JP4255116B2 - 動電型発音体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話や携帯情報端末等に組み込まれる小型の動電型発音体の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯電話や携帯情報端末等に組み込まれる小型の動電型発音体1は、図5及び図6に示されるように、フレーム2にヨーク3、磁石4、プレート5、コイル6及び振動板7からなる磁性部材で構成された電気発音部11を組み込み、その上を放音孔8aが設けられた蓋体8でカバーした構造となっている。また、前記フレーム2の底面の一部に接続基板9が設けられ、この接続基板9を介して前記電気発音部11と図示しない装置基板との電気的接続を図っている。特許文献1における動電型発音体も同様の構造である。なお、前記接続基板9をフレーム2に取り付ける以外の方法としては、フレーム2に直接インサートモールド法によって配線パターンや電極部を形成している例もある。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−176586号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記構造の動電型発音体1にあっては、装置基板に実装させるために接続基板9をフレーム2に取り付けなければならない。このため、部品点数が多くなると共に、作業工数が増加するといった問題があった。一方、電極パターンをインサートモールド法によって直接フレーム2に形成する場合にあっては、電気発音部の形態によって様々な形状を取り得るフレーム2ごとに電極パターンを形成しなければならないため、製造工数及びコストが多く掛かるといった問題もあった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、部品点数の増加及び製造に掛かる工数やコストを抑えると共に、装置への組込みが容易な動電型発音体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る動電型発音体は、中央部に孔部が形成され、四隅の角部にのみ電極部が形成された方形状の回路基板と、該回路基板の孔部に嵌め込み固定される電気発音部と、該電気発音部を覆うように回路基板上に配置され、該回路基板の四隅の角部の上面を露出するように四隅の角部が湾曲状に凹設された蓋体とを備え、前記電極部は、電気発音部のコイルに接続されると共に、前記蓋体の湾曲状に凹設された各角部から外部に露出して設けられ、この露出した部分が回路基板の四隅の角部の上面から下面まで回り込むようにして形成され、この電極部が実装基板に面実装されることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、電極部が形成された回路基板に電気発音部を一体に組み込んで動電型発音体を構成しているので、前記回路基板をそのまま携帯電話や情報携帯型の端末内の装置基板に直接表面実装させることができる。このため、従来のように、電気発音部を収容するフレームに接続基板を設けたり、インサートモールド法によって電極パターンを形成するといったような構造の動電型発音体に比べて部品点数及び製造工数の削減効果が図られる。また、前記回路基板には電極パターンの他に電気発音部のヨーク部分を挿入するための孔部を加工形成するだけで済むので、製造が容易であると共に品質が一定の動電型発音体を大量生産することができる。さらに、前記電気発音部と一体となった回路基板をそのまま装置基板の表面又は裏面に実装することができるため、全体の実装スペースを抑え、搭載する装置の小型化及び薄型化が図られる。
【0008】
また、前記電気発音部を構成する基礎部材であるヨークの外周縁の全周またはその一部につば部を設けることによって、前記回路基板への位置決めが容易になると共に、安定した状態で支持することができる。
【0009】
また、前記ヨークの厚みを回路基板の厚み以下にすることによって、前記孔部に電気発音部がその自重で安定した状態で適合すると共に、前記ヨークの底部が接触することによるショートの防止効果が得られる。
【0010】
また、前記回路基板に開設した孔部の内周に電気発音部を組み込んだヨークを嵌合保持するための突起又は凹みからなる嵌合部を設けることによって、前記電気発音部を孔部に装着したときの安定度を高めることができる。
【0011】
また、前記孔部の外周部に沿って溝状の開放孔を形成することで、前記孔部に嵌合固定した電気発音部からの振動を外部に逃がすことができる。
【0012】
また、前記電極部が略方形に形成された回路基板の四隅に設けることによって、半田による実装基板への電気的接合をより確実且つ安定にすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明に係る動電型発音体の実施形態を詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明に係る動電型発音体21の外形形状を示したものである。この動電型発音体21は、四角形状の回路基板22上に図2及び図3に示す電気発音部31を組み込み、その上を放音孔28aが開設された蓋体28を装着して形成される。
【0015】
前記回路基板22は、ガラスエポキシやBTレジン(Bismaleimide Triazine Resin)等で板状に形成され、表面に図示しない配線パターン、角部に電極部29が形成される。また、中央部には電気発音部31を挿入して固定するための孔部32が設けられている。前記電気発音部31は、金属製のヨーク23内に磁石24、プレート25、コイル26及び振動板27からなる磁性部材を組み込んで形成される。前記ヨーク23は、図2及び図3に示したように、内部に円筒形状の凹部33が設けられ、外周縁には外側に開いたつば部34が形成される。このつば部34は、前記孔部32の外周縁に載せて支持するために設けられる。また、前記孔部32の内周の所定箇所に突起32aを設けることで、回路基板22に対する電気発音部31の固定を容易に行うことができると共に、固定した際の安定化が図られる。また、前記孔部32の周囲にはその外周に沿って細長い開放孔37が設けられる。この開放孔37は、前記振動板27が振幅する際の負荷を外部に逃して軽減するためのもので、前記孔部32の外周に沿って均等に複数形成するのが好ましい。また、前記開放孔37から回路基板22の外周部にかけて溝37aを設けることによって、前記振動板27が振幅する際の負荷をさらに軽減させることができる。
【0016】
前記凹部33内には円盤状の磁石24が嵌め込まれ、その上を前記ヨーク23と同じ金属性の薄いプレート25で封止した構造になっている。前記磁石24の周囲には細い電線を巻装して形成されたコイル26と、このコイル26の上方に載置される薄い振動板27を備えており、前記コイル26の両端部に所定の電圧を掛けることによって振動板27を振動させ、蓋体28に開設されている放音孔28aを通して外部に振動音を発するようになっている。
【0017】
前記電極部29は、図1に示したように、回路基板22の四隅の上面から側面及び下面に掛けて形成される。この電極部29は、前記電気発音部31を構成するコイル26のリード部26aが回路基板22上に形成されている配線パターンを介して接続されたものである。
【0018】
なお、図2及び図3に示されるように、前記回路基板22の厚みは、前記電気発音部31を組み込んだヨーク23のつば部34から下の厚みと同じか、それ以上の厚みに形成される。これは、前記回路基板22を装置基板30に表面実装した際に、ヨーク23の底部が装置基板面に突き出ることによる実装の不安定化を防止するためと、金属体で形成されているヨーク23の底部が装置基板30に接触してショート等を起こさないようにするためである。
【0019】
前記構成からなる動電型発音体21は、図3に示されるように、最初にヨーク23を形成し、このヨーク23内に磁石24、プレート25、コイル26及び振動板27を組み込んだ後、前記ヨーク23の底部を回路基板22に開設した孔部32に挿入し、つば部34でヨーク23全体を回路基板22に固定する。次に、前記コイル26から引き出されたリード部26aを回路基板22に設けた所定の電極部29に半田接合し、最後に蓋体28を電気発音部31の上部に装着して回路基板22と一体化させることで組み付けられる。
【0020】
前記構造の動電型発音体21をマザーボード等の装置基板30に実装する場合は、図2に示されるように、装置基板30に設けられている電極パターン30aの上に回路基板22の電極部29を載置して半田接合する。
【0021】
また、図4に示す動電型発音体41のように、電極部29を回路基板22aの外周部から突出させて形成した場合は、予め装置基板40に蓋体28が挿入可能な大きさの孔部42を設け、この孔部42の下方から前記蓋体28の頭を挿入して固定した後、装置基板40の裏面側に形成されている電極パターン部に回路基板22aの上面に形成されている電極部29を接触させ、リフロー半田で接続するといった実装形態をとることも可能である。このような孔部42によって蓋体28がガイド挿入されるので、位置決めが容易であると共に、安定した状態で実装することができる。また、前記動電型発音体41の一部が装置基板40に埋設されることによって、実装した際の薄型化が図られる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る動電型発音体によれば、電気発音部と一体形成された回路基板がそのまま携帯電話機等の装置に備える装置基板に実装可能になっているので、部品点数の削減によって装置コストを低く抑えることができる。また、回路基板に電気 発音部を組み込むための孔部が開設されているので、組み立てる際の位置合わせ作業が容易であり、工数の削減効果が図られる。
【0023】
また、電極部を回路基板の上面若しくは上面から側面及び下面に亘って形成することで、装置基板に対して表面実装や裏面実装といった様々な実装形態をとることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る動電型発音体の斜視図である。
【図2】 上記動電型発音体の断面図である。
【図3】 上記動電型発音体の組立斜視図である。
【図4】 上記動電型発音体を実装基板の下面側から実装したときの断面図である。
【図5】 従来の動電型発音体の断面図である。
【図6】 上記従来の動電型発音体の組立斜視図である。
【符号の説明】
21 動電型発音体
22 回路基板
23 ヨーク
24 磁石
25 プレート
26 コイル
27 振動板
28 蓋体
28a 放音孔
29 電極部
31 電気発音部
32 孔部
32a 突起
33 凹部
34 つば部
37 開放孔

Claims (2)

  1. 中央部に孔部が形成され、四隅の角部にのみ電極部が形成された方形状の回路基板と、
    該回路基板の孔部に嵌め込み固定される電気発音部と、
    該電気発音部を覆うように回路基板上に配置され、該回路基板の四隅の角部の上面を露出するように四隅の角部が湾曲状に凹設された蓋体とを備え、
    前記電極部は、電気発音部のコイルに接続されると共に、前記蓋体の湾曲状に凹設された各角部から外部に露出して設けられ、この露出した部分が回路基板の四隅の角部の上面から下面まで回り込むようにして形成され、この電極部が実装基板に面実装されることを特徴とする動電型発音体。
  2. 前記回路基板の中央部に形成された孔部の外周部に沿って、溝状の開放孔が等間隔に複数個設けられる請求項1記載の動電型発音体。
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