JPH10302802A - 蓄電池用電極およびその製造方法 - Google Patents

蓄電池用電極およびその製造方法

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JPH10302802A
JPH10302802A JP9109722A JP10972297A JPH10302802A JP H10302802 A JPH10302802 A JP H10302802A JP 9109722 A JP9109722 A JP 9109722A JP 10972297 A JP10972297 A JP 10972297A JP H10302802 A JPH10302802 A JP H10302802A
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Japan
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conductive core
nickel
electrode
nickel sintered
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JP9109722A
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Takahiro Nishimura
卓寛 西村
Katsuhiro Okamoto
克博 岡本
Hiroki Takeshima
宏樹 竹島
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活物質と導電性芯材との導電経路を確保して
導電性を向上させることができ、活物質の利用率や電池
としての放電電圧特性および充放電繰り返し寿命を向上
させることのできる蓄電池用電極板およびその製造方法
を提供する。 【解決手段】電極基板1を、導電性芯材2の表面にそれ
と一体焼結されたニッケル焼結膜3を筋状または点描状
に設けるとともに、ニッケル焼結膜3の各間に繊維状ニ
ッケル焼結体4を設けた構成とする。この電極基板1に
活物質を含むペースト8を塗着または充填して蓄電池用
電極7を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蓄電池用電極に関
し、特にペースト式電池用電極とその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】各種機器の電源として広く使われている
電池として、鉛蓄電池、アルカリ蓄電池があり、それに
最近ではリチウム二次電池が用いられている。これらの
電池は、小型のものは各種ポータブル機器用の、大型の
ものは産業用の電源として使われている。これらの電池
の電極としては、鉛蓄電池では酸化鉛極と鉛極、アルカ
リ蓄電池では正極にニッケル極、負極にカドミウム極、
水素吸蔵合金極、リチウム二次電池ではリチウム金属
極、金属酸化物極、黒鉛極などがある。
【0003】このような電極の製造方法としては、電極
の芯材にニッケル粉末を混練したペーストを塗布し、こ
れを焼結して作製した基板に活物質を含浸させる焼結式
や、パンチングメタルなどの二次元構造の導電性多孔体
や発泡メタルなどの三次元構造の導電性多孔体からなる
芯材に活物質を直接充填または塗着するペースト式があ
る。このようなペースト式の最も大きな特徴は、焼結式
と比較して製法が簡単であることから低価格で電極が得
られるということである。
【0004】このペースト式電極において、芯材として
パンチングメタルなどの二次元構造の導電性多孔体を用
いた場合には、大電流を取り出すことができるという特
徴があるが、その反面で導電性向上が非常に重要な課題
である。すなわち、発泡メタルのような三次元構造でな
く、パンチングメタルのような二次元構造のものを用い
た場合、活物質と芯材との接触が不十分であり、内部抵
抗が大きくなってしまう。そこで、導電性向上のための
添加剤としてペースト中に黒鉛粉末、ニッケル粉末や、
これらの繊維などを混合することが試みられているが、
焼結式や発泡メタル式のような三次元構造の基板に比べ
ると活物質の利用率、電池としての放電電圧特性および
充放電繰り返し寿命などの点で劣っており、広く普及す
るに至っていないのが現状である。
【0005】一方、三次元構造の発泡メタルであるニッ
ケル発泡体は、近年ニッケル−カドミウム蓄電池、ニッ
ケル−水素蓄電池などの正極活物質保持体兼集電子とし
て、電池の高容量化に伴い大量に活用され始めてきてい
る。以下、従来のニッケル発泡体の製造方法について説
明する。図6は従来のニッケル発泡体の基本的な製造工
程図を示すものである。図6において、(a)は発泡樹
脂柱の成形工程、(b)は薄膜形成工程、(c)は導電
体塗布工程、(d)はこれにめっきを施すめっき工程、
(e)は薄膜分を除去する焼成工程、(f)は酸化物除
去工程である。
【0006】以上のようなニッケル発泡体の製造法につ
いて、以下に説明する。
【0007】まず、発泡樹脂柱の成形工程(a)におい
ては、ウレタン系の樹脂を樹脂混練部31で混練し、円
筒容器32内で発泡させ、ウレタン発泡柱33を成形す
る。
【0008】つぎに、薄膜形成工程(b)において、ウ
レタン発泡柱33を帯状の回転カッター34で切断して
必要な厚みの薄膜とし、薄膜コイル35として巻き取
る。続いて、導電体塗布工程(c)において、つぎのめ
っき工程(d)の準備としてウレタン薄膜に塗布部36
でカーボン溶液を塗布し、乾燥部37を通過させた後
に、カーボン薄膜コイル38として巻き取る。このカー
ボン塗布の目的は電気めっきする際の導電性を確保する
ためである。
【0009】つぎに、めっき工程(d)において、カー
ボン薄膜コイル38をニッケルイオン溶液39中に浸漬
し、電気めっき部40にてめっきを行う。続いて、洗浄
・乾燥部41にて洗浄および乾燥を行い、めっきコイル
42として巻き取る。つぎに、焼成・焼結工程(e)に
おいて、めっきコイル42内のウレタンおよびカーボン
を焼成炉43で熱分解除去し、さらに、焼結部におい
て、焼成部に連続して焼結炉44で残留めっき品を電気
結合から金属の分子結合に変換し、ニッケル発泡体シー
トコイル45として巻き取る。最後に、酸化物除去工程
(f)において、ニッケル発泡体シートコイル45の表
面に付着している酸化物や残留物を処理槽46で洗い流
し、図7に模式的な部分断面図を示すニッケル発泡体4
7を得る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ニッケル発泡体47を電極基板とする電極を用いた電池
は、活物質の単位体積当たりの充填量を大きくする目的
で図7の孔48を大きくすると、孔48の中央部の活物
質が繊維状の金属ニッケル49に直接的に接触しないこ
とから充放電に活用されないので、活物質の利用率の低
下を招いて電池の単位体積当たりの放電特性の向上を図
れない。逆に、孔48を小さくしながら空孔率を高める
形状とすれば、活物質の充填量が小さくなるとともに電
気抵抗が増大し、十分な電流が流れなくなる。したがっ
て、このニッケル発泡体47を電極基板とする電極を用
いた電池は、大電流を流すことができない問題がある。
【0011】そこで、低コストで簡単に製造でき、電極
として用いた場合に活物質の利用率をより高めることが
可能な電極基板が研究されている。すなわち、図8に示
すように、この電極基板50は、パンチングメタルなど
の導電性芯材51の両側表面の全体に接着剤を塗布した
のちに、多数の樹脂繊維を植毛して接着剤により仮止め
し、さらに、ニッケルめっきを施して樹脂繊維および接
着剤の表面にニッケル層を形成し、続いて、樹脂繊維お
よび接着剤を熱分解除去して、繊維状ニッケル焼結体5
2を導電性芯材51上に形成した構成となっている。こ
の電極基板50は、図9に示すように、その両面に活物
質を含むペースト53を充填して電池用電極54とされ
る。この電極54は、繊維状ニッケル焼結体52の空間
内に多くのペースト53を三次元的に円滑に充填するこ
とができ、且つ多くの繊維状ニッケル焼結体52がペー
スト53中の活物質の個々の集電子として機能するの
で、活物質の利用度が上記ニッケル発泡体47に比較し
て格段に高くなり、大きな電流を必要となる用途に好適
なものとなる。
【0012】ところが、上記の電極基板50には、解決
すべき問題が残存している。すなわち、樹脂繊維を仮止
めするために導電性芯材51の全面にわたり塗布される
接着剤はニッケル層を形成したのちに熱分解除去される
ため、導電性芯材51と繊維状ニッケル焼結体52との
間には、その略全体にわたり接着剤が熱分解除去された
広い空隙部57が存在する。この空隙部57は、ペース
ト53を塗着・充填するときの圧延によって形状を潰さ
れ、それにより繊維状ニッケル焼結体52と導電性芯材
51との接触を図っている。しかし、このような電極5
4の製造方法では、種々の製造条件によって繊維状ニッ
ケル焼結体52と導電性芯材51との接触状態にばらつ
きが生じるとともに、その全体を完全に接触させること
が不可能であるから、接触面積が小さ過ぎて導電性が劣
る。また、繊維状ニッケル焼結体52が導電性芯材51
から剥離し易く、確実な導電性を確保できないために、
安定した導電性向上を図ることができない問題がある。
【0013】そこで、本発明は、活物質と導電性芯材と
の導電性を向上させることができ、活物質の利用率や電
池としての放電電圧特性および充放電繰り返し寿命を向
上させることのできる蓄電池用電極およびその製造方法
を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、電極基板に活物質を含むペーストを塗着
または充填してなる蓄電池用電極であって、前記電極基
板が、導電性芯材の表面にそれと一体焼結されたニッケ
ル焼結膜を筋状または点描状に設けるとともに、前記導
電性芯材における前記ニッケル焼結膜の各間に、繊維状
ニッケル焼結体を設けた構成となっている。
【0015】この電池用電極では、導電性芯材と繊維状
ニッケル焼結体との接触面積にばらつきが生じても、導
電性芯材に対し一体焼結されて強固に結合しているニッ
ケル焼結膜により導電経路を確実に確保しているので、
電極基板の厚さ方向の導電性が向上する。この導電性の
向上に加えて、活物質の個々の集電子として作用する繊
維状ニッケル焼結体4の空間に活物質を三次元的に充填
できるのに加えて、主集電子として作用する平面状のニ
ッケル焼結膜上に十分な活物質を充填することができ、
この活物質の殆どがニッケル焼結膜または繊維状ニッケ
ル焼結体に接触する結果、活物質の利用率が極めて高く
なり、大きな電流を取り出すことができる。したがっ
て、この電極は、活物質の利用率、電池としての放電電
圧特性および充放電繰り返し寿命が一層向上する。しか
も、繊維状ニッケル焼結体は、導電性芯材に強固に結合
したニッケル焼結膜に連結されていることにより、導電
性芯材から剥離することがない。
【0016】本発明の蓄電池用電極の製造方法は、導電
性芯材に接着剤を筋状に塗布する工程と、短繊維状の樹
脂繊維を前記導電性芯材における接着剤層の上面に植毛
する工程と、化学めっきまたは物理めっきにより前記導
電性芯材および前記樹脂繊維の表面にニッケル層を形成
した後に電気化学的にニッケルめっきを行う工程と、焼
成により前記樹脂繊維および前記接着剤を熱分解除去
し、ニッケルめっき層自体およびそれと前記導電性芯材
とを焼結する工程とを有しており、上記蓄電池用電極を
生産性良く製造することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本
発明の一実施の形態に係る蓄電池用電極に用いる電極基
板1を示す。
【0018】この電極基板1は、鉄製パンチングメタル
からなる導電性芯材2の両側表面に、筋状の複数のニッ
ケル焼結膜3が互いに平行な配置で導電性芯材2に一体
的に結合されているとともに、各ニッケル焼結膜3の間
に、多数の繊維状のニッケルが突起した形状の繊維状ニ
ッケル焼結体4が配設されている。図2は、上記の電極
基板1の両面に、活物質を含むペースト8を塗着または
充填して構成した本発明の蓄電池用電極7の縦断面図を
示す。
【0019】つぎに、この蓄電池用電極7の電極基板1
の製造工程を図3を参照して説明する。図3(a)は芯
入り不織布シート形成工程を示す。例えば、厚さが0.06
mm、孔径が2mm、開口率が52%の鉄製パンチングメ
タルからなる導電性芯材2の両面に、フェノール系接着
剤9を転写ロール10,11で互いに平行な複数の筋状
に塗布する。この接着剤9の筋は、幅が1〜5mm、間
隔が0.02〜2.5 mm、厚みが10〜500 μm程度になるよ
う形成するのが好ましい。この筋状の接着剤9の層上
に、例えばレーヨン繊維からなる短繊維状の樹脂繊維1
2を、導電性芯材2の両面に吹き付けて静電植毛し、そ
の表面にさらに接着剤9を噴霧ノズル13により噴霧状
に塗布することにより、樹脂繊維12を導電性芯材2に
確実に固定する。
【0020】さらに、樹脂繊維12を植毛した導電性芯
材2を硬化炉14に通し、接着剤9を硬化させて芯入り
不織布シート17として巻き取る。なお、接着剤9の塗
布および樹脂繊維12の植毛を図示のように2箇所に分
けずに1箇所に集中させて同時に行うことも可能であ
る。また、導電性芯材2としては、図示の鉄またはニッ
ケルめっき鉄などのパンチングメタルの他に、孔無しメ
タルシート、ワイヤネットシートまたはラスメタルなど
を、電池の必要性を満足するように適宜選択して用いる
ことができる。
【0021】図3(b)はニッケルめっき形成工程を示
す。芯入り不織布シート17を巻き戻しながら、無電解
めっき前処理槽18で物理めっき(無電解めっき)の前
処理を行い、無電解めっき槽19で導電性芯材2の両側
の表面、樹脂繊維12の表面および接着剤9の表面にそ
れぞれめっき層を形成させ、つぎの化学めっき(電解め
っき)での通電性を向上させる。続いて、電解めっき層
20で化学めっきを行い、ニッケルめっきシート21を
巻き取る。
【0022】図3(c)は焼成・還元工程を示す。ニッ
ケルめっきシート21を焼成炉22に通過させ、ニッケ
ルめっきシート21中の樹脂繊維12と接着剤9とを熱
分解によって除去した後に、ニッケルめっき層自体およ
びそれと導電性芯材2とを焼結して導電性芯材2に一体
に焼結されたニッケル焼結膜3および繊維状ニッケル焼
結体4とを形成し、続いて、このニッケルめっきシート
21を還元炉23を通過させ、焼成により酸化したニッ
ケルを還元し、図1に示した電極基板1を得る。繊維状
ニッケル焼結体4の目付重量は、300 〜800 g/m2
することが好ましく、この範囲以下では集電性および導
電性が低下し、これ以上では活物質の充填量が低下す
る。
【0023】このような工程を経て得られた図1の電極
基板1の両面に活物質を含むペースト8を塗着して構成
される図2の電極7は、ペースト8を塗着する際の圧延
によって形成される導電性芯材2と繊維状ニッケル焼結
体4との接触面積にばらつきが生じても、導電性芯材2
に対し分子間結合により強固に固着しているニッケル焼
結膜3により導電経路を確実に確保しているので、厚さ
方向の導電性が低下しない。また、個々の集電子として
作用する繊維状ニッケル焼結体4の空間に活物質を三次
元的に充填できるのに加えて、主集電子として作用する
平面状のニッケル焼結膜3上に十分な活物質を充填する
ことができ、この活物質の殆どがニッケル焼結膜3また
は繊維状ニッケル焼結体4に接触する結果、活物質の利
用率が極めて高くなり、大きな電流を取り出すことがで
きる。これにより、この電極7は、活物質の利用率、電
池としての放電電圧特性および充放電繰り返し寿命が一
層向上したものとなる。
【0024】また、繊維状ニッケル焼結体4は、導電性
芯材2に強固に結合したニッケル焼結膜3に連結されて
いることにより、導電性芯材2から剥離することがな
い。ニッケル焼結膜3の幅及び各ニッケル焼結膜3間の
ピッチは、繊維状ニッケル焼結体4と導電性芯材2との
結合強度を確保し、さらに導電性を確保するために、そ
れぞれ0.02〜2.5mm、1〜7mmの範囲が好ま
しい。さらに、導電性芯材2におけるニッケル焼結膜3
の形成箇所のパンチ孔15は、ニッケル焼結膜3の形成
時に塞がれないので、このパンチ孔15を通じてペース
ト8の保持力が高められるとともに、導電性芯材2の両
面間の電解液の浸透性が向上する。
【0025】なお、樹脂繊維12としては上記実施の形
態ではレーヨン繊維を用いているが、ウレタン、綿など
の熱分解時に溶融しないものであれば使用可能である。
また、樹脂繊維12としては、モノフィラメント(円筒
形状)を用いることも可能である。また、上記実施の形
態では、樹脂繊維12を導電性芯材2の両面に植毛した
例を示したが、電池の構成および特性のために選択的に
使用し得ることは言うまでもない。さらに、接着剤9を
転写ロール10,11で筋状に塗布する例を示したが、
点描状に塗布することもできる。要するに、接着剤9を
導電性芯材2の全面に塗布せずに、繊維状ニッケル焼結
体4の間にニッケル焼結膜3を介在させる構成とすれば
良い。さらに、工程を(a),(b),(c)に分けた
が、(a)〜(c)の3工程を連続化することも可能で
ある。但し、工程を連続化することによって生産性を向
上することができるメリットがあるが、長いスペースを
必要としたり、長い工程を管理する難しさのデメリット
もある。
【0026】つぎに、上記実施の形態で得られた電極基
板1を用いて電池を作製した実施例について説明する。
【0027】市販の水酸化ニッケル粉末92部、酸化コ
バルト(CoO)粉末8部を混合した後、これをカルボ
キシメチルセルロースの2重量%水溶液を用いてペース
ト8を作製した。このペースト8を上記実施の形態で得
られた電極基板1に加圧しつつ充填塗着し、90℃で1
時間乾燥した。得られた電極は加圧して0.7 〜0.8 mm
厚に調整した。このようにして得られたニッケル電極を
フッ素樹脂ディスパージョンの2重量%水溶液に浸漬
し、幅35mm、長さ110 mmに裁断し、リード線を所定
の位置にスポット溶接により取り付けた。この電極の容
量は約1500mAhとした。また、リード線をスポット溶
接するために、図4に示すように、電極基板1における
導電性芯材2の幅方向つまり長辺の片側全辺をペースト
8からなる活物質層30の無い無地部分24とした。
【0028】一方、負極は水素吸蔵合金とした。MmN
5 系合金の一つであるMmNi3. 55、Mn0.4 、Al
0.3 、Co0.75を粉砕して粒径53μm以下の合金粉末を
80℃、31%KOHアルカリ溶液中に1時間入れて、アル
カリ可溶分を取り除く合金の活性化処理を施した。この
試料に1.5 重量%CMC水溶液を加えてペースト8と
し、多孔度95%、厚さ1.0 mmの発泡ニッケル板に充填
し、加圧して電極7を作製し、5%のふっ素樹脂ディス
パージョンをコーティングした。この電極7を幅35mm
に裁断し、厚さ0.4 mmに調整し、負極板とした。
【0029】そして、図5に示すように、この負極板2
5と上記正極板26とを親水処理ポリプロピレン不織布
セパレータ27を介在して巻回し、4/5Aサイズの電
池ケース28に収納した。その後、比重1.30のKOH水
溶液に30g/1の水酸化リチウムを溶解した電解液を注
入し、ケース開口部を封口して密閉型ニッケル水素蓄電
池29を構成した。これにより、本実施例の4/5Aサ
イズの電池29を作製した。
【0030】また、比較例として、図8に示すように芯
材51の全表面に接着剤を塗布して作製した蓄電池用電
極基板50を用い、この電極基板50に活物質を含むペ
ーストを塗着し、加圧することによって作製したニッケ
ル極を用い、後は上記実施の形態と同様にして電池を作
製した。両電池について化成を行った後に、放電特性を
評価した。0.2 mAで6時間充電した後に、各種の放電
率で1.0 Vまで放電した結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】この結果から、実施例電池では比較例電池
に対して、利用率および放電電圧が向上している。
【0033】つぎに、両電池の各3セルについて、初期
容量の60%に達するまで、20℃で0.5 CmAで3時間充
電し、1CmAで0.9 Vまで放電するサイクル寿命試験
を行った結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】この結果から明らかなように、実施例電池
は、比較例電池に対して長寿命であった。これは、導電
性芯材2に一体的に密着結合しているニッケル焼結膜3
上に活物質が充填されているため、活物質と導電性芯材
2との密着性が向上しつつ、導電特性が高められた結果
である。
【0036】なお、本実施例では、負極に水素吸蔵合金
を用いた場合を示したが、本発明はペースト式電極(特
にニッケル極)の改良に関するものであり、負極にカド
ミウム極を用いても同様の効果を発揮し、その他、鉄極
や亜鉛極などを用いても同様の効果が得られることは言
うまでもない。
【0037】また、本発明の蓄電池用電極の製造方法
は、上記実施の形態に限らず、以下のような工程をも包
含する。すなわち、(a)樹脂繊維12を植毛した後の
導電性芯材2に、ニッケル粉末と結着剤とを混練したニ
ッケルペーストを塗着して乾燥させ、この導電性芯材2
を焼成して樹脂繊維12、接着剤および結着剤をそれぞ
れ熱分解除去し、ニッケル粉末間およびニッケル粉末と
導電性芯材2とを焼結する工程、(b)ニッケル粉末と
結着剤とを混練したものを樹脂繊維12に予め塗着し、
この樹脂繊維12を導電性芯材2に植毛し、この導電性
芯材2にさらにニッケル粉末と結着剤とを混練したニッ
ケルペーストを塗着して乾燥させ、この導電性芯材2を
焼成して樹脂繊維12、接着剤および結着剤をそれぞれ
熱分解除去し、ニッケル粉末間およびニッケル粉末と導
電性芯材2とを焼結する工程、(c)樹脂繊維12を植
毛した導電性芯材2をニッケルカルボニルガスを含有す
る雰囲気中においてニッケルカルボニルガスが分解する
温度まで加熱して、導電性芯材2および樹脂繊維12の
表面にニッケル層を形成したのちに、樹脂繊維12と接
着剤を熱分解除去する工程、(d)樹脂繊維12を植毛
した導電性芯材2に対し真空蒸着法、イオンプレーティ
ング法またはスパッタリング法により導電性芯材2およ
び樹脂繊維12の表面ニッケル層を形成し、樹脂繊維1
2と接着剤を熱分解除去する工程、(e)樹脂繊維12
を植毛した導電性芯材2に化学めっきを施して導電性芯
材2および樹脂繊維12の表面ニッケル層を形成し、樹
脂繊維12と接着剤を熱分解除去する工程などを含む。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明の電池用電極によれ
ば、導電性芯材に対し一体焼結されて強固に結合してい
るニッケル焼結膜により導電経路を確実に確保できるの
で、電極基板の厚み方向の導電性が向上するとともに、
活物質の個々の集電子として作用する繊維状ニッケル焼
結体の空間に活物質を三次元的に充填できるのに加え
て、平面状のニッケル焼結膜上に十分な活物質を充填す
ることができ、これら活物質の殆どがニッケル焼結膜ま
たは繊維状ニッケル焼結体に接触するので、活物質の利
用率が極めて高くなり、大きな電流を取り出すことがで
きる。したがって、活物質の利用率、電池としての放電
電圧特性および充放電繰り返し寿命が一層向上する。し
かも、繊維状ニッケル焼結体は、導電性芯材に強固に結
合したニッケル焼結膜に連結されていることにより、導
電性芯材から剥離することがない。
【0039】また、本発明の蓄電池用電極の製造方法に
よれば、導電性芯材に接着剤を筋状に塗布したのちに、
短繊維状の樹脂繊維を導電性芯材に植毛し、化学めっき
または物理めっきにより導電性芯材および樹脂繊維の表
面にニッケル層を形成した後に電気化学的にニッケルめ
っきを行い、焼成により樹脂繊維および接着剤を熱分解
除去して、ニッケルめっき層自体およびそれと導電性芯
材とを焼結するようにしたので、上記蓄電池用電極を生
産性良く製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る蓄電池用電極に用
いる電極基板の斜視図。
【図2】同上電極基板を用いて構成した本発明の一実施
の形態に係る蓄電池用電極を示すX−X’断面図。
【図3】(a)〜(c)は同上蓄電池用電極の一実施の
形態に係る製造方法を工程順に示す工程図。
【図4】同上実施の形態における電極の概略斜視図。
【図5】同上実施の形態の電極の適用対象の電池の部分
分解斜視図。
【図6】(a)〜(f)は従来の蓄電池用電極に用いる
電極基板の製造工程を順に示す工程図。
【図7】上記工程により製造された電極基板の部分拡大
断面図。
【図8】従来の蓄電池用電極に用いる他の電極基板を示
す斜視図。
【図9】同上電極基板を用いて構成した従来の蓄電池用
電極を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 電極基板 2 導電性芯材 3 ニッケル焼結膜 4 繊維状ニッケル焼結体 7 蓄電池用電極 8 ペースト 9 接着剤 12 樹脂繊維 18 無電解めっき前処理槽 19 無電解めっき槽 20 電解めっき槽 22 焼成炉

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極基板に活物質を含むペーストを塗着
    または充填してなる蓄電池用電極であって、 前記電極基板は、導電性芯材の表面にそれと一体焼結さ
    れたニッケル焼結膜を筋状に設けるとともに、前記導電
    性芯材における前記ニッケル焼結膜の各間に、繊維状ニ
    ッケル焼結体を設けた構成となっていることを特徴とす
    る蓄電池用電極。
  2. 【請求項2】 繊維状ニッケル焼結体の目付重量は300
    〜800 g/m2 である請求項1に記載の蓄電池用電極。
  3. 【請求項3】 繊維状ニッケル焼結体の幅は1〜5mm
    である請求項1に記載の蓄電池用電極。
  4. 【請求項4】 ニッケル焼結膜の厚みは0.002〜
    0.03mmである請求項1に記載の蓄電池用電極。
  5. 【請求項5】 ニッケル焼結膜の幅は0.02〜2.5
    mmでニッケル焼結膜間のピッチは1〜7mmである請
    求項1に記載の蓄電池用電極。
  6. 【請求項6】 電極基板に活物質を含むペーストを塗着
    または充填してなる蓄電池用電極であって、 前記電極基板は、導電性芯材の表面にそれと一体焼結さ
    れたニッケル焼結膜を点描状に設けるとともに、前記導
    電性芯材における前記ニッケル焼結膜の各間に、繊維状
    ニッケル焼結体を設けた構成となっていることを特徴と
    する蓄電池用電極。
  7. 【請求項7】 導電性芯材に接着剤を筋状に塗布する工
    程と、 短繊維状の樹脂繊維を前記導電性芯材における接着剤層
    の上面に植毛する工程と、 化学めっきまたは物理めっきにより前記導電性芯材およ
    び前記樹脂繊維の表面にニッケル層を形成した後に電気
    化学的にニッケルめっきを行う工程と、 焼成により前記樹脂繊維および前記接着剤を熱分解除去
    し、ニッケルめっき層自体およびそれと前記導電性芯材
    とを焼結する工程とを有することを特徴とする蓄電池用
    電極の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000173658A (ja) * 1998-12-02 2000-06-23 Nitto Denko Corp 電池用接着剤又は粘着剤もしくは粘着テープ・シート
WO2019207934A1 (ja) * 2018-04-25 2019-10-31 パナソニックIpマネジメント株式会社 正極及び二次電池

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