JP3799885B2 - 画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は搬送性に優れた熱現像ムラの少ない熱現像感光材料の画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来印刷製版や医療の分野では、画像形成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業上の問題となっており、近年では環境保全、省スペースの観点からも処理廃液の減量が強く望まれている。そこでレーザーイメージャーやレーザーイメージセッターにより効率的な露光が可能で、高解像度で鮮明な黒色画像を形成する事ができる写真技術用途の光熱写真材料に関する技術が必要とされている。この技術として、例えば米国特許第3,152,904号などのような支持体上に有機銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子及び還元剤を含有する熱現像感光材料が知られている。これらの熱現像感光材料は、自動熱現像機中で熱源である2次元状の平面ヒーターに接触させられる事で、100℃以上の高温で熱現像される。多くの熱現像感光材料を連続的に熱現像する場合、特に種々のサイズを連続的に処理した場合、直前に感光材料に接していた平面ヒーターの部分と感光材料に接していなかった部分とで微妙な温度差があるために、これが、後から現像される感光材料の現像ムラを引き起こす現象がある。これは例えばサイズの小さい感光材料を処理した直後に大きな感光材料を処理するといった場合顕著になる。又、これとは別に、感光材料の周辺部はエッジ部分から外への熱の拡散がないため中央部に比べ熱が逃げにくく、過現像になりやすい。又、カブリも生じやすい為、周辺部の濃度が中央部に比べ高くなるいわゆる縁取りが現れやすい。これらの微少な熱ムラによる現像ムラの問題は著しく商品価値を低下せしめてしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は熱現像感光材料に関し、画像形成時に種々のサイズの熱現像感光材料を連続して処理した際の画像ムラや、又画像の周囲にできる縁取り状の画像ムラの発生がなく、画質に優れる熱現像感光材料の画像形成方法に関する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は以下の手段によって達成される。
【0005】
1.支持体の一方の側に有機銀塩粒子、感光性ハロゲン化銀粒子を含有する画像形成層を少なくとも一層有し、且つ画像形成層側の構成層に少なくとも一種の還元剤を含有し、画像形成層側又はその反対側の鏡面光沢計による光沢度が1%以上60%以下である熱現像感光材料を連続的に複数のサイズで熱現像処理することを特徴とする画像形成方法。
【0006】
2.熱現像感光材料が支持体よりもっとも遠い層に少なくとも1種の、重量平均粒径が0.1〜10μmの無機又は有機の粒子を含有することを特徴とする前記1に記載の画像形成方法。
【0007】
3.熱現像感光材料が、支持体より最も遠い層に、重量平均分子量が20000以上、SP値で10.0〜12.5である高分子化合物を、該層を構成する全バインダーに対して5%以上50%以下の量含有することを特徴とする前記1に記載の画像形成方法。
【0008】
4.高分子化合物がポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリル樹脂のうちいずれか1種であることを特徴とする前記3に記載の画像形成方法。
【0009】
本発明は、熱現像感光材料の表面光沢度を調整することで、複数のサイズを同時に処理したとき、直前にサイズの違う感光材料が熱現像機を通過する事による熱現像ドラムの温度ムラに由来すると思われる熱現像ムラや、感光材料の周囲部分に起きる濃度の高い縁取りが出来るという現象を抑制する効果があることを見いだしたことによるものである。表面光沢度を適当な値に調製することで大きな画質の劣化なしに、様々なサイズの感光材料を処理したときの処理ムラが軽減される。
【0010】
これは多分に、表面光沢度の調整により、実際のムラが軽減されて見える効果も含まれているが、実際上、熱現像感光材料の表面光沢度によって熱源、例えば熱現像ドラムの小さな熱ムラが熱現像感光材料へ熱輻射線として伝わる時、この伝達が表面近傍において熱輻射線が適度の表面光沢度の為に周囲に適度に拡散されることにより温度の境界がぼかされ、温度が均一化する事によると考えられる。
【0011】
これにより例えば、サイズ違いの感光材料を熱現像した時に起こる前述のような現像ムラは回避ないし目立たなくする事が出来、熱現像感光材料の外周部(エッジ部分)が濃くなってしまう現象(これは周辺部で感光材料に加えられた熱が一方にしか拡散しないために中央部よりも温度が高くなってしまう為に起こると考えられる)についても同様に光沢度を調整する事によって軽減される。
【0012】
本発明において測定しようとする層側の鏡面光沢計による光沢度は、入射角20°のときのガラス面に対する光沢度を表す。本発明における光測定層側の光沢度は1%以上60%以下、好ましくは2%以上45%以下である。光沢度は鏡面光沢計として、スガ試験機株式会社製 デジタル変角光沢計UGV−5D等を用い測定することができる。
【0013】
光沢度を調製するには微粒子を層中に混入させる方法、バインダーに複数のポリマーを用い微小な相分離を起こさせる方法等がある。
【0014】
これらの微粒子を添加したり、二つ以上のポリマーを用いて相分離を起こさせる層は、感光材料の支持体からもっとも遠い層例えば感光層側では最上層になる保護層、支持体の裏面側ではバックコート層の最も外側の層であることが好ましい。
【0015】
微粒子状物質を高分子バインダー中に分散含有させ、写真構成層層へ添加し表面光沢度を調整する方法について述べる。
【0016】
これらの微粒子状物質としては、一般に水に不溶性の有機または無機化合物の微粒子である。微粒子状物質としては任意のものを使用でき、例えば米国特許第1,939,213号、同第2,701,245号、同第2,322,037号、同第3,539,344号、同第3,767,448号等の各明細書に記載の有機微粒子、同第1,260,772号、同第2,192,241号、同第3,257,206号、同第3,370,951号、同第3,523,022号、同第3,769,020号等の各明細書に記載の無機微粒子など当業界でよく知られたものを用いることができる。例えば、具体的には微粒子状物質として用いることのできる有機化合物の例としては、水分散性ビニル重合体の例としてポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−α−メチルスチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリビニルアセテート、ポリエチレンカーボネート、ポリテトラフルオロエチレンなど、セルロース誘導体の例としてはメチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなど、澱粉誘導体の例としてカルボキシ澱粉、カルボキシニトロフェニル澱粉、尿素−ホルムアルデヒド−澱粉反応物など、公知の硬化剤で硬化したゼラチンおよびコアセルベート硬化して微小カプセル中空粒体とした硬化ゼラチンなどを好ましく用いることができる。無機化合物の例としては二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、公知の方法で減感した塩化銀、同じく臭化銀、ガラス、珪藻土などを好ましく用いることができる。上記の微粒子状物質は必要に応じて異なる種類の物質を混合して用いることができる。
【0017】
微粒子状物質は、画像を見にくくする波長範囲の光の反射を防止し、光沢が少ない良好な記録画像を得るために、又特に画質を劣化させずに光沢が少ない良好な画像を得るために、粒径は0.1〜10μmが好ましく、特に0.5〜5μmが好ましい。
【0018】
これらの本発明の微粒子状物質は、透明度を損なわず、好ましい表面光沢度を感光材料表面に与えるためには単分散に近いことが好ましく、以下に示すような分布を有しているのが好ましい。すなわち、無機又は有機の粒子が下記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)の要件を備えている事が好ましい。
【0019】
(a)0.1μm≦DS1≦10μm
(b)0.033μm≦DS2≦10μm
(c)DP3/DS1≦1.25
(d)1.0≦DP2/DP4≦2.5
(e)1.0≦DP1/DP5≦4.0
(f)(DP2−DP4)/DP3≦1.0
但し、
DS1:走査型電子顕微鏡により調べた1次粒子の長径の平均粒子径(μm)
DS2:上記顕微鏡により調べた1次粒子の短径の平均粒子径(μm)
DP1:光透過式粒度分布測定機(島津製作所製SA−CP3)を用いて測定した粒度分布において、大きな粒子径側から起算した重量累計10%の時の粒子径(μm)
DP2:上記測定機を用いて測定した粒度分布において、大きな粒子径側から起算した重量累計25%の時の粒子径(μm)
DP3:上記測定機を用いて測定した粒度分布において、大きいな粒子側から起算した重量累計50%の時の粒子径(μm)
DP4:上記測定機を用いて測定した粒度分布において、大きいな粒子側から起算した重量累計75%の時の粒子径(μm)
DP5:上記測定機を用いて測定した粒度分布において、大きいな粒子側から起算した重量累計90%の時の粒子径(μm)
これらの微粒子は最適の量は添加される微粒子の種類により異なるが、熱現像感光材料の支持体より最も遠い層の高分子バインダーに対し、おおよそ0.5〜10重量%の範囲で、更に好ましくは1〜5重量%の範囲で使用される。少ないと光反射の効果が不十分であり、10重量%を越えると光沢は少なくなるが、画像が薄ボケて不鮮明になり好ましくない。
【0020】
又、表面光沢度を調整するもう一つの方法である、高分子化合物を支持体より最も遠い層、例えば保護層やバックコート層のバインダーに混合して用いる方法について詳述する。
【0021】
本発明に用いられる熱現像感光材料に好適なバインダーは、透明又は半透明で、一般に無色であり天然ポリマー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えばゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルピロリドン、カゼイン、デンプン、ポリビニルアセタール類(例えば、ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラール)、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリビニルアセテート、セルロースエステル類、ポリアミド類がある。中でも、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等が特に好ましく用いることが出来る。これらのポリマーのガラス転移点は、30〜300℃の範囲でいずれのものも用いることは出来るが、好ましくは70℃以上である。又、バッキング層、保護層に用いられる場合は、ガラス転移温度が高い方がよく、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上である。これらの熱現像感光材料に好適なバインダーは、重量平均分子量で20000〜1000000のものであればいずれも好ましく用いることが出来るが、好ましくは、30000以上、より好ましくは50000以上である。
【0022】
上記バインダーに添加する本発明の高分子化合物としては、重量平均分子量で20000以上で500000以下であり、SP値で10.0〜12.5であることが好ましく、全バインダーに対して5%以上50%以下の量含有されることが好ましい。
【0023】
本発明に用いるこれらの高分子化合物としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、いずれも、上記の範囲にあれば好ましく用いることが出来るが、好ましくはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂である。
【0024】
本発明の上記SP値は計算値であり、SP値については下式で計算されるが、詳しくは、秋山三郎、井上隆、西敏夫共著「ポリマーブレンド −相溶性と界面−」第127〜129頁、シーエムシー出版に説明されている、Smallによる計算法を用いる。これは、液体のパラメーターから、分子を構成する原子又は原子団、結合型など構成グループについてモル吸引力(molar attraction constants:Fi)を算出し、分子に対し各々Fiの加成性を認めると次の式によって溶解度パラメーター(δ)が算出できる。
【0025】
δ=ΣFi/V=ρΣFi/M
Vはモル容積、ρは密度、Mは分子量で高分子では繰り返し単位の値である。
Fiが構成グループのモル吸引力定数である。尚、モル吸引力定数はSmallによる値を用いた。Fi等の値は上記の文献に記載されており計算できる。
【0026】
本発明において用いられる溶解度パラメーターの値は計算値であり、単位としては(cal/cm3)1/2で表されるものである。
【0027】
溶解度パラメーターが前記の範囲にあるとき熱現像感光材料に用いられるバインダー(例えば、ポリビニルブチラールやセルロースアセテートブチレート、セルロースアセテート等)中において好ましいサイズの微小な相分離を引き起こし、感光材料の表面光沢度の調整が可能である。
【0028】
本発明に用いる高分子化合物は、相分離のしやすさと、実際に混合した際の液粘度の点から、重量平均分子量で20000以上500000以下、好ましくは、30000以上100000以下である。
【0029】
本発明の高分子化合物は添加量が少なすぎると相分離せず、多すぎると透明性を損なうために、添加する層の全バインダーに対して、5〜50wt%の範囲で添加すると好ましく、特に好ましくは、8〜30wt%である。
【0030】
本発明に好ましく用いられるポリエステル樹脂としては、分子主鎖中に−(O−CO)−構造を有するポリマーで通常多価カルボン酸と多価アルコールの縮合反応により得られる。
【0031】
多価カルボン酸としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン酸、チオジグリコール酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、3,6−エンドジクロロメチレンテトラクロロフタル酸、等の飽和二塩基酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、塩素化マレイン酸等の不飽和二塩基酸、ピロメリック酸、無水ピロメリック酸、トリメリック酸等の多塩基酸が用いられる。
【0032】
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ビスフェノールジオキシエチレンエーテル、ビスフェノールジオキシプロピレンエーテル、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等がある。
【0033】
ポリエステルとしては、分子主鎖中に二重結合を含まない「飽和ポリエステル」でも、主鎖中に二重結合を含む「不飽和ポリエステル」でもよい。又、直鎖構造でも分岐した構造でもよい。
【0034】
本発明に使用されるポリエステルは、ポリエステル単独でもよく、他のポリマーと共重合したものでもよい。ただし、ここでいう共重合とは、主鎖にポリエステル構造と他のポリマー構造が含まれるものだけでなく、ポリエステルの主鎖の側鎖に他のポリマーがグラフト重合したポリマーも含むものとする。
【0035】
これらポリエステルは通常の有機溶媒に溶解するものであれば何ら差し支えない。
【0036】
本発明に使用されるポリエステルの具体例としては下記に示すものが挙げられる。
【0037】
【化1】
【0038】
又以下の市販されているポリエステルも使用できる。
【0039】
バイロン103、200、300、500、(東洋紡績(株)製)。
【0040】
本発明に好ましく用いられるアクリル樹脂は、種々の方法で容易に製造することが出来る。例えば、溶液重合又は塊状重合、或いは乳化重合法で得たものを沈殿させる方法等がある。乳化重合法では、水を分散媒とし、水に対して10〜50重量%のモノマーとモノマーに対して0.05〜5重量%の重合開始剤、0.1〜20重量%の分散媒を用い、約30〜100℃、好ましくは、60〜90℃で3〜8時間撹拌下重合させ、その後NaCl等の電解質のような凝集剤や、メタノール、アセトン等の水混和性溶媒を添加し高分子を沈降させ、これを濾過し乾燥させることでも得られる。
【0041】
開始剤としては、水溶性過酸化物(例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、水溶性アゾ化合物(例えば、2,2−アゾビス−(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド等)を挙げることが出来る。
【0042】
分散媒としてはアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、水溶性ポリマー等が挙げられる。
【0043】
溶液重合では一般に適当な溶剤(例えばエタノール、メタノール、水等)中で適当な濃度の単量体の混合物(通常、溶剤に対して40重量%以下、好ましくは10〜25重量%の混合物)を重合開始剤(例えば、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、過硫酸アンモニウム等)の存在下で適当な温度(例えば40〜120℃、好ましくは50〜100℃)に加熱することにより共重合反応が行われる。その後、生成したコポリマーを溶かさない媒質中に反応混合物をそそぎ込み、生成物を沈降させ、ついで乾燥することにより未反応混合物を分離除去する。
【0044】
本発明で用いる高分子を形成するエチレン性モノマー化合物としては、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル類、オレフィン類、スチレン類、クロトン酸エステル類、イタコン酸ジエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル額、ビニルケトン類、ビニル異節環化合物、グリシジルエステル類、不飽和ニトリル類、多官能モノマー、各種不飽和酸から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせたモノマー化合物を挙げることができる。これらのモノマー化合物について更に具体的に示すと、アクリル酸エステル類としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソプチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−クロロエチルアクリレート、2−ブロモエチルアクリレート、4−クロロブチルアクリレート、シアノエチルアクリレート、2−アセトキシエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、2−クロロシクロヘキシルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、5−ヒドロキシぺンチルアクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレー卜、3−メトキシブチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−iso−プロポキシアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコールアクリレート(付加モル数n=9)、1−ブロモ−2−メトキシエチルアクリレート、1,1−ジクロロ−2−エトキシエチルアクリレートなどが挙げられる。メタクリル酸エステル類の例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレー卜、クロロベンジルメタクリレート、スルホプロピルメタクリレート、N−エチル−N−フェニルアミノエチルメタクリレート、2−(3−フェニルプロピルオキシ)エチルメタクリレート、ジメチルアミノフェノキシエチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、トリエチレングリコールモノメタクリレート、ジプロピレングリコールモノメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、2−アセトキシエチルメタクリレート、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−iso−プロポキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルメタクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルメタクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルメタクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(付加モル数n=6)、アリルメタクリレート、トリメチル−メタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライドなどを挙げることができる。
【0045】
ビニルエスル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルクロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニルなどが挙げられる。またオレフィン類の例としては、ジシクロぺンタジエン、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ぺンテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等を挙げることができる。スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、トリフルオロメチルスチレン、ビニル安息香酸メチルエステルなどが挙げられる。クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシルなどが挙げられる。またイタコン酸ジエチル類としては、例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
【0046】
マレイン酸ジエステル類としては、例えば、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
【0047】
フマル酸ジエステル類としては、例えば、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチルなどが挙げられる。アクリルアミド類としては、アクリルアミド、メチルアクリルアミド、エチルアクリルアミト、プロピルアクリルアミド、ブチルアクリルアミド、tert−ブチルアクリルアミド、シクロヘキシルアクリルアミド、ベンジルアクリルアミド、ヒドロキシメチルアクリルアミド、メトキシエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、フエニルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、β−シアノエチルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミドなどが挙げられる。またメタクリルアミド類としては、例えば、メタクリルアミド、メチルメタクリルアミド、エチルメタクリルアミド、プロピルメタクリルアミド、ブチルメタクリルアミド、tert−ブチルメタクリルアミド、シクロヘキシルメタクリルアミド、ベンジルメタクリルアミド、ヒドロキシメチルメタクリルアミド、メトキシエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、フェニルメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、ジエチルメタクリルアミド、β−シアノエチルメタクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)メタクリルアミドなどが挙げられる。アリル化合物としては、例えば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、ラウリン酸アリル、安息香酸アリルなどが挙げられる。ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
【0048】
ビニルケトン類としては、例えば、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトンなどが挙げられる。
【0049】
ビニル異節環化合物としては、例えば、ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルトリアゾール、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0050】
グリシジルエステル類としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどが挙げられる。
【0051】
不飽和ニトリル類としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
【0052】
更に、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、イタコン酸モノアルキル、例えば、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチルなどが挙げられる。
【0053】
マレイン酸モノアルキルとしては、例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチルなどが挙げられる。
【0054】
その他、シトラコン酸、スチレンスルホン酸、ビニルベンジルスルホン酸、ビニルスルホン酸、アクリロイルオキシアルキルスルホン酸、例えば、アクリロイルオキシメチルスルホン酸、アクリロイルオキシエチルスルホン酸、アクリロイルオキシプロピルスルホン酸などが挙げられる。
【0055】
メタクリロイルオキシアルキルスルホン酸としては、例えば、メタクリロイルオキシジメチルスルホン酸、メタクリロイルオキシエチルスルホン酸、メタクリロイルオキシプロピルスルホン酸などが挙げられる。
【0056】
アクリルアミドアルキルスルホン酸としては、例えば、2−アクリルアミド−2−メチルエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルブタンスルホン酸などが挙げられる。
【0057】
メタクリルアミドアルキルスルホン酸としては、例えば、2−メタクリルアミド−2−メチルエタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルブタンスルホン酸などが挙げられる。
【0058】
アクリロイルオキシアルキルホスフェートとしては、例えば、アクリロイルオキシエチルホスフェート、3−アクリロイルオキシプロピル−2−ホスフェートなどが挙げられる。
【0059】
メタクリロイルオキシアルキルホスフェートとしては、例えば、メタクリロイルオキシエチルホスフェート、3−メタクリロイルオキシプロピル−2−ホスフェートなどが挙げられる。
【0060】
又、親水基を2個有する3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナフチルなどが挙げられる。
【0061】
これらの酸はアルカリ金属(例えば、Na、Kなど)又はアンモニウムイオンの塩であってもよい。これらのモノマー化合物のうち、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル類、スチレン類、オレフィン類が好ましく用いられる。本発明で用いる高分子のTg(ガラス転移温度)は、現像温度よりも高いことが好ましく、特に現像温度よりも5℃以上高いものが好ましい。
【0062】
本発明で用いられるエチレン性モノマー類の多くのポリマーのTgは、ブランドラップらによる“ポリマーハンドブック”III−139頁からIII−179頁(1966年)(ワイリーアンドサン社版)に記載されており、コポリマーのTg(°K)は下記の式で表される。
【0063】
Tg(コポリマー)=v1Tg1+v2Tg2+・・・+vWTgW
但し上式中v1、v2・・・・vWはコポリマー中のモノマーの分率を表し、Tg1、Tg2・・・TgWはコポリマー中の各モノマーのホモポリマーのTg(°K)を表す。
【0064】
上式に従って計算されたTgには、±5℃の精度がある。
【0065】
以下にこれらのポリマーの例を例示する。(Mwは重量平均分子量、モノマーの横の数字はモル%)
本発明に好ましく用いられるウレタン樹脂は、イソシアネート基を有する化合物と水酸基を有する化合物との反応により製造される。
【0066】
イソシアネート基を有する化合物としては、種々の化合物が知られているが、これらの中でも特にイソシアネート基を2〜6個有する化合物及びそれらの変性体が好ましく用いられる。好ましい具体例を以下に示す。
【0067】
【化2】
【0068】
【化3】
【0069】
【化4】
【0070】
【化5】
【0071】
イソシアナート基と反応させる水酸基を有する化合物は種々のものが用いられる。それらは水酸基を複数個有しているものであり、好ましい水酸基の数は2〜3個である。好ましい具体例としては、多価のアルコール類(エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン等)、水酸基を有するポリマー(例えばモノヒドロキシポリエーテル、モノヒドロキシポリエステル、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリブタジエンポリオール類)等が好ましい。特に好ましいものとしては、プロピオラクトン、バレロラクトン、ブチロラクトンと1価の開始剤より誘導されるモノヒドロキシポリエステル類あるいはアルキレンオキシドより誘導されるモノヒドロキシポリエーテル類、ポリオキシアルキレングリコール類である。これらのポリマーを用いる場合、1価のアルコール類(例えばエタノール、オクタノール、ステアリルアルコール、ヘプタデカフルオロデカノール等)も使用してよい
本発明のウレタン結合を有する高分子化合物はイソシアナート基と水酸基を有する化合物のそれぞれ1種より誘導されるものでもよいしまた複数種より誘導されるものであってもよい。又、特開平5−34907号に記載されたようなアミノ基、イミノ基がこれらのイソシアナート化合物あるいは水酸基を有する化合物の置換基の形で導入されていても良いし、また別途イソシアナート化合物に反応させるかたちで導入しても良い。特に後者の方法は合成手法上有用である。この場合好ましく用いられる化合物としてはN,N−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジエチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジメエルエタンジアミン、N,N−ジメチルプロパンジアミン、1−(2−アミノエチル)−ピペラジン、N−エチル−3−ピペリジノール、4−アミノ−2−メトキシピリミジン、2−ジメチルアミノエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−メルカプトピリミジン、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、4−(2−アミノエチル)ピリジン、2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール、4−(アミノメチル)ピリジン、N,N−ジアリルメラミン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、N−(3−アミノプロピル)イミダゾール、4−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、4−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール等を挙げることができる。
【0072】
本発明の化合物はさらにアミノ基、メルカプト基、あるいは水酸基を有する化合物とイソシアナートを反応させることで分子量や架橋度を調整し求められる写真性能に応じて変性されていても良い。この場合のアミノ基、メルカプト基、あるいは水酸基を有する化合物としては1,3−ジアミノプロパン、1,12−ジアミノドデカン、2−アミノエタノール、2−アミノエタンチオール、1,4−ジアミノブタン等が挙げられる。本発明の高分子化合物は種々の分子量のものを用いることができるが、100000以下のものが好ましく、2000以上30000以下のものが特に好ましい。
【0073】
以下に本発明で用いられる好ましい高分子化合物例を列挙するが単一の構造として表せないため、イソシアナート、水酸基を有する化合物、アミノ基および/またはイミノ基を有する化合物の組み合わせとして記述する。市販品についてはその商品名を挙げる。
【0074】
U−1.
イソシアナート:トリレンジイソシアナートのトリメチロールプロパン変性(商品名コロネートL)
水酸基を有する化合物:(1)n−オクタノールとカプロラクトンより誘導されるモノヒドロキシポリエステル
(2)トリメチロールプロパン
アミノ基、イミノ基を有する化合物:4−(2−ヒドロキシエチル)−ピリジン
U−2.
イソシアナート:ヘキサメチレンジイソシアナートのビウレット変性(商品名デスモジュールN)
水酸基を有する化合物:フェネチルアルコールとカプロラクトンより誘導されるモノヒドロキシポリエステル
アミノ基、イミノ基を有する化合物:N,Nジメチルプロパンジアミン
その他のイソシアナート反応性化合物:2−アミノエタノール
U−3.
イソシアナート:ジフェニルメタンジイソシアナートカルボジイミド変性(商品名ミリオネートMTL)
水酸基を有する化合物:(1)エタノールを開始剤としたエチレンオキシド 付加重合物
(2)ポリエチレングリコール
アミノ基、イミノ基を有する化合物:N−(3−アミノプロピル)イミダゾール
U−4.
イソシアナート:ポリメチレンポリフェニルポリイソシアナート(商品名ミリオネートMR)
水酸基を有する化合物:(1)ヘプタデカフルオロデカノール、2−エチルヘキサノールおよびバレロラクトンより誘導されるモノヒドロキシポリエステル
(2)トリメチロールプロパン
U−5.
イソシアナート:トリレンジイソシアナートの環形成によるイソシアヌル酸型化合物(商品名デスモジュールIL)
水酸基を有する化合物:(1)n−オクタノールとカプロラクトンより誘導されるモノヒドロキシポリエステル
(2)トリメチロールプロパン
アミノ基、イミノ基を有する化合物:N−(3−アミノプロピル)イミダゾール
U−6.
イソシアナート:トリレンジイソシアナートのトリメチロールプロパン変性(商品名コロネートL)
水酸基を有する化合物:(1)n−オクタノールとカプロラクトンより誘導されるモノヒドロキシポリエステル
アミノ基、イミノ基を有する化合物:N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン
その他のイソシアナート反応性化合物:1,12−ジアミノドデカン
この他、本発明の高分子化合物として使用できる市販のポリウレタン化合物として次のものがあげられる。
【0075】
U−7.
Disperbyk−160(商品名BYK Chemie社製)
U−8.
Disperbyk−161(商品名BYK Chemie社製)
U−9.
Disperbyk−162(商品名BYK Chemie社製)
U−10.
Disperbyk−163(商品名BYK Chemie社製)
U−11.
EFKA−46(商品名EFKA Chemikals社製)
U−12.
EFKA−47(商品名EFKA Chemikals社製)
U−13.
EFKA−48(商品名EFKA Chemikals社製)
これらの化合物の合成については特開昭60−166318号に準じて容易に行うことができる。
【0076】
これらのポリマー樹脂は熱現像感光材料の支持体より最も遠い層、例えば保護層或いはバックコート層等を構成するバインダー溶液に溶解混合し添加する。溶解塗布後及び乾燥の段階で微小な層分離を引き起こし、感光材料の光沢度を調整することが出来る。
【0077】
これらの表面光沢度の調整方法において、乾燥条件により膜面表面の温度が変わってくることから、上記のマット剤を含有する場合、又二つ以上のポリマーを混合する場合の二つとも、熱現像感光材料を塗布後乾燥するとき乾燥条件として、乾燥風の露点温度が15℃以下であることが望ましい。マット剤の分布、又二つ以上のポリマーを混合した場合にも、微少なポリマー同士の相分離の状態が変化すると考えられ、好ましい結果をもたらす。
【0078】
以上のようにして、熱現像感光材料の表面光沢度を調整する事で、本発明の効果が得られる。
【0079】
本発明に用いられる熱現像感光材料に使用される感光性ハロゲン化銀は、ゼラチンのような保護コロイドの存在下、シングルジェットもしくはダブルジェット法などの写真技術の分野で公知の任意の方法により、例えばアンモニア法乳剤、中性法、酸性法等のいずれかの方法でも調製できる。この様に予め調製し、次いで本発明の他の成分と混合して本発明に用いる組成物中に導入することが出来る。この場合に感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の接触を充分に行わせるため、例えば感光性ハロゲン化銀を調製するときの保護ポリマーとして米国特許第3,706,564号、同第3,706,565号、同第3,713,833号、同第3,748,143号、英国特許第1,362,970号各明細書に記載されたポリビニルアセタール類などのゼラチン以外のポリマーを用いる手段や、英国特許第1,354,186号明細書に記載されているような感光性ハロゲン化銀乳剤のゼラチンを酵素分解する手段、又は米国特許第4,076,539号明細書に記載されているように感光性ハロゲン化銀粒子を界面活性剤の存在下で調製することによって保護ポリマーの使用を省略する手段等の各手段を適用することが出来る。
【0080】
ハロゲン化銀は光センサーとして機能するものであり、ハロゲン化銀組成としても特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよい。又、画像形成後の白濁を低く抑えるため、及び良好な画質を得るために平均粒子サイズが小さい方が好ましく、平均粒子サイズが0.1μm以下、より好ましくは0.01μm〜0.1μm、特に0.02μm〜0.08μmが好ましい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体或いは八面体のいわゆる正常晶である場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。又、正常晶でない場合、例えば球状、棒状、或いは平板状の粒子の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。またハロゲン化銀は単分散であることが好ましい。ここでいう単分散とは、下記式で求められる単分散度が40%以下をいう。更に好ましくは30%以下であり、特に好ましくは0.1%以上20%以下となる粒子である。
【0081】
単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
ハロゲン化銀の量はハロゲン化銀及び後述の有機銀塩の総量に対し50%以下好ましくは25%〜0.1%、更に好ましくは15%〜0.1%の間である。
【0082】
本発明の熱現像感光材料に使用される感光性ハロゲン化銀は又、英国特許第1,447,454号明細書に記載されている様に、有機銀塩を調製する際にハライドイオン等のハロゲン成分を有機銀塩形成成分と共存させこれに銀イオンを注入する事で有機銀塩の生成とほぼ同時に生成させることが出来る。
【0083】
更に他の方法としては、予め調製された有機銀塩の溶液もしくは分散液、又は有機銀塩を含むシート材料にハロゲン化銀形成成分を作用させて、有機銀塩の一部を感光性ハロゲン化銀に変換することもできる。このようにして形成されたハロゲン化銀は有機銀塩と有効に接触しており好ましい作用を呈する。ハロゲン化銀形成成分とは有機銀塩と反応して感光性ハロゲン化銀を生成しうる化合物であり、どのような化合物がこれに該当し有効であるかは次のごとき簡単な試験で判別する事が出来る。即ち、有機銀塩と試験されるべき化合物を混入し必要ならば加熱した後にX線回折法によりハロゲン化銀に特有のピークがあるかを調べるものである。かかる試験によって有効であることが確かめられたハロゲン化銀形成成分としては、無機ハロゲン化合物、オニウムハライド類、ハロゲン化炭化水素類、N−ハロゲン化合物、その他の含ハロゲン化合物があり、その具体例については米国特許第4,009,039号、同第3,457,075号、同第4,003,749号、英国特許第1,498,956号各明細書及び特開昭53−27027号、同53−25420号各公報に詳説されるが以下にその一例を示す。
【0084】
(1)無機ハロゲン化物:例えばMXnで表されるハロゲン化物(ここでMは、H、NH4、及び金属原子を表し、nはMがH及びNH4の時は1を、Mが金属原子の時はその原子価と同じ数値を表す。金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、カドミウム、水銀、錫、アンチモン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、セリウム等がある。)。又、臭素水などのハロゲン分子も有効である。
【0085】
(2)オニウムハライド類:例えばトリメチルフェニルアンモニウムブロマイド、セチルエチルジメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムブロマイドの様な第4級アンモニウムハライド、テトラエチルフォスフォニウムブロマイドの様な第4級フォスフォニウムハライド、トリメチルスルフォニウムアイオダイドの様な第3級スルフォニウムハライドがある。
【0086】
(3)ハロゲン化炭化水素類:例えばヨードフォルム、ブロモフォルム、四塩化炭素、2−ブロム−2−メチルプロパン等。
【0087】
(4)N−ハロゲン化合物:例えばN−クロロ琥珀酸イミド、N−ブロム琥珀酸イミド、N−ブロムフタルイミド、N−ブロムアセトアミド、N−ヨード琥珀酸イミド、N−ブロムフタラジノン、N−ブロムオキサゾリノン、N−クロロフタラジノン、N−ブロモアセトアニリド、N,N−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−ブロモ−N−メチルベンゼンスルホンアミド、1,3−ジブロモ−4,4−ジメチルヒダントイン、N−ブロモウラゾール等。
【0088】
(5)その他のハロゲン含有化合物:例えば、塩化トリフェニルメチル、臭化トリフェニルメチル、2−ブロム酢酸、2−ブロムエタノール、ジクロロベンゾフェノン等がある。
【0089】
これらのハロゲン化銀形成成分は有機銀塩に対して化学量論的には少量用いられる。通常、その範囲は有機銀塩1モルに対し0.001モル乃至0.7モル、好ましくは0.03モル乃至0.5モルである。ハロゲン化銀形成成分は上記の範囲で2種以上併用されてもよい。上記のハロゲン化銀形成成分を用いて有機銀塩の一部をハロゲン化銀に変換させる工程の反応温度、反応時間、反応圧力等の諸条件は作製の目的にあわせ適宜設定する事が出来るが、通常、反応温度は−20℃乃至70℃、その反応時間は0.1秒乃至72時間であり、その反応圧力は大気圧に設定されるのが好ましい。この反応は又、後述する結合剤として使用されるポリマーの存在下に行われることが好ましい。この際のポリマーの使用量は有機銀塩1重量部当たり0.01乃至100重量部、好ましくは0.1乃至10重量部である。
【0090】
上記した各種の方法によって調製される感光性ハロゲン化銀は、例えば含硫黄化合物、金化合物、白金化合物、パラジウム化合物、銀化合物、錫化合物、クロム化合物又はこれらの組み合わせによって化学増感する事が出来る。この化学増感の方法及び手順については、例えば米国特許第4,036,650号、英国特許第1,518,850号各明細書、特開昭51−22430号、同51−78319号、同51−81124号各公報に記載されている。又ハロゲン化銀形成成分により有機銀塩の一部を感光性ハロゲン化銀に変換する際に、米国特許第3,980,482号明細書に記載されているように、増感を達成するために低分子量のアミド化合物を共存させてもよい。
【0091】
又、これらの感光性ハロゲン化銀には、照度不軌や、階調調整の為に元素周期律表の6族から10族に属する金属、例えばRh、Ru、Re、Ir、Os、Fe等のイオン、その錯体又は錯イオンを含有させることが出来る。特に錯イオンとして添加するのが好ましく、例えば照度不軌のためにIrCl6 2-等のIr錯イオンを添加してもよい。
【0092】
本発明において有機銀塩は還元可能な銀源であり、有機酸及びヘテロ有機酸の銀塩、特にこの中でも長鎖の(炭素数10〜30、好ましくは15〜25)脂肪族カルボン酸及び含窒素複素環化合物の銀塩が好ましい。配位子が銀イオンに対する総安定度定数として4.0〜10.0の値をもつような有機又は無機の錯体も好ましい。これら好適な銀塩の例としては、前述のRD17029及び29963に記載されており、以下のものが挙げられる。
【0093】
有機酸の銀塩、例えば、没食子酸、蓚酸、ベヘン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の銀塩。銀のカルボキシアルキルチオ尿素塩、例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメチルチオ尿素等の銀塩、アルデヒドとヒドロキシ置換芳香族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀塩乃至錯体、例えば、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等)とヒドロキシ置換酸類(例えば、サリチル酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸)の反応生成物の銀塩乃至錯体、チオン類の銀塩又は錯体、例えば、3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒドロキシメチル−4−チアゾリン−2−チオン、及び3−カルボキシメチル−4−チアゾリン−2−チオン等の銀塩乃至錯体、イミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H−テトラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−トリアゾール及びベンゾトリアゾールから選択される窒素酸と銀との錯体または塩、サッカリン、5−クロロサリチルアルドキシム等の銀塩、及びメルカプタン類の銀塩。これらの中、好ましい銀塩としてはベヘン酸銀、アラキジン酸銀またはステアリン酸銀があげられる。
【0094】
有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−127643号に記載されている様なコントロールドダブルジェット法等が好ましく用いられる。例えば、有機酸にアルカリ金属塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を加えて有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、ベヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウムなど)を作製した後に、コントロールドダブルジェット法により、前記ソープと硝酸銀などを混合して有機銀塩の結晶を作製する。その際にハロゲン化銀粒子を混在させてもよい。
【0095】
有機銀塩は平均粒径が10μm以下であり、かつ単分散であることが好ましい。有機銀塩の平均粒径とは、有機銀塩の粒子が例えば球状、棒状、或いは平板状の粒子の場合には、有機銀塩粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。平均粒径は0.05μm〜10μm好ましくは0.05μm〜5μm、特に0.05μm〜1.0μmが好ましい。また単分散とは、ハロゲン化銀の場合と同義であり、好ましくは単分散度が1〜30%である。
【0096】
また、本発明においては、有機銀塩は平板状粒子が全有機銀の60%以上有することが好ましい。本発明において平板状粒子とは平均粒径と厚さの比、いわゆる下記式で表されるアスペクト比(ARと略す)が3以上のものをいう。
【0097】
AR=平均粒径(μm)/厚さ(μm)
有機銀塩をこれらの形状にするためには、前記有機銀塩の結晶をバインダーや界面活性剤などをボールミルなどで分散粉砕することで得られる。この範囲にすることで濃度が高く、かつ画像保存性に優れた感光材料が得られる。
【0098】
本発明においては感光材料の失透を防ぐためには、ハロゲン化銀及び有機銀塩の総量は、銀量に換算して1m2当たり0.5g以上2.2g以下であることが好ましい。この範囲にすることで硬調な画像が得られる。
【0099】
熱現像感光材料に用いられる還元剤としては、一般に知られているものが挙げられ、例えば、フェノール類、2個以上のフェノール基を有するポリフェノール類、ナフトール類、ビスナフトール類、2個以上の水酸基を有するポリヒドロキシベンゼン類、2個以上の水酸基を有するポリヒドロキシナフタレン類、アスコルビン酸類、3−ピラゾリドン類、ピラゾリン−5−オン類、ピラゾリン類、フェニレンジアミン類、ヒドロキシルアミン類、ハイドロキノンモノエーテル類、ヒドロオキサミン酸類、ヒドラジド類、アミドオキシム類、N−ヒドロキシ尿素類等があり、さらに詳しくは例えば、米国特許第3,615,533号、同第3,679,426号、同第3,672,904号、同第3,751,252号、同第3,782,949号、同第3,801,321号、同第3,794,488号、同第3,893,863号、同第3,887,376号、同第3,770,448号、同第3,819,382号、同第3,773,512号、同第3,839,048号、同第3,887,378号、同第4,009,039号、同第4,021,240号、英国特許第1,486,148号若しくはベルギー特許第786,086号各明細書及び特開昭50−36143号、同50−36110号、同50−116023号、同50−99719号、同50−140113号、同51−51933号、同51−23721号、同52−84727号若しくは特公昭51−35851号各公報に具体的に例示された還元剤があり、本発明はこのような公知の還元剤の中から適宜選択して使用することが出来る。選択方法としては、実際に熱現像感光材料をつくってみてその写真性能を評価する事により使用した還元剤の優劣を調べる方法が最も簡便である。
【0100】
上記の還元剤の中で、有機銀塩として脂肪族カルボン酸銀塩を使用する場合に好ましい還元剤としては、2個以上のフェノール基がアルキレン基又は硫黄によって連結されたポリフェノール類、特にフェノール基のヒドロキシ置換位置に隣接した位置の少なくとも一つにアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等)又はアシル基(例えばアセチル基、プロピオニル基等)が置換したフェノール基の2個以上がアルキレン基又は硫黄によって連結されたポリフェノール類、例えば1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)メタン、2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、6,6′−ベンジリデン−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)、6,6′−ベンジリデン−ビス(2−t−ブチル−4−メチルフェノール)、6,6′−ベンジリデン−ビス(2,4−ジメチルフェノール)、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1,5,5−テトラキス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2,4−エチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロパン等の米国特許第3,589,903号、同第4,021,249号若しくは英国特許第1,486,148号各明細書及び特開昭51−51933号、同50−36110号、同50−116023号、同52−84727号若しくは特公昭51−35727号公報に記載されたポリフェノール化合物)、米国特許第3,672,904号明細書に記載されたビスナフトール類、例えば、2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、6,6′−ジブロモ−2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、6,6′−ジニトロ−2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、ビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)メタン、4,4′−ジメトキシ−1,1′−ジヒドロキシ−2,2′−ビナフチル等、更に米国特許第3,801,321号明細書に記載されているようなスルホンアミドフェノール又はスルホンアミドナフトール類、例えば、4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、2−ベンゼンスルホンアミドフェノール、2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、4−ベンゼンスルホンアミドナフトール等を挙げることが出来る。
【0101】
熱現像感光材料に使用される還元剤の量は、有機銀塩や還元剤の種類、その他の添加剤によって変化するが、一般的には有機銀塩1モル当たり0.05モル乃至10モル好ましくは0.1モル乃至3モルが適当である。又この量の範囲内において、上述した還元剤は2種以上併用されてもよい。本発明においては、前記還元剤を塗布直前に感光溶液に添加混合して塗布した方が、感光溶液の停滞時間による写真性能変動が小さく好ましい場合がある。
【0102】
本発明に用いる熱現像感光材料は、熱現像処理にて写真画像を形成するもので、還元可能な銀源(有機銀塩)、感光性ハロゲン化銀、還元剤及び必要に応じて銀の色調を抑制する色調剤を通常(有機)バインダーマトリックス中に分散した状態で含有している熱現像感光材料であることが好ましい。本発明の熱現像感光材料は常温で安定であるが、露光後高温(例えば、80℃〜140℃)に加熱することで現像される。加熱することで有機銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元反応は露光でハロゲン化銀に発生した潜像の触媒作用によって促進される。露光領域中の有機銀塩の反応によって生成した銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形成がなされる。この反応過程は、外部から水等の処理液を供給することなしで進行する。
【0103】
好適な色調剤の例はResearch Disclosure第17029号に開示されており、次のものがある。
【0104】
イミド類(例えば、フタルイミド);環状イミド類、ピラゾリン−5−オン類、及びキナゾリノン(例えば、スクシンイミド、3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリン及び2,4−チアゾリジンジオン);ナフタールイミド類(例えば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタールイミド);コバルト錯体(例えば、コバルトのヘキサアンミントリフルオロアセテート)、メルカプタン類(例えば、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール);N−(アミノメチル)アリールジカルボキシイミド類(例えば、N−(ジメチルアミノメチル)フタルイミド);ブロックされたピラゾール類(例えば、N,N′−ヘキサメチレンビス(1−カルバモイル−3,5−ジメチルピラゾール));イソチウロニウム(isothiuronium)誘導体及びある種の光漂白剤の組み合わせ、(例えば1,8−(3,6−ジオキサオクタン)ビス(イソチウロニウムトリフルオロアセテート)及び2−(トリブロモメチルスルホニル)ベンゾチアゾールの組み合わせ);フタラジノン、フタラジノン誘導体又はこれらの誘導体の金属塩(例えば、4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメチルオキシフタラジノン、及び2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノンとスルフィン酸誘導体の組み合わせ(例えば、6−クロロフタラジノンとベンゼンスルフィン酸ナトリウム又は8−メチルフタラジノンとp−トリスルホン酸ナトリウム);フタラジンとフタル酸の組み合わせ;フタラジン(フタラジンの付加物を含む)とマレイン酸無水物、及びフタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸又はo−フェニレン酸誘導体及びその無水物(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロロフタル酸無水物)から選択される少なくとも1つの化合物との組み合わせ;キナゾリンジオン類、ベンズオキサジン、ナフトキサジン誘導体;ベンズオキサジン−2,4−ジオン類(例えば、1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン);ピリミジン類及び不斉トリアジン類(例えば、2,4−ジヒドロキシピリミジン)、及びテトラアザペンタレン誘導体(例えば、3,6−ジメルカプト−1,4−ジフェニル−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレン)。好ましい色調剤としてはフタラジノン又はフタラジンとフタル酸、4−メチルフタル酸等の組み合わせである。
【0105】
本発明ににおいては熱現像を抑制あるいは促進させるため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を感光材料中に含有させることができる。
【0106】
本発明に用いる熱現像感光材料にメルカプト化合物を使用する場合、いかなる構造のものでも良いが、Ar−SM、Ar−S−S−Arで表されるものが好ましい。式中、Mは水素原子またはアルカリ金属原子であり、Arは1個以上の窒素、イオウ、酸素、セレニウムまたはテルリウム原子を有する複素芳香環または縮合複素芳香環である。好ましくは、ベンズイミダゾール、ナフスイミダゾール、ベンズチアゾール、ナフトチアゾール、ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾール、ベンズセレナゾール、ベンズテルラゾール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、トリアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、トリアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、プリン、キノリンまたはキナゾリノンである。この複素芳香環または縮合複素芳香環は、例えば、ハロゲン(例えば、BrおよびCl)、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、アルキル(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)および、アルコキシ(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)からなる置換基群から選択されるものを有してもよい。メルカプト置換複素芳香族化合物をとしては、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプト−5−メチルベンズチアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプトキノリン、8−メルカプトプリン、2,3,5,6−テトラクロロ−4−ピリジンチオール、4−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン、2−メルカプト−4−フェニルオキサゾールなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
【0107】
熱現像感光材料中にはカブリ防止剤が含まれて良い。有効なカブリ防止剤として例えば米国特許第3,589,903号などで知られている水銀化合物は環境的に好ましくない。そのため非水銀カブリ防止剤の検討が古くから行われてきた。非水銀カブリ防止剤としては例えば米国特許第4,546,075号及び同第4,452,885号及び特開昭59−57234号に開示されている様なカブリ防止剤が好ましい。
【0108】
特に好ましい非水銀カブリ防止剤は、米国特許第3,874,946号及び同第4,756,999号に開示されているような化合物、−C(X1)(X2)(X3)(ここでX1及びX2はハロゲンでX3は水素又はハロゲン)で表される1以上の置換基を備えたヘテロ環状化合物である。好適なカブリ防止剤の例としては、特開平9−288328号段落番号〔0030〕〜〔0036〕に記載されている化合物等が好ましく用いられる。
【0109】
また、もう一つの好ましいカブリ防止剤の例としては特開平9−90550号段落番号〔0062〕〜〔0063〕に記載されている化合物である。さらに、その他の好適なカブリ防止剤は米国特許第5,028,523号及び欧州特許第600,587号、同第605,981号、同第631,176号に開示されている。
【0110】
熱現像感光材料には、例えば特開昭63−159841号、同60−140335号、同63−231437号、同63−259651号、同63−304242号、同63−15245号、米国特許第4,639,414号、同第4,740,455号、同第4,741,966号、同第4,751,175号、同第4,835,096号に記載された増感色素が使用できる。本発明に使用される有用な増感色素は例えばRD17643IV−A項(1978年12月p.23)、同18431X項(1979年8月p.437)に記載もしくは引用された文献に記載されている。特に各種スキャナー光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。例えば特開平9−34078号、同9−54409号、同9−80679号記載の化合物が好ましく用いられる。
【0111】
これらの素材の他、各種の添加剤が目的に応じ感光性層、非感光性層、又はその他の形成層に添加されてもよい。本発明の熱現像感光材料には例えば、界面活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、被覆助剤等を添加することができる。これらの添加剤及び上述したその他の添加剤はResearch Disclosure 17029(1978年6月p.9〜15)に記載されている化合物を好ましく用いることができる。
【0112】
熱現像感光材料に用いる支持体の素材としては各種高分子材料、ガラス、ウール布、コットン布、紙、金属(例えばアルミニウム)等が挙げられるが、情報記録材料としての取り扱い上は可撓性のあるシート又はロールに加工できるものが好適である。従って本発明の熱現像感光材料における支持体としては、プラスチックフィルム(例えばセルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、セルローストリアセテートフィルム又はポリカーボネートフィルム等)が好ましく、本発明においては2軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。支持体の厚みとしては50〜300μm程度、好ましくは70〜180μmである。
【0113】
本発明においては帯電性を改良するために金属酸化物および/または導電性ポリマーなどの導電性化合物を構成層中に含ませることができる。これらはいずれの層に含有させてもよいが、好ましくは下引層、バッキング層、感光性層と下引の間の層などに含まれる。本発明においては米国特許5,244,773号カラム14〜20に記載された導電性化合物が好ましく用いられる。
【0114】
感光層、保護層及びバックコート層等本発明の感光材料上に必要な各層を塗設する方法に特に制限はなく、従来知られている、エアナイフコーティング、ディップコーティング、バーコーティング、カーテンコーティング、ホッパーコーティングなどの方法を用いることができる。又、これらの層を2層以上同時に塗布してもよい。塗布液の溶媒としてはMEK、酢酸エチル、トルエンの様な有機溶媒が好ましく用いられる。
【0115】
本発明に用いる熱現像感光材料は支持体上に少なくとも1層の感光層を有している。支持体の上に感光層のみを形成してもよいが、感光層の上に少なくとも一層の非感光層を形成するのが好ましい。例えば感光層の上には保護層が、熱現像感光層を保護する目的で、又支持体の反対の面には感光材料間の、或いは感光材料ロールにおいてくっつきを防止する為に、バックコート層が設けられるのが好ましい。又熱現像感光層を透過する光の量または波長分布を制御するために感光層と同じ側または反対の側にフィルター層を形成してもよいし、感光層に染料又は顔料を含有させてもよい。染料としては特開平8−201959号の化合物が好ましい。感光層は複数層にしてもよく、又階調の調節のために高感度層、低感度層を設け、これを組み合わせてもよい。各種の添加剤は感光層、非感光層又はその他の形成層のいずれに添加してもよい。
【0116】
本発明に用いる熱現像感光材料は常温で安定であるが、露光後高温に加熱することで現像される。加熱温度としては80℃以上200℃以下が好ましく、さらに好ましいのは100℃以上150℃以下である。加熱温度が80℃以下では短時間に十分な画像濃度が得られず、又200℃以上ではバインダーが溶融し、ローラーへの転写など、画像そのものだけでなく搬送性や、現像機等へも悪影響を及ぼす。加熱することで有機銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により銀画像を生成する。この反応過程は、外部からの水等の処理液の一切の供給なしに進行する。
【0117】
熱現像感光材料の露光は、赤外光域ならば如何なる光源にも適用可能であるが、レーザーパワーがハイパワーである事や、感光材料を透明にできる等の点から、赤外半導体レーザー(780nm、820nm)がより好ましく用いられる。
【0118】
本発明において、露光はレーザー走査露光により行うことが好ましいが、感光材料の露光面と走査レーザー光のなす角が実質的に垂直になることがないレーザー走査露光機を用いることが好ましい。
【0119】
ここで、「実質的に垂直になることがない」とはレーザー走査中に最も垂直に近い角度として好ましくは55度以上88度以下、より好ましくは60度以上86度以下、更に好ましくは65度以上84度以下、最も好ましくは70度以上82度以下であることをいう。
【0120】
レーザー光が、感光材料に走査されるときの感光材料露光面でのビームスポット直径は、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。これは、スポット径が小さい方がレーザー入射角度の垂直からのずらし角度を減らせる点で好ましい。なお、ビームスポット直径の下限は10μmである。このようなレーザー走査露光を行うことにより干渉縞様のムラの発生等のような反射光に係る画質劣化を減じることが出来る。
【0121】
また、露光は縦マルチである走査レーザー光を発するレーザー走査露光機を用いて行うことも好ましい。縦単一モードの走査レーザー光に比べて干渉縞様のムラの発生等の画質劣化が減少する。
【0122】
縦マルチ化するには、合波による、戻り光を利用する、高周波重畳をかける、などの方法がよい。なお、縦マルチとは、露光波長が単一でないことを意味し、通常露光波長の分布が5nm以上、好ましくは10nm以上になるとよい。露光波長の分布の上限には特に制限はないが、通常60nm程度である。
【0123】
【実施例】
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0124】
実施例
〈熱現像感光材料〉
(写真用支持体の作製)
市販の2軸延伸熱固定染みの厚さ175μmのブルー濃度0.18に着色したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの両面に8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、写真用支持体を作製した。
【0125】
〈バック層面側塗布〉
以下の組成のバック層塗布液を調製した。乾燥後の膜厚が3μmになるように押し出しコーターで上記支持体に塗布、乾燥をおこなった。乾燥温度100℃、露点温度10℃の乾燥風を用いて5分間かけて乾燥した。
【0126】
〈バック層面側塗布液の調製〉
(バック層側塗布液1)
メチルエチルケトン800gにCAB381−20(イーストマンケミカル社製、セルロースアセテートブチレート)を撹拌しつつ、120gを4回に分けて添加し、その後溶解するまでおよそ1時間撹拌をおこなった。この液に赤外染料1を0.5g、KH40(旭硝子社製、非イオン型フッ素系界面活性剤)0.8g、EF−105(トーケムプロダクツ社製、アニオン型フッ素系活性剤)0.4gを添加して更に撹拌を0.5時間行った。この液にあらかじめ、メチルエチルケトン(MEK)90gにディゾルバー型撹拌機にて30分8000rpmで撹拌しておいたサイリシア440(富士シリシア社製、コロイダルシリカ)1.4gを添加した。更に塗布直前に硬膜剤として、DesmodurN3300(モーベイ社製、脂肪族イソシアネート)10%MEK溶液180gを添加し、バック層側塗布液を作製した。
【0127】
(感光性ハロゲン化銀乳剤Aの調製)
水900ml中に平均分子量10万のオセインゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウム及び〔Ir(NO)Cl5〕塩を銀1モル当たり1×10-6モル及び塩化ロジウム塩を銀1モル当たり1×10-6モル含む水溶液370mlとを、pAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で10分間かけて添加した。その後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.3gを添加しNaOHでpHを5.0に調整して平均粒子サイズ0.06μm、変動係数12%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を加え凝集沈降させ脱塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整して、感光性ハロゲン化銀乳剤Aを得た。
【0128】
(粉末有機銀塩Aの調製)
9450mlの純水にベヘン酸324g、アラキジン酸99g、ステアリン酸56gを80℃で溶解した。次に高速で撹拌しながら1.5Mの水酸化ナトリウム水溶液980mlを添加した。次に濃硝酸9.3mlを加えた後、55℃に冷却して30分撹拌させて前記感光性ハロゲン化銀乳剤A(銀量として0.9モル及び水1400gを含有)を5秒間で添加し5分間撹拌した後に1Mの硝酸銀溶液1470mlを2分間かけて加え、更に20分撹拌し濾過により水溶性塩類を除去した。その後、濾液の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン水による水洗、濾過を繰り返し、遠心脱水を実施した後、37℃にて重量減がなくなるまで温風乾燥を行い、粉末有機銀塩Aを得た。
【0129】
(感光性乳剤分散液の調製)
ポリビニルブチラール粉末(Monsanto社 ButovarB−72)14.57gをメチルエチルケトン1457gに溶解し、ディゾルバー型ホモジナイザーにて撹拌しながら粉末有機銀塩A500gを徐々に添加して十分に混合した。その後、1mmZrビーズ(東レ(株)製)を80%充填したメディア型分散機(Gettzmann社製)にて周速13m、ミル内滞留時間を3分間として分散を行い感光性乳剤分散液を得た。
【0130】
(赤外増感色素液の調製)
赤外増感色素1を350mg、2−クロロ安息香酸13.96g及び5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾールを2.14g、メタノール73.4mlに暗所にて溶解し、赤外増感色素液を調製した。
【0131】
(安定剤液の調製)
安定剤1を1.0g、酢酸カリウム0.5gをメタノール8.5gに溶解し安定剤液を調製した。
【0132】
(現像剤液の調製)
1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパンを17.74gメチルエチルケトンに溶解し、100mlに仕上げて現像剤溶液とした。
【0133】
(かぶり防止剤液の調製)
かぶり防止剤2を5.81gメチルエチルケトンに溶解し、100mlに仕上げてカブリ防止剤溶液とした。
【0134】
〈画像形成層塗布液の調製〉
前記感光性乳剤分散液50g及びメチルエチルケトン15.11gを撹拌しながら21℃に保温し、かぶり防止剤1(10%メタノール溶液)390μlを加え、1時間撹拌した。更に臭化カルシウム(10%メタノール溶液)889μlを加え、30分間撹拌した。引き続き赤外増感色素液1.416ml及び安定剤液667μmを添加して1時間撹拌した後に温度を13℃まで降温して更に30分間撹拌した。13℃に保温したままポリビニルブチラール粉末(Monnsanto社 ButovarB−79)13.31gを添加して30分間撹拌してから、更に撹拌を続けながら以下の添加物を15分間隔で添加した。
【0135】
を順次添加し撹拌することにより画像形成層塗布液を得た。
【0136】
【化6】
【0137】
【化7】
【0138】
〈表面保護層塗布液の調製〉
以下の組成の表面保護層塗布液を調製した。
【0139】
(微粒子分散液1)
メチルエチルケトン88.8gにCAB171−15(イーストマンケミカル社製、セルロースアセテートブチレート)15gを撹拌しながら添加し、十分に溶解するまでデゾルバー型撹拌機にて撹拌を行った。これにSuper Pflex200(ミンテック社製、炭酸カルシウム)6.2gを添加し、ディゾルバ型撹拌機を用いて8000rpmで45分間分散を行った。
【0140】
(表面保護層塗布液1)
メチルエチルケトン700gにCAB171−15(イーストマンケミカル社製、セルロースアセテートブチレート)を113.5gを4回に分けて添加し、1時間撹拌を行った。更に、フタラジン12.5g、HD−1(1,3−ビス(ビニルスルホニル)−2−ヒドロキシプロパン)を1.75g、サーフロンKH40(旭硝子社製、非イオン性活性剤)1g、フローラッドF120−Kを0.5g(大日本インキ化学株式会社製、イオン性活性剤)を添加し、30分間撹拌を行った。この液に上記分散液を11g添加し十分に撹拌した。更に塗布直前に硬膜剤として、DesmodurN3300(モーベイ社製、脂肪族イソシアネート)10%メチルエチルケトン溶液160gを添加し、表面保護層塗布液1を作製した。
【0141】
又、上記微粒子分散液1の調製に用いたSuper pflex200の量を変化させ表面保護層液2、3、4を調製した。又、シリカ系微粒子であるサイリシア320(富士シリシア社製)、アクリル系微粒子であるMX−300(綜研化学製)、メラミン系微粒子であるエポスターM30(日本触媒製)に代え量を変化させ、表面保護層塗布液5〜11を調製した。
【0142】
又、微粒子ではなく、バインダーポリマーに第2の高分子化合物を混合して表面保護層塗布液12〜20を調製した。即ち、上記表面保護層塗布液1から、微粒子分散液を除いたもの、又、第2の高分子化合物として重量平均分子量20000のPMMA(溶解度パラメーター(SP)値=9.08)をこれも又、表2に示す量になる様に塗布液中に溶解し比較とし、更にPMMAを本発明内ポリマーであるバイロン550、PA−5、U−5にそれぞれ変え、その量も変化させた表面保護層塗布液12〜20を調製した。
【0143】
《画像形成層面側塗布》
画像形成層塗布液と上記の表面保護層塗布液をエクストリュージョンコーターを用いて毎分20mの速度で均一に同時重層塗布した。画像形成層塗布液は塗布銀量が2.0g/m2になるように、又、保護層はCAB量で2.0g/m2の量となるように塗布を行った。塗布後、乾燥温度70℃、露天温度10℃の乾燥風を用いて5分間、引き続き乾燥温度55℃、露点温度10℃の乾燥風で10分間層を行った。
【0144】
この様にして上記の表面保護層塗布液1〜20から表1、表2に示す様に熱現像感光材料試料No.1〜20を得た。これらの表面光沢度をスガ試験機株式会社製デジタル変角光沢計UGV−5Dを用いて測定した後、以下の方法にて評価を行った。
【0145】
《露光及び現像処理》
上記で作製した熱現像感光材料を半切と六つに切断して23℃、50%RHの条件で12時間調湿した後、それぞれ100枚ずつ重ねて酸素と水分を透過しないバリア袋に入れて、40℃で1日間加温した。その後、熱現像ムラ試験を以下のように行った。
【0146】
即ち、感光材料は810nmの半導体レーザーを有する感光計で濃度が1.0になるように全面露光をおこなった。又、熱現像機は、半径20cmの円筒形のヒートドラムを有する特願平11−53914号に記載のドラム型現像機を用いた。熱現像機の現像ドラム部分を図1に示した。尚、現像条件は、120℃、15秒間、露光及び現像は23℃、50%RHに調湿した部屋で行った。
【0147】
図1において、1は加熱ローラーであり、2は加熱ローラーに沿って設置された複数のガイドローラーである。5は案内部材であるガイドローラーを固定する案内部材ブラケット、Xは熱現像感光材料の加熱ローラー1からの剥離を助ける剥離爪である。感光材料Sは導入口Aから感光材料の保護膜面が加熱ローラー面と向き合うようにして熱現像機に入り加熱ローラーと共に搬送され、熱現像後、剥離爪Xで加熱ローラー1から剥離される。
【0148】
《評価》
(熱現像ムラ試験)
ムラ試験は、まず、それぞれ六切りのサイズを露光後連続して1〜20枚まで順次処理を行った後で露光した半切りサイズの処理を行って評価した。即ち、連続して何枚かの六切りサイズを処理した後に半切りサイズを処理し、半切りサイズにサイズ違いによるムラが発生する六切りサイズの枚数をカウントし、何枚の六切りサイズを処理するとサイズの違う半切りサイズに現像ムラが発生するかを評価した。
【0149】
又、縁のムラは六切りサイズの最初の現像試料を目視によりA、B、C、D、Eの5段階で評価した。A、Bが許容されるレベルである。
【0150】
A ムラ無し
B うすいムラあるが目立たない
C 目立つムラがある
D 目立つムラ多い
E ムラが非常に目立つ。
【0151】
評価した結果を表1、表2に示す。
【0152】
【表1】
【0153】
【表2】
【0154】
【発明の効果】
【図面の簡単な説明】
【図1】熱現像機の形状を示す断面図。
【符号の説明】
1 加熱ローラー
2 ガイドローラー
5 案内部材ブラケット
A 導入口
S 感光材料
X 剥離爪
Claims (6)
- 支持体の一方の側に有機銀塩粒子、感光性ハロゲン化銀粒子を含有する画像形成層を少なくとも一層有し、且つ画像形成層側の構成層に少なくとも一種の還元剤を含有し、画像形成層側又はその反対側の鏡面光沢計による光沢度が1%以上60%以下である熱現像感光材料を連続的に複数のサイズで熱現像処理することを特徴とする画像形成方法。
- 前記光沢度が2%以上45%以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 熱現像感光材料が支持体より最も遠い層に少なくとも1種の、重量平均粒径が0.1〜10μmの無機又は有機の粒子を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
- 前記重量平均粒径が0.5〜5μmであることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
- 熱現像感光材料が、支持体より最も遠い層に、重量平均分子量が20000以上、SP値で10.0〜12.5である高分子化合物を、該層を構成する全バインダーに対して5%以上50%以下の量含有することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 高分子化合物がポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリル樹脂のうちいずれか1種であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
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