JPH10162835A - アルカリ蓄電池用電極及びその製造法 - Google Patents
アルカリ蓄電池用電極及びその製造法Info
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- JPH10162835A JPH10162835A JP8317346A JP31734696A JPH10162835A JP H10162835 A JPH10162835 A JP H10162835A JP 8317346 A JP8317346 A JP 8317346A JP 31734696 A JP31734696 A JP 31734696A JP H10162835 A JPH10162835 A JP H10162835A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
- Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ペ−スト式電極に用いられる活物質保持基板
を改良して、発泡メタルを基板に用いたペ−スト式電極
と同等の電池容量をもち、かつ大電流での充放電特性に
優れたアルカリ蓄電池用電極を提供する。 【解決手段】 短軸方向の長さが5〜70μm,長軸方
向の長さが1〜5mm,焼結後の比表面積10〜50m
2 /gのニッケル柱状体1が多数、パンチングメタルな
どの導電性芯材2の表面に植毛された基板を用いた。
を改良して、発泡メタルを基板に用いたペ−スト式電極
と同等の電池容量をもち、かつ大電流での充放電特性に
優れたアルカリ蓄電池用電極を提供する。 【解決手段】 短軸方向の長さが5〜70μm,長軸方
向の長さが1〜5mm,焼結後の比表面積10〜50m
2 /gのニッケル柱状体1が多数、パンチングメタルな
どの導電性芯材2の表面に植毛された基板を用いた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルカリ蓄電池用電
極、特にペースト式電極とその製造法に関するものであ
る。
極、特にペースト式電極とその製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】アルカリ蓄電池はその利用機器である通
信機、パーソナルコンピュータなどの携帯化が進むにつ
れて市場規模を拡大してきた。これらの分野においては
最近では軽量、高容量な電池への需要が急激に伸びてい
る。また電動工具など大電流での充放電が必要な用途に
おいても、アルカリ蓄電池の需要は伸びてきている。
信機、パーソナルコンピュータなどの携帯化が進むにつ
れて市場規模を拡大してきた。これらの分野においては
最近では軽量、高容量な電池への需要が急激に伸びてい
る。また電動工具など大電流での充放電が必要な用途に
おいても、アルカリ蓄電池の需要は伸びてきている。
【0003】アルカリ蓄電池用電極の製造法は大別し
て、パンチングメタルなどの導電性芯材にカルボニルニ
ッケル粉末と増粘剤とを混練したペーストを塗着し、こ
れを焼結した基板に活物質を含浸することによって得ら
れる焼結式と、発泡メタル、ニッケル不織布などの金属
多孔体あるいはパンチングメタル、エキスパンドメタル
などの導電性芯材に活物質を含むペーストを充填または
塗着して得られるペースト式とがある。
て、パンチングメタルなどの導電性芯材にカルボニルニ
ッケル粉末と増粘剤とを混練したペーストを塗着し、こ
れを焼結した基板に活物質を含浸することによって得ら
れる焼結式と、発泡メタル、ニッケル不織布などの金属
多孔体あるいはパンチングメタル、エキスパンドメタル
などの導電性芯材に活物質を含むペーストを充填または
塗着して得られるペースト式とがある。
【0004】ペースト式は焼結式に比べて大電流特性が
劣るといわれているが、容量密度が高いこと、製造法が
簡易であるため電極の製造コストの低下が期待できるこ
とが、その長所として挙げられる。
劣るといわれているが、容量密度が高いこと、製造法が
簡易であるため電極の製造コストの低下が期待できるこ
とが、その長所として挙げられる。
【0005】先に公開された特開昭61−293618
号公報には、ステンレス鋼網に繊維状ニッケルを植毛し
た後、これを圧延し、ついで焼結した極板が提案されて
いる。これは、焼結されたニッケル板の亀裂発生や、板
厚の制御が困難になるという焼結式に特有な問題を解決
しようとするものである。
号公報には、ステンレス鋼網に繊維状ニッケルを植毛し
た後、これを圧延し、ついで焼結した極板が提案されて
いる。これは、焼結されたニッケル板の亀裂発生や、板
厚の制御が困難になるという焼結式に特有な問題を解決
しようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ペースト式電極におけ
る活物質保持基板として、活物質の導電性が低いニッケ
ル極では発泡メタル、ニッケル不織布などの金属多孔体
が使用されている。これらの基板は、基板の厚さ中央部
分に導電性芯材が通っている焼結式基板と比べて、活物
質から電極端子までの集電経路が長いため大電流での充
放電特性が劣る。また発泡メタルのような金属多孔体は
高価であり、電極の製造コストに対して大きな割合を占
めている。一方、活物質の導電性が比較的高いカドミウ
ム極、水素吸蔵合金極では活物質保持基板としてパンチ
ングメタルなどの二次元の導電性芯材を使用し、さらに
導電性を補うためにカーボン粉末あるいはその繊維など
を加えた電極が普及している。しかし、このような構造
では大電流で充放電する場合に集電能力が不足してしま
う。
る活物質保持基板として、活物質の導電性が低いニッケ
ル極では発泡メタル、ニッケル不織布などの金属多孔体
が使用されている。これらの基板は、基板の厚さ中央部
分に導電性芯材が通っている焼結式基板と比べて、活物
質から電極端子までの集電経路が長いため大電流での充
放電特性が劣る。また発泡メタルのような金属多孔体は
高価であり、電極の製造コストに対して大きな割合を占
めている。一方、活物質の導電性が比較的高いカドミウ
ム極、水素吸蔵合金極では活物質保持基板としてパンチ
ングメタルなどの二次元の導電性芯材を使用し、さらに
導電性を補うためにカーボン粉末あるいはその繊維など
を加えた電極が普及している。しかし、このような構造
では大電流で充放電する場合に集電能力が不足してしま
う。
【0007】焼結式電極は大電流での電池特性はペース
ト式より優れているが、ペースト式で用いられている基
板と比べて空孔率が低く、多孔体を十分に厚くすること
が困難であるため単位体積当たりの電池容量はペースト
式より低い。さらに焼結式基板の空孔径はペースト式の
それよりも小さいため、活物質をペースト状態で充填す
ることができず、必要量の活物質を充填するために、溶
液の含浸を数回繰り返す必要があるなど製法が繁雑であ
るという課題もある。
ト式より優れているが、ペースト式で用いられている基
板と比べて空孔率が低く、多孔体を十分に厚くすること
が困難であるため単位体積当たりの電池容量はペースト
式より低い。さらに焼結式基板の空孔径はペースト式の
それよりも小さいため、活物質をペースト状態で充填す
ることができず、必要量の活物質を充填するために、溶
液の含浸を数回繰り返す必要があるなど製法が繁雑であ
るという課題もある。
【0008】本発明は、このような課題を解決するもの
で、アルカリ蓄電池用電極において従来のペースト式電
極と同等の電池容量を維持すると同時に、集電性を改善
して大電流での充放電特性を向上させることを目的とす
る。
で、アルカリ蓄電池用電極において従来のペースト式電
極と同等の電池容量を維持すると同時に、集電性を改善
して大電流での充放電特性を向上させることを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では短軸方向の長さが5〜70μm,長軸方
向の長さが1〜5mm,焼結後の比表面積が10〜50
m2 /gの多数のニッケル柱状体が、導電性芯材表面に
植毛状態に一体化されている基板を用いたアルカリ蓄電
池用電極を提供するものである。
に、本発明では短軸方向の長さが5〜70μm,長軸方
向の長さが1〜5mm,焼結後の比表面積が10〜50
m2 /gの多数のニッケル柱状体が、導電性芯材表面に
植毛状態に一体化されている基板を用いたアルカリ蓄電
池用電極を提供するものである。
【0010】また、この活物質保持基板の製造法は、パ
ンチングメタルなどの導電性芯材の表面に接着剤を塗布
する工程と、ニッケル柱状体をこの導電性芯材表面に静
電植毛する工程と、大気中で焼成して前記接着剤、ニッ
ケル柱状体に含まれる非水溶性合成樹脂を離脱させた
後、非酸化、還元雰囲気中でニッケル粉末を焼結する工
程を備えるものである。このニッケル柱状体の原料は金
属ニッケル、酸化ニッケル、水酸化ニッケルからなる群
のうちの少なくとも一種類の粉末である。酸化ニッケル
粉末、水酸化ニッケル粉末は金属ニッケル粉末より粒径
の細かいものが容易に得られるため、金属ニッケルのみ
を使用したときよりも直径の細いニッケル柱状体を作製
することができる。また粒径が細かいほうが焼結が促進
されるため、焼結後のニッケル柱状体の機械的強度が向
上する。
ンチングメタルなどの導電性芯材の表面に接着剤を塗布
する工程と、ニッケル柱状体をこの導電性芯材表面に静
電植毛する工程と、大気中で焼成して前記接着剤、ニッ
ケル柱状体に含まれる非水溶性合成樹脂を離脱させた
後、非酸化、還元雰囲気中でニッケル粉末を焼結する工
程を備えるものである。このニッケル柱状体の原料は金
属ニッケル、酸化ニッケル、水酸化ニッケルからなる群
のうちの少なくとも一種類の粉末である。酸化ニッケル
粉末、水酸化ニッケル粉末は金属ニッケル粉末より粒径
の細かいものが容易に得られるため、金属ニッケルのみ
を使用したときよりも直径の細いニッケル柱状体を作製
することができる。また粒径が細かいほうが焼結が促進
されるため、焼結後のニッケル柱状体の機械的強度が向
上する。
【0011】なお、導電性芯材表面に塗布する接着剤に
は金属ニッケル、酸化ニッケル、水酸化ニッケルからな
る群のうちの少なくとも一種類の粉末が混練されている
と、焼結時にさらにニッケル柱状体と導電性芯材との密
着性が向上する。
は金属ニッケル、酸化ニッケル、水酸化ニッケルからな
る群のうちの少なくとも一種類の粉末が混練されている
と、焼結時にさらにニッケル柱状体と導電性芯材との密
着性が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、アルカ
リ蓄電池用電極について規定したものであり、短軸方向
の長さが5〜70μm,長軸方向の長さが1〜5mm,
焼結後の比表面積が10〜50m2 /gの多数のニッケ
ル柱状体が、導電性芯材表面に植毛、好ましくは、ほぼ
等間隔に植毛されている基板に、活物質が保持されてい
るものである。
リ蓄電池用電極について規定したものであり、短軸方向
の長さが5〜70μm,長軸方向の長さが1〜5mm,
焼結後の比表面積が10〜50m2 /gの多数のニッケ
ル柱状体が、導電性芯材表面に植毛、好ましくは、ほぼ
等間隔に植毛されている基板に、活物質が保持されてい
るものである。
【0013】また、請求項3に記載の発明はその製造法
について規定したものである。ニッケル柱状体は静電気
を利用した静電植毛技術によって、パンチングメタルな
どの導電性芯材表面に、ほぼ等間隔をおいて直立した植
毛構造になる。その間隔は柱状体の長さ、直径によって
規定され、長さが短くなるほど、直径が細くなるほど狭
くなる。この間隔が狭くなるにともない活物質から基板
までの平均距離が短かくなるため、集電性は向上する。
について規定したものである。ニッケル柱状体は静電気
を利用した静電植毛技術によって、パンチングメタルな
どの導電性芯材表面に、ほぼ等間隔をおいて直立した植
毛構造になる。その間隔は柱状体の長さ、直径によって
規定され、長さが短くなるほど、直径が細くなるほど狭
くなる。この間隔が狭くなるにともない活物質から基板
までの平均距離が短かくなるため、集電性は向上する。
【0014】また、ニッケル柱状体自体も粉末を焼結し
た比表面積が10〜50m2 /gの多孔体であり、従来
使用されている発泡メタルなどの電気メッキによって作
製される金属多孔体と比較して比表面積が大きいため、
活物質との接触面積が大きくなり集電性が改善される。
た比表面積が10〜50m2 /gの多孔体であり、従来
使用されている発泡メタルなどの電気メッキによって作
製される金属多孔体と比較して比表面積が大きいため、
活物質との接触面積が大きくなり集電性が改善される。
【0015】また本発明で規定した範囲の形状を持つニ
ッケル柱状体を静電植毛した場合の間隔は、活物質を含
むペーストを充填あるいは塗着するのに十分な距離であ
る。加えて基板の厚みの中央部分に導電性芯材が配され
ているために極板としての物理的強度が向上し、従来の
ペースト式ニッケル電極を作製するときよりも極板を強
く加圧、圧縮して電極内の空間を減少させることも可能
であり、ペースト式電極と同等以上の単位体積当たりの
容量密度が得られる。
ッケル柱状体を静電植毛した場合の間隔は、活物質を含
むペーストを充填あるいは塗着するのに十分な距離であ
る。加えて基板の厚みの中央部分に導電性芯材が配され
ているために極板としての物理的強度が向上し、従来の
ペースト式ニッケル電極を作製するときよりも極板を強
く加圧、圧縮して電極内の空間を減少させることも可能
であり、ペースト式電極と同等以上の単位体積当たりの
容量密度が得られる。
【0016】なお導電性芯材表面に塗布する接着剤に金
属ニッケル、酸化ニッケル、水酸化ニッケルのうちの少
なくとも一種類の粉末を混練した場合は、接着剤を離脱
させた後にできる空間が小さくなり、ニッケル柱状体と
導電性芯材との接合面積が大きくなるため、さらに基板
としての強度、集電性を向上できる。
属ニッケル、酸化ニッケル、水酸化ニッケルのうちの少
なくとも一種類の粉末を混練した場合は、接着剤を離脱
させた後にできる空間が小さくなり、ニッケル柱状体と
導電性芯材との接合面積が大きくなるため、さらに基板
としての強度、集電性を向上できる。
【0017】
(実施例1)厚さ60μm、孔径2mm、開孔率52%
のニッケルメッキした鉄製パンチングメタルの両面にフ
ェノール系接着剤をスプレー塗布する。一方ニッケル柱
状体を少しずつふるいからふり落としながら帯電フード
で帯電させ、これを先の接着剤を塗布したパンチングメ
タル側をアースにしてその表面に静電的に植毛した。
のニッケルメッキした鉄製パンチングメタルの両面にフ
ェノール系接着剤をスプレー塗布する。一方ニッケル柱
状体を少しずつふるいからふり落としながら帯電フード
で帯電させ、これを先の接着剤を塗布したパンチングメ
タル側をアースにしてその表面に静電的に植毛した。
【0018】このニッケル柱状体は以下の方法によって
作製した。まずポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルムに短軸方向に30μm、長軸方向に2mmで深
さ30μmの溝を入れたベース体に、離型剤として2w
t%ポリビニルアセタール樹脂水溶液を塗布し、乾燥す
る。次に平均粒径2.5μmのカルボニルニッケル粉末
70部とフェノール樹脂30部とを混練したペーストを
このベース体に塗布し、120℃で乾燥して樹脂を硬化
させる。そしてペーストを塗布したベース体を水洗して
離型剤であるポリビニルアセタール樹脂を溶かし出し、
ベース体からニッケル柱状体を剥離させた。
作製した。まずポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルムに短軸方向に30μm、長軸方向に2mmで深
さ30μmの溝を入れたベース体に、離型剤として2w
t%ポリビニルアセタール樹脂水溶液を塗布し、乾燥す
る。次に平均粒径2.5μmのカルボニルニッケル粉末
70部とフェノール樹脂30部とを混練したペーストを
このベース体に塗布し、120℃で乾燥して樹脂を硬化
させる。そしてペーストを塗布したベース体を水洗して
離型剤であるポリビニルアセタール樹脂を溶かし出し、
ベース体からニッケル柱状体を剥離させた。
【0019】植毛した芯材を大気中において700℃で
焼成し、導電性芯材とニッケル柱状体との界面の接着剤
とニッケル柱状体中の樹脂とを脱離させた後、窒素−水
素気流中において1000℃で焼結し、本発明の基板a
を作製した。図1は基板aの拡大概略図である。図中1
はニッケル柱状体であり、2はニッケルメッキした鉄製
のパンチングメタルである。この基板aの比表面積は約
25m2 /gであり、重量は約600g/m2 である。
焼成し、導電性芯材とニッケル柱状体との界面の接着剤
とニッケル柱状体中の樹脂とを脱離させた後、窒素−水
素気流中において1000℃で焼結し、本発明の基板a
を作製した。図1は基板aの拡大概略図である。図中1
はニッケル柱状体であり、2はニッケルメッキした鉄製
のパンチングメタルである。この基板aの比表面積は約
25m2 /gであり、重量は約600g/m2 である。
【0020】次に市販の水酸化ニッケル90部と水酸化
コバルト10部にペースト中の水分率が30%となる量
の水を加えて混練したペーストを基板aに充填し、90
℃で30分間乾燥した後、加圧して厚さ0.7mmに調
整した。このようにして得られたニッケル電極を幅35
mm、長さ110mmに裁断した。このニッケル電極の
容量は約1600mAhである。その後、ニッケルリー
ド板を電極端縁の無地部の長手方向中央の位置にスポッ
ト溶接してニッケル極3とした。
コバルト10部にペースト中の水分率が30%となる量
の水を加えて混練したペーストを基板aに充填し、90
℃で30分間乾燥した後、加圧して厚さ0.7mmに調
整した。このようにして得られたニッケル電極を幅35
mm、長さ110mmに裁断した。このニッケル電極の
容量は約1600mAhである。その後、ニッケルリー
ド板を電極端縁の無地部の長手方向中央の位置にスポッ
ト溶接してニッケル極3とした。
【0021】負極には水素吸蔵合金極を用いた。次のよ
うなMmNi3.55Mn0.4 Al0.3Co0.75という組成
の水素吸蔵合金を粉砕して、50μm以下の粉末を用意
し、これを80℃の31%KOH水溶液中に1時間入れ
て、合金表面の酸化被膜を取り除く活性化処理を行っ
た。この粉末に1.5wt%カルボキシメチルセルロー
ス水溶液を加えたペーストを発泡状ニッケル板に充填
し、90℃で30分間乾燥した後、加圧して厚さ0.4
mmに調整した。その後5%のフッ素樹脂ディスパージ
ョンでコーティングし、乾燥した後、幅35mm、長さ
145mmに裁断して水素吸蔵合金極4とした。
うなMmNi3.55Mn0.4 Al0.3Co0.75という組成
の水素吸蔵合金を粉砕して、50μm以下の粉末を用意
し、これを80℃の31%KOH水溶液中に1時間入れ
て、合金表面の酸化被膜を取り除く活性化処理を行っ
た。この粉末に1.5wt%カルボキシメチルセルロー
ス水溶液を加えたペーストを発泡状ニッケル板に充填
し、90℃で30分間乾燥した後、加圧して厚さ0.4
mmに調整した。その後5%のフッ素樹脂ディスパージ
ョンでコーティングし、乾燥した後、幅35mm、長さ
145mmに裁断して水素吸蔵合金極4とした。
【0022】このニッケル電極と水素吸蔵合金電極との
間にスルホン化ポリプロピレン不織布セパレータ5を介
在させて捲回し、4/5Aサイズの電池ケース6に収納
した。その後、比重1.30の水酸化カリウム水溶液に
30g/lの水酸化リチウムを溶解した電解液を所定量
注入し、正極端子を固定した封口板7でケース開口部を
封口して図2に示すような密閉形ニッケル−水素蓄電池
を構成した。このようにして本発明の電池Aを作製し
た。
間にスルホン化ポリプロピレン不織布セパレータ5を介
在させて捲回し、4/5Aサイズの電池ケース6に収納
した。その後、比重1.30の水酸化カリウム水溶液に
30g/lの水酸化リチウムを溶解した電解液を所定量
注入し、正極端子を固定した封口板7でケース開口部を
封口して図2に示すような密閉形ニッケル−水素蓄電池
を構成した。このようにして本発明の電池Aを作製し
た。
【0023】(実施例2)厚さ60μm、孔径2mm、
開孔率52%のニッケルメッキした鉄製パンチングメタ
ルの両面に、フェノール系接着剤70部と平均粒径0.
1μmの酸化ニッケル粉末30部を混練した接着剤をス
プレー塗布し、長さ2mm、直径50μmのニッケル柱
状体を静電植毛した。以下実施例1と同様な方法により
基板bを作製した。基板bの重量は約650g/m2 で
ある。この基板bを正極に用いて実施例1と同様な方法
により本発明の電池Bを作製した。
開孔率52%のニッケルメッキした鉄製パンチングメタ
ルの両面に、フェノール系接着剤70部と平均粒径0.
1μmの酸化ニッケル粉末30部を混練した接着剤をス
プレー塗布し、長さ2mm、直径50μmのニッケル柱
状体を静電植毛した。以下実施例1と同様な方法により
基板bを作製した。基板bの重量は約650g/m2 で
ある。この基板bを正極に用いて実施例1と同様な方法
により本発明の電池Bを作製した。
【0024】(比較例1)従来のペースト式電極との比
較のために、ニッケル電極の基板として市販の重量約6
00g/m2 の発泡状ニッケル板を用いて、ペースト式
ニッケル極を作製した。このペースト式ニッケル極の厚
みは0.75mmである。これを用いて以下実施例1と
同様な方法により電池Cを作製した。
較のために、ニッケル電極の基板として市販の重量約6
00g/m2 の発泡状ニッケル板を用いて、ペースト式
ニッケル極を作製した。このペースト式ニッケル極の厚
みは0.75mmである。これを用いて以下実施例1と
同様な方法により電池Cを作製した。
【0025】(比較例2)従来の焼結式電極との比較の
ために、3wt%メチルセルロース水溶液60部とカル
ボニルニッケル40部とを混練したスラリーを、厚さ6
0μm、孔径2mm、開孔率52%のニッケルメッキし
た鉄製のパンチングメタルに厚さ1mmで塗着し、乾燥
させた後に、窒素−水素気流中において1000℃で焼
結して焼結式基板を作製した。この焼結式基板の重量は
約1000g/m2 である。
ために、3wt%メチルセルロース水溶液60部とカル
ボニルニッケル40部とを混練したスラリーを、厚さ6
0μm、孔径2mm、開孔率52%のニッケルメッキし
た鉄製のパンチングメタルに厚さ1mmで塗着し、乾燥
させた後に、窒素−水素気流中において1000℃で焼
結して焼結式基板を作製した。この焼結式基板の重量は
約1000g/m2 である。
【0026】次に作製した焼結式基板を硝酸コバルトを
1wt%添加した硝酸ニッケル水溶液中(pH:2.
0、液温度:80℃)に10分間浸漬した後、100℃
で10分間乾燥し、水酸化ナトリウム水溶液(比重1.
2g/cc、液温度:80℃)に20分間浸漬するサイ
クルを8サイクル繰り返して活物質である水酸化ニッケ
ルを含浸した。この極板の容量は約1300mAhであ
る。これを用いて実施例1と同様にして電池Dを作製し
た。
1wt%添加した硝酸ニッケル水溶液中(pH:2.
0、液温度:80℃)に10分間浸漬した後、100℃
で10分間乾燥し、水酸化ナトリウム水溶液(比重1.
2g/cc、液温度:80℃)に20分間浸漬するサイ
クルを8サイクル繰り返して活物質である水酸化ニッケ
ルを含浸した。この極板の容量は約1300mAhであ
る。これを用いて実施例1と同様にして電池Dを作製し
た。
【0027】次に電池A,B,C,Dの放電特性を評価
した。1CmAで72分間充電した後、放電電流を0.
2CmA,1CmA,3CmAとして1.0Vまで放電
したときのそれぞれの電池の放電容量と放電平均電圧を
(表1)に示す。
した。1CmAで72分間充電した後、放電電流を0.
2CmA,1CmA,3CmAとして1.0Vまで放電
したときのそれぞれの電池の放電容量と放電平均電圧を
(表1)に示す。
【0028】
【表1】
【0029】(表1)の結果に示すように、電池A,B
は電池Cに比較して高率放電での活物質利用率、及び放
電平均電圧が向上した。また焼結式電極を備えた電池D
と比べると、放電容量、放電平均電圧とも優れていた。
は電池Cに比較して高率放電での活物質利用率、及び放
電平均電圧が向上した。また焼結式電極を備えた電池D
と比べると、放電容量、放電平均電圧とも優れていた。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、アルカリ蓄電池用電極
において、これまでのペースト式電極と同等の電池容量
を維持すると同時に、集電性を改善して大電流での充放
電特性が向上する。
において、これまでのペースト式電極と同等の電池容量
を維持すると同時に、集電性を改善して大電流での充放
電特性が向上する。
【図1】本発明の実施例の基板の拡大模式図
【図2】本発明の実施例の電池の概略断面図
1 ニッケル柱状体 2 ニッケルメッキしたパンチングメタル 3 ニッケル極 4 水素吸蔵合金極 5 セパレータ 6 電池ケース 7 封口板
Claims (4)
- 【請求項1】金属ニッケル平板、金属ニッケルで表面被
覆されている金属平板またはこれらに穿孔した部材のい
ずれかからなる導電性芯材の表面に多数のニッケル柱状
体が植毛された構造を持つ基板に活物質が保持されてい
て、前記ニッケル柱状体の形状は、短軸方向の長さが5
〜70μm,長軸方向の長さが1〜5mm,比表面積が
10〜50m2 /gであるアルカリ蓄電池用電極。 - 【請求項2】ニッケル柱状体は、空孔率が10〜50%
の多孔体である請求項1記載のアルカリ蓄電池用電極。 - 【請求項3】金属ニッケル平板、金属ニッケルで表面被
覆されている金属平板、またはこれらに穿孔した部材の
いずれかからなる導電性芯材の表面に多数のニッケル柱
状体が植毛された構造を持つ基板に活物質が保持されて
いて、ニッケル柱状体は、その短軸方向の長さが5〜7
0μm,長軸方向の長さが1〜5mm,比表面積が10
〜50m2 /gであるアルカリ蓄電池用電極の製造法で
あって、 金属ニッケル、酸化ニッケル、水酸化ニッケルからなる
群のうちの少なくとも一種類の粉末と非水溶性合成樹脂
とを混練した後、これを柱状の溝を表面に設けたベース
体に塗布、乾燥した後にベース体から剥離してニッケル
柱状体を作成する工程と、 前記導電性芯材の両面に接着剤を塗布する工程と、 前記ニッケル柱状体を接着剤塗布済みの導電性芯材の両
面に静電植毛する工程と、 非酸化雰囲気中において800〜1100℃の温度で熱
処理して、前記接着剤、非水溶性合成樹脂を離脱すると
同時に前記ニッケル柱状体内のニッケル粉末同士、ニッ
ケル柱状体同士及びニッケル柱状体と前記導電性芯材と
を焼結する工程より得た活物質保持基板に、活物質を充
填してなるアルカリ蓄電池用電極の製造法。 - 【請求項4】接着剤には金属ニッケル、酸化ニッケル、
水酸化ニッケルからなる群のうちの少なくとも一種類の
粉末が添加されている請求項3記載のアルカリ蓄電池用
電極の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8317346A JPH10162835A (ja) | 1996-11-28 | 1996-11-28 | アルカリ蓄電池用電極及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8317346A JPH10162835A (ja) | 1996-11-28 | 1996-11-28 | アルカリ蓄電池用電極及びその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10162835A true JPH10162835A (ja) | 1998-06-19 |
Family
ID=18087206
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8317346A Pending JPH10162835A (ja) | 1996-11-28 | 1996-11-28 | アルカリ蓄電池用電極及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10162835A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001155738A (ja) * | 1999-11-25 | 2001-06-08 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 蓄電池用電極 |
WO2002017415A1 (fr) * | 2000-08-22 | 2002-02-28 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Batterie alcaline de stockage et electrode en alliage absorbant l'hydrogene utilisee dans ladite batterie |
JP2002063896A (ja) * | 2000-08-22 | 2002-02-28 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 水素吸蔵合金電極とそれを用いたアルカリ蓄電池 |
-
1996
- 1996-11-28 JP JP8317346A patent/JPH10162835A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001155738A (ja) * | 1999-11-25 | 2001-06-08 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 蓄電池用電極 |
JP4635285B2 (ja) * | 1999-11-25 | 2011-02-23 | パナソニック株式会社 | 蓄電池用電極 |
WO2002017415A1 (fr) * | 2000-08-22 | 2002-02-28 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Batterie alcaline de stockage et electrode en alliage absorbant l'hydrogene utilisee dans ladite batterie |
JP2002063896A (ja) * | 2000-08-22 | 2002-02-28 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 水素吸蔵合金電極とそれを用いたアルカリ蓄電池 |
US7247409B2 (en) | 2000-08-22 | 2007-07-24 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Alkaline storage battery and hydrogen storage alloy electrode used therefor |
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