JP4016214B2 - 電池電極の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発泡状金属や不織布状金属等の三次元多孔体に活物質を担持させた電池電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電池の電極には、活物質充填密度を向上させて電池容量の増大を図るために、発泡状金属や不織布状金属等の三次元多孔体を用いる場合がある。例えばニッケル水素二次電池の正極には、発泡ニッケル(発泡状金属)やニッケル繊維フェルト(不織布状金属)等が用いられる。発泡ニッケルは、カーボンを含有させて導電性を持たせたウレタンフォームにニッケルメッキを行った後に、これを焼成してウレタンやカーボンの成分を飛ばし発泡状の金属ニッケルのみを残したもの等であり、多数のニッケルの骨格が互いに三次元的にネットワーク状(網状)に結合した多孔度の極めて大きい三次元多孔体を構成する。また、ニッケル繊維フェルトは、びびり振動等によって製造したニッケルの細い繊維をフェルト状(不織布状)に焼き固めたもの等であり、この場合にも多数のニッケルの繊維片が互いに三次元的にネットワーク状に結合した多孔度の極めて大きい三次元多孔体を構成する。従って、これらの三次元多孔体に、例えば活物質である水酸化ニッケルの粉末(不溶性)を水等の分散媒に分散して塗布し乾燥させれば、ネットワーク状に結合した多数の骨格や繊維の隙間に大量の活物質を確実に担持させて活物質充填密度を向上させることができるので、電池容量が大幅に増大する。
【0003】
ところで、上記三次元多孔体は、電池の端子に接続するために、金属板等からなる集電体を介して集電を行う必要がある。しかし、活物質を担持させた三次元多孔体に直接集電体を溶接して接続することは、この活物質が溶着を妨げることや、三次元多孔体の骨格や繊維の機械的強度が低いために困難である。
【0004】
そこで、従来は、三次元多孔体の一部を予めプレスしてから活物質を担持させ、このプレス部分に集電体を溶接したり圧着していた。即ち、三次元多孔体をプレスすれば、このプレス部分の骨格や繊維が押圧されて金属板状となるので、活物質がほとんど付着しない。従って、この三次元多孔体に活物質を担持させた後にも、プレス部分には、集電体を溶接することが可能になり、確実な接続を行うこともできる。また、三次元多孔体に一旦活物質を担持させてから、この三次元多孔体の一部に超音波振動を加えて活物質を除去し、この除去部分に集電体を溶接する場合もあった。
【0005】
さらに、活物質を担持させた三次元多孔体の全面に集電体となる帯鋼等を圧接させる場合もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来は、上記のように三次元多孔体の一部を予備プレスしたり活物質を除去して集電体を溶接したり圧着しなければならず、しかも、電極1枚ごとにこれらの工程が必要となるので、電池の生産性が低下するという問題があった。
【0007】
また、三次元多孔体は、わずかな押圧力を加えるだけで骨格が潰れたりや繊維同士が密接し、わずかな引っ張り力を加えるだけでネットワーク部分が引き伸ばされて全体が薄くなるので、活物質を十分に担持できなくなる。しかも、この引っ張り力を強くすると、容易に裂けて使用できなくなる。このため、三次元多孔体に活物質を担持させる工程や、その他の処理を行う工程、及び、巻回型の発電素子の場合にはこの三次元多孔体を巻回する工程等で慎重な取り扱いが必要となり、この三次元多孔体をラインにより連続的に搬送して加工する等の方法により電極の製造の生産性を向上させることが困難になるという問題もあった。しかも、特に三次元多孔体の一部に集電体を溶接したり圧着する場合には、電池の組み立て作業中等にこの集電体に力が加わると、三次元多孔体が溶接部や圧着部で簡単に裂けて切断され易くなるという問題も生じる。さらに、このように集電体が三次元多孔体の一部に取り付けられると、集電体と三次元多孔体との接触面積が狭いために、集電の電気抵抗が大きくなるという問題もあった。
【0008】
また、活物質を担持させた三次元多孔体に直接帯鋼等を圧接させる場合には、活物質によって帯鋼等との接触抵抗が不安定になり、必ずしも確実な電気的接続を得ることができるとは限らないという問題もあった。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、導電性薄板に三次元多孔体を焼結させた後に活物質を担持させることにより、電極の生産性を向上させて三次元多孔体の取り扱いも容易にし導電性薄板を介した集電を確実にすることができる電池電極の製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記課題を解決するために、多数の開口孔を備えた導電性薄板の表面に、幅方向の縁部に隙間を開けてシート状の三次元多孔体を張り合わせて焼結させる三次元多孔体焼結工程と、この三次元多孔体焼結工程により導電性薄板に焼結された三次元多孔体の一部を導電性薄板側にプレスするプレス工程と、導電性薄板に焼結されてこのプレス工程により一部をプレスされた三次元多孔体に活物質を担持させる活物質担持工程と、この活物質担持工程により活物質を担持させた三次元多孔体をプレス部分で導電性薄板と共に切断することにより、切断された導電性薄板の幅方向の一方の縁部には、三次元多孔体のプレス部分が接合されていると共に、他方の縁部には、三次元多孔体が接合されていないか、又は、この三次元多孔体のプレス部分が接合されているようにした切断工程とを有することを特徴とする。
【0011】
請求項1の発明によれば、活物質を担持させる前の三次元多孔体を導電性薄板に焼結させるので、この三次元多孔体の接触面で極めて多数の繊維片や骨格が導電性薄板の表面に接合され、確実な電気的接続を得ることができる。また、この三次元多孔体は、導電性薄板に焼結接合された状態で活物質を担持させるので、この導電性薄板を支持体として搬送や巻回等での取り扱いが容易となる。しかも、電極1枚ごとに三次元多孔体の一部を予備プレスしたり活物質を除去して巻回等を行う前に集電体を溶接する工程を省略することができるので、電池の生産性を向上させることができる。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
さらに、プレス工程により三次元多孔体の一部がプレスされると、このプレス部分が金属板状となり活物質が担持されなくなる。従って、複数枚の電極を一括して製造し切断工程により三次元多孔体のプレス部分で切り分けると、各切片のプレス部分に集電体等を溶接等により容易に接続することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1〜図7は本発明の一実施形態を示すものであって、図1は正極の製造方法を示す斜視図、図2はニッケル水素二次電池の構造を示す縦断面図、図3は正極の構成を示す斜視図、図4は負極の構成を示す斜視図、図5は発電素子の製造方法を示す斜視図、図6は正極の他の製造方法を示す斜視図、図7は放電率と放電中間電圧の関係を示す図である。
【0018】
本実施形態は、ニッケル水素二次電池の巻回型の発電素子に用いられる正極の製造方法について説明する。このニッケル水素二次電池は、図2に示すように、電池缶1内に発電素子2を収納し電解液を充填して、絶縁体を介した電池蓋3により内部を密閉したものである。発電素子2は、帯状の正極4と負極5を帯状のセパレータ6を介して巻回することにより構成される。これらの正極4とセパレータ6と負極5は、それぞれ少しずつ上下にずらした状態で巻回することにより、発電素子2の上端側に正極4の上縁部のみを突出させ、下端側には負極5の下縁部のみを突出させるようにしている。また、この発電素子2の上端側に突出した正極4の上縁部には上部集電板7が溶接接続され、下端側に突出した負極5の下縁部には下部集電板8が溶接接続されている。そして、これらの集電板7,8がそれぞれリード片等を介して電池蓋3の裏面と電池缶1の内側底面に接続されることにより、この電池蓋3の中央の突起が正極端子となり、電池缶1の底面が負極端子となる。なお、電池蓋3には、ガス抜きのためのゴム弁体3aが取り付けられている。
【0019】
上記正極4は、図3に示すように、帯状のパンチングメタル9の表面に接合した帯状のニッケル繊維フェルト10に水酸化ニッケルを主体とした正極活物質11を担持させたものである。また、負極5は、図4に示すように、パンチングメタル12に水素吸蔵合金を主体とした負極活物質13を担持させたものである。これらのパンチングメタル9,12は、いずれもニッケルの薄板にプレス加工により多数の開口孔9a(図3ではニッケル繊維フェルト10の陰になって見えない)又は開口孔12a(図4では負極活物質13の窪みとなって見える)を穿設したものである。そして、セパレータ6は、電解液を通す絶縁性の不織布等であり、電解液は、苛性アルカリ水溶液を用いる。
【0020】
上記負極5は、水素吸蔵合金の粉末とバインダーを混練してペースト状としたものをパンチングメタル12の表裏両面に塗布し乾燥させることにより、図4に示したように、このパンチングメタル12の両面を覆い開口孔12aを塞ぐようにして厚い膜状に負極活物質13を付着させて担持させる。ただし、この負極活物質13は、パンチングメタル12の帯状の下縁部には付着しないようにして、発電素子2の下端側からは、負極5のこのパンチングメタル12の下縁部を突出させる。従って、上記下部集電板8は、この負極活物質13が付着していないパンチングメタル12の下縁部に容易に溶接することができる。
【0021】
上記正極4の製造方法を詳細に説明する。図1に示すように、まず帯状のパンチングメタル9の表面に、帯状のニッケル繊維フェルト10を張り合わせて焼結させる(三次元多孔体焼結工程)。即ち、パンチングメタル9の表面にニッケル繊維フェルト10を張り合わせて軽く圧接させておき、850〜1000°C程度に加熱する。すると、ニッケル繊維フェルト10の接触面で極めて多数の繊維片がニッケルの表面拡散や部分的な溶融によりパンチングメタル9の表面や開口孔9aの開口縁等に付着するので、図3に示したように、このニッケル繊維フェルト10がパンチングメタル9に焼結接合されて容易には外れないようになる。この際、ニッケル繊維フェルト10は、パンチングメタル9の幅よりもわずかに狭いもの用いることにより、このパンチングメタル9の少なくとも上縁部にある程度の隙間を開けて接合される。このようにしてニッケル繊維フェルト10をパンチングメタル9に接合すると、このパンチングメタル9を支持体として搬送や巻回等の取り扱いが容易となり、以降の工程の作業中にニッケル繊維フェルト10に無理な力が加わって引き伸ばされたり裂けるようなおそれがなくなる。
【0022】
上記三次元多孔体焼結工程によりニッケル繊維フェルト10がパンチングメタル9の表面に焼結接合されると、このニッケル繊維フェルト10に水酸化ニッケルを主体とする粉末を水で溶いて塗布し乾燥させることにより正極活物質11を担持させる(活物質担持工程)。即ち、ニッケル繊維フェルト10の多数の繊維片の隙間に、水酸化ニッケルを主体とする正極活物質11が大量に付着して担持される。ただし、この場合、正極活物質11は、ニッケル薄板であるパンチングメタル9にはほとんど付着しない。なお、この活物質担持工程では、上記のようにパンチングメタル9を支持体としてニッケル繊維フェルト10に加工を施すことができるので、このニッケル繊維フェルト10が引き伸ばされて厚さが薄くなり正極活物質11の担持量が減少するようなこともなくなる。
【0023】
上記方法により製造された正極4は、図5に示すように、負極5と共にセパレータ6を介して巻回されて、巻回型の発電素子2となる。また、この発電素子2の上端側から突出する正極4の上縁部は、ニッケル繊維フェルト10が接合されず正極活物質11が付着しないパンチングメタル9の上縁部となるので、上記上部集電板7が容易に溶接される。
【0024】
以上のように、本実施形態のニッケル水素二次電池における正極4の製造方法によれば、正極活物質11を担持させる前のニッケル繊維フェルト10をパンチングメタル9に焼結接合させるので、このニッケル繊維フェルト10とパンチングメタル9との間を確実に電気的に接続することができる。従って、ニッケル繊維フェルト10に正極活物質11を担持させると、この正極活物質11からニッケル繊維フェルト10を介してパンチングメタル9により安定した集電を行うことができるようになる。また、このパンチングメタル9は、ニッケル繊維フェルト10と異なり正極活物質11が付着しないので、発電素子2の上端側に突出した上縁部に上部集電板7を容易に溶接接続でき、正極端子となる電池蓋3との接続も容易となる。しかも、この正極4は、パンチングメタル9を支持体として活物質担持工程や発電素子2の巻回工程等の作業を行うので、単独では取り扱いが厄介なニッケル繊維フェルト10に無理な力を加えることなく搬送等が可能となり、作業性を向上させることができる。
【0025】
上記正極4は、ロールから帯状のパンチングメタル9とニッケル繊維フェルト10を順次供給するライン加工により、連続的に三次元多孔体焼結工程と活物質担持工程とを実施してから適宜の長さに切断することによって製造することもできる。また、この際、幅広のパンチングメタル9に幅広のニッケル繊維フェルト10を供給して複数枚の正極4を並行して製造することもできる。即ち、幅広のパンチングメタル9に幅広のニッケル繊維フェルト10を焼結接合させて三次元多孔体焼結工程を実施した後に、図6に示すように、ニッケル繊維フェルト10の一部を長手方向に沿ってパンチングメタル9側にプレスし(プレス工程)、このプレス部分10aによってニッケル繊維フェルト10を複数トラックに分割する(図6では3分割する)。そして、このニッケル繊維フェルト10に正極活物質11を担持させる活物質担持工程を実施してから、プレス部分10aに沿って(図6の1点鎖線の沿って)パンチングメタル9とニッケル繊維フェルト10をトラックごとに切断すれば(切断工程)、複数枚の正極4を並行して効率よく製造できる。ただし、パンチングメタル9の切断部では、ニッケル繊維フェルト10のプレス部分10aがこの切断部の縁まで隙間なく焼結接合される。しかし、このプレス部分10aは、多数の繊維片が押し潰されてニッケル板状となり、活物質担持工程でも正極活物質11がほとんど付着しないので、この切断部が発電素子2の上端側から突出する上縁部となった場合にも、上部集電板7を容易に溶接することができる。
【0026】
なお、本発明は、上記実施形態における正極4以外の構成は特に限定しない。即ち、負極5の構成や、これら正極4と負極5を集電板7,8を介して電池蓋3の正極端子と電池缶1の負極端子に接続する構成も、本実施形態のものに限定されず任意である。
【0027】
また、上記実施形態では、正極4のパンチングメタル9の表面にのみニッケル繊維フェルト10を焼結させたが、このパンチングメタル9の表裏両面にそれぞれニッケル繊維フェルト10,10を焼結させることもできる。この場合、パンチングメタル9の裏面側でも電解液がニッケル繊維フェルト10に担持された正極活物質11に容易に接触できるようになる。しかも、表裏のニッケル繊維フェルト10,10の繊維片がパンチングメタル9の開口孔9aを介して互いに絡み合うので、これらのニッケル繊維フェルト10,10の接合強度を高めることができる。
【0028】
さらに、上記実施形態では、ニッケル水素二次電池について説明したが、本発明は、三次元多孔体を電極に利用できる電池であれば、いずれにも同様に実施することができる。
【0029】
さらに、上記実施形態では、三次元多孔体としてニッケル繊維フェルト10を用いたが、三次元的に多孔性の導電体であればこれに限らず、例えば発泡ニッケル等を用いることもできる。しかも、導電体の種類も、このようなニッケルに限らず、電池や電極の種類に応じて任意に選択することができる。
【0030】
さらに、上記実施形態では、導電性薄板としてニッケルの薄板によるパンチングメタル9を用いたが、任意形状及び任意の大きさの多数の開口孔を備えた導電性の薄板であればどのようなものでもよく、例えばエキスパンドメタルや金網等のようにマクロの大きな開口孔を備えたものや、発泡状金属又は不織布状金属を金属板状に圧縮したミクロの微細な開口孔を備えたもの等を用いることもできる。しかも、導電体の種類も、このようなニッケルに限らず、電池や電極の種類に応じて任意に選択することができる。
【0031】
さらに、上記実施形態では、円筒型電池に用いる巻回型の発電素子2を示したが、本発明は角柱型電池に用いる積層型の発電素子2等にも同様に実施することができる。積層型とする場合、パンチングメタル9やニッケル繊維フェルト10は、帯状(長尺なシート状)ではなく平板状(短いシート状)のものを用いる。
【0032】
【実施例】
以下に示す実施例と比較例の電池を作成し比較した。
【0033】
〔実施例と比較例〕
○実施例
・SC型Ni−MH電池
・正極板寸法:188mm(長さ)×31.5mm(幅)×0.80mm(厚さ)
・負極板寸法:235mm(長さ)×31.5mm(幅)×0.43mm(厚さ)
・電解液:水酸化リチウム(LiOH)を30g/l溶解させた水酸化カリウムの31wt%(重量%)水溶液
・公称容量:2.5Ah
【0034】
○比較例1
・正極板寸法:188mm(長さ)×31.5mm(幅)×0.76mm(厚さ)(活物質を除去し、集電端子を超音波溶接した)
・他の項目は実施例と同じ
【0035】
○比較例2
・正極板寸法:188mm(長さ)×31.5mm(幅)×0.73mm(厚さ)
・導電性薄板:188mm(長さ)×34mm(幅)×0.06mm(厚さ)(正極と共に巻回した)
・他の項目は実施例1と同じ
【0036】
〔比較結果〕
従来の製造方法により比較例1の電池を作成すると、5セル/分(1分間に5セル分の電池)しか製造できなかったが、実施例の電池は、電極1枚ごとの活物質の除去と集電端子の溶接工程を省略できるので、いずれも12セル/分の製造が可能となり、生産性が向上した。
【0037】
また、実施例と比較例2の電池について、それぞれ放電率を変えて放電中間電圧を測定した結果を図7に示す。電池の放電率が高くなると、電池の内部抵抗による電圧降下が大きくなるので、放電中間電圧は低下する。そして、実施例では正極の三次元多孔体が導電性薄板に焼結されるのに対して、比較例2では三次元多孔体が導電性薄板に接触しているだけなので、この接触抵抗が大きくなる。従って、実施例の電池は、比較例2の電池に比べ、放電率が高くなっても放電中間電圧の低下の割合が少なくなり、高い集電性を得ることができた。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の電池電極の製造方法によれば、三次元多孔体を導電性薄板に焼結させて確実な電気的接続を得ることができるので、この導電性薄板を介して安定した集電を行うことができる。しかも、電極1枚ごとに三次元多孔体の一部を予備プレスしたり活物質を除去して巻回等を行う前に集電体を溶接する工程を省略することができ、導電性薄板を支持体として搬送等を行うことにより三次元多孔体が引き伸ばされたり切断されることなく活物質担持工程等を実行することができるので、電極の生産性を向上させることもできる。
【0039】
また、三次元多孔体を導電性薄板の両面に焼結接合すれば、電極面の裏面側の利用率も高めることができる。しかも、特に不織布状の三次元多孔体を用いる場合には、導電性薄板の開口孔を介して繊維同士が絡み合うので接合強度が高まる。
【0040】
さらに、活物質を担持する前に三次元多孔体をプレスすれば、このプレス部分に集電体等を容易に接続できるので、複数枚の電極を一括して製造し切り分けることが可能となり、ライン加工等により効率良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すものであって、正極の製造方法を示す斜視図である。
【図2】 本発明の一実施形態を示すものであって、ニッケル水素二次電池の構造を示す縦断面図である。
【図3】 本発明の一実施形態を示すものであって、正極の構成を示す斜視図である。
【図4】 本発明の一実施形態を示すものであって、負極の構成を示す斜視図である。
【図5】 本発明の一実施形態を示すものであって、発電素子の製造方法を示す斜視図である。
【図6】 本発明の一実施形態を示すものであって、正極の他の製造方法を示す斜視図である。
【図7】 本発明の実施例と比較例の比較結果を示すものであって、放電率と放電中間電圧の関係を示す図である。
【符号の説明】
4 正極
9 パンチングメタル
9a 開口孔
10 ニッケル繊維フェルト
11 正極活物質
Claims (1)
- 多数の開口孔を備えた導電性薄板の表面に、幅方向の縁部に隙間を開けてシート状の三次元多孔体を張り合わせて焼結させる三次元多孔体焼結工程と、
この三次元多孔体焼結工程により導電性薄板に焼結された三次元多孔体の一部を導電性薄板側にプレスするプレス工程と、
導電性薄板に焼結されてこのプレス工程により一部をプレスされた三次元多孔体に活物質を担持させる活物質担持工程と、
この活物質担持工程により活物質を担持させた三次元多孔体をプレス部分で導電性薄板と共に切断することにより、切断された導電性薄板の幅方向の一方の縁部には、三次元多孔体のプレス部分が接合されていると共に、他方の縁部には、三次元多孔体が接合されていないか、又は、この三次元多孔体のプレス部分が接合されているようにした切断工程と
を有することを特徴とする電池電極の製造方法。
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