JP2001329650A - 押出形材の接合構造 - Google Patents

押出形材の接合構造

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JP2001329650A
JP2001329650A JP2000148671A JP2000148671A JP2001329650A JP 2001329650 A JP2001329650 A JP 2001329650A JP 2000148671 A JP2000148671 A JP 2000148671A JP 2000148671 A JP2000148671 A JP 2000148671A JP 2001329650 A JP2001329650 A JP 2001329650A
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JP2000148671A
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Hideo Matsumoto
秀夫 松本
Naoaki Iida
尚明 飯田
Tadahisa Kii
周久 紀伊
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Nippon Light Metal Co Ltd
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Nippon Light Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の押出形材を接合する際、形材間の目地が
目立たず、目地付近における不用意な変形を生じにくく
し得る押出形材の接合構造を提供する。 【解決手段】アルミニウム合金からなる複数の押出形材
1a,1bの表面2bに、上記形材1a,1bの押出方
向と直交する方向に沿って連続する多数の凹部8・凸部
9を一体に形成し、且つ上記表面2bの一側端に凸部8
を、他側端に凹部9を形成すると共に、押出形材1a,
1bの側端部に形成した凹溝6と凸条4とを嵌合して接
合した際に、押出形材1a,1b間の目地Mにおいて上
記凸部8と凸部9とが隣接し、且つこれらを含む凹凸模
様Pが形材1a,1bの表面2b,2bにわたって連続
する、押出形材の接合構造10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
からなる複数の押出形材同士を、互いの接合部にて接合
した接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、バス停留所や建物同士間の通路
上を覆うシェルタは、アルミニウム合金からなる複数の
押出形材を接合して形成されている。係る押出形材同士
の接合は、これまで次のようにして行われていた。図5
(A)に示すように、押出形材81,81は、断面ほぼ長
方形の中空部83を内臓する本体82と、この右端にお
ける上下一対の段部85の間から突出する凸条84と、
本体82の左端における上下一対の水平片87間の凹溝
86とを、図示で奥行き(押出)方向の全長に沿って一体
に有している。図5(A)に示すように、上記各水平片8
7の先端には内側に延びるリブ89と、これらの基端寄
りに隣接して浅溝88が形成され、且つ凹溝86の底部
には、凸条84の先端部が進入する底溝86aが設けら
れている。尚、この底溝86a内には、予め図示しない
接着剤が充填される。
【0003】図5(A)中の矢印で示すように、左側の押
出形材81の凸条84を、右側の形材81の凹溝86内
に向けて進入させる。この結果、図5(B)に示すよう
に、凸条84は凹溝86内に嵌合し、且つ凸条84の先
端部が底溝86a内に嵌合して接着されると共に、各水
平片87は、各段部85と個別に対向する。これによ
り、複数の押出形材81を接着剤を介して接合した接合
構造80が得られる。ところで、図5(B)に示すよう
に、接合構造80において、各水平片87の先端におけ
るリブ89と、凸条84の基端部との間には、凸条84
と凹溝86との嵌合を容易にし、且つ形材81自体を押
出成形する際の公差を考慮して、隙間sが設けられてい
る。このため、押出形材81,81が互いに離間した場
合、両者間の目地90から、ある程度深さの位置にある
凸条84の基端部が覗かれてしまう。また、図5(B)中
の破線で示すように、水平片87が何らかの外力を受け
て隙間s寄りに変形した場合、図示で左側の形材81の
段部85が形材81,81間の目地90に露出するた
め、外観上見苦しくなる、という問題があった。
【0004】また、図5(C)に示すように、押出形材8
1,81において、人目にさらされたり、或いは上記外
力を受け易い図示で下側の表面82aに、断面台形状の
凸部94と凹部96とからなる連続した凹凸模様92
を、予め一体に付設する場合もある。係る凹凸模様92
の付設により、本体82の表面82aや水平片87が強
化されるため、外力による水平片87の不用意な変形を
低減することができる。しかしながら、図5(C)に示す
ように、押出形材81,81間に形成される凹部98内
に目地90が位置すると、凹凸模様92とは別ピッチの
ラインとなる。また、目地90を含む凹部98自体も凹
凸模様92の凹部96と幅寸法が異なるため、目地90
付近において凹凸模様92のピッチが乱れる。このた
め、接合構造80において、人目にさらされ易い表面8
2aの目地90付近の意匠性が低下してしまう、という
問題があった。
【0005】
【発明が解決すべき課題】本発明は、以上にて説明した
従来の技術における問題点を解決し、複数の押出形材を
接合する際、形材間の目地が目立たず、目地付近におけ
る不用意な変形を生じにくくし得る押出形材の接合構造
を提供する、ことを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、複数の押出形材を接合して得られる目地に
隣接する両形材の面に跨って、凹・凸部を連続的に付設
すること等に着想して成されたものである。即ち、本発
明による第1の押出形材の接合構造は、アルミニウム合
金からなる複数の押出形材の表面または裏面のうち少な
くとも一方の面に、当該形材の押出方向と直交する方向
に沿って連続する凹・凸部を一体に形成し、且つ上記面
の一側端を凸部とし、他側端を凹部とすると共に、上記
複数の押出形材の側端部に接合部を形成し、係る接合部
同士を接合した際に、これらの押出形材間の目地におい
て上記一方の面に形成した凸部と凹部とが隣接し、且つ
これらを含む凹凸模様が複数の押出形材にわたって連続
する、ことを特徴とする。
【0007】これによれば、接合された形材間の目地の
ラインは、各形材の表面や裏面に渡って連続する凹・凸
部が形成する線と常に一致する。このため、複数の押出
形材を接合して形成されるシェルタ等において、人目に
さらされ易い面における意匠を、連続した凹凸模様のみ
にすることができ、目地の存在を全く感じさせなくした
優れたデザインとすることができる。尚、凹・凸部は、
断面が扁平な長方形または台形であり、且つ係る断面形
状が凹部と凸部の間で逆向きになる位置に、押出形材間
の目地が配置される。また、複数の押出形材を接合する
手段には、隣接する各形材の接合部を接着剤を介して接
着する他、互いに雄・雌嵌合した接合部付近にて各形材
をリベット止めしたり、各形材を串刺し状に貫通するボ
ルトにナットを締結する方法なども含まれる。
【0008】また、本発明による第2の押出形材の接合
構造は、アルミニウム合金からなる複数の押出形材の表
面または裏面のうち少なくとも一方の面において、上記
形材における一方の側端の接合部に深さが2.5mm以
下の浅い段部を、他方の側端の接合部に厚さが上記段部
の深さ以下の薄い突出片を、それぞれ形成すると共に、
上記複数の押出形材の接合部同士を接合した際に、これ
らの押出形材間の目地において上記一方の面に形成した
段部と上記突出片とが対向して配置される、ことを特徴
とする。
【0009】これによれば、接合された隣接する押出形
材が互いに離間し、上記面における目地に隙間が生じて
も、係る隙間の底には浅い段部に隣接する水平面が位置
するため、目地間の上記隙間を目立たなくできる。ま
た、上記突出片に外力が加わった場合でも、当該突出片
は直ちに上記段部に隣接する水平面に当接するため、目
地において段部の垂直面が露出しにくくなる。従って、
長期間に渉り目地の隙間が目立つことなく、複数の押出
形材に跨る表面や裏面の意匠性を、容易に保つことがで
きる。尚、上記段部の深さを2.5mmとし、突出片の
厚さをこれ以下としたのは、形材間の目地に隙間ができ
てもこれを目だたなくできると共に、両者の間に少なく
ともクリアランスを設け、押出成形(製造)時の寸法誤差
を吸収できるようにするためである。段部の深さは望ま
しくは1.5mm以下であり、且つ突出片の厚さを1.
3mm以下とすることにより、両者間に少なくとも0.
2mmのクリアランスを設けることができる。
【0010】更に、前記面に対し、当該形材の押出方向
と直交する方向に沿って連続する凹・凸部を更に形成
し、且つ上記面の一端側を凸部とし、他側端を凹部とす
ると共に、上記複数の押出形材の接合部同士を接合した
際に、これらの押出形材間の目地において上記一方の面
に形成した凸部と凹部とが隣接し、且つこれらを含む凹
凸模様が複数の押出形材にわたって連続する、押出形材
の接合構造も含まれる。これによれば、接合された形材
間の目地のラインを凹凸模様に吸収して目隠しできると
共に、複数の押出形材が互いに離間し目地に隙間ができ
たり、目地付近に外力を受けて変形しても、係る隙間や
変形部を目立たせずに、接合された複数の押出形材に跨
る表面や裏面の意匠性を、良好に維持することが可能と
なる。
【0011】尚、複数の押出形材を接合してシェルタ等
を形成する際、各形材の前記面における前記突出片の上
側に、上向きに開口し且つ下向きに凹んだ樋部を一体に
形成することも可能である。また、係る樋部を形成する
ため、上記突出片の先端寄りの内面に隣接する形材の段
部の垂直面に隣接する縦片を設けたり、或いは、その隣
接する形材における上記樋部の上方における上記縦片の
反対側に水切り片を垂下させることも可能である。これ
らの樋部、縦片、および水切り片を各押出形材に予め一
体に形成しておくことにより、係る形材同士を接着剤を
介して接合してシェルタを構成した場合に、接着剤が劣
化して雨水が各形材の接合部間を浸透しても、係る雨水
を樋部で受けて自動的に排水することができる。これに
より、上記シェルタにおける各接合構造のメンテナンス
を低減することも可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下において本発明の実施に好適
な形態を図面と共に説明する。図1(A)は、本発明に用
いるアルミニウム合金(JIS:6063−T5等)からなる
押出形材1の断面を示す。この形材1は、仕切壁2aを
挟んで断面ほぼ長方形の中空部3a,3bを内臓する薄
い箱形状の本体2と、その左側端部にて上下一対の段部
5間に挟まれた凸条(接合部)4と、本体2の右側端部に
おいて本体2から連続する上下一対の突出片7に挟まれ
且つ上記凸条4と嵌合する凹溝(接合部)6とを、図示の
奥行き(押出)方向の全長に沿って一体に形成している。
尚、上記段部5の深さは2.5mm以下、例えば1.5
mmであり、且つ突出片7の厚さは1.3mmとなるよ
うに、予め押出成形されている。また、図1(A)に示す
ように、本体2において人目に触れる下側の表面2bに
は、その左端(一側端)に断面が扁平な台形を呈する凸部
8が、下側面2bの右端(他側端)に上記と同じ断面形状
の凹部9が、それぞれ位置するように、複数の凸部8と
凹部9とが交互に配設されている。このため、押出形材
1の本体2における表面2bには、図1(B)に示すよう
に、左右方向に連続する凹凸模様Pが形成される。
【0013】図1(C),(D)に示すように、押出形材1
a,1bを用意し、予め、押出形材1aの凹溝6の底部
には、図示しない軟質の接着剤が塗布しておく。次に、
押出形材1a,1bの凹溝6と凸条4とを対向させ、互
いに接近させて嵌合する。その結果、図1(E),(F)に
示すように、押出形材1a,1bの凹溝6と凸条4が嵌
合すると共に、形材1bの各段部5と形材1aの各突出
片7とが個別に対向する。この状態で、押出形材1a,
1bを所要時間拘束する。これにより、凹溝6と凸条4
との間に介在する接着剤により、押出形材1a,1bを
接着した接合構造10を得ることができる。
【0014】以上のような接合構造10によれば、図1
(E),(F)に示すように、押出形材1a,1bの本体
2,2の表面2b,2bには、形材1a,1b間の目地
Mのラインが凹部9と凸部8との境界線と一致して現れ
る。このため、表面2b,2bにおける意匠を、多数の
凸部8と凹部9とが交互に連続して位置する凹凸模様P
のみにすることができ、目地Mの存在を全く感じさせな
くした優れたデザインとすることができる。しかも、形
材1a,1bが互いに離間し、表面2bの目地Mに隙間
ができても、段部5が2.5以下mmと浅いため、係る
隙間からは段部5に隣接する凸条4の基端部が直ちに露
出する。このため、隙間ができた目地M自体を目立たせ
ずに済む。更に、表面2bの突出片7に上向きの外力が
作用しても、直ぐ上の凸条4の側面に当接する。このた
め、上記突出片7が変形しにくく、仮に変形しても当該
突出片7に隣接する目地Mの存在を目立たせなくでき
る。
【0015】図2(A)は、前記同様のアルミニウム合金
からなり、バス停留所や歩行者用通路の上を覆うシェル
タを構成するのに用いられる押出形材11の断面を示
す。押出形材11は、図2(A)に示すように、仕切片1
2aを挟んで断面ほぼ長方形の中空部13a,13bを
有する箱形状の本体12と、図示で左側端部に位置する
接合部14と、右側端部に位置する接合部26と、を図
示の奥行き(押出)方向の全長に沿って一体に形成してい
る。尚、形材11の本体12は、図2(A)で左側の幅が
右側よりも僅かに幅広とされている。
【0016】また、上記接合部14は、本体12の上下
から延びる一対の突出片15と、これらに挟まれた凹み
18と、突出片15,15間に位置する上下一対の端面
19と、この端面19同士間に設けた凹溝22と、この
凹溝22の底面23における厚さ方向の中央に設けた小
突起24と、を図示で奥行き(押出)方向の全長に沿って
有する。小突起24は、その先端寄りを断面半円形状と
している。図2(A)で下側に位置する突出片15の先端
寄りの内面には縦片17が立設し、右側に対向する端面
19との間に凹形の樋部16を形成している。更に、断
面ほぼ台形の凹溝22は、端面19寄りに一対の傾斜片
20と、一対の段部21とを有する。
【0017】一方、図2(A)にて、押出形材11の右側
端部に位置する接合部26は、図示で上端から縦片2
7、段部28、端面29、上下一対の傾斜片30、上下
一対の段部31、およびこの段部31間に位置する断面
略台形状で上記凹溝22と嵌合する凸条32とを備えて
いる。この凸条32の先端面33における厚さ方向の中
央には、底部が断面半円形形状で、且つ上記接合部14
の小突起24と嵌合する小溝34が形成されている。凸
条32と上記凹溝22、および、小溝34と上記小突起
24は、互いにほぼ相似形の断面形状である。
【0018】また、図2(A)で下側の傾斜片30の基端
からは、水平片35、縦片37、および、段部36が本
体12との間に設けられ、且つ傾斜片30と水平片35
との交叉部からは、短い水切り片38が垂下している。
上記段部36の深さは2.5mm以下、例えば1.5m
mであり、これと上記接合部14における厚さが1.3
mmの突出片15の先端部とが対向する。また、縦片3
7には上記縦片17が隣接するよう設定されている。更
に、図2(A)に示すように、本体12にて人目に触れる
下側の表面12bには、その右側端(一側端)に断面が扁
平な台形を呈する凸部8が、左側端(他側端)に上記と同
じ断面形状の凹部9が、それぞれ位置するように、多数
の凸部8と凹部9とが交互に配設されている。これによ
り、形材11の本体12における表面12bには、図示
のように、左右方向に連続する凹凸模様Pが形成され
る。
【0019】図2(B)に示すように、複数の押出形材1
1a,11bの接合部14,26を隣接させる。上記形
材11bの接合部14における凹溝22内には、小突起
24を挟んだ両側の底面23上に接着剤39を、予めそ
れぞれ均等に充填しておく。図2(B)の状態で、矢印の
ように上記形材11aの接合部26を形材11bの接合
部14に接近させる。この結果、図2(C)に示すよう
に、押出形材11bの接合部14の凹溝22と押出形材
11aの接合部26の凸条32とが嵌合し、且つ小突起
24と小溝34とが嵌合する。同時に、上記形材11b
の上側の突出片15は、形材11aの本体12の外側面
に接触し、上記形材11bの下側の突出片15の先端部
と段部36とが対向すると共に、縦片17,37は互い
に面接触し、且つ水切り片38は、接合部14における
下側の端面19に面接触する。
【0020】この際、前記接着剤39は、小突起24と
小溝34との嵌合部を中心にして、図2(C)に示すよう
に、凹溝22と凸条32との間、段部21,31間及び
傾斜片20,30間の隙間を、押出形材11a,11b
間の両側の目地Mに向かって流れる。係る状態で、押出
形材11a,11bを所定時間拘束する。その結果、図
2(C)に示すように、接着剤39が小突起24と小溝3
4との嵌合部や、凹溝22と凸条32の両側面間等の隙
間でほぼ均一な厚みで固まって、押出形材11a,11
bを接着した接合構造40を得ることができる。尚、図
2(C)において、下側の突出片15の樋部16上にあ
り、縦片17、水平片35、水切り片38、及び、端面
19に囲まれた空間Sは、経年変化により接着剤39の
一部が劣化して破れた場合に、接合部14,26間を浸
透した雨水を受けて排水する通水路として機能する。ま
た、接合部14,26の段部21,31間の隙間s1
は、接着剤39の溜まり部となって、余剰の接着剤39
が端面19,29間から外側に流動しにくくし、その劣
化を抑制せしめている。
【0021】更に、図2(C)で、端面19と縦片27と
に挟まれた隙間s2に、防水用のシール剤を充填しても
良い。そして、押出形材11a,11bに隣接する同じ
断面形状の押出形材11nを、上記同様に接着する接合
構造40により接合することで、所要サイズの平坦なシ
ェルタを構成することができる。以上のような接合構造
40によれば、複数の押出形材11a,11b,11n
を強固に接着できると共に、断面台形状の凹溝22と凸
条32、断面半円形状の小突起24と小溝34とに挟ま
れて固まった接着剤39により、各種の方向からの外力
に対しても十分に耐えることができる。また、形材11
a,11bの表面12b,12bにおける目地Mを、凹
凸模様Pに吸収して目立たなくできる。しかも、万一接
着剤39が劣化して破れた場合でも、これを浸透する雨
水を前記樋部16上を通じて、外部に自動的に排水する
こともできる。従って、長期間に渉り強固でメンテナン
スも不要なシェルタを提供することが可能となる。
【0022】図3は、更に異なる形態の接合構造59に
関する。図3(A)は、前記同様のアルミニウム合金から
なる押出形材41の断面を示す。形材41は、仕切壁4
2aを挟んで断面ほぼ長方形の中空部43a,43bを
内臓し、且つ全体が図示で左右方向に沿い僅かのカーブ
する薄い箱形状の本体42と、左・右側端部の接合部4
6,52と、を図示の奥行き(押出)方向の全長に沿って
一体に形成している。本体42の上側の裏面42bは、
図3(A)に示すように、上向きに緩くカーブした平坦状
の面である。一方、本体42の下側で上記同様にカーブ
し且つ人目に触れる表面42cには、断面が扁平な台形
状の凸部44と凹部45とを左右方向に沿って交互に連
続して形成する凹凸模様Pが付されている。尚、表面4
2cの右側端(一側端)には凸部44を、左側端(他側端)
には凹部45を配置している。
【0023】図3(A)に示すように、左側端部の接合部
46は、本体42から連続する上下一対の突出片48
と、これらに挟まれた端面49,49と、その間に位置
する断面台形状の凹溝50とからなる。また、右側端部
の接合部52は、上下一対の段部53,53、水平片5
4,54、段部55,55、および段部55間に挟まれ
且つ上記凹溝50と嵌合する断面台形状の凸条56を備
えている。尚、段部53の深さは2.5mm以下、例え
ば1.5mmであり、これと対向する突出片48の厚さ
は1.3mmに予め設定されている。図3(B)に示すよ
うに、複数の押出形材41a,41bの接合部46,5
2を隣接させる。尚、上記形材41aの接合部46にお
ける凹溝50内には、予め接着剤58を充填しておく。
【0024】図3(B)の状態で、上記形材41aの接合
部46と形材41bの接合部52とを接近させる。この
結果、図3(C)に示すように、押出形材41aの接合部
46の凹溝50と押出形材41bの接合部52の凸条5
6とが嵌合し、且つ上下の段部53と各突出片48とが
個別に対向する。係る状態において、押出形材41a,
41bを所定時間拘束することにより、図3(C)に示す
ように、接着剤58が凹溝50と凸条56との間等の隙
間でほぼ均一な厚みで固まり、押出形材41a,41b
を接着した接合構造59が得られる。
【0025】係る接合構造59によれば、図3(D)に示
すように、押出形材41a,41bの表面42c,42
cにおいて、目地Mは凸部44と凹部45との境界線と
一致するため、緩くカーブして連続する凹凸模様Pに吸
収されて、全く目立たなくなる。また、形材41a,4
1bが離間して目地Mに隙間ができた場合でも、図3
(C)に示すように、段部53が浅く直ちに水平片54が
露出するため、上記隙間は殆んど目立たない。更に、下
側の突出片48が上向きの外力を受けても、直ぐ上の水
平片54に当接するため、係る突出片48が変形しにく
く、仮に変形しても当該突出片48に隣接する目地Mを
目立たせなくできる。尚、複数の押出形材41a,41
b,41nを接着剤58を用いる接合構造59により接
合することにより、断面円弧形または略半円形のシェル
タを形成することができる。
【0026】図4は、別の形態の接合構造60,70に
関する。図4(A)は、前記同様のアルミニウム合金から
なる押出形材61における左右の側端部の断面を示す。
形材61は、断面ほぼ長方形の中空部62aを有する扁
平な箱形状の本体62を有し、その下側に位置する表面
62′には、凸部62bと凹部62cとが交互に連続付
され、且つ係る表面62′の右・左側端には凸部62b
と凹部62cが個別に位置している。本体62の右側端
部には、図4(A)に示すように、上下一対の段部63
と、これらに隣接する一対のL形片64と、係るL形片
64,64間に位置する断面角形の凸条65とからなる
接合部61aを、図示の奥行き(押出)方向の全長に沿っ
て一体に形成している。
【0027】また、上記本体62の左側端部には、図4
(A)に示すように、上下一対の突出片66と、その間に
位置し且つ上記凸条65と嵌合する凹溝68と、を含む
接合部61bを形成している。各突出片66の先端寄り
の内面には短い縦片67が、上記凹溝68の底部には、
断面台形状の凹み68aが形成されている。尚、上記段
部63の深さは2.5mm以下、例えば1.5mmであ
り、突出片66の厚さは1.3mmに予め設定されてい
る。上記凹み68a内に接着剤69を充填した状態で、
図4(A)中の矢印のように、隣接する押出形材61,6
1の接合部61a,61bを接近させる。
【0028】その結果、図4(B)に示すように、凸条6
5が凹溝68内に嵌合し、且つ凸条65の先端部は凹み
68a内に接着剤69を介して嵌合する。同時に、段部
63と突出片66の先端部とが個別に対向し、且つ各縦
片67がL形片64に接触する。この状態で、形材6
1,61を所定時間拘束する。これにより、図4(B)に
示すように、接着剤69が凹み68aと凸条65間の隙
間で固まって、押出形材61,61を接着した接合構造
60が得られる。係る接合構造60によれば、図4(B)
に示すように、押出形材61,61の本体62,62の
表面62′,62′において、目地Mは凸部62bと凹
部62cとの境界線と一致し、連続する凹凸模様Pに吸
収されて目立たなくなる。
【0029】また、形材61,61が離間して目地Mに
隙間ができた場合でも、図4(B)に示すように、段部6
3が浅く直ちにL形片64が露出するため、上記隙間は
殆ど目立たない。更に、下側の突出片66が上向きの外
力を受けても、直ぐ上のL形片54に当接するため、係
る突出片66が変形しにくく、仮に変形してもこの突出
片66に隣接する目地Mの隙間を目立たせなくできる。
加えて、下側の突出片66の縦片67と凹溝68の底面
との間の凹み66aは樋部として活用でき、且つ上側の
凹み66a内には、防水用のシール剤を充填することが
できる。即ち、接合構造60では、図4(B)に示すよう
に、上下対称の各凹み66aを、樋部とシール剤の充填
部とにそれぞれ活用することができる。
【0030】図4(C)は、前記同様のアルミニウム合金
からなる押出形材71における左右の側端部の断面を示
す。形材71は、断面ほぼ長方形の中空部72aを有す
る扁平な箱形状の本体72を有し、その下側に位置する
表面72′には、凸部72bと凹部72cとが交互に連
続して形成され、且つ係る表面72′の右側端に凸部7
2bを左側端に凹部72cを個別に配置している。本体
72の右側端部には、図4(C)に示すように、上下一対
の段部73と、一対のへ形片74と、係るへ形片74,
74間に位置する断面角形の凸条75と、を含む接合部
71aを、一体に形成している。各へ形片74と凸条7
5の両側面との間には縦片75aが突設し、これに隣接
して斜め溝74aが形成されると共に、凸条75の先端
面には浅い凹み75bが位置している。
【0031】また、上記本体72の左側端部には、図4
(A)に示すように、上下一対の突出片76と、その間に
位置し且つ上記凸条75と嵌合する凹溝78と、を含む
接合部71bを形成している。各突出片76の内面に
は、その先端寄りに断面三角形の突片76aと、これに
隣接した基端寄りのテーパ面76bと、更に基端寄りの
短い縦片77とがそれぞれ対称に設けられる。上記凹溝
78の底部には、開口部を各縦片77の挟まれた断面底
広の凹み78aが形成されている。尚、段部73の深さ
は2.5mm以下、例えば1.5mm、突出片76の厚
さは1.3mm以下である。上記凹み78a内に接着剤
79を充填した状態で、図4(C)中の矢印のように、隣
接する押出形材71,71の接合部71a,71bを接
近させる。
【0032】その結果、図4(D)に示すように、凸条7
5が凹溝78内に嵌合し、且つ凸条75の先端部が凹み
78a内に接着剤79を分割して進入する。同時に、外
側に一旦弾性変形した各突出片76の先端部と各段部7
3とが個別に対向し、且つ突片76aがへ形片74と縦
片75a間の斜め溝74a内に嵌合する。この状態で、
形材71,71を所定時間拘束することにより、図4
(D)に示すように、接着剤79が凹み78aと凸条75
間の隙間で固まって、押出形材71,71を接着した接
合構造70が得られる。以上のような接合構造70によ
れば、図4(D)に示すように、押出形材71,71の各
本体72における表面72′,72′にて、目地Mは凸
部72bと凹部72cとの境界線と一致し、連続する凹
凸模様Pに吸収されて目立たなくなる。
【0033】また、形材71,71が離間して目地Mに
隙間ができた場合でも、図4(D)に示すように、段部7
3が浅いため直ちにへ形片74が露出するため、上記隙
間は殆ど目立たない。更に、下側の突出片76が上向き
の外力を受けても、直ぐ上のへ形片74に当接するた
め、係る突出片76が変形しにくく、仮に変形しても係
る突出片76に隣接する目地Mを目立たせなくできる。
また、下側の突出片76の突片76aと縦片77との間
で凹むテーパ面76bは、樋部として活用でき、且つ上
側のテーパ面76bと凸条75との隙間内には、防水用
のシール剤を充填することができる。即ち、接合構造7
0でも、図4(D)に示すように、上下対称の各テーパ面
76bを、樋部とシール剤の充填部とに活用することが
できる。
【0034】本発明は、以上において説明した各形態に
限定されるものではない。例えば、前記押出形材1,1
1,41,61,71は、中空形材を用いたが、本体2等
の表・裏面の一方またはこれに相当する部分があれば、
所謂オープン形材を用いることも可能である。また、前
記押出形材1,11,61,71を押出形材41のよう
に、本体2,12等が緩くカーブした断面とすることに
より、前記接合構造10,40によって断面円弧形また
は略半円形のシェルタを形成することができる。更に、
前記凹・凸部は、押出形材1等の裏面、又は表・裏面に
設けても良い。また、前記接合構造10,40,59,
60,70は、接着剤39等により複数の押出形材1,
11等を接着して得られたが、これらの形材1,11等
を串刺し状に貫通するボルトにナットを締結したり、隣
接する形材1,1の接合部付近をリベット止めすること
によって、接合構造10,40等を得ることもできる。
尚、本発明の接合構造の用途には、前述したシェルタの
他、トラックの荷台や無蓋貨車に用いるアオリ、バント
ラックや有蓋貨車の側壁や天井等も含まれる。
【0035】
【発明の効果】以上において説明した第1の押出形材の
接合構造によれば、接合された形材間の目地のライン
は、各形材の面に跨って連続する凹・凸部が形成する線
と常に一致する。従って、複数の押出形材を接合して形
成されるシェルタ等において、人目にさらされ易い側の
面における意匠を、連続した凹凸模様のみにすることが
でき、目地の存在を全く感じさせなくした優れたデザイ
ンとすることができる。また、第2の押出形材の接合構
造によれば、接合された隣接する押出形材が互いに離間
し、上記面における目地に隙間が生じても、該隙間の底
には浅い段部に隣接する水平面が位置するため、隙間を
有する目地を目立たなくできる。且つ、上記突出片に外
力が加わっても、突出片は直ちに浅い段部付近に当接す
るため、目地にて段部の垂直面が露出しにくくなる。従
って、長期間にわたり目地が目立つことなく、複数の形
材にわたる表・裏面の意匠性を容易に保つことができ
る。更に、請求項3の接合構造によれば、接合した押出
形材間の目地のラインを凹凸模様に吸収して目隠しでき
ると共に、形材が互いに離間し目地に隙間ができたり、
目地付近に外力を受けて変形しても、係る隙間や変形部
を目立たせずに、接合した複数の形材に跨る側面の意匠
性を、良好に維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A),(B)は本発明に用いる押出形材の断面図
または底面図、(C)〜(F)はこの形材同士を接合する前
の状態や得られた接合構造を示す断面図または底面図。
【図2】(A)は異なる押出形材を示す断面図、(B)はこ
の形材同士を接合する前の状態を示す断面図、(C)は得
られた異なる形態の接合構造を示す断面図。
【図3】(A)は更に異なる押出形材を示す断面図、(B)
はこの形材同士を接合する前の状態を示す断面図、
(C),(D)は得られた更に異なる形態の接合構造を示す
断面図または底面図。
【図4】(A),(C)は別の押出形材同士を接合する前の
状態を示す部分断面図、(B),(D)は得られた別形態の
接合構造を示す断面図。
【図5】(A),(B)は従来の押出形材とこれにより得ら
れる接合構造を示す部分断面図、(C)は異なる形態の従
来の接合構造を示す断面図。
【符号の説明】
1,11,41,61,71……………………………………
押出形材 2b,12b,42c,62′,72′………………………
表面(面) 4………………………………………………………………
凸条(接合部) 5,36,53,63,73……………………………………
段部 6………………………………………………………………
凹溝(接合部) 7,15,48,66,76……………………………………
突出片 8,44,62b,72b…………………………………
凸部 9,45,62c,72c…………………………………
凹部 10,40,59,60,70…………………………………
接合構造 14,26,46,52,61a,61b,71a,71b…
接合部 42b…………………………………………………………
裏面(面) M………………………………………………………………
目地 P………………………………………………………………
凹凸模様
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 紀伊 周久 東京都品川区東品川2丁目2番20号 日本 軽金属株式会社内 Fターム(参考) 2E002 EA01 FB08 FB25 GA00 GA04 MA06 MA52 2E125 AA51 AD02 AE14 AG07 AG20 AG23 AG32 CA78 EA01 EA21 EA33 2E162 CB08 GA02 GB03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム合金からなる複数の押出形材
    の表面または裏面のうち少なくとも一方の面に、当該形
    材の押出方向と直交する方向に沿って連続する凹・凸部
    を一体に形成し、且つ上記面の一側端を凸部とし、他側
    端を凹部とすると共に、 上記複数の押出形材の側端部に接合部を形成し、係る接
    合部同士を接合した際に、これらの押出形材間の目地に
    おいて上記一方の面に形成した凸部と凹部とが隣接し、
    且つこれらを含む凹凸模様が複数の押出形材にわたって
    連続する、 ことを特徴とする押出形材の接合構造。
  2. 【請求項2】アルミニウム合金からなる複数の押出形材
    の表面または裏面のうち少なくとも一方の面において、
    上記形材における一方の側端の接合部に深さが2.5m
    m以下の浅い段部を、他方の側端の接合部に厚さが前記
    段部の深さ以下の薄い突出片を、それぞれ形成すると共
    に、 上記複数の押出形材の接合部同士を接合した際に、これ
    らの押出形材間の目地において上記一方の面に形成した
    段部と上記突出片とが対向して配置される、 ことを特徴とする押出形材の接合構造。
  3. 【請求項3】前記面に対し、当該形材の押出方向と直交
    する方向に沿って連続する凹・凸部を更に形成し、且つ
    上記面の一端側を凸部とし、他側端を凹部とすると共
    に、 上記複数の押出形材の接合部同士を接合した際に、これ
    らの押出形材間の目地において上記一方の面に形成した
    凸部と凹部とが隣接し、且つこれらを含む凹凸模様が複
    数の押出形材にわたって連続する、 ことを特徴とする請求項2に記載の押出形材の接合構
    造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005225288A (ja) * 2004-02-10 2005-08-25 Tokyu Car Corp 鉄道車両
KR200485238Y1 (ko) * 2017-04-19 2018-01-18 주식회사 용일 연속 연결 사용이 가능한 알루미늄 블라인드 패널
JP2018123584A (ja) * 2017-02-01 2018-08-09 大塚鈑金工業株式会社 パネルフェンス及びこれが備えた金属パネル

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JP2005225288A (ja) * 2004-02-10 2005-08-25 Tokyu Car Corp 鉄道車両
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