JP2002078087A - 電磁音響変換器 - Google Patents

電磁音響変換器

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JP2002078087A JP2000261696A JP2000261696A JP2002078087A JP 2002078087 A JP2002078087 A JP 2002078087A JP 2000261696 A JP2000261696 A JP 2000261696A JP 2000261696 A JP2000261696 A JP 2000261696A JP 2002078087 A JP2002078087 A JP 2002078087A
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能男 今堀
Yoshiharu Oishi
義治 大石
Kazuyasu Ono
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    • H04R11/00Transducers of moving-armature or moving-core type
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  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Electrostatic, Electromagnetic, Magneto- Strictive, And Variable-Resistance Transducers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイル線に加わるストレスを低減でき、高い
信頼性を確保できる電磁音響変換器を提供する。 【解決手段】 電磁音響変換器1は、磁性材料で形成さ
れたベース24と、磁性材料で形成され、ベース24に
立設する磁心22と、磁性材料で形成され、磁心先端か
ら空隙を隔てて支持される振動板20と、ベース24、
磁心22および振動板20と共に磁気回路を構成し、静
磁界を供給するマグネット25と、磁心周囲に配置さ
れ、該磁気回路に振動磁界を供給するコイル23と、コ
イル23を保持するコイルボビン30と、これらの部材
を収納するハウジング10と、ベース24の外面側に充
填される充填部材19と、通電用のリード端子41,4
2などで構成され、リード端子41,42はベース24
の内面側にコイル軸方向に突出した突出部41a,42
aを有し、コイル線23aが突出部41a,42aに巻
付け接続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁音響変換によ
って音響を発生する電磁音響変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁音響変換器は、マグネットからの磁
界がベース部材、磁心および振動板を通過して再びマグ
ネットに戻るまでの磁気回路を有し、磁心に巻回された
コイルに電気振動信号を供給すると、コイルが発生する
振動磁界が磁気回路の静磁界に重畳され、振動板の振動
が空気に伝達されることによって音響を発生する。
【0003】電磁音響変換器にはコイル通電用の端子が
設けられ、他の電子部品と同様に、回路基板の配線パタ
ーンに半田付け等で接続されることが多い。
【0004】従来、コイル線を端子に接続するコイル端
末処理を行う場合、コイル線を外側に引き出して、ベー
ス部材の外面側に設けた端子に接続し、さらにエポキシ
樹脂等のポッティング剤をベース部材の外面側に充填し
て、コイル接続部分の保護および本体内部の封止を図っ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】コイル線は極めて細い
ため、本体の組立て時や製品実装時において、コイル線
にストレスが加わると切断し易く、部品信頼性の低下を
もたらす。コイル端末処理においてポッティング剤がコ
イル線に接触すると、高温状態と低温状態を一定の時間
間隔で繰り返す熱衝撃試験において、その繰り返し数の
増加に伴ってコイル線が断線する個体数が急増すること
が判明した。これは、ポッティング剤とコイル線の熱膨
張係数の違いに起因してコイル線に過大な負荷が加わっ
たためと考えられる。すなわち、このような構造では、
熱衝撃試験の耐久性を高めることが困難であった。
【0006】また、通電用の端子は外部に露出している
ため、物理的接触や半田付け等で端子にストレスが加わ
る機会が多く、端子への過大なストレスが原因となって
コイル線の断線が生じ易くなる。
【0007】本発明の目的は、コイル線に加わるストレ
スを低減でき、高い信頼性を確保できる電磁音響変換器
を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁性材料で形
成されたベース部材と、磁性材料で形成され、ベース部
材に立設する磁心と、磁性材料で形成され、磁心先端か
ら空隙を隔てて支持される振動板と、ベース部材、磁心
および振動板と共に磁気回路を構成し、静磁界を供給す
るためのマグネットと、磁心周囲に配置され、該磁気回
路に振動磁界を供給するためのコイルと、磁心とコイル
との間に介在し、コイルを保持するためのコイルボビン
と、ベース部材、磁心、振動板、マグネット、コイルお
よびコイルボビンを収納するためのハウジング部材と、
ベース部材の外面側に充填される充填部材と、外部から
電流を供給するための端子とを備え、端子はベース部材
の内面側に突出した突出部を有し、コイル線が該突出部
に接続されることを特徴とする電磁音響変換器である。
【0009】本発明に従えば、端子の配置を工夫し、ベ
ース部材の内面側に突出した突出部を設けて、この突出
部にコイル線を接続することによって、ベース部材の外
面側にポッティング剤等の充填部材を充填した場合、コ
イル線が充填部材に接触しなくなるため、熱衝撃試験時
などでコイル線に加わるストレスを解消できる。
【0010】また、端子の外部露出部分に物理的接触や
半田付け等でストレスが加わっても、ストレスが突出部
まで伝わり難くなるため、コイル線に加わるストレスを
低減できる。また、接続処理部は変換器内部に収納さ
れ、外部に露出しなくなるため、接続処理部の信頼性を
向上できる。
【0011】また本発明は、突出部は、コイル軸方向に
突出していることを特徴とする。本発明に従えば、突出
部をコイル軸方向に突出させることによって、コイルボ
ビンにコイル線を巻き付ける回転軸と、突出部にコイル
線を巻き付ける回転軸とが平行になる。コイル巻き装置
を用いて第1の突出部にコイル線を巻き付け、次にコイ
ルボビンにコイル線を巻き付け、次に第2の突出部にコ
イル線を巻き付けるという工程を経ることによって、コ
イル巻き付けとコイル端末処理とを一連の手順で実施で
きるため、製造工程の簡素化やコスト低減を図ることが
できる。
【0012】さらに本発明は、コイルボビンは、ベース
部材とともに一体成形されていることを特徴とする。
【0013】本発明に従えば、コイルボビンをベース部
材とともにインサート成形等で一体成形することによっ
て、コイルボビンの接着が不要になり、コイルボビンの
固定強度を向上でき、製造工程の簡素化やコスト低減を
図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態を
示す分解斜視図である。図2は、ベース24の背面側を
示す斜視図である。図3(a)は本発明の実施の一形態
を示す垂直中央端面図であり、図3(b)はベース24
の上にマグネット25を載置した状態を示す平面図であ
る。
【0015】電磁音響変換器1は、ハウジング10の中
にベース24、磁心22、コイル23、マグネット2
5、振動板20が収納されて構成され、全体として扁平
の円柱形状を成す。全体の寸法はたとえば直径25mm×本
体高さ12mm程度である。
【0016】ベース24は、ハウジング10の内径に緩
く嵌り込む直径を持つ円板形状を成し、中心を挟んで一
定距離隔てて長円状の貫通孔24aが2つ形成されてい
る。貫通孔24aにはリード端子41,42が通過して
おり、両者の短絡を防止するための電気絶縁部32が装
着されている。
【0017】ベース24の中央には円柱状の磁心22が
立設し、磁心22の周りにコイル23が配置される。ベ
ース24および磁心22は磁性材料で形成され、両者は
かしめ等によって一体化して単一のポールピース部材と
して構成しても構わない。
【0018】マグネット25はリング状を成し、ベース
24の上に磁心22に対して同心円に配置される。マグ
ネット25とコイル23との間は環状の内部空間が確保
される。
【0019】マグネット25は、振動板20を支持する
支持部材として兼用され、図3(a)に示すように、マ
グネット25の内側には複数の環状段差が形成され、そ
のうち環状に形成された水平な台座28に円板状の振動
板20が載置され、振動板20の周縁部は環状段差によ
って位置決めされる。
【0020】振動板20は磁性材料で形成され、振動板
20の背面中央と磁心22の先端との間は一定の空隙が
確保される。振動板20の前面中央には円板状の磁片2
1が固定され、振動板20の質量を増加させて空気の振
動効率を向上させている。
【0021】ハウジング10は、熱可塑性樹脂等の合成
樹脂で形成され、ベース24の外径形状に合うように円
筒箱状に形成される。ハウジング10の周壁12の内面
には、マグネット25および振動板20を位置決めする
規制部13が形成され、接着剤なしでマグネット25の
位置決めと固定を実現している。
【0022】ハウジング10の周壁12とベース24と
は、図3(a)に示すように、接着剤やモールド樹脂等
の充填部材19によって封止、接合される。
【0023】ハウジング10の天板には、振動板20と
対向するように磁片21より小さい直径を有する放音開
口11が形成される。放音開口11の下面には、磁片2
1から所定距離隔てて変位規制部14が形成される。
【0024】磁心22には、コイル23を保持するため
のコイルボビン30が装着される。コイルボビン30
は、合成樹脂等の電気絶縁材料で形成され、コイル23
の上端および下端を規制する上フランジおよび下フラン
ジ31を有し、さらに電気絶縁部32も合わせて磁心2
2、ベース24およびリード端子41,42とともにイ
ンサート成形等で一体成形される。こうした一体成形に
よって、コイルボビン30の接着が不要になり、コイル
ボビン30の固定強度を向上でき、製造工程の簡素化や
コスト低減を図ることができる。
【0025】リード端子41,42は、はんだメッキ銅
線等で形成され、ベース24の内面側に突出した突出部
41a,42aと、突出部41a,42aから中心方向
に屈曲した屈曲部41b,42bと、屈曲部41b,4
2bからベース24の外面側に突出した露出部41c,
42cとを有する。
【0026】突出部41a,42aは、コイルボビン3
0にコイル線23aを巻き付ける回転軸と、突出部にコ
イル線23aを巻き付ける回転軸とがほぼ平行になるよ
うに、コイル軸方向に突出している。
【0027】こうした構成によって、コイル巻き装置を
用いてまず突出部41aにコイル線23aを巻き付け、
次にコイルボビン30にコイル線23aを巻き付け、次
に突出部42aにコイル線23aを巻き付けるという工
程を経ることによって、コイル巻き付けとコイル端末処
理とを一連の手順で実施できるため、製造工程の簡素化
やコスト低減を図ることができる。
【0028】また、ベース24の内面側に突出した突出
部41a,42aにコイル線23aを接続することによ
って、ベース24の外面側に充填部材19を充填した場
合、コイル線23aが充填部材19に接触しなくなるた
め、熱衝撃試験時などでコイル線23aに加わるストレ
スを解消できる。
【0029】また、リード端子41,42の露出部41
c,42cに物理的接触や半田付け等でストレスが加わ
っても、ストレスが突出部41a,42aまで伝わり難
くなるため、コイル線23aに加わるストレスを低減で
きる。
【0030】コイルボビン30の下フランジ31は、突
出部41a,42aを包囲するように広く形成してお
り、これによって突出部41a、コイルボビン30およ
び突出部42aにまたがるコイル線23aがベース24
に接触するのを防止している。
【0031】リード端子41,42の屈曲部41b,4
2bは、リード端子41,42の抜けを防止する機能
と、突出部41a,42aのピッチと露出部41c,4
2cのピッチとを変換する機能とを有する。
【0032】リード端子41,42を真直な形状にした
場合、リード端子41,42は電気絶縁部32との摩擦
だけで固定されるのに対して、途中に屈曲部41b,4
2bを形成すると、電気絶縁部32との係合が強固にな
り、長手方向への抜けを確実に防止できる。
【0033】また、突出部41a,42aとコイルボビ
ン30との間隔はコイル巻き装置のアームヘッドが通過
可能なように確保する必要があるため、こうした屈曲部
41b,42bを設けることによって、露出部41c,
42cのピッチを外部回路基板のランド形状に柔軟に適
合することができる。
【0034】次に動作について説明する。マグネット2
5は厚さ方向に磁化されており、たとえばマグネット2
5の底面がN極、上面がS極に着磁している場合、マグ
ネット25の底面から出た磁力線はベース24の周縁部
→ベース24の中央部→磁心22→振動板20の中央部
→振動板20の周縁部→マグネット25の上面という経
路で通過して、全体として閉じた磁気回路を構成する。
マグネット25はこうした磁気回路に静磁界を供給する
機能を有し、この静磁界によって振動板20は磁心22
およびマグネット25側に吸引された状態で安定に支持
される。
【0035】磁心22に巻回されたコイル23は、回路
基板からリード端子41,42、コイル線23aを経由
して電気振動信号が供給されると、磁気回路に振動磁界
を供給する。すると静磁界と振動磁界との重畳によって
振動板20が振動し、振動板20の前面側空気および背
面側空気を振動する。
【0036】振動板20の前面側で発生した音響は、放
音開口11から外界に放出される。振動板20の背面側
で発生した音響は前面側音響と逆位相であるため、環状
の内部空間に閉じ込めることによって、前面側音響との
干渉をできる限り抑制している。
【0037】以上の説明において、充填部材19をベー
ス24の周縁部に塗布した例を示しているが、ベース2
4の背面を全て覆うように充填しても構わない。
【0038】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、ベ
ース部材の内面側に突出した突出部にコイル線を接続す
ることによって、コイル線が充填部材に接触しなくなる
ため、熱衝撃試験時などでコイル線に加わるストレスを
解消できる。また、ベース部材の内面でコイル端末処理
を施しているため、端子の物理的接触や半田付け等でス
トレスが加わっても、コイル線に加わるストレスを低減
できる。また、コイル巻き付けとコイル端末処理とを一
連の手順で実施できるため、製造工程の簡素化やコスト
低減を図ることができる。
【0039】また、突出部をコイル軸方向に突出させる
ことによって、コイル巻き付けとコイル端末処理とを一
連の手順で実施できるため、製造工程の簡素化やコスト
低減を図ることができる。
【0040】さらに、コイルボビンをベース部材ととも
にインサート成形等で一体成形することによって、コイ
ルボビンの接着が不要になり、コイルボビンの固定強度
を向上でき、製造工程の簡素化やコスト低減を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す分解斜視図であ
る。
【図2】ベース24の背面側を示す斜視図である。
【図3】図3(a)は本発明の実施の一形態を示す垂直
中央端面図であり、図3(b)はベース24の上にマグ
ネット25を載置した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 電磁音響変換器 10 ハウジング 11 放音開口 19 充填部材 20 振動板 21 磁片 22 磁心 23 コイル 23a コイル線 24 ベース 24a 貫通孔 25 マグネット 30 コイルボビン 31 下フランジ 32 電気絶縁部 41,42 リード端子 41a,42a 突出部 41b,42b 屈曲部 41c,42c 露出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大石 義治 静岡県静岡市中吉田20番10号 スター精密 株式会社内 (72)発明者 小野 和康 静岡県静岡市中吉田20番10号 スター精密 株式会社内 Fターム(参考) 5D021 BB01 BB11 BB19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性材料で形成されたベース部材と、 磁性材料で形成され、ベース部材に立設する磁心と、 磁性材料で形成され、磁心先端から空隙を隔てて支持さ
    れる振動板と、 ベース部材、磁心および振動板と共に磁気回路を構成
    し、静磁界を供給するためのマグネットと、 磁心周囲に配置され、該磁気回路に振動磁界を供給する
    ためのコイルと、 磁心とコイルとの間に介在し、コイルを保持するための
    コイルボビンと、 ベース部材、磁心、振動板、マグネット、コイルおよび
    コイルボビンを収納するためのハウジング部材と、 ベース部材の外面側に充填される充填部材と、 外部から電流を供給するための端子とを備え、端子はベ
    ース部材の内面側に突出した突出部を有し、コイル線が
    該突出部に接続されることを特徴とする電磁音響変換
    器。
  2. 【請求項2】 突出部は、コイル軸方向に突出している
    ことを特徴とする請求項1記載の電磁音響変換器。
  3. 【請求項3】 コイルボビンは、ベース部材とともに一
    体成形されていることを特徴とする請求項1または2記
    載の電磁音響変換器。
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