JP2001326995A - 電磁音響変換器 - Google Patents

電磁音響変換器

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JP2001326995A
JP2001326995A JP2000145250A JP2000145250A JP2001326995A JP 2001326995 A JP2001326995 A JP 2001326995A JP 2000145250 A JP2000145250 A JP 2000145250A JP 2000145250 A JP2000145250 A JP 2000145250A JP 2001326995 A JP2001326995 A JP 2001326995A
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JP
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diaphragm
magnetic field
acoustic transducer
core
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JP2000145250A
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English (en)
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Mitsuhiro Masuda
充宏 増田
Takahiro Sone
高裕 曽根
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Star Micronics Co Ltd
Original Assignee
Star Micronics Co Ltd
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R9/00Transducers of moving-coil, moving-strip, or moving-wire type

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Electrostatic, Electromagnetic, Magneto- Strictive, And Variable-Resistance Transducers (AREA)
  • Audible-Bandwidth Dynamoelectric Transducers Other Than Pickups (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動板の背面空間を大きく確保しつつ、マグ
ネットを確実に固定でき、小型で高音圧の電磁音響変換
器を提供する。 【解決手段】 電磁音響変換器1は、磁性材料で形成さ
れたベース24と、磁性材料で形成され、ベース24に
立設する磁心22と、磁性材料で形成され、磁心先端か
ら空隙を隔てて支持される振動板20と、ベース24、
磁心22および振動板20と共に磁気回路を構成し、静
磁界を供給する磁界発生部材25と、磁心周囲に配置さ
れ、該磁気回路に振動磁界を供給するコイル23などで
構成され、磁界発生部材25はマグネット25aと支持
リング26とが一体形成され、振動板20に対向する面
に同極性の磁極を持つ多重リング構造を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁音響変換によ
って音響を発生する電磁音響変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は、従来の電磁音響変換器の一例
を示す斜視図である。電磁音響変換器90は、磁性材料
で形成され、中央に磁片94が固定された振動板93
と、振動板93に振動磁界を供給するための電磁コイル
(不図示)と、振動板93および電磁コイルを収納する
ハウジング部材91などで構成される。振動板93と対
向する天板91aには、磁片94より直径が大きい放音
開口91bが形成されていることから、一般に開放型の
電磁音響変換器と称される。
【0003】電磁コイルに電気振動信号を供給すると、
電磁コイルが発生する振動磁界によって振動板93が振
動して音響を発生し、放音開口91bから外部に放射さ
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電磁音響変換器90の
内部には、振動板93の周縁部を支持する支持リング
と、静磁界を供給するリング状のマグネットが収納され
ている。マグネットの発生磁界を高めるため、マグネッ
ト寸法をできる限り大きく設計すると、マグネットは支
持リングの内側と密着する構造となる。
【0005】一方、振動板の背面空間の体積が少ない
と、エアダンパ効果によって振動板の共振周波数f0が上
昇してしまい、変換器が小型になるほどエアダンパ効果
の影響がより大きくなる。
【0006】こうした事情において、マグネット材料と
して高い最大エネルギー積(BHmax)を示すものを
選択し、マグネット寸法の小型化を図ることで、マグネ
ットと支持リングとの間に空間を確保できるため、背面
空間の体積を増加させることができる。この場合、マグ
ネットが支持リングから離れるため、接着剤を用いた固
定方法が考えられるが、接着剤の経年劣化や接着工程に
伴うコスト増加などが懸念される。
【0007】本発明の目的は、振動板の背面空間を大き
く確保しつつ、マグネットを確実に固定でき、小型で高
音圧の電磁音響変換器を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁性材料で形
成されたベース部材と、磁性材料で形成され、ベース部
材に立設する磁心と、磁性材料で形成され、磁心先端か
ら空隙を隔てて支持される振動板と、ベース部材、磁心
および振動板と共に磁気回路を構成し、静磁界を供給す
るための磁界発生部材と、磁心周囲に配置され、該磁気
回路に振動磁界を供給するためのコイルとを備え、磁界
発生部材は、振動板に対向する面に同極性の磁極を持つ
多重のリング部材で構成されることを特徴とする電磁音
響変換器である。
【0009】本発明に従えば、磁界発生部材として、振
動板対向面に同極性の磁極を持つ多重のリング部材で構
成することによって、各リング部材の振動板対向面から
振動板の中心に向かい、磁心およびベース部材を通って
各リング部材の底面に戻る磁界ループを多重化できるた
め、単一磁界ループと比べて振動板の磁気吸引力を格段
に向上できる。そのため、振動板が発生する音響の音圧
レベルが増加し、音響の周波数特性の平坦化を図ること
ができる。
【0010】また本発明は、最外側のリング部材は、振
動板の周縁部を支持することを特徴とする。
【0011】本発明に従えば、最外側のリング部材で振
動板の周縁部を支持することによって、マグネット機能
と支持リング機能とを兼用できるため、スペース削減に
よる小型化が図られる。
【0012】また本発明は、各リング部材は、周方向に
沿って間欠的に配置された連結部材とともに一体形成さ
れることを特徴とする。
【0013】本発明に従えば、リング部材同士を間欠配
置された連結部材で連結することによって、連結部材と
連結部材との間に空間を形成できるため、振動板の背面
空間を増加させることができる。その結果、変換器を小
型化した場合でも、エアダンパ効果の影響を低減でき
る。
【0014】また、各リング部材を一体形成することに
よって、部品点数や固定箇所の削減によるコスト低減
化、および部材間の位置決め精度の向上を図ることがで
きる。
【0015】また本発明は、最外側のリング部材の底面
に、内側と外側とを連通する連通溝が形成されることを
特徴とする。
【0016】本発明に従えば、最外側のリング部材の底
面に連通溝を形成することによって、振動板の背面空間
を外部空間へ連通させる経路を確保できるため、背面空
間の密閉性が小さくなり、エアダンパ効果の影響をより
低減できる。
【0017】また本発明は、振動板には、最内側のリン
グ部材の内径と同等またはそれ以上の直径を有する磁片
が固定されることを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、磁片の直径が最内側のリ
ング部材の内径と同等またはそれ以上であることによっ
て、磁片を通過する磁力線の数が増加するため、振動板
の磁気吸引力を高めることができる。
【0019】また本発明は、磁性材料で形成されたベー
ス部材と、磁性材料で形成され、ベース部材に立設する
磁心と、磁性材料で形成され、磁心先端から空隙を隔て
て支持される振動板と、ベース部材、磁心および振動板
と共に磁気回路を構成し、静磁界を供給するための磁界
発生部材と、磁心周囲に配置され、該磁気回路に振動磁
界を供給するためのコイルとを備え、磁界発生部材は、
リング部材と内側に突出する複数のリブ部材とで構成さ
れることを特徴とする電磁音響変換器である。
【0020】本発明に従えば、磁界発生部材として、リ
ング部材と内側に突出する複数のリブ部材とで構成する
ことによって、マグネット体積を確保しつつ、リブ部材
とリブ部材との間に空間を形成できるため、振動板の背
面空間を増加させることができる。その結果、変換器を
小型化した場合でも、エアダンパ効果の影響を低減でき
る。
【0021】また本発明は、リング部材は、振動板の周
縁部を支持することを特徴とする。本発明に従えば、リ
ング部材で振動板の周縁部を支持することによって、マ
グネット機能と支持リング機能とを兼用できるため、ス
ペース削減による小型化が図られる。
【0022】また本発明は、リング部材の底面に、内側
と外側とを連通する連通溝が形成されることを特徴とす
る。
【0023】本発明に従えば、リング部材の底面に連通
溝を形成することによって、振動板の背面空間を外部空
間へ連通させる経路を確保できるため、背面空間の密閉
性が小さくなり、エアダンパ効果の影響をより低減でき
る。
【0024】また本発明は、振動板には、リブ部材の最
内径と同等またはそれ以上の直径を有する磁片が固定さ
れることを特徴とする。
【0025】本発明に従えば、磁片の直径が最内側のリ
ング部材の内径と同等またはそれ以上であることによっ
て、磁片を通過する磁力線の数が増加するため、振動板
の磁気吸引力を高めることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態を
示す分解斜視図である。図2(a)は放音孔11側から
見た正面図(左半分)および断面図(右半分)であり、
図2(b)は底面図であり、図2(c)は図2(a)の
A−A線に沿った端面図である。
【0027】電磁音響変換器1は、ハウジング10の中
にベース24、磁心22、コイル23、磁界発生部材2
5、振動板20が収納されて構成され、全体として扁平
の円柱形状を成す。全体の寸法はたとえば直径12mm×高
さ3mm程度である。
【0028】ベース24は、円周上に切欠部24aが形
成された円板形状を成す。ここでは円周上に120度間
隔で3つの切欠部24aを形成した例を示し、そのうち
2つの切欠部24aはU字状に形成される。ベース24
の中央には円柱状の磁心22が立設し、磁心22の周り
にコイル23が配置される。ベース24および磁心22
は磁性材料で形成され、両者は加締め等によって一体化
して単一のポールピース部材として構成しても構わな
い。
【0029】ベース24の底面側には、ベース24の外
径より僅かに小さい円板状のプリント基板30が取り付
けられる。プリント基板30の上面には、コイル23の
リード線23a,23bと半田処理等によって電気接続
するための接続ランド31a,31bがそれぞれ形成さ
れる。接続ランド31a,31bは、U字状に形成され
た切欠部24aに配置され、ベース24の厚さによって
接続処理部32a,32bのスペースを確保している。
【0030】こうした接続処理部32a,32bを内部
空間側に配置することによって、リード線23a,23
bの接続処理作業が容易になるとともに、部品の薄型化
が図られ、実装時の高さ寸法を小さくできる。また、接
続処理部32a,32bが外部に露出しなくなるため、
接続処理部の信頼性を向上できる。
【0031】図2(b)に示すように、プリント基板3
0の底面には、外部回路基板との電気接続を得るための
接続ランド33a,33bがそれぞれ同心円状に形成さ
れる。接続ランド33a,33bの一部には、スルーホ
ール34a,34bが形成され、上面側の接続ランド3
1a,31bと底面側の接続ランド33a,33bとの
導通が図られる。
【0032】図1に戻って、磁界発生部材25は、リン
グ状のマグネット25aと支持リング26とが同心円で
配置された多重リング構造を有し、ベース24の上に磁
心22に対して同心円に配置される。磁界発生部材25
の製法として、プラスチック材料の中にフェライトなど
の永久磁石材料から成る粒子を分散し、所望の形状に射
出成形する方法が例示できる。さらに、磁界発生部材2
5の厚さ方向に磁界を印加することによって、マグネッ
ト25aおよび支持リング26の上面および底面にN極
とS極あるいはS極とN極をそれぞれ形成できる。
【0033】磁界発生部材25が、振動板20に対向す
る面に同極性の磁極を持つ多重リング構造を有すること
によって、マグネット25aおよび支持リング26の上
面から振動板20の中心に向かう磁力線がそれぞれ発生
し、さらに磁心22およびベース24を通ってマグネッ
ト25aおよび支持リング26の底面に戻る多重の磁界
ループを形成できる。その結果、単一磁界ループと比べ
て振動板20の磁気吸引力を格段に向上できる。
【0034】マグネット25aと支持リング26とは、
周方向に沿って間欠的に配置された連結リブ27ととも
に一体的に形成される。連結リブ27は、たとえば12
0度間隔で3つ配置され、隣接する連結リブ27の間に
は上下に貫通する空間27aが3つ形成される。この空
間27aは振動板20の背面空間に開放されるため、振
動板20の背面空間が増加して、エアダンパ効果の影響
を低減できる。
【0035】支持リング26の外径はベース24の外径
とほぼ一致し、図2(a)に示すように、支持リング2
6の内側には複数の環状段差が形成され、そのうち上部
には水平な台座28が環状に形成され、この台座28に
円板状の振動板20が載置され、振動板20は環状段差
によって位置決めされる。
【0036】支持リング26の底面には、内側空間と外
側空間とを連通するための連通溝29が形成される。連
通溝29は、ベース24の切欠部24aの位置と対応す
るように120度間隔で3つ形成される。
【0037】振動板20は磁性材料で形成され、周縁部
において支持リング26の台座28によって支持され、
振動板20の背面中央と磁心22の先端との間は一定の
空隙が確保される。振動板20の前面中央には円板状の
磁片21が固定され、振動板20の質量を増加させて空
気の振動効率を向上させている。
【0038】磁片21の直径はマグネット25aの内径
と同等またはそれ以上であることが好ましく、これによ
って磁片21を通過する磁力線の数が増加するため、振
動板20の磁気吸引力を高めることができる。
【0039】ハウジング10は、熱可塑性樹脂等の合成
樹脂で形成され、ベース24の外径形状に合うように円
筒箱状に形成される。ハウジング10とベース24およ
びプリント基板30とは、図2(c)に示すように、接
着剤やモールド樹脂等の接合材19によって接合され
る。
【0040】ハウジング10の天板には、振動板20と
対向するように磁片21より大きな直径を有する放音開
口11が形成され、開放型の電磁音響変換器を構成す
る。たとえば、磁片21の直径は6mm、放音開口11の
直径は8mm程度である。放音開口11には、磁片21の
上方を通過するように周縁部同士をブリッジ連結した梁
部12がハウジング10とともに一体形成される。ここ
では、120度間隔で配置した3本梁として構成した例
を示しているが、180度間隔の2本梁構成や90度間
隔の4本梁構成、その他5本梁以上でも構わない。
【0041】こうした梁部12を形成することによっ
て、振動板20の接触防止およびハウジング10の補強
を図ることができる。梁部12は、図2(c)に示すよ
うに、振動板20の正常な振動を妨げず、かつ変換器全
体が高くならないような位置に形成される。
【0042】梁部なしの放音開口の開口面積Soと梁部
ありの有効開口面積Seとの比Se/Soは70%以上
であることが好ましく、梁部が音響特性に与える影響は
無視できるほど少なくなる。
【0043】ハウジング10の側面底部には、切欠部1
3が120度間隔で3つ形成される。切欠部13は、支
持リング26の連通溝29の位置と対応し、さらに図2
(b)に示すように、ベース24の切欠部24aの位置
とも対応している。
【0044】こうした連通溝29、切欠部24a、切欠
部13を設け、連結リブ27を間欠的に配置することに
よって、振動板20の背面空間Vbと外部空間Vcとを
連通させる通路を形成することができる。ここでは、3
つの外部連通路を120度間隔で配置した例を示してい
るが、180度間隔の2つ連通路構成や90度間隔の4
つ連通路構成、その他5つ以上の外部連通路や非対称配
置でも構わない。
【0045】次に動作について説明する。磁界発生部材
25は厚さ方向に磁化されており、たとえばマグネット
25aおよび支持リング26の上面がN極、底面がS極
に着磁している場合、マグネット25aの上面から出た
磁力線は、振動板20および磁片21→磁心22→ベー
ス24→マグネット25aの底面という第1の経路で通
過する。また、支持リング26の上面から出た磁力線
は、振動板20および磁片21→磁心22→ベース24
→支持リング26の底面という第2の経路で通過する。
こうした2つの磁気ループは磁片21付近で重畳され、
全体として閉じた二重の磁気回路を構成する。
【0046】磁界発生部材25は、こうした磁気回路に
静磁界を供給する機能を有し、この静磁界によって振動
板20は磁心22、マグネット25aおよび支持リング
26側に吸引された状態で安定に支持される。
【0047】磁心22に巻回されたコイル23は、回路
基板から接続ランド33a,33b、スルーホール34
a,34b、接続ランド31a,31bおよびリード線
23a,23bを経由して電気振動信号が供給される
と、磁気回路に振動磁界を供給する。すると静磁界と振
動磁界との重畳によって振動板20が振動し、振動板2
0の前面側空気および背面側空気を振動する。
【0048】振動板20の前面側で発生した音響は、放
音開口11から外界に放出される。振動板20の背面側
で発生した音響は、前面側音響と逆位相であるため、前
面側音響との干渉をできる限り抑制する必要がある。そ
のため、振動板20の背面側音響は、環状の内部空間、
空間27a、連通溝29、切欠部24a、およびハウジ
ング10の切欠部13を通じて外界に放出している。
【0049】こうした背面音響の連通路を設けることに
よって、振動板20の背面空間におけるエアダンパ効果
を効率的に低減でき、小型で高音圧の電磁音響変換器を
実現できる。
【0050】また、ハウジング10の側壁に切欠部13
を形成することによって、変換器底面を回路基板に密着
実装した状態でも背面通路が塞がれなくなるため、実装
高さを低減化できる。
【0051】図3(a)は本発明の実施の他の形態を示
す分解斜視図であり、図3(b)は上方から見た正面図
である。本実施形態は、図1と比べて磁界発生部材25
の形状が相違し、その他の部材については図1のものと
同様であるため、図示を一部省略している。
【0052】磁界発生部材25は、支持リング26と、
支持リング26の内側に突出する複数の突出リブ27b
とが一体的に形成され、図1と同様に、ベース24の上
に磁心22に対して同心円に配置される。磁界発生部材
25の製法として、プラスチック材料の中にフェライト
などの永久磁石材料から成る粒子を分散し、所望の形状
に射出成形する方法が例示できる。さらに、磁界発生部
材25の厚さ方向に磁界を印加することによって、支持
リング26および突出リブ27bの上面および底面にN
極とS極あるいはS極とN極をそれぞれ形成できる。
【0053】また図3(b)に示すように、磁片21の
直径は突出リブ27bの最内径と同等またはそれ以上で
あることが好ましく、これによって磁片21を通過する
磁力線の数が増加するため、振動板20の磁気吸引力を
高めることができる。
【0054】突出リブ27bは、周方向に沿って間欠的
に配置され、たとえば120度間隔で3つ配置される。
隣接する突出リブ27bの間には上下に貫通する空間2
7aが3つ形成される。この空間27aは振動板20の
背面空間に開放されるため、振動板20の背面空間が増
加して、エアダンパ効果の影響を低減できる。
【0055】支持リング26の外径はベース24の外径
とほぼ一致し、支持リング26の内側には複数の環状段
差が形成され、そのうち上部には水平な台座28が環状
に形成され、図1と同様に、台座28に円板状の振動板
20が載置され、振動板20は環状段差によって位置決
めされる。
【0056】支持リング26の底面には、内側空間と外
側空間とを連通するための連通溝29が形成される。連
通溝29は、ベース24の切欠部24aの位置と対応す
るように120度間隔で3つ形成される。
【0057】図4は、図1の磁界発生部材25を用いた
場合の磁界分布を示すグラフである。このグラフは、磁
心22の中心から半径方向に沿った断面図において有限
要素法を用いて磁力線分布を解析したものである。磁界
発生部材25は、フェライト粒子を分散したプラスチッ
クマグネット材料で形成している。
【0058】グラフを見ると、マグネット25aの上面
→振動板20および磁片21→磁心22→ベース24→
マグネット25aの底面という内側の磁気ループと、支
持リング26の上面→振動板20および磁片21→磁心
22→ベース24→支持リング26の底面という外側の
磁気ループとが観察され、二重の磁気ループを形成して
いることが判る。このとき振動板20の磁気吸引力は
0.59Nとなる。
【0059】図5は、比較例1の磁界分布を示すグラフ
である。比較例1は、支持リング26を非磁性材料で形
成しており、マグネット25aの材料は、図4のものと
同一である。
【0060】グラフを見ると、マグネット25aの上面
から出た磁力線のうち内側半分程度が磁心22に向かっ
て振動板20および磁片21を通過しているが、残り半
分が外側に向かっている。そのため磁気利用率が低下す
ることが予想され、振動板20の磁気吸引力は0.19
Nとなる。
【0061】図6は、比較例2の磁界分布を示すグラフ
である。比較例2は、マグネット25aが存在せず、支
持リング26をマグネットとして兼用し、その材料は、
図4のものと同一である。
【0062】グラフを見ると、支持リング26の上面か
ら出た磁力線のうち内側半分程度が磁心22に向かって
振動板20および磁片21を通過しているが、残り半分
が外側に向かっている。そのため磁気利用率が低下する
ことが予想され、振動板20の磁気吸引力は0.24N
となる。
【0063】図7は、図3の磁界発生部材25を用いた
場合の磁界分布を示すグラフである。ここでは、磁心2
2の中心から突出リブ27bを通過する断面図で示し、
磁界発生部材25の材料は、図4のものと同一である。
【0064】グラフを見ると、支持リング26および突
出リブ27bの上面からほぼ均一に分布する磁力線が発
生して、振動板20および磁片21を通過している。突
出リブ27bは、図4の連結リブ27の上にある溝を埋
め込んだ形状に相当するため、磁気利用率は図4と同程
度と予想でき、振動板20の磁気吸引力は0.60Nと
なる。
【0065】このように図4および図7のものは、図5
および図6と比べて振動板20および磁片21を通過す
る磁力線が増加するため、振動板20の磁気吸引力が格
段に向上することが判る。
【0066】図8は図4に示した本発明に係る電磁音響
変換器1の周波数特性の一例を示すグラフであり、図9
は図5の比較例1においてマグネット25aをネオジウ
ムで形成したときの周波数特性の一例を示すグラフであ
る。横軸は音響周波数(Hz)、縦軸は音圧レベル(d
B)である。なお、ネオジウムの最大エネルギー積(B
Hmax)は、フェライト粒子を分散したプラスチック
マグネット材料の約5倍である。
【0067】両者のグラフを比較すると、図8のグラフ
は全体として周波数特性が平坦になり、特に一般的な駆
動周波数である1kHz〜2kHz付近で音圧レベルが
約10dB増加することが判る。
【0068】このようにマグネット材料の最大エネルギ
ー積(BHmax)が小さくても、形状を工夫すること
によって、音圧レベルが向上し、より理想的な周波数特
性が得られることが判る。
【0069】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、磁
界発生部材として、振動板対向面に同極性の磁極を持つ
多重のリング部材で構成することによって、磁界ループ
を多重化できるため、単一磁界ループと比べて振動板の
磁気吸引力を格段に向上でき、音圧レベルの増加や周波
数特性の平坦化を図ることができる。
【0070】また、振動板の背面空間を増加させること
によって、変換器を小型化した場合でも、エアダンパ効
果の影響を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す分解斜視図であ
る。
【図2】図2(a)は放音孔11側から見た正面図(左
半分)および断面図(右半分)であり、図2(b)は底
面図であり、図2(c)は図2(a)のA−A線に沿っ
た端面図である。
【図3】図3(a)は本発明の実施の他の形態を示す分
解斜視図であり、図3(b)は上方から見た正面図であ
る。
【図4】図1の磁界発生部材25を用いた場合の磁界分
布を示すグラフである。
【図5】比較例1の磁界分布を示すグラフである。
【図6】比較例2の磁界分布を示すグラフである。
【図7】図3の磁界発生部材25を用いた場合の磁界分
布を示すグラフである。
【図8】図4に示した本発明に係る電磁音響変換器1の
周波数特性の一例を示すグラフである。
【図9】図5の比較例1においてマグネット25aをネ
オジウムで形成したときの周波数特性の一例を示すグラ
フである。
【図10】従来の電磁音響変換器の一例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 電磁音響変換器 10 ハウジング 11 放音開口 12 梁部 13 切欠部 20 振動板 22 磁心 23 コイル 23a,23b リード線 24 ベース 24a 切欠部 25 磁界発生部材 25a マグネット 26 支持リング 27 連結リブ 27a 空間 27b 突出リブ 29 連通溝 30 プリント基板 31a,31b,33a,33b 接続ランド 32a,32b 接続処理部 34a,34b スルーホール

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性材料で形成されたベース部材と、 磁性材料で形成され、ベース部材に立設する磁心と、 磁性材料で形成され、磁心先端から空隙を隔てて支持さ
    れる振動板と、 ベース部材、磁心および振動板と共に磁気回路を構成
    し、静磁界を供給するための磁界発生部材と、 磁心周囲に配置され、該磁気回路に振動磁界を供給する
    ためのコイルとを備え、 磁界発生部材は、振動板に対向する面に同極性の磁極を
    持つ多重のリング部材で構成されることを特徴とする電
    磁音響変換器。
  2. 【請求項2】 最外側のリング部材は、振動板の周縁部
    を支持することを特徴とする請求項1記載の電磁音響変
    換器。
  3. 【請求項3】 各リング部材は、周方向に沿って間欠的
    に配置された連結部材とともに一体形成されることを特
    徴とする請求項1記載の電磁音響変換器。
  4. 【請求項4】 最外側のリング部材の底面に、内側と外
    側とを連通する連通溝が形成されることを特徴とする請
    求項1記載の電磁音響変換器。
  5. 【請求項5】 振動板には、最内側のリング部材の内径
    と同等またはそれ以上の直径を有する磁片が固定される
    ことを特徴とする請求項1記載の電磁音響変換器。
  6. 【請求項6】 磁性材料で形成されたベース部材と、 磁性材料で形成され、ベース部材に立設する磁心と、 磁性材料で形成され、磁心先端から空隙を隔てて支持さ
    れる振動板と、 ベース部材、磁心および振動板と共に磁気回路を構成
    し、静磁界を供給するための磁界発生部材と、 磁心周囲に配置され、該磁気回路に振動磁界を供給する
    ためのコイルとを備え、 磁界発生部材は、リング部材と内側に突出する複数のリ
    ブ部材とで構成されることを特徴とする電磁音響変換
    器。
  7. 【請求項7】 リング部材は、振動板の周縁部を支持す
    ることを特徴とする請求項6記載の電磁音響変換器。
  8. 【請求項8】 リング部材の底面に、内側と外側とを連
    通する連通溝が形成されることを特徴とする請求項6記
    載の電磁音響変換器。
  9. 【請求項9】 振動板には、リブ部材の最内径と同等ま
    たはそれ以上の直径を有する磁片が固定されることを特
    徴とする請求項6記載の電磁音響変換器。
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