JP2001324776A - 熱現像材料およびその熱現像方法 - Google Patents

熱現像材料およびその熱現像方法

Info

Publication number
JP2001324776A
JP2001324776A JP2000143177A JP2000143177A JP2001324776A JP 2001324776 A JP2001324776 A JP 2001324776A JP 2000143177 A JP2000143177 A JP 2000143177A JP 2000143177 A JP2000143177 A JP 2000143177A JP 2001324776 A JP2001324776 A JP 2001324776A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
heat
compound
silver
silver halide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000143177A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Haniyu
武 羽生
Yasushi Usagawa
泰 宇佐川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2000143177A priority Critical patent/JP2001324776A/ja
Publication of JP2001324776A publication Critical patent/JP2001324776A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真性能のカブリを低減し、大量の処理にお
いても、処理膜面上に現像機の熱ドラムの表面加工跡が
でず、現像後の観察光でプリントアウトしにくい熱現像
材料を提供すると共に、汚れの発生の少ない現像装置ま
たは現像方法を提供することにある。 【解決手段】 支持体の少なくとも一方の面に感光性ハ
ロゲン化銀粒子、有機銀塩および還元剤を含有する感光
層を有する熱現像材料において、該熱現像材料を構成す
るバインダーが金属キレート化合物の存在下で硬化され
たことを特徴とする熱現像材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像により画像を
形成する熱現像材料に関するもので、特に熱現像材料の
膜面の強度が向上し、熱現像時の熱ドラムや熱ローラー
の跡が付きにくく、また写真性能のカブリ低減と現像後
のプリントアウト防止性に優れ、更に熱現像処理を行う
処理機内の熱ドラムまたは熱ローラーに汚れの付着のな
い現像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療や印刷の分野で環境保護や作
業性の面から画像形成材料の湿式処理に伴う廃液の出な
い熱現像感材が強く望まれている。特に熱現像により、
高解像度で鮮明な黒色画像を形成することができる写真
技術用途の光熱写真材料に関する技術が必要とされてい
る。これらの感光材料は通常、赤外線、可視光線あるい
は、紫外線で画像様に露光されたのち、80℃以上の温
度で現像が行われるので、光熱現像材料とも呼ばれる。
【0003】現像するために、感光層を短時間に加熱す
る必要があるが、この方法は加熱されてた媒体に熱現像
材料を接触させることが一般的である。しかし、高温下
で接触させることは熱現像材料の膜面に熱ドラムの加工
跡や搬送時の摩擦による損傷を与えたり、ドラムの汚れ
を熱現像材料の膜面に転写させたりすることになる。こ
れに耐える膜の強度を維持するにはバインダーに使用さ
れる材料の分子間に橋掛けを行い硬化する素材を使用す
るのが一般的である。硬化する素材は、バインダーの種
類によって選択されるがエポキシ化合物は、特に各種の
バインダーの膜強度を高めるので有用である。しかし、
硬化する反応が遅く、硬化が進むに従い写真性能も変動
する欠点がある。また高い温度で硬化を促進するとカブ
リが発生するので、低い温度で反応するように触媒を使
用する技術があるが、これも写真性能に影響を与えやす
く使用方法が限られていた。低温で迅速に硬化させるこ
とのできる素材として特開平6−208193に開示さ
れているイソシアナート化合物は、低温で硬化を促進す
ることができるが、塗布液中に水が存在すると分解して
硬化性能を失うことや調製した塗布液の安定性に欠ける
等の欠点を有していた。ビスまたはトリスビニルスルホ
ン系化合物やアジリジン型硬化剤は、カルボキシル基や
アミノ基のあるバインダーには有効であるが、水酸基を
有するセルロール系やポリビニルアルコール系には不向
きであった。他の硬化方法としてシリカやアルミナ等の
無機物を充填することにより、膜強度を上げる方法もあ
るが、透明性が失われるという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱現
像材料の膜面強度を向上し、写真性能のカブリを低減
し、大量の熱現像材料の現像処理において処理膜面上に
現像機の熱ドラムの表面加工跡がでない熱現像材料を提
供することである。また、現像後の観察光でプリントア
ウトしにくい熱現像材料を提供することである。別の目
的として熱現像機の熱ドラムや熱ローラーの表面の物性
を制御することにより、汚れの発生の少ない現像装置ま
たは現像方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、下記により
達成される。
【0006】1)支持体の少なくとも一方の面に感光性
ハロゲン化銀粒子、有機銀塩および還元剤を含有する感
光層を有する熱現像材料において、該熱現像材料を構成
するバインダーが金属キレート化合物の存在下で硬化さ
れたことを特徴とする熱現像材料。
【0007】2)金属キレート化合物が前記一般式
(1)で表される配位子を有し、該金属キレート化合物
の金属原子はアルミニウム、ジルコニウム、チタニウム
または亜鉛から選ばれることを特徴とする前記1)記載
の熱現像材料。
【0008】3)金属原子がアルミニウム、ジルコニウ
ム、チタニウムまたは亜鉛であり、それぞれの金属原子
への平均配位分子数が、アルミニウムに対しては0.5
〜3.0、亜鉛およびジルコニウムに対しては0.5〜
2.0、チタニウムに対しては1.0〜4.0である前記
一般式(1)で表される配位子を有する金属キレート化
合物であることを特徴とする前記2)記載の熱現像材
料。
【0009】4)熱現像材料を構成する層の少なくとも
一層に平均粒子径1nm〜180nmのシリカを含むこ
とを特徴とする前記1)〜3)の何れか1項に記載の熱
現像材料。
【0010】5)熱現像材料の保護層がフッ素化合物ま
たはポリハロメタン化合物を含むことを特徴とする前記
1)〜4)の何れか1項記載の熱現像材料。
【0011】6)前記1)〜5)の何れか1項記載の熱
現像材料を処理する現像機の熱ドラムの熱現像材料に接
触する面の硬度がデュロメーター硬度Aで20〜90で
あることを特徴とする熱現像方法。
【0012】以下、本発明の実施の形態について詳細に
説明する。熱現像材料は支持体上に少なくても1層の感
光層を設け、この感光層中には、少なくともハロゲン化
銀、有機銀塩および還元剤がバインダー(高分子結合材
料)中に含まれ、感光層上層には少なくとも一層の保護
層が設けられ、保護層中にバインダーが含まれる。感光
層または保護層のバインダーは、前記一般式(1)で示
される配位子を有する金属キレート化合物で硬化され
る。
【0013】前記一般式(1)中、R1は炭素数が1〜
30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、ブチ
ル基、オクチル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、エイ
コサニル基等、アルケニル基、例えば、プロペニル基、
ブテニル基、ヘキセニル基、ドデセニル基等、アルコキ
シ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、
オクトキシ基等、アルケニルオキシ基、例えば、プロペ
ニルオキシ基、ブテノキシ基、ドデセンノキシ基等であ
り、R2およびR3はそれぞれ異なってもよい炭素数が1
〜4のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基等、アルケニル基、例えば、プロペニ
ル基、ブテニル基等を表す。
【0014】本発明に用いられる一般式(1)の配位子
化合物は、公知の合成方法を参考にして合成することが
できる。更に合成または市場から入手できた配位子を使
用して本発明の金属キレートを公知の方法により合成す
ることができる。原理的には配位対象の金属と本発明の
化合物を60℃から100℃の範囲で混合することで合
成することができる。金属キレートの金属原子として
は、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウムまたは亜
鉛から選択することが好ましい。特にアルミニウムまた
はチタニウムが好ましい。これら金属原子上に配位する
平均配位分子数がアルミニウムに対しては0.5から
3.0、亜鉛およびジルコニウムに対しては0.5〜
2.0、チタニウムに対しては1.0〜4.0であるこ
とが好ましい。配位子の各金属に対する最高配位数は、
金属の持つ特有の数字であるがこの範囲以内で複数の配
位子を持つことができる。配位子を有した好ましい具体
的金属キレート化合物を下記に示すが、これらに限定さ
れるものではない。
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】本発明の一般式(1)の配位子化合物を有
する金属キレート化合物を添加する方法は公知の添加方
法に従って添加することができる。メタノールやエタノ
ール等のアルコール類、メチルエチルケトンやアセトン
等のケトン類、ジメチルスルホオキシドやジメチルホル
ムアミド等の極性溶媒等に溶解して添加することができ
る。また、サンドミル分散やジェットミル分級散、超音
波分散やホモジナイザー分散により1μm以下の微粒子
にして水や有機溶媒に分散して添加することもできる。
微粒子分散技術については多くの技術が開示されている
が、これらに準じて平均粒子径が0.05μmから10
μmの微粒子の水または有機溶媒分散体にして添加する
ことができる。添加量は、バインダー1g当たり1ナノ
モル〜50ミリモルの範囲で、好ましくは1マイクロモ
ルから100ミリモルの範囲である。これ以下や以上の
添加の場合は本発明の効果を得ることが難しくなる。添
加する層は目的の硬化するバインダーが存在する層にバ
ッチ式やスタチックミキサーを使用して目的の層中にイ
ンライン方式で添加することができるが、隣接層や中間
層に添加し、化合物を塗布乾燥中に拡散移動させて反応
することを狙ってもよい。
【0021】本発明の熱現像感光材料のバインダーとし
ては、ハロゲン化銀、有機銀塩、還元剤が反応する場と
して好ましい素材を使用することができる。例えば、ヒ
ドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、エチルセルロース、アセチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコー
ル、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラー
ル、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシ
ド、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、
スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミ
ド、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、
ポリアクリル酸エステル、スチレン−ブタジエン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン−アク
リル共重合体などが挙げられる。更に乾燥後、膜を形成
したのち、その塗膜の平衡含水率の低いものが好まし
い。使用量は、感光層で0.4g/m2〜50g/m2
保護層で0.1g/m2〜10g/m2が好ましい。
【0022】本発明の金属キレート化合物により硬化す
るレベルは、本発明の金属キレート化合物とバインダー
で決まる訳でなく、ハロゲン化銀、有機銀塩、還元剤等
の添加剤の比率に依存しているので適宜添加量を調節し
て決めることができる。硬化させたレベルを計る方法
は、細針で膜に傷を付けるスクラッチ法、等間隔に多数
の刃が出ている板を用い縦横に引いて碁盤の目状に傷を
付けて膜の剥がれ具合から評価する碁盤目法、細針を押
し込みすることにより、窪みの深さを測るデュロメータ
ー硬さ法等を挙げることができる。本発明では熱現像材
料の膜の硬さを計る方法としては、スクラッチ法を採用
し、スクラッチ荷重が10〜200gの範囲にあること
が好ましく、より好ましくは30〜150gである。こ
の値より、小さいと本発明の熱現像材料に傷が付き易
く、これより大きいと現像が進みにくくなるからであ
る。
【0023】熱現像材料を処理する熱現像ドラムの熱現
像材料に接する面がデュロメーター硬度Aで20〜90
であることが好ましい。硬度が低いとフィルム面にしわ
がよったり、ローラーに傷が付き易くなり、その傷がも
とで熱現像材料の表面に傷が付き易くなるからである。
硬度の調節は、シリコンゴムの架橋剤や架橋促進剤の量
により調節することができる。熱現像ドラムの場合、完
全に平らではなく、凹凸のある面状に加工されているの
が好ましい。凸面から凹面までの差が0.5μm〜6μ
mであることが好ましい。これは、熱現像材料をスリッ
プさせることなく搬送することができるからである。し
かし、この凹凸も大きすぎると熱現像材料の表面に傷が
付き易くなるので避ける必要がある。ドラムの表面の凹
凸は、シリコンゴムに混合する金属酸化物やシリカやア
ルミナ等の無機物で調節することができる。
【0024】本発明に使用するシリカは、珪酸を元に水
酸化珪素にし、これを加熱酸化することにより作製され
る。平均粒子径は1nm〜180nmの範囲のものが好
ましい。100nm以下は通常コロイダルシリカとも呼
ばれる。添加量はバインダーの質量に対して0.01%
〜40%が好ましい。これより少ない添加量では硬化が
得られず、本発明の目的の耐傷性が得られないからであ
る。これより多い添加量では透明性が得られず硬化の点
でも不利になるからである。また平均粒子径も180n
mを越えると透明性が得にくくなるからである。コロイ
ダルシリカまたはシリカは市場から容易に入手できる。
【0025】本発明に使用するフッ素化合物は、フッ素
含有脂肪族基(Rf基)を有するアニオン界面活性剤お
よびノニオン界面活性剤が好ましい。脂肪族の炭素数は
1〜36であり、より好ましい範囲は5〜16であり、
特に好ましい範囲は6〜14である。アニオン部はカル
ボン酸基又はスルホン酸基であり、ノニオン基は、ポリ
アルキレンオキシ基であり、アルキレン単位が3〜60
が好ましい。ノニオン界面活性剤は、両端が脂肪族基で
ある場合が特に好ましく、この両端にフッ素含有脂肪族
ノニオン界面活性剤とフッ素含有脂肪族アニオン界面活
性剤の併用は特に好ましい。好ましい化合物を一般式
(2)として下記に示す。
【0026】
【化7】
【0027】式中、Rfは炭素数1〜36のフッ素原子
を含む分枝または直鎖の脂肪族基を表し、Gは2価の連
結基を、Aは親水性基を表す。p、qおよびrは、0ま
たは1を表し、rが0のとき、p=q=1であり、Aは
アニオン基を表す。rが1のとき、pは1であり、qは
0を表す。Rfで表される脂肪族基としては、アルキル
基、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル
基、ドデシル基、ヘキサデシル基またはドコサニル基
等、またはアルケニル基、例えば、エテニル基、ブテニ
ル基、オクテニル基、ノネニル基またはドデセニル基等
の水素を一部または全てをフッ素原子で置換した基を示
す。Gで表される基としては、スルホンアミド基、カル
ボアミド基、フッ素化されていてもよい、ヒドロキシ基
や炭素数1〜24のアルキル基(メチル基、エチル基、
ヘキシル基、ドデシル基等)の置換基を有してもよいモ
ノまたはポリオキシアルキレン基、1,4−フェニレン
基(2−メトキシフェニレン基、2−ヒドロキシフェニ
レン基、2,5−ジメトキシフェニレン基および2,5
−ジアミルフェニレン基等)、1,3−フェニレン基
(4−メチルフェニレン基、4−メトキシフェニレン
基、4−ヒドロキシフェニレン基または4−アミルフェ
ニレン基等)、ナフチレン基(1,5−ナフチレン基ま
たは1,4−ナフチレン基等)、ヘテロ環基(ピリジン
基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、
ピラゾール基、テトラゾール基またはフラン基等)であ
り、rが0のとき、Aはスルホン酸基またはカルボン酸
基等の酸基を表し、これら酸基はナトリウム、カリウム
またはリチウム等のアルカリ金属塩であってもよい。好
ましい具体例を下記に示す。
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】本発明のフッ素化合物は、一般市場から入
手することや公知の方法により合成することができる。
本化合物を添加する方法は公知の添加方法に従って添加
することができる。メタノールやエタノール等のアルコ
ール類、メチルエチルケトンやアセトン等のケトン類、
ジメチルスルホオキシドやジメチルホルムアミド等の極
性溶媒等に溶解して添加することができる。また、サン
ドミル分散やジェットミル分散、超音波分散やホモジナ
イザー分散により1μm以下の微粒子にして水や有機溶
媒に分散して添加することもできる。微粒子分散技術に
ついては多くの技術が開示されているが、これらに準じ
て平均粒子径が0.05ミクロンから10ミクロンの微
粒子分散体を添加することができる。フッ素化合物は、
保護層に添加することが好ましいが、感光層や感光層の
下の層中に保護層より少ない量で添加することができ
る。場合によっては、保護層より多く添加してもよいが
塗布液の表面張力を調節する必要がある。添加量は、塗
布液の質量に対して0.001%〜30%の範囲、好ま
しくは0.01%〜10%の範囲である。この範囲以下
である場合は、本発明の効果が得にくいし、これ以上で
は写真性能の保存性や膜強度を劣化させる。
【0031】本発明においては、熱現像後の保存時に残
存する還元剤を不活性化し還元剤が有機銀塩を銀に還元
できないようにする化合物として、ハロゲン原子を活性
種として放出できる化合物を熱現像材料中に用いること
ができ、これらの活性ハロゲン原子を生成する好ましい
化合物としては一般式(3)で示されるポリハロメタン
化合物が挙げられる。
【0032】
【化10】
【0033】式中、Qはアリール基またはヘテロ環基を
表す。X1、X2及びX3は水素原子、ハロゲン原子、ア
シル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカル
ボニル基、スルフォニル基、アリール基を表すが、少な
くとも一つはハロゲン原子である。Yは−C(=O)
−、−SO−または−SO2−を表し、nは0または1
を表す。
【0034】Qで表されるアリール基は、単環または縮
合環であってもよく、好ましくは炭素数6〜30の単環
または二環のアリール基(例えばフェニル、ナフチル
等)であり、より好ましくはフェニル基、ナフチル基で
あり、更に好ましくはフェニル基である。
【0035】Qで表されるヘテロ環基は、N、Oまたは
Sの少なくとも一つの原子を含む3ないし10員の飽和
もしくは不飽和のヘテロ環基であり、これらは単環であ
っても良いし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。
ヘテロ環基として好ましくは、縮合環を有していてもよ
い5ないし6員の不飽和ヘテロ環基であり、より好まし
くは縮合環を有していてもよい5ないし6員の芳香族ヘ
テロ環基である。更に好ましくは窒素原子を含む縮合環
を有していてもよい5ないし6員の芳香族ヘテロ環基で
あり、特に好ましくは窒素原子を1ないし4原子含む縮
合環を有していてもよい5ないし6員の芳香族ヘテロ環
基である。このようなヘテロ環基におけるヘテロ環とし
て好ましくは、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、
ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、ト
リアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアジ
アゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、
ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリ
ン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェ
ナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベ
ンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾ
ール、インドレニン、テトラザインデンであり、より好
ましくはイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジ
ン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、チアジア
ゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナ
フチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、
テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミ
ダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、テ
トラザインデンであり、更に好ましくはイミダゾール、
ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリア
ゾール、トリアジン、チアジアゾール、キノリン、フタ
ラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シ
ンノリン、テトラゾール、チアゾール、ベンズイミダゾ
ール、ベンズチアゾール等であり、特に好ましくはピリ
ジン、チアジアゾール、キノリン、ベンズチアゾール等
である。
【0036】Qで表されるアリール基およびヘテロ環基
は−Y−C(X1)(X2)(X3)の他に置換基を有し
ていても良く、置換基として好ましくはアルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、
アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリ
ールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、
スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、ウ
レイド基、リン酸アミド基、ハロゲン原子、シアノ基、
スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヘテロ環基であ
り、より好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルアミノ基、
アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボ
ニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル
基、カルバモイル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ハ
ロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環基であり、
更に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アシル基、アシルアミノ基、ス
ルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル
基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環基で
あり、特に好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲ
ン原子である。
【0037】X1、X2及びX3は好ましくはハロゲン原
子、ハロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ス
ルファモイル基、スルホニル基、ヘテロ環基であり、よ
り好ましくはハロゲン原子、ハロアルキル基、アシル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、スルホニル基であり、更に好ましくはハロゲン原
子、トリハロメチル基であり、特に好ましくはハロゲン
原子である。ハロゲン原子の中でも好ましくは塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは塩素
原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子であ
る。
【0038】Yは−O−、−S−、−C(=O)−、−
SO−、−SO2−、−CH2=CH 2−、−CF2=CF
2−を表し、好ましくは−SO2−である。
【0039】これらの化合物の具体例を以下にあげる。
【0040】
【化11】
【0041】
【化12】
【0042】
【化13】
【0043】本発明の熱現像感光材料に使用される感光
性ハロゲン化銀は、シングルジェットもしくはダブルジ
ェット法などの写真技術の分野で公知の任意の方法によ
り、例えばアンモニア法乳剤、中性法、酸性法等のいず
れかの方法でも調製できる。この様に予め調製し、次い
で本発明の他の成分と混合して本発明に用いる組成物中
に導入することが出来る。この場合に感光性ハロゲン化
銀と有機銀塩の接触を充分に行わせるため、例えば感光
性ハロゲン化銀を調製するときの保護ポリマーとして米
国特許第3,706,564号、同第3,706,56
5号、同第3,713,833号、同第3,748,1
43号、英国特許第1,362,970号各明細書に記
載されたポリビニルアセタール類などのゼラチン以外の
ポリマーを用いる手段や、英国特許第1,354,18
6号明細書に記載されているような感光性ハロゲン化銀
乳剤のゼラチンを酵素分解する手段、または米国特許第
4,076,539号明細書に記載されているように感
光性ハロゲン化銀粒子を界面活性剤の存在下で調製する
ことによって保護ポリマーの使用を省略する手段等の各
手段を適用することが出来る。
【0044】ハロゲン化銀は、光センサーとして機能す
るものであり、画像形成後の白濁を低く抑える為又、良
好な画質を得るために粒子サイズが小さいものが好まし
い。平均粒子サイズで0.1μm以下、好ましくは0.
01μm〜0.1μm、特に0.02μm〜0.08μ
mが好ましい。又、ハロゲン化銀の形状としては特に制
限はなく、立方体、八面体の所謂正常晶や正常晶でない
球状、棒状、平板状等の粒子がある。又ハロゲン化銀組
成としても特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭
化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよ
い。
【0045】ハロゲン化銀の量はハロゲン化銀及び後述
の有機銀塩の総量に対し50%以下好ましくは25%〜
0.1%、更に好ましくは15%〜0.1%の間であ
る。
【0046】本発明の熱現像感光材料に使用される感光
性ハロゲン化銀は又、英国特許第1,447,454号
明細書に記載されている様に、有機銀塩を調製する際に
ハライドイオン等のハロゲン成分を有機銀塩形成成分と
共存させこれに銀イオンを注入する事で有機銀塩の生成
とほぼ同時に生成させることが出来る。
【0047】更に他の方法としては、予め調製された有
機銀塩の溶液もしくは分散液、または有機銀塩を含むシ
ート材料にハロゲン化銀形成成分を作用させて、有機銀
塩の一部を感光性ハロゲン化銀に変換することもでき
る。このようにして形成されたハロゲン化銀は有機銀塩
と有効に接触しており好ましい作用を呈する。ハロゲン
化銀形成成分とは有機銀塩と反応して感光性ハロゲン化
銀を生成しうる化合物であり、どのような化合物がこれ
に該当し有効であるかは次のごとき簡単な試験で判別す
る事が出来る。即ち、有機銀塩と試験されるべき化合物
を混入し必要ならば加熱した後にX線回折法によりハロ
ゲン化銀に特有のピークがあるかを調べるものである。
かかる試験によって有効であることが確かめられたハロ
ゲン化銀形成成分としては、無機ハロゲン化物、オニウ
ムハライド類、ハロゲン化炭化水素類、N−ハロゲン化
合物、その他の含ハロゲン化合物があり、その具体例に
ついては米国特許第4,009,039号、同第3,4
57,075号、同第4,003,749号、英国特許
第1,498,956号各明細書及び特開昭53−27
027、同53−25420号各公報を参考にすること
ができる。
【0048】これらのハロゲン化銀形成成分は有機銀塩
に対して化学量論的には少量用いられる。通常、その範
囲は有機銀塩1モルに対し0.001モル〜0.7モ
ル、好ましくは0.03モル〜0.5モルである。ハロ
ゲン化銀形成成分は上記の範囲で2種以上併用されても
よい。上記のハロゲン化銀形成成分を用いて有機銀塩の
一部をハロゲン化銀に変換させる工程の反応温度、反応
時間、反応圧力等の諸条件は作製の目的にあわせ適宜設
定する事が出来るが、通常、反応温度は−23℃〜74
℃、その反応時間は0.1秒〜72時間であり、その反
応圧力は大気圧に設定されるのが好ましい。この反応は
又、後述する結合剤として使用されるポリマーの存在下
に行われることが好ましい。この際のポリマーの使用量
は有機銀塩1質量部当たり0.01〜100質量部、好
ましくは0.1〜10質量部である。
【0049】上記した各種の方法によって調製される感
光性ハロゲン化銀は、例えば含硫黄化合物、金化合物、
白金化合物、パラジウム化合物またはこれらの組み合わ
せによって化学増感する事が出来る。この化学増感の方
法及び手順については、例えば米国特許第4,036,
650号、英国特許第1,518,850号各明細書、
特開昭51−22430号、同51−78319号、同
51−81124号各公報に記載されている。又ハロゲ
ン化銀形成成分により有機銀塩の一部を感光性ハロゲン
化銀に変換する際に、米国特許第3,980,482号
明細書に記載されているように、増感を達成するために
低分子量のアミド化合物を共存させてもよい。又、これ
らの感光性ハロゲン化銀には、照度不軌や、階調調整の
為に元素周期律表の6族から10族に属する金属、例え
ばRh、Ru、Re、Ir、Os、Fe等のイオン、そ
の錯体または錯イオンを含有させることが出来る。特に
元素周期律表の6族から10族に属する金属のイオンま
たは錯体イオンを含有することが好ましい。これらの金
属は錯体の形でハロゲン化銀に導入できる。
【0050】本発明においては、遷移金属錯体は、下記
式〔ML6mで表される6配位錯体が好ましい。
【0051】式中、Mは元素周期表の6〜10族の元素
から選ばれる遷移金属、Lは硬化配位子、mは0、−、
2−、3−または4−を表す。
【0052】Lで表される配位子の具体例としては、ハ
ロゲン化物(弗化物、塩化物、臭化物及び沃化物)、シ
アン化物、シアナート、チオシアナート、セレノシアナ
ート、テルロシアナート、アジド及びアコの各配位子、
ニトロシル、チオニトロシル等が挙げられ、好ましくは
アコ、ニトロシル及びチオニトロシル等である。アコ配
位子が存在する場合には、配位子の一つまたは二つを占
めることが好ましい。Lは同一でもよく、また異なって
いてもよい。Mとして特に好ましい具体例は、ロジウム
(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)及び
オスミウム(Os)である。金属のイオンまたは錯体イ
オンの含有量としては、一般的にはハロゲン化銀1モル
当たり1×10-9〜1×10-2モルが適当であり、好ま
しくは1×10-8〜1×10-4モルである。
【0053】これらの金属のイオンまたは錯体イオンを
提供する化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時に添加し、
ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましく、ハ
ロゲン化銀粒子の調製、つまり核形成、成長、物理熟
成、化学増感の前後のどの段階で添加してもよいが、特
に核形成、成長、物理熟成の段階で添加するのが好まし
く、更には核形成、成長の段階で添加するのが好まし
く、最も好ましくは核形成の段階で添加する。添加に際
しては、数回に渡って分割して添加してもよく、ハロゲ
ン化銀粒子中に均一に含有させることもできるし、特開
昭63−29603号、特開平2−306236号、同
3−167545号、同4−76534号、同6−11
0146号、同5−273683号等に記載されている
様に粒子内に分布を持たせて含有させることもできる。
好ましくは粒子内部に分布をもたせることができる。
【0054】これらの金属化合物は、水或いは適当な有
機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコー
ル類、ケトン類、エステル類、アミド類)に溶解して添
加することができるが、例えば金属化合物の粉末の水溶
液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶
解した水溶液を、粒子形成中の水溶性銀塩溶液または水
溶性ハライド溶液中に添加しておく方法、或いは銀塩溶
液とハライド溶液が同時に混合されるとき第3の水溶液
として添加し、3液同時混合の方法でハロゲン化銀粒子
を調製する方法、粒子形成中に必要量の金属化合物の水
溶液を反応容器に投入する方法、或いはハロゲン化銀調
製時に予め金属のイオンまたは錯体イオンをドープして
ある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させる方法等
がある。特に、金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属
化合物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を
水溶性ハライド溶液に添加する方法が好ましい。粒子表
面に添加する時には、粒子形成直後または物理熟成時途
中もしくは終了時または化学熟成時に必要量の金属化合
物の水溶液を反応容器に投入することもできる。
【0055】本発明のハロゲン化銀には、例えば特開昭
63−159841号、同60−140335号、同6
3−231437号、同63−259651号、同63
−304242号、同63−15245号、米国特許第
4,639,414号、同第4,740,455号、同
第4,741,966号、同第4,751,175号、
同第4,835,096号に記載された増感色素が使用
できる。本発明に使用される有用な増感色素は例えばR
esearch Disclosure Item17
643IV−A項(1978年12月p.23)、同I
tem1831X項(1978年8月p.437)に記
載もしくは引用された文献に記載されている。特に各種
スキャナー光源の分光特性に適した分光感度を有する増
感色素を有利に選択することができる。例えば特開平9
−34078号、同9−54409号、同9−8067
9号記載の化合物が好ましく用いられる。
【0056】本発明において有機銀塩は有機酸及びヘテ
ロ有機酸の銀塩、特にこの中でも長鎖の(炭素数10〜
30、好ましくは15〜25)脂肪族カルボン酸及び含
窒素複素環化合物の銀塩が好ましい。配位子が銀イオン
に対する総安定度常数として4.0〜10.0の値をも
つような有機または無機の錯体も好ましい。これら好適
な銀塩の例としては、Research Disclo
sure第17029及び29963に記載されてお
り、以下のものが挙げられる。有機酸の銀塩、例えば、
没食子酸、蓚酸、ベヘン酸、ステアリン酸、アラキジン
酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の銀塩。銀のカルボキ
シアルキルチオ尿素塩、例えば、1−(3−カルボキシ
プロピル)チオ尿素、1−(3−カルボキシプロピル)
−3,3−ジメチルチオ尿素等の銀塩、アルデヒドとヒ
ドロキシ置換芳香族カルボン酸とのポリマー反応生成物
の銀塩または錯体、例えば、アルデヒド類(ホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等)、ヒ
ドロキシ置換酸類(例えば、サリチル酸、安息香酸、
3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5,5−チオジサリチ
ル酸)の反応生成物の銀塩または錯体、チオン類の銀塩
または錯体、例えば、3−(2−カルボキシエチル)−
4−ヒドロキシメチル−4−チアゾリン−2−チオン、
及び3−カルボキシメチル−4−チアゾリン−2−チオ
ン等の銀塩または錯体、イミダゾール、ピラゾール、ウ
ラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H−テトラゾ
ール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−ト
リアゾール及びベンゾトリアゾールから選択される窒素
酸と銀との錯体または塩、サッカリン、5−クロロサリ
チルアルドキシム等の銀塩、及びメルカプチド類の銀
塩。これらの中、好ましい銀塩としてはベヘン酸銀、ア
ラキジン酸銀またはステアリン酸銀である。
【0057】有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と
錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正
混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−12764
3号に記載されている様なコントロールドダブルジェッ
ト法等が好ましく用いられる。例えば、有機酸にアルカ
リ金属塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
など)を加えて有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、
ベヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウムなど)を
作製した後に、コントロールダブルジェットにより、前
記ソープと硝酸銀などを添加して有機銀塩の結晶を作製
する。その際にハロゲン化銀粒子を混在させてもよい。
【0058】本発明においては有機銀塩は平均粒径が2
μm以下であり、かつ単分散であることが好ましい。有
機銀塩の平均粒径とは、有機銀塩の粒子が例えば球状、
棒状、或いは平板状の粒子の場合には、有機銀塩粒子の
体積と同等な球を考えたときの直径をいう。平均粒径は
好ましくは0.05μm〜1.5μm、特に0.05μ
m〜1.0μmが好ましい。また単分散とは、ハロゲン
化銀の場合と同義であり、好ましくは単分散度が1〜3
0である。また、本発明においては、有機銀塩は平板状
粒子が全有機銀の60%以上有することが好ましい。本
発明において平板状粒子とは平均粒径と厚さの比、いわ
ゆるアスペクト比(ARと略す)が3以上のものをい
う。有機銀をこれらの形状にするためには、前記有機銀
結晶をバインダーや界面活性剤などをボールミルなどで
分散粉砕することで得られる。この範囲にすることで濃
度の高く、かつ画像保存性に優れた感光材料が得られ
る。ハロゲン化銀及び有機銀塩の総量は、銀量に換算し
て1m2当たり0.5g以上2.2g以下であることが
好ましい。この範囲にすることで硬調な画像が得られ
る。また、銀総量に対するハロゲン化銀の量は質量比で
50%以下、好ましくは25%以下、更に好ましくは
0.1%〜15%の間である。
【0059】本発明に使用する還元剤はハロゲン化銀を
還元する還元剤を有機銀塩の還元剤として共用できる
し、また独立して使用できる。例えば、ビスフェノール
(例えば、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5
−メチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,4−エチリ
デン−ビス(2−t−ブチル−6−メチルフェノー
ル)、1,1,−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメ
チルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサンおよ
び2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン等);アスコルビン酸誘導体(例え
ば、パルミチン酸1−アスコルビル、ステアリン酸アス
コルビル等);ならびにベンジルおよびビアセチル等の
アルデヒドおよびケトン;3−ピラゾリドンおよびある
種のインダン−1,3−ジオン、トコフェロールがあ
る。フェニルアミドオキシム、2−チエニルアミドオキ
シムおよびp−フェノキシフェニルアミドオキシム等の
アミドオキシム;例えば4−ヒドロキシ−3,5−ジメ
トキシベンズアルデヒドアジン等のアジン;2,2−ビ
ス(ヒドロキシメチル)プロピオニル−β−フェニルヒ
ドラジンとアスコルビン酸との組合せのような脂肪族カ
ルボン酸アリールヒドラジドとアスコルビン酸との組合
せ;ポリヒドロキシベンゼンと、ヒドロキシルアミン、
レダクトンおよび/またはヒドラジンの組合せ(例えば
ハイドロキノンと、ビス(エトキシエチル)ヒドロキシ
ルアミン、ピペリジノヘキソースレダクトンまたはホル
ミル−4−メチルフェニルヒドラジンの組合せ等);フ
ェニルヒドロキサム酸、p−ヒドロキシフェニルヒドロ
キサム酸およびβ−アリニンヒドロキサム酸等のヒドロ
キサム酸;アジンとスルホンアミドフェノールとの組合
せ(例えば、フェノチアジンと2,6−ジクロロ−4−
ベンゼンスルホンアミドフェノール等);エチル−α−
シアノ−2−メチルフェニルアセテート、エチル−α−
シアノフェニルアセテート等のα−シアノフェニル酢酸
誘導体;2,2−ジヒドロキシ−1,1−ビナフチル、
6,6−ジブロモ−2,2−ジヒドロキシ−1,1−ビ
ナフチルおよびビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)
メタンに例示されるようなビス−β−ナフトール;ビス
−β−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導
体(例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンまた
は2,4−ジヒドロキシアセトフェノン等)の組合せ;
3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン等の、5−
ピラゾロン;ジメチルアミノヘキソースレダクトン、ア
ンヒドロジヒドロアミノヘキソースレダクトンおよびア
ンヒドロジヒドロピペリドンヘキソースレダクトンに例
示されるようなレダクトン;2,6−ジクロロ−4−ベ
ンゼンスルホンアミドフェノールおよびp−ベンゼンス
ルホンアミドフェノール等のスルホンアミドフェノール
還元剤;2−フェニルインダン−1,3−ジオン等;
2,2−ジメチル−7−t−ブチル−6−ヒドロキシク
ロマン等のクロマン;2,6−ジメトキシ−3,5−ジ
カルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジン等の1,4
−ジヒドロピリジン特に好ましい還元剤としては、ビス
フェノール類である。
【0060】添加量は、使用するハロゲン化銀塩および
有機銀塩を充分還元する量であればよく、銀1モルに対
して0.01モルから10モルまでの範囲を選択するこ
とができる。特に好ましい添加量は、0.1モル〜3モ
ルの範囲である。添加する層は感光層が主であるが、一
部保護層や感光層の下の層に分割添加することができ
る。
【0061】本発明においては、用いられるマット剤
は、有機物及び無機物のいずれでもよい。例えば、無機
物としては、スイス特許第330,158号等に記載の
シリカ、仏国特許第1,296,995号等に記載のガ
ラス粉、英国特許第1,173,181号等に記載のア
ルカリ土類金属または炭酸塩等をマット剤として用いる
ことができる。有機物としては、米国特許第2,32
2,037号等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,
451号や英国特許第981,198号等に記載された
澱粉誘導体、特公昭44−3643号等に記載のポリビ
ニルアルコール、スイス特許第330,158号等に記
載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特
許第3,079,257号等に記載のポリアクリロニト
リル、米国特許第3,022,169号等に記載された
ポリカーボネートの様な有機マット剤を用いることがで
きる。特に好ましい無機物はシリカであり、有機物はメ
タクリル酸メチルである。更に好ましいマット剤は外表
面が水酸基を持つように加工されたもので、例えば、メ
タクリル酸メチルの重合の時にヒドロキシエチルメタク
リート、4−ヒドロキシシクロヘキシルメタクリレー
ト、2,3−プロピルメタクリレーチ等を共重合させた
もの、あるいはグリシジルメタクリレートを共重合さ
せ、加水分解によりエポキシ環を開かせたもの、その他
ヒドロキシ基を有するモノマーを共重合したもの等が好
ましい。
【0062】マット剤の形状は、定形、不定形どちらで
も良いが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられ
る。マット剤の大きさはマット剤の体積を球形に換算し
たときの直径で表される。本発明においてマット剤の粒
径とはこの球形換算した直径のことを示すものとする。
本発明に用いられるマット剤は、平均粒径が0.5μm
〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは1.
0μm〜8.0μmである。又、粒子の単分散度は50
以下であることが好ましく、更に好ましくは40以下で
あり、特に好ましくは20以下となるマット剤である。
ここで、粒子の単分散度は粒子径の標準偏差を粒子径の
平均値で割り100を掛けた数字で表される。本発明に
係るマット剤の添加方法は、予め塗布液中に分散させて
塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布した後、
乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法を用いて
もよい。また複数の種類のマット剤を添加する場合は、
両方の方法を併用してもよい。マット剤の添加量は、バ
インダー1g当たり1マイクログラム〜1gの範囲で添
加することができるが、透明性や膜の強度、摩擦係数、
フィルムの保存時のくっつき等から0.001g〜0.
1gの範囲が適当である。
【0063】本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理に
て写真画像を形成するもので、還元可能な銀源(有機銀
塩)、触媒活性量のハロゲン化銀、ヒドラジン誘導体、
還元剤、及び必要に応じて銀の色調を抑制する色調剤を
通常(有機)バインダーマトリックス中に分散した状態
で含有している熱現像感光材料であることが好ましい。
【0064】本発明の熱現像感光材料は常温で安定であ
るが、露光後高温(例えば、80℃〜200℃)に加熱
することで現像される。加熱は、一定の温度で一定時間
加熱する1段階方式と予備加熱、本加熱、あるいは後加
熱のように段階的に加熱する方法等あるが、適宜加熱方
式を選択することができる。加熱することで有機銀塩
(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反
応を通じて銀を生成する。この酸化還元反応は露光でハ
ロゲン化銀に発生した潜像の触媒作用によって促進され
る。露光領域中の有機銀塩の反応によって生成した銀は
黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画
像の形成がなされる。この反応過程は、外部から水等の
処理液を供給することなしで進行する。
【0065】本発明の支持体としてはポリエチレンテレ
フタレート等のポリエステル、ポリカーボネートやポリ
プロピレン等のプラスチックフィルムなどの支持体が使
用可能であり、またこれらを組み合わせた複合シ−トを
任意に用いてもよい。
【0066】本発明において、露光はレーザー走査露光
により行うことが好ましいが、感光材料の露光面と走査
レーザー光のなす角が実質的に垂直になることがないレ
ーザー走査露光機を用いることが好ましい。ここで、
「実質的に垂直になることがない」とはレーザー走査中
に最も垂直に近い角度として好ましくは55度以上88
度以下、より好ましくは60度以上86度以下、更に好
ましくは65度以上84度以下、最も好ましくは70度
以上82度以下であることをいう。
【0067】レーザー光が、感光材料に走査されるとき
の感光材料露光面でのビームスポット直径は、好ましく
は200μm以下、より好ましくは100μm以下であ
る。これは、スポット径が小さい方がレーザー入射角度
の垂直からのずらし角度を減らせる点で好ましい。な
お、ビームスポット直径の下限は10μmである。この
ようなレーザー走査露光を行うことにより干渉縞様のム
ラの発生等のような反射光に係る画質劣化を減じること
が出来る。また、本発明における露光は縦マルチである
走査レーザー光を発するレーザー走査露光機を用いて行
うことも好ましい。縦単一モードの走査レーザー光に比
べて干渉縞様のムラの発生等の画質劣化が減少する。縦
マルチ化するには、合波による、戻り光を利用する、高
周波重畳をかける、などの方法がよい。なお、縦マルチ
とは、露光波長が単一でないことを意味し、通常露光波
長の分布が5nm以上、好ましくは10nm以上になる
とよい。露光波長の分布の上限には特に制限はないが、
通常60nm程度である。
【0068】本発明の現像は、80℃〜180℃の範囲
で現像することが好ましく、一定時間予熱し、110℃
〜130℃で現像し、その後室温まで冷却することが好
ましい。
【0069】本発明に用いることができる熱現像機の現
像部を図1に示す。現像されるフィルムは露光された
後、挿入口7より矢印方向に挿入ローラー5で熱ドラム
4まで送られ、熱ドラム4の外周に配置された熱ローラ
ー群2と熱ドラム4の間を加熱されながら走行し、排出
ローラー6で排出口8より矢印方向に排出される。熱現
像材料の熱ドラムに接する面は、乳剤面またはBC面が
可能であるが好ましくはBC面である。熱ドラムと熱ロ
ーラーは同期して回転するのが好ましいが回転数を微小
制御して引き延しや収縮傾向にすることもできる。熱源
3は赤外線ヒーターやニクロム線等を使用できる。熱ド
ラムの断熱遮蔽1は、熱線を反射するコールドミラーを
付けて現像温度を制御することもできる。
【0070】本発明の熱現像機の熱現像部に採用する熱
ローラーおよび熱ドラムの少なくとも一方は、耐熱性、
耐薬品性、耐摩耗性、帯電防止特性等を備えた任意のロ
ーラーを採用することができるが、特に耐熱性と耐薬品
性を高めたシリコーンゴム(オルガノポリシロキサン)
を被覆した熱ドラムおよび熱ローラーが好ましい。シリ
コーンゴムは、必要に応じて種々の添加剤を添加して熱
伝導性、色調、硬さ、摩擦係数等が調節される。代表的
な添加剤としてはシリカ、カーボンブラックや黒ベンガ
ラが知られている。中でも本発明においては黒ベンガラ
は効果的である。
【0071】好ましいオルガノポリシロキサンの配合例
は、珪素原子の一部を炭素数1〜30の異種原子で置換
されてもよいオルガノポリシロキサン(A)100質量
部、金属酸化物(B)1〜50質量部、及び硬化剤
(C)である。
【0072】本発明に特に好ましいシリコーンゴムの調
製は成分(A)のオルガノポリシロキサンの珪素原子は
異なる置換または非置換の炭素数1〜10の1価炭化水
素基を有し、アルキル基、アルケニル基、アリール基な
どが例示され、特にメチル基、ビニル基及びフェニル基
から選択される一価の基が好ましい。アルケニル基は
0.01〜5モル%、特に0.02〜0.5モル%含有
されることが好ましい。また置換炭化水素基としてはア
ルキル基、アルケニル基、アリール基などの非置換炭化
水素基の炭素原子に結合する水素原子の一部または全部
をハロゲン原子、シアノ基などで置換した、例えば3,
3,3−トリフロロプロピル基、2−シアノエチル基な
どが挙げられ、3,3,3−トリフロロプロピル基が特
に好ましい。また、分子鎖両末端基としてはヒドロキシ
基、トリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、ト
リビニルシリル基などが挙げられるが特にこれらに限定
されない。成分(A)のオルガノポリシロキサンは、十
分な機械強度を出すために、重合度が2,700以上、
好ましくは3,000〜20,000であるが、特に好
ましくは4,800〜10,000である。また成分
(A)のオルガノポリシロキサンは構造や重合度の異な
る2種以上を併用することもできる。
【0073】成分(B)は、シリコーンゴムに適度の硬
さを与え且つその引張り強さ等の機械強度を向上させる
ために、適した化合物が好ましく、金属酸化物が特に好
ましい。成分(B)の配合量は成分(A)のオルガノポ
リシロキサン100質量部に対して10〜100質量部
であり、好ましくは20〜50質量部である。配合量が
この数値範囲外であると、シリコーンゴム組成物の加工
性が悪くなったり、十分な機械強度が得られなくなる場
合がある。
【0074】成分(C)の硬化剤は本発明の組成物を硬
化させてシリコーンゴムとするものであり、一般には有
機過酸化物が使用される。また成分(A)のオルガノポ
リシロキサンが分子中に2個以上のアルケニル基を含有
する場合には硬化剤としてオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンと白金系触媒の組合わせたものが好ましい。
硬化剤の量は後記のように本発明の組成物を硬化させる
のに十分な量であればよい。本発明で使用可能な有機過
酸化物を例示するとジクミルパーオキサイド、ジt−ブ
チルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベン
ゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、2,
4−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、4−クロロベ
ンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。これら有機過
酸化物の配合量は、本発明の組成物を硬化させるのに十
分な量として成分(A)100質量部に対して0.1〜
10質量部の範囲内である。
【0075】成分(A)のオルガノポリシロキサンが分
子中に2個以上のアルケニル基を含有する場合に硬化剤
として使用可能なオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンとしては、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハ
イドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキ
シ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシ
ロキサン共重合体、両末端メチルハイドロジェンシロキ
シ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシ
ロキサン共重合体などが例示される。他方白金系触媒と
しては塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化
白金酸とジビニルテトラメチルシロキサンとの錯体等が
例示される。上記のオルガノハイドロジェンポリシロキ
サンの配合量は、一般に、オルガノハイドロジェンポリ
シロキサン中に含まれるケイ素原子に結合する水素原子
のモル数と(A)成分中のアルケニル基のモル数との比
率が(0.5:1)〜(20:1)になる量であり、白
金系触媒の量は、一般に(A)成分の質量にもとづい
て、白金量換算で0.1〜3,000ppm程度であり
耐熱化化剤として白金化合物を用いる場合は共用でき
る。
【0076】シリコーンゴム組成物は、前記成分(A)
〜(C)以外に、本発明の目的を損なわない範囲内の量
で、通常シリコーンゴムに適宜配合される種々のゴム配
合剤、例えばジフェニルシランジオール、低重合度の分
子鎖末端水酸基のシリコーンオイル、ヘキサメチルジシ
ラザン、アルコキシシラン等の分散剤、粉砕シリカ、け
いそう土、酸化亜鉛、酸化チタン、カーボンブラック、
酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭
酸亜鉛、アスベスト、ガラスウール、微粉マイカ、溶融
シリカ粉末等を添加配合しても差し支えない。更に必要
に応じて老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、窒化ホ
ウ素、酸化アルミニウム等の熱伝導性向上剤などを配合
してもよい。
【0077】シリコーンゴム組成物を製造する方法とし
ては、特に限定されないが、成分(A)および成分
(B)をニーダー等の混練装置に仕込み、室温で配合し
た後、80℃〜200℃の温度で、30分〜5時間熱処
理しその後成分(C)を加えローラーミルやバンバリー
ミキサー等で混練りする方法などを採用することができ
る。このようにして得られるシリコーンゴムは、良好な
耐熱性と熱現像材料の現像適正を与えることができる。
シリコンゴムは無機微粒子を添加することや成形の型の
表面形状により、凹凸面を形成させることができる。こ
の凹凸面は、熱現像材料の均一な現像、傷の付きや汚れ
の低減をを行うために調節される。本発明においては平
均凹凸面差は0.5μm〜6μmであることが好まし
い。凹凸の頻度に制限はないが、1mm当たり10〜1
000個であることが好ましい。
【0078】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0079】実施例1 [下引済み写真用支持体の作製]厚さ175μmのポリ
エチレンテレフタレート支持体の両面に8w/m2・分
のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液a
−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させ
て下引層A−1とし、また反対側の面に下記下引塗布液
b−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥さ
せて下引層B−1とした。
【0080】 《下引塗布液a−1》 ブチルアクリレート(30質量%) t−ブチルアクリレート(20質量%) スチレン(25質量%) 2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量%) の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1lに仕上げる 《下引塗布液b−1》 ブチルアクリレート(40質量%) スチレン(20質量%) グリシジルアクリレート(40質量%) の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1lに仕上げる 引き続き、下引層A−1及び下引層B−1の上表面に、
8w/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の上
には、下記下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚0.1μm
になる様に下引上層A−2として、下引層B−1の上に
は下記下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.8μmにな
る様に帯電防止機能をもつ下引上層B−2として塗設し
た。
【0081】 《下引上層塗布液a−2》 ゼラチン 0.4g/m2になる質量 シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g 水で1リットルに仕上げる 《下引上層塗布液b−2》 スチレンブタジエン共重合ラテックス液(固形分20%) 80g ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6g 水で1リットルに仕上げる (ハロゲン化銀粒子乳剤Aの調製)水900ml中にイ
ナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶
解して温度35℃、pHを2.5に合わせた後、硝酸銀
74gを含む水溶液370mlと(98/2)のモル比
の臭化カリウムと沃化カリウムを含む水溶液(硝酸銀と
当モル量)をpAg7.7に保ちながらコントロールド
ダブルジェット法で10分間かけて添加した。その後4
−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラ
ザインデン0.3gを添加しNaOHでpHを5.1に
調整して平均粒子サイズ0.06μm、投影直径面積の
変動係数8%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化
銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集
沈降させ脱塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加
え、pH5.9、pAg7.5に調整して、ハロゲン化
銀粒子乳剤Aを得た。
【0082】(ハロゲン化銀を含む水分散有機銀塩の調
製)4720mlの純水にベヘン酸111.4g、アラ
キジン酸83.8g、ステアリン酸54.9gを80℃
で溶解した。次に高速で攪拌しながら1.5Mの水酸化
ナトリウム水溶液540.2mlを添加し濃硝酸6.9
mlを加えた後、55℃に冷却して有機酸ナトリウム溶
液を得た。上記の有機酸ナトリウム溶液の温度を55℃
に保ったまま、上記ハロゲン化銀乳剤(銀0.038モ
ルを含む)と純水450mlを添加し5分間攪拌した。
次に1Mの硝酸銀溶液760.6mlを2分間かけて添
加し、さらに20分攪拌し、濾過により水溶性塩類を除
去した。その後、濾液の電導度が2μS/cmになるま
で脱イオン水による水洗、濾過を繰り返し、所定の濃度
まで水を加えて仕上げた。
【0083】 感光層面側塗布 AH層(第1層) バインダー:ポリビニルブチラール(PVB−1) 0.3g/m2 染料C 8mg/m2 感光層(第2層)感光層の調製は以下の組成物の水分散
体を水に加えて塗布液を調製した。この塗布液を35℃
に保ち、銀電極と10%KNO3塩溶液からなる塩橋を
介した3M溶液中のAg/AgCl電極からなる参照電
極から形成される銀電位計を用いて銀電位を測定後、以
下の付き量になるように塗布乾燥した。
【0084】銀量として1.2g/m2となるように調
製したハロゲン化銀を含む有機銀塩調製液をポリマーバ
インダーと混合して下記付き量となるように塗布した。
【0085】 バインダー:ポリビニルブチラール(PVB−1) 5.6g/m2 硬化剤:表1記載 0.21mmol/m2 増感色素A 8mg/m2 カブリ防止剤−1:2−メルカプトベンツイミダゾール 0.3mg/m2 カブリ防止剤−2:イソチアゾロン 1.2mg/m2 還元剤:1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル) −3,5,5−トリメチルヘキサン 3.3ミリモル/m2 表面保護層(第3層) バインダー:アセチル化度15%のカルボキシアセチルセルロース 1.2g/m2 4−メチルフタル酸 0.7g/m2 テトラクロロフタル酸 0.2g/m2 テトラクロロフタル酸無水物 0.5g/m2 ポリメタクリル酸メチルマット剤(平均粒径5μm) 0.05g/m2 1,2−(ビスビニルスルホンアセトアミド)エタン 0.3g/m2 硬化剤:表1記載 0.16mmol/m2 バック面側塗布バック層およびバック層保護層を以下の
組成物の水溶液または水分散体を水に加えて調製した塗
布液を以下の付き量なるようにカーテン塗布同時重層塗
布乾燥した。
【0086】 バック層(第1層) イナートゼラチン 1.1g/m2 染料C 12mg/m2 コロイダルシリカ 12mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 13mg/m2 バック層保護膜(第2層) イナートゼラチン 0.8g/m2 マット剤(PMMA:平均粒径3μm) 0.02g/m2 活性剤:N−プロピルオクチルスルホンアミド酢酸 0.02g/m2 硬膜剤:1,2−ビス(ビニルスルホンアミド)エタン 0.02g/m2 上記の組成物をMEK溶媒に溶解し、上記付き量で押し
出し塗布機を用い塗布速度600m/分で同時重層塗布
し48℃56秒で乾燥した。
【0087】
【化14】
【0088】《写真性能の評価》作製した試料を2つに
分け、一方は室温下保存試料として相対湿度48%、2
3℃下で保存し、一方は、高温保存試料として46℃下
70時間保存した試料を作製し、半導体レーザー感光計
で露光し、次いで熱ドラムを用いてBC側に熱ドラムを
接触させながら120℃6秒で熱現像処理した。得られ
た画像のカブリおよび感度を濃度計により測定した。感
度はカブリ濃度より0.3高い濃度を与える露光量の比
の逆数で評価した。室温保存試料と高温保存試料のカブ
リと感度の差を求めた。耐傷性は、塗布後試験試料を3
5℃6時間保存後、引っ掻き試験機で評価した。引っ掻
き試験機は新東科学株式会社製表面性測定機タイプ14
DRで、サイファイア細針を使用し、針の先端は直径
0.25mmの半球状で針の上に加重を掛けながら試験
試料上をスキャンし、傷の付く加重を求めた。試験内容
と評価した結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】本発明の硬化剤化合物を使用すると耐傷性
に優れ、カブリ変化および感度変化が少なく保存性のよ
いことがわかる。
【0091】実施例2 実施例1と同様に試料を作製したが、ここでは保護層に
平均粒子径30nmのコロイダルシリカを0.1g/m
2添加して性能を評価した。得られた結果を表2に示
す。
【0092】
【表2】
【0093】本発明の硬化剤化合物とシリカを使用する
と耐傷性に優れ、カブリ変化および感度変化が少なく保
存性のよいことがわかる。
【0094】実施例3 実施例1と同様に試料を作製し評価したが、ここでは、
表3のように化合物を添加した。フッ素化合物を0.1
ミリモル/m2およびシリカを0.09g/m2保護層
に、感光層に0.07ミリモル/m2となるようにポリ
ハロメタン化合物を添加した。試験内容と評価した結果
を表3に示す。尚、評価方法は実施例1と同様に実施し
た。
【0095】
【表3】
【0096】本発明の硬化剤、フッ素化合物またはポリ
ハロメタン化合物を使用すると保存性や耐傷性が向上し
ていることがわかる。
【0097】実施例4 実施例1〜実施例3までの作製試料を選択して現像試験
を行った。現像試験には熱現像機の熱ドラムおよび熱ロ
ーラーの外周を被覆したシリコンゴムの材質を下記のよ
うに変化させた。シリコンゴムの調製を下記に示す。
【0098】シリコンゴムの調製 エチレン基を6モル%含むポリメチルシロキサン260
g、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジ
ェンポリシロキサンを38g、重合開始剤としてブトキ
シパーオキサイドを3g、塩化金酸を36μg、平均粒
子径6μm酸化鉄である黒ベンガラを56gを加えて、
ニーダーで混合しながら160℃3時間反応させた。デ
ュロメーター硬度Aは40であった。以下同様に反応温
度を180℃まで変化させながら、あるいは塩化金酸を
130μgまで増量させながらデュロメーター硬度(J
ISのK7215のタイプA)を上げるシリコンゴムを
作製した。
【0099】作製したシリコンゴムは直径20cmのス
テンレス(SUS304)熱ドラムに5mm厚さで被覆
した。被覆後、幅10cm長さ40cmの試験試料10
0枚を用意し、標準条件より5℃高い125℃で処理時
間を20秒間に設定した現像条件で試験試料を処理し
た。熱ドラムの汚れは、各々の表面に200kPaの加
重を掛けながら、白いポリエステルの布でふき取り、布
の汚れのレベルを目視評価した。最も良いレベルを5、
最も悪いレベルを1とした。3は中間で実用的には問題
ないレベルである。試験内容と評価結果を表4に示す。
【0100】
【表4】
【0101】本発明の感光材料を用い、本発明の表面硬
度の熱ドラムを有する熱現像機を用いることにより、汚
れ付着の少ない現像方法を提供することができた。
【0102】
【発明の効果】カブリを低減し、大量の処理において
も、処理膜面上に現像機の熱ドラムの表面加工跡がで
ず、現像後の観察光でプリントアウトしにくい熱現像材
料を提供すると共に、汚れの発生の少ない現像装置また
は現像方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる熱現像装置の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 熱ドラムの断熱遮蔽 2 熱ローラー 3 熱源 4 熱ドラム 5 挿入ローラー 6 排出ローラー 7 挿入口 8 排出口

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも一方の面に感光性ハ
    ロゲン化銀粒子、有機銀塩および還元剤を含有する感光
    層を有する熱現像材料において、該熱現像材料を構成す
    るバインダーが金属キレート化合物の存在下で硬化され
    たことを特徴とする熱現像材料。
  2. 【請求項2】 金属キレート化合物が下記一般式(1)
    で表される配位子を有し、該金属キレート化合物の金属
    原子はアルミニウム、ジルコニウム、チタニウムまたは
    亜鉛から選ばれることを特徴とする請求項1記載の熱現
    像材料。 【化1】 (式中、R1はそれぞれ炭素数が1〜30のアルキル
    基、アルケニル基、アルコキシ基またはアルケニルオキ
    シ基であり、R2およびR3はそれぞれ異なってもよい炭
    素数が1〜4のアルキル基、アルケニル基を表す。)
  3. 【請求項3】 金属原子がアルミニウム、ジルコニウ
    ム、チタニウムまたは亜鉛であり、それぞれの金属原子
    への平均配位分子数が、アルミニウムに対しては0.5
    〜3.0、亜鉛およびジルコニウムに対しては0.5〜
    2.0、チタニウムに対しては1.0〜4.0である前記
    一般式(1)で表される配位子を有する金属キレート化
    合物であることを特徴とする請求項2記載の熱現像材
    料。
  4. 【請求項4】 熱現像材料を構成する層の少なくとも一
    層に平均粒子径1nm〜180nmのシリカを含むこと
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の熱現像
    材料。
  5. 【請求項5】 熱現像材料の保護層がフッ素化合物また
    はポリハロメタン化合物を含むことを特徴とする請求項
    1〜4の何れか1項記載の熱現像材料。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項記載の熱現像
    材料を処理する現像機の熱ドラムの熱現像材料に接触す
    る面の硬度がデュロメーター硬度Aで20〜90である
    ことを特徴とする熱現像方法。
JP2000143177A 2000-05-16 2000-05-16 熱現像材料およびその熱現像方法 Pending JP2001324776A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000143177A JP2001324776A (ja) 2000-05-16 2000-05-16 熱現像材料およびその熱現像方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000143177A JP2001324776A (ja) 2000-05-16 2000-05-16 熱現像材料およびその熱現像方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001324776A true JP2001324776A (ja) 2001-11-22

Family

ID=18650032

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000143177A Pending JP2001324776A (ja) 2000-05-16 2000-05-16 熱現像材料およびその熱現像方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001324776A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019188200A1 (ja) * 2018-03-27 2019-10-03 ダイキン工業株式会社 スルファミン酸リチウムの製造方法及び新規スルファミン酸リチウム
CN111919326A (zh) * 2018-03-27 2020-11-10 大金工业株式会社 电解液、电化学器件、锂离子二次电池、组件以及化合物
US11916195B2 (en) 2018-03-27 2024-02-27 Daikin Industries, Ltd. Electrolyte solution, electrochemical device, lithium ion secondary battery, and module

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019188200A1 (ja) * 2018-03-27 2019-10-03 ダイキン工業株式会社 スルファミン酸リチウムの製造方法及び新規スルファミン酸リチウム
CN111902396A (zh) * 2018-03-27 2020-11-06 大金工业株式会社 氨基磺酸锂的制造方法和新型氨基磺酸锂
CN111919326A (zh) * 2018-03-27 2020-11-10 大金工业株式会社 电解液、电化学器件、锂离子二次电池、组件以及化合物
KR20200133371A (ko) * 2018-03-27 2020-11-27 다이킨 고교 가부시키가이샤 술팜산리튬의 제조 방법 및 신규 술팜산리튬
CN111902396B (zh) * 2018-03-27 2022-08-05 大金工业株式会社 氨基磺酸锂的制造方法和新型氨基磺酸锂
CN114957050A (zh) * 2018-03-27 2022-08-30 大金工业株式会社 氨基磺酸锂
KR102542791B1 (ko) * 2018-03-27 2023-06-14 다이킨 고교 가부시키가이샤 술팜산리튬의 제조 방법 및 신규 술팜산리튬
US11916195B2 (en) 2018-03-27 2024-02-27 Daikin Industries, Ltd. Electrolyte solution, electrochemical device, lithium ion secondary battery, and module

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3833393B2 (ja) 熱現像画像記録材料
JP2001318449A (ja) 熱現像システム
JP3915373B2 (ja) 熱現像感光材料及びその画像形成方法
US6468725B2 (en) Photothermographic material
US20050282095A1 (en) Silver salt photothermographic dry imaging material and image recording method
JP3832946B2 (ja) 熱画像形成材料の塗布方法、熱画像形成層塗布液、熱画像形成材料および感光性熱現像画像形成材料
JP2001324776A (ja) 熱現像材料およびその熱現像方法
JP4244275B2 (ja) 感光感熱転写材料、及び光学フィルターの形成方法
JP2001272751A (ja) 熱現像材料及びその現像方法
JP3847461B2 (ja) 熱現像画像記録材料
EP0911691B1 (en) Recording elements and making methods
JP3922904B2 (ja) 熱現像感光材料
JP3841317B2 (ja) 画像形成方法
JP3760684B2 (ja) 熱現像感光材料
JP2001183770A (ja) 熱現像材料及びその熱現像方法
JP2001235831A (ja) 熱現像材料、画像形成方法、熱現像方法およびシート材料
JP2004054002A (ja) 熱現像感光材料
JP2003315959A (ja) 熱現像材料
JP3799885B2 (ja) 画像形成方法
JPH09281636A (ja) 熱現像感光材料
JP4202631B2 (ja) 熱現像感光材料、及び画像形成方法
JP2003091054A (ja) 熱現像写真感光材料及び画像形成方法
JP4078876B2 (ja) 写真用支持体及び熱現像感光材料
JP3675598B2 (ja) 熱現像感光材料
JP3800885B2 (ja) 熱現像感光材料