JP2001325962A - 蓄電池用電極およびその製造方法 - Google Patents

蓄電池用電極およびその製造方法

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JP2001325962A JP2000140821A JP2000140821A JP2001325962A JP 2001325962 A JP2001325962 A JP 2001325962A JP 2000140821 A JP2000140821 A JP 2000140821A JP 2000140821 A JP2000140821 A JP 2000140821A JP 2001325962 A JP2001325962 A JP 2001325962A
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彰 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】二次元的な導電性芯材に繊維状ニッケル焼結体
が一体化された構成としながらも三次元電極基板よりも
高い骨格密度および表面積を有する電極基板を備えた蓄
電池用電極およびそのような蓄電池用電極を高精度、且
つ高い生産性で製造することのできる製造方法を提供す
る。 【解決手段】電極基板を、貫通孔7aを有する筒状の複
数の支持突起7が金属板4または金属箔に所定の配置
で、且つ交互に両面側に向け一体に突設されてなる導電
性芯材3の両側表面に、環状部8aが連続的または断続
的に連なる形状に形成された繊維状ニッケル焼結体8の
各環状部8aにおける少なくとも一部を一体焼結してな
る構成とし、この電極基板に活物質を含むペースト10
を塗着または充填して蓄電池用電極9を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄電池用電極、特
にペースト式蓄電池用電極とその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】各種の電源として広く使われている電池
としては、鉛蓄電池やアルカリ蓄電池があり、それに最
近ではリチウム二次電池が用いられている。これらの電
池のうちの小型のものはポータブル機器用の電源に、大
型のものは産業用の電源として使用されている。これら
電池の電極としては、鉛蓄電池では酸化鉛極と鉛極、ア
ルカリ蓄電池では正極にニッケル極で負極にカドミウム
極または水素吸蔵合金極、リチウム二次電池ではリチウ
ム金属極、金属酸化物極または黒鉛極などが一般的であ
る。
【0003】このような電極の製造方法としては、電極
の芯材にニッケル粉末を混練したペーストを塗布し、こ
れを焼結して作製した電極基板に活物質を含浸させる焼
結式や、発泡メタルなどの三次元構造の導電性多孔体や
パンチドメタルなどの二次元構造の導電性多孔体からな
る芯材に、活物質を含むペーストを直接充填または塗着
するペースト式が存在する。このペースト式の最も大き
な特徴は、焼結式と比較して製法が簡単であることか
ら、低価格で電極が得られることである。
【0004】図5は、本件出願人により提案されて先に
公開された特開平8-29812 号公報に記載の蓄電池用電極
における電極基板を示す拡大斜視図である。この電極基
板は、金属板または金属箔に多数の孔1aを穿孔してな
る導電性芯材1の表面に、これに一体化した多数本の繊
維状ニッケル焼結体2が配設された構造になっている。
このペースト式電極基板の製造に際しては、導電性芯材
1に接着剤を塗布して樹脂繊維を植毛し、その樹脂繊維
の表面にニッケル層を形成してニッケル繊維とし、続い
て樹脂繊維および接着剤を熱分解除去し、導電性芯材1
とニッケル繊維とを焼結することによって繊維状ニッケ
ル焼結体2を形成する工程が採用されている。
【0005】ところで、パンチドメタルなどを芯材とし
て用いた二次元電極基板は、フープ状の金属板などを移
送しながら連続生産できる長所がある反面、活物質を含
むペーストの保持力が弱く、導電性が悪い欠点がある。
一方、発泡メタルなどを用いた三次元電極基板は、二次
元電極基板とは逆に、ペーストの保持力および導電性が
優れているが、フープ状とした長尺物による連続生産が
困難であり、生産性が低いことからコスト高となる。こ
れに対し、上記特開平8-29812 号公報に開示された蓄電
池用電極に用いる電極基板は、二次元電極基板と三次元
電極基板の長所と短所とが相反する問題を解消できるも
のである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
電極基板では、発泡メタルなどの三次元電極基板と同等
の活物質の利用率および放電特性を得ようとすれば、三
次元電極基板の導電骨格が有する表面積と同じ表面積お
よび導電骨格密度(単位体積当たりの導電体の密度)を
得ることが必要となり、そのためには、製造過程におけ
る樹脂繊維の径を小さくして樹脂繊維の単位面積当たり
の植毛密度を高めるとともに、樹脂繊維の表面に形成す
るニッケル層を薄くしなければならない。さらに、三次
元電極基板と同量の活物質の充填密度を得るためには、
電極における導電性芯材が占める体積分だけ、さらに樹
脂繊維の径を細くし、且つ表面に形成するニッケル層を
薄くする必要がある。
【0007】上述のようにして得た電極基板は、繊維状
ニッケル焼結体2が細くて極めて脆いものになるから、
活物質を含むペーストを塗着または充填するときの圧力
で繊維状ニッケル焼結体2の骨格が潰れてしまい、特に
電極の厚み方向の導電骨格密度の低下に伴い導電性が低
下して、均一な導電経路のネットワークを電極内部に形
成することが困難となるから、三次元電極基板と同等の
活物質の利用率、電池としての放電特性および充放電繰
り返し寿命を得られないという課題が残存している。
【0008】そこで、本発明は、上記従来の課題に鑑み
てなされたもので、二次元的な導電性芯材に繊維状ニッ
ケル焼結体が一体化された構成としながらも三次元電極
基板よりも高い骨格密度および表面積を有する電極基板
を備えた蓄電池用電極およびそのような蓄電池用電極を
高精度、且つ高い生産性で製造することのできる製造方
法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の蓄電池用電極基板は、活物質を含むペース
トを電極基板の両面側に塗着または充填してなるものに
おいて、前記電極基板が、導電性芯材の両側表面に細い
繊維状ニッケル焼結体が焼結により一体化されてなり、
前記導電性芯材が、貫通孔を有する筒状の複数の支持突
起が金属板または金属箔に所定の配置で、且つ交互に両
面側に向け一体に突設されてなり、前記繊維状ニッケル
焼結体が、環状部が連続的または断続的に連なる形状に
形成されて、前記各環状部における少なくとも一部が前
記導電性芯材の表面に一体焼結されていることを特徴と
している。
【0010】この蓄電池用電極では、ペーストを電極基
板に塗着または充填するときに、導電性芯材における支
持突起が、自体に交絡する繊維状ニッケル焼結体に対し
あたかも支柱として機能して、ペーストの塗着または充
填圧力に抗して細い繊維状ニッケル焼結体をこれの環状
部が潰れないように支持するとともに、繊維状ニッケル
焼結体が自体の互いに交絡する箇所で相互に支持し合
う。そのため、この蓄電池用電極は、繊維状ニッケル焼
結体による導電経路が厚み方向に疎密なく均一な配置で
確保されて、あたかも三次元的な形態となり、導電骨格
密度を高く保って良好な導電性が得られる。一方、導電
性芯材は、その支持突起の貫通孔内にもペーストが充填
されるので、活物質との接触性が向上する。したがっ
て、この蓄電池用電極は、同一重量の三次元電極基板を
用いた蓄電池用電極に比較して高い導電骨格密度と表面
積とを有するものとなり、三次元電極基板を用いた電極
よりも優れた活物質の利用率と電池としての放電特性お
よび充放電繰り返し寿命の向上とを得ることが可能とな
る。
【0011】上記蓄電池用電極における繊維状ニッケル
焼結体は、微細な環状部が連続的に形作られてなる網状
部が導電性芯材の両面側にそれぞれ多層に積層された形
状を有して、前記導電性芯材に接する箇所が前記導電性
芯材に焼結により一体化され、且つ前記各網状部間の接
触箇所が互いに接続されている構成とすることができ
る。
【0012】これにより、上述した効果と同様の効果を
得られるのに加えて、繊維状ニッケル焼結体による導電
体の網目状ネットワーク化が可能となり、ペースト中の
活物質の利用率を一層高めることができる。
【0013】また、上記蓄電池用電極において、繊維状
ニッケル焼結体の太さが2μm〜40μmに設定すること
が好ましい。
【0014】これにより、繊維状ニッケル焼結体は、40
μm以下の太さに制限されていることにより、目付重量
の増大が抑制されてペーストの充填量を十分に確保でき
る。また繊維状ニッケル焼結体は、支持突起によって潰
れないように支持されることから、2μm程度にまで細
くすることが可能となり、重量の増大を抑制しながら環
状部の形成個数を増やすことが可能となる。そのため、
繊維状ニッケル焼結体による導電経路のネットワークを
内部全体に形成することができ、繊維状ニッケル焼結体
はその表面積の増大に伴ってペースト中の活物質に対す
る接触面積が大きくなる。したがって、繊維状ニッケル
焼結体は、環状部の間隙に充填された比較的多量のペー
ストを三次元的に保持しながち導電骨格として機能する
ので、ペースト中の活物質の利用率が格段に高められ
る。また、繊維状ニッケル焼結体は、活物質を三次元的
に包み込むよう機能するので、電池として機能したとき
の充放電時の結晶構造の膨潤を抑制する。
【0015】本発明の蓄電池用電極の製造方法は、活物
質を含むペーストを電極基板の両面側に塗着または充填
してなる蓄電池用電極の製造に際して、金属板または金
属箔に、貫通孔を有する筒状の複数の支持突起を所定の
配置で、且つ一面側および他面側に交互に突出するよう
形成して、導電性芯材を作製する第1の工程と、前記導
電性芯材に、ニッケル粉を含む接着剤を塗布する第2の
工程と、メルトブローによって樹脂繊維を環状部が連続
的または断続的に連なる形状に形成して、前記樹脂繊維
の一部を前記導電性芯材の表面に前記接着剤で付着させ
る第3の工程と、前記導電性芯材を、ニッケルカルボニ
ルガスを含有する雰囲気中において前記ニッケルカルボ
ニルガスが分解する温度まで加熱することにより、前記
導電性芯材および前記樹脂繊維の表面にそれぞれニッケ
ル層を形成する第4の工程と、前記樹脂繊維と接着剤と
を熱分解除去し、前記樹脂繊維を除去したのちのニッケ
ル層からなるニッケル繊維を前記導電性芯材に一体焼結
して、繊維状ニッケル焼結体を形成する第5の工程とを
有し、前記第1ないし第5の各工程を経ることによって
前記電極基板を製作することを特徴としている。
【0016】この蓄電池用電極の製造方法では、本来フ
ープとして製造される金属板または金属箔に、貫通孔を
有する支持突起を形成してなる導電性芯材を、一連の長
い工程に対して連続的に移送して長尺のフープ状電極基
板を製造できるので、本発明の蓄電池用電極を構成する
電極基板を高い生産性で再現性良く製造することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明
の第1の実施の形態に係る蓄電池用電極に用いる電極基
板を示す縦断面図である。この電極基板は、複数の環状
部8aが連続的に連なる形状に形成された細い繊維状ニ
ッケル焼結体8が、各環状部8aの各々の一部、つまり
導電性芯材3に接する部分を導電性芯材3の両側表面に
焼結によって一体化された構成になっている。導電性芯
材3は、金属板4に、貫通孔7aを有する筒状の支持突
起7が所定の配置で複数形成されてなり、支持突起7は
一面側および他面側に交互に突出するよう配設されてい
る。なお、導電性芯材3は、上記の金属板4に代えて、
金属箔に貫通孔を有する筒状の支持突起を上述と同様の
配置で一体形成した構成としてもよい。また、繊維状ニ
ッケル焼結体8は、2μm〜40μmの太さに設定されて
いる。
【0018】上記電極基板の両面には、2点鎖線で示す
ように、活物質を含むペースト10が塗着または充填さ
れ、それにより、本発明の第1の実施の形態の蓄電池用
電極9が構成される。このペースト10を電極基板に塗
着または充填するときには、導電性芯材3における金属
板4に対し直角に近い角度で起立している支持突起7
が、自体に交絡する細い繊維状ニッケル焼結体8に対し
あたかも支柱として機能して、ペースト10の塗着また
は充填圧力に抗して細い繊維状ニッケル焼結体8をこれ
の環状部8aが潰れないように支持するとともに、繊維
状ニッケル焼結体8が自体の互いに交絡する箇所で相互
に支持し合う。そのため、得られた蓄電池用電極9は、
繊維状ニッケル焼結体8による導電経路が厚み方向に疎
密なく均一な配置で確保されて、あたかも三次元的な形
態となり、導電骨格密度を高く保って良好な導電性が得
られる。
【0019】また、繊維状ニッケル焼結体8は、40μm
以下の太さに制限されていることにより、目付重量の増
大が抑制されてペースト10の充填量を十分に確保でき
る。また繊維状ニッケル焼結体8は、支持突起7によっ
て潰れないように支持されることから、2μm程度にま
で細くすることが可能となり、重量の増大を抑制しなが
ら環状部8aの形成個数を増やすことができる。したが
って、上記蓄電池用電極9は、繊維状ニッケル焼結体8
による導電経路のネットワークを内部全体に形成するこ
とができ、繊維状ニッケル焼結体8はその表面積の増大
に伴ってペースト10中の活物質に対する接触面積が大
きくなる。
【0020】そのため、環状部8aが連続した形状を有
する細い繊維状ニッケル焼結体8は、それらの間隙に充
填された比較的多量のペースト10を三次元的に保持し
ながら導電骨格として機能するので、ペースト10中の
活物質の利用率が格段に高められる。また、繊維状ニッ
ケル焼結体8は、活物質を三次元的に包み込むよう機能
するので、電池として機能したときの充放電時の結晶構
造の膨潤を抑制する。従来の二次元電極基板では、活物
質を包み込む導電材が存在しないことから、上記膨潤が
助長されていた。一方、導電性芯材3は、その支持突起
7の貫通孔7a内にもペースト10が充填されるので、
活物質との接触性が向上する。したがって、上記蓄電池
用電極9は、上述した特長を備えていることにより、同
一重量の三次元電極基板を用いた蓄電池用電極に比較し
て高い導電骨格密度と表面積とを有するものになり、三
次元電極基板よりも優れた活物質の利用率と電池として
の放電特性および充放電繰り返し寿命の向上とを得るこ
とが可能となる。
【0021】図2は、本発明の第2の実施の形態に係る
蓄電池用電極に用いる電極基板を示す縦断面図である。
この電極基板では、第1の実施の形態と同様の導電性芯
材3の両側表面に、網目形状に形成された繊維状ニッケ
ル焼結体8が焼結により一体化された構成になってい
る。すなわち、第1の実施の形態と相違する点は、繊維
状ニッケル焼結体8が、微細な環状部が連続的に形作ら
れてなる網状部8bが導電性芯材3の両面側にそれぞれ
3層に積層された形状とされて、導電性芯材3に接する
箇所が導電性芯材3に焼結により一体化され、且つ各網
状部8b間の接触箇所が互いに接続されている構成にあ
る。さらに、繊維状ニッケル焼結体8は、支持突起7の
貫通孔7a内にも網目状に形成されている。
【0022】したがって、上記電極基板の両面に2点鎖
線で示すようにペースト10を塗着または充填してなる
蓄電池用電極11は、第1の実施の形態の蓄電池用電極
9の上述した効果と同様の効果を得られるのに加えて、
繊維状ニッケル焼結体8による導電体の網目状ネットワ
ーク化が可能となり、ペースト10中の活物質の利用率
を一層高めることができる。この場合、長くて細い繊維
状ニッケル焼結体8は、自体同士の接触部分または支持
突起7との接触部分が、例えばスプレーガンにより塗布
した接着剤で接着されることにより、上述の導電体とし
てのネットワークがより確実に構成されるとともに、細
い繊維状ニッケル焼結体8が製造工程中において妄りに
動くのを防止して品質の安定化を図ることができる。
【0023】また、上記蓄電池用電極11では、繊維状
ニッケル焼結体8がペースト10の塗布または充填時に
十分な剛性を発揮して、細い繊維状ニッケル焼結体8の
局部的な潰れをも確実に防止することができるととも
に、活物質の保持力が一層向上し、且つ電気的なつなが
りによって放電特性が向上する。
【0024】図3は、第1の実施の形態の蓄電池用電極
9の外観を示す一部破断した斜視図であるが、第2の実
施の形態の蓄電池用電極11も同様の外観を呈したもの
となる。上記の各蓄電池用電極9,11では、導電性芯
材3における支持突起7が形成されていない端辺部にペ
ースト10を設けない無地部12を設けることができる
ので、この無地部12をそのまま電極端子に接続するた
めのリード板として活用することができ、リード板を別
途設ける場合に比較して、工程の削減に伴ってコストダ
ウンできるとともに、接続に伴う電池内部抵抗の増大を
避けることができる。特に、電極に全面的にリードを接
続する電池では、多大な効果を得ることができる。
【0025】図4は、第1の実施の形態の蓄電池用電極
9を用いて構成したニッケルカドミウム電池を示す一部
破断した斜視図であるが、第2の実施の形態の蓄電池用
電極11を用いた場合も同様の構成となる。電池缶13
の内部に収容された電極群14は、水酸化ニッケルを主
成分とする正極活物質が芯材に塗着されてなる正極側電
極17と、水素吸蔵合金粉を主成分とする負極活物質が
芯材に塗着されてなる負極側電極18とが、これらの間
にセパレータ19を介在して積層した状態で渦巻き状に
巻回されている。電池缶13には、上記電極群14が収
容されたのちに、電解液(図示せず)が注液され、その
開口部が、封口板21、安全弁22、絶縁ガスケット2
3および金属キャップ24を組み立ててなる封口体20
で密閉されている。
【0026】このニッケルカドミウム電池における正極
側電極17および負極側電極18は、導電性芯材3の両
側表面に繊維状ニッケル焼結体8を第1の実施の形態ま
たは第2の実施の形態と同様の形状に設けた三次元的形
状に形成されて高い導電骨格密度を有しているので、厚
み方向の導電性が向上し、特に、繊維状ニッケル焼結体
8と活物質との接触面積の増大によって活物質の利用率
が格段に向上して、大きな電流を取り出すことができる
とともに、放電電圧特性および充放電繰り返し寿命が一
層向上する。
【0027】つぎに、上記第1の実施の形態の蓄電池用
電極9を再現性良く量産することのできる製造方法につ
いて説明する。導電性芯材3としては、厚さ0.035 mm
の鋼板に、対辺間隔が1.0 mmの貫通孔7aを有する支
持突起7を、例えばエンボス加工により、所定の配置で
鋼板の一面側および他面側に交互に突出する形状に形成
したものを用いる。なお、貫通孔7aを有する筒状の支
持突起7は周知の他のバーリング加工によって形成して
もよい。また、支持突起7の形成に際しては、巻き取り
ロールなどに巻回されている帯状の鋼板を一定速度で連
続的に繰り出しながらバーリング加工機に送給すること
により行われる。
【0028】鋼板に支持突起7が所定の配置で形成され
た導電性芯材3の表面には、平均粒径が2μm前後のニ
ッケル粉とブチラール系結着剤を混練した接着剤が、6
μmの厚さに均一に塗布されて、接着剤層が形成され
る。なお、接着剤の塗布手段としては、周知のスプレー
方式、スキジー方式、ダイコート方式またはワイヤーバ
ー方式などの何れをも用いることができる。
【0029】つぎに、表面に接着剤層を形成された導電
性芯材3は、接着剤が乾かないうちにメルトブロー工程
に移送される。このメルトブロー工程では、例えば平均
線径が3μmの細いナイロン66が、環状部が一定間隔で
連続する形状にメルトブローされて、導電性芯材3上の
支持突起7の非形成箇所に堆積されていき、細い樹脂繊
維が形成される。この樹脂繊維における各環状部の間隔
は50〜500 μmに設定されるが、電池としたときの放電
性能の向上を図るためには、上記間隔を可及的に小さく
設定することが好ましい。上記樹脂繊維は、メルトブロ
ーされて導電性芯材3上に堆積される時点では溶融状態
であることから、交絡しながら接触する部分が互いに溶
着し、支持突起7を包含しながら三次元的なネットワー
クを構成する。なお、樹脂繊維としては、上記のナイロ
ン66に限らず、熱可塑性樹脂であれば、何れのものも使
用可能である。
【0030】続いて、導電性芯材3が乾燥工程に送られ
たときに、接着剤が乾燥されて、樹脂繊維における導電
性芯材3に接着剤を介在して接触している部分が導電性
芯材3に仮固定されて、導電性芯材3に樹脂繊維が25g
/m2 の密度で一体化されてなる不織布状シート材が作
製される。
【0031】上記不織布状シート材は、20°Cに維持さ
れた50%容量のニッケルカルボニルガスを含む一酸化炭
素ガス充填オートクレープ内に送られて、全表面にニッ
ケル蒸着される。このオートクレープには、赤外線透過
窓が構成されており、外部にある赤外線源からオートク
レープ内の不織布状シート材をニッケルカルボニルガス
が分解する温度にまで加熱されることなくニッケルカル
ボニルが不織布状シート材上に均一に付着される。つぎ
に、オートクレープ内の排気ガスを回収してドライアイ
スにより−80°Cで凝集凍結させたのちに、280 °Cで
再分解し、バーナーで焼結して完全にニッケルカルボニ
ルを除去することにより、ニッケル蒸着シートが作製さ
れる。
【0032】続いて、上記ニッケル蒸着シートは、表面
温度が600 °Cになるように調整された電気マッフル炉
内を通過されることにより、ニッケル蒸着シート中の繊
維および接着剤が熱分解除去される。これにより、樹脂
繊維が細い繊維状ニッケルとなる。さらに、ニッケル蒸
着シートは、表面温度が1000°Cになるように調整され
るとともに窒素ガス50%、水素ガス50%の雰囲気をもつ
電気マッフル炉内を通過されることにより、繊維状ニッ
ケルは、導電性芯材3上に一体焼結されて、繊維状ニッ
ケル焼結体8となり、第1の実施の形態の電極基板が得
られる。この電極基板における導電体の目付重量は500
g/m2 である。なお、第2の実施の形態の電極基板の
製造方法は、メルトブロー工程において形成する樹脂繊
維の形状が異なるのみで、他の工程は同様である。
【0033】この製造方法では、導電性芯材3として用
いる金属板または金属箔などが本来フープとして製造さ
れるものであるから、帯状の導電性芯材3を一連の長い
工程に対し連続的に移送して長尺のフープ状電極基板を
製作でき、これを個々の電極基板に切断してペースト1
0を塗着また充填することによって製造できるので、本
発明の電極基板を極めて高い生産性で再現性良く製造す
ることができる。これに対し三次元電極基板を製造する
場合には、網目状であることから、僅かな引っ張り力で
も伸びが生じてしまい、長い工程を連続的に搬送するこ
とが困難である。
【0034】なお、上記実施の形態の製造方法では、導
電性芯材3に、対辺間隔が1.0 mmの貫通孔7aを有す
る支持突起7を形成する場合について説明したが、貫通
孔7aは電池の使用特性に応じた寸法に適宜設定すれば
よい。また、上記実施の形態の製造方法では、鋼板に支
持突起7を形成した導電性芯材3に樹脂繊維を一体化さ
せる工程について説明したが、上記導電性芯材3にニッ
ケルめっきを予め施したのちに樹脂繊維を一体化させる
ようにすれば、焼結後の導電性芯材3と繊維状ニッケル
焼結体8との結合が一層強化される。
【0035】さらに、メルトブロー工程では、細い樹脂
繊維を交絡させながら互いの接触する箇所を相互に溶着
させるようにしたが、例えばスプレーガンにより接着剤
を塗布して樹脂繊維同士および樹脂繊維と支持突起7と
を互いに接着するようにすれば、導電体としてのネット
ワークがより確実に構成されるとともに、細い樹脂繊維
が後工程において妄りに動くのを防止して、品質の一層
の安定化を図ることができる。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明の蓄電池用電極によ
れば、ペーストを電極基板に塗着または充填するとき
に、細い繊維状ニッケル焼結体が、支持突起によって潰
れないように支持されるとともに、繊維状ニッケル焼結
体が自体の互いに交絡する箇所で相互に支持し合うの
で、繊維状ニッケル焼結体による導電経路が厚み方向に
疎密なく均一な配置で確保されて、あたかも三次元的な
形態となり、導電骨格密度を高く保って良好な導電性が
得られる。一方、導電性芯材は、その支持突起の貫通孔
内にもペーストが充填されるので、活物質との接触性が
向上する。したがって、この蓄電池用電極は、同一重量
の三次元電極基板を用いた蓄電池用電極に比較して高い
導電骨格密度と表面積とを有するものになり、三次元電
極基板を用いた電極よりも優れた活物質の利用率と電池
としての放電特性および充放電繰り返し寿命の向上とを
得ることが可能となる。
【0037】また、本発明の蓄電池用電極の製造方法に
よれば、本来フープとして製造される金属板または金属
箔に、貫通孔を有する支持突起を形成してなる導電性芯
材を、一連の長い工程に対して連続的に移送して長尺の
フープ状電極基板を製造できるので、本発明の蓄電池用
電極を構成する電極基板を高い生産性で再現性良く製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る蓄電池用電極
に用いる電極基板を示す縦断面図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る蓄電池用電極
に用いる電極基板を示す縦断面図。
【図3】同上の蓄電池用電極を用いて構成した電池を示
す一部破断した斜視図。
【図4】同上の蓄電池用電極を用いて構成した電池を示
す一部破断した斜視図。
【図5】従来の蓄電池用電極における電極基板を示す拡
大斜視図。
【符号の説明】
3 導電性芯材 4 金属板 7 支持突起 7a 貫通孔 8 繊維状ニッケル焼結体 8a 環状部 8b 網状部 9,11 蓄電池用電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武野 光弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H017 AA02 AS01 BB04 BB08 CC01 CC05 CC27 DD05 DD06 EE04 EE07 HH01 HH03 HH05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活物質を含むペーストを電極基板の両面
    側に塗着または充填してなる蓄電池用電極であって、 前記電極基板は、導電性芯材の両側表面に細い繊維状ニ
    ッケル焼結体が焼結により一体化されてなり、 前記導電性芯材は、貫通孔を有する筒状の複数の支持突
    起が金属板または金属箔に所定の配置で、且つ交互に両
    面側に向け一体に突設されてなり、 前記繊維状ニッケル焼結体は、環状部が連続的または断
    続的に連なる形状に形成されて、前記各環状部における
    少なくとも一部が前記導電性芯材の表面に一体焼結され
    ていることを特徴とする蓄電池用電極。
  2. 【請求項2】 繊維状ニッケル焼結体は、微細な環状部
    が連続的に形作られてなる網状部が導電性芯材の両面側
    にそれぞれ多層に積層された形状を有して、前記導電性
    芯材に接する箇所が前記導電性芯材に焼結により一体化
    され、且つ前記各網状部間の接触箇所が互いに接続され
    ている請求項1に記載の蓄電池用電極。
  3. 【請求項3】 繊維状ニッケル焼結体の太さが2μm〜
    40μmである請求項1または2に記載の蓄電池用電極。
  4. 【請求項4】 活物質を含むペーストを電極基板の両面
    側に塗着または充填してなる蓄電池用電極の製造方法で
    あって、 金属板または金属箔に、貫通孔を有する筒状の複数の支
    持突起を所定の配置で、且つ一面側および他面側に交互
    に突出するよう形成して、導電性芯材を作製する第1の
    工程と、 前記導電性芯材に、ニッケル粉を含む接着剤を塗布する
    第2の工程と、 メルトブローによって樹脂繊維を環状部が連続的または
    断続的に連なる形状に形成して、前記樹脂繊維の一部を
    前記導電性芯材の表面に前記接着剤で付着させる第3の
    工程と、 前記導電性芯材を、ニッケルカルボニルガスを含有する
    雰囲気中において前記ニッケルカルボニルガスが分解す
    る温度まで加熱することにより、前記導電性芯材および
    前記樹脂繊維の表面にそれぞれニッケル層を形成する第
    4の工程と、 前記樹脂繊維と接着剤とを熱分解除去し、前記樹脂繊維
    を除去したのちのニッケル層からなるニッケル繊維を前
    記導電性芯材に一体焼結して、繊維状ニッケル焼結体を
    形成する第5の工程とを有し、 前記第1ないし第5の各工程を経ることによって前記電
    極基板を製作することを特徴とする蓄電池用電極の製造
    方法。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH06181063A (ja) * 1992-12-14 1994-06-28 Yuasa Corp 水素吸蔵合金電極
JPH10334902A (ja) * 1997-05-30 1998-12-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルカリ蓄電池とその電極の製造法

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