 上記したように本実施形態では、参照光73aの光路変
化量が「1」であるときの被検光72aの光路変化量は
「−1」であるので、ノイズ光b、c、d、e、fの光
路変化量は、それぞれ「0」、「−2」、「0」、
「2」、「0」となる。
【0039】このときの参照光73aと被検光72aと
が成す干渉光、すなわち必要な信号成分SMの強度変化
周期は、欄Mによって示される。この欄Mには、参照光
73aと被検光72aとの光路差「W−R」と、光路差
変化量「−2」とが記されており、この光路差変化量
「−2」の大きさが、この2光が成す干渉光の強度変化
の速さを示す。
【0040】そこで以下では、各干渉光の強度変化周期
を、その干渉光を成す2光の「光路差変化量の大きさ」
で以て表す。すなわち、必要な信号成分SMは「周期
2」で変化する。同様に、ノイズ光bが被検光72aに
干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S111は、
「周期1」で変化する(欄111参照)。
【0041】また、ノイズ光cが被検光72aに干渉し
て生じさせるコヒーレントノイズ成分S112は、「周期
1」で変化する(欄112参照)。また、ノイズ光dが
被検光72aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ
成分S113は、「周期1」で変化する(欄113参
照)。
【0042】また、ノイズ光eが被検光72aに干渉し
て生じさせるコヒーレントノイズ成分S114は、「周期
3」で変化する(欄114参照)。また、ノイズ光fが
被検光72aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ
成分S115は、「周期1」で変化する(欄115参
照)。また、ノイズ光bが参照光73aに干渉して生じ
させるコヒーレントノイズ成分S121は、「周期1」で
変化する(欄121参照)。
【0043】また、ノイズ光cが参照光73aに干渉し
て生じさせるコヒーレントノイズ成分S122は、「周期
3」で変化する(欄122参照)。また、ノイズ光dが
参照光73aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ
成分S123は、「周期1」で変化する(欄123参
照)。また、ノイズ光eが参照光73aに干渉して生じ
させるコヒーレントノイズ成分S124は、「周期1」で
変化する(欄124参照)。
【0044】また、ノイズ光fが参照光73aに干渉し
て生じさせるコヒーレントノイズ成分S125は、「周期
1」で変化する(欄125参照)。すなわち、本実施形
態では、各コヒーレントノイズ成分S111〜S125の強度
変化周期と、必要な信号成分SMの強度変化周期とに差
異が設けられる。図3は、本実施形態における、各コヒ
ーレントノイズ成分S111〜S125と、必要な信号成分S
Mとの変化の仕方を比較する図である。図3(a)が必
要な信号成分SMと同じく「周期2」で変化する信号を
示すのに対し、図3(b)はコヒーレントノイズ成分S
111、S112、S113、S115、S121、S123、S124、S
125のように「周期1」で変化する信号を示し、図3
(c)はコヒーレントノイズ成分S114、S122のように
「周期3」で変化する信号を示す(但し、図3に示した
振幅および位相は何れも意味を持たない。)。
【0045】したがって、上記フリンジスキャン時に撮
像素子76から出力される蓄積データB0、B1、B2
3、B4、B5、B6、B7(実測値)には、「周期2」
で変化する必要な信号成分B10、B11、B12、B13、B
14、B15、B16、B17(図3(a)参照)と、「周期
1」で変化するコヒーレントノイズ成分B20、B21、B
22、B23、B24、B25、B26、B27(図3(b)参照)
と、「周期3」で変化するコヒーレントノイズ成分
30、B31、B32、B33、B34、B35、B36、B37(図
3(c)参照)とが重ね合わされていると考えられる。
すなわち、コヒーレントノイズ成分を考慮して各蓄積デ
ータBk(実測値)を表すと、Bk=B1k+B2k+B3k
なる。
【0046】さて、上記したように本実施形態では、式
(9)が使用される。この式(9)は、上記した4バケ
ット法の式(8a)と同様に式(4)から導かれる初期
位相差φ0の算出式である。したがって、式(9)は、
コヒーレントノイズ成分が発生しないとの仮定の下で
は、式(8a)と等価である。ここで、必要な信号成分
10、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17につ
いては、式(4)や図3(a)からも明らかなように、
その周期的性質から、B10=B14、B11=B15、B12
16、B13=B17が成立する。また、コヒーレントノイ
ズ成分B20、B21、B22、B23、B24、B25、B26、B
27については、B20+B24=B21+B25=B22+B26
23+B27=Bv1が成立し(図3(b)参照)、コヒー
レントノイズ成分B30、B31、B32、B33、B34
35、B36、B37については、B30+B34=B31+B35
=B32+B36=B33+B37=Bv3が成立する(図3
(c)参照)。
【0047】このとき、式(9)の右辺に、蓄積データ
0、B1、B2、B3、B4、B5、B 6、B7(実測値)を
当てはめると、下式(10)に明らかなように、コヒー
レントノイズ成分に相当する項(B20、B21、B22、B
23、B24、B25、B26、B27、B30、B31、B32
33、B34、B35、B36、B37)は全て消去される。
【数10】 すなわち、式(9)では、4バケット法の式(8a)と
は異なり、基づくべき蓄積データが(必要な信号成分B
1kの)2周期分に増えているので、各成分の周期的な性
質によって、コヒーレントノイズ成分B2k、B3kが除去
されて必要な信号成分B1kのみが残留する。
【0048】したがって、本実施形態における式(9)
によれば、蓄積データBk(実測値)にコヒーレントノ
イズ成分B2k、B3kが如何なる強度で重畳されていよう
とも、その成分の影響を受けずに初期位相差φ0が求め
られる。次に、以上説明した本実施形態と比較するた
め、従来の干渉計測装置70におけるコヒーレントノイ
ズ成分の振る舞いを、表2、図4に基づいて説明する。
【表2】 上記したように従来の干渉計測装置70では被検面72
については何ら移動させないので、参照光73aの光路
変化量が「1」であるときの被検光72aの光路変化量
は「0」である。これに伴いノイズ光b、c、d、e、
fの光路変化量は、それぞれ「0」、「0」、「1」、
「2」、「1」となる。また、必要な信号成分SM
(参照光73aと被検光72aとが成す干渉光)は「周
期1」で変化する(欄M参照)。
【0049】また、ノイズ光b、cのそれぞれが被検光
72aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S
111’、S112’およびノイズ光d、fのそれぞれが参照
光73aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分
123’、S125’は、何れも「周期0」で変化する(す
なわち定常的である)(欄111、112、123、1
25参照)。
【0050】また、ノイズ光d、fのそれぞれが被検光
72aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S
113’、S115’、およびノイズ光b、c、eのそれぞれ
が参照光73aに干渉して生じさせるコヒーレントノイ
ズ成分S121’、S122’、S 124’は、何れも「周期
1」で変化する(欄113、115、121、122、
124参照)。
【0051】また、ノイズ光eが被検光72aに干渉し
て生じさせるコヒーレントノイズ成分S114’は、「周
期2」で変化する(欄114参照)。すなわち、従来例
では、一部のコヒーレントノイズ成分S113’、
115’、S 121’、S122’、S124’の強度変化周期
が、必要な信号成分SM’の強度変化周期と同じになっ
ている。
【0052】したがって、従来の撮像素子76から出力
される蓄積データB0、B1、B2、B3(実測値)には、
図4に示すように、「周期1」で変化する必要な信号成
分B10、B11、B12、B13(図4(a)参照)と、「周
期1」で変化するコヒーレントノイズ成分B20’、
21’、B22’、B23’(図4(b)参照)と、「周期
2」で変化するコヒーレントノイズ成分B30’、
31’、B32’、B33’(図4(c)参照)とが重ね合
わされていると考えられる。すなわち、コヒーレントノ
イズ成分を考慮して各蓄積データBk(実測値)を表す
と、Bk=B1k+B2k’+B3k’となる。
【0053】そして、従来適用されていた例えば式(8
a)では、2つずれた蓄積データ同士が引き算されてい
るので、「周期2」で変化するコヒーレントノイズ成分
30’、B31’、B32’、B33’からは、B30’=
32’、B31’=B33’が成立するために影響を受けな
いものの、必要な信号成分B10、B11、B12、B13と同
じ「周期1」で変化するコヒーレントノイズ成分
20’、B21’、B22’、B23’からは、影響を受け
る。
【0054】また仮に、別の式を用いたとしても、同じ
周期で変化する信号同士は分離不可能であるため、この
コヒーレントノイズ成分B2k’を消去することはできな
い。その点、上述した本実施形態では、被検面72と参
照面73のそれぞれを移動量比1:−1に保ちつつ移動
させることにより、コヒーレントノイズ成分の強度変化
周期を必要な信号成分の強度変化周期とは異なるものと
し、かつ、式(9)の適用によって、このようなコヒー
レントノイズ成分の影響を確実に除去することができ
る。この結果、被検面72の形状測定が高精度化され
る。
【0055】<第2実施形態>次に、図1、図5に基づ
いて本発明の第2実施形態を説明する。ここでは、第1
実施形態との相違点についてのみ説明する。 (第2実施形態の構成)本実施形態の干渉計測装置20
は、図1に示す干渉計測装置10において、制御回路1
8に代えて制御回路28が備えられたものに等しい。
【0056】制御回路28は、制御回路18と同様に、
フリンジスキャン時に移動機構77、17のそれぞれに
対して所定のパターンで駆動電圧を印加し、参照面73
と被検面72とをそれぞれ所定のパターンで移動させる
と共に、撮像素子76を駆動し、そのときに撮像素子7
6から出力される蓄積データB0、B1、B2、・・・を
演算回路19に与えるが、参照面73および被検面72
の移動パターンは、制御回路19によるものとは異な
る。
【0057】(第2実施形態の動作)第2実施形態で
は、フリンジスキャン時に、被検面72の移動量と参照
面73の移動量との比は、3:1に保たれる。すなわ
ち、制御回路28は、8Tcの期間中に、移動機構77
に与える駆動電圧を時間に応じて変化させて、参照面7
3を1/2波長分均等に移動させると同時に、移動機構
17に与える駆動電圧を時間に応じて変化させて被検面
72を3/2波長分均等に移動させる(なお、移動量の
正/負の相違は、光路短縮方向/光路拡張方向の相違に
対応する。ただし、どちらの方向を正にとってもよ
い)。
【0058】このフリンジスキャンの結果、順に蓄積デ
ータB0、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7(実測
値)が得られる(図2(b)参照)。これらの各蓄積デ
ータは、第1実施形態で得られる各蓄積データと同様、
それぞれ必要な信号成分の1/4周期分に相当し、これ
らの蓄積データの全体は、必要な信号成分の2周期分の
データに相当する。
【0059】そして、演算回路19が初期位相差φ0
算出する際には、第1実施形態と同様の上式(9)が適
用される(図2(c)参照)。 (第2実施形態におけるコヒーレントノイズ成分の振る
舞い)ここで、干渉計測装置20においてコヒーレント
ノイズ成分に関係する光は、第1実施形態と同様、ノイ
ズ光b(N)、ノイズ光c(WNW)、ノイズ光d(W
NR)、ノイズ光e(RNR)、ノイズ光f(RNW)
である。
【0060】なお、括弧内に示したアルファベットは、
反射経路を示す。すなわち、被検面72の反射経路が
W、参照面73の反射経路がR、干渉計75内の何れか
の箇所の反射経路がNで表される。また、干渉計75内
の何れかの箇所の反射率は、被検面72や参照面73の
反射率と比較して十分に低いので、その箇所で2回以上
反射したノイズ光については無視する。
【0061】次に、表3に基づいて、必要な信号成分の
強度変化周期と、各コヒーレントノイズ成分の強度変化
周期とを比較する。表3は、本実施形態における各光の
光路差、および光路差変化量を比較する表である。
【表3】 上記したように本実施形態では、参照光73aの光路変
化量が「1」であるときの被検光72aの光路変化量は
「3」であるので、ノイズ光b、c、d、e、fの光路
変化量は、それぞれ「0」、「6」、「4」、「2」、
「4」となる。
【0062】このとき参照光73aと被検光72aとに
よる必要な信号成分SM”は、「周期2」で変化する
(欄M参照)。同様に、ノイズ光bが被検光72aに干
渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S111”は、
「周期3」で変化する(欄111参照)。また、ノイズ
光cが被検光72aに干渉して生じさせるコヒーレント
ノイズ成分S112”は、「周期3」で変化する(欄11
2参照)。
【0063】また、ノイズ光dが被検光72aに干渉し
て生じさせるコヒーレントノイズ成分S113”は、「周
期1」で変化する(欄113参照)。また、ノイズ光e
が被検光72aに干渉して生じさせるコヒーレントノイ
ズ成分S114”は、「周期1」で変化する(欄114参
照)。また、ノイズ光fが被検光72aに干渉して生じ
させるコヒーレントノイズ成分S115”は、「周期1」
で変化する(欄115参照)。
【0064】また、ノイズ光bが参照光73aに干渉し
て生じさせるコヒーレントノイズ成分S121”は、「周
期1」で変化する(欄121参照)。また、ノイズ光c
が参照光73aに干渉して生じさせるコヒーレントノイ
ズ成分S122”は、「周期5」で変化する(欄122参
照)。また、ノイズ光dが参照光73aに干渉して生じ
させるコヒーレントノイズ成分S123”は、「周期3」
で変化する(欄123参照)。
【0065】また、ノイズ光eが参照光73aに干渉し
て生じさせるコヒーレントノイズ成分S124”は、「周
期1」で変化する(欄124参照)。また、ノイズ光f
が参照光73aに干渉して生じさせるコヒーレントノイ
ズ成分S125”は、「周期3」で変化する(欄125参
照)。すなわち、本実施形態でも、各コヒーレントノイ
ズ成分S111”〜S125”の強度変化周期が、何れも必要
な信号成分SM”の強度変化周期とは異なっている。
【0066】図5は、本実施形態における、各コヒーレ
ントノイズ成分S111”〜S125”と必要な信号成分
M”との変化の仕方を比較する図である。図5(a)
が必要な信号成分SM”と同じく「周期2」で変化する
信号を示すのに対し、図5(b)は、コヒーレントノイ
ズ成分S113”、S114”、S115”、S121”、S124
と同じく「周期1」で変化する信号を示し、図5(c)
は、コヒーレントノイズ成分S111”、S112”、
123”、S125”と同じく「周期3」で変化する信号を
示し、図5(d)は、コヒーレントノイズ成分S122
と同じく「周期5」で変化する信号を示す(但し、図5
に示した振幅および位相は何れも意味を持たない)。
【0067】したがって、上記フリンジスキャン時に撮
像素子76から出力される蓄積データB0、B1、B2
3、B4、B5、B6、B7(実測値)には、「周期2」
で変化する必要な信号成分B10、B11、B12、B13、B
14、B15、B16、B17(図5(a)参照)と、「周期
1」で変化するコヒーレントノイズ成分B20”、
21”、B22”、B23”、B24”、B25”、B26”、B
27”(図5(b)参照)と、「周期3」で変化するコヒ
ーレントノイズ成分B30”、B31”、B32”、B33”、
34”、B35”、B36”、B37”(図5(c)参照)
と、「周期5」で変化するコヒーレントノイズ成分
40、B41、B42、B43、B44、B45、B46、B47(図
5(d)参照)が重ね合わされていると考えられる。す
なわち、コヒーレントノイズ成分を考慮して各蓄積デー
タBk(実測値)を表すと、Bk=B1k+B2k”+B 3k
+B4kとなる。
【0068】さて、上記したように本実施形態では、式
(9)が使用される。この式(9)は、上記第1実施形
態において使用されたものと同じである。すなわち、コ
ヒーレントノイズ成分が発生しないとの仮定の下では、
式(8a)と等価な初期位相差φ0の算出式である。こ
こで、必要な信号成分B10、B11、B12、B13、B14
15、B16、B17については、その変化周期から、B10
=B14、B11=B15、B12=B16、B13=B 17が成立す
る(図5(a)参照)。また、コヒーレントノイズ成分
20”、B21”、B22”、B23”、B24”、B25”、B
26”、B27”については、B20”+B 24”=B21”+B
25”=B22”+B26”=B23”+B27”=Bv1が成立し
(図5(b)参照)、コヒーレントノイズ成分B30”、
31”、B32”、B33”、B34”、B35”、B36”、B
37”については、B30”+B34”=B31”+B35”=B
32”+B36”=B33”+B37”=Bv3が成立し(図5
(c)参照)、また、コヒーレントノイズ成分B40、B
41、B42、B43、B44、B45、B46、B47については、
40+B44=B41+B45=B42+B46=B43+B47=B
v5が成立する(図5(d)参照)。
【0069】このとき、式(9)の右辺に、蓄積データ
0、B1、B2、B3、B4、B5、B 6、B7(実測値)を
当てはめると、下式(11)に明らかなように、コヒー
レントノイズ成分(B20”、B21”、B22”、B23”、
24”、B25”、B26”、B 27”、B30”、B31”、B
32”、B33”、B34”、B35”、B36”、B37”、
40、B41、B42、B43、B44、B45、B46、B47)は
全て消去される。
【数11】 すなわち、式(9)では、4バケット法の式(8a)と
は異なり、基づくべき蓄積データが(必要な信号成分B
1kの)2周期分に増えているので、各成分の周期的な性
質によって、コヒーレントノイズ成分B2k”、B3k”、
4kが除去されて必要な信号成分B1kのみが残留する。
したがって、本実施形態における式(9)によれば、蓄
積データBk(実測値)にコヒーレントノイズ成分
2k”、B3k”、B4kが如何なる強度で重畳されていよ
うとも、その成分の影響を受けずに初期位相差φ0が求
められる。
【0070】以上説明したように、本実施形態では、被
検面72と参照面73のそれぞれを移動量比3:1に保
ちつつ移動させることにより、コヒーレントノイズ成分
の強度変化周期を必要な信号成分の強度変化周期とは異
なるものとし、かつ、式(9)の適用によって、このよ
うなコヒーレントノイズ成分の影響を確実に除去するこ
とができる。この結果、被検面72の形状測定が高精度
化される。
【0071】なお、本実施形態においては、被検面72
と参照面73の移動量比を1:3に代えてもよい。この
場合にも、3:1とした場合と同様に形状測定が高精度
化される。 <第3実施形態>次に、図2、図6に基づいて本発明の
第3実施形態を説明する。ここでは、第1実施形態や第
2実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0072】(第3実施形態の構成)図6は、本実施形
態の干渉計測装置30の構成図である。干渉計装置30
は、上記第1実施形態や第2実施形態の干渉計測装置1
0、20(なお、干渉計75はマイケルソン型干渉計で
ある。)とは異なり、フィゾー型干渉計35が適用され
ている。
【0073】フィゾー型干渉計35は、光源31、ビー
ムエキスパンダ35a、ビームスプリッタ35b、ヌル
レンズ35d、結像レンズ35c、撮像素子36等を有
する。フィゾー型干渉計35において、光源31から出
射された光は、ビームエキスパンダ35a、ビームスプ
リッタ35bを介してヌルレンズ35dに入射する。ヌ
ルレンズ35dに入射した光束は、所定位置に配置され
たフィゾー面33(フィゾー型干渉計の参照面であ
る。)に入射する。
【0074】フィゾー面33に入射した光束は、一部が
フィゾー面33で反射して参照光33aとなり、他の一
部がフィゾー面を透過した後所定位置に配置された被検
面32で反射して被検光32aとなる。参照光33a
は、ヌルレンズ35d、ビームスプリッタ35b、結像
レンズ35cを経た後、撮像素子36に入射し、一方、
被検光32aは、フィゾー面33、ヌルレンズ35d、
ビームスプリッタ35b、結像レンズ35cを経た後、
撮像素子36に入射する。そして、これら参照光33a
と被検光32bとは干渉して撮像素子36上に干渉縞を
成す。
【0075】このフィゾー型干渉計35とマイケルソン
型干渉計(図1符号75)との相違は、参照光33aの
光路と、被検光32aの光路とが共通している点にある
(但し光路長は異なる)。このため、フィゾー型干渉計
35は、参照光33aの光路の環境と被検光32aの光
路の環境とをほぼ一致させることができるので、特に高
精度が要求される計測に適している。
【0076】そして、このフィゾー型干渉計35を備え
た干渉計測装置30には、2つの移動機構372および
移動機構373と、制御回路38と、演算回路39とが
備えられる。
【0077】移動機構372は、被検光32aの光路の
光学的距離を変化させるために、与えられる駆動電圧に
応じた距離だけ被検面32を光軸方向へ移動させるもの
であり、移動機構373は、参照光33aの光路の光学
的距離を変化させるために、与えられる駆動電圧に応じ
た距離だけ参照面33を光軸方向に移動させるものであ
る。これら移動機構372、373は、例えばピエゾ素
子などからなり、本実施形態では、互いに同じ特性のも
のが使用されるとする。
【0078】撮像素子36は、CCD型撮像素子などで
あり、制御回路38により駆動されると、各画素におい
て入射光強度に応じた量の電荷を単位時間Tc毎に蓄積
し、入射光強度の時間Tcに亘る時間積分値を示す信号
である蓄積データB0、B1、B2、・・・(実測値)を
順次出力する。制御回路38は、フリンジスキャン時
に、移動機構373、372のそれぞれに対して所定の
パターンで駆動電圧を印加し、参照面33と被検面32
とをそれぞれ所定のパターンで移動させる。また制御回
路38は、このときに撮像素子36を駆動し、撮像素子
36から出力される蓄積データB0、B1、B2、・・・
(実測値)を演算回路39に与える。
【0079】演算回路39は、所定状態(例えばフリン
ジスキャン開始時の初期状態)における参照光33aと
被検光32aとの間の位相差(例えば初期位相差φ0
を求める際に、蓄積データB0、B1、B2、・・・(実
測値)に対して所定の演算を施す。なお、この演算回路
39は、干渉計測装置30の外部に備えられていてもよ
い。また、この演算回路39に代えて、演算回路39と
同じ動作をするコンピュータを利用してもよい。
【0080】(第3実施形態の動作)本実施形態では、
第1実施形態と同様、フリンジスキャンの際に、被検面
32の移動量とフィゾー面33(参照面)の移動量との
比を1:−1に保ちつつ、被検光32aと参照光33a
の光学的距離の差を少なくとも光源31から出射される
光の2波長分(位相差にして2周期分)変化させる(図
2(a)参照)。また、フィゾー面33(参照面)の位
置と被検面32の位置とが何れも十分な精度で時間に対
して直線的に変化し、かつ単位時間Tc当たりの被検光
32aと参照光33aとの位相差変化量2πaがπ/2
となるよう(すなわち、a=1/4となるよう)設定さ
れる(図(a)参照)。
【0081】すなわち、制御回路38は、制御回路18
と同様に、8Tcの期間中に、移動機構37に与える駆
動電圧を時間に応じて変化させて、フィゾー面33(参
照面)を1/2波長分均等に移動させると同時に、移動
機構37に与える駆動電圧を時間に応じて変化させて被
検面32を−1/2波長分均等に移動させる(なお、移
動量の正/負の相違は、光路短縮方向/光路拡張方向の
相違に対応する。ただし、どちらの方向を正にとっても
よい)。
【0082】このフリンジスキャンの結果、蓄積データ
0、B1、B2、B3、B4、B5、B 6、B7(実測値)が
得られる(図2(b)参照)。そして、演算回路39
は、初期位相差φ0を求める際に、これら2周期分の蓄
積データB0、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7(実
測値)に対して、上式(9)を適用する(図2(c)参
照)。
【0083】(第3実施形態におけるコヒーレントノイ
ズ成分の振る舞い)ここで、図6に示すフィゾー型干渉
計35と、図1、図7に示す干渉計75(マイケルソン
型干渉計である。)との相違は、上記したように光路が
一部重なっているか否かの相違のみであるので、干渉計
測装置30においてコヒーレントノイズ成分に関係する
ノイズ光の種類は、干渉計測装置10、20、70にお
けるノイズ光の種類と同じである。
【0084】すなわち、図6に細線で示したように、光
源31からの出射光の一部であってフィゾー型干渉計3
5内の必要反射面以外の何れかの箇所で反射して被検面
32やフィゾー面33を介することなく被検光32aや
参照光33aに干渉するノイズ光(ノイズ光b
(N))、被検面32またはフィゾー面33からの反射
光の一部であってフィゾー型干渉計35内の光源31の
射出口やその他の光学系の表面などで反射して再び被検
面32またはフィゾー面33に向かい、被検面32やフ
ィゾー面33で反射した後に被検光32aや参照光33
aに干渉するノイズ光(ノイズ光c(WNW)、ノイズ
光d(WNR)、ノイズ光e(RNR)、ノイズ光f
(RNW))である。
【0085】なお、括弧内に示したアルファベットは、
反射経路を示す。すなわち、被検面32の反射経路が
W、フィゾー面33の反射経路がR、フィゾー型干渉計
35内の何れかの箇所の反射経路がNで表される。ま
た、フィゾー型干渉計35内の何れかの箇所の反射率
は、被検面32やフィゾー面33の反射率と比較して十
分に低いので、その箇所で2回以上反射したノイズ光に
ついては無視する。
【0086】そして、第1実施形態と同様のパターンで
被検面32とフィゾー面33(参照面)とのそれぞれを
移動させる本実施形態では、各光の光路差、および光路
差変化量は、第1実施形態と同様、表1に示す通りとな
る。すなわち、本実施形態でも、各コヒーレントノイズ
成分S111〜S125の強度変化周期と必要な信号成分SM
の強度変化周期とに第1実施形態と同様の差異が設けら
れる。
【0087】この結果、上記第1実施形態の説明中に記
載したのと同じ理由で、式(9)によってコヒーレント
成分の影響を受けずに初期位相差φ0が求められる。以
上説明したように、本実施形態では、フィゾー型干渉計
35が適用された干渉計測装置30において、第1実施
形態と同様のパターンで被検面32とフィゾー面33
(参照面)のそれぞれを移動させ、かつ、式(9)を適
用することによって、コヒーレントノイズ成分の影響を
確実に除去することができる。この結果、被検面32の
形状測定が高精度化される。
【0088】なお、本実施形態においては、被検面32
とフィゾー面33(参照面)の移動量比を、第2実施形
態と同様の3:1または1:3に代えてもよい。この場
合にも、上記第2実施形態の説明中に記載したのと同じ
理由で、形状測定が高精度化される。 <その他>上記各実施形態においては、必要な信号成分
が偶数周期変化する間にコヒーレントノイズ成分が整数
周期(但し、必要な信号成分とは異なる周期)変化する
のであれば、被検面72、32、参照面73、33のそ
れぞれを如何なるパターンで移動させてもよい。このよ
うな周期関係を実現させる移動パターンであれば、上式
(9)によって確実にコヒーレントノイズ成分の影響を
除去できる。ただし、被検面72、32と参照面73
(フィゾー面33)の移動量比は1:−1とすることが
これらの面の移動距離の合計を小さく抑えられる点で好
ましい。次いで、この移動量比を3:1または1:3と
することが好ましい。この結果、干渉計測装置の大型化
が抑えられる。
【0089】また、上記各実施形態においては、取得す
る蓄積データの数を8個に代えて9個とする(すなわち
フリンジスキャンは少なくとも位相差にして(2+1/
4)周期分行われる。)と共に、式(9)に代えて式
(12)を適用してもよい。この式(12)は、上記し
た5バケット法の式(8b)と同様に式(4)から導か
れる初期位相差φ0の算出式である。したがって、式
(12)は、コヒーレントノイズ成分が発生しないとの
仮定の下では、式(8b)と等価である。
【数12】 因みに、この式(12)の右辺に、上記各実施形態にお
いて説明したようにコヒーレント成分が重畳された蓄積
データB0、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8
(実測値)を当てはめると、下式(13)に示すよう
に、コヒーレントノイズ成分に相当する項は全て消去さ
れる。
【数13】 すなわち、式(12)では、5バケット法の式(8b)
とは異なり、基づくべき蓄積データが(必要な信号成分
の)2周期分に増えているので、各成分の周期的な性質
によって、コヒーレントノイズ成分が除去されて必要な
信号成分のみが残留する。
【0090】したがって、上記各実施形態に適用された
式(12)によれば、蓄積データB k(実測値)にコヒ
ーレントノイズ成分が如何なる強度で重畳されていよう
とも、その成分の影響を受けずに初期位相差φ0が求め
られる。また、上記各実施形態においては、コヒーレン
トノイズ成分を消去することができるのであれば、如何
なる数の蓄積データに基づく演算式を適用してもよい。
【0091】さらには、上記各実施形態において、必要
な信号成分とコヒーレントノイズ成分との周期に差異を
与えるようなパターンで参照面と被検面とを移動させ、
かつ必要な信号成分とコヒーレントノイズ成分とを分離
または消去することができるのであれば、如何なる移動
パターンと、如何なる演算式とが組み合わされてもよ
い。
【0092】また、上記各実施形態において説明したよ
うに、移動機構17と移動機構77との間、または移動
機構373と移動機構372との間で、同じ特性のピエ
ゾ素子を適用すると、上記したフリンジスキャンを実現
するための駆動電圧の設定が容易である点で好ましい
が、十分な精度で所望のフリンジスキャンを実現できる
のであれば、異なる特性のピエゾ素子を適用してもよ
い。
【0093】特に、上記各実施形態におけるピエゾ素子
として、伸縮量を測定しながら駆動電圧を制御できるフ
ィードバック機構を備えたピエゾ素子を適用すると、そ
の伸縮の直線性を高くすることができ、時間に対して参
照面及び被検面の位置が高精度で直線的に変化させるこ
とができるので、高精度の計測が可能となる。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コヒーレントノイズ成分による影響が確実に低減するの
で、形状情報を高精度に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態および第2実施形態の干渉計測装
置の構成図である。
【図2】第1実施形態、第2実施形態、および第3実施
形態の動作を説明する図である。
【図3】第1実施形態における各コヒーレントノイズ成
分と必要な信号成分との変化の仕方を比較する図であ
る。
【図4】従来例における各コヒーレントノイズ成分と必
要な信号成分との変化の仕方を比較する図である。
【図5】第2実施形態における各コヒーレントノイズ成
分と必要な信号成分との変化の仕方を比較する図であ
る。
【図6】第3実施形態の干渉計測装置の構成図である。
【図7】従来の干渉計測装置の構成図である。
【図8】従来の干渉計測装置の動作を説明する図であ
る。
【符号の説明】
10、20、30 干渉計測装置 18、28、38 制御回路 19、39 演算回路 17、77、373、372 移動機構 31、71 光源 32、72 被検面 33 フィゾー面(参照面) 73 参照面 35 フィゾー型干渉計 75 干渉計 74 干渉光学系 35a、74a ビームエキスパンダ 35b 74b ビームスプリッタ 35c、74c 結像レンズ 35d ヌルレンズ 36、76 撮像素子
フロントページの続き Fターム(参考) 2F064 AA09 AA15 CC01 EE05 FF01 GG12 GG22 GG70 HH08 JJ01 KK01 2F065 AA02 AA04 AA06 AA54 DD03 DD04 EE06 FF51 GG01 HH03 JJ03 JJ26 LL09 LL46 LL57 MM02 NN08 QQ21 QQ29 QQ32 QQ34

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から出射された光を被検面と参照面
    との双方に導くと共に、その光が前記被検面で反射する
    ことにより生じた被検光と、その光が前記参照面で反射
    することにより生じた参照光とを干渉させる干渉光学系
    と、 前記被検光と前記参照光とが成す干渉光の光路に配置さ
    れ、入射光の強度に応じた干渉信号を出力する受光素子
    と を備えた干渉計による干渉計測方法であって、 前記被検光と前記参照光との位相差を変化させる走査の
    際に、前記被検光光路の光学的距離と、前記参照光光路
    の光学的距離との双方をそれぞれ所定のパターンで同時
    に変化させることによって、前記干渉信号のうち、前記
    参照光と前記被検光との間の位相差に応じて変化する必
    要な信号成分の強度変化周期と、前記被検光光路および
    前記参照光光路の少なくとも一部を経由した所定のノイ
    ズ光が前記被検光または前記参照光に干渉することによ
    り生じるコヒーレントノイズ成分の強度変化周期とに、
    差異を設ける変調走査手順と、 前記変調走査手順が行われているときに前記受光素子か
    ら出力される干渉信号に基づき、所定の状態における前
    記被検光と前記参照光との位相差を前記被検面の形状情
    報として求める算出手順とを有することを特徴とする干
    渉計測方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の干渉計測方法におい
    て、 前記変調走査手順では、 前記被検光光路の光学的距離の変化量と、前記参照光光
    路の光学的距離の変化量との比が1:−1に保たれるこ
    とを特徴とする干渉計測方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の干渉計測方法におい
    て、 前記変調走査手順では、 前記被検光光路の光学的距離の変化量と、前記参照光光
    路の光学的距離の変化量との比が1:3または3:1に
    保たれることを特徴とする干渉計測方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載
    の干渉計測方法において、 前記変調走査手順では、 前記走査が、少なくとも前記必要な信号成分の強度変化
    の2周期分行われ、 前記算出手順では、 前記被検面の形状情報が、少なくとも前記必要な信号成
    分の強度変化の2周期分に対応する前記干渉信号に基づ
    いて求められることを特徴とする干渉計測方法。
  5. 【請求項5】 光源から出射された光を被検面と参照面
    との双方に導くと共に、その光が前記被検面で反射する
    ことにより生じた被検光と、その光が前記参照面で反射
    することにより生じた参照光とを干渉させる干渉光学系
    と、 前記被検光と前記参照光とが成す干渉光の光路に配置さ
    れ、入射光の強度に応じた干渉信号を出力する受光素子
    と、 前記被検光光路の光学的距離と前記参照光光路の光学的
    距離との双方を同時に移動させる移動手段と、 前記被検光と前記参照光との位相差を変化させる走査の
    際に、前記移動手段を動作させて、前記被検光光路の光
    学的距離と前記参照光光路の光学的距離との双方をそれ
    ぞれ所定のパターンで同時に変化させることにより、前
    記干渉信号のうち、前記参照光と前記被検光との間の位
    相差に応じて変化する必要な信号成分の強度変化周期
    と、前記被検光光路および前記参照光光路の少なくとも
    一部を経由した所定のノイズ光が前記被検光または前記
    参照光に干渉することにより生じるコヒーレントノイズ
    成分の強度変化周期とに、差異を設ける変調走査手段
    と、 前記変調走査手段による走査中に前記受光素子から出力
    される干渉信号に基づき、所定の状態における前記被検
    光と前記参照光との位相差を前記被検面の形状情報とし
    て求める算出手段とを備えたことを特徴とする干渉計測
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の干渉計測装置におい
    て、 前記変調走査手段は、 前記被検光光路の光学的距離の変化量と、前記参照光光
    路の光学的距離の変化量との比を1:−1に保つことを
    特徴とする干渉計測装置。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の干渉計測装置におい
    て、 前記変調走査手段は、 前記被検光光路の光学的距離の変化量と、前記参照光光
    路の光学的距離の変化量との比を1:3または3:1に
    保つことを特徴とする干渉計測装置。
  8. 【請求項8】 請求項5〜請求項7の何れか1項に記載
    の干渉計測装置において、 前記変調走査手段は、 前記走査を、少なくとも前記必要な信号成分の強度変化
    の2周期分行い、 前記算出手段は、 前記被検面の形状情報を、少なくとも前記必要な信号成
    分の強度変化の2周期分に対応する前記干渉信号に基づ
    いて求めることを特徴とする干渉計測装置。
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