JP2001329819A - 内燃機関のカム駆動制御装置 - Google Patents

内燃機関のカム駆動制御装置

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JP2001329819A
JP2001329819A JP2000242228A JP2000242228A JP2001329819A JP 2001329819 A JP2001329819 A JP 2001329819A JP 2000242228 A JP2000242228 A JP 2000242228A JP 2000242228 A JP2000242228 A JP 2000242228A JP 2001329819 A JP2001329819 A JP 2001329819A
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誠之助 原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機関高回転高負荷域に移行した際における、
凹溝と収納穴との合致するタイミングが困難になり,前
記切換え制御の不可能になる恐れがあると共に、ピンと
凹溝の開口縁間に大きな衝突打音が発生するおそれがあ
る。 【解決手段】 カムシャフト13の回転力により吸気弁
12を開作動させる可動カム17を、前記カムシャフト
に対して摺動用長孔26を介して径方向に移動(揺動)
可能に設けて、カムリフト部24をバルブリフター16
に対して進退動自在に形成した。前記カムシャフトに、
可動カムの端部を支持ピン34を介して揺動自在に支持
する一対のフランジ部32、33を固設した。また、機
関運転状態に応じて前記カムシャフトにカムを係合固定
あるいは係合固定を解除する係合解除手段19を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用内
燃機関の機関弁である吸気弁や排気弁を、バルブスプリ
ングのばね力に抗して開作動させるカムの駆動制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の内燃機関のカム駆動制御装置とし
ては、例えば実開平3−77005号公報等に記載され
ているものが知られている。
【0003】図25に基づいて概略を説明すれば、内燃
機関のシリンダヘッド上に軸受を介して回転自在に支持
されてクランク軸と同期回転するカムシャフト1と、該
カムシャフト1の外周に設けられて、吸気弁や排気弁を
バルブスプリングのばね力に抗して開作動させる雨滴状
のカム2とを備え、このカム2は、カムシャフト1に対
して相対回転自在に取り付けられている。また、このカ
ム2のカムシャフト1外周面に摺接する内周面、つま
り、カムリフト部2a側内周面には、円形状の凹溝3が
形成されている。一方、前記カムシャフト1の内部に
は、前記凹溝3に対向する収納穴4が径方向に沿って形
成されていると共に、この収納穴4の内部には前記凹溝
3内に係入し得るピン5がカムシャフト外周面から出没
可能に設けられている。また、前記収納穴4の底部に形
成された油圧室6内の油圧によって前記ピン5を進出さ
せるようになっていると共に、この油圧室6には、カム
シャフト1の内部軸心方向に形成された油通路7から油
圧が給排されるようになっている。また、ピン5は、収
納穴4の底部側に装着されたリターンスプリング8のば
ね力によって前記収納穴4内に収容されるように後退方
向に付勢されている。
【0004】そして、機関低回転低負荷時には、前記油
圧室6への油圧の供給が遮断されるため、ピン5は、リ
ターンスプリング8のばね力によって図示のように収納
穴4内に収容されている。したがって、カム2は、カム
シャフト1との連結が解除されて、カムシャフト1から
の回転力が伝達されずに回転停止状態になっている。こ
れにより、吸気弁は、弁停止状態となって、燃費の向上
などが図れるようになっている。
【0005】一方、機関高回転高負荷域に移行した場合
は、油通路7から油圧室6へ油圧が供給されることによ
り、ピン5がリターンスプリング8のばね力に抗して収
納穴4から進出し、該収納穴4と凹溝3が合致した所定
の回転タイミング時にピン先端部が凹溝3内に係入す
る。これによって、カム2は、カムシャフト1に連結さ
れて該カムシャフト1の回転力が伝達される。これによ
って、全ての吸気弁が開閉作動され、吸気の充填効率が
向上して機関の高出力化が図れるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のカム駆動制御装置にあっては、前述のように、カム
シャフト1とカム2が相対回転自在になっているため、
前記機関低回転低回転時から高回転高負荷時への移行時
おける制御の切換え時、つまり両者1、2の連結解除状
態から連結への切換え制御が困難になると共に、大きな
衝突打音が発生するなどの問題を招来している。
【0007】すなわち、機関低回転低負荷時には、両者
1、2の連結が解除されて、カムシャフト1のみが回転
してカム2が回転停止され、この状態から、高回転高負
荷域に移行して、回転状態にあるカムシャフト1のピン
5が進出して、回転停止状態にあるカム2の凹溝4内に
係入しようとするため、凹溝3と収納穴4との合致する
タイミングが合わずにピン5を凹溝3内へ円滑に係入す
ることが極めて困難になる。この結果、実際上、前記切
換え制御の不可能になる恐れがある。
【0008】また、凹溝3に対するピン5の係入が可能
になったとしても、ピン5が凹溝3の開口縁に係入した
瞬間に、カムシャフト1の回転力がピン5を介して凹溝
3の開口縁に作用して大きな衝突打音が発生すると共
に、かかる大きな衝突力により凹溝3開口縁やピン5の
先端部が損傷を受け易くなるばかりか両者3、5間に異
常摩耗が発生する恐れがある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来装置
の技術的課題に鑑みて案出されたもので、請求項1記載
の発明は、カムシャフトの回転力により機関弁を開作動
させる可動カムを、該可動カムのカムリフト部が機関弁
方向へ進退動するように前記カムシャフトに径方向へ移
動可能に設けると共に、可動カムをカムシャフトと同期
回転させる支持機構を設け、かつ機関運転状態に応じて
前記カムシャフトに可動カムを係合固定あるいは係合固
定を解除する係合解除手段を設けたことを特徴としてい
る。
【0010】したがって、前記可動カムは、支持機構に
よってカムシャフトと常に同期回転しており、例えば機
関低回転低負荷域においては、係合解除手段によってカ
ムシャフトと可動カムとの係合が解除されていることか
ら、前記可動カムは支持機構を支点として自由に揺動し
ている。すなわち、カムシャフトの回転に伴い可動カム
のカムリフト部が例えば吸気弁のバルブリフター上面に
達すると、可動カム全体が支持機構を支点として後退方
向に自由に揺動し、したがって、バルブリフターに対す
る押圧力として作用することがない。これにより、吸気
弁は、バルブスプリングのばね力により常時閉位置に付
勢されて、弁停止状態になる。
【0011】一方、機関高回転高負荷域に移行した場合
は、前記係合解除手段が作動されて、可動カムのベース
サークル部がバルブリフターの上面に摺接した際、つま
り、吸気弁を閉弁させるベースサークル域において、係
合解除手段によって可動カムがカムシャフトに係合固定
される。したがって、可動カムの自由な進退動が規制さ
れて、カムシャフトと可動カムが一体的に結合されて、
可動カムによるカムリフト作動が行なわれる。
【0012】このように、可動カムをカムシャフトに対
して常時同期回転するよう構成し、互いの回転中に係合
解除手段による両者の係合あるいは解除作動を行なうよ
うにしたため、速やかかつ確実な係合解除作用が得られ
ると共に、係合解除手段の作動時における各構成部品の
衝突を防止することが可能になる。
【0013】請求項2に記載の発明は、前記支持機構
を、可動カムの側部に配設された少なくとも1つのフラ
ンジ部と、該フランジ部と可動カムの端部との間に設け
られて、該可動カムをフランジ部に対して揺動自在に支
持する支持ピンとから構成したことを特徴としている。
【0014】請求項3に記載の発明は、前記可動カムの
ほぼ中央部に、カムシャフトを介して可動カムの進退動
を許容する摺動用長孔を貫通形成したことを特徴として
いる。
【0015】請求項4に記載の発明は、前記カムリフト
部を機関弁方向へ付勢する付勢手段を設けたことを特徴
としている。
【0016】請求項5に記載の発明は、前記フランジ部
を可動カムの両側に2つ配設すると共に、前記支持ピン
を前記両フランジ部と可動カムとに貫通して設けたこと
を特徴としている。
【0017】請求項6に記載の発明は、前記支持ピン
を、可動カムのプロフィールによるリフト開始付近の端
部に配置したことを特徴としている。
【0018】請求項7に記載の発明は、前記係合解除手
段を、前記支持ピンの配置側から周方向へほぼ180°
の角度位置に設けたことを特徴としている。
【0019】請求項8に記載の発明は、前記付勢手段
を、前記カムシャフトの内部径方向に穿設された係合穴
内から前記摺動用長孔の内周面方向に進退動するプラン
ジャと、該プランジャを摺動用長孔の内周面を介して前
記可動カムのカムリフト部を進出させる方向に付勢する
ばね部材とから構成し、該ばね部材のばね力を前記カム
リフト部が最大に突出した際に付勢力がほぼ零になるよ
うに設定したことを特徴としている。
【0020】請求項9に記載の発明は、前記摺動用長孔
のベースサークル部側内面と該内面に対向するカムシャ
フトの外周面との間に、作動油を供給したことを特徴と
している。
【0021】請求項10に記載の発明は、前記係合解除
手段を、前記フランジ部のカム側一側部に形成された収
容穴と、前記カムの側部に形成されて、前記収容穴に対
向する係合穴と、前記収容穴側の油圧室に供給された油
圧によって先端部が収容穴から係合穴内に係入して前記
カムとフランジ部とを係合固定する係合ピストンと、該
係合ピストンを収容穴方向へ付勢する付勢機構と、前記
油圧室に油圧を選択的に給排する油圧回路とから構成し
たことを特徴としている。
【0022】請求項11に記載の発明は、前記付勢機構
は係合穴内に摺動自在に設けられて、前記係合ピストン
の先端部に当接する押圧ピストンを備え、前記係合穴の
形成位置を、前記カムリフト部が最大に後退動した際
に、前記押圧ピストンの端面が前記フランジ部の側面に
対向する位置となるように構成したことを特徴としてい
る。
【0023】請求項12に記載の発明は、前記摺動用長
孔の前記カムリフト部側の端部内周面に、前記プランジ
ャの先端部が係入する係合凹部を形成したことを特徴と
している。
【0024】請求項13に記載の発明は、前記係合凹部
を、可動カムのカムリフト部の頂点から可動カムの回転
方向側の位置に形成し、前記プランジャがカムシャフト
の軸心から前記カムリフト部の頂点を結ぶ線に対して可
動カムの回転方向へ傾斜状に進出するように形成したこ
とを特徴としている。
【0025】請求項14に記載の発明は、一端部が前記
プランジャの底部側に当接し、他端部が前記カムシャフ
トの内部径方向に貫通して前記プランジャの頭部と反対
側の摺動用長孔の内周面に摺接自在な連接棒を軸方向へ
摺動自在に設けたことを特徴としている。
【0026】請求項15に記載の発明は、前記カムシャ
フトに対する可動カムの少なくとも最大進出位置におい
て、前記連接棒の他端部と摺動用長孔の内周面との間
に、微小隙間を形成したことを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】図1〜図5は本発明に係る内燃機
関のカム駆動制御装置の実施形態を示し、シリンダヘッ
ド10に1気筒あたり2つの吸気弁11、12を備えた
内燃機関に適用され、一方の吸気弁11は、カムシャフ
ト13に固定された通常の固定カム14によってバルブ
リフター15を介して開作動されているのに対して、他
方の吸気弁12側は、カム駆動制御装置により開作動さ
れるようになっている。
【0028】具体的に説明すれば、このカム駆動制御装
置は、図1に示すように、シリンダヘッド10の上部に
機関前後方向に沿って配設され、クランク軸から伝達さ
れた回転力によって回転駆動するカムシャフト13と、
該カムシャフト13の外周にほぼカムシャフト径方向へ
移動可能に設けられて、有蓋円筒状の直動型バルブリフ
ター16を介して前記吸気弁12をバルブスプリング1
2aと共同して開閉作動させる可動カム17と、前記カ
ムシャフト13の外周に設けられて、可動カム17の端
部を枢支する支持機構18と、機関運転状態に応じてカ
ムシャフト13に対して可動カム17を係合固定あるい
は係合固定を解除する係合解除手段19とを備えてい
る。
【0029】前記カムシャフト13は、シリンダヘッド
10の上端部に設けられた軸受20によって図1中時計
方向へ回転自在に支持されていると共に、内部軸心方向
に後述する油圧回路から油圧が供給される油通路21が
形成されている。また、カムシャフト13の可動カム1
7が位置する内部径方向には、油通路21と連通する小
孔22が穿設されている。
【0030】前記可動カム17は、プロフィールが雨滴
状に形成されて、ほぼ円形状のベースサークル部23
と、該ベースサークル部23の端部に山形状に突設され
たカムリフト部24と、該ベースサークル部23とカム
リフト部24との間に形成されたランプ部25とから構
成されて、これらがバルブリフター16の上面ほぼ中央
位置を回転摺接するようになっている。また、このカム
プロフィール全体の特性は図10に示すように形成され
ている。
【0031】さらに、可動カム17の中央部には、前記
カムシャフト13に嵌装する摺動用長孔26が貫通形成
されている。この摺動用長孔26は、図1に示すよう
に、カムシャフト13のほぼ径方向に沿って繭状に形成
され、ほぼ円形状の一端部26aがベースサークル部2
3の中央に配置形成されていると共に、円形状の他端部
26bが前記カムリフト部24の先端部24a側に配置
形成されている。また、前記両端部26a,26bの間
の一端面26cは、滑らかな円弧状の連続面に形成され
ているのに対し、該一端面26cと対向する他端面26
dは、ほぼなだらかな突起状に形成されている。
【0032】また、この可動カム17は、前記摺動用長
孔26を介して付勢手段27によりカムリフト部24側
が突出方向に移動可能に設けられている。すなわち、前
記付勢手段27は、図1に示すように、カムシャフト1
3の前記1つの吸気弁12と対応する位置にほぼ半径方
向に沿って形成されたプランジャ穴28と、該プランジ
ャ穴28内を摺動自在に設けられたプランジャ29と、
該プランジャ29を前記摺動用長孔26の内周面方向へ
付勢するリターンスプリング30とから構成されてい
る。
【0033】前記プランジャ穴28は、その底部が前記
油通路21を横切るように形成されている一方、プラン
ジャ29は、有蓋円筒状に形成されてプランジャ穴28
を進退動自在に摺動して、先端部29aの球面状先端面
が摺動用長孔26の内周面を指向している。また、リタ
ーンスプリング30は、一端部が前記プランジャ穴28
の底部に弾持されていると共に、他端部がプランジャ2
9の内部空洞底面に弾持されている。さらに、このリタ
ーンスプリング30は、前記可動カム17のカムリフト
部24が最大に突出した際にばね力がほぼ零になるよう
にそのコイル長が設定されている。
【0034】前記支持機構18は、図3及び図4に示す
ように、可動カム17の両側面17a,17a側に配置
されて、それぞれの内部直径方向及びカムシャフト13
の直径方向に貫通した各固定用ピン31によってカムシ
ャフト13に固定された一対のフランジ部32、33
と、該両フランジ部32、33と可動カム17とをそれ
ぞれ貫通して、該可動カム17を枢支する支持ピン34
とから構成されている。
【0035】前記両フランジ部32、33は、ほぼ円環
状に形成されて中央に前記カムシャフト13に嵌装する
嵌合孔32c,33cが形成されていると共に、外径が
可動カム17のベースサークル部23の外径とほぼ同一
に設定されている。また、対向する各内側面32a,3
3aが可動カム17の両側面17a,17aに摺接して
いる。さらに、両フランジ部32,33の外周面は、可
動カム17のカムリフト部24が後退動した際に、可動
カム17を挟んでバルブリフター16の上面両側に微小
なクリアランスCをもって対向している。
【0036】また、支持ピン34は、両フランジ部3
2、33の外周側にそれぞれ貫通形成されたピン孔32
b,33bと、可動カム17の前記摺動用長孔26の突
起状他端面26d側に貫通形成された挿通孔17bに貫
挿されて、各ピン孔32b,33bに圧入固定されてい
ると共に、挿通孔17bには可動カム17の自由な揺動
を確保するために摺動自在に挿通している。
【0037】前記係合解除手段19は、図1及び図3に
示すように前記一方のフランジ部32の外端部に内端面
32aから内部軸方向に穿設された有底状の収容穴35
と、該収容穴35内から外方向に摺動自在に設けられた
係合ピストン36と、可動カム17の前記挿通孔17b
と周方向の180°位置に内部軸方向に貫通形成され
て、可動カム17のベースサークル時の所定域で前記収
容穴35と対向合致する係合穴37と、該係合穴37内
に摺動自在に設けられて一端面が前記係合ピストン36
の一端面と適宜対接する押圧ピストン38と、他方のフ
ランジ部32の外端部に前記収容穴35と対象位置に形
成された有底状の保持穴39の内部からスプリング部材
40のばね力で前記押圧ピストン38を介して係合ピス
トン36を後退動させる付勢ピストン41と、前記収容
穴35の底部に形成された油圧室42に対して油圧を選
択的に給排する油圧回路43とから構成されており、前
記押圧ピストン38と付勢ピストン41及びスプリング
部材40によって付勢機構が構成されている。
【0038】なお、前記保持穴39の底壁には付勢ピス
トン41の自由な摺動を確保するための小径な空気抜き
孔44が穿設されている。
【0039】また、前記係合ピストン36や押圧ピスト
ン38の軸方向の長さは、対応する収容穴35や係合穴
37の軸方向長さと同一に設定されているが、前記付勢
ピストン41の軸方向の長さは、保持穴39の軸方向の
長さよりも短く設定されている。さらに、前記係合穴3
7の形成位置を、前記カムリフト部24が最大に後退動
した際に、前記押圧ピストン38の前後端部が前記両フ
ランジ部32、33の対向内側面32a,33aに対向
する位置となるように構成した。
【0040】前記油圧回路43は、図3に示すように、
カムシャフト13の内部径方向に穿設されて、前記油圧
室42と油通路21とを連通する油孔45と、一端部が
前記油通路21に連通し他端部がオイルポンプ46と連
通する油圧給排通路47と、前記オイルポンプ46と油
通路21との間に設けられた2方向型の電磁切換弁48
と、該電磁切換弁48をバイパスしたバイパス通路49
に設けられたオリフィス50とから構成されている。
【0041】また、前記電磁切換弁48は、油通路21
と適宜連通するドレン通路51が接続されていると共
に、コンピュータを内蔵したコントローラ52によって
前記油通路21とドレン通路51とを切換え作動するよ
うになっている。前記コントローラ52は、図外のクラ
ンク角センサやエアーフローメータ、水温センサ、スロ
ットルバルブ開度センサなどの各種センサによって検出
した機関運転状態に応じて前記電磁切換弁48に制御信
号を出力するようになっている。
【0042】以下、本実施形態の作用について説明すれ
ば、まず、機関低回転低負荷時には、コントローラ52
からの制御信号によって電磁切換弁48が油圧給排通路
47の上流側を遮断すると共に、該油圧給排通路47と
ドレン通路51とを連通し、したがって、前記油圧室4
2に油圧が供給されない。このため、係合ピストン36
や押圧ピストン38及び付勢ピストン41は、図3に示
すように、それぞれの収容穴35や係合穴37及び保持
穴39内に収容保持されて、カムシャフト13と可動カ
ム17との係合固定が解除された状態になっている。
【0043】したがって、可動カム17は、図1と図6
〜図8に示すようにカムシャフト13の回転に伴い両フ
ランジ部32、33も同期回転することにより支持ピン
34を介してカムシャフト13と同期回転する。そし
て、可動カム17は、外周面が図1に示すようにバルブ
リフター16の上面を摺接して、ベースサークル部23
からランプ部25を経てカムリフト部24がバルブリフ
ター16上面に達すると、図6に示すようにカムリフト
部24にバルブスプリング12aのばね力が作用し、こ
れによって、プランジャ29がリターンスプリング30
のばね力に抗して押し戻されることにより、可動カム1
7全体が支持ピン34を支点として摺動用長孔26を介
して他端部26b方向へ揺動、つまりカムリフト部24
が両フランジ部32,33の外周縁とほぼ同じ高さまで
最大に後退動してカムシャフト13に他端部26bが嵌
合する。
【0044】その後、図7及び図8に示すように、可動
カム17がさらに回転して反対側のランプ部25に回転
移動すると、カムシャフト13への嵌合位置が摺動用長
孔26の他端部26b側から一端部26a側に移行し
て、カムリフト部24がリターンスプリング30のばね
力によりプランジャ29を介して進出動し、さらに回転
して図1に示すようなベースサークル部23の領域に移
動することによりカムリフト部24が最大に進出動す
る。
【0045】すなわち、この機関運転領域では、可動カ
ム17は、カムシャフト13と同期回転しているが、常
時両フランジ部32、33と共にベースサークル状態で
バルブリフター16の上面に摺接して、他方の吸気弁1
2に対するリフト作用を行なわない。したがって、一方
の吸気弁11のみが固定カム14によりリフトされて開
閉作動され、他方の吸気弁12は、バルブスプリング1
2aのばね力による閉弁状態になり、いわゆる弁停止状
態になる。
【0046】この結果、気筒内に流入する吸気に強いス
ワールを生成して燃焼を促進させて、燃費の向上を図る
ことが可能になる。
【0047】また、前述のように電磁切換弁48により
油圧室42への油圧の供給が遮断された状態において
も、オイルポンプ46から吐出された油圧の一部がバイ
パス通路49のオリフィス50を通って油通路21から
油孔45を通って油圧室42内などに僅かに供給されて
各部材の潤滑に供される。しかも、図8に示すように小
孔22からカムシャフト13の外周面と摺動用長孔26
の一端部26aの内周面との間の三日月状隙間26e内
にも供給されて、この僅かな油圧が、可動カム17がラ
ンプ部25を通過してカムリフト部24が最大に進出し
ようとする際における急激な進出動を抑制する、つまり
ダンパーとしての機能を発揮する。このため、カムリフ
ト部24からランプ部25への移動の際におけるいわゆ
るクリック現象が防止されて、バルブリフター16上面
と可動カム17外周面との間、あるいはカムシャフト1
3の外周面と摺動用長孔26の一端部内周面と間の軽衝
突による打音の発生や摩耗の発生を防止することが可能
になる。
【0048】一方、例えば、機関高回転高負荷域になる
と、今度はコントローラ52から出力された制御信号に
基づいて電磁切換弁48が切換え作動して、ドレン通路
51を遮断すると共に、油圧給排通路47の上下流を連
通する。このため、オイルポンプ46から吐出された油
圧は、該油圧給排通路47を通って油通路21及び油孔
45から油圧室42に供給される。このため、係合ピス
トン36は、可動カム17が回転してベースサークル部
23がバルブリフター16上面に対向した時点、つまり
ベースサークル域において収容穴35と係合穴37及び
保持穴39の三者が合致した時点で、図9に示すように
先端部が油圧室42内の高油圧によりスプリング部材4
0のばね力に抗して進出して押圧ピストン38と付勢ピ
ストン41とを押し戻しながら係合穴37内に係入する
と共に、押圧ピストン38の他端部も保持穴39内に係
入する。このため、可動カム17は、カムリフト部24
が最大に進出した状態で両フランジ部32、33に係合
固定されて、カムシャフト13と一体的に連結されるこ
とになる。
【0049】このため、可動カム17は、固定カム14
と同様にカムシャフト13の回転に伴いカムリフト機能
を発揮させて、他方の吸気弁12を図10に示すような
バルブリフトさせることが可能になる。
【0050】この結果、両方の吸気弁11、12の開閉
作動によって吸気の充填効率が向上して、機関の出力を
増大させることが可能になる。
【0051】このように、本実施形態によれば、カムシ
ャフト13に対して可動カム17を支持ピン34によっ
て常時同期回転するよう構成し、互いの回転中に係合解
除手段19により両者13、17の係合あるいは解除作
動を行なうようにしたため、速やかかつ確実な係合解除
作用が得られ、各構成部品の衝突の発生を防止すること
ができる。
【0052】しかも、係合解除手段19の係合作動、つ
まり係合ピストン36及び押圧ピストン38が各係合穴
37や保持穴39への係入作動を、前述のカムシャフト
13と可動カム17の回転中に行なうだけではなく、該
可動カム17のベースサークル域において行なうように
したため、係合可能時間を十分に確保できるので、高回
転時においても安定かつより確実な係合作用が得られ
る。
【0053】また、この実施形態によれば、付勢手段2
7を可動カム17のカムリフト部24が進出する方向に
設けたため、該カムリフト部24がバルブスプリング1
2aのばね力によって押圧された際に、該カムリフト部
24を介して可動カム17全体を後退動させることが容
易になる。
【0054】さらに、係合穴37の形成位置を、前述し
たように、カムリフト部24が最大に後退動した際に、
前記押圧ピストン28の前後端部が前記両フランジ部3
2、33の対向内側面32a,33aに対向する位置と
なるように構成したことによって、カムシャフト13と
可動カム17の係合が解除されている状態において、該
可動カム17のいずれの可動位置においても押圧ピスト
ン38の両端部は両フランジ部32、33の内側面32
a,33aに常時対向状態にあるため、係合穴38から
不用意に脱落することがない。また、前記係合ピストン
36や付勢ピストン41の各先端部も、可動カム17の
いずれの可動位置においても該可動カム17の両側面1
7a,17aに常時対向しているため、不用意に脱落す
ることはない。
【0055】図11は第2の実施形態を示し、付勢手段
27を可動カム17に対して第1実施形態とは逆に配置
したものである。すなわち、プランジャ穴28の開口
を、可動カム17の摺動用長孔26の一端部26a内周
面側に形成してプランジャ29の先端部29aを一端部
26aの内周面に当接させるように設けたものである。
【0056】したがって、この実施形態によれば、可動
カム17の回転によりベースサークル部23がバルブリ
フター16に当接すると、該ベースサークル部23はプ
ランジャ29とリターンスプリング30のばね力によっ
て両フランジ部32、33の外径と同じ高さ、すなわち
バルブリフター16の上面上に強制的に押圧されるた
め、かかるベースサークル域における収容穴35と係合
穴37及び保持穴39とを精度良く重ね合わせることが
可能になり、各穴35、37、39に対して係合ピスト
ン36と押圧ピストン38を確実かつ容易に係入させる
ことができる。したがって、カムシャフト13に対する
可動カム17の連結作動が良好になる。
【0057】図12は第3の実施形態を示し、第2実施
形態の構成を基本として回転方向手前側のベースサーク
ル部23とカムリフト部24との間のランプ部25の外
面を切り欠いてプロフィールを変更したものである。
【0058】したがって、この実施形態によれば、可動
カム17の係合解除時において該可動カム17の回転中
にカムリフト部24からランプ部25に移動した際に、
可動カム17の摺動用長孔26の摺動(揺動)開始が滑
らかになり、揺動の再加速を小さくできるので、可動カ
ム17の外周面とバルブリフター16の上面との当接開
始時における衝突打音を低減化できると共に、摺動用長
孔26の内周面とカムシャフト13の外周面との衝突を
防止することが可能になる。
【0059】図13は第4の実施形態を示し、カムシャ
フト13のフランジ部を1つ廃止すると共に、これに伴
って係合解除手段19の構成も若干変更したものであ
る。すなわち、可動カム17側の係合穴37をフランジ
部32の収容穴35と対向する有底状の係合穴37に形
成し、この係合穴37の内部に付勢ピストン41と、該
付勢ピストン41を係合ピストン36方向に付勢するス
プリング部材40とから構成した。また、可動カム17
は、フランジ部32に圧入された支持ピン34によって
揺動自在に支持されていることは第1実施形態と同様で
ある。さらに、係合穴37の底壁37aには、付勢ピス
トン41の自由な摺動を確保するための空気抜き孔44
が穿設されている。
【0060】したがって、この実施形態によれば、全体
の構造が簡素化されるとともに、重量の軽減化が図れ、
さらに、可動カム17の幅長さを大きく取ることが可能
になるため、バルブリフター16上面に対する安定した
摺動性が得られる。
【0061】図14は第5実施形態を示し、カムシャフ
ト13の両方のフランジ部32,33を廃止して、可動
カム17単独としたもので、可動カム17は、その基本
構造が第1実施形態のものと同一になっていると共に、
カムシャフト13に対して支持機構であるピボットピン
53によって枢支されている。また、係合解除手段19
は、可動カム17とカムシャフト13の径方向位置に設
けられている。
【0062】すなわち、前記ピボットピン53は、先端
部53aが球面状に形成されていると共に、可動カム1
7の外周から内部径方向に穿設された圧入孔54に圧入
されて、前記先端部53aがカムシャフト13の外周面
に形成された球面状溝55に摺動自在に嵌合されてい
る。これによって、可動カム17は、ピボットピン53
の先端部53aを中心にカムシャフト13に対して摺動
用長孔26を介して揺動自在に支持され、かつカムシャ
フト13と同期回転するように支持されている。なお、
可動カム17は、ピボットピン53により支持されるこ
とからその揺動軌跡が第1実施形態の場合と若干異なる
ので摺動用長孔26の特にピボットピン53の先端部5
3aを中心とした一端面26cの曲率が相違している。
【0063】一方、前記係合解除手段19は、カムシャ
フト13の前記ピボットピン53と対向する外周部位置
に径方向に沿って形成された収容穴56と、該収容穴5
6と適宜対向する可動カム17のベースサークル部23
の内周部に径方向に沿って穿設されて、外端側の底部に
エンドキャップ57が圧入された保持穴58と、該保持
穴58内に摺動自在に設けられて、スプリング部材59
によって収容穴56方向へ付勢された係合ピストン60
とから構成されている。また、前記収容穴56の底部油
圧室61には、カムシャフト13に穿設された油孔62
及び前記油通路21を介して前述と同様の油圧回路43
から油圧が給排されるようになっている。なお、前記エ
ンドキャップ57には、空気抜き孔63が貫通形成され
ている。また、付勢手段27も第1実施形態と同様であ
る。
【0064】したがって、この実施形態によれば、機関
低回転低負荷時には、図外の電磁切換弁によって油圧室
61に油圧が供給されるため、係合ピストン60がスプ
リング部材59のばね力に抗して後退動して保持穴58
内に保持される。これによって、可動カム17は、図示
のようにカムシャフト13との係合固定が解除されて摺
動用長孔26を介してピボットピン53を中心に揺動可
能になり、他方の吸気弁12を弁停止状態にする。
【0065】一方、機関高回転高負荷域に移行すると、
電磁切換弁48により油圧室61への油圧の供給が遮断
されて、可動カム17のカムリフト部24が最大に進出
動したベースサークル域において収容穴56と保持穴5
8が合致した時点で、係合ピストン60が収容穴56内
に進出してカムシャフト13に可動カム17が連結され
て一体的に回転する。これによって、吸気弁12の弁停
止が解除されて両吸気弁11、12が開閉作動されるこ
とになる。
【0066】特に、この実施形態によれば、両フランジ
部32、33を廃止したことにより、装置全体の軽量化
が図れることは勿論のこと、第3実施形態のように可動
カム17に対して1つのフランジ部32による片持状態
がなくなり、この結果、可動カム17外周面の偏摩耗の
発生などが防止できる。
【0067】図15は第6実施形態を示し、例えば第1
〜3実施形態などのように可動カム17の両側あるいは
片側に配置されたフランジ部32を低速用のカムとして
利用したものである。つまり、可動カム17のカムリフ
ト部24の高さをさらに高く形成してカムプロフィール
を高速用に設定する一方、フランジ部32の外周に、前
記第1のカムリフト部24よりも低い第2のカムリフト
部64を形成してカムプロフィールを低速用に設定した
ものである。
【0068】したがって、機関低回転低負荷時には、可
動カム17が自由に揺動しているため、第1カムリフト
部24はバルブリフター16上面に達すると、フランジ
部32の第2カムリフト部64と同一の高さまで後退動
する。したがって、この運転領域では、他方の吸気弁1
2は、弁停止されることなく、第2カムリフト部64の
リフト特性にしたがって開閉作動し、つまり図16の一
点鎖線で示すような低バルブリフト特性になる。これに
よって、弁停止状態よりは燃費の向上は得られないが、
気筒内でのスワールの生成による燃焼改善と機関回転の
安定化及び高トルクを得ることができる。一方、高回転
高負荷域に移行すると、係合解除手段19によって今度
はカムシャフト13と可動カム17が一体的に連結され
ることから、吸気弁12は第1のカムリフト部24のリ
フト特性にしたがって開閉作動し、図16の実線で示す
ような高バルブリフト特性になり、機関の高出力化が図
れる。
【0069】図17は第7実施形態を示し、可動カム1
7を、カムシャフト13及び摺動用長孔26を介してバ
ルブリフター16に対し進退動可能に設けるなどの基本
構成は前記第1の実施形態と同様であるが、特に異なる
点は、摺動用長孔26の他端部26b内周面に前記プラ
ンジャ29の先端部29aが係合する係合凹部70を形
成したところにある。
【0070】具体的に説明すれば、前記摺動用長孔26
の他端部26bは、その底面深さが前記各実施形態と同
じく可動カム17がカムシャフト13を介して最大に後
退した際に、カムリフト部24の頂点24aがベースサ
ークル部23の高さと同じ高さとなるように形成されて
いる。
【0071】また、この他端部26bの内周面に形成さ
れた前記係合凹部70は、プランジャ29の先端部29
aが係合可能な形状に形成されていると共に、その中心
位置が前記頂点24aとカムシャフト13の軸心Xを結
ぶ線Qから可動カム17の回転方向前方側へθ角度の位
置に設定されている。したがって、カムシャフト13に
形成されるプランジャ穴28を、その軸心が前記係合凹
部70の中心に合致するように穿設し、これによって、
プランジャ29が前記線Qに対して可動カム17の回転
方向前方位置へ傾斜状に摺動するようになっている。
【0072】そして、前記プランジャ29と係合凹部7
0は、可動カム17をカムシャフト13とともに回転さ
せる支持機構としても構成されている。
【0073】また、この実施形態では、カムシャフト1
3と結合されたフランジ部32も備えており、このフラ
ンジ部32は、第1、第2の実施形態のような支持機構
としての機能は有さないが、第2実施形態と同様に可動
カム17の係合穴37と対応する収容穴35が形成され
て、係合解除手段19の一部を構成している。さらに、
前記フランジ部32は、その外径が可動カム17のベー
スサークル部23の外径とほぼ同一に設定されて、外周
面がバルブリフター16の上面にバルブクリアランスで
ある微小隙間を介して対向している。
【0074】したがって、この実施形態によれば、プラ
ンジャ29は、機関運転状態に拘わらずリターンスプリ
ング30のばね力あるいは油通路21内の油圧によって
進出して先端部29aが係合凹部70内に常に係合して
いる。このため、可動カム17は、カムシャフト13と
同期回転状態に支持されることになる。また、機関低回
転低負荷域に移行した際には、前述のように、係合解除
手段19によって可動カム17とフランジ部32との連
結が解除されて、可動カム17は、図17〜図19に示
すようにカムシャフト13及び摺動用長孔26を介して
進退動しながら外周面がバルブリフター16上面を摺接
するわけであるが、図17、図18に示すように、ベー
スサークル部23からランプ部25を経てカムリフト部
24がバルブリフター16の上面に達すると、バルブス
プリング12aのばね力によってプランジャ29が押し
戻されて、可動カム17全体がカムシャフト13を介し
て摺動用長孔26の他端部26b方向へ後退動、つまり
カムリフト部24がフランジ部32の外周縁とほぼ同じ
高さまで最大に後退動してカムシャフト13に他端部2
6bが嵌合する。
【0075】その後、図19に示すように、可動カム1
7がさらに回転して反対側のランプ部25に回転する
と、カムシャフト13への嵌合位置が摺動用長孔26の
他端部26b側から一端部26a側に移行して、カムリ
フト部24がリターンスプリング30のばね力によって
進出動するが、このとき可動カム17は、リターンスプ
リング30のばね力によってそのランプ部25外周面が
バルブリフター16の上面に追従する形で当接して可動
カム17の急激な回転が防止される。すなわち、凹部7
0が存在しない場合、カムリフト部24の頂点24aが
バルブリフター16の上面の通過直後に、先端部29a
と他端部26bの当接点がずれて可動カム17はバルブ
リフター16の上面を摺接しながらリターンスプリング
30のばね力に押圧されて回転方向へ急激に回転してい
わゆるクリック現象が起きるおそれがある。しかし、こ
のときにもプランジャ29の先端部29aが係合凹部7
0内に係合しているため、可動カム17が急激に回転し
ようとすると、かかる係合凹部70の孔縁がプランジャ
29の先端部29a外周面に当って急激な回転を規制
し、カムシャフト13と同じ回転速度に抑制する。
【0076】この結果、バルブリフター16の上面と可
動カム17の外周面との間やカムシャフト13の外周面
と摺動用長孔26の一端部26a内周面との間の軽衝突
による打音や摩耗の発生を効果的に防止することが可能
になる。
【0077】また、前記係合凹部70は、カムリフト部
24の頂点24aから可動カム17の回転方向前方のθ
角度位置に形成されているため、図17と図18に示す
ようにカムリフト部24がバルブリフター16上面を介
してバルブスプリング12aのばね力で押し戻される際
の可動カム17全体の後退動が容易になる。
【0078】すなわち、図17に示すように、カムリフ
ト部24の頂点24aがバルブリフター16の上面に達
しようとする際には、可動カム17に対してバルブスプ
リング12aのばね力による押し上げ力Feが作用し、
この押し上げ力Feがプランジャ29に対して係合凹部
70の底面70aからプランジャ先端部29aに掛かる
分力Fpと、この分力Fpの回転方向の分力Fptと、
分力Fpのラジアル方向の分力FPRとして作用する。し
たがって、プランジャ29の軸心が頂点24aと同軸上
にある場合は、前記プランジャ先端部29aに掛かる回
転方向の分力Fptが大きくなってラジアル方向の分力
PRが小さくなるため、プランジャ29とプランジャ穴
28との摺動抵抗が比較的大きくなることによって可動
カム17の速やかな後退動が得られないおそれがある。
しかし、係合凹部70の形成位置を、前述のように可動
カム17の回転方向前方位置に設定したことによって、
前記ラジアル方向の分力FPRを十分に大きくすることが
できると共に、プランジャ29とプランジャ穴28との
間の摺動抵抗を低減させることができるため、可動カム
17の速やかな後退動が得られる。
【0079】さらに、この実施形態では、支持機構とし
て第1実施形態のような各フランジ部32、33や支持
ピン34などを用いずに単にプランジャ29と係合凹部
70を用いたため、構造の簡素化と軽量化が図れると共
に、製造や組立作業能率の向上が図れる。
【0080】図20は第8実施形態を示し、可動カム1
7を、カムシャフト13及び摺動用長孔26を介してバ
ルブリフター16に対し進退動可能に設けるなどの基本
構成は前記第1の実施形態と同様であるが、異なる点
は、支持機構がプランジャ29の後端側に該プランジャ
29の進退動に伴って同じく進退動する連接棒80によ
って構成されているところにある。
【0081】具体的に説明すれば、前記連接棒80は、
一端部80aがプランジャ29の先端部29a側に有す
る底面29bに当接している一方、他端部80bがカム
シャフト13のプランジャ穴28と同軸に径方向へ貫通
形成された摺動孔81内に摺動自在に設けられて、該他
端部80bの先端縁が前記摺動用長孔26の一端部26
a内周面に対向配置されている。また、図20に示すよ
うに可動カム17のカムリフト部24が進出している状
態において、連接棒80の他端部80bの先端縁と摺動
用長孔一端部26aの内周面との間には、微小な隙間8
2が形成されている。したがって、この連接棒80は、
前記隙間82を介してプランジャ29と一緒にカムシャ
フト13の直径方向へ摺動自在に設けられている。
【0082】よって、この実施形態にあっては、例えば
機関低回転低負荷域において係合解除手段19によりカ
ムシャフト13と可動カム17との連結が解除されてい
る場合に、図20に示すように可動カム17がバルブリ
フター16を押し下げようとする直前では、プランジャ
29は、リターンスプリング30によって可動カム17
のカムリフト部24を前方に進出させて先端部29aが
摺動用長孔26の他端部26bの内周面に当接してい
る。
【0083】その後、カムシャフト13が、図21に示
すように図中時計方向に回転すると、可動カム17は、
カムリフト部24がバルブリフター16にその回転が規
制されて、反時計方向の回転力を受ける。このため、プ
ランジャ29の先端部29aは、他端部26bの内周面
を滑りながら後退し、プランジャ29が微小隙間82を
消失するまで連接棒80を押し上げ、図21の破線に示
すプランジャ29位置から吸気弁12の軸線とのなす角
度がθなる角度までプランジャ29は回動する。すなわ
ち、この時点では、前記第7の実施形態の記載と同様に
カムリフト部24の頂点24aがバルブリフター16の
上面に達しようとする際には、可動カム17に対してバ
ルブスプリング12aのばね力による押し上げ力Feが
作用し、この押し上げ力Feによる可動カム17の回転
モーメントが摺動用長孔26の他端部26b内周面から
プランジャ先端部29aの当接点Cに作用し、プランジ
ャ29のサイドフォースFptが発生する。このサイド
フォースFptは、当接点Cの法線方向の力Fpとプラ
ンジャ29軸方向分力Fptを生じる。(この場合、バ
ルブスプリング12aのばね力に比べてリターンスプリ
ングのばね力は弱いため、リターンスプリングのばね力
は無視する。)。
【0084】ここで、プランジャ29により可動カム1
7をバルブスプリング12aのばね力に抗して回動させ
ようとすると、プランジャ29には、大きなサイドフォ
ースFptが作用する。このサイドフォースFptは、
プランジャ29とプランジャ穴28の間でフリクション
を生じ、可動カム17を後退動しにくくするおそれやプ
ランジャ29やプランジャ穴28の摺動部の摩耗を早め
るおそれがあるが、本実施形態では、微小隙間82の設
定により、プランジャ29が図21の破線位置よりθな
る角度まで回動できるので、連接棒80で内周面26を
P点で押し上げ、可動カム17を後退動させ、プランジ
ャ29角度θは小さくなる。したがって、プランジャ2
9を軸方向に押し上げる力Fpxは大きくなる。なぜな
ら、Fpx=Fpttanθの関係があるため、プラン
ジャ29は後退動し易くなり、可動カム17を内周面2
6一端部26a側にスムーズに後退させることができ
る。
【0085】つまり、連接棒80は、プランジャ29の
後退方向とカムリフト部24の周方向のずれを抑制し、
また、バルブリフター16から受ける回転力を効果的に
可動カム17側に伝達して、可動カム17をカムシャフ
ト13と一緒に回転させると共に、可動カム17の後退
移動を容易にするように作用するのである。
【0086】また、図23に示すように、カムシャフト
13がさらに回転して、カムリフト部24の頂点24a
がバルブリフター16の上面に垂直方向から当接する
と、プランジャ29の位置がカムリフト部24の頂点2
4aよりも回転方向へ若干先行回動する。この状態で
は、可動カム17が最大に後退動した位置になり、連接
棒80の他端部80bは摺動用長孔26の一端部26a
内周面から僅かに離間した状態になる。
【0087】そして、カムシャフト13がさらに回転し
て図24に示すようにカムリフト部24の頂点24aが
バルブリフター16の上面から外れた状態になると、プ
ランジャ29は摺動用長孔26の他端部26b内周面を
介してカムリフト部24を前方へ押圧し続けるため、カ
ムリフト部24はその外面が常にバルブリフター16上
面に摺接しながら回転する。したがって、バルブリフタ
ー16の上面とカムリフト部24の外面との離間による
不連続な摺接が回避されるため、両者16、24間での
打音の発生を防止できる。
【0088】また、前述のように、連接棒80の他端部
80bと摺動用長孔26の一端部26a内周面との間に
隙間82を形成したことによって、連接棒80の後退動
初期における摺動用長孔26の一端部26a内周面との
引っ掛かりが防止されて、連接棒80のスムーズな後退
動が得られる。
【0089】なお、係合解除手段19などの他の構成は
第1の実施形態と同様であるから、同様な作用効果が得
られる。
【0090】本発明は、前記各実施形態の構成に限定さ
れるものではなく、例えば可動カム17のバルブリフト
下り側のカムリフト部24あるいはランプ部25の形状
をさらに変更して可動カム17のリフト終了直後におけ
るバルブリフター16との衝突を低減することも可能で
ある。また、本装置を両方の吸気弁に適用して、気筒停
止制御なども行なうことができる。
【0091】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
係る内燃機関のカム駆動制御装置によれば、カムシャフ
トに対して可動カムを常時同期回転するよう構成し、互
いの回転中に係合解除手段により両者の係合あるいは解
除作動を行なうようにしたため、速やかかつ確実な係合
解除作用が得られ、各構成部品の衝突の発生を防止する
ことができる。
【0092】しかも、係合解除手段の係合作動、つまり
係合ピストンの係合穴への係入作動を、前述のようにカ
ムシャフトと可動カムの回転中に行なうだけではなく、
該可動カムのベースサークル域において行なうようにし
たため、係合可能時間を十分に確保できるので、高回転
時においても安定かつより確実な係合作用が得られる。
【0093】請求項2記載の発明によれば、可動カムの
側面にカムシャフトに固定されたフランジ部を配置した
ため、可動カムの横方向のガタをフランジ部によって規
制することができ、この結果、可動カムの安定した回転
が得られる。
【0094】請求項3記載の発明によれば、可動カムの
揺動を、カムシャフトの外周面に嵌合する摺動用長孔を
介して行なうようにしたため、滑らかな揺動作用が得ら
れ、弁停止などを高精度に制御することが可能になる。
【0095】請求項4記載の発明によれば、カムリフト
部がバルブスプリング12aのばね力で押圧された際
に、該カムリフト部が後退動し易くなる。
【0096】請求項5記載の発明によれば、可動カムを
挟持するように2つのフランジ部を設けたため、該可動
カムのより安定した回転及び揺動作用が得られる。
【0097】請求項6記載に発明によれば、カムシャフ
トとの係合固定が解除されている場合における可動カム
のカムリフト部を容易に後退動させることが可能にな
る。
【0098】請求項7記載の発明によれば、ピンと係合
解除手段との距離が大きくなるため、カムシャフトと可
動カムの係合固定時において、該可動カムの回転時に前
記ピンと係合解除手段に作用する荷重を軽減できる。
【0099】請求項8記載の発明によれば、付勢手段の
付勢力が小さいことにより、カムシャフトと可動カムの
係合解除時に、カムリフト部がバルブスプリング12a
のばね力で押圧された際における後退動が容易になる。
また、係合解除手段の係合時に、係合穴と収容穴に微小
な位置ずれが生じても係合ピストンが係合穴へ進出係合
し易くなる。
【0100】請求項9に記載の発明によれば、可動カム
の回転によりカムリフト部からランプ部に到達した際に
おいて、可動カム全体が後退動した際に作動油がダンパ
ー機能を発揮して急激な揺動によるカムシャフトと摺動
用長孔内周面との衝突を抑制することが可能になる。
【0101】請求項10に記載の発明によれば、係合解
除手段を、各可動カムやフランジ部の軸方向に形成した
ため、係合ピストンや押圧ピストンの進退動への遠心力
の影響を軽減できると共に、径方向の大型化を抑制する
ことが可能になる。
【0102】請求項11に記載の発明によれば、カムシ
ャフトと可動カムの係合が解除されている状態におい
て、該可動カムのいずれの可動位置においても押圧ピス
トンの両端部は両フランジ部の内側面に常時対向状態に
あるため、係合穴から不用意に脱落することがない。
【0103】請求項12に記載の発明によれば、係合凹
部に対するプランジャの係合作用によって、バルブリフ
ター上面に対する可動カムのカムリフト部からランプ部
への回転摺動時における急激な回転が抑制されて、各部
の打音や摩耗の発生を防止できる。
【0104】請求項13に記載の発明によれば、前記係
合凹部を特異な位置に形成したため、バルブリフター上
面に対するランプ部からカムリフト部へ回転摺動時にお
ける可動カムの速やかな後退動が得られる。
【0105】請求項14に記載の発明によれば、カムシ
ャフトと可動カムとの連結解除時には、連接棒によって
カムシャフトの回転に対する可動カムの位相ずれを抑制
することが可能になり、プランジャの後退動を円滑に行
なわせることができる。この結果、進退動中におけるカ
ムシャフト外周面に対する可動カムの挙動の安定化が図
れ、該可動カムとバルブリフターとの間での打音などの
発生を防止できる。
【0106】請求項15に記載の発明によれば、連接棒
の一端部と摺動用長孔内周面との間に隙間を形成するこ
とによって、連接棒の後退動初期における摺動用長孔内
周面との引っ掛かりが防止されて、該連接棒の円滑な後
退動が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す図2のA−A線断
面図。
【図2】本実施形態の側面図。
【図3】本実施形態の要部断面図。
【図4】図2のB矢示図。
【図5】本実施形態の分解斜視図。
【図6】本実施形態の作用説明図。
【図7】本実施形態の作用説明図。
【図8】本実施形態の作用説明図。
【図9】本実施形態の係合解除手段の作用説明図。
【図10】本実施形態に供される可動カムのリフト特性
図。
【図11】本発明の第2の実施形態を示す断面図。
【図12】本発明の第3の実施形態を示す断面図。
【図13】本発明の第4の実施形態を示す断面図。
【図14】本発明の第5の実施形態を示す断面図。
【図15】本発明の第6の実施形態を示す断面図。
【図16】本実施形態のバルブリフト特性図。
【図17】本発明の第7の実施形態を示す要部断面図。
【図18】同第7実施形態の作用説明図。
【図19】同第7実施形態の作用説明図。
【図20】本発明の第8の実施形態を示す要部断面図。
【図21】同第8の実施形態の作用説明図。
【図22】同第8の実施形態の作用説明図。
【図23】同第8の実施形態の作用説明図。
【図24】同第8の実施形態の作用説明図。
【図25】従来のカム駆動制御装置を示す断面図。
【符号の説明】
10…シリンダヘッド 11、12…吸気弁 13…カムシャフト 17…可動カム 18…支持機構 19…係合解除手段 21…油通路 23…ベースサークル部 24…カムリフト部 25…ランプ部 26…摺動用長孔 26a,26b…端部 27…付勢手段 32、33…フランジ部 34…支持ピン
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Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カムシャフトの回転力により機関弁を開
    作動させる可動カムを、該可動カムのカムリフト部が機
    関弁方向へ進退動するように前記カムシャフトに径方向
    へ移動可能に設けると共に、前記可動カムをカムシャフ
    トとともに回転させる支持機構を設け、かつ機関運転状
    態に応じて前記カムシャフトに可動カムを係合固定ある
    いは係合固定を解除する係合解除手段を設けたことを特
    徴とする内燃機関のカム駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記支持機構を、前記可動カムの側部に
    配設された少なくとも1つのフランジ部と、該フランジ
    部と前記可動カムの端部との間に設けられて、該可動カ
    ムをフランジ部に対して揺動自在に支持する支持ピンと
    から構成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機
    関のカム駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記可動カムのほぼ中央部に、カムシャ
    フトを介して可動カムの進退動を許容する摺動用長孔を
    貫通形成したことを特徴とする請求項1〜2のいずれか
    に記載の内燃機関のカム駆動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記カムリフト部を機関弁方向へ付勢す
    る付勢手段を設けたことを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の内燃機関のカム駆動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記フランジ部を前記可動カムの両側に
    2つ配設すると共に、前記支持ピンを前記両フランジ部
    と可動カムとに貫通して設けたことを特徴とする請求項
    3〜4のいずれかに記載の内燃機関のカム駆動制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記支持ピンを、前記可動カムのプロフ
    ィールによるリフト開始付近の端部に配置したことを特
    徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の内燃機関のカ
    ム駆動制御装置。
  7. 【請求項7】 前記係合解除手段を、前記支持ピンの配
    置側から周方向へほぼ180°の角度位置に設けたこと
    を特徴とする請求項6に記載の内燃機関のカム駆動制御
    装置。
  8. 【請求項8】 前記付勢手段を前記カムシャフトの内部
    径方向に穿設された係合穴内から前記摺動用長孔の内周
    面方向に進退動するプランジャと、該プランジャを摺動
    用長孔の内周面を介して前記可動カムのカムリフト部を
    進出させる方向に付勢するばね部材とから構成し、該ば
    ね部材のばね力を前記カムリフト部が最大に突出した際
    に付勢力がほぼ零になるように設定したことを特徴とす
    る請求項4〜7のいずれかに記載の内燃機関のカム駆動
    制御装置。
  9. 【請求項9】 前記摺動用長孔のベースサークル部側内
    面と該内面に対向するカムシャフトの外周面との間に、
    作動油を供給したことを特徴とする請求項3〜7のいず
    れかに記載の内燃機関のカム駆動制御装置。
  10. 【請求項10】 前記係合解除手段を、前記フランジ部
    の可動カム側一側部に形成された収容穴と、前記可動カ
    ムの側部に形成されて、前記収容穴に対向する係合穴
    と、前記収容穴側の油圧室に供給された油圧によって先
    端部が収容穴から係合穴内に係入して前記可動カムとフ
    ランジ部とを係合固定する係合ピストンと、該係合ピス
    トンを収容穴方向へ付勢する付勢機構と、前記油圧室に
    油圧を選択的に給排する油圧回路とから構成したことを
    特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の内燃機関の
    カム駆動制御装置。
  11. 【請求項11】 前記付勢機構は、係合穴内に摺動自在
    に設けられて、前記係合ピストンの先端部に当接する押
    圧ピストンを備え、前記係合穴の形成位置を、前記カム
    リフト部が最大に後退動した際に、前記押圧ピストンの
    端面が前記フランジ部の側面に対向する位置となるよう
    に構成したことを特徴とする請求項10に記載の内燃機
    関のカム駆動制御装置。
  12. 【請求項12】 前記摺動用長孔の前記カムリフト部側
    の端部内周面に、前記プランジャの先端部が係入する係
    合凹部を形成したことを特徴とする請求項8に記載の内
    燃機関のカム駆動制御装置。
  13. 【請求項13】 前記係合凹部を、可動カムのカムリフ
    ト部の頂点から可動カムの回転方向側の位置に形成し、
    前記プランジャがカムシャフトの軸心から前記カムリフ
    ト部の頂点を結ぶ線に対して可動カムの回転方向へ傾斜
    状に進出するように形成したことを特徴とする請求項1
    2に記載の内燃機関のカム駆動制御装置。
  14. 【請求項14】 一端部が前記プランジャの底部側に当
    接し、他端部が前記カムシャフトの内部径方向に貫通し
    て前記プランジャの頭部と反対側の摺動用長孔の内周面
    に摺接自在な連接棒を軸方向へ摺動自在に設けたことを
    特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の内燃機関
    のカム駆動制御装置。
  15. 【請求項15】 前記カムシャフトに対する可動カムの
    少なくとも最大進出位置において、前記連接棒の他端部
    と摺動用長孔の内周面との間に、微小隙間を形成したこ
    とを特徴とする請求項14に記載の内燃機関のカム駆動
    制御装置。
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