JP4765140B2 - 干渉計測方法および干渉計測装置 - Google Patents

干渉計測方法および干渉計測装置 Download PDF

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    • G01B11/2441Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques for measuring contours or curvatures using interferometry

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、干渉計による干渉計測方法、および干渉計測装置に関し、特に、被検面からの被検光と参照面からの参照光との間の位相差を変化させる走査(フリンジスキャン)を行い、その結果得られる干渉信号に基づいて、所定の状態における前記被検光と前記参照光との位相差を前記被検面の形状情報として求める干渉計測方法、および干渉計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、被検面72の面形状を測定するための従来の干渉計測装置70の構成図である。
干渉計測装置70では、光源71から出射された光が被検面72と参照面73との双方に導かれると共に、その光が被検面72で反射することにより生じた被検光72aと、その光が参照面73で反射することにより生じた参照光73aとが干渉して干渉縞を生じさせ、その干渉縞はCCD型撮像素子などの撮像素子76によって検知される。このようにして検知された干渉縞から、被検光72aと参照光73aとの間の位相差の二次元分布を知ることができ、この二次元分布によって、参照面73を基準とした被検面72の面形状が表される。
【0003】
さらに高精度化を図る場合には、以下に説明するフリンジスキャン干渉法が適用される。
フリンジスキャン干渉法は、ピエゾ素子などの移動機構77により参照面73を1/2波長分程度移動させることで、被検光72aと参照光73aとの光学的距離を1波長分(位相差にして1周期分)程度変化させ(フリンジスキャン)、そのときの干渉縞の濃淡の変化の仕方を検知することにより、所定の状態(例えばフリンジスキャン開始時の初期状態)における被検光72aと参照光73aとの位相差(初期位相差)の値を正確に求めるものである。
【0004】
一般に、干渉計測装置70では、このフリンジスキャンの際に、参照面73の位置が時間に対して直線的に変化するように設定されている(移動機構77、および制御回路78の設定による。)。
また、撮像素子76は、受光面に配置された各画素において、入射光強度に応じた量の電荷を単位時間Tc毎に蓄積し、入射光強度の時間Tc間に亘る時間積分値、すなわち蓄積データB0、B1、B2、・・・を順次出力する。この蓄積データB0、B1、B2、・・・が、干渉信号として使用される。
【0005】
いま仮に、干渉縞のある点Aにおける、被検光72aと参照光73aとの初期位相差をφ0とおき、単位時間Tc当たりの位相差変化量を2πa(定数)とおくと、フリンジスキャン開始からの時間t経過時における被検光73aと参照光72aとの位相差φ(t)は、式(1)で表される。
【数1】
Figure 0004765140
また、被検光72aと参照光73aとによる干渉光強度I(t)は、この位相差φ(t)を用いて式(2)で表される。なお、I0、γはそれぞれ光源71から出射される光の強度(振幅)等により定まる数(定数)である。
【数2】
Figure 0004765140
また、干渉光強度I(t)と、干渉光強度のTc間に亘る時間積分値である蓄積データB0、B1、B2、・・・との関係は、式(3)で表される。
【数3】
Figure 0004765140
したがって、各蓄積データB0、B1、B2、・・・は、式(4)で表される。
【数4】
Figure 0004765140
この式(4)を変形すると、式(5)、および式(6)が得られる。
【数5】
Figure 0004765140
【数6】
Figure 0004765140
また、上式(4)からは、単位時間Tc当たりの位相差変化量2πaを、4つの蓄積データB0、B1、B3、B4で表す式(7)が導かれる。
【数7】
Figure 0004765140
これらの関係に基づき、干渉計測装置70の演算回路79は、撮像素子76が出力する各蓄積データB0、B1、B2、・・・(実測値)に、式(7)を適用してaの値を求め、さらに求めたaの値と、式(5)および式(6)から、初期位相差φ0の値を求める。
【0006】
さらにこの初期位相差φ0の値の算出は、撮像素子76の各画素の出力についてそれぞれ行われ、算出された初期位相差φ0の二次元分布が、参照面73を基準とした被検面72の形状情報として、モニタなどの表示器(不図示)に出力される。
ここで、以上のようなフリンジスキャン干渉法においては、参照面73の移動のさせ方を限定して演算を簡略化させることができる。
【0007】
例えば、図8(a)に示すように、単位時間Tc当たりの被検光72aと参照光73aとの位相差変化量2πaがπ/2となるよう(すなわち、a=1/4となるよう)設定すれば、次式(8a)又は式(8b)(何れも式(4)においてa=1/4とおくことで導かれる式である。)によって、連続する4つの蓄積データ、例えばB0、B1、B2、B3(実測値)、または連続する5つの蓄積データ、例えばB0、B1、B2、B3、B4(実測値)から、直接的に初期位相差φ0を求めることができる(図8(b)、(c)参照)。
【数8】
Figure 0004765140
なお、4つの蓄積データから式(8a)により初期位相φ0を求める方法は「4バケット法」と呼ばれ、5つの蓄積データから式(8b)により初期位相φ0を求める方法(但しこの場合、フリンジスキャンは、少なくとも位相差にして(1+1/4)周期分行われる。)は「5バケット法」と呼ばれる。因みに、4バケット法よりも、5バケット法の方が、基づくべき蓄積データの数が1多い分だけ処理時間が長くかかるが、その分高精度である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、撮像素子76が出力する各蓄積データB0、B1、B2、・・・(実測値)には、必要な信号成分(参照光73aと被検光72aとが成す干渉光による)の他に、コヒーレントノイズ成分(余分な反射を行って撮像素子76に入射したノイズ光が成す干渉光による)が重畳されている。
【0009】
ここで、ノイズ光は、図7中細線で示すように、光源71からの出射光の一部であって干渉計75内の何れかの箇所で反射して被検面72や参照面73を介することなく被検光72aや参照光73aに干渉するノイズ光(ノイズ光b(N))、および、被検面72または参照面73からの反射光の一部であって干渉光学系74の表面や光源71の射出口などで反射して再び被検面72または参照面73に向かい、被検面72または参照面73で反射した後に被検光72aや参照光73aに干渉するノイズ光(ノイズ光c(WNW)、ノイズ光d(WNR)、ノイズ光e(RNR)、ノイズ光f(RNW))である。
【0010】
なお、括弧内に示したアルファベットは、反射経路を示す。すなわち、被検面72の反射経路がW、参照面73の反射経路がR、干渉計75内の何れかの箇所の反射経路がNで表される(干渉計75内の何れかの箇所の反射率は、被検面72や参照面73の反射率と比較して十分に低いので、その箇所で2回以上反射したノイズ光については無視する)。
【0011】
これらノイズ光b、c、d、e、fによって干渉信号に重畳されるコヒーレントノイズ成分は、何らかの演算によって必要な信号成分と分離し、かつ除去することが望まれる。
しかしながら、従来の干渉計測装置70では、上記したように式(8a)や式(8b)が適用されることからも明らかなように、蓄積データB0、B1、B2、・・・(実測値)にコヒーレントノイズ成分が重畳されていないとみなされていたので、最終的に形状情報として求められる初期位相差φ0には、誤差が含まれていた。
【0012】
ここで、必要な信号成分とは異なった周期で変化するコヒーレントノイズ成分については、何らかの演算によってその信号成分からの分離が可能であるが、必要な信号成分と同じ周期で変化するコヒーレントノイズ成分については、如何なる演算を適用しても、その分離が不可能である。
因みに、干渉計測装置70では、コヒーレントノイズ成分のうち、ノイズ光bが参照光73aに干渉して生じさせるもの、ノイズ光cが参照光73aに干渉して生じさせるもの、ノイズ光dが被検光72aに干渉して生じさせるもの、ノイズ光eが参照光73aに干渉して生じさせるもの、ノイズ光fが参照光73aに干渉して生じさせるものについては、参照面73の移動に伴って必要な信号成分と同じ周期で変化するために、分離(すなわち除去)できない(なお、詳細は後述する表2参照。)。
【0013】
そこで考えられるのは、コヒーレントノイズ成分の原因であるノイズ光b、c、d、e、fの発生自体を、干渉計75内の光学素子の変更などにより回避することであるが、光学素子の面の反射率と配置角度などに応じて生じるノイズ光は、どのような光学素子からなる干渉計においても少なからず発生し得るため、その完全な回避は不可能である。
【0014】
したがって従来では、コヒーレントノイズ成分による影響を抑えることは、演算内容の変更によっても、ハードウエアの変更によっても不可能と考えられ、光学素子の表面に反射防止膜を形成したり、余分な反射光を光路から外すための素子を挿入したりして、コヒーレントノイズ成分の強度を僅かに抑えるという程度のことしかされていなかった。
【0015】
そこで、本発明は、上記のフリンジスキャン干渉法を応用することによって、コヒーレントノイズ成分による影響を確実に低減させることができる干渉計測方法および干渉計測装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の干渉計測方法は、光源から出射された光を被検面と参照面との双方に導くと共に、その光が前記被検面で反射することにより生じた被検光と、その光が前記参照面で反射することにより生じた参照光とを干渉させる干渉光学系と、前記被検光と前記参照光とが成す干渉光の光路に配置され、入射光の強度に応じた干渉信号を出力する受光素子とを備えた干渉計による干渉計測方法であって、前記被検光と前記参照光との位相差を変化させる走査の際に、前記被検光光路の光学的距離と、前記参照光光路の光学的距離との双方をそれぞれ所定のパターンで同時に変化させることによって、前記干渉信号のうち、前記参照光と前記被検光との間の位相差に応じて変化する必要な信号成分の強度変化周期と、前記被検光光路および前記参照光光路の少なくとも一部を経由した所定のノイズ光が前記被検光または前記参照光に干渉することにより生じるコヒーレントノイズ成分の強度変化周期とに、差異を設ける変調走査手順と、前記変調走査手順が行われているときに前記受光素子から出力される干渉信号に基づき、前記走査中の所定の状態における前記被検光と前記参照光との位相差を前記被検面の形状情報として求める算出手順とを有し、 前記変調走査手順では、前記被検光光路の光学的距離の変化量ΔWと前記参照光光路の光学的距離の変化量ΔRとの比ΔW:ΔRは、|ΔW|、|ΔR|、|ΔW−2ΔR|、|ΔR−2ΔW|の各々が|ΔW−ΔR|と一致せず、かつ、|ΔW|、|ΔR|、|ΔW−2ΔR|、|ΔR−2ΔW|の各々の整数倍が|ΔW−ΔR|の偶数倍と一致するように保たれる。
【0017】
一般に、変化周期の互いに異なる2つの信号は、演算により分離可能である。
したがって、前記変調走査手順によってその強度変化周期に差異が設けられた必要な信号成分とコヒーレントノイズ成分とは、演算により互いに分離可能である。したがって、受光素子が出力する干渉信号に、上記のようなコヒーレントノイズ成分が重畳されていたとしても、その後行われる算出手順においてその影響を除去することができる。
【0018】
請求項2に記載の干渉計測方法は、請求項1に記載の干渉計測方法において、前記変調走査手順では、前記被検光光路の光学的距離の変化量と、前記参照光光路の光学的距離の変化量との比が1:−1に保たれることを特徴とする。
ここで、コヒーレントノイズ成分を重畳させるノイズ光は、光源からの出射光の一部であって干渉計内の何れかの箇所で反射して被検面や参照面を介することなく被検光や参照光に干渉するノイズ光、および、被検面または参照面からの反射光の一部であって干渉光学系の表面や光源の射出口などで反射して再び被検面または参照面に向かい、被検面または参照面で反射した後に被検光や参照光に干渉するノイズ光である。
【0019】
しかし、上記した変調走査手順では、前記被検光光路の光学的距離の変化量と前記参照光光路の光学的距離の変化量との比が1:−1に保たれるので、少なくともこれらのノイズ光が成すコヒーレントノイズ成分の強度変化周期は、必要な信号成分の強度変化周期とは異なるものとなる。つまりこのコヒーレントノイズ成分による影響を、その後行われる算出手順において確実に除去することができる。
【0020】
なお、干渉計内では、何れかの箇所で2回以上反射したノイズ光が発生するが、その箇所の反射率は、被検面や参照面の反射率と比較して十分に低いので、このノイズ光が成すコヒーレントノイズ成分は、先に示したコヒーレントノイズ成分と比較して十分に小さい。したがって、この干渉計測方法によると、コヒーレントノイズ成分による影響は十分に小さく抑えられる。
【0021】
また、変調走査手段による移動量比については1:−1以外の他の値であっても同じ効果が得られるようなものはあるが、1:−1の比によれば、被検光光路と参照光光路との光学的距離の変化量の合計を小さく抑えられる点で好ましい。
請求項3に記載の干渉計測方法は、請求項1に記載の干渉計測方法において、前記変調走査手順では、前記被検光光路の光学的距離の変化量と、前記参照光光路の光学的距離の変化量との比が1:3または3:1に保たれることを特徴とする。
【0022】
この比が保たれているときには、請求項2に記載の干渉計測方法と同じノイズ光によるコヒーレントノイズ成分の強度変化周期が、必要な信号成分の強度変化周期とは異なるものとなるので、請求項2に記載の干渉計測方法と同様にして、コヒーレントノイズ成分による影響を十分に小さく抑えることができる。
また、このような移動量の比1:3、または3:1によると、光学的距離の変化量の合計は、比1:−1による場合と比較すると大きくなるものの、その他の比が設定された場合よりは小さく抑えられる。
【0023】
請求項4に記載の干渉計測方法は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の干渉計測方法において、前記変調走査手順では、前記走査が、少なくとも前記必要な信号成分の強度変化の2周期分行われ、前記算出手順では、前記被検面の形状情報が、少なくとも前記必要な信号成分の強度変化の2周期分に対応する前記干渉信号に基づいて求められることを特徴とする。
【0024】
このように、基づくべき干渉信号を2周期分とすれば、必要な信号成分の周期的な性質と、コヒーレントノイズ成分の周期的な性質とを利用して、コヒーレントノイズ成分を除去して必要な信号成分のみを残留させることができる。この結果、コヒーレントノイズ成分による影響を、確実に抑えることができる。
請求項5に記載の干渉計測装置は、光源から出射された光を被検面と参照面との双方に導くと共に、その光が前記被検面で反射することにより生じた被検光と、その光が前記参照面で反射することにより生じた参照光とを干渉させる干渉光学系と、前記被検光と前記参照光とが成す干渉光の光路に配置され、入射光の強度に応じた干渉信号を出力する受光素子と、前記被検光光路の光学的距離と前記参照光光路の光学的距離との双方を同時に移動させる移動手段と、前記被検光と前記参照光との位相差を変化させる走査の際に、前記移動手段を動作させて、前記被検光光路の光学的距離と前記参照光光路の光学的距離との双方をそれぞれ所定のパターンで同時に変化させることにより、前記干渉信号のうち、前記参照光と前記被検光との間の位相差に応じて変化する必要な信号成分の強度変化周期と、前記被検光光路および前記参照光光路の少なくとも一部を経由した所定のノイズ光が前記被検光または前記参照光に干渉することにより生じるコヒーレントノイズ成分の強度変化周期とに、差異を設ける変調走査手段と、前記変調走査手段による走査中に前記受光素子から出力される干渉信号に基づき、前記走査中の所定の状態における前記被検光と前記参照光との位相差を前記被検面の形状情報として求める算出手段とを備え、前記変調走査手段は、前記被検光光路の光学的距離の変化量ΔWと前記参照光光路の光学的距離の変化量ΔRとの比ΔW:ΔRを、|ΔW|、|ΔR|、|ΔW−2ΔR|、|ΔR−2ΔW|の各々が|ΔW−ΔR|と一致せず、かつ、|ΔW|、|ΔR|、|ΔW−2ΔR|、|ΔR−2ΔW|の各々の整数倍が|ΔW−ΔR|の偶数倍と一致するように保つ。
【0025】
請求項6に記載の干渉計測装置は、請求項5に記載の干渉計測装置において、前記変調走査手段は、前記被検光光路の光学的距離の変化量と、前記参照光光路の光学的距離の変化量との比を1:−1に保つことを特徴とする。
請求項7に記載の干渉計測装置は、請求項5に記載の干渉計測装置において、前記変調走査手段は、前記被検光光路の光学的距離の変化量と、前記参照光光路の光学的距離の変化量との比を1:3または3:1に保つことを特徴とする。
【0026】
請求項8に記載の干渉計測装置は、請求項5〜請求項7の何れか1項に記載の干渉計測装置において、前記変調走査手段は、前記走査を、少なくとも前記必要な信号成分の強度変化の2周期分行い、前記算出手段は、前記被検面の形状情報を、少なくとも前記必要な信号成分の強度変化の2周期分に対応する前記干渉信号に基づいて求めることを特徴とする。
【0027】
請求項5、請求項6、請求項7、請求項8に記載の干渉計測装置によれば、それぞれ請求項1、請求項2、請求項3、請求項4に記載の干渉計測方法が自動的に実施される。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
以下、図1、図2、図3、図4に基づいて本発明の第1実施形態を説明する。
(第1実施形態の構成)
図1は、本実施形態の干渉計測装置10(および後述する第2実施形態の干渉計測装置20)の構成図である。図1において、図7に示す従来の干渉計測装置70と同じものについては同一の符号を付して示した。
【0029】
干渉計測装置10は、図7に示した干渉計測装置70において、被検面72を移動させる移動機構17がさらに備えられ、制御回路78に代えて制御回路18が備えられ、演算回路79に代えて演算回路19が備えられたものに等しい。すなわち、干渉計測装置10は、光源71と、干渉光学系74(ビームスプリッタ74b、ビームエキスパンダ74a、結像レンズ74c等)と、撮像素子76と、2つの移動機構77、17と、制御回路18と、演算回路19とを備える(以下、光源71、干渉光学系74、撮像素子76からなる系を、干渉計75とする)。
【0030】
この中で干渉光学系74は、光源71から出射された光を被検面72と参照面73との双方に導くと共に、その光が被検面72で反射することにより生じた被検光72aと、その光が参照面73で反射することにより生じた参照光73aとを干渉させるものである。
移動機構17は、被検光72aの光路の光学的距離を変化させるために、与えられる駆動電圧に応じた距離だけ被検面72を光軸方向へ移動させるものであり、移動機構77は、参照光73aの光路の光学的距離を変化させるために、与えられる駆動電圧に応じた距離だけ参照面73を光軸方向に移動させるものである。これら移動機構17、77は、例えばピエゾ素子などからなり、本実施形態では、互いに同じ特性のものが使用されるとする。
【0031】
撮像素子76は、被検光72aと参照光73aとが成す干渉光の光路に配置されたCCD型撮像素子などであり、制御回路18により駆動されると、各画素において入射光強度に応じた量の電荷を単位時間Tc毎に蓄積し、入射光強度の時間Tcに亘る時間積分値を示す信号である蓄積データB0、B1、B2、・・・(実測値)を順次出力する(本明細書では、取得順に添え字を付す。)。干渉計測装置10においては、この蓄積データB0、B1、B2、・・・(実測値)が、干渉縞の濃淡を示す干渉信号として利用される。
【0032】
制御回路18は、フリンジスキャン時に、光源71を駆動すると共に、移動機構77、17のそれぞれに対して所定のパターンで駆動電圧を印加し、参照面73と被検面72とをそれぞれ所定のパターンで移動させる。また、制御回路18はこのときに撮像素子76を駆動し、撮像素子76から出力される蓄積データB0、B1、B2、・・・(実測値)を演算回路19に与える。
【0033】
演算回路19は、所定状態(例えばフリンジスキャン開始時の初期状態)における参照光73aと被検光72aとの間の位相差(例えば初期位相差φ0)を求める際に、蓄積データB0、B1、B2、・・・(実測値)に対して所定の演算を施す。なお、この演算回路19は、干渉計測装置10の外部に備えられていてもよい。また、この演算回路19に代えて、演算回路19と同じ動作をするコンピュータを利用してもよい。
【0034】
(第1実施形態の動作)
図2は、本実施形態の動作を説明する図である。
本実施形態では、蓄積データB0、B1、B2、・・・(実測値)に重畳されるコヒーレントノイズ成分の強度変化周期を、必要な信号成分の強度変化周期と違うものとするために、フリンジスキャン時に被検面72と参照面73との双方を、同時に移動させる。この際、被検面72の移動量と参照面73の移動量との比は、1:−1に保たれる。
【0035】
さらに、必要な信号成分の2周期分に相当する情報を得るために、図2(a)に示すように、被検光72aと参照光73aの光学的距離の差を、少なくとも光源71から出射される光の2波長分(位相差にして2周期分)変化させる。
また、後述する式(9)を適用するための条件として、参照面73の位置と被検面72の位置とが何れも十分な精度で時間に対して直線的に変化し、かつ単位時間Tc当たりの被検光72aと参照光73aとの位相差変化量2πaがπ/2となるよう(すなわち、a=1/4となるよう)設定される(図2(a)参照)。
【0036】
すなわち、制御回路18は、8Tcの期間中に、移動機構77に与える駆動電圧を時間に応じて変化させて参照面73を1/2波長分均等に移動させると同時に、移動機構17に与える駆動電圧を時間に応じて変化させて被検面72を−1/2波長分均等に移動させる(なお、移動量の正/負の相違は、光路短縮方向/光路拡張方向の相違に対応する。ただし、どちらの方向を正にとってもよい)。
【0037】
このフリンジスキャンの結果、順に蓄積データB0、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7(実測値)が得られる(図2(b)参照)。これらの各蓄積データは、それぞれ必要な信号成分の1/4周期分に相当し、これらの蓄積データの全体は、必要な信号成分の2周期分のデータに相当する。
さらに、本実施形態の演算回路19は、初期位相差φ0を求める際に、これら2周期分の蓄積データB0、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7(実測値)に対して、次式(9)を適用する(図2(c)参照)(なお、この式(9)の意味については後述する。)。
【数9】
Figure 0004765140
(第1実施形態におけるコヒーレントノイズ成分の振る舞い)
ここで、干渉計測装置10においてコヒーレントノイズ成分に関係するノイズ光は、従来と同様、ノイズ光b(N)、ノイズ光c(WNW)、ノイズ光d(WNR)、ノイズ光e(RNR)、ノイズ光f(RNW)である。
なお、括弧内に示したアルファベットは、反射経路を示す。すなわち、被検面72の反射経路がW、参照面73の反射経路がR、干渉計75内の何れかの箇所の反射経路がNで表される。また、干渉計75内の何れかの箇所の反射率は、被検面72や参照面73の反射率と比較して十分に低いので、その箇所で2回以上反射したノイズ光については無視する。
【0038】
次に、表1に基づいて、必要な信号成分の強度変化周期と、各コヒーレントノイズ成分の強度変化周期とを比較する。
表1は、本実施形態における各光の光路差、および光路差変化量を比較する表である。
【表1】
Figure 0004765140
上記したように本実施形態では、参照光73aの光路変化量が「1」であるときの被検光72aの光路変化量は「−1」であるので、ノイズ光b、c、d、e、fの光路変化量は、それぞれ「0」、「−2」、「0」、「2」、「0」となる。
【0039】
このときの参照光73aと被検光72aとが成す干渉光、すなわち必要な信号成分SMの強度変化周期は、欄Mによって示される。この欄Mには、参照光73aと被検光72aとの光路差「W−R」と、光路差変化量「−2」とが記されており、この光路差変化量「−2」の大きさが、この2光が成す干渉光の強度変化の速さを示す。
【0040】
そこで以下では、各干渉光の強度変化周期を、その干渉光を成す2光の「光路差変化量の大きさ」で以て表す。すなわち、必要な信号成分SMは「周期2」で変化する。
同様に、ノイズ光bが被検光72aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S111は、「周期1」で変化する(欄111参照)。
【0041】
また、ノイズ光cが被検光72aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S112は、「周期1」で変化する(欄112参照)。
また、ノイズ光dが被検光72aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S113は、「周期1」で変化する(欄113参照)。
【0042】
また、ノイズ光eが被検光72aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S114は、「周期3」で変化する(欄114参照)。
また、ノイズ光fが被検光72aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S115は、「周期1」で変化する(欄115参照)。
また、ノイズ光bが参照光73aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S121は、「周期1」で変化する(欄121参照)。
【0043】
また、ノイズ光cが参照光73aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S122は、「周期3」で変化する(欄122参照)。
また、ノイズ光dが参照光73aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S123は、「周期1」で変化する(欄123参照)。
また、ノイズ光eが参照光73aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S124は、「周期1」で変化する(欄124参照)。
【0044】
また、ノイズ光fが参照光73aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S125は、「周期1」で変化する(欄125参照)。
すなわち、本実施形態では、各コヒーレントノイズ成分S111〜S125の強度変化周期と、必要な信号成分SMの強度変化周期とに差異が設けられる。
図3は、本実施形態における、各コヒーレントノイズ成分S111〜S125と、必要な信号成分SMとの変化の仕方を比較する図である。図3(a)が必要な信号成分SMと同じく「周期2」で変化する信号を示すのに対し、図3(b)はコヒーレントノイズ成分S111、S112、S113、S115、S121、S123、S124、S125のように「周期1」で変化する信号を示し、図3(c)はコヒーレントノイズ成分S114、S122のように「周期3」で変化する信号を示す(但し、図3に示した振幅および位相は何れも意味を持たない。)。
【0045】
したがって、上記フリンジスキャン時に撮像素子76から出力される蓄積データB0、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7(実測値)には、「周期2」で変化する必要な信号成分B10、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17(図3(a)参照)と、「周期1」で変化するコヒーレントノイズ成分B20、B21、B22、B23、B24、B25、B26、B27(図3(b)参照)と、「周期3」で変化するコヒーレントノイズ成分B30、B31、B32、B33、B34、B35、B36、B37(図3(c)参照)とが重ね合わされていると考えられる。すなわち、コヒーレントノイズ成分を考慮して各蓄積データBk(実測値)を表すと、Bk=B1k+B2k+B3kとなる。
【0046】
さて、上記したように本実施形態では、式(9)が使用される。この式(9)は、上記した4バケット法の式(8a)と同様に式(4)から導かれる初期位相差φ0の算出式である。したがって、式(9)は、コヒーレントノイズ成分が発生しないとの仮定の下では、式(8a)と等価である。
ここで、必要な信号成分B10、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17については、式(4)や図3(a)からも明らかなように、その周期的性質から、B10=B14、B11=B15、B12=B16、B13=B17が成立する。また、コヒーレントノイズ成分B20、B21、B22、B23、B24、B25、B26、B27については、B20+B24=B21+B25=B22+B26=B23+B27=Bv1が成立し(図3(b)参照)、コヒーレントノイズ成分B30、B31、B32、B33、B34、B35、B36、B37については、B30+B34=B31+B35=B32+B36=B33+B37=Bv3が成立する(図3(c)参照)。
【0047】
このとき、式(9)の右辺に、蓄積データB0、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7(実測値)を当てはめると、下式(10)に明らかなように、コヒーレントノイズ成分に相当する項(B20、B21、B22、B23、B24、B25、B26、B27、B30、B31、B32、B33、B34、B35、B36、B37)は全て消去される。
【数10】
Figure 0004765140
すなわち、式(9)では、4バケット法の式(8a)とは異なり、基づくべき蓄積データが(必要な信号成分B1kの)2周期分に増えているので、各成分の周期的な性質によって、コヒーレントノイズ成分B2k、B3kが除去されて必要な信号成分B1kのみが残留する。
【0048】
したがって、本実施形態における式(9)によれば、蓄積データBk(実測値)にコヒーレントノイズ成分B2k、B3kが如何なる強度で重畳されていようとも、その成分の影響を受けずに初期位相差φ0が求められる。
次に、以上説明した本実施形態と比較するため、従来の干渉計測装置70におけるコヒーレントノイズ成分の振る舞いを、表2、図4に基づいて説明する。
【表2】
Figure 0004765140
上記したように従来の干渉計測装置70では被検面72については何ら移動させないので、参照光73aの光路変化量が「1」であるときの被検光72aの光路変化量は「0」である。これに伴いノイズ光b、c、d、e、fの光路変化量は、それぞれ「0」、「0」、「1」、「2」、「1」となる。
また、必要な信号成分SM’(参照光73aと被検光72aとが成す干渉光)は「周期1」で変化する(欄M参照)。
【0049】
また、ノイズ光b、cのそれぞれが被検光72aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S111’、S112’およびノイズ光d、fのそれぞれが参照光73aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S123’、S125’は、何れも「周期0」で変化する(すなわち定常的である)(欄111、112、123、125参照)。
【0050】
また、ノイズ光d、fのそれぞれが被検光72aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S113’、S115’、およびノイズ光b、c、eのそれぞれが参照光73aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S121’、S122’、S124’は、何れも「周期1」で変化する(欄113、115、121、122、124参照)。
【0051】
また、ノイズ光eが被検光72aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S114’は、「周期2」で変化する(欄114参照)。
すなわち、従来例では、一部のコヒーレントノイズ成分S113’、S115’、S121’、S122’、S124’の強度変化周期が、必要な信号成分SM’の強度変化周期と同じになっている。
【0052】
したがって、従来の撮像素子76から出力される蓄積データB0、B1、B2、B3(実測値)には、図4に示すように、「周期1」で変化する必要な信号成分B10、B11、B12、B13(図4(a)参照)と、「周期1」で変化するコヒーレントノイズ成分B20’、B21’、B22’、B23’(図4(b)参照)と、「周期2」で変化するコヒーレントノイズ成分B30’、B31’、B32’、B33’(図4(c)参照)とが重ね合わされていると考えられる。すなわち、コヒーレントノイズ成分を考慮して各蓄積データBk(実測値)を表すと、Bk=B1k+B2k’+B3k’となる。
【0053】
そして、従来適用されていた例えば式(8a)では、2つずれた蓄積データ同士が引き算されているので、「周期2」で変化するコヒーレントノイズ成分B30’、B31’、B32’、B33’からは、B30’=B32’、B31’=B33’が成立するために影響を受けないものの、必要な信号成分B10、B11、B12、B13と同じ「周期1」で変化するコヒーレントノイズ成分B20’、B21’、B22’、B23’からは、影響を受ける。
【0054】
また仮に、別の式を用いたとしても、同じ周期で変化する信号同士は分離不可能であるため、このコヒーレントノイズ成分B2k’を消去することはできない。
その点、上述した本実施形態では、被検面72と参照面73のそれぞれを移動量比1:−1に保ちつつ移動させることにより、コヒーレントノイズ成分の強度変化周期を必要な信号成分の強度変化周期とは異なるものとし、かつ、式(9)の適用によって、このようなコヒーレントノイズ成分の影響を確実に除去することができる。この結果、被検面72の形状測定が高精度化される。
【0055】
<第2実施形態>
次に、図1、図5に基づいて本発明の第2実施形態を説明する。ここでは、第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
(第2実施形態の構成)
本実施形態の干渉計測装置20は、図1に示す干渉計測装置10において、制御回路18に代えて制御回路28が備えられたものに等しい。
【0056】
制御回路28は、制御回路18と同様に、フリンジスキャン時に移動機構77、17のそれぞれに対して所定のパターンで駆動電圧を印加し、参照面73と被検面72とをそれぞれ所定のパターンで移動させると共に、撮像素子76を駆動し、そのときに撮像素子76から出力される蓄積データB0、B1、B2、・・・を演算回路19に与えるが、参照面73および被検面72の移動パターンは、制御回路19によるものとは異なる。
【0057】
(第2実施形態の動作)
第2実施形態では、フリンジスキャン時に、被検面72の移動量と参照面73の移動量との比は、3:1に保たれる。
すなわち、制御回路28は、8Tcの期間中に、移動機構77に与える駆動電圧を時間に応じて変化させて、参照面73を1/2波長分均等に移動させると同時に、移動機構17に与える駆動電圧を時間に応じて変化させて被検面72を3/2波長分均等に移動させる(なお、移動量の正/負の相違は、光路短縮方向/光路拡張方向の相違に対応する。ただし、どちらの方向を正にとってもよい)。
【0058】
このフリンジスキャンの結果、順に蓄積データB0、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7(実測値)が得られる(図2(b)参照)。これらの各蓄積データは、第1実施形態で得られる各蓄積データと同様、それぞれ必要な信号成分の1/4周期分に相当し、これらの蓄積データの全体は、必要な信号成分の2周期分のデータに相当する。
【0059】
そして、演算回路19が初期位相差φ0を算出する際には、第1実施形態と同様の上式(9)が適用される(図2(c)参照)。
(第2実施形態におけるコヒーレントノイズ成分の振る舞い)
ここで、干渉計測装置20においてコヒーレントノイズ成分に関係する光は、第1実施形態と同様、ノイズ光b(N)、ノイズ光c(WNW)、ノイズ光d(WNR)、ノイズ光e(RNR)、ノイズ光f(RNW)である。
【0060】
なお、括弧内に示したアルファベットは、反射経路を示す。すなわち、被検面72の反射経路がW、参照面73の反射経路がR、干渉計75内の何れかの箇所の反射経路がNで表される。また、干渉計75内の何れかの箇所の反射率は、被検面72や参照面73の反射率と比較して十分に低いので、その箇所で2回以上反射したノイズ光については無視する。
【0061】
次に、表3に基づいて、必要な信号成分の強度変化周期と、各コヒーレントノイズ成分の強度変化周期とを比較する。
表3は、本実施形態における各光の光路差、および光路差変化量を比較する表である。
【表3】
Figure 0004765140
上記したように本実施形態では、参照光73aの光路変化量が「1」であるときの被検光72aの光路変化量は「3」であるので、ノイズ光b、c、d、e、fの光路変化量は、それぞれ「0」、「6」、「4」、「2」、「4」となる。
【0062】
このとき参照光73aと被検光72aとによる必要な信号成分SM”は、「周期2」で変化する(欄M参照)。
同様に、ノイズ光bが被検光72aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S111”は、「周期3」で変化する(欄111参照)。
また、ノイズ光cが被検光72aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S112”は、「周期3」で変化する(欄112参照)。
【0063】
また、ノイズ光dが被検光72aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S113”は、「周期1」で変化する(欄113参照)。
また、ノイズ光eが被検光72aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S114”は、「周期1」で変化する(欄114参照)。
また、ノイズ光fが被検光72aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S115”は、「周期1」で変化する(欄115参照)。
【0064】
また、ノイズ光bが参照光73aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S121”は、「周期1」で変化する(欄121参照)。
また、ノイズ光cが参照光73aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S122”は、「周期5」で変化する(欄122参照)。
また、ノイズ光dが参照光73aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S123”は、「周期3」で変化する(欄123参照)。
【0065】
また、ノイズ光eが参照光73aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S124”は、「周期1」で変化する(欄124参照)。
また、ノイズ光fが参照光73aに干渉して生じさせるコヒーレントノイズ成分S125”は、「周期3」で変化する(欄125参照)。
すなわち、本実施形態でも、各コヒーレントノイズ成分S111”〜S125”の強度変化周期が、何れも必要な信号成分SM”の強度変化周期とは異なっている。
【0066】
図5は、本実施形態における、各コヒーレントノイズ成分S111”〜S125”と必要な信号成分SM”との変化の仕方を比較する図である。図5(a)が必要な信号成分SM”と同じく「周期2」で変化する信号を示すのに対し、図5(b)は、コヒーレントノイズ成分S113”、S114”、S115”、S121”、S124”と同じく「周期1」で変化する信号を示し、図5(c)は、コヒーレントノイズ成分S111”、S112”、S123”、S125”と同じく「周期3」で変化する信号を示し、図5(d)は、コヒーレントノイズ成分S122”と同じく「周期5」で変化する信号を示す(但し、図5に示した振幅および位相は何れも意味を持たない)。
【0067】
したがって、上記フリンジスキャン時に撮像素子76から出力される蓄積データB0、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7(実測値)には、「周期2」で変化する必要な信号成分B10、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17(図5(a)参照)と、「周期1」で変化するコヒーレントノイズ成分B20”、B21”、B22”、B23”、B24”、B25”、B26”、B27”(図5(b)参照)と、「周期3」で変化するコヒーレントノイズ成分B30”、B31”、B32”、B33”、B34”、B35”、B36”、B37”(図5(c)参照)と、「周期5」で変化するコヒーレントノイズ成分B40、B41、B42、B43、B44、B45、B46、B47(図5(d)参照)が重ね合わされていると考えられる。すなわち、コヒーレントノイズ成分を考慮して各蓄積データBk(実測値)を表すと、Bk=B1k+B2k”+B3k”+B4kとなる。
【0068】
さて、上記したように本実施形態では、式(9)が使用される。この式(9)は、上記第1実施形態において使用されたものと同じである。すなわち、コヒーレントノイズ成分が発生しないとの仮定の下では、式(8a)と等価な初期位相差φ0の算出式である。
ここで、必要な信号成分B10、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17については、その変化周期から、B10=B14、B11=B15、B12=B16、B13=B17が成立する(図5(a)参照)。また、コヒーレントノイズ成分B20”、B21”、B22”、B23”、B24”、B25”、B26”、B27”については、B20”+B24”=B21”+B25”=B22”+B26”=B23”+B27”=Bv1が成立し(図5(b)参照)、コヒーレントノイズ成分B30”、B31”、B32”、B33”、B34”、B35”、B36”、B37”については、B30”+B34”=B31”+B35”=B32”+B36”=B33”+B37”=Bv3が成立し(図5(c)参照)、また、コヒーレントノイズ成分B40、B41、B42、B43、B44、B45、B46、B47については、B40+B44=B41+B45=B42+B46=B43+B47=Bv5が成立する(図5(d)参照)。
【0069】
このとき、式(9)の右辺に、蓄積データB0、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7(実測値)を当てはめると、下式(11)に明らかなように、コヒーレントノイズ成分(B20”、B21”、B22”、B23”、B24”、B25”、B26”、B27”、B30”、B31”、B32”、B33”、B34”、B35”、B36”、B37”、B40、B41、B42、B43、B44、B45、B46、B47)は全て消去される。
【数11】
Figure 0004765140
すなわち、式(9)では、4バケット法の式(8a)とは異なり、基づくべき蓄積データが(必要な信号成分B1kの)2周期分に増えているので、各成分の周期的な性質によって、コヒーレントノイズ成分B2k”、B3k”、B4kが除去されて必要な信号成分B1kのみが残留する。
したがって、本実施形態における式(9)によれば、蓄積データBk(実測値)にコヒーレントノイズ成分B2k”、B3k”、B4kが如何なる強度で重畳されていようとも、その成分の影響を受けずに初期位相差φ0が求められる。
【0070】
以上説明したように、本実施形態では、被検面72と参照面73のそれぞれを移動量比3:1に保ちつつ移動させることにより、コヒーレントノイズ成分の強度変化周期を必要な信号成分の強度変化周期とは異なるものとし、かつ、式(9)の適用によって、このようなコヒーレントノイズ成分の影響を確実に除去することができる。この結果、被検面72の形状測定が高精度化される。
【0071】
なお、本実施形態においては、被検面72と参照面73の移動量比を1:3に代えてもよい。この場合にも、3:1とした場合と同様に形状測定が高精度化される。
<第3実施形態>
次に、図2、図6に基づいて本発明の第3実施形態を説明する。ここでは、第1実施形態や第2実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0072】
(第3実施形態の構成)
図6は、本実施形態の干渉計測装置30の構成図である。
干渉計装置30は、上記第1実施形態や第2実施形態の干渉計測装置10、20(なお、干渉計75はマイケルソン型干渉計である。)とは異なり、フィゾー型干渉計35が適用されている。
【0073】
フィゾー型干渉計35は、光源31、ビームエキスパンダ35a、ビームスプリッタ35b、ヌルレンズ35d、結像レンズ35c、撮像素子36等を有する。
フィゾー型干渉計35において、光源31から出射された光は、ビームエキスパンダ35a、ビームスプリッタ35bを介してヌルレンズ35dに入射する。
ヌルレンズ35dに入射した光束は、所定位置に配置されたフィゾー面33(フィゾー型干渉計の参照面である。)に入射する。
【0074】
フィゾー面33に入射した光束は、一部がフィゾー面33で反射して参照光33aとなり、他の一部がフィゾー面を透過した後所定位置に配置された被検面32で反射して被検光32aとなる。
参照光33aは、ヌルレンズ35d、ビームスプリッタ35b、結像レンズ35cを経た後、撮像素子36に入射し、一方、被検光32aは、フィゾー面33、ヌルレンズ35d、ビームスプリッタ35b、結像レンズ35cを経た後、撮像素子36に入射する。そして、これら参照光33aと被検光32bとは干渉して撮像素子36上に干渉縞を成す。
【0075】
このフィゾー型干渉計35とマイケルソン型干渉計(図1符号75)との相違は、参照光33aの光路と、被検光32aの光路とが共通している点にある(但し光路長は異なる)。このため、フィゾー型干渉計35は、参照光33aの光路の環境と被検光32aの光路の環境とをほぼ一致させることができるので、特に高精度が要求される計測に適している。
【0076】
そして、このフィゾー型干渉計35を備えた干渉計測装置30には、2つの移動機構372および移動機構373と、制御回路38と、演算回路39とが備えられる。
【0077】
移動機構372は、被検光32aの光路の光学的距離を変化させるために、与えられる駆動電圧に応じた距離だけ被検面32を光軸方向へ移動させるものであり、移動機構373は、参照光33aの光路の光学的距離を変化させるために、与えられる駆動電圧に応じた距離だけ参照面33を光軸方向に移動させるものである。これら移動機構372、373は、例えばピエゾ素子などからなり、本実施形態では、互いに同じ特性のものが使用されるとする。
【0078】
撮像素子36は、CCD型撮像素子などであり、制御回路38により駆動されると、各画素において入射光強度に応じた量の電荷を単位時間Tc毎に蓄積し、入射光強度の時間Tcに亘る時間積分値を示す信号である蓄積データB0、B1、B2、・・・(実測値)を順次出力する。
制御回路38は、フリンジスキャン時に、移動機構373、372のそれぞれに対して所定のパターンで駆動電圧を印加し、参照面33と被検面32とをそれぞれ所定のパターンで移動させる。また制御回路38は、このときに撮像素子36を駆動し、撮像素子36から出力される蓄積データB0、B1、B2、・・・(実測値)を演算回路39に与える。
【0079】
演算回路39は、所定状態(例えばフリンジスキャン開始時の初期状態)における参照光33aと被検光32aとの間の位相差(例えば初期位相差φ0)を求める際に、蓄積データB0、B1、B2、・・・(実測値)に対して所定の演算を施す。なお、この演算回路39は、干渉計測装置30の外部に備えられていてもよい。また、この演算回路39に代えて、演算回路39と同じ動作をするコンピュータを利用してもよい。
【0080】
(第3実施形態の動作)
本実施形態では、第1実施形態と同様、フリンジスキャンの際に、被検面32の移動量とフィゾー面33(参照面)の移動量との比を1:−1に保ちつつ、被検光32aと参照光33aの光学的距離の差を少なくとも光源31から出射される光の2波長分(位相差にして2周期分)変化させる(図2(a)参照)。また、フィゾー面33(参照面)の位置と被検面32の位置とが何れも十分な精度で時間に対して直線的に変化し、かつ単位時間Tc当たりの被検光32aと参照光33aとの位相差変化量2πaがπ/2となるよう(すなわち、a=1/4となるよう)設定される(図(a)参照)。
【0081】
すなわち、制御回路38は、制御回路18と同様に、8Tcの期間中に、移動機構37に与える駆動電圧を時間に応じて変化させて、フィゾー面33(参照面)を1/2波長分均等に移動させると同時に、移動機構37に与える駆動電圧を時間に応じて変化させて被検面32を−1/2波長分均等に移動させる(なお、移動量の正/負の相違は、光路短縮方向/光路拡張方向の相違に対応する。ただし、どちらの方向を正にとってもよい)。
【0082】
このフリンジスキャンの結果、蓄積データB0、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7(実測値)が得られる(図2(b)参照)。
そして、演算回路39は、初期位相差φ0を求める際に、これら2周期分の蓄積データB0、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7(実測値)に対して、上式(9)を適用する(図2(c)参照)。
【0083】
(第3実施形態におけるコヒーレントノイズ成分の振る舞い)
ここで、図6に示すフィゾー型干渉計35と、図1、図7に示す干渉計75(マイケルソン型干渉計である。)との相違は、上記したように光路が一部重なっているか否かの相違のみであるので、干渉計測装置30においてコヒーレントノイズ成分に関係するノイズ光の種類は、干渉計測装置10、20、70におけるノイズ光の種類と同じである。
【0084】
すなわち、図6に細線で示したように、光源31からの出射光の一部であってフィゾー型干渉計35内の必要反射面以外の何れかの箇所で反射して被検面32やフィゾー面33を介することなく被検光32aや参照光33aに干渉するノイズ光(ノイズ光b(N))、被検面32またはフィゾー面33からの反射光の一部であってフィゾー型干渉計35内の光源31の射出口やその他の光学系の表面などで反射して再び被検面32またはフィゾー面33に向かい、被検面32やフィゾー面33で反射した後に被検光32aや参照光33aに干渉するノイズ光(ノイズ光c(WNW)、ノイズ光d(WNR)、ノイズ光e(RNR)、ノイズ光f(RNW))である。
【0085】
なお、括弧内に示したアルファベットは、反射経路を示す。すなわち、被検面32の反射経路がW、フィゾー面33の反射経路がR、フィゾー型干渉計35内の何れかの箇所の反射経路がNで表される。また、フィゾー型干渉計35内の何れかの箇所の反射率は、被検面32やフィゾー面33の反射率と比較して十分に低いので、その箇所で2回以上反射したノイズ光については無視する。
【0086】
そして、第1実施形態と同様のパターンで被検面32とフィゾー面33(参照面)とのそれぞれを移動させる本実施形態では、各光の光路差、および光路差変化量は、第1実施形態と同様、表1に示す通りとなる。
すなわち、本実施形態でも、各コヒーレントノイズ成分S111〜S125の強度変化周期と必要な信号成分SMの強度変化周期とに第1実施形態と同様の差異が設けられる。
【0087】
この結果、上記第1実施形態の説明中に記載したのと同じ理由で、式(9)によってコヒーレント成分の影響を受けずに初期位相差φ0が求められる。
以上説明したように、本実施形態では、フィゾー型干渉計35が適用された干渉計測装置30において、第1実施形態と同様のパターンで被検面32とフィゾー面33(参照面)のそれぞれを移動させ、かつ、式(9)を適用することによって、コヒーレントノイズ成分の影響を確実に除去することができる。この結果、被検面32の形状測定が高精度化される。
【0088】
なお、本実施形態においては、被検面32とフィゾー面33(参照面)の移動量比を、第2実施形態と同様の3:1または1:3に代えてもよい。この場合にも、上記第2実施形態の説明中に記載したのと同じ理由で、形状測定が高精度化される。
<その他>
上記各実施形態においては、必要な信号成分が偶数周期変化する間にコヒーレントノイズ成分が整数周期(但し、必要な信号成分とは異なる周期)変化するのであれば、被検面72、32、参照面73、33のそれぞれを如何なるパターンで移動させてもよい。このような周期関係を実現させる移動パターンであれば、上式(9)によって確実にコヒーレントノイズ成分の影響を除去できる。ただし、被検面72、32と参照面73(フィゾー面33)の移動量比は1:−1とすることがこれらの面の移動距離の合計を小さく抑えられる点で好ましい。次いで、この移動量比を3:1または1:3とすることが好ましい。この結果、干渉計測装置の大型化が抑えられる。
【0089】
また、上記各実施形態においては、取得する蓄積データの数を8個に代えて9個とする(すなわちフリンジスキャンは少なくとも位相差にして(2+1/4)周期分行われる。)と共に、式(9)に代えて式(12)を適用してもよい。この式(12)は、上記した5バケット法の式(8b)と同様に式(4)から導かれる初期位相差φ0の算出式である。したがって、式(12)は、コヒーレントノイズ成分が発生しないとの仮定の下では、式(8b)と等価である。
【数12】
Figure 0004765140
因みに、この式(12)の右辺に、上記各実施形態において説明したようにコヒーレント成分が重畳された蓄積データB0、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8(実測値)を当てはめると、下式(13)に示すように、コヒーレントノイズ成分に相当する項は全て消去される。
【数13】
Figure 0004765140
すなわち、式(12)では、5バケット法の式(8b)とは異なり、基づくべき蓄積データが(必要な信号成分の)2周期分に増えているので、各成分の周期的な性質によって、コヒーレントノイズ成分が除去されて必要な信号成分のみが残留する。
【0090】
したがって、上記各実施形態に適用された式(12)によれば、蓄積データBk(実測値)にコヒーレントノイズ成分が如何なる強度で重畳されていようとも、その成分の影響を受けずに初期位相差φ0が求められる。
また、上記各実施形態においては、コヒーレントノイズ成分を消去することができるのであれば、如何なる数の蓄積データに基づく演算式を適用してもよい。
【0091】
さらには、上記各実施形態において、必要な信号成分とコヒーレントノイズ成分との周期に差異を与えるようなパターンで参照面と被検面とを移動させ、かつ必要な信号成分とコヒーレントノイズ成分とを分離または消去することができるのであれば、如何なる移動パターンと、如何なる演算式とが組み合わされてもよい。
【0092】
また、上記各実施形態において説明したように、移動機構17と移動機構77との間、または移動機構373と移動機構372との間で、同じ特性のピエゾ素子を適用すると、上記したフリンジスキャンを実現するための駆動電圧の設定が容易である点で好ましいが、十分な精度で所望のフリンジスキャンを実現できるのであれば、異なる特性のピエゾ素子を適用してもよい。
【0093】
特に、上記各実施形態におけるピエゾ素子として、伸縮量を測定しながら駆動電圧を制御できるフィードバック機構を備えたピエゾ素子を適用すると、その伸縮の直線性を高くすることができ、時間に対して参照面及び被検面の位置が高精度で直線的に変化させることができるので、高精度の計測が可能となる。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、コヒーレントノイズ成分による影響が確実に低減するので、形状情報を高精度に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態および第2実施形態の干渉計測装置の構成図である。
【図2】第1実施形態、第2実施形態、および第3実施形態の動作を説明する図である。
【図3】第1実施形態における各コヒーレントノイズ成分と必要な信号成分との変化の仕方を比較する図である。
【図4】従来例における各コヒーレントノイズ成分と必要な信号成分との変化の仕方を比較する図である。
【図5】第2実施形態における各コヒーレントノイズ成分と必要な信号成分との変化の仕方を比較する図である。
【図6】第3実施形態の干渉計測装置の構成図である。
【図7】従来の干渉計測装置の構成図である。
【図8】従来の干渉計測装置の動作を説明する図である。
【符号の説明】
10、20、30 干渉計測装置
18、28、38 制御回路
19、39 演算回路
17、77、373、372 移動機構
31、71 光源
32、72 被検面
33 フィゾー面(参照面)
73 参照面
35 フィゾー型干渉計
75 干渉計
74 干渉光学系
35a、74a ビームエキスパンダ
35b 74b ビームスプリッタ
35c、74c 結像レンズ
35d ヌルレンズ
36、76 撮像素子

Claims (8)

  1. 光源から出射された光を被検面と参照面との双方に導くと共に、その光が前記被検面で反射することにより生じた被検光と、その光が前記参照面で反射することにより生じた参照光とを干渉させる干渉光学系と、
    前記被検光と前記参照光とが成す干渉光の光路に配置され、入射光の強度に応じた干渉信号を出力する受光素子と
    を備えた干渉計による干渉計測方法であって、
    前記被検光と前記参照光との位相差を変化させる走査の際に、前記被検光光路の光学的距離と、前記参照光光路の光学的距離との双方をそれぞれ所定のパターンで同時に変化させることによって、前記干渉信号のうち、前記参照光と前記被検光との間の位相差に応じて変化する必要な信号成分の強度変化周期と、前記被検光光路および前記参照光光路の少なくとも一部を経由した所定のノイズ光が前記被検光または前記参照光に干渉することにより生じるコヒーレントノイズ成分の強度変化周期とに、差異を設ける変調走査手順と、 前記変調走査手順が行われているときに前記受光素子から出力される干渉信号に基づき、所定の状態における前記被検光と前記参照光との位相差を前記被検面の形状情報として求める算出手順とを有し、
    前記変調走査手順では、
    前記被検光光路の光学的距離の変化量ΔWと前記参照光光路の光学的距離の変化量ΔRとの比ΔW:ΔRは、|ΔW|、|ΔR|、|ΔW−2ΔR|、|ΔR−2ΔW|の各々が|ΔW−ΔR|と一致せず、かつ、|ΔW|、|ΔR|、|ΔW−2ΔR|、|ΔR−2ΔW|の各々の整数倍が|ΔW−ΔR|の偶数倍と一致するように保たれる
    ことを特徴とする干渉計測方法。
  2. 請求項1に記載の干渉計測方法において、
    前記変調走査手順では、
    前記被検光光路の光学的距離の変化量と、前記参照光光路の光学的距離の変化量との比が1:−1に保たれる
    ことを特徴とする干渉計測方法。
  3. 請求項1に記載の干渉計測方法において、
    前記変調走査手順では、
    前記被検光光路の光学的距離の変化量と、前記参照光光路の光学的距離の変化量との比が1:3または3:1に保たれる
    ことを特徴とする干渉計測方法。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の干渉計測方法において、
    前記変調走査手順では、
    前記走査が、少なくとも前記必要な信号成分の強度変化の2周期分行われ、前記算出手順では、前記被検面の形状情報が、少なくとも前記必要な信号成分の強度変化の2周期分に対応する前記干渉信号に基づいて求められる
    ことを特徴とする干渉計測方法。
  5. 光源から出射された光を被検面と参照面との双方に導くと共に、その光が前記被検面で反射することにより生じた被検光と、その光が前記参照面で反射することにより生じた参照光とを干渉させる干渉光学系と、
    前記被検光と前記参照光とが成す干渉光の光路に配置され、入射光の強度に応じた干渉信号を出力する受光素子と、
    前記被検光光路の光学的距離と前記参照光光路の光学的距離との双方を同時に移動させる移動手段と、
    前記被検光と前記参照光との位相差を変化させる走査の際に、前記移動手段を動作させて、前記被検光光路の光学的距離と前記参照光光路の光学的距離との双方をそれぞれ所定のパターンで同時に変化させることにより、前記干渉信号のうち、前記参照光と前記被検光との間の位相差に応じて変化する必要な信号成分の強度変化周期と、
    前記被検光光路および前記参照光光路の少なくとも一部を経由した所定のノイズ光が前記被検光または前記参照光に干渉することにより生じるコヒーレントノイズ成分の強度変化周期とに、差異を設ける変調走査手段と、
    前記変調走査手段による走査中に前記受光素子から出力される干渉信号に基づき、所定の状態における前記被検光と前記参照光との位相差を前記被検面の形状情報として求める算出手段とを備え、
    前記変調走査手段は、
    前記被検光光路の光学的距離の変化量ΔWと前記参照光光路の光学的距離の変化量ΔRとの比ΔW:ΔRを、|ΔW|、|ΔR|、|ΔW−2ΔR|、|ΔR−2ΔW|の各々が|ΔW−ΔR|と一致せず、かつ、|ΔW|、|ΔR|、|ΔW−2ΔR|、|ΔR−2ΔW|の各々の整数倍が|ΔW−ΔR|の偶数倍と一致するように保つ
    ことを特徴とする干渉計測装置。
  6. 請求項5に記載の干渉計測装置において、
    前記変調走査手段は、
    前記被検光光路の光学的距離の変化量と、前記参照光光路の光学的距離の変化量との比を1:−1に保つ
    ことを特徴とする干渉計測装置。
  7. 請求項5に記載の干渉計測装置において、
    前記変調走査手段は、
    前記被検光光路の光学的距離の変化量と、前記参照光光路の光学的距離の変化量との比を1:3または3:1に保つ
    ことを特徴とする干渉計測装置。
  8. 請求項5〜請求項7の何れか1項に記載の干渉計測装置において、
    前記変調走査手段は、
    前記走査を、少なくとも前記必要な信号成分の強度変化の2周期分行い、前記算出手段は、前記被検面の形状情報を、少なくとも前記必要な信号成分の強度変化の2周期分に対応する前記干渉信号に基づいて求める
    ことを特徴とする干渉計測装置。
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